| 【発明の名称】 |
放射性薬液の分注容量決定装置及び分注容量決定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 広明
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| 【要約】 |
【課題】所望の放射能量の放射性薬液を精度よく分注することを可能とする分注容量決定装置及び分注容量決定方法を提供する。
【構成】分注投与装置にセットされた投与用容器からの放射性薬液の分注容量を決定する分注容量決定装置70である。この装置70は、投与用容器に放射性薬液が収容された収容時刻と、収容時刻における投与用容器内の薬液情報と、を取得する第1情報取得手段72と、投与用容器から放射性薬液を分注する分注時刻を取得する第2情報取得手段74と、投与用容器から分注する放射能量を取得する第3情報取得手段72と、これら取得した情報と、予め求められている放射性薬液の減衰特性とに基づいて、投与用容器から分注する放射性薬液の容量を決定する容量決定手段78と、を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分注投与装置にセットされた投与用容器からの放射性薬液の分注容量を決定する分注容量決定装置であって、 前記投与用容器に放射性薬液が収容された収容時刻と、該収容時刻における該投与用容器内の薬液情報と、を取得する第1情報取得手段と、 前記投与用容器から放射性薬液を分注する分注時刻を取得する第2情報取得手段と、 前記投与用容器から分注する放射能量を取得する第3情報取得手段と、 これら取得した情報と、予め求められている放射性薬液の減衰特性とに基づいて、前記投与用容器から分注する放射性薬液の容量を決定する容量決定手段と、 を備えることを特徴とする分注容量決定装置。 【請求項2】 前記投与用容器は、前記収容時刻と前記薬液情報とを記憶可能な記憶手段を有し、 前記第1情報取得手段は、前記投与用容器の前記記憶手段から前記収容時刻と前記薬液情報とを読み取る読取装置を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の分注容量決定装置。 【請求項3】 前記第1情報取得手段は、無線により前記収容時刻と前記薬液情報とを受信することを特徴とする請求項1に記載の分注容量決定装置。 【請求項4】 分注投与装置にセットされた投与用容器からの放射性薬液の分注容量を決定する分注容量決定方法であって、 前記投与用容器に放射性薬液が収容された収容時刻と、該収容時刻における該投与用容器内の薬液情報と、を取得すると共に、 前記投与用容器から放射性薬液を分注する分注時刻を取得し、 さらに前記投与用容器から分注する放射能量を取得し、 これら取得した情報と、予め求められている放射性薬液の減衰特性とに基づいて、前記投与用容器から分注する放射性薬液の容量を決定する、 ことを特徴とする分注容量決定方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、放射性薬液の分注容量決定装置及び分注容量決定方法に関する。 【背景技術】 【0002】 放射性核種(RI)で標識した化合物を含む放射性薬液を体内に投与し、この標識化合物が体内の特定箇所に集まった様子を専用の装置で撮像することによって、疾病等を診断する核医学診断法が開発されている。この診断法では、比較的短寿命の放射性核種(例えば、ポジトロン放出核種として、15Oは2分、11Cは20分、18Fは110分の半減期を持つ)で標識された、15O−水や11C−メチオニンや18F−FDG(フルオロデオキシグルコース)等が放射性薬液として用いられる。 【0003】 この放射性薬液を分注して被験者に投与する分注投与装置として、例えば特許文献1に開示されているものがある。この分注投与装置では、シリンジを用いてバイアル瓶から所定量の放射性薬液を引き出し、これを押し出して被験者に繋がるチューブ内に分注する。そして、分注された放射性液体を生理食塩水と共に送り出して、被験者に投与する。この分注投与装置では、バイアル瓶から引き出されたチューブの側方に設けられた放射能濃度センサにより、チューブ内の薬液の放射能濃度を計測し、これに基づいて必要な放射能量を得るための分注容量を算出して、算出された分注容量の放射性薬液を分注している。 【特許文献1】特開2002−306609号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記した従来の技術では、チューブの側方に設けられた放射能濃度センサにより放射能濃度を測定しているため、チューブのバラツキや気泡混入により必ずしも正確な放射能濃度を算出することが難しく、精度の高い分注を行えないおそれがあった。 