| 【発明の名称】 |
遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法及び処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】青柳 耕平
【氏名】上山 雅久
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| 【要約】 |
【課題】遺体処理室等からの廃液等排出物を介して有害な細菌その他有害微生物等が周辺環境に拡散する事態を確実に防止することができる遺体処理過程における液体等排出物質の処理方法及びその方法の実施に適する処理装置を提供する。
【構成】遺体処理室内で被処理対象体の表面清浄による清浄化廃液を受容する廃液処理槽20と、被処理対象体から排出された排出物を収納する廃棄物収納容器30とを個別に設け、前記廃液処理槽20には、液体撹拌手段24、紫外線照射装置26A、pHセンサ29を配設し、該処理槽20に対して安定化二酸化塩素溶液、過酸化水素、pH調整用苛性ソーダを添加し、該処理槽20から発生する気体をフィルタ22Fを介して放出させると共に処理済液の下水放流を行い、前記廃棄物収納容器30は可燃物製の密閉容器であって、該排出物から発生する気体をフィルタを介して放出させ、特殊高温焼却法による処理を行うように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遺体処理・処置室内で被処理対象体の表面を清浄化する際の清浄化廃液を受容する低汚染度の廃液処理槽と、被処理対象体内の循環器系高濃度体液ならびに消化器管系から排出された流動物ないし固形物を含む排出物を収納する廃棄物収納容器と、を個別に設け、 前記廃液処理槽には、気泡による液体撹拌手段、二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置、pHセンサ、排気口、処理済液排出口を配設し、該処理槽に対して、それぞれの供給装置から、40〜60ppmの安定化二酸化塩素(ClO2)溶液、2〜4重量%の過酸化水素(H2O2)、廃液のpH値をpH6〜pH8に調整するための苛性ソーダ(NaOH)を添加し、該処理槽から発生する気体をフィルタを介して外部に放出させると共に、処理済液の下水放流を行い、 前記廃棄物収納容器は可燃物製の密閉容器であって、流動物ないし固形物を含む排出物の取り込み中は該排出物から発生する気体をフィルタを介して外部に放出させ、当該排出物を取り込み完了後は該容器を密閉し、特殊高温焼却法による処理を行う、 ことを特徴とする遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法。 【請求項2】 前記二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置が、安定化二酸化塩素(ClO2)溶液を廃液処理槽に供給するための安定化二酸化塩素溶液供給装置内又は該供給装置から廃液処理槽に至る配管の適宜位置に配設される、ことを特徴とする請求項1に記載の遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法。 【請求項3】 前記廃棄物収納容器に対して、二酸化塩素(ClO2)ガスを使用し、該廃棄物収納容器を確実に包囲する空間において所定濃度に調整された殺菌ガス雰囲気中に一定時間以上留置する及び/又は電磁波照射処理することにより、該廃棄物収納容器外表面の殺菌処理が行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法。 【請求項4】 平坦天面の周縁を高く形成した方形皿状体とすると共に、前記平坦天面の適宜位置に少なくとも一つの廃液排出用管を設けた遺体処理・処置台と、 前記遺体処理・処置台の廃液排出用管からの排水を受容する低汚染度の廃液処理槽であって、気泡による液体撹拌手段、二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置、pHセンサ、排気口、処理済液排出口を配設し、安定化二酸化塩素(ClO2)溶液、過酸化水素(H2O2)、苛性ソーダ(NaOH)を所定濃度として添加する機能を備えた低汚染度の廃液処理槽と、 前記遺体処理・処置台の周辺にあって、可燃物製の密閉容器であって、流動物ないし固形物を含む排出物の取り込み中は該排出物から発生する気体をフィルタを介して外部に放出させ、当該排出物を取り込み完了後は該容器を密閉して該排出物を収納する廃棄物収納容器と、 を備えた、ことを特徴とする遺体処理過程における廃液等排出物質の処理装置。 