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【発明の名称】 空気除菌装置
【発明者】 【氏名】西原 卓郎

【氏名】荒川 徹

【氏名】小林 弘幸

【要約】 【課題】タンク式の空気除菌装置であっても、給水頻度を低減し、連続運転を可能とする。

【構成】水または塩素イオンを含む水である電解対象水を電気分解して電解水を生成する電解槽31と、電解槽31が生成した電解水が滴下される気液接触部材5と、気液接触部材5に室内の空気を送風する送風ファン7と、電解対象水を供給すべく貯留する第1の容量を有する第1給水タンク11と、電解対象水を供給すべく貯留する第1の容量よりも大きな第2の容量を有する第2給水タンク53と、第1給水タンク11および第2給水タンク53からの前記電解対象水を貯留する貯留皿10と、第2給水タンク53内の電解対象水を貯留皿10に供給する給水ポンプ60と、貯留皿10の電解対象水を電解槽31に供給する循環ポンプ13と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水または塩素イオンを含む水である電解対象水を電気分解して電解水を生成する電解ユニットと、
前記電解ユニットが生成した電解水が滴下される気液接触部材と、
前記気液接触部材に室内の空気を送風する送風ファンと、
前記電解対象水を供給すべく貯留する第1の容量を有する第1給水タンクと、
前記電解対象水を供給すべく貯留する第1の容量よりも大きな第2の容量を有する第2給水タンクと、
前記第1給水タンクおよび前記第2給水タンクからの前記電解対象水を貯留する貯留部と、
前記第2給水タンク内の前記電解対象水を前記貯留部に供給する第1ポンプと、
前記貯留部の前記電解対象水を前記電解ユニットに供給する第2ポンプと、
を備えたことを特徴とする空気除菌装置。
【請求項2】
請求項1記載の空気除菌装置において、
前記貯留部に設けられ、前記貯留部内の前記電解対象水の水位が前記第2給水タンクへの給水が必要となる所定の第1の水位レベルよりも高い所定の第2の水位レベルに下がったことを検出する水位センサと、
前記水位センサの検出状態に基づいて、前記第1ポンプを駆動して、前記第2給水タンク内の前記電解対象水を前記貯留部に供給させる制御部と、
を備えたことを特徴とする空気除菌装置。
【請求項3】
請求項2記載の空気除菌装置において、
前記貯留部に設けられ、前記貯留部内の前記電解対象水の水位が前記第1の水位レベル以下に下がったことを検出する第2の水位センサと、
前記第2のセンサの検出状態に基づいて、前記第2給水タンクへの給水を促す報知をユーザに対して行う報知部と、
を備えたことを特徴とする空気除菌装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の空気除菌装置において、
前記貯留部の水交換時に前記第1ポンプにより前記第2給水タンク内の前記電解対象水を洗浄用水として供給することを特徴とする空気除菌装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌、ウィルス、真菌等の空中浮遊微生物(以下、単に「ウィルス等」という)の除去が可能な空気除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウィルス等の除去を目的として、空気中に電解水ミストを拡散させて、この電解水ミストをウィルス等に直接接触させ、ウィルス等を不活化する除菌装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来の除菌装置は、微粒子状の電解水ミストが到達しやすい使用環境下、すなわち、比較的小空間では効力を発揮するものの、電解水ミストが到達しにくい使用環境下、すなわち、大空間、例えば幼稚園や小・中・高等学校や、介護保険施設や、病院等では効力を発揮しにくいという問題がある。
【0003】
これを解消するため、一つの筐体内に、保水性を有する気液接触部材を設け、この気液接触部材に水道水を電気分解して得た電解水を滴下しつつ、シロッコファン等の送風ファンによって、気液接触部材に室内空気を送風し、大空間の空気に含まれるウィルス等やアレルギー物質を無害化する空気除菌装置が出願人によって提案されている。
