| 【発明の名称】 |
空気除菌装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】福島 紀雄
【氏名】荒川 徹
【氏名】小林 弘幸
【氏名】山本 哲也
【氏名】黒河 圭子
【氏名】茂木 聖行
【氏名】梅沢 浩之
【氏名】小泉 友人
【氏名】樂間 毅
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| 【要約】 |
【課題】メンテナンスの頻度を低減させることのできる空気除菌装置を提供する。
【構成】空気除菌装置1を空気の吸込口15および吹出口12とを備える筐体10と、筐体10内に配置される気液接触部材3と、電解水を生成する電解槽4と、電解水を気液接触部材3に供給する電解水供給手段5、7と、吸込口15から吸い込む室内の空気を気液接触部材3に浸透させた前記電解水に接触させて吹出口12から吹き出させる送風ファン22と、気液接触部材3からの電解水を受ける水受け部8aと、水受け部8aで受けた電解水を電解槽4に供給する循環ポンプ5と、循環ポンプ5により電解水を電解槽4に供給するに際し、電解水に含まれる不溶物を水受け部8a内に留めるべく水受け部8a内に設けられた堰80とを備えた構成にする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気の吸込口および吹出口とを備える筐体と、 前記筐体内に配置される気液接触部材と、 電解水を生成する電解槽と、 前記電解水を前記気液接触部材に供給する電解水供給手段と、 前記吸込口から吸い込む室内の空気を、前記気液接触部材に浸透させた前記電解水に接触させて、前記吹出口から吹き出させる送風ファンと、 前記気液接触部材からの電解水を受ける水受け部と、 前記水受け部で受けた電解水を前記電解槽に供給する循環ポンプと、 前記循環ポンプにより前記電解水を前記電解槽に供給するに際し、前記電解水に含まれる不溶物を前記水受け部内に留めるべく、前記水受け部内に設けられた堰と、 を備えたことを特徴とする空気除菌装置。 【請求項2】 請求項1記載の空気除菌装置において、 前記循環ポンプは、前記堰をオーバーフローした電解水を前記電解槽に供給すること、 を特徴とする空気除菌装置。 【請求項3】 請求項2記載の空気除菌装置において、 前記水受け部から前記堰を超えてオーバーフローした電解水が流入する電解水電解水貯留部が前記水受け部に連接して設けられ、 前記循環ポンプは、前記電解水貯留部に流入した電解水を前記電解槽に供給すること、 を特徴とする空気除菌装置。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気除菌装置において、 前記堰は前記水受け部内に複数設けられていること、 を特徴とする空気除菌装置。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気除菌装置において、 前記不溶物はスケールであり、 前記水受け部内に、前記電解水に含まれるスケール成分を析出させる析出促進部材が設けられていること、 を特徴とする空気除菌装置。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気除菌装置において、 前記水受け部に、前記堰により水受け部内に留められる不溶物を電解水とともに水受け部から排出させるための排出弁を備えたこと、 を特徴とする空気除菌装置。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気除菌装置において、 前記電解水は前記電解槽において電極に通電して水又は塩素イオンを含む水を電気分解することにより得られる活性酸素種を含む電解水であること、 を特徴とする空気除菌装置。 【請求項8】 請求項7に記載の空気除菌装置において、 前記活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾンまたは過酸化水素のうち少なくともいずれか一つの物質を含むこと、 を特徴とする空気除菌装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、空中浮遊微生物(細菌、ウィルス、真菌(以下、単に「ウィルス等」という。))