| 【発明の名称】 |
高純度2−メトキシエストラジオールを有する医薬組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】アゴストン,グレゴリー イー.
【氏名】トレストン,アンソニー エム.
【氏名】シャー,ジャムシェッド エイチ.
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| 【要約】 |
【課題】98%より高い純度を有する2−ME2を含む医薬組成物を提供する。
【構成】98%より高い純度を有する2−メトキシエストラジオールが、合成又は精製法により生成される。エストロゲン性構成成分を欠くこの高純度2−メトキシエストラジオールは、ヒトにおける臨床的使用に特に適している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アテローム硬化症、腫瘍の増殖、固形腫瘍の増殖、腫瘍新脈管形成、血管機能不全、子宮内膜症、網膜症、関節症、炎症性の応答、又は免疫応答から選ばれる、人間又は動物における病気又は体調を治療するための組成物であって、 エストロゲン性又は発がん性作用を有するステロイド不純物を実質的に含有せず、HPLCで測定したときに99.5%より高い純度を有する2−メトキシエストラジオールを含有する組成物。 【請求項2】 0.03%未満のエストラジオールと0.02%未満のエストロンを含有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 0.01%未満のエストラジオールと0.01%未満のエストロンを含有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。 【請求項4】 0.02%未満の2−ヒドロキシエストラジオールを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項5】 0.02%未満の4−ヒドロキシエストラジオールを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項6】 0.02%未満の4−メトキシエストラジオールを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項7】 0.01%以下のエストラジオール、0.02%以下の2−ヒドロキシエストラジオール、0.01%以下の4−ヒドロキシエストラジオール、0.01%以下の4−メトキシエストラジオール、及び0.01%以下のエストロンを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項8】 アテローム硬化症、腫瘍の増殖、固形腫瘍の増殖、腫瘍新脈管形成、血管機能不全、子宮内膜症、網膜症、関節症、炎症性の応答、又は免疫応答から選ばれる、人間又は動物における病気又は体調を治療するための組成物であって、 エストロゲン性又は発がん性作用を有するステロイド不純物を実質的に含有せず、98.0%より高い純度を有する2−メトキシエストラジオールを含有し、かつ0.03%未満のエストラジオールと0.02%未満のエストロンを含有する組成物。 【請求項9】 0.01%未満のエストラジオールと0.01%未満のエストロンを含有することを特徴とする請求項8に記載の組成物。 【請求項10】 0.01%以下のエストラジオール、0.02%以下の2−ヒドロキシエストラジオール、0.01%以下の4−ヒドロキシエストラジオール、0.01%以下の4−メトキシエストラジオール、及び0.01%以下のエストロンを含有することを特徴とする請求項8又は9に記載の組成物。 【請求項11】 前記2−メトキシエストラジオールが99.0%より高い純度を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項12】 前記病気又は状態が、腫瘍の増殖、固形腫瘍の増殖、腫瘍新脈管形成、又は関節症であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 [発明の分野] 本発明は、エストラジオール代謝物質2−メトキシエストラジオールを含む医薬組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 [関連出願] 本出願は、米国特許暫定出願第60/150,293号(1999年8月23日提出)に対する優先権を主張する。 【0003】 [発明の背景] 2−メトキシエストラジオール、1,3,5(10)−エストラトリエン−2,3,17β−トリオール−2−メチル−エーテル(2−ME2)は、主要卵巣エストロゲンであるエストラジオールの内因性代謝物質である。2−ME2の化学式はC19H26O3であり、化合物は302.4の分子量を有する。2−ME2は、低エストロゲン性活性を有するが、しかし他の生物学的作用を有することが見出されている。 【0004】 D'Amato等に対する特許文献1〜3は、2−ME2を用いた、異常細胞有糸分裂により特性化される哺乳類疾患の治療方法を開示する。望ましくない細胞有糸分裂は、限定されないが、癌、アテローム硬化症、固形腫瘍の増殖、血管機能不全、子宮内膜症、網膜症、関節症、及び異常創傷治癒を含む多数の疾患に特徴的である。さらに細胞有糸分裂は、限定されないが胚の正常発生、黄体形成、子宮内膜の周期性増殖、創傷治癒、及び炎症及び免疫応答を含む、広範な種々の生物学的機能において重要である。 