【請求項5】 前記二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置が、安定化二酸化塩素(ClO2)溶液を廃液処理槽に供給するための安定化二酸化塩素溶液供給装置内又は該供給装置から廃液処理槽に至る配管の適宜位置に配設される、ことを特徴とする請求項4に記載の遺体処理過程における廃液等排出物質の処理装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、エンバーミング(遺体の整復処理)ないし解剖等の遺体処理過程において発生する廃液等排出物質の処理方法ならびに処理装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 エンバーミングないし解剖等の遺体処理を行う処理・処置室では、従事する医療関係者、法医学関係者、処理担当者を各種細菌やウイルス類から保護するとともに、被処理対象体からの排出物や使用器具・装置等を介して各種細菌やウイルス類が施設外に漏出する事態を完全に防止する必要がある。 【0003】 また、処理・処置台、処理室、使用器具等は洗浄・消毒等を完全に行い、常に清潔に維持しなければならない。このような洗浄処理に伴って発生する廃水やその他処理対象に対する各種処置に伴って発生する廃液等排出物質には周辺環境にとって不所望なものも含まれている可能性があるため、解剖等の処理・処置室からの廃液等排出物質に対する適切な処理方法および処理装置が必要となる。 【0004】 室内空気や廃液類の殺菌、脱臭等に効果のある薬品類は種々存在し、これらの薬品類をそのまま或いは希釈した溶液や粉末の状態でスプレーや噴霧器を使用して室内空気の殺菌、脱臭が行われている。しかしながら、このような方法のみによって、室内等の所望空間を均質かつ確実に殺菌・脱臭等を行うことは難しい。また、過度に強力な薬剤類を使用することは室内における従事者の人体に対する悪影響も懸念される。したがって、医療従事者や処置担当者等が長時間滞在する環境下にあっては、人体への悪影響を除きながら室内空気、着衣、各種用具・器具類をはじめ、排出物質類を安全、簡易かつ安定的に殺菌、脱臭等が行えるものであることが望ましい。 【0005】 また、結核菌その他伝染病の原因となる各種細菌やインフルエンザ、エイズ、肝炎等のウイルス等を含む可能性のある処理・処置室等からの廃液は、確実に殺菌して無菌状態として外部に排出するにあたり、爾後の処理の便宜を考慮して液状体と固形分とに分離して廃棄する必要がある。しかし、通常の活性汚泥法等による廃液処理方法では通常の汚水から汚濁物質は除去されるものの、バイオハザードの観点からの要求を全て満足させるような強力な殺菌や滅菌の効果までは期待できない。 【0006】 かかる目的のために、医療関係や遺体処置用の器具、用具、その他室内全般等の殺菌ないし滅菌等には、安定化二酸化塩素(ClO2)溶液を蒸発させた二酸化塩素ガスが使用可能である。安定化二酸化塩素は、強い漂白作用があることが古くから知られており、その製法も数多くの方法が実施されている。しかし、工業的に製造された高濃度の二酸化塩素は強力な酸化剤となり、他物質と反応して高濃度の塩素を発生したり、または爆発の危険性も否定できない。そこで、危険性が低く取扱いが容易である安定化二酸化塩素の5%水溶液が市販されており、用途に応じて適宜希釈して使用されている。 【0007】 安定化二酸化塩素溶液を気化させた二酸化塩素ガスは、強い刺激臭等がなく安全であるにもかかわらず、対象物に接触させることによって高い殺菌、消臭、消毒等の諸効果を発揮する。各種のバクテリア、黴類、病原菌、ウィルス類に対するその殺菌、消臭等の効果は著しく、短時間でその目的を達成することができる。