| 【発明の名称】 |
ペースト状骨補填材 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 克史
【氏名】山中 克之
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| 【要約】 |
【課題】生体に安全で操作性に優れたペースト状の骨補填材を提供する。
【構成】バイオセラミックス粉末が混合された溶媒に、生分解性高分子が溶解されていることを特徴とするペースト状骨補填材とする。このとき、溶媒が、1−メチル−2−ピロリドン,ポリエチレングリコール,2−ピロリドン,プロピレングリコール,アセトン,酢酸エチル,酢酸メチル,メチルエチルケトン,ジメチルスルホキシド,テトラヒドロフランの中から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バイオセラミックス粉末が混合された溶媒に、生分解性高分子が溶解されていることを特徴とするペースト状骨補填材。 【請求項2】 溶媒が、1−メチル−2−ピロリドン,ポリエチレングリコール,2−ピロリドン,プロピレングリコール,アセトン,酢酸エチル,酢酸メチル,メチルエチルケトン,ジメチルスルホキシド,テトラヒドロフランの中から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載のペースト状骨補填材。 【請求項3】 バイオセラミックス粉末が、多孔質である請求項1ないし3の何れか1項に記載のペースト状骨補填材。 【請求項4】 混合されるバイオセラミックス粉末の濃度が溶媒100重量部に対して30〜150重量部である請求項1ないし5の何れか1項に記載のペースト状骨補填材。 【請求項5】 溶解される生分解性高分子の濃度が溶媒100重量部に対して5〜50重量部である請求項1ないし6の何れか1項に記載のペースト状骨補填材。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、骨腫瘍や骨髄炎等により病巣を取り除いた後に欠損部へ自家骨移植する際や、歯科用インプラント埋入のために顎骨の補強や補填に用いられる骨補填材に関するものである。 【背景技術】 【0002】 整形外科や歯科の領域において、様々な疾患により生じる骨欠損の修復に骨補填材が用いられている。骨の成分の約7割はリン酸カルシウムであることから、リン酸カルシウム系化合物は優れた生体適合性を示し各種骨補填材として応用されている。 【0003】 このようなリン酸カルシウム系化合物製の骨補填材としては、ブロック状のものや顆粒状のものが知られている。しかし、ブロック状のものは術場で骨補填材を骨欠損部の形状に成形しなければならず手間がかかる。特に緊急性を必要とする手術の場合、その使用は困難であった。これに対し顆粒状のものは充填するだけで骨欠損部へ補填することができるので簡単にかつ迅速に手術を行うことが可能となる。 【0004】 しかしながら、骨補填材をリン酸カルシウム系化合物の顆粒のみで構成した場合、使用時に顆粒がこぼれてしまう等術場における取り扱い性が悪い問題があった。また、欠損部の形状が開放性であり骨組織に囲まれていない場合には、補填後に補填材料を骨欠損部に留めておくことのが困難であるという問題もあった。 【0005】 骨補填材は使用直前に任意の形状に賦形して目的に合った形状に成形してから使用することが望ましいのでリン酸カルシウム系化合物の顆粒と高分子材料とを混合した骨補填材も開発されている。例えば、ε-カプロラクトンとラクチッドとの共重合体を含有し、約46〜71℃に加熱した時は軽度の圧力下で成形可能であるが、約43℃以下の温度では圧力下でも永久的に抵抗する組織増加のための医学用パテや(例えば、特許文献1参照。)、主成分のp-ジオキサノンと他の単量体との生体内分解吸収性の共重合体に生体活性なバイオセラミックス粉体が含有されており、30℃より低い温度域では比較的固い個体であるが、ヒトの皮膚温度から体温(約30〜40℃)で粘着性、可塑性および形状保持性をもち、体温以上で流動性を増して自在に形状を付与することができる生体内分解吸収性可塑性粘着物や(例えば、特許文献2参照。)、再吸収性ペーストキャリヤーと骨形成因子と多孔質粒状無機質を含み、再吸収性キャリヤーが哺乳動物の体温よりも高い温度で流動性であるが、該体温もしくはそれよりやや高い温度で非流動性素材に転移する骨形成ペースト組成物(例えば、特許文献3参照。)等が開示されている。しかしながら、これらの材料は手術時に湯に浸す等して加熱する等手間がかかる上、このような操作自体が材料を生体内に埋入することを考慮すると不衛生であり好ましくない。 【0006】 また、リン酸カルシウム系化合物をフィブリン糊等で固め生分解性の多糖類やキチン類のゲルに分散させて顆粒状骨補填材を欠損部に保持する試みも行われている(例えば、特許文献4〜10参照。)。このような骨補填材は高い操作性を有しており、容易かつ迅速に骨補填材を骨欠損部へ充填することができ、手術後、体内で骨補填材が骨欠損部から散逸してしまうことが防止される。 【0007】 しかしながら、フィブリン糊等で固めたりコラーゲンを含む水溶液に分散させた場合には、フィブリンは自家由来の場合には採取・精製等煩雑な操作が必要であり、更に他家由来であれば肝炎等に感染する危険性もある。同様にコラーゲン等の生物由来の材料は人体に対する医療用具としての使用については未知の病原に対する安全性に不安が残る。 【0008】 【特許文献1】特公平7-67486号公報 【特許文献2】特許3483753号公報 【特許文献3】特表2002-536076号公報 【特許文献4】特開昭60-256460号公報 【特許文献5】特開2003-93497号公報 【特許文献6】特許第2902452号号公報 【特許文献7】特許第2984112号号公報 【特許文献8】特表2001-521414号公報 【特許文献9】特表2001-509419号公報 【特許文献10】特表2005-538757号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 そこで本発明は、生体に安全であり操作性に優れた骨補填材を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者等は前記課題を解決するために鋭意検討した結果、バイオセラミックス粉末が混合された溶媒に、生分解性高分子が溶解されているペースト状骨補填材とすると、ペースト状なので術場において粉末がこぼれ落ちることがなく、補填患部に合わせて成形することも容易な上、粉末を骨欠損部に留めておくことが可能であり、バイオセラミックス粒子の粒径や配合量,生分解性高分子の分子量や配合量を調整することで生体内での分解速度を制御することが可能なペースト状の骨補填材を得ることができることを見出して本発明を完成した。 