トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 消毒装置
【発明者】 【氏名】中島 徳彦

【氏名】本間 薫

【要約】 【課題】手及び腕の全体に消毒液を簡便に塗布することのできる消毒装置を提供する。

【構成】手及び腕の消毒装置100Aが、手及び腕が挿入される筒状腕挿入部1、消毒液Aが貯留される消毒液貯留部5、筒状腕挿入部1内に設けられ、消毒液Aを吐出する複数の吐出口7、及び配管8a、8b、8cを介して吐出口7と消毒液貯留部5に繋げられたポンプ装置20を備え、ポンプ装置20の作動により吐出口7から消毒液Aが吐出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手及び腕が挿入される筒状腕挿入部、
消毒液が貯留される消毒液貯留部、
筒状腕挿入部内に設けられ、消毒液を吐出する複数の吐出口、及び
消毒液貯留部から吐出口に消毒液を送るポンプ装置
を備えた手及び腕の消毒装置。
【請求項2】
吐出口が筒状腕挿入部の周方向に略均等に配置されている請求項1記載の消毒装置。
【請求項3】
筒状腕挿入部の挿入口に手又は腕が存在することを検知する検知器を備え、検知器が手又は腕を検知することによりポンプ装置が作動し、吐出口から消毒液が吐出される請求項1又は2記載の消毒装置。
【請求項4】
検知器が手又は腕を検知して消毒液の吐出が開始した後、所定時間で吐出が停止する請求項3記載の消毒装置。
【請求項5】
検知器が手又は腕を検知している間、消毒液が吐出される請求項3記載の消毒装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手及び腕の消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院における手術では、一般に、医師、看護士、メディカルスタッフ等は、手と腕を入念に洗浄し、さらに消毒液の噴霧により手と腕を消毒する。この消毒に使用される消毒装置は、一般に、消毒液の噴霧部と、その噴霧中に手を擦りあわせる空間をあけて配置された消毒液回収用トレーと、噴霧部と消毒液回収用トレーとの間に手が存在するときにそれを検知する検知手段とを備え、検知手段が手を検知することにより噴霧部から消毒液が噴霧されるようになっている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−289612号公報
【特許文献2】特開2005−177389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の消毒装置では、消毒液が手又は腕の上方から噴霧されるのみであるため、噴霧部の下に手又は腕をかざしたときに、手や腕の噴霧部と反対側の表面には消毒液が噴霧されない部分が残り、噴霧後に手で消毒液を擦り広げても、手と腕の全体に消毒液をいきわたらせることは難しい。特に、腕には消毒液がムラに付着する。
【0005】
これに対し、本発明は、手及び腕の全体に消毒液を簡便に塗布することのできる消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、手及び腕が挿入される筒状腕挿入部、
消毒液が貯留される消毒液貯留部、
筒状腕挿入部内に設けられ、消毒液を吐出する複数の吐出口、及び
消毒液貯留部から吐出口に消毒液を送るポンプ装置
を備えた手及び腕の消毒装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の消毒装置によれば、筒状腕挿入部へ手及び腕を挿入し、ポンプ装置を作動させることにより、筒状腕内部に設けられた複数の吐出口から消毒液が腕に向けて吐出されるので、誰でも簡便な操作で、手及び腕の全体に消毒液をムラなく塗布することができ、特に、吐出口が筒状腕挿入部の周方向に略均等に配置されている態様によれば、腕の全周に消毒液をより均一に塗布することができる。さらに、消毒液が、腕を囲む複数の方向から吐出されるにもかかわらず、消毒液が消毒装置の周囲に不要に飛散することもない。
【0008】
また、筒状腕挿入部の挿入口に手又は腕が存在することを検知する検知器を備え、検知器で手又は腕が検知されることにより消毒液が所定時間吐出される態様によれば、消毒状態の個人差を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0010】