また消臭効果も大きく、化学的物質臭や腐敗臭に対する消臭効果が大きく、さらに悪臭発生原因である微生物自体の繁殖を阻止ないし大幅に抑制する効果も知られている。 【0008】 このような優れた特徴を有する安定化二酸化塩素は、通常は水溶液のため、運搬、取扱、補充等の取り扱いに配慮が必要であり、気化装置が複雑化する欠点があった。なお、このような安定化二酸化塩素水溶液を多孔物質であるゼオライト等に吸着せしめて粉体または粒状体として使用することもあるが、あるレベル以上の濃度を持続的に得ることが難しいため、用途によってはかえって扱い難くなることもある。 【0009】 かかる問題点を解決するために、本出願人は特許文献1のように、取り扱い上安全性の高いゲル状化された二酸化塩素剤を使用し、加熱手段によって加熱することにより所望濃度の二酸化塩素ガスを安定的に発生させ、処置室、処理室等の室内における細菌・ウイルス等による人畜への感染・周辺環境へ拡散等の危険を防止し、さらにこれら処置室、処理室等からの排水ならびに廃棄物を安全に処理する、いわゆるバイオハザードの実を挙げるための、処置室、処理室等用感染防止システム・装置類を開示している。ここでは処置または処理の過程で発生する、被処理対象体である遺体の表面を清浄化する際の清浄化廃液に加えて、被処理対象体の内部から排出される、例えば消化器管からの固形物や循環器管からの血液その他の高濃度排出物を含む廃液を一体として原水槽に貯留し、適宜濃度の安定化二酸化塩素水溶液、硫酸等を注入することにより滅菌処理ないし中和処理を施している。 【0010】 このような滅菌処理の後、固形物−液体の分離処理を行い、その後固形物と廃液とを個別に廃棄する構成がとられていた。かかる構成では、被処理対象体の表面を清浄化した低汚染度ながら多量である被処理対象体の清浄化廃液と、被処理対象体の内部から排出される固形物を含み高濃度で、かつ細菌類や各種ウイルス等を含む可能性が高く危険度は高いが量的には少量である内部排出物とを一体化して処理していた。 【0011】 したがって、危険度の高低にかかわらず被処理対象体表面の清浄化廃液にも過剰の滅菌処理を施すことから、滅菌処理剤、例えば安定化二酸化塩素水溶液等を多量に使用することになり、さらに滅菌処理後において固形物と液体との分離にも多くの動力と処理時間とを要し、処理装置が大規模となり高コストにならざるを得なかった。 【0012】 また、特許文献2のように、強力な紫外線照射源(UV源)からの紫外線を水滴または水蒸気の存在下においてオゾンガスに照射することにより反応性の高いオゾン中間生成物を生成し、バクテリア、ウイルス、胞子、菌類等の病原体を中和する空気感染病原体中和システムも開示されている。しかし、ここで開示されているのは暖房装置や空調装置において空気感染病原体を中和(無害化)することを主眼とするものであり、遺体処理等に伴う廃液等廃棄物等のような液体・粘凋体を含む対象物に適用することはできない。 【特許文献1】特開2002−272827 【特許文献2】特公表2005−503893 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0013】 本発明は、遺体処理・処置室等からの廃液等排出物を介して有害な細菌、ウイルス、バクテリア、各種黴類その他有害微生物等が周辺環境に拡散する事態を確実に防止することができる遺体処理過程における液体等排出物質の処理方法及びかかる方法の実施に適する処理装置を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0014】 本発明の課題は、遺体処理・処置室内で被処理対象体の表面を清浄化する際の清浄化廃液を受容する低汚染度の廃液処理槽20と、被処理対象体内の循環器系高濃度体液ならびに消化器管系から排出された流動物ないし固形物を含む排出物を収納する廃棄物収納容器30と、を個別に設け、前記廃液処理槽20には、気泡による液体撹拌手段24、二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置26A、pHセンサ29、排気口22、処理済液排出口23を配設し、該処理槽20に対して、それぞれの供給装置25、27、28から、40〜60ppm、好ましくは45〜55ppmの安定化二酸化塩素(ClO2)溶液、2〜4重量%、