【0005】 本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、所望の放射能量の放射性薬液を精度よく分注することを可能とする分注容量決定装置及び分注容量決定方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明に係る分注容量決定装置は、分注投与装置にセットされた投与用容器からの放射性薬液の分注容量を決定する分注容量決定装置である。この装置は、投与用容器に放射性薬液が収容された収容時刻と、収容時刻における投与用容器内の薬液情報と、を取得する第1情報取得手段と、投与用容器から放射性薬液を分注する分注時刻を取得する第2情報取得手段と、投与用容器から分注する放射能量を取得する第3情報取得手段と、これら取得した情報と、予め求められている放射性薬液の減衰特性とに基づいて、投与用容器から分注する放射性薬液の容量を決定する容量決定手段と、を備えることを特徴とする。 【0007】 また本発明に係る分注容量決定方法は、分注投与装置にセットされた投与用容器からの放射性薬液の分注容量を決定する分注容量決定方法である。この方法は、投与用容器に放射性薬液が収容された収容時刻と、収容時刻における投与用容器内の薬液情報と、を取得すると共に、投与用容器から放射性薬液を分注する分注時刻を取得し、さらに投与用容器から分注する放射能量を取得し、これら取得した情報と、予め求められている放射性薬液の減衰特性とに基づいて、投与用容器から分注する放射性薬液の容量を決定する、ことを特徴とする。 【0008】 この装置及び方法によれば、投与用容器への収容時刻、収容時刻における薬液情報、分注時刻、及び分注する放射能量といった取得が容易な情報と、放射性薬液の減衰特性とを利用して、投与のために分注する放射性薬液の容量を決定することができるため、分注容量を決定するためにチューブの側方に設けられた放射能濃度センサにより放射能濃度を測定する必要がなくなって、チューブにバラツキ等が生じた場合であっても、所望の放射能量の放射性薬液を精度よく分注することが可能となる。 【0009】 投与用容器は、上記収容時刻と上記薬液情報とを記憶可能な記憶手段を有し、第1情報取得手段は、投与用容器の記憶手段から収容時刻と薬液情報とを読み取る読取装置を有することを特徴としてもよい。このようにすれば、投与用容器に放射性薬液を収容する段階で、記憶手段に収容時刻と薬液情報とを記憶させ、分注投与装置にセットするときに読取装置によりこれら情報を読み取って、これら情報を取得することができる。このとき、収容時刻と薬液情報とが投与用容器に対応しているため、異なる投与用容器の情報を誤って取得するおそれを低減することができる。 【0010】 第1情報取得手段は、無線により上記収容時刻と上記薬液情報とを受信することを特徴としてもよい。このようにすれば、配線等の複雑化を避けることができる。 【発明の効果】 【0011】 本発明の分注容量決定装置及び分注容量決定方法によれば、所望の放射能量の放射性薬液を精度よく分注することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。 【0013】 図1は、本実施形態に係る放射性液体の分注投与システム1の構成を示す図である。図1に示すように、分注投与システム1は、分注投与装置10と制御装置70とを備えている。分注投与装置10は、放射性薬液を貯留する投与用容器16を収容する収容部14を有している。投与用容器16は、例えば鉛やタングステン等の材料からなる放射線遮蔽箱に入ったバイアル12を有している。そして、放射線遮蔽箱の底部には、ICタグ(記憶手段)13が設けられている。この投与用容器16は、収容部14に傾斜した状態で上部開口から収容され支持されている。この収容部14内には、投与用容器16のICタグ13から情報を非接触で読み取る読取装置15が設けられている。 【0014】 また分注投与装置10は、放射性薬液を分注するためのシリンジ(薬液用吸引吐出器)18を保持する保持部20を有している。この保持部20は、例えばシリンジ18を下端から挿通して保持する筒型の容器であり、全体が放射線を遮蔽する鉛やタングステン等の材料から形成されている。 【0015】 シリンジ18は、シリンダ22とこのシリンダ22内で摺動するピストン24とを備えている。ピストン24の先端には、ゴム等の弾性体から形成されたパッキンが設けられている。このピストン24には、例えばステッピングモータ等のピストン24を押し引きする駆動装置25が接続されている。従って、駆動装置25によりピストン24をシリンダ22内で押し引きすることで、先端口から放射性薬液を吸引したり、吐出したりすることができる。 【0016】 そして、シリンジ18の周りには、放射能を計測するための定量センサ26が設けられている。