【0011】 即ち本発明は、バイオセラミックス粉末が混合された溶媒に、生分解性高分子が溶解されていることを特徴とするペースト状骨補填材である。 【発明の効果】 【0012】 本発明に係るペースト状骨補填材は、コラーゲン等の生物由来の材料を用いないので未知の病原に対して比較的安全である。そして、従来の例えば粉末状のリン酸カルシウム系骨補填材のようにこぼれ落ちることが無く、また従来のブロック状の骨補填材のように切削により成形する必要もないので良好な操作性(賦形性)を持つ優れたペースト状骨補填材である。 【0013】 本発明で使用する溶媒としては、生分解性高分子を溶解させるものであれば使用でき、例えば1−メチル−2−ピロリドン(N−メチル−2−ピロリドン),ポリエチレングリコール,2−ピロリドン,プロピレングリコール,アセトン,酢酸エチル,酢酸メチル,メチルエチルケトン,ジメチルスルホキシド,テトラヒドロフランを例示することができる。これらの中から選ばれる2種以上を混合して用いても良い。また、生体親和性・安全性が高いことから、特に、1−メチル−2−ピロリドン及びポリエチレングリコールが最も好ましい。 【0014】 本発明で使用するバイオセラミックス粉末としては、人工骨や人工歯根として従来から用いられているアルミナ,ジルコニア,アパタイト等を使用でき、好ましくは生体内で活性を示すバイオガラス,水酸アパタイト,炭酸アパタイト,フッ素アパタイト,リン酸水素カルシウム(無水物または2水和物),リン酸三カルシウム,リン酸四カルシウム,リン酸八カルシウム等が挙げられ、これらを2種以上混合して用いても良い。特に生体内で崩壊性を示す低結晶性の炭酸アパタイトが最も好ましい。 【0015】 本発明で使用するバイオセラミックス粉末の形状は、球形,粉砕形状,ウィスカー等、特に限定せず使用することができるが、粒径範囲が0.01〜800μmであることが好ましく、0.01μm未満の粒子を合成・精製することは困難であり、800μmを超えるとペースト状骨補填材の表面が粗くなる傾向がある。また、バイオセラミックス粉末の表面が多孔質であると、生分解性高分子が生体内で分解されることにより生じたスペースに生体組織が侵入した際にバイオセラミックス粉末の多孔質部分へも侵入することにより骨組織再生が促進されて好ましい。 【0016】 本発明で使用する生分解性高分子としては、従来から用いられている生体吸収性の高分子材料が使用でき、特にポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(D体、L体、DL体)(PLA)、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL),ポリアミノ酸,ポリアンハイドライド,ポリオルソエステルやそれらの共重合体を好ましく使用することができる。本発明においては、溶媒に溶解された生分解性高分子が増粘剤として作用するので別途増粘剤を配合する必要が無い。 【0017】 本発明で溶媒に混合されるバイオセラミックス粉末の量は、ペースト状骨補填材中の溶媒100重量部に対して30〜150重量部であることが好ましい。30重量部未満であるとペースト状骨補填材を欠損部へ補填した再の骨再生性に乏しく、150重量部を超えるとペースト状骨補填材が脆くなる傾向がある。 【0018】 本発明で溶媒に溶解される生分解性高分子の量は、ペースト状骨補填材中の溶媒100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。5重量部未満であるとペーストが軟らか過ぎて賦形性が悪化し易く、50重量部を超えてもペーストが硬くなって補填時の賦形性が悪化する傾向がある。また、生分解性高分子は溶媒中に完全に溶解していても良いし、ペースト状骨補填材の操作性を妨げない程度であれば未溶解な部分が残存していても構わない。 【実施例】 【0019】 表1に記した配合に従い溶媒にバイオセラミックス粉末を分散させ、続いて軟化点まで加熱して軟化させた生分解性高分子を加え撹拌してペースト状骨補填材を作製した。 【0020】 <表1>
(単位は重量部) 【0021】 ※1 水酸アパタイト:平均粒径5μm;太平化学産業社製,製品名ヒドロキシアパタイト ※2 炭酸アパタイト:平均粒径1μm ※3 β型リン酸三カルシウム:オリンパス工業社製(平均粒径1000μm、気孔率約70%) ※4 乳酸−グリコール酸共重合体:株式会社BMG社製,製品名PGLA ※5 乳酸−ε−カプロラクトン共重合体:株式会社BMG社製,製品名LCL ※6 ポリ−(L)−乳酸:株式会社BMG社製,製品名PLLA 【0022】 25℃の環境下で、手指にて各実施例のペースト状骨補填材の賦形性を官能的に評価した。表1から明らかなように、特定の溶媒にバイオセラミックスを分散させ、生分解性高分子を溶解させた本発明に係るペースト状骨補填材は、取り扱い性及び賦形性が良いことが分かる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000181217 【氏名又は名称】株式会社ジーシー
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| 【出願日】 |
平成18年8月3日(2006.8.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−35981(P2008−35981A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−211550(P2006−211550) |
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