の除去が可能な空気除菌装置に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、空気中に浮遊するウィルス等の除去を目的として、水道水等を用いて電気分解を行い、次亜塩素酸等の活性酸素種を含む電解水を不織布等からなる加湿エレメント(濾材、気液接触部材)などに供給して、この加湿エレメントに供給された電解水にウィルス等を接触させ、ウィルス等を不活化して、空気を除菌する除菌装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2002−181358号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、上記従来の除菌装置等では、電気分解を行う際に用いる水道水等が蒸発などにより濃縮して、水道水等に含まれるカルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンなどに起因するスケールが生成する場合があった。また、電気分解の際に、電気分解用電極の表面にスケールが堆積する場合もあった。このため、電解性能及び電極の耐久性を維持するためには、スケール回収のためのメンテナンスを頻繁に行う必要があった。 本発明の課題は、メンテナンスの頻度を低減させることのできる空気除菌装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記課題を解決するため、本発明の空気除菌装置は、空気の吸込口および吹出口とを備える筐体と、前記筐体内に配置される気液接触部材と、電解水を生成する電解槽と、前記電解水を前記気液接触部材に供給する電解水供給手段と、前記吸込口から吸い込む室内の空気を、前記気液接触部材に浸透させた前記電解水に接触させて、前記吹出口から吹き出させる送風ファンと、前記気液接触部材からの電解水を受ける水受け部と、前記水受け部で受けた電解水を前記電解槽に供給する循環ポンプと、前記循環ポンプにより前記電解水を前記電解槽に供給するに際し、前記電解水に含まれる不溶物を前記水受け部内に留めるべく、前記水受け部内に設けられた堰とを備えたことを特徴とする。 【0005】 上記構成によれば、電解槽は電解水を生成し、電解水供給手段は電解水を気液接触部材に供給する。そして、送風ファンは筐体の吸込口から吸い込まれた空気を前記気液接触部材に浸透された電解水に接触させて、室内の空気を除菌させて、除菌後の空気を吹出口から吹き出させる。気液接触部材からの電解水は水受け部に受けられて循環ポンプにより再び電解槽に供給される。 このとき、水受け部に設けられた堰により、水受け部に受けた電解水に含まれる不溶物を水受け部内に留められ、循環ポンプにより電解槽に不溶物が供給されるのを防止している。このため、電解槽には不溶物が分離された電解水のみが供給され、電解槽における電解性能及び電極の耐久性を維持するとともに、スケール回収のためのメンテナンスの頻度を低減させることができる。 【0006】 上記構成において、前記循環ポンプは、前記堰をオーバーフローした電解水を前記電解槽に供給するように構成するとよい。 また、上記構成において、前記水受け部から前記堰を超えてオーバーフローした電解水が流入する電解水電解水貯留部が前記水受け部に連接して設けられ、前記循環ポンプは、前記電解水貯留部に流入した電解水を前記電解槽に供給することが好ましい。 また、上記構成の空気除菌装置において、前記堰は前記水受け部内に複数設けられていることが好ましい。堰を複数設けることにより、各堰において不溶物の流出を堰き止めることができるので、循環ポンプにより電解水とともにスケール等の不溶物が電解槽に供給されるのをより確実に防止することができる。 【0007】 また、上記構成の空気除菌装置において、前記不溶物はスケールであり、前記水受け部内に、前記電解水に含まれるスケール成分を析出させる析出促進部材が設けられていてもよい。 この構成によれば、析出促進部材により、電解水に含まれるスケール成分を析出させて、スケールを堰で堰き止めて回収することができ、不溶物としてのスケールを効率良く除去することができる。 【0008】 また、上記構成において、前記水受け部に、前記堰により水受け部内に留められる不溶物を電解水とともに水受け部から排出させるための排出弁を備える構成としてもよい。 この構成によれば、排出弁により堰によって堰き止められた不溶物を電解水とともに水受け部から排出させることができる。 【0009】 また、上記構成において、前記電解水は前記電解槽において電極に通電して水道水等を電気分解することにより得られる活性酸素種を含む電解水であることが好ましい。 この構成によれば、気液接触部材に供給される電解水に活性酸素種を含ませることができるので、活性酸素種の酸化作用により、空気中に含まれるウィルス等の除菌効果を高める他、空気中に含まれる臭い成分の脱臭等を行うことができる。また、活性酸素種により水受け皿内の殺菌、脱臭等を行うことができる。 【0010】 さらに、上記構成において、前記活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾンまたは過酸化水素のうち少なくともいずれか一つの物質を含むことが好ましい。 