好ましくは2.5〜3.5重量%の過酸化水素(H2O2)、廃液のpH値をpH6〜pH8、好ましくは6.5〜pH7.5に調整するための苛性ソーダ(NaOH)を添加し、該処理槽から発生する気体をフィルタ例えばHEPAフィルタ22Fを介して外部に放出させると共に、処理済液の下水放流を行い、前記廃棄物収納容器30は可燃物製の密閉容器であって、流動物ないし固形物を含む排出物の取り込み中は該排出物から発生する気体をフィルタ例えばHEPAフィルタを介して外部に放出させ、当該排出物を取り込み完了後は該容器を密閉し、特殊高温焼却法による処理を行う、ことからなる遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法によって解決される。 【0015】 また、本発明に係る前記二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置26B、26Cが、安定化二酸化塩素(ClO2)溶液を廃液処理槽に供給するための安定化二酸化塩素溶液供給装置25内又は該供給装置から廃液処理槽に至る配管25Pの適宜位置に配設される、遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法であることを特徴とする。 【0016】 本発明に係る前記廃棄物収納容器30に対して、二酸化塩素(ClO2)ガスを使用し、該廃棄物収納容器を確実に包囲する空間において所定濃度に調整された殺菌ガス雰囲気中に一定時間以上留置する及び/又は電磁波照射処理することにより、該廃棄物収納容器外表面の殺菌処理が行われる、遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法であることを特徴とする。 【0017】 さらに、本発明の課題は、平坦天面の周縁を高く形成した方形皿状体とすると共に、前記平坦天面の適宜位置に少なくとも一つの廃液排出用管10Dを設けた遺体処理・処置台10と、前記遺体処理・処置台10の廃液排出用管からの排水を受容する低汚染度の廃液処理槽であって、気泡による液体撹拌手段24、二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置26A、pHセンサ29、排気口22、処理済液排出口23を配設し、安定化二酸化塩素(ClO2)溶液、過酸化水素(H2O2)、苛性ソーダ(NaOH)を所定濃度として添加する機能を備えた低汚染度の廃液処理槽20と、前記遺体処理・処置台10の周辺にあって、可燃物製の密閉容器であって、流動物ないし固形物を含む排出物の取り込み中は該排出物から発生する気体をフィルタ例えばHEPAフィルタを介して外部に放出させ、当該排出物を取り込み完了後は該容器を密閉して該排出物を収納する廃棄物収納容器30と、を備えた遺体処理過程における廃液等排出物質の処理装置によって解決される。 【0018】 本発明に係る前記二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置26B、26Cが、安定化二酸化塩素(ClO2)溶液を廃液処理槽に供給するための安定化二酸化塩素溶液供給装置25内又は該供給装置から廃液処理槽に至る配管25Pの適宜位置に配設される、遺体処理過程における廃液等排出物質の処理装置であることを特徴とする。 【発明の効果】 【0019】 本発明に係るエンバーミングや解剖等の遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法及び処理装置によれば、被処理対象体の表面を清浄化する際の低汚染度ではあるが多量となる被処理対象体の洗浄排水と、被処理対象体内の循環器系高濃度体液ならびに消化器管系自体ないしこれらから排出される流動物ないし固形物を含む高汚染度ではあるものの比較的少量の排出物と、を明確に分離して所定容器内に受容し、それぞれに適合する処理が行われる。 【0020】 本発明においては、廃液処理槽には撹拌手段、二酸化塩素を活性化するための紫外線照射装置が配設されるので、廃液処理槽内の廃液の殺菌処理効果を向上させることができる。また、廃液処理槽内において滅菌、漂白、中和等の処理を経た低汚染度の廃液は、要すれば、沈殿・遠心分離等の良く知られた工程により凝集固形物と液体との分離処理を行い、安全なレベルまで処理された処理済廃液は外部放出される。