【特許文献1】特開2002−181358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記空気除菌装置では、電解水を用いて空気除菌を行っているが、タンクに電解対象水を貯留して供給する構成を採った場合、タンクの容量が小さい場合には、ユーザによる電解対象水の供給頻度が高くなり、手間がかかるという問題点があった。
また、店舗などのように、空気除菌装置を連続的に運転するような場合には、挙旧頻度が高いと、運転休止期間も長くなり、使い勝手が悪いという問題点も生じる。
【0005】
そこで本発明の目的は、タンク式の空気除菌装置であっても、給水頻度を低減し、連続運転が可能となる空気除菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、水または塩素イオンを含む水である電解対象水を電気分解して電解水を生成する電解ユニットと、前記電解ユニットが生成した電解水が滴下される気液接触部材と、前記気液接触部材に室内の空気を送風する送風ファンと、前記電解対象水を供給すべく貯留する第1の容量を有する第1給水タンクと、前記電解対象水を供給すべく貯留する第1の容量よりも大きな第2の容量を有する第2給水タンクと、前記第1給水タンクおよび前記第2給水タンクからの前記電解対象水を貯留する貯留部と、前記第2給水タンク内の前記電解対象水を前記貯留部に供給する第1ポンプと、前記貯留部の前記電解対象水を前記電解ユニットに供給する第2ポンプと、を備えたことを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、貯留部は、第1給水タンクから供給される電解対象水および第2給水タンクから第1ポンプを介して供給される電解対象水を貯留する。
これにより、第2ポンプは、貯留部の電解対象水を電解ユニットに供給する。
電解ユニットは、供給された電解対象水を電気分解して電解水を生成する。
気液接触部材に電解ユニットが生成した電解水が滴下されると、気液接触部材に室内の空気を送風ファンにより送風し、空気除菌を行う。
この場合に、第2給水タンクは、その容量も大きいので、ユーザによる電解対象水の供給頻度を低減することができるとともに、供給を行う場合でも、空気除菌装置は、第1給水タンクからの電解対象水により連続運転を行うことができる。
この場合において、前記貯留部に設けられ、前記貯留部内の前記電解対象水の水位が前記第2給水タンクへの給水が必要となる所定の第1の水位レベルよりも高い所定の第2の水位レベルに下がったことを検出する水位センサと、前記水位センサの検出状態に基づいて、前記第1ポンプを駆動して、前記第2給水タンク内の前記電解対象水を前記貯留部に供給させる制御部と、を備えるようにしてもよい。
【0008】
また、前記貯留部に設けられ、前記貯留部内の前記電解対象水の水位が前記第1の水位レベル以下に下がったことを検出する第2の水位センサと、前記第2のセンサの検出状態に基づいて、前記第2給水タンクへの給水を促す報知をユーザに対して行う報知部と、を備えるようにしてもよい。
さらに、前記貯留部の水交換時に前記第1ポンプにより前記第2給水タンク内の前記電解対象水を洗浄用水として供給するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タンク式の空気除菌装置であっても、給水頻度を低減し、連続運転が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、実施形態に係る空気除菌システムの斜視図である。
図2は、空気除菌システムの内部構成を示す斜視図である。
空気除菌システムXは、図1に示すように、大別すると、空気除菌装置本体1と、この空気除菌装置本体1に電解水生成用の水を供給すべく貯留するタンクユニット51と、を備えている。
【0011】
空気除菌装置本体1は、箱形の筐体2を備え、この筐体2は、図2に示すように、略枠状に形成されたフレーム20と、このフレーム20に取り付けられる前パネル2A、背面パネル2B、左右一対の側面パネル2C、天パネル2D及び左右一対の脚部2Eとを有し、天パネル2Dの両側には、操作蓋2F及び開閉蓋2Gが開閉自在に配置されている。
