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【発明の名称】 半導体センサモジュールを用いた滅菌プロセスのモニタリングおよび制御
【発明者】 【氏名】ボニー ステュワート

【氏名】ピーター イー. ゼル

【要約】 【課題】滅菌または殺菌化学物質の濃度のリアルタイムモニタリング及び電子制御のシステムを提供する。

【構成】半導体感知素子を滅菌チャンバ1内に搭載する。受信ユニットは、固体感知素子をモニタリングし、例えば温度、圧力、相対湿度、空気流速、酸化物質濃度およびこれらの組合せである環境パラメータ値の第1の組における滅菌剤のベースライン濃度に対応するベースライン電気的特性値を格納する。受信ユニットは、リアルタイムな半導体感知素子の電気的特性の変化をベースライン特性値と比較して、これにより、滅菌剤濃度のリアルタイムな指標を提供する。滅菌装置制御部12は、この受信ユニットからのリアルタイムの滅菌剤濃度に従って、滅菌チャンバ中の滅菌剤の濃度および他の滅菌システムパラメータを制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌/殺菌サイクル中の液体または気体の滅菌または殺菌化学物質の濃度のリアルタイムモニタリングおよび電子制御のためのシステムであって、
該システムは、
滅菌/殺菌化学物質と流体通信するように滅菌器に配置された感知素子を含むセンサプローブであって、該感知素子は、第1の環境パラメータ値のセットにおける該化学物質のベースライン濃度を感知し、該感知素子は、該ベースライン濃度におけるベースライン電気的特性値を有する、センサプローブと、
該感知素子に電子的に接続された受信ユニットであって、該受信ユニットは、該ベースライン電気的特性値を電子的に格納し、該センサ素子の該電気的特性値の変化を該第1の環境パラメータ値のセットにおける該化学物質の第2の濃度を示すものとしてリアルタイムに検出するようにプログラムされている、受信ユニットと、
制御システムと、
該受信ユニットを該制御システムに電子的に接続する送信ユニットであって、該第1の環境パラメータ値のセットにおける該化学物質の第2の濃度を表す値を該制御システムにリアルタイムに送信する送信ユニットと、
該制御システムと電子的に通信する処理制御ユニットであって、該制御システムからの信号に応答して、チャンバ内の該化学物質の濃度を変更する処理制御ユニットと
を備えた、システム。
【発明の詳細な説明】【背景技術】
【0001】
発明の背景
滅菌および浄化のためのシステムにおいて、目標滅菌保証レベル(targetsterility assurance level)を達成するためには、所与の期間の間、特定の重要なプロセスパラメータを許容可能な限度範囲内に維持しなければならない。温度、圧力および時間のような重要なパラメータのリアルタイムのモニタリングおよび制御方法は周知であり、実践されている。しかし、液体および気体の化学的な滅菌および浄化システムの場合、重要なパラメータである滅菌剤濃度をもモニタリングおよび制御しなければならない。本発明以前には、あらゆるタイプの滅菌および浄化システムにおいて経済的に現実的に使用される、滅菌剤濃度をリアルタイムで直接的に測定する実用的な方法がなかった。
【0002】
酸化エチレン、ホルムアルデヒド、過酸化水素および過酸化化合物等の化学滅菌剤の濃度を測定する間接的な方法は、一般に広く使用されている。例えば、気化システム(vaporization system)に供給される液体過酸化物の消費量を、温度、圧力、相対湿度、露点、および該当する場合には空気流量(airflow rate)およびチャンバ容積等のシステムパラメータと相関させることにより、任意の所与の時間における滅菌チャンバ中の気化した過酸化水素の理論濃度を計算することができる。その後、この間接的な計算に基づいて、滅菌装置制御システムは、ポンプ、バルブ等のような様々な滅菌装置構成要素を操作し、気化器に送達される液体過酸化水素の量を制御し、これにより、蒸気飽和(vaporsaturation)に起因する液化(condensation)を防ぎながらチャンバ中の滅菌剤気体/蒸気の所望の理論濃度を維持することができる。