この定量センサ26により、シリンジ18に収容された放射性薬液の放射能量を計測することができる。 【0017】 上記したバイアル12とシリンジ18とは、薬液搬出ラインL1を介して連絡されている。薬液搬出ラインL1の一端にはカテラン針29が設けられており、このカテラン針29がバイアル12内に差し込まれる。薬液搬出ラインL1の他端は、薬液投与ラインL2及び生理食塩水を導入する生食導入ラインL3との接続点まで延びている。薬液搬出ラインL1は途中で分岐しており、分岐点でシリンジ18と接続されている。 【0018】 薬液搬出ラインL1上でこの分岐点を挟むように、一対の逆支弁28が設けられている。これら一対の逆支弁28により、放射性薬液の流れ方向が一方向に規制されている。 【0019】 また分注投与装置10は、生理食塩水パック30から生理食塩水を薬液投与ラインL2に導入する生食導入ラインL3と、生理食塩水を吸引吐出するためのシリンジ32を備えている。生食導入ラインL3の一端は生理食塩水パック30に接続されている。生食導入ラインL3の他端は、薬液投与ラインL2及び薬液導入ラインL1との接続点まで延びている。生食導入ラインL3は途中で分岐しており、この分岐点でシリンジ(生食用吸引吐出器)32と接続されている。このシリンジ32は、駆動装置33により駆動される。 【0020】 生食導入ラインL3上でこの分岐点を挟むように、一対の逆支弁34が設けられている。これら一対の逆支弁34により、生理食塩水の流れ方向が一方向に規制されている。 【0021】 また分注投与装置10は、放射性薬液を被験者への投与に向けて搬送する薬液投与ラインL2を備えている。薬液投与ラインL2の一端は、薬液導入ラインL1及び生食導入ラインL3との接続点まで延びている。この接続点には三方管36が設けられており、三つの開口にそれぞれ薬液投与ラインL2、薬液導入ラインL1及び生食導入ラインL3が接続されている。 【0022】 薬液投与ラインL2の他端は、エアベントフィルタ38まで延びている。エアベントフィルタ38は、空気を遮断する。このエアベントフィルタ38の前段には逆支弁40が設けられており、薬液の逆流を規制している。なお、逆支弁40は省略してもよい。薬液投与ラインL2は途中で分岐しており、この分岐ラインL4の末端には排液を収容する排液バイアル42が接続されている。この分岐ラインL4上には、ピンチバルブ44が設けられている。 【0023】 また、薬液投与ラインL2の途中で分岐ラインL4の分岐点の後段には、ピンチバルブ48が設けられていると共に、ピンチバルブ48の後段には、放射性薬液の通過を検知する放射線通過センサ46が設けられている。 【0024】 また分注投与装置10は、最終投与ラインL5を備えている。最終投与ラインL5の一端は、エアベントフィルタ38に接続されている。一方、最終投与ラインL5の他端は、翼付針50に接続されている。更に分注投与装置10は、外側放射線遮蔽箱62の外側から内側放射線遮蔽箱60内の排液バイアル42まで延びる排液導入ラインL6を備えている。排液導入ラインL6の外端には、ゴム等からなる密閉栓52が設けられている。密閉栓52は、翼付針50を突き刺すことで、翼付針50から排出される不要な排液を排液導入ラインL6を通して排液バイアル42に収容可能になっている。 【0025】 上記した部材が、翼付針50が接続された最終投与ラインL5の一部を外に出した状態で、外側放射線遮蔽箱60に収容されている。特に、箱16に収容されたバイアル12、シリンジ18、これらを接続する薬液導入ラインL1、及び第1排液バイアル42が、内側放射線遮蔽箱62に収容されている。これら内側及び外側放射線遮蔽箱60,62は、放射線を遮蔽する鉛やタングステン等の材料から形成されている。そして、内側放射線遮蔽箱62の放射線遮蔽能力が、外側放射線遮蔽箱60の放射線遮蔽能力よりも大きく構成されている。例えば、内側放射線遮蔽箱62は、鉛により30mm〜50mmの厚みで形成されており、一方、外側放射線遮蔽箱60は、鉛により5mm〜10mmの厚みで形成されている。単位面積当たりの遮蔽能力で比較すると、内側放射線遮蔽箱62の放射線遮蔽能力は、外側放射線遮蔽箱60の放射線遮蔽能力よりも約22〜1064倍程度だけ大きく構成されている。 【0026】 なお、生理食塩水パック30、及びエアベントフィルタ38から先の最終投与ラインL5は、外側放射線遮蔽箱60から出し入れ可能に構成されている。 【0027】 また、一対の逆支弁28及び逆支弁34はそれぞれ一体に設けられていると好ましく、またこれら一体の逆支弁28、逆支弁34、及び三方管36が連続して接続されていると好ましい。このようにすれば、接続作業が容易になる。 