タンクユニット51は、箱形の筐体52を備え、この筐体52は、開閉可能な前扉パネル52A、背面パネル52B、左右一対の側面パネル52C、天パネル52D及び脚部52Eとを有し、筐体52内部に電解対象水を、例えば、20リットル収納可能な第2給水タンク53が配置され、この第2給水タンク53には、第2給水タンク53内の電解対象水を空気除菌装置本体1側に供給する給水パイプ54が接続されている。なお、第2給水タンク53は、開閉蓋53Aを開いて取り出して、電解対象水の補給が可能となっている。
【0012】
次により詳細な内部構成について説明する。
空気除菌装置本体1のフレーム20には、図2に示すように、筐体2の内側を縦に仕切る2枚の仕切り板21、22が間隔を空けて配設され、これら仕切り板21、22によって筐体2の内部空間が3つの室A、B、Cに仕切られている。
中央の室Aには、下方から順に、吸込パネル3、送風ファン7の支持板8、水受皿9、気液接触部材5及び吹出パネル4が配設されている。
【0013】
また、一端側の室Bには、水受皿9に連接される貯留皿10と、貯留皿10に貯留される水(電解水)を汲み出す循環ポンプ13と、この循環ポンプ13の吐出側に接続された電解槽31と、給水パイプ54が接続され、第2給水タンク53内の電解対象水を貯留皿10に供給する給水ポンプ60と、が配設されている。
また、他端側の室Cには、電解槽31を含むこの空気除菌装置本体1全体を制御する制御部100を構成する制御基板(図示せず)等が配設されている。
吸込パネル3は、床面と間隔を空けて略水平に配置されるとともに、その上面にプレフィルター3Aが配置され、支持板8には、吸込パネル3を介して外の空気を吸い込んで支持板8の上方に向けて送風する送風ファン7が取り付けられている。
【0014】
図3は、空気除菌装置本体の縦断面図である。
図3に示すように、送風ファン7の送風口7Aは、背面パネル2B寄りに設けられ、支持板8には、この送風口7Aを避けて略上方に延出する支持フレーム8Aが設けられ、この支持フレーム8Aには、気液接触部材5が、その背面を送風口7Aに向けて斜めに取り付けられるとともに、水受皿9が、この気液接触部材5の下縁部の直下に取り付けられている。吹出パネル4は、上記室Aの上方全体を覆うように配設され、送風ファン7から送風されて気液接触部材5を通過した空気を整流する整流フィンが間隔を空けて設けられている。
【0015】
送風ファン7は、シロッコファンをケース内部に備えるものであり、制御部100の制御下においてインバータ等を介して、吹き出し風量(風速)を変更可能に構成されている。具体的には、風速「強」(例えば、平均風量:8m3/min)および風速「弱」(例えば、平均風速:5m3/min)の2段階に変更可能となっている。
【0016】
ここで、気液接触部材について説明する。
図4は、気液接触部材の構成説明図である。
気液接触部材5は、図4に示すように、空気が流通するエレメント部Eと、このエレメント部Eを支持するフレーム部Fとを有している。エレメント部Eは、波板状の波板部材5Aと平板状の平板部材5Bとが積層されて構成され、これら波板部材5Aと平板部材5Bとの間に略三角状の多数の開口5Fが形成され、気体接触面積が広く確保され、電解水滴下が可能で、目詰まりしにくい構造になっている。
【0017】
より具体的には、フレーム部Fは、気液接触部材5の両端枠を構成する左右一対一対の枠部材5Dと、左右一方の枠部材5Dの上部を貫通して他方の枠部材5Dに先端が固定される電解水供給管17と、この電解水供給管17を覆うように左右一対の枠部材5Dの上端部間に配設されて気液接触部材5の上枠を構成するカバー5Gとを備え、このカバー5Gは、電解水供給管17の下方に配置される第1分流シート5Cを支持している。また、上記エレメント部Eは、左右一対の枠部材5D間に配置され、このエレメント部Eの上面には、複数枚の第2分流シート5Eが配置されている。
【0018】
上記波板部材5A、平板部材5B、第1分流シート5C及び第2分流シート5Eは、液体の浸透性を有する繊維素材であって、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)又はセラミックス系材料等の素材が使用され、本構成では、PET樹脂が使用されている。
【0019】