その結果、低汚染度ながら多量の排水に対しては低汚染度相応の廃水処理を行えば足り、所在地の排水規制に応じて外部に排出することができる。 【0021】 一方、処理・処置室等からの廃液等廃棄物を介して周辺環境に有害な細菌・ウイルス・バクテリアその他有害微生物等を拡散させる可能性はあるものの比較的少量の凝集体や流動体、さらには固形物等を含む廃棄物は、合成樹脂等による可燃物製の密閉蓋付き容器に分離受容される。このような密閉蓋付き容器の外表面に対しては、二酸化塩素ガス等の殺菌性ガス雰囲気中への所定時間留置および/または紫外線その他電磁波類の照射殺菌を行なった後、最終的に医療廃棄物として密閉容器全体を高温焼却処分とすることにより、安全かつ確実な分別処理が行われる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下、添付図を参照して本発明を実施するに相応しい形態について開示する。詳細な開示に先立ち、本発明における主要な殺菌媒体としての二酸化塩素(ClO2)について説明する。二酸化塩素の化学的性質として、二重結合部分並びにベンゼン核等には強く反応し、その他シアン化合物、硫化水素、蛋白質等とも反応するが、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸とは反応し難いことが知られている。かかる性質を利用し、飽和脂肪酸、例えばステアリン酸、パルミチン酸と、不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸等のナトリウム塩と、ゼラチンとを混合したゲル化剤を利用し、安定化二酸化塩素水溶液をゲル状化することもできる。このゲル状安定化二酸化塩素からの気化速度は、ゲル化剤に含有させるエチルアルコールの量と容器の蒸発面積によって調節可能であるが、当然、気化反応の速度に重大な影響を及ぼす紫外線照射量や加熱温度によっても左右される。 【0023】 本発明における廃液処理槽20、安定化二酸化塩素溶液供給装置25、該供給装置から廃液処理槽に至る配管25Pにおいては、紫外線照射により活性化された安定化二酸化塩素水溶液が使用される。また、本発明における廃棄物収納容器外表面の殺菌処理には、安定化二酸化塩素のゲル状体に紫外線照射により発生する二酸化塩素ガスが使用される。 【0024】 次に、本発明を具体化する実施の形態について添付図面を参照しつつ開示する。図1は、本発明に係る遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法を実施するための基本構成例を示すものである。図において、10は遺体処理・処置台であり、ここでは処理室の周囲床面に設置されたその他の設備や備品などは省略している。 【0025】 この遺体処理・処置台10は、その天面10Uに被処理対象体(遺体)を載置して、清浄化のための洗浄をはじめ引き続く処理ないし処置を実施するものである。このような遺体処理・処置台の天面10Uは、周縁が所定高さ、例えば10cm程度にわたり上方に折り曲げられた方形皿状体(又は流し台状)に形成されており、洗浄その他処理の際の流体が周縁部より溢流しないように構成されていることが望ましい。さらに、天面の適宜部位には少なくとも一個、図では2個の排出口10D−1、10D−2が設けられており、下端にそれぞれ接続されたホース12、13を介して、処理後の排出物が廃液処理槽20または廃棄物収納容器30に送られる。 【0026】 遺体処理後の排出物排出口は、本実施例では廃液等液状体の排出の便宜を考慮して10D−1、10D−2のように複数配設している。しかし、単一の排出口の下端を2叉状分岐の先端部とし、図示していない切り替え弁を設け、処理過程の別、すなわち排出物の性状、例えば汚染度の低い被処理対象体の清浄化のための洗浄排水である場合は、廃液処理槽20へ、そして高汚染度の恐れがある被処理体内部からの体液その他の粘凋体等を含む廃棄物の場合は、密閉蓋付きの廃棄物収納容器30へ、それぞれ分離して移送するように構成することができる。