図1は、本発明の一実施例の消毒装置100Aの外観の模式図であり、図2はその概略構成図である。
【0011】
同図に示すように、この消毒装置100Aでは、手及び腕が挿入される筒状腕挿入部1が、本体ハウジング2から起立している支柱3に、ユーザーが腕を筒状腕挿入部1に抜き差しし易い位置に取り付けられ、筒状腕挿入部1の下に液受けトレー4が取り付けられ、本体ハウジング内に、消毒液Aの貯留部5、ポンプ装置20、シーケンス制御回路30などが設けられている。ここで、消毒液Aとしては、アルコール系消毒剤等の速乾性の消毒液が用いられる。
【0012】
筒状腕挿入部1は、その上端部内側に、消毒液を霧状に吐出する複数の吐出ノズル6を有している。
【0013】
各吐出ノズル6は、リング状配管8aに接続されており、このリング状配管8aはさらに配管8bによってポンプ装置20に接続されている。このようにリング状配管8aを介して複数の吐出ノズル6をポンプ装置20と接続すると、各吐出口7からの吐出量のばらつきを抑制することができる。
【0014】
ポンプ装置20は、配管8cによって消毒液Aの貯留部5と接続されている。したがって、ポンプ装置20が作動すると、複数の吐出口7から消毒液Aが同時に略同様の流量で霧状に吐出される。
【0015】
ここで、筒状腕挿入部1は、吐出ノズル6を固定するフレームとしての機能と、手及び腕を吐出口7に対向する位置に誘導するガイドとしての機能と、吐出口7から噴霧状に吐出される消毒液Aが不要に周囲に飛散しないようにするカバーとしての機能を有する。
【0016】
筒状腕挿入部1の好ましい内径L1は、着衣のままで手及び腕を筒状腕挿入部1内に挿入したり、抜き出したりすることができ、また、筒状腕挿入部1に挿入した手や腕の全周に効率よく消毒液Aが噴霧される大きさとすることが好ましく、例えば、200〜300mmとする。内径L1が小さすぎると、筒状腕挿入部1に挿入した手又は腕のうち、吐出口7に対向している部分には、消毒液Aは過剰に塗布されるが、吐出口7から離れた部分には塗布されにくくなり、後に手や腕を擦り合わせても消毒液Aを手及び腕の全体にいきわたらせることが難しくなる。反対に、内径L1が大きすぎると、吐出口7からの吐出力を過度に高くする必要があり、装置も嵩張る。
【0017】
筒状腕挿入部1の軸方向の長さL2は、消毒装置100Aをコンパクトに製造する点からは150〜300mmとし、図1に示すように、腕を挿入した状態で、手が筒状腕挿入部1の外に出るようにすることが好ましいが、手先から二の腕までを覆える長さとしてもよく、その場合に、挿入口と反対側端部を開口端とせずに閉じ、その端部に溜まる消毒液の排出管を設けても良い。
【0018】
吐出ノズル6は、その吐出口7を筒状腕挿入部1の中心軸側に向けて配置され、筒状腕挿入部1の周方向に略均等に配置されている。
【0019】
筒状腕挿入部1内に設ける吐出ノズル6の個数は、筒状腕挿入部1の内径L1、筒状腕挿入部1内における吐出ノズル6の配置等に応じて適宜定めることができるが、例えば、筒状腕挿入部1の周方向に略等間隔で一列に設ける場合、3〜6個とすることが好ましい。
【0020】
吐出口7を設ける位置は、筒状腕挿入部1の挿入口側の端部とすることが好ましいが、周囲への消毒液のミストの飛散を低減させるため、筒状腕挿入部1の挿入口側縁部から、50〜100mm程度奥側に設けることが好ましい。また、図3に示すように、その吐出方向の中心が筒状腕挿入部中心軸に対してなす角度θを45〜90°とすることが好ましい。このように斜め吐出させることにより、筒状腕挿入部1の挿入口から不要に消毒液Aが飛散することを防止できる。
【0021】
ポンプ装置20としては、吐出口7からの噴霧量を、20〜60mL/min程度に調整できるように、消毒液Aの流量を調整できるものが好ましい。例えば、電圧で流量を調整する電気式、液戻しにより流量を調整するニードル弁21の付いたバイパス式などを使用することができる。
【0022】
この消毒装置100Aには、筒状腕挿入部1の挿入口に手又は腕が存在することを検知する検知器9が筒状腕挿入部1の挿入口に取り付けられており、ユーザーが筒状腕挿入部1に手を入れかけたときに、自動的にポンプ装置20が作動し、吐出口7から消毒液Aが所定時間吐出されるように、シーケンス制御回路30が設けられている。ここで、検知器9としては、赤外線センサー等による非接触センサーを使用することができる。
【0023】