電解水供給管17には、電解槽31内で生成された電解水が供給され、この電解水は、電解水供給管17の軸方向に間隔を空けて形成された複数の散水孔(図示せず)から第1分流シート5Cに滴下され、第1分流シート5C全体に拡散して第2分流シート5Eに滴下し、第2分流シート5E全体に拡散してエレメント部Eの上部全体に浸透し、気液接触部材5の傾斜に沿って下方に浸透していく。すなわち、上記分流シート5C及び5Eにより気液接触部材5の長手方向の隅々にまで電解水を均等に浸透させることができる。
さらに、多数の散水孔からの当該孔径に対応する総散水量は、循環ポンプ13の吐出量よりも少なく設定されている。このため、電解水供給管17内の電解水圧力が高められ、電解水が末端の散水孔にまでくまなく供給され、これによっても、気液接触部材5の長手方向の隅々にまで電解水を均等に浸透させることができる。
【0020】
図3に示した気液接触部材5の傾斜角θは、
30゜<θ<80゜
であることが望ましい。
これは、以下のような理由による。
傾斜角θが30°以下の場合、滴下した電解水が、気液接触部材5の傾斜に沿って流れず、下方に落下してしまうためである。また、傾斜角θが80°以上となり、90°に近づいた場合、気液接触部材5を通過する送風経路が水平に近くなり、その分だけ上方への吹き出しが困難になる。この吹き出し方向を水平にした場合、吹き出し空気を遠くに送風できなくなり、後述するように、大空間の除菌に適した装置とならないからである。
本実施形態においては、約57°に設定されている。
【0021】
室Cに配設される貯留皿10は、図2に示すように、水受皿9より一段低い位置に設けられて水受皿9から流れる水(電解水)が貯留されるとともに、第1給水タンク11を支持する支持部10Aが一体に形成されている。
この貯留皿10には、後述するように、第2給水タンク53内に電解対象水(水または塩素イオンを含む水。例えば、水道水)が十分にある場合には、給水ポンプ60により給水パイプ54を介して、貯留皿10に電解対象水が供給される。
また、第2給水タンク53内に電解対象水がなくなってしまった場合には、第1給水タンク11内の水が重力により自動的に貯留皿10に供給される。ここで、第1給水タンク11には電解対象水として、塩素イオンを含み水である水道水が溜められている。
電解槽31は、電解水を生成する電解ユニットとして機能するものであり、循環ポンプ13の吐出口から上方に延びる配管25に接続され、循環ポンプ13よりも上方位置に配置されている。
【0022】
図5は、電解槽の内部構成の説明図である。
電解槽31は、図5に示すように、複数の電極32、33を備え、制御部100の制御の下、電極32、33が通電されることにより、電解槽31に供給された水道水が電気分解されて活性酸素種が生成される。そして、この活性酸素種を含む電解水は、図2に示した配管26を介して気液接触部材5の電解水供給管17に供給される。なお、上記電解水供給管17を電解槽31に直接接続することによって、上記配管26を兼用させてもよい。
【0023】
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。この電解槽31は、図2に示すように、気液接触部材5に接近して配置されるため、電解槽31内で生成された電解水をただちに気液接触部材5に供給できるように構成されている。
【0024】
電極32、33は、例えばベースがTi(チタン)で皮膜層がIr(イリジウム)、Pt(白金)から構成された電極板であり、この電極32、33に供給する電流値は、電流密度で数mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)〜数十mA/cm2になるように設定され、所定の遊離残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。
【0025】
詳述すると、上記電極32、33により水道水に通電すると、カソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、水に含まれる塩素イオン(通常、水道水に予め含まれているが、塩素が不足するような水である場合には、塩化ナトリウムなどを添加して電解対象水とする)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、さらにこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
【0026】