この構成によれば、水道水等に含まれる塩素イオン(塩化物イオン)などを利用して、特に薬剤等を注入しなくとも、水道水等を電気分解する際に電解水とともにこれらの活性酸素種を容易に生成することができる。 【発明の効果】 【0011】 本発明によれば、水受け部内に設けた堰により、水受け部内の電解水に含まれるスケール等の不溶物を水受け部内に留めているので、電解槽における電解性能及び電極の耐久性を維持するとともに、スケール回収のためのメンテナンスの頻度を低減させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 図1に本実施の形態の空気除菌装置1の外観斜視図を示す。図1に示すように、空気除菌装置1は床置き式のものであり、縦長に形成された箱形の筐体10の天面には操作パネル11と空気の吹出口12と開閉蓋13とが設けられている。開閉蓋13は筐体10の内部に配置される給水タンク6(図2参照)を出し入れするためのものである。また、吹出口12には、空気を吹き出す方向を変化させるための羽板14(オートルーバー(図2および3参照))が設けられている。 【0013】 一方、筐体10の前面の下部には空気の吸込口15が形成されている。また、筐体10の両側面の上部にはそれぞれ凹部16が形成されており、運搬業者などは、この凹部16を持ち手部として、空気除菌装置1を一人で持ち上げて移動させることができるようになっている。 【0014】 次に、図2〜図4を参照して、空気除菌装置1の内部構成を説明する。図2は、空気除菌装置1の内部構成を示す正面図である。図3は、空気除菌装置1の左側面図であり、図4は右側面図である。 図2及び図3に示すように、筐体10に形成された吸込口15の内側にはプレフィルタ21が配置されている。プレフィルタ21は、吸込口15から吸い込まれる空気に含まれる花粉や埃などを補集するもので、本実施の形態では、例えば、10μm以上程度の粒子径を有する空気中の浮遊物質を補集できるものが適用される。 【0015】 プレフィルタ21の内側には、図3および図4に示すように、送風ファン22が配置され、送風ファン22の吸込口は筐体10の空気の吸込口15に面し、図3に示すように送風口22aは筐体10の天面に向いている。気液接触部材3は、吸込口15から吹出口12に向かう空気経路上に設けられ、筐体10内に略直立するように配置されている。吹出口12の内側には吹出フィルタ24が設けられ、気液接触部材3を通過した空気は、さらに吹出フィルタ24を通過して吹出口12から再び室内に送出される。 【0016】 気液接触部材3の上方には、電解水供給管7が配置され(図6参照)、電解水供給管7は図2および図4に示す電解槽4と接続されている。気液接触部材3の下方には水受け皿8a(水受け部)が配置され、気液接触部材3から排出される電解水は水受け皿8aに受けられるように構成されている。水受け皿8aには給水タンク支持皿8bが連接されており、水受け皿8aに貯留した電解水は給水タンク支持皿8b(電解水貯留部)に流入されるように構成されている。 【0017】 給水タンク支持皿8bは、給水タンク6を支持するとともに循環ポンプ5に接続された水管が配置される。給水タンク支持皿8bには水受け皿8aから流入する電解水とともに給水タンク6から供給される水道水等が貯留され、これらの水は水管を介して循環ポンプ5により再び汲み上げられて電解槽4に供給される。また、給水タンク支持皿8bには排水弁(図示略)が設けられており、この排水弁を開けることで、給水タンク支持皿8b内の水(電解水)が排水トレイ9に排出される。排水トレイ9は排水トレイ支持部91から引き出し自在となっており、ユーザ等は排水トレイ9内の水を捨てて、排水トレイ9の清掃等を行うことができるようになっている。なお、水受け皿8aの構成については後述する。 【0018】 また、図2および図3に示すように、筐体10の内部において、送風ファン22と気液接触部材3の間には電装ボックス25が配置され、この電装ボックス25内に空気除菌装置1の各部を制御するための制御基板等の電装部品(図示略)が格納される。 【0019】 図5に示すように、気液接触部材3は、ハニカム構造を持ったフィルタ部材(濾材)であって、気体接触面積が広く確保され、電解水滴下が可能で、目詰まりしにくい構造になっている。すなわち、この気液接触部材3は、波形状に曲げられた素材3Aと、平板状の素材3Bとを接合し、全体としてハニカム状に形成されている。 