【0003】
しかし、ほとんどの化学滅菌剤システムにおいて、システム内の様々な表面および処理している装填物(load)と接触する際に生じる、滅菌剤気体/蒸気の分解、吸収および/または吸着を含む可変環境ファクタに起因して理論上の滅菌剤濃度と実際の滅菌剤濃度との間に不整合が生じ得ることが公知である。これらのファクタが実際の滅菌剤濃度に与える影響は予測不可能であり装填物毎およびシステム毎に異なるので、液体化学滅菌剤の供給を調節してこれらの影響に対処することは、非実用的且つ非効率的である。従って、目標滅菌保証レベルを満足していることを確かめるためには、任意の所与の時間においてチャンバ中の実際の化学滅菌剤濃度を直接的にリアルタイムで測定するシステムが好適である。
【0004】
近年、近赤外分光測光法の開発によって、上記技術を使用して、所与の滅菌または浄化環境における過酸化水素蒸気の濃度をリアルタイムで直接的に測定および制御することが可能になった。この方法は、有効であることは実証済みであるが、コストが高く、滅菌および浄化システムの全体コストをかなり増大させる。さらに、現在の構成による近赤外システムは全体サイズが大きいために、小型内視鏡または歯科用器具の滅菌装置のような小型の滅菌装置または浄化システムに組み込むのは容易ではない。
【0005】
滅菌または浄化サイクル中の液体または気体の化学滅菌剤の実際の濃度をリアルタイムでモニタリングおよび制御し、事実上任意のシステム内に安価に且つ容易に組み込むことができる実用的且つ信頼性の高いシステムが必要とされている。対象とする化学滅菌剤に対して選択性が高く且つ敏感なシステムも必要とされている。
【0006】
気体および/または液体の濃度を選択的に測定するための公知で比較的安価な技術は、半導体ベースのセンサを用いている。半導体技術は、家庭環境および産業環境において毒性および/または爆発性を有する気体を感知して、警告するために使用されている。例えば、自動車の運転室内の気体を検出するために、且つ、気体濃度が所定の設定値濃度に達した場合に空気浄化システム(air filtering systems)または換気システムのON/OFFを切り換えるための信号または制御出力を生成するために、半導体ベースのセンサが用いられている。滅菌装置の周りの耳の中(inears around sterilizers)、または、連続的な24時間空気サンプリングで酸化エチレンを検出するために、半導体モニタリングシステムが使用されている。内燃機関からの排気気体中の一酸化炭素、窒素酸化物および炭化水素のような気体の組成および濃度を検出するためにも半導体センサプローブが使用されている。エタノール、二酸化炭素、グルタルアルデヒドおよびアンモニアのような気体および液体の存在および/または濃度を感知するために、他のこのようなセンサが様々に使用されている。
【0007】
半導体ベースのシステムに関する公知の課題の1つは、その環境条件に対する感度である。例えば、モニタリングする空気流の温度、相対湿度および/または流速の変化は、半導体センサ信号の安定性および精度に影響を及ぼし、間違った気体濃度の読取り値を生じる。さらに、半導体センサは、測定している気体以外の酸素および酸化気体が存在する場合に、電気伝導率の変化を示し得る。酸化エチレン、過酸化化合物、ホルムアルデヒド、過酸化水素、過酢酸等のような液体および気体を使用する事実上あらゆる滅菌および浄化システムにおいて、1滅菌サイクル中および各サイクル間における上記環境条件の変化が、多くの場合圧力の変化を伴って生じる。従って、本発明以前には、浄化または滅菌サイクル中における滅菌チャンバ中の滅菌剤液体または滅菌剤気体の濃度のリアルタイムなモニタリングのために半導体ベースのセンサが記載されたことはなかった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