この構成では、電極32、33に通電することで、殺菌力の大きいHClO(次亜塩素酸)が発生し、この次亜塩素酸が供給された気液接触部材5に空気を通過させることにより、この気液接触部材5で雑菌が繁殖することを防止でき、気液接触部材5を通過する空気中に浮遊するウィルスを不活化することができる。また、臭気も気液接触部材5を通過する際に、電解水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して溶解することで、空気中から除去され、脱臭される。
【0027】
図6は、空気除菌装置の構成を説明するための模式図ある。
図6に示すように、制御部100は、マイコン100A及びメモリ100Bを備え、マイコン100Aがメモリ100Bに記憶された制御プログラムを実行することにより、空気除菌装置本体1の各部を中枢的に制御する。
この制御部100には、操作パネル101と、報知パネル102と、第1フロートスイッチFS1と、第2フロートスイッチFS2と、インバータ回路105とが接続されている。
【0028】
操作パネル101は、操作蓋2Fを開くと露出する位置に設けられ、本構成では、運転開始ボタンや風量変更ボタン等の各種操作子と表示パネルとを備えたリモコンユニットが適用され、ユーザからの各種指示を制御部100に通知する他、各種情報を表示可能となっている。報知パネル102は、前パネル2Aに設けられ、図1に示すように、運転中か否かを示す運転ランプ102A、第1給水タンク11の給水要求を報知する給水ランプ102B等を備えている。
【0029】
ここで、第1フロートスイッチFS1と第2フロートスイッチFS2について詳細に説明する。
図7は、貯留皿における水位と各フロートスイッチの出力状態の説明図である。
図7に示すように、第1フロートスイッチFS1は、給水ランプ102Bを点灯させるための第1水位L1でオフ状態となり、第3水位L3でオン状態となる位置に設けられている。
第2フロートスイッチFS2は、第1水位L1より高く、第3水位L3より低く、第2給水タンク53から給水ポンプを介して電解対象水を供給させる水位である第2水位L2でオフ状態となり、第3水位L3よりも高く第2給水タンク53からの給水ポンプを介した電解対象水の供給を停止(給水停止)させる水位である第4水位L4でオン状態となる位置に設けられている。
【0030】
これらの結果、制御部100は、報知パネル102の給水ランプ102Bを点灯制御したり、給水ポンプの駆動/停止を制御することとなる。
インバータ回路105には、送風ファン7が接続されており、ユーザの風量変更指示により、この送風ファン7へ供給される電源周波数を変更し、当該送風ファン7の吹き出し風量を変更する。
この構成により、操作パネル101が操作されて運転が指示されると、制御部100は、運転ランプ102Aを点灯するとともに、循環ポンプ13を駆動し、貯留皿10に貯留される電解対象水を電解槽31に供給し、電解槽31では電解対象水を電気分解させて活性酸素種を含む電解水を生成させる。
【0031】
そして、循環ポンプ13により電解水は、配管26及び電解水供給管17を経由して気液接触部材5に滴下され、徐々に浸透する。そして、気液接触部材5から滴下した電解水は、水受皿9が受けて、水受皿9から貯留皿10に流入し、そこに貯留される。このように、本構成では、電解対象水が循環式となっており、蒸発等により水量が減った場合、第2給水タンク53内に電解対象水が十分にある場合には、給水パイプ54を介して給水ポンプ60により貯留皿10に水位レベルL4となるまで供給される。
また、第2給水タンク53内に電解対象水が少なくなり、あるいは、なくなった場合には、第1給水タンク11内の電解対象水が、貯留皿10に適量供給されることとなる。なお、第1給水タンク11は、開閉蓋2G(図1参照)を開いて取り出して電解対象水の補給が可能となる。
【0032】
電解水が浸透した気液接触部材5には、送風ファン7を経て、矢印Yで示すように、室内の空気が供給される。この室内の空気は、気液接触部材5にしみ込んだ活性酸素種に接触して或いは近傍を通過して、再び、室内に吹き出される。
この活性酸素種は、ウィルス、花粉及びダニのフンや死骸等のアレルギー物質を抑制する機能を持ち、例えば、空気中にインフルエンザウィルスが浮遊した場合、その感染に必須の当該ウィルスの表面蛋白(スパイク)を破壊、消失(除去)し、これを破壊すると、インフルエンザウィルスと、当該ウィルスが感染するのに必要な受容体(レセプタ)とが結合しなくなり、これによって感染が阻止される。実証試験の結果、インフルエンザウィルスが浮遊した空気を、本構成の気液接触部材5に通した場合、当該ウィルスを99%以上除去できることが判明している。