【0020】 これら素材3A、3Bには、後述する電解水に反応性の少ない素材、要するに、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタノール)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)、セルロース系材料またはセラミックス系材料等の素材を使用することができる。本構成では、これら素材3A、3Bに、PET樹脂が使用されている。また、この気液接触部材3は親水性処理を施すなどして、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材3の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、後述する活性酸素種と室内空気との接触が長時間持続される。さらに、気液接触部材3には防かび作用を持つ電解水が滴下されるため、気液接触部材3に防かび対策としての防かび剤の塗布が不要になる。 【0021】 図6は、空気除菌装置1における電解水の循環状態を模式的に説明するための図である。 上述したように、PET樹脂製の気液接触部材3の上方には、電解槽4に接続された電解水供給管7が配置され、電解水供給管7の外周部に形成された散水孔71から電解水が気液接触部材3に滴下される(図6(A)、(B)参照。)。 【0022】 電解水を気液接触部材3に供給する電解槽4は、図6(C)に示すように、一対以上の電極41、42を備え、電極41、42間に電圧を印加した場合、電解槽4に流入した水道水等を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成させる。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質を含み、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。電解槽4は、気液接触部材3に接近して配置され、水道水等を電気分解して生成された活性酸素種を含む電解水を、ただちに気液接触部材3に供給できるように構成される。 【0023】 電極41、42は、例えば、ベースがTi(チタン)で皮膜層がIr(イリジウム)、Pt(白金)から構成された電極板である。 【0024】 上記電極41、42により水道水等に通電すると、カソード電極では、 4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) の反応が起こり、アノード電極では、 2H2O→4H++O2+4e- の反応が起こると同時に、 水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン)等(水道水等に予め含有されているもの)が、 2Cl-→Cl2+2e- のように反応し、さらにこのCl2は水と反応し、 Cl2+H2O→HClO+HCl となる。 【0025】 この構成では、電極41、42に通電することで、殺菌力の大きいHClO(次亜塩素酸)等が発生する。この次亜塩素酸等を含む電解水を気液接触部材3に供給することで、気液接触部材3における雑菌の増殖を防止でき、気液接触部材3を通過する空気中に浮遊するウィルス等を不活化したり、除菌することができる。また、臭気等のガス状物質も電解水に溶解したり、気液接触部材3を通過する際に、電解水中の次亜塩素酸と反応したりすることで、空気中から除去され、脱臭される。 【0026】 この電極41、42に所定の電流密度の電流(例えば、20mA/cm2)を通電すると、所定の濃度の活性酸素種(例えば、遊離残留塩素濃度1mg/l等)を含む電解水を生成することができる。電流値を調整することで電解水中に含まれる活性酸素種の濃度を調整することができ、基本的には電流値を高くすれば、電解水中の活性酸素種の濃度を高くすることができる。 【0027】 水道水等を電気分解することにより、電極41、42上(カソード)にスケール(例えば、炭酸カルシウム等のカルシウム系スケール、炭酸マグネシウム等のマグネシウム系スケール)が堆積した場合、電気伝導性が低下したり、電解面への水の流れが妨げられたりして、継続的な電気分解が困難となる。このため、本実施の形態では、電極41、42の極性を定期的に反転(電極41、42のプラスとマイナスの切り替え)させている。電極41、42の極性を反転させてカソード電極をアノード電極として電気分解することで、カソード電極上に堆積したスケールを取り除くことができる。この極性反転制御では、例えばタイマを利用して定期的に反転させることもできるし、運転起動の度に反転させる等、不定期的に反転させることもできる。また、電解抵抗の上昇(電解電流の低下、あるいは電解電圧の上昇)を検出し、この結果に基づいて、極性を反転させることもできる。 【0028】 このように、電極41、42の極性を反転させることにより取り除かれたスケールは、電解水とともに気液接触部材3を経て、水受け皿8aに排出される。 