本発明の局面の1つによれば、滅菌チャンバと、化学滅菌剤を上記チャンバ内に導入する(admitting)手段と、上記チャンバから滅菌剤を除去する手段と、上記滅菌剤導入手段および上記滅菌剤除去手段を制御するプロセスコントローラとを備えた滅菌システムが提供される。上記チャンバ内には感知素子が配置され、上記感知素子は、上記滅菌剤の濃度とともに変化する電気的特性を有する。上記感知素子には受信ユニット(receivingunit)が接続される。上記受信ユニットは、環境パラメータの第1の組における上記滅菌剤のベースライン濃度に対応するベースライン電気的特性を格納し、環境パラメータ値の第1の組における上記滅菌剤のリアルタイムな濃度の指標としての上記ベースライン電気的特性に対する上記感知素子の電気的特性のリアルタイムな変化を検出する。上記滅菌装置制御部は、上記リアルタイム濃度値を参照滅菌剤濃度範囲と比較して、この比較に基づいて上記チャンバ中の上記滅菌剤の濃度を制御する。
【0009】
本発明の第1のより限定的な局面において、上記感知素子は半導体素子である。
【0010】
本発明の別のより限定的な局面の1つにおいて、上記制御システムは、滅菌サイクル中の環境パラメータをモニタリングする。環境パラメータの値の変化に応答して、上記制御システムは、新しい環境パラメータ値の組に対応する新しいベースライン電気的特性値を上記受信ユニットに格納させる。
【0011】
本発明の別の局面の1つにおいて、液体または気体状の化学滅菌剤を滅菌チャンバに導入し、この滅菌剤を滅菌チャンバから除去する滅菌方法が提供される。上記滅菌剤の濃度を、上記化学滅菌剤の濃度とともに変化する電気的特性を有する感知素子で感知する。環境パラメータ値の第1の組におけるベースライン電気的特性値を格納することによって、上記滅菌剤のベースライン濃度を確立する。上記ベースライン特性値に対する上記電気的特性の変化をリアルタイムでモニタリングし、これにより、上記滅菌剤のリアルタイム濃度を決定する。モニタリングした滅菌剤のリアルタイム濃度に従って、上記チャンバ中の上記滅菌剤濃度をリアルタイムで制御する。
【0012】
以下の好適な実施形態の詳細な説明を読んで理解することによって、本発明のその他の利点が当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好適な実施形態の詳細な説明
本発明は、所定期間の間濃度レベルを許容可能な範囲内に維持して、臨界濃度パラメータ値が満たされていること、滅菌効力が達成されていること、およびチャンバがサイクルの終わりで適切に排気されていることを確実にするために、滅菌サイクルのすべてのフェーズの間の滅菌剤濃度のリアルタイムモニタリングおよび制御に関する。サイクル中の液体および/または気体滅菌剤の濃度は、滅菌剤と流体連通する半導体ベースのセンサによって測定される。
【0014】
センサモジュールは、感知素子と、素子が曝露されるある特定の化学薬品の濃度の変化に反応する集積エレクトロニクスとを有する。エレクトロニクスと、モジュールに関連するソフトウェアとは、目標化学化合物に反応するように構成される。滅菌剤として使用される特定の液体または気体に対して選択的であり且つその液体または気体に敏感である任意の半導体ベースのセンサモジュールと、それに関連するソフトウェアとが、本発明において使用するために適合され得る。例えば、酸化エチレン気体の濃度を検出および測定するための適切なセンサモジュールは、Intellisenseソフトフェア「Matrix Fingerprinting Technology」と組み合わせられるEtOModel 300 Gas Monitoring Systemである。「Matrix Fingerprinting Technology」およびEtOModel 300 Gas Monitoring Systemはいずれも、米国ケンタッキー州レキシントン(Lexington)のAirPurification Laboratories製造のものである。