【0033】
次に実施形態の動作について説明する。
図8は、設置時(および通常運転時)の動作フローチャートである。
この場合において、第1給水タンク11および第2給水タンク53は、満量の電解対象水を収納しているものとする。
設置時において、電源スイッチがオンされると(ステップS1)、制御部100は、給水ポンプ60の駆動を開始し(ステップS2)、給水パイプ54を介して貯留皿10に供給し、第2フロートスイッチFS2がオン状態となったか否か、すなわち、貯留皿10における水位が水位レベルL4に至ったか否かを判別する(ステップS3)。
【0034】
ステップS3の判別において、未だ貯留皿10における水位が水位レベルL4に至っていない場合には(ステップS3;No)、制御部100は、処理をステップS2に移行して給水ポンプ60の駆動を継続することとなる。
ステップS3の判別において、貯留皿10における水位が水位レベルL4に至った場合には(ステップS3;Yes)、制御部100は、通常運転モードに移行し、循環ポンプ13を駆動する(ステップS4)。
続いて、制御部100は、給水ポンプ60を停止し(ステップS5)、第2フロートスイッチFS2がオフ状態となったか否か、すなわち、貯留皿10における水位が水位レベルL2に至り、給水を開始する必要があるか否かを判別する(ステップS6)。
ステップS6の判別において、未だ貯留皿10における水位が水位レベルL4に至っていない場合には(ステップS6;No)、制御部100は、処理をステップS5に移行して給水ポンプ60の停止状態を継続することとなる。
【0035】
ステップS6の判別において、貯留皿10における水位が水位レベルL2に至った場合には(ステップS6;Yes)、制御部100は、給水ポンプ60を駆動し(ステップS7)、第2フロートスイッチFS2がオン状態となったか否か、すなわち、貯留皿10における水位が水位レベルL4に至ったか否かを判別する(ステップS8)。
ステップS8の判別において、未だ貯留皿10における水位が水位レベルL4に至っていない場合には(ステップS8;No)、制御部100は、処理をステップS7に移行して給水ポンプ60の駆動を継続することとなる。
ステップS8の判別において、貯留皿10における水位が水位レベルL4に至った場合には(ステップS3;Yes)、制御部100は、給水ポンプ60を再び停止し(ステップS5)、以下、同様の処理を行うこととなる。
【0036】
図9は、第2給水タンクに水がなくなりかけたときに第2フロートスイッチがオフ状態となった場合の動作フローチャートである。
制御部100は、給水ポンプ60の駆動中に(ステップS11)、第2給水タンク53が空になり、さらに貯留皿10内の電解対象水の水位が水位レベルL1に至り、第1フロートスイッチFS1がオフ状態となると(ステップS12)、給水ランプを点灯する(ステップS13)。
続いて制御部100は、給水ポンプ60を停止して(ステップS14)、待機状態となる。
【0037】
給水ランプの点灯にユーザが気づいた場合には、ユーザは、タンクユニット51の前扉パネル52Aを開いて、第2給水タンク53の開閉蓋53Aを開く。そして、給水パイプ54を取り外し、タンクユニット51から第2給水タンク53を取り出して給水し、再び給水パイプ54を取り付けてタンクユニット51内に収納することとなる(ステップS15)。
給水後、ユーザが再び運転ボタンを押した場合には(ステップS16)、制御部100は、図8のステップS1に処理を移行し、以下同様の処理を行うこととなる。
次に水交換ランプが点灯した場合の動作について説明する。
長期間にわたって、空気除菌装置を駆動した場合には、貯留皿10内にゴミやスケール(電解対象水中の不溶物)がたまることとなる。
【0038】
図10は、水交換時の処理フローチャートである。
そこで、本実施形態においては、タイマによるカウントを行い、所定期間毎に制御部100が水交換ランプを点灯させるようにしている。
まず、制御部100は、水交換ランプを点灯させた場合には、動作停止状態に移行する(ステップS21)。