なお、本発明においては、防腐その他の機能を有する薬液と置換するようにして遺体から取り出される血液は、当該血液が排出される動脈等の血管に直接前記ホース13を連結して廃棄物収納容器30へ送り込むように構成することができ、また、消化器系等の器官から吸引される流動体、固形物等は、胃、腸等に直接吸引機の吸引ホースを連結して前記ホース13を介して廃棄物収納容器30へ送り込むように構成することができる。 【0027】 廃液処理槽20は、洗浄廃液導入管(ホース)12、所要フィルタ22Fを備えた排気口22および処理済液排出口23を備えた密閉タンクとして構成される。そのため、廃液表面からの揮発・蒸発等に伴い周辺空間に有害気体が排出されないような配慮が為されている。廃液表面から発生する気体は上部の排気口22に配設されるフィルタ22Fを介して外部に放出される。フィルタ22Fとしては、抗菌性の高い高効率微粒子捕集空気フィルタ(HEPAフィルタ)や吸着フィルタ等が好ましい。また、この廃液処理槽20内には、送気手段で空気を送り込むことにより底面付近から廃液内に多数の気泡を形成させることにより廃液を撹拌する液体撹拌手段24、二酸化塩素を活性化するための耐水型紫外線照射装置26A、処理過程における廃液のpH値を測定・管理するためのpHセンサ29を設けている。 【0028】 また、廃液処理槽20には、被処理廃液の滅菌処理を行うために廃液処理槽20内部に配管25Pを介して安定化二酸化塩素液を注入するための安定化二酸化塩素供給装置25が配設される。さらに、この安定化二酸化塩素供給装置25内又はこの供給装置25から廃液処理槽20に至る配管25Pに、二酸化塩素を活性化するための紫外線照射装置26B、26Cを配設することができる。本実施例では紫外線照射装置としては液体中又は通過する液体に対して紫外線照射を行う耐水型装置が適している。なお、前述したようにこのような紫外線照射装置は、参照符号26Aのように廃液処理槽20内部の液中に、耐水型紫外線照射装置として配設することもできる。 【0029】 これら紫外線照射装置(二酸化塩素活性化装置)は、処理する廃液の汚染度や処理時間の長短等を考慮して、安定化二酸化塩素溶液供給装置25内、配管25P、廃液処理槽20内のいずれか1つに配設してもよく、あるいはそれらの複数箇所に配設してもよい。本実施例においては、安定化二酸化塩素溶液の濃度を50ppmとして使用した。 【0030】 さらに、廃液処理槽20には、廃液を漂白するための過酸化水素供給装置27、廃液処理槽20内における被処理廃液のpH値を最適状態に調整するための苛性ソーダ供給装置28が配設される。これら過酸化水素液および苛性ソーダ液はそれぞれの配管27P、28Pを介して廃液処理槽20内に供給される。本実施例においては、それぞれの供給装置から供給される過酸化水素は処理廃液に対して3重量%とし、苛性ソーダは廃液のpH値を6.5〜pH7.5に調整するように添加した。したがって、この廃液処理槽20では、消毒・滅菌処理、漂白処理、pH値の適正な調整処理が行われる。 【0031】 遺体処理・処置室に設置された処理・処置台10に設けられている排出口10Dから漏出する被処理対象体の処理前洗浄による廃液ならびに処理後洗浄による廃液のような低汚染度の洗浄廃液は、配管12を介して廃液処理槽20に導かれる。廃液処理槽20内に洗浄廃液が貯留されるのに伴って、安定化二酸化塩素溶液供給装置25から配管25Pを経由して安定化二酸化塩素水溶液が滴下される。さらに、過酸化水素供給装置27から過酸化水素液も同様に添加される。これら安定化二酸化塩素水溶液および過酸化水素水の添加量は、洗浄廃液の性状、貯留量に応じて調整されるものである。 【0032】 この間、空気圧縮機等からなる液体撹拌手段24の送気手段から廃液処理槽20の底面付近にある気泡形成ノズルを介して送気が行なわれる。それに伴い、洗浄廃液中に多数の気泡が形成され、このバブリングによって洗浄廃液の撹拌が行われる。その結果、安定化二酸化塩素溶液、過酸化水素及び苛性ソーダは廃液処理槽20内の洗浄廃液全体に均等に分散せしめられ、所期の滅菌、漂白、pH値調整効果が得られる。 【0033】 廃液処理槽20における廃液処理工程では、廃液処理槽20の容積を考慮して、処理済液排出口23から順次放流されるが、この段階ではpHも調整されている必要がある。