【0028】 制御装置70は、読取装置15、駆動装置25,33、放射線通過センサ46、及びピンチバルブ44,48に電気的に接続されており、分注投与装置10を制御すると共に分注容量決定装置として機能する。この制御装置70は、図2に示すように、データ受付部72、時計部74、メモリ76、および演算制御部78を備えている。 【0029】 データ受付部72は、読取装置15で読み取った投与用容器16内の放射性薬液の収容時刻、及び薬液情報を受け付け、第1情報取得手段として機能する。またデータ受付部72は、外部から操作者が入力した分注する放射能量を受け付け、第3情報取得手段として機能する。データ受付部72は、演算制御部78と接続されており、取得した情報を演算制御部78に送信する。 【0030】 時計部74は、演算制御部78からの要求に基づいて、分注しようとするときの分注時刻を演算制御部78に送信し、第2情報取得手段として機能する。 【0031】 メモリ76には、分注投与しようとする放射性薬液の減衰特性を考慮した演算プログラムが記憶されている。演算制御部78は、データ受付部72から送られた収容時刻、薬液情報、及び分注放射能量と、時計部74から送られた分注時刻とに基づいて、メモリ72から読み出した演算プログラムにより、投与用容器16から分注する放射性薬液の容量を算出し、容量決定手段として機能する。すなわち、放射性同位元素により放射能の減衰特性は決まっており、初期値として初期時刻とそのときの放射能濃度(或いは放射能量)が分かれば、所定時間経過した後の時刻における放射能濃度(或いは放射能量)を求めることができる。そして、このようにして求めた放射能濃度(或いは放射能量)と分注する放射能量とにより、分注する必要がある容量を求めることができる。従って、メモリ76にはこの演算のためのプログラムが記憶されている。そして、演算制御部78は、決定された容量の放射性薬液を抽出するように、シリンジ18の駆動装置25を制御する。 【0032】 なお、図3は分注投与システム1の上流側に設けられ、合成装置112から投与用容器16に放射性薬液を分注して収容する合成分注システム100の構成を示す図である。 【0033】 図3に示すように、合成分注システム100は、合成分注装置110と制御装置150とを備えている。合成分注装置110は、合成装置112と、分注装置114と、を備えている。 【0034】 合成装置112は、放射性同位元素で標識化された放射性薬液を合成する。放射性薬液としては、例えば比較的短寿命の陽電子放射性核種で標識された、15O−水や11C−メチオニンや18F−FDG(フルオロデオキシグルコース)が挙げられる。 【0035】 分注装置114は、合成装置112により合成された放射性薬液を分注する。分注装置114は、配管122により合成装置112と接続されている。この分注装置114は、配管122を通して合成装置112から送られてくる放射性薬液の原液を貯留する原液貯留部124を有している。 【0036】 原液貯留部124は、原液バイアル126を収容する収容部128を有している。収容部128の近傍には、原液バイアル128に収容された放射性薬液の原液全体の放射能量を計測する放射能計測器130、及び原液バイアル128内の放射性液体の液量を計測する液量センサ133が設けられている。 【0037】 また分注装置114は、放射性薬液の原液を分注して貯留する分注貯留部134を有している。分注貯留部134は、投与用容器16を収容する収容部138を有している。収容部138には、投与用容器16のICタグ13に情報を非接触で書き込む書込装置139が設けられている。 【0038】 また分注装置114は、原液バイアル126から投与用容器16へ放射性薬液を分注するのに使用するシリンジ138、及び放射性薬液を希釈する希釈液を供給する希釈液供給部140を有している。シリンジ138は、駆動装置141により駆動される。希釈液としては、蒸留水や生理食塩水が挙げられる。また分注装置114は、管路中の液体をパージするためのパージガス(例えば、Heガス)を供給するパージガス供給部142を有している。 【0039】 これら原液貯留部124の原液バイアル126、分注貯留部134の投与用容器16、シリンジ138、希釈液供給部140、及びパージガス供給部142は、流路切替装置144により互いに連通されている。流路切替装置144は、第1から第4の4つの三方弁を有しており、最下流の三方弁は配管146を介して図示しない品質検定装置に接続されている。 【0040】 上記した合成装置112と分注装置114とが、ホットセル118内に収容されている。 【0041】 制御装置150は、放射能計測器130、液量センサ133、書込装置139、駆動装置141、及び流路切替装置144に電気的に接続されており、合成分注装置110を制御する。