次に制御部100は、給水ポンプ60の駆動を開始し(ステップS22)、給水パイプ54を介して貯留皿10に供給し、第2フロートスイッチFS2がオン状態となったか否か、すなわち、貯留皿10における水位が水位レベルL4に至ったか否かを判別する(ステップS23)。
【0039】
ステップS23の判別において、未だ貯留皿10における水位が水位レベルL4に至っていない場合には(ステップS23;No)、制御部100は、処理をステップS22に移行して給水ポンプ60の駆動を継続することとなる。
ステップS23の判別において、貯留皿10における水位が水位レベルL4に至った場合には(ステップS23;Yes)、制御部100は、給水ポンプ60を停止する(ステップS24)。
この状態で、ユーザは、循環ポンプ13の出口側に図示しないコックを介して接続された排水チューブを排水状態に準備し、循環ポンプ13の出口側を排水チューブ側に切り替える(ステップS25)。
【0040】
そして、ユーザが図示しないリセットボタンおよび運転ボタンの同時押しを行うと、水交換動作に移行し、制御部100は、循環ポンプ13を駆動して、排水チューブを介して排水を開始することとなる(ステップS28)。
排水が進行し、第2フロートスイッチFS2がオフ状態となると、すなわち、貯留皿10における水位が水位レベルL2に至ると、制御部100は、給水ポンプ60を駆動し、洗浄用の水として第2給水タンクから水(電解対象水)の供給を開始する(ステップS30)。
続いて、制御部100は、洗浄のための所定時間(図10では、600sec)が経過したか否かを判別する(ステップS31)。
【0041】
ステップS31の判別において、制御部100は、所定時間が経過していない場合には(ステップS31;No)、待機状態となる。
ステップS31の判別において、制御部100は、所定時間が経過した場合には(ステップS31;Yes)、給水ポンプ60を停止し(ステップS32)、第1フロートスイッチFS1がオフ状態となると(ステップS33)、すなわち、貯留皿10における水位が水位レベルL1以下となると、水交換完了として、待機状態となる(ステップS34)。
以上のステップS25〜ステップS34の処理は、水交換処理である。
【0042】
その後、ユーザが再び運転ボタンを押した場合には(ステップS16)、制御部100は、図8のステップS1に処理を移行し、以下同様の処理を行うこととなる。
上述のように、本実施形態によれば、電解対象水の供給頻度を必要以上に多くすることなく、連続運転が可能となる。さらに、第2給水タンク53内の電解対象水を用いて水交換処理を行えるので、ユーザは、メンテナンスを容易に行うことができる。
また、第2給水タンク53の電解対象水がなくなった場合や、第2給水タンク53に電解対象水を入れる場合であっても、第1給水タンク11内の電解対象水を用いて空気除菌を継続することができ、店舗などの連続運転が要求される場所に設置される場合の使い勝手が向上する。
また、給水は、タンク式を採用しているので、水道配管が困難あるいは費用的に問題がある場合でも設置が容易となる。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更実施が可能である。
以上の説明では、タンクユニット51は、図1および図2に示すように、空気除菌装置本体1に向かって左側、すなわち、室C側に設置していたが、これは、室C側には図示しない制御基板等が配置されているだけであるのに対し、室Aの方は循環ポンプ13、電界槽31、第1給水タンク11などのメンテナンスを必要とする機器が配置されているためであり、サービススペースを確保する必要があるためである。
しかしながら、このようなサービススペースが十分確保可能であるならば、図2に一点鎖線で示すように、タンクユニット51を室A側に配置するようにすることも可能である。この場合、第2給水タンク53から給水ポンプ60に至る給水パイプ54は、図1に示したようにタンクユニット51を配置した場合と比較して、より短くできるという利点がある。
【0044】
また、タンクユニット51の筐体52をなくし、第2給水タンク53を空気除菌装置本体1の横にそのまま配置するようにすることも可能である。この場合、第2給水タンク53を透明とすることにより、第2給水タンク53内の水量を容易に把握することができ、給水タイミングがわかりやすいという利点も生じる。