【0005】 Clarkに対する特許文献4は、眼内圧を下げるための2−ME2の使用を開示する。2−ME2はさらに、エストロゲン誘発性下垂体腫瘍新脈管形成を阻害し、非特許文献1に報告されたようにフィッシャー344ラットにおける腫瘍増殖を抑制する。 【0006】 現在、2−ME2の市販製剤は純度98%未満であるか、又は医薬的使用に影響を及ぼす望ましくないステロイド夾雑物を含有する。これらの製剤の重要な夾雑物は、エストラジオール、4−ヒドロキシエストラジオール、4−メトキシエストラジオール、2−ヒドロキシエストラジオール、エストロン、及び2−メトキシエストロンである。現在入手可能な2−ME2製剤中に見出される、これらの夾雑物の量は、医薬的用途にとって許容不可能である。 【0007】 ヒトにおける2−ME2の任意の療法的使用は、高レベルの純度を有する2−ME2を要する。一般に、治療薬は、夾雑物の負の副作用を回避するために実質的に純粋であることを必要とされる。特に、2−ME2はエストラジオール及びその他のエストロゲン性代謝物質により中和される作用を有するため、このような夾雑物を実質的に含有しない2−ME2製剤を有することが極めて重要である。エストラジオール、エストロン及び2−ヒドロキシエストラジオールの夾雑により観察され得る作用は、雌性化、子宮内膜増殖、子宮及び乳癌の危険性増大、性的器官に及ぼす発生性作用、白血球産生の抑制、並びに造血細胞に及ぼす作用のようなエストロゲン性作用を含む。4−ヒドロキシエストラジオール、4−メトキシエストラジオール及びエストラジオールは、既知の突然変異誘発物質及び発ガン物質である。 【特許文献1】米国特許第5,504,074号、 【特許文献2】米国特許第5,661,143号 【特許文献3】米国特許第5,892,069号 【特許文献4】米国特許第5,521,168号 【非特許文献1】Banerjee,S.K. et al., Proc. Amer. Assoc. Cancer Res. 39, March 1998 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 したがって、必要とされるものは、98%より高い純度であり、かつエストロゲン性又は発癌性作用を有するエストラジオール又はその他のステロイドを実質的に含有しない2−ME2の組成物である。 【0009】 さらに必要とされるものは、純度が99.5%より高い2−ME2を含有する組成物である。 【0010】 さらに必要とされるのは、純度が98%より高く、エストロゲン性又は発癌性作用を有するエストラジオール又はその他のステロイドを実質的に含有しない2−ME2の製造方法である。 【0011】 エストラジオール、関連分子、及びその他の夾雑物から2−ME2を実質的に分離して、99.5%より高い純度を有する2−ME2を生じる方法も必要とされる。 【課題を解決するための手段】 【0012】 [発明の要旨] 本発明は、98%より高い純度、さらに好ましくは99%より高い純度、最も好ましくは99.5%より高い純度を有する2−ME2を提供する。2−ME2製剤は、好ましくは0.03%未満のエストラジオール、0.02%又はそれ以下の2−ヒドロキシエストラジオール、0.02%又はそれ以下の4−ヒドロキシエストラジオール、0.02%又はそれ以下の4−メトキシエストラジオール、及び0.02%未満のエストロンを含有する。さらに好ましくは、2−ME2製剤は、0.01%又はそれ以下のエストラジオール、0.02%又はそれ以下の2−ヒドロキシエストラジオール、0.01%又はそれ以下の4−ヒドロキシエストラジオール、0.01%又はそれ以下の4−メトキシエストラジオール、及び0.01%又はそれ以下のエストロンを含有する。 【0013】 本発明は、98%より高い純度、さらに好ましくは99%より高い純度、最も好ましくは99.5%より高い純度の2−ME2の生成方法も提供する。幾つかの実施形態では、本方法は合成技法を包含する。他の実施形態では、本方法は、他の化合物から2−ME2を分離するための精製技法を包含する。さらにその他の実施形態では、本方法は、本明細書中に記載された合成技法及び精製技法の両方を包含する。 【0014】 精製技法は、他の化合物から2−ME2を分離するための液体−固体クロマトグラフィー(LSC)の使用を包含する。クロマトグラフィー媒質は、好ましくはシリカである。溶媒系は、非極性溶媒、例えばクロロホルム、及び極性溶媒、例えばメタノールを含む。 【0015】 したがって本発明の目的は、98%より高い純度を有する2−ME2を提供することである。 【0016】 本発明の別の目的は、エストラジオール、関連化合物、及びその他の望ましくない不純物を実質的に含有しない2−ME2を提供することである。 【0017】 本発明のさらに別の目的は、合成技法により実質的に純粋な2−ME2を生成する方法 を提供することである。 【0018】 本発明の別の目的は、精製技法により実質的に純粋な2−ME2を生成する方法を提供することである。 【0019】 本発明のその他の特徴及び利点は、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 [本発明の詳細な説明] 本発明は、98.0%より高い、さらに好ましくは99.0%より高い、最も好ましくは99.5%又はそれ以上の純度を有する2−メトキシエストラジオールに向けられる。2−ME2は、高純度2−ME2を生成する本明細書中に記載された合成方法又は精製方法により得られる。