【0029】 水受け皿8aの内部には、気液接触部材3からの電解水に含まれるスケール等の不溶物を水受け皿8a内に留め、循環ポンプ5により水受け皿8aに受けた電解水を電解槽4に供給する際に、スケール等の不溶物が水受け皿8aから給水タンク支持皿8bに流出するのを堰き止める堰80が設けられている。この堰80は、図6(A)、(B)に示すように、循環ポンプ5による電解槽4に対する電解水供給動作により、水受け皿8aの内部に生じる、水受け皿8aから給水タンク支持皿8bに向かう電解水の流れの上流側から下流側に向けて、複数設けられている。このように堰80を設けることで、図6(B)に示すように、水受け皿8aにおいて、堰80を超えてオーバーフローした電解水のみが給水タンク支持皿8bに流入するようになっている。 【0030】 また、水受け皿8aには、図6(B)に概念的に示すように、堰80により堰き止められるスケール等の不溶物を電解水とともに水受け皿8aから排出させるための排出弁81が設けられている。この排出弁81は、堰80の上流側にそれぞれ設けられており、各排出弁81は排水チューブ82に接続されている。排水チューブ82は排水トレイ9に接続されており、水受け皿8a内の電解水およびスケール等の不溶物は、この排水チューブ82により排水トレイ9に排出できるように構成されている。 【0031】 つぎに、この実施形態の動作について説明する。 図1に示す操作パネル11を操作することで、床置き式の空気除菌装置1の運転が開始される。空気除菌装置1の運転が開始されると、図6(A)に示す循環ポンプ5が駆動し、給水タンク支持皿8bに溜まった水道水等が汲み上げられて、電解槽4に供給される。 【0032】 電解槽4では、所定の電圧が電極41、42間に印加され、電極41、42間に直流電流が流れ、水道水等の電気分解が行われる。そして、次亜塩素酸またはオゾンおよび過酸化水素を含む電解水が生成される。この電解水は、電解水供給管7に導入され、電解水供給管7の散水孔71(図示せず)を介して気液接触部材3に滴下される。電解水は気液接触部材3の上縁部にしみ込み、下部に向けて徐々に浸透する。 【0033】 送風ファン22は駆動モータ23により駆動され、送風ファン22により吸込口15から吸い込まれた室内の空気は、送風ファン22の送風口22aから、図3に矢印で示す経路を通って気液接触部材3を通過する。この室内の空気は、気液接触部材3に浸透した電解水に含まれる活性酸素種に接触して、再び、吹出口12より室内に吹き出される。この気液接触部材3には親水性処理が施すなどして、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材3の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、室内空気と活性酸素種との接触が長時間持続される。この活性酸素種は、室内の空気中に、例えばインフルエンザウィルスが侵入した場合、その感染に必須の当該ウィルスの表面蛋白(スパイク)を破壊、消失(除去)する機能を持ち、これを破壊すると、インフルエンザウィルスと、当該ウィルスが感染するのに必要な受容体(レセプタ)とが結合しなくなり、これによって感染が阻止される。衛生環境研究所との共同による実証試験の結果、インフルエンザウィルスが侵入した空気を、本構成の気液接触部材3に通した場合、当該ウィルスの感染力を99%以上除去できることが判明した。 【0034】 一方、余剰となった電解水は気液接触部材3から排出され、水受け皿8aに受けられる。図6に示すように、水受け皿8aにおいて電解水に含まれるスケール等の不溶物は沈降し、堰80をオーバーフローした電解水のみが、隣接する給水タンク支持皿8bに流入し、そこに貯留される。本構成では、水が循環式となっており、給水タンク支持皿8bに貯留された電解水が再び循環ポンプ5により電解槽4に供給される。給水タンク支持皿8bにおいて蒸発等により水量が減った場合、給水タンク6を介して、給水タンク支持皿8bに水道水等が適量供給される。この給水タンク6の水量が減った場合には、開閉蓋13(図1参照)を開いて、給水タンク6を取り出して水道水等を補給する。 【0035】 一方、運転終了時あるいはメンテナンス時には、水受け皿8a内に設けられた排出弁81および給水タンク支持皿8b内に設けられた排水弁(図示略)を開き、水受け皿8aおよび給水タンク支持皿8b内に貯留された電解水を排水トレイ9に排水することができる。また、水受け皿8aにおいて、堰80により堰き止められたスケール等の不溶物は、電解水とともに排出弁81から排水トレイ9に排出される。 