グルタルアルデヒド、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、アルカン、アルコール、および液体過酸化水素(liquidhydrogen peroxide)のためのセンサモジュールおよびそれに関連するソフトウェアもまた、Air Purification Laboratoriesから入手可能である。しかし、上記およびその他の同様の気体または液体検出センサシステムは、典型的には、環境空気または液体サンプリング装置として使用するために製造されるため、本発明のシステムおよび方法による滅菌システムでの使用のために適合しなければならない。
【0015】
センサの滅菌剤濃度測定の安定性および感度、従って精度は、異なる滅菌システムにおいて直面する様々な環境条件について最適化される。例えば、酸化エチレン気体または過酸化水素蒸気を使用する滅菌システムは、異なる温度、圧力、相対湿度および/または空気流速を含む。さらに、幾つかの滅菌システムは、測定される滅菌剤以外の酸化物質であって、プローブの電気伝導率または電気抵抗に影響を及ぼし得る酸化物質の存在を含み得る。さらに、相対湿度、温度および圧力などの環境条件は、単一の滅菌サイクルの間に劇的に変化し得る。そのような滅菌サイクルは、サイクル中に空気を侵入させ、または侵入させずに高真空(deep vacuum)を用い、且つ、大気圧に近い圧力での貫流システム、それらの貫流システムの組み合わせ、および当該分野において公知の他のシステムを使用するサイクルを含むが、これに限定されない。実質的にすべての滅菌システムはまた、曝露フェーズ後に滅菌装置から滅菌剤が排出されるサイクルフェーズを使用し、また、滅菌装置の曝気を含み得る。
【0016】
すべての滅菌サイクルフェーズの間の滅菌剤濃度測定時のセンサ精度を保証するために、センサは、好ましくは、センサが滅菌チャンバの初期サイクルパラメータに従って使用される滅菌用途のために初期較正される。この初期サイクルパラメータとしては、温度、圧力、相対湿度、ならびに、適用できる場合には、空気の存在および/または流れ、あるいはシステム内の他の酸化気体の存在などがあるが、これらに限定されない。従って、センサベースのモニタリングおよび制御システムは、液体および気体滅菌剤を伴う実質的に全ての滅菌サイクルのために使用され、且つ、較正される。滅菌サイクルの間に変化する環境条件すべてに対して滅菌剤濃度測定の精度を保証するために、滅菌装置制御システムは、環境パラメータをモニタし、環境パラメータのうちの1つ以上が変化すると、センサモジュールエレクトロニクスおよびソフトウェアに信号を送り、新しい条件での滅菌剤濃度の新しいベースライン(baseline)値を認識し、それをプログラムするように、プログラムされる。以下に説明するように、ベースライン値は、好ましくは、滅菌システム内の圧力変化に応答して再調整される。
【0017】
図1に示されるように、過酸化水素蒸気または酸化エチレン気体の滅菌剤を使用する典型的な滅菌システムは、密閉可能なドア2を有する滅菌または浄化用囲いまたはチャンバ1、滅菌剤供給口ライン3、滅菌剤入口バルブ4、チャンバ排出ラインまたは排気口ライン5、および、典型的には真空ポンプ7に接続されるチャンバ出口バルブ6を含む。概略図は、酸化エチレンまたは過酸化水素気体の滅菌システムを表すが、本発明の精神から逸脱することなく、液体またはその他の気体の滅菌システムも表され得る。半導体ベースのセンサモジュール8Aは、チャンバ内に配置されるか、または、チャンバ壁9もしくはチャンバ排出/排気口壁10に取り外し可能に接続され、センサは、チャンバ1内の滅菌剤と流体接触して、チャンバ内の滅菌剤の濃度を測定する。センサモジュール8Bおよび8Cならびに図示されない他のモジュールは、滅菌システムの別の領域、例えば、滅菌剤供給口バルブ4に通じるライン3、または出口バルブ6から通じるライン18などに、追加的に配置されるか、または代替的に配置される。リアルタイムの滅菌剤濃度値を与えるためには、滅菌剤と流体連通している半導体モジュールは1つで十分である。以下に説明するように、感知素子だけが滅菌剤と流体連通していればよく、センサモジュールの残りは、チャンバの内部にあっても外部にあってもよい。