したがって、図4(a)に示すように、ユーザーが筒状腕挿入部1に手を入れ始めると、その指先から消毒が始まり、同図(b)に示すように、筒状腕挿入部1に腕を深く入れた分だけ手及び腕に消毒液Aが塗布され、同図(c)に示すように、手及び腕を筒状腕挿入部1から抜くと、消毒液Aが手及び腕の全体に均一に塗布された状態となる。この後、手及び腕を擦り合わせることにより、さらに消毒液Aを塗り広げることができる。
【0024】
検知器9が手又は腕の存在を検知することによりポンプ装置20を作動させてから、それを停止させるまでの時間は、3〜6秒程度とすることが好ましい。これにより、任意のユーザーに対して、所定の消毒状態を確保することが可能となる。
【0025】
なお、消毒液Aの吐出の停止は、検知器9が手又は腕の存在を検知した後、その存在がなくなったことを検知することによってもよい。これにより、手又は腕を筒状腕挿入部1に挿入している間、消毒液Aの吐出が続くので、必要に応じて十分な消毒をすることが可能となる。
【0026】
また、検知器9に代えて、手押し又は足踏み等でスイッチが入る手動スイッチを設け、手動スイッチのON−OFFにより、ポンプ装置20の作動を制御してもよい。これにより消毒装置100Aの製造コストを抑えることができる。
【0027】
液受けトレー4は、消毒液Aを吐出させている間の筒状腕挿入部1からの液だれを受け、また、吐出開始後ポンプ装置20を停止させた時に、リング状配管8a内の消毒液Aの液面と、それより下方に位置する吐出口7との落差により吐出口7から漏出する消毒液Aを受ける。この液受けトレー4に溜まった液は、随時捨てるようにする。吐出開始後ポンプ装置20を停止させた時に生じる吐出口7からの消毒液の漏出を防止するため、必要に応じて、図2に示したように、リング状配管8aに逆止弁10を設けても良い。
【0028】
消毒液Aの貯留部5は、ボトル容器11に充填された市販の消毒液を設置するようにしたものであり、消毒液Aが消費された場合には、容易に新しいボトル容器11と交換することができる。ポンプ装置20側からボトル容器11側への消毒液Aの逆流を防止し、ボトル容器11内の衛生状態を保持するため、このボトル容器11にさしてある配管8cの先端部には、逆止弁12を設けることが好ましい。
【0029】
図5の消毒装置100Bは、上述の消毒装置100Aにおいて、支柱3を短くし、適当な台13上に本体ハウジング2を設置して使用するようにしたものである。
【0030】
図6の消毒装置100Cは、上述の消毒装置100Aにおいて、リング状配管8aを使用することなく、個々の吐出ノズル6をそれぞれ配管8bでポンプ装置20に接続したものである。また、ポンプ装置20の作動のON−OFFを手動スイッチ14で行うようにし、全体構成を簡略化したものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の消毒装置は、病院等において、手及び腕をアルコール等の消毒剤で消毒する場合に用いる装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例の消毒装置100Aの外観模式図である。
【図2】実施例の消毒装置100Aの概略構成図である。
【図3】筒状腕挿入部の断面図である。
【図4】実施例の消毒装置100Aの動作の説明図である。
【図5】実施例の消毒装置100Bの外観模式図である。
【図6】実施例の消毒装置100Cの概略構成図である。
【符号の説明】
【0033】
1 筒状腕挿入部
2 本体ハウジング
3 支柱
4 液受けトレー
5 貯留部
6 吐出ノズル
7 吐出口
8a、8b、8c 配管
9 検知器
10 逆止弁
11 ボトル容器
12 逆止弁
13 台
14 手動スイッチ
20 ポンプ装置
21 ニードル弁
30 シーケンス制御回路
100A、100b、100C 消毒装置
A 消毒液
L1 筒状腕挿入部の内径
L2 筒状腕挿入部の軸方向の長さ
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】110000224
【氏名又は名称】特許業務法人田治米国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−18022(P2008−18022A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−192036(P2006−192036)