制御装置150は、外部から操作者により入力された分注指令値に基づいて、流路切替装置144及び駆動装置141を制御して、必要放射能量の放射性液体を原液バイアル126から投与用容器16に分注する。 【0042】 制御装置150は、図示しない時計部を内蔵しており、投与用容器16に放射性薬液を収容した収容時刻と、バイアル12内の薬液情報とを、書込装置139を介してICタグ13に書き込む。薬液情報は、収容された放射性薬液の液量(ml)と放射能量(MBq)及び放射能濃度(MBq/ml)の少なくともいずれかとを含んでいる。 【0043】 次に、本実施形態に係る分注投与システム1による放射性薬液の分注投与方法について説明する。 【0044】 まず、図3に示すように、合成分注システム100において、投与用容器16に所望の放射能量の放射性薬液を分注して収容する。放射性薬液としては、例えば18F−FDG(フルオロデオキシグルコース)や15O−水や11C−メチオニンを用いることができる。そして、投与用容器16に放射性薬液を収容した収容時刻と、このときのバイアル12内の薬液情報とを、書込装置139を介して投与用容器16のICタグ13に書き込む。薬液情報としては、収容された放射性薬液の液量(ml)と放射能量(MBq)及び放射能濃度(MBq/ml)の少なくともいずれかとが含まれる。 【0045】 次に、放射性薬液を収容した投与用容器16を合成分注装置110から取り出し、図1に示す分注投与装置10まで運んで、収容部14にセットする。そして、カテラン針29をバイアル12内に差し込む。 【0046】 次に、生理食塩水パック30に入った生理食塩水を、生食導入ラインL3を介してシリンジ32内に一定量引き込む。次に、シリンジ32のピストンを所定量押し戻し、薬液投与ラインL2に生理食塩水を導入する。このとき、ピンチバルブ44,48を開放して、薬液投与ラインL2、分岐ラインL4及び最終投与ラインL5を生理食塩水で満たす。そして、ピンチバルブ48を閉じる。 【0047】 次に、バイアル12に入った放射性薬液を、薬液搬出ラインL1を介してシリンジ18内に一定量引き込む。次に、シリンジ18のピストン24を所定量押し戻し、薬液投与ラインL2に放射性薬液の一部を搬出する。そして、シリンジ32のピストンを所定量押し戻し、薬液投与ラインL2に生理食塩水を導入する。このとき、ピンチバルブ44は開放されているため、薬液投与ラインL2上に搬入された余分の放射性薬液が、分岐ラインL4から生理食塩水と共に排液バイアル42に排出される。 【0048】 この準備ができた段階で、被験者への投与に必要な放射性薬液の容量を決定する。まず、図1及び図2に示すように、データ受付部72は、読取装置15で読み取った投与用容器16内の放射性薬液の収容時刻、及び薬液情報を受け付ける。またデータ受付部72は、外部から操作者が入力した分注する放射能量を受け付ける。そして、データ受付部72は、取得した情報を演算制御部78に送信する。 【0049】 次に、演算制御部78は、時計部74から分注しようとするときの分注時刻を取得する。そして、演算制御部78は、データ受付部72から送られた収容時刻、薬液情報、及び分注放射能量と、時計部74から送られた分注時刻とに基づいて、メモリ72から読み出した演算プログラムにより、投与用容器16から分注する放射性薬液の容量を算出して決定する。そして、演算制御部78は、決定された容量の放射性薬液を抽出するための、駆動装置25によるシリンジ18の駆動量を算出する。 【0050】 駆動装置25は、算出された駆動量でシリンジ18のピストンを押し戻し、被験者への投与に必要な容量の放射性薬液を薬液投与ラインL2に搬出する。このとき、シリンジ18の周りには定量センサ26が設けられているため、シリンジ18内の放射性薬液の放射能量を計測することで、分注された放射能量を確認することができる。このように必要量の放射性薬液が薬液投与ラインL2に搬出されると、放射性液体の分注分だけ生理食塩水が分岐ラインL4から排液バイアル42に送られる。そして、ピンチバルブ44を閉じる。 【0051】 このようにして投与の準備ができた後で、ピンチバルブ48を開くと共に、シリンジ32のピストンを押し戻し生理食塩水を薬液投与ラインL2に導入して、薬液投与ラインL2に搬出された必要量の放射性薬液を押し流し、最終投与ラインL5を通して被験者に投与する。 【0052】 なお、放射性薬液を薬液投与ラインL2に分注したが、時間が経過してしまって使えなくなったときや、必要量でない放射性薬液が分注されてしまったときのように、被験者への投与に適さないときは、ピンチバルブ48を閉じピンチバルブ44を開いた状態でシリンジ32により生理食塩水を薬液投与ラインL2に導入することで、分岐ラインL4を通して不要な廃液を排液バイアル42に送る。 