【0018】
センサモジュールの滅菌剤濃度感知素子は、装填物中の滅菌剤の濃度のリアルタイムのモニタリングおよび制御のため、および、滅菌剤濃度などの滅菌パラメータが満たされたときの装填物のパラメトリック解放(parametric release)のための装填物シミュレーション装置に配置され得る。気体滅菌剤のソースとして過酸化水素水などの液体滅菌剤を使用する場合、センサモジュールを使用して、気体滅菌剤を生成するための手段に送達されている液体滅菌剤の実際の濃度を決定することも望ましい場合がある。
【0019】
好ましくは、滅菌システムの外部に、追加の半導体−接合センサモジュール8Cを配置して、滅菌システム周囲の環境の気体滅菌剤の存在および濃度を感知し、さらに、この領域で所定の気体限界値を越えると、聴覚的および視覚的なアラームを与える。以下に説明するように、外部センサモジュール8Cは、滅菌装置制御部12と電子通信し、滅菌装置制御部12は、所定の気体限界値を越えると、処理制御ユニット14に信号を送ってバルブ、ポンプなどを動作させ、滅菌剤送達ライン3を遮断する、および/または、滅菌システムから滅菌剤を排気する。
【0020】
図1に示される滅菌システムはまた、温度モニタリング用の抵抗温度検出器(RTD)、圧力モニタリング用の圧力トランスデューサ、相対湿度モニタリング用の湿度センサ、および空気流量を測定するための空気速度センサなどの、システム環境パラメータ測定用のセンサ(図示せず)を含む。任意の特定の滅菌システムにおける、環境パラメータセンサおよび滅菌剤濃度センサモジュールのための好ましい場所は、使用される滅菌システムに依存し、当業者に公知である。
【0021】
図1および図2に示されるように、半導体ベースのセンサモジュール8の各々は感知端120を有し、感知端120は、特定の滅菌システムにおいて検出される特定の滅菌剤液体または気体に基づいて選択される化学組成物の感知素子124を含む。環境条件(即ち、温度、圧力、相対湿度、空気流などのパラメータ)の所定の組の下で滅菌剤と流体接触すると、感知素子124は、導電性、キャパシタンス、または抵抗などの、測定可能な特定の電気的特性を示す。環境パラメータが変化しないと仮定すると、感知素子の電気的特性の変化は、それに付随する、確実に測定可能な滅菌剤濃度の変化を示す。
【0022】
センサモジュール8はまた、キャパシタンス、抵抗または他の電流測定値および定電位(potentiostatic)値などの電気的特性値をモニタするため、および、電気的特性値の変化を、それに比例する滅菌剤濃度の変化を示すものとしてリアルタイムで検出するための感知素子124に電子的に接続された受信ユニット126を含む。受信ユニット126は、エレクトロニクスおよびソフトウェアを含み、感知素子124からの電子信号を受信して分析し、その信号をアナログ信号に変換して、送信ユニット122を介して滅菌装置制御システム12に送る。従って、環境条件の所定の組の下で滅菌剤濃度を示す、センサモジュール8からの電気信号は、アナログ出力信号として、滅菌装置制御システム12に送られる。アナログ出力信号は、ミリアンペアであっても、ボルトであってもよい。
【0023】