【0036】 以上説明した本実施の形態では、筐体10の前面に設けられた吸込口15から吸い込んだ室内の空気を、気液接触部材3に滴下した電解水に接触させて、筐体10の上部に設けられた吹出口12から吹き出す構成を備えるため、この床置き式の空気除菌装置1が、例えば幼稚園や小・中・高等学校や、介護保険施設や、病院等のいわゆる大空間に設置された場合であっても、電解水に接触して除菌された室内の空気を、大空間の遠くに飛ばすことが可能になり、大空間での空気除菌が効率よく達成でき、同時に脱臭することができる。 【0037】 また、本実施形態では、気液接触部材3から排出される電解水を受ける水受け皿8aには堰80が設けられているので、気液接触部材3から排出される電解水に含まれるスケール等の不溶物を水受け皿8aにおいて回収し、これらの不溶物が電解槽4に戻るのを防止することができる。このため、電解槽4における電解性能及び電極41、42の耐久性を維持するとともに、スケール回収のためのメンテナンスの頻度を低減させることができる。 【0038】 また、本実施形態では、堰80を水受け皿8a内に、水受け皿8aから給水タンク支持皿8bに向かう電解水の流れの上流側から下流側に向けて、複数設けられているので、電解水に含まれるスケール等の不溶物の量が多くとも、各堰80において不溶物を堰き止めることができる。これにより、スケール等の不溶物が水受け皿8aから給水タンク支持皿8bに流出して、循環ポンプ5により汲み上げられて電解槽4に戻るのをより確実に防止することができ、メンテナンスの頻度を低減することができる。 【0039】 さらに、本実施形態では、水受け皿8a内に、堰80により堰き止められるスケール等の不溶物を電解水とともに水受け皿8aから排水させるための排出弁81を備えているので、堰80によって堰き止められたスケール等の不溶物を電解水とともに水受け皿8aから排出させることができる。また、これらの電解水およびスケール等の不溶物は、排水チューブ82により排水トレイ9に排出される。排水トレイ9は排水トレイ支持部91に引出自在に構成されているので、排水トレイ9を引き出して、排水トレイ9内の電解水を排水し、スケール等の不溶物を除去する等のメンテナンスを簡易に行うことができる。 【0040】 また、本実施形態では、次亜塩素酸等を含んだ電解水が、水受け皿8aに集められ、隣接する給水タンク支持皿8bに流入する。このため、各皿8a、8bには雑菌が発生せず、スライムの発生が防止される。このため、各皿8a、8bの清掃及びメンテナンスの頻度が減少し、メンテナンス等の労力の軽減が図られる。 【0041】 以上説明した実施の形態の空気除菌装置1は、本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能なのは勿論である。 例えば、上記実施の形態では、出し入れ自在な給水タンク6による給水方式としたが、この給水タンク6の代わりに、例えば水道管を接続して、市水を直接導く水配管給水方式としてもよいことは云うまでもない。 【0042】 また、上記実施の形態では、不溶物として電解槽4において生成されたカルシウム系スケールやマグネシウム系スケールについて主に説明したが、堰80により水受け皿8a内に留められる不溶物は、例えば、気液接触部材3および水受け皿8a内で水分が蒸発することにより電解水が濃縮して生成するスケール(例えば、カルシウム系スケールやシリカ系スケール)が含まれるのは勿論である。 【0043】 また、例えば、水受け皿8a内に、気液接触部材3から排出される電解水に含まれるスケール成分を析出させる析出促進部材を設けるようにしてもよい。このようにすることで、析出促進部材により、電解水に含まれるスケール成分を析出させて、スケールを堰80で堰き止めて回収することができ、スケールを効率良く除去することができる。析出促進部材としては、例えば、多孔質セラミックス部材があげられる。また、このように構成することで、電解水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンの濃度を低減し、電解槽4内でスケールの生成を抑制することも可能となり、よりメンテナンスの頻度を低減することができる。 【0044】 また、水受け皿8aと給水タンク支持皿8bとは互いに連接して設けられる別個のトレイ状部材として構成としてもよいし、図6に模式的に示したように気液接触部材3からの電解水を受ける水受け部と、堰80からオーバーフローする電解水を貯留する電解水貯留部分とを一つのトレイ状に構成してもよい。また、水受け皿8a(水受け部)に設ける堰80の高さは全て同一の高さとしてもよいし、例えば、給水タンク支持皿8b側の堰80を他の堰80よりも高く構成してもよいし、堰80の高さは気液接触部材3から排出される電解水に含まれるスケールの量及び水受け部および貯留部の具体的構成に応じて適宜調整可能であるのは勿論である。 