したがって、廃液処理工程が進行して少なくとも放流される時点ではpH6.5〜7.5程度の所定範囲に調整される。廃液処理液槽への苛性ソーダの供給量はpHセンサ29の出力に応じて自動制御されることになる。 【0034】 次いで、防腐その他の機能を有する薬液と置換するようにして遺体から取り出された血液その他流動体および粘凋体、固形物等を含む廃棄物は、廃棄物収納容器30に所定量収納され、付属の蓋によって密閉される。この廃棄物収納容器30は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の単一素材または適宜組合せによるアロイ樹脂等の適宜プラスチックによって製造することができる。そして、漏液はもとより、容器内外の通気も防止できる密閉蓋機構の付いた容器として形成されることが望ましい。 【0035】 そして、上述のような廃棄物を収納して密閉された容器は、その外表面や容器本体-蓋間の隙間等に付着する可能性のある細菌やウィルス類を確実に滅菌するために、適宜殺菌性ガス、例えば二酸化塩素ガス雰囲気中に所定時間留置し、あるいは強力な電磁波ないし放射線の照射によって滅菌処理を行った後、所定箇所に設置された同レベルの危険度を有する医療廃棄物と同様の、例えば高温焼却処理が行われる。また、処理室内に従事する医療関係者等の空気感染を防止するために、流動物ないし固形物を含む排出物の廃棄物収納容器30への取り込み中は排出物質表面からの揮発・蒸発等により発生する有害気体をHEPAフィルタを介して放出させるように構成する。そして、当該排出物を取り込み完了後は該容器を密閉し高温焼却処理が行われる。 【産業上の利用可能性】 【0036】 ここに開示された遺体処理における廃液等排出物質の処理方法および処理装置は、バイオハザードの概念に適合する周辺装置、例えば空調機構、出入口のエアーシャワー機構、換気機構等と組合せることにより、エンバーミング(遺体の補正処理)や解剖の現場において、小規模かつ低コストで、医療関係者その他の処理や処置の従事者の健康維持、廃水や廃棄物を介しての病原菌やウィルス等の周辺環境への漏出を確実に防止することにより、バイオハザードの要請に則り周辺への悪影響を防止することができる。 【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】本発明に係る遺体処理過程における廃液等排出物質の処理方法を実施するための基本構成例を示すものである。 【符号の説明】 【0038】 10 遺体処理・処置台 10U 遺体処理・処置台天面 10D、10D−1、10D−2 排出管 12 廃液用配管(ホース) 13 廃棄物用配管(ホース) 20 廃液処理槽 22 排気口 22F フィルタ(HEPAフィルタ) 23 処理済液排出口 24 液体撹拌手段 25 安定化二酸化塩素溶液供給装置 25P 安定化二酸化塩素溶液供給用配管 26A、26B、26C 紫外線照射装置(二酸化塩素活性化手段) 27 過酸化水素供給装置 27P 過酸化水素供給用配管 28 苛性ソーダ供給装置 28P 苛性ソーダ供給用配管 30 廃棄物収納容器
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| 【出願人】 |
【識別番号】591271313 【氏名又は名称】株式会社サンシ−ル 【識別番号】500253368 【氏名又は名称】燦ホールディングス株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月4日(2006.8.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092668 【弁理士】 【氏名又は名称】川浪 薫
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| 【公開番号】 |
特開2008−36061(P2008−36061A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−213057(P2006−213057) |
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