送られた信号は、滅菌装置制御システム12によって読み出され、滅菌装置制御システム12はその後、入力信号を処理制御システム14に送る。この入力信号に基づいて、処理制御システム14は、出力命令を与えて、電気的に動作するバルブ、ポンプなどを動作させ、これらのバルブ、ポンプなどが、曝露フェーズ中の液体もしくは気体滅菌剤の送達、および/または排気もしくはパージ(purge)フェーズ中の滅菌剤の除去を含む滅菌サイクルの様々なフェーズを順番に制御する。環境センサモニタ8Cの場合、処理制御ユニット14は、好ましくは、様々な空気処理および通気システムを制御して、有害気体の環境を浄化し、より好ましくは、システムへの滅菌剤のさらなる送達を防ぐことによって、および/またはシステムから滅菌剤を排気することによって応答するようにプログラムされる。
【0024】
滅菌装置制御システム12は、感知された滅菌剤濃度値を受信し、且つ、処理制御ユニット14を支配することによって滅菌サイクル中の滅菌剤濃度の値をリアルタイムで制御するようにプログラムされるマイクロプロセッサまたは論理回路を含む任意のシステムであり得るが、これに限定されない。従って、滅菌システム内の所定の目標処理条件は、滅菌剤への曝露フェーズおよび排気/パージフェーズを含む滅菌サイクルの全てのフェーズの間維持され得る。
【0025】
本発明の滅菌剤濃度リアルタイムモニタリングおよび制御システムを使用する典型的な滅菌サイクルでは、感知素子124は、滅菌装置1内に配置され、環境パラメータ値の第1の組での滅菌剤のベースライン濃度を感知する。感知素子124は、ベースライン濃度でベースライン電気的特性値を有する。感知素子124に電子的に接続される受信ユニット126は、ベースライン電気的特性値を格納し、且つ、滅菌サイクルが進むにつれて、その値の変化を、環境パラメータ値の第1の組での新しい滅菌剤濃度を示すものとして、リアルタイムで検出するようにプログラムされる。滅菌剤濃度の新しい値は、送信ユニット122を介して滅菌装置制御システム12にリアルタイムで送られる。滅菌装置制御システム12は、環境パラメータ値の第1の組での所定の参照滅菌剤濃度範囲を格納するようにプログラムされる。滅菌装置制御システムはさらに、新しい感知濃度値を受け取り、その値を、格納された参照濃度範囲と比較して、新しい値が参照範囲内にあるときには許容可能な滅菌条件を示し、新しい値が参照濃度範囲外にあるときには、処理制御ユニット14に信号を送って滅菌剤濃度を変えるようにプログラムされる。
【0026】
上記のように、滅菌サイクル中に滅菌システム内の環境条件が変わると、センサモジュール8は、滅菌剤濃度読み出しの精度を保証するように調整される。従って、滅菌装置制御システム12は、好ましくは、サイクル中に環境パラメータ値の組をモニタし、パラメータ値が変化すると、受信ユニット126に信号を送り、環境パラメータ値の新しい組での新しいベースライン滅菌剤濃度値を認識し且つ格納することによって、センサシステムを調整するようにさらにプログラムされる。例えば、真空チャンバ内の滅菌剤として過酸化水素蒸気を使用する滅菌システムでは、センサシステムは、チャンバの温度、圧力および相対湿度に関してサイクルの初めに初期設定される。過酸化水素蒸気は、チャンバ内に導入され、圧力のわずかな上昇を与える。蒸気の濃度のリアルタイム測定が決定され、滅菌装置制御システムに送られる。保持期間後、空気はチャンバに導入され、チャンバ内の圧力が上昇する。チャンバ内の圧力トランスデューサは、圧力値の上昇を滅菌装置制御システムに送り、滅菌装置制御システムは、その後、受信ユニット126に信号を送り、新しい圧力レベルでの滅菌剤濃度読み出しの新しいベースラインを確立する。
【0027】
好ましくは、滅菌剤濃度は、滅菌サイクル中、リアルタイムでモニタおよび制御され、滅菌を達成するために十分な時間の間、所定の滅菌剤濃度範囲内にある濃度を維持する。
【0028】
サイクルの排気/曝気フェーズの間、センサモジュール8は、滅菌剤濃度のリアルタイムモニタリングを与え続け、滅菌装置制御システム12は、処理制御ユニット14に信号を送り続けて、バルブ、ポンプなどを動作させ、滅菌装置からすべての滅菌剤が除去されるまで、またはすべての滅菌剤が許容可能なレベルになるまで、システムを排気および/または曝気し、滅菌プロセスを終了する。滅菌サイクルの曝気フェーズの間、チャンバ内の圧力は、典型的には、高真空と、空気の侵入による圧力上昇とを交互に起こす。これらの条件下でリアルタイムの滅菌剤濃度読み出し値を得るためには、センサシステムベースライン読み出し値の頻繁な調整が必要である。