【0045】 また、例えば、図7に概念的に示すように、水受け皿8a内に設ける堰80をフィルタ材(濾材)を用いて構成し、水受け皿8aの底面を給水タンク支持皿8bに対して上流側が高くなるように任意に傾斜させた構成としてもよい。このように構成することで、粒径の大きなスケールは堰80の手前に沈降して堆積し、水中に浮遊する粒径の細かいスケールやコロイド状のスケールなどは、堰80を構成するフィルタ材に捕捉され、これらの不溶物が濾過された電解水のみを給水タンク支持皿8bに流入させることができる。また、この構成では、堰80を構成するフィルタ材が目詰まりした場合でも、沈降するスケールは堰80により堰き止められ、オーバーフローした電解水のみが給水タンク支持皿8bに流入する。このため、堰80を構成するフィルタ材の交換が遅れた場合でも、電解水の循環を妨げることなく、空気除菌装置1の運転を継続して行うことができる。更に、図7に示す構成の場合においても、各堰80の手前に排水孔を設け、この排水孔の開閉を行う排出弁81を設け、この排出弁81を開放することにより、排水トレイ9に堰80の手前で沈降して堆積したスケール等の不溶物を水受け皿8a内の電解水とともに排出させることができる。なお、排出弁81は排水孔自体を開閉するように構成してもよいし、排水孔に接続される配水チューブ82の流路を開閉するように構成してもよい。図6(B)においても同様である。 【0046】 また、上記実施の形態では、活性酸素種として次亜塩素酸を発生させる構成について説明したが、活性酸素種としてオゾン(O3)や過酸化水素(H2O2)を発生させる構成としても良い。この場合、電極として白金タンタル電極を用いると、イオン種が希薄な水からでも、電気分解により高効率に安定して活性酸素種を生成できる。 このとき、アノード電極では、 2H2O→4H++O2+4e- の反応と同時に、 3H2O→O3+6H++6e- 2H2O→O3+4H++4e- の反応が起こり、オゾンが生成される。また、カソード電極では、 4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) O2-+e-+2H2→H2O2 のように、電極反応により生成したO2-が溶液中のH+と結合して、過酸化水素が生成される。 【0047】 この構成では、電解槽4において、電極41、42に通電することにより、殺菌力の大きいオゾンや過酸化水素が発生し、これらオゾンや過酸化水素を含んだ電解水を生成して、気液接触部材3に供給することができる。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本実施の形態の空気除菌装置の外観を示す斜視図である。 【図2】本実施の形態の空気除菌装置の内部構成を示す正面図である。 【図3】本実施の形態の空気除菌装置の内部構成を示す左側面図である。 【図4】本実施の形態の空気除菌装置の内部構成を示す右側面図である。 【図5】本実施の形態の空気除菌装置に備えられる気液接触部材の正面図である。 【図6】本実施の形態の電解水の循環状態を概念的に示す模式図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は電解槽の構成図である。 【図7】本実施の形態の水受け皿の別の構成例を概念的に示す模式図である。 【符号の説明】 【0049】 1 空気除菌装置 3 気液接触部材 4 電解槽 5 循環ポンプ 6 給水タンク 7 電解水供給管(電解水供給手段) 8a 水受け皿(水受け部) 8b 給水タンク支持皿(電解水貯留部) 9 排水トレイ 10 筐体 12 吹出口 15 吸込口 22 送風ファン 41、42 電極 80 堰 81 排出弁 82 排水チューブ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月21日(2006.7.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091823 【弁理士】 【氏名又は名称】櫛渕 昌之
【識別番号】100101775 【弁理士】 【氏名又は名称】櫛渕 一江
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| 【公開番号】 |
特開2008−23098(P2008−23098A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−199381(P2006−199381) |
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