以上の説明では、第1給水タンク11も、取り外して給水する構成を採っていたが、給水ポンプ60に分水バルブを設け、第1給水タンク11に適宜のタイミングで第2給水タンク53から供給するようにすれば、よりメンテナンスが容易となる。
【0045】
以上の説明においては、送風ファン7を連続運転する場合について説明したが、間欠運転するようにしてもよい。これにより、この送風ファンの電力使用量を削減し、省エネルギー化を図ることができる。
【0046】
以上の説明においては、活性酸素種として、次亜塩素酸を発生させる構成としていたが、例えば、活性酸素種としてオゾン(O3)や過酸化水素(H22)を発生させる構成としてもよい。この場合、電極として白金タンタル電極を用いると、イオン種が希薄な水から、電気分解により高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
このとき、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応と同時に、
3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O3+4H++4e-
の反応が起こりオゾン(O3)が生成される。またカソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
2-+e-+2H+→H22
のように、電極反応により生成したO2と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H22)が生成される。
【0047】
この構成では、電極に通電することにより、殺菌力の大きいオゾン(O3)や過酸化水素(H22)が発生し、これらオゾン(O3)や過酸化水素(H22)を含んだ電解水を作ることができる。この電解水中におけるオゾンもしくは過酸化水素の濃度を、対象ウィルス等を不活化させる濃度に調整し、この濃度の電解水が供給された気液接触部材5に空気を通過させることにより、空気中に浮遊する対象ウィルス等を不活化することができる。また、臭気も気液接触部材5を通過する際に、電解水中のオゾンまたは過酸化水素と反応し、イオン化して溶解することで、空気中から除去され、脱臭される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気除菌システムの斜視図である。
【図2】空気除菌システムの内部構成を示す斜視図である。
【図3】空気除菌装置本体の縦断面図である。
【図4】気液接触部材の構成説明図である。
【図5】電解槽の内部構成の説明図である。
【図6】空気除菌装置の構成を説明するための模式図ある。
【図7】貯留皿における水位と各フロートスイッチの出力状態の説明図である。
【図8】設置時(および通常運転時)の動作フローチャートである。
【図9】第2給水タンクに水がなくなりかけたときに第2フロートスイッチがオフ状態となった場合の動作フローチャートである。
【図10】水交換時の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
X…空気除菌システム
1…空気除菌装置本体
2…筐体
3…吸込パネル
4…吹出パネル、
5…気液接触部材、
7…送風ファン、
8…支持板
9…水受皿
10…貯留皿
11…第1給水タンク
13…循環ポンプ
17…電解水供給管
31…電解槽(電解ユニット)
51…タンクユニット、
52…筐体
53…第2給水タンク
54…給水パイプ
60…給水ポンプ(第2ポンプ)
100…制御部
100A…マイコン
100B…メモリ
101…操作パネル
102…報知パネル
102A…運転ランプ
102B…給水ランプ
105…インバータ回路
FS1…第1フロートスイッチ(水位センサ)
FS2…第2フロートスイッチ(水位センサ)。

【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之

【識別番号】100101775
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 一江


【公開番号】 特開2008−29574(P2008−29574A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−206021(P2006−206021)