【0029】
滅菌システムのすぐ外側の環境における滅菌剤の濃度をモニタおよび制御するために、追加の外部センサプローブ8Cが設けられる。このプローブの感知素子は、受信ユニットと電子通信し、外部滅菌剤濃度は、送信ユニットを介して滅菌装置制御システムに送られる。滅菌装置制御システムは、所定の滅菌剤濃度限界値を格納し、且つ、外部濃度値が所定の限界値を越えると、滅菌サイクルを停止する、および/または滅菌装置から滅菌剤を排気するようにプログラムされる。
【0030】
別の実施形態では、半導体センサモジュール送信ユニット122は、滅菌剤濃度値を表すアナログ信号を、滅菌装置制御システム12への途中にある外部マイクロプロセッサ16に、リアルタイムで送る。そのような中間プロセッサ16は、好ましくは、滅菌装置制御システム12とは別個の、データ格納およびデータ表示の能力、ならびにアラーム能力を有する。中間プロセッサからのデータは、その後、滅菌装置制御システムに送られ得、且つ、滅菌プロセス全体の滅菌パラメータの永久的な記録として保持もされ得る。
【0031】
本発明の方法は、滅菌サイクルの間、センサプローブの感知素子を滅菌剤に曝露する工程と、環境パラメータ値の第1の組での滅菌剤のベースライン濃度を感知する工程と、感知素子の電気的特性のリアルタイムの変化を、環境パラメータ値の第1の組での新しい滅菌剤濃度を示すものとして感知する工程と、この新しい濃度値を滅菌装置制御に送る工程と、滅菌装置制御システムからの信号に応答して、滅菌サイクル中に滅菌剤濃度をリアルタイムで制御する工程とによって、行われる。
【0032】
この方法は、好ましくは、滅菌サイクルの間、環境パラメータの第1の組のうちの任意の1つのパラメータの値の変化に応答して、新しいベースライン滅菌剤濃度値を確立する工程を包含する。この方法は、さらに好ましくは、滅菌を達成するために十分な時間の間、滅菌剤濃度値を参照滅菌剤濃度範囲内に維持する工程と、滅菌が達成されると、滅菌装置から滅菌剤を排気する工程とを包含する。
【0033】
この方法は、好ましくは、滅菌装置の外部にセンサプローブを提供する工程と、滅菌装置制御システムを、所定の滅菌剤濃度限界値を格納するようにプログラムする工程と、外部滅菌剤濃度が所定の濃度限界値を越えると、滅菌装置への滅菌剤の侵入を停止する、および/または滅菌装置から滅菌剤を排気する工程とをさらに包含する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明は、様々な構成要素および構成要素の配置、ならびに様々な工程および工程の配列の形をとり得る。図面は、単に好適な実施形態を例示する目的のものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図1】図1は、本発明の半導体センサモジュールを使用する典型的な滅菌システムの概略図である。
【図2】図2は、本発明において使用される半導体モジュールの概略図である。
【出願人】 【識別番号】302044247
【氏名又は名称】アメリカン ステリライザー カンパニー
【出願日】 平成19年9月10日(2007.9.10)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策

【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明

【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹


【公開番号】 特開2008−55179(P2008−55179A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−234658(P2007−234658)