【0053】 以上、詳述したように本実施形態に係る分注投与システム1では、投与用容器16への収容時刻、収容時刻における薬液情報、分注時刻、及び分注する放射能量といった取得が容易な情報と、放射性薬液の減衰特性とを利用して、投与のために分注する放射性薬液の容量を決定することができるため、分注容量を決定するためにチューブの側方に設けられた放射能濃度センサにより放射能濃度を測定する必要がなくなって、薬液搬出ラインL1のチューブにバラツキ等が生じた場合であっても、所望の放射能量の放射性薬液を精度よく分注することが可能となる。 【0054】 また、投与用容器16に放射性薬液を収容する段階で、ICタグ16に収容時刻と薬液情報とを記憶させ、分注投与装置10にセットするときに読取装置15によりこれら情報を読み取って、これら情報を取得することができる。このとき、収容時刻と薬液情報とが投与用容器16に対応しているため、異なる投与用容器16の情報を誤って取得するおそれを低減することができる。 【0055】 また、本実施形態に係る分注投与装置10では、放射線の放出が多い部分を内側放射線遮蔽箱62で囲み、放射線の放出が少ない部分をより遮蔽能力の低い外側放射線遮蔽箱60で囲んでいるため、全体を遮蔽能力の高い遮蔽箱で囲む必要がなくなって、放射線遮蔽能を高く維持しつつ軽量化を図ることが可能となる。 【0056】 また、分注投与装置10は、薬液投与ラインL2から分岐する分岐ラインL4と、分岐ラインL4に設けられたピンチバルブ44と、分岐ラインL4を通して排出される排液を収容する排液バイアル42とを備えるため、所望の放射性薬液が分注されていない場合等において、分岐ラインL4を通して排液バイアル42に排出することができる。 【0057】 そして、この排液バイアル42も内側放射線遮蔽箱62に収容されるため、分注投与装置10から漏れる放射能量を一層低減することができる。 【0058】 更に、シリンジ18による吸引吐出点を挟むように逆支弁28が設けられていると共に、シリンジ32による吸引吐出点を挟むように逆支弁34が設けられているため、三方活栓のような流路切換手段が不要になり、電気的・機構的な不具合が生じるおそれが低減され、信頼性が向上する。また、取り付けも容易になる。 【0059】 なお、本発明は上記した実施形態に限られず、種々の変形が可能である。例えば、分注投与装置10の読取装置15、合成分注装置110の書込装置139、及び投与用容器16のICタグ13を省略し、制御装置70のデータ受付部72は、無線或いは有線により、制御装置150から上記収容時刻と上記薬液情報とを直接受信してもよい。このようにすれば、配線等の複雑化を避けることができる。 【0060】 また、分注する放射性薬液の放射能量を確認する必要がなければ、シリンジ18の周りの定量センサ26を省略してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0061】 【図1】本実施形態に係る放射性薬液の分注投与システムの構成を模式的に示す図である。 【図2】図1の分注投与システムの制御装置の構成を示すブロック図である。 【図3】本実施形態に係る放射性薬液の合成分注システムの構成を模式的に示す図である。 【符号の説明】 【0062】 1…分注投与システム、10…分注投与装置、16…投与用容器、18,32…シリンジ、25,33…駆動装置、28,34…逆止弁、42…排液バイアル、44,48…ピンチバルブ、60…外側放射線遮蔽箱、62…内側放射線遮蔽箱、70…制御装置、72…データ受付部、74…時計部、76…メモリ、78…演算制御部、100…合成分注システム、110…合成分注装置、112…合成装置、114…分注装置、139…書込装置、150…制御装置、L1…薬液搬出ライン、L2…薬液投与ライン、L3…生食導入ライン、L4…分岐ライン、L5…最終投与ライン。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002107 【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月20日(2006.6.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100092657 【弁理士】 【氏名又は名称】寺崎 史朗
【識別番号】100113435 【弁理士】 【氏名又は名称】黒木 義樹
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| 【公開番号】 |
特開2008−202(P2008−202A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−170276(P2006−170276) |
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