本明細書中に記載された合成方法は、さらに高純度を有する2−ME2を生成するために本明細書中に記載される精製方法によっても補足され得る。 【0021】 「2−メトキシエストラジオール」という用語及び2−ME2は、本明細書中で特定的に用いられるが、本明細書中に開示された方法は、限定されないが、エストラジオール及びその他の構造的関連ステロイドのような他の化合物の合成又は精製のために用いられ得る、と理解されるべきである。 【0022】 <合成方法> 本発明は、98.0%より高い、さらに好ましくは99.0%より高い、最も好ましくは99.5%又はそれ以上の純度に2−ME2を合成する方法を提供する。本明細書中に記載された合成方法は、例えば4−メトキシエストラジオール及び4−ヒドロキシエストラジオールのような、エストラジオールのその他の2−及び4−誘導体又は類似体を合成するためにも、小修正で、用いられ得る。 【0023】 98.0%より高い純度を有する2−ME2を調製するために採用され得るいくつかの合成アプローチがある。あるいは、2−ME2は、98.0%より高い純度を有するために、以下の精製方法にしたがって精製され得る。これらの異なる合成アプローチは、異なる出発物質及び中間物質を利用し、その結果、異なる収率、副反応及び不純物が得られる。 【0024】 2つの同様のアプローチは、Rao, P.N. et al., Synthesis, 1977, 168及びChen, S-H et al., Steroids, 1986, 47, 63に教示されているように、出発物質としてエストラジオールを用い、臭素化された中間物質を利用する。第一のアプローチは、図12に説明されている。エストラジオールのフリーのヒドロキシル基が保護基で保護される。広範囲な保護基が本発明に用いられる。これらの保護基は、限定されないが、アルキル、アリール、アラルキル基、及び1つ又はそれ以上のヘテロ原子を含有するアルキル、アリール、及びアラルキル基を含む。例えば、保護は、ベンジルブロミドのような、アルキルエーテルを生成するためのハロゲン化アルキルを用いて成し遂げられ得る。ヒドロキシル保護のための適切な条件は、NaH及びTBAIの存在下での、任意にジメチルホルムアミド(DMF)のような溶媒の存在下での、エストラジオールとハロゲン化アルキルの反応を含む。保護されたエストラジオールは、次に、例えば酢酸の存在下で臭素と反応させられる。臭素化中のフリーのヒドロキシルの保護は、高収率の2−臭素化中間物質を生じる(保護基なしの場合の約20%に対して約70%)(Cushman, M. et al., J. Med. Chem. 1997, 40, 2323参照)。 【0025】 臭素は、次に、銅触媒を用いてメトキシド基に置き換えられる。例えば、臭素化された 中間物質は、CuIのような銅触媒の存在下でNaOMeと反応され得る。反応は、好ましくはDMFのような溶媒中で、任意に促進剤の存在下で実行される。許容可能な促進剤は、限定されないが、ベンゾ−15−クラウン−5のようなクラウンエーテルを含む。 【0026】 例えば、アルキル部分の接触水素化による保護基の除去は、2−ME2を生じる。残念ながら、この合成経路は、メトキシル化段階から約1〜2%のエストラジオールの不純物を生じる(水素化物は、メトキシドよりむしろ反応性銅錯体を抑制する)。エストラジオールは、下記のようなクロマトグラフィーにより検出できないレベルに除去され得るか、又はクロロホルム中での連続結晶化により著しく低減される。 【0027】 臭素化中間物質を利用し、かつ出発物質としてエストラジオールを用いる別の合成方法は、図13に説明されている。この合成反応では、エストラジオールはヒドロキシル基を最初に保護することなく環臭素化される。臭素は、次に、銅触媒を用い上記と同様の方法でメトキシドに置換される。 【0028】 別のアプローチでは、エストラジオール又はエストロンは、ニトロ/アミン中間物質を利用する反応図における出発物質として用いられ得る(Cushman, M. et al., J. Med. Chem. 1995, 38, 2041を参照)。これらの合成アプローチは、図14(エストラジオール出発物質)及び図15(エストロン出発物質)に説明されている。これらのアプローチでは、フリーのヒドロキシル基が保護される。この保護は、例えばベンジルブロミドのような、アルキルエーテルを生成するためのハロゲン化アルキルを用いて成し遂げられ得る。ヒドロキシル保護の適切な条件は、NaH及びTBAIの存在下での、任意にジメチルホルムアミド(DMF)のような溶媒の存在下での出発物質とハロゲン化アルキルの反応を含む。 【0029】 保護された出発物質は、次に、例えば、硝酸及び酢酸を用いて、又は硝酸及び硫酸を用いてニトロ化され、対応する2−ニトロ生成物を生成する。ニトロ基は、次に、還元される。選択的還元は、接触水素化、例えば、Pd/Cの存在下での水素化、により成し遂げられ、対応する2−アミンを生成する。接触還元は、最適には1時間実行される。ザンドマイヤー条件(亜硝酸及びナトリウムメトキシド)を用いて、2−アミノ基は、2−メトキシ置換基に転換され得る。接触水素化は、保護基を除去して、出発物質がエストラジオールの場合には2−ME2を、出発物質がエストロンの場合には2−メトキシエストロンを生じる。ホウ水素化ナトリウムによる2−メトキシエストロンの17−ケト基の還元は、2−ME2を生じる。 【0030】 さらに別の方法は、出発物質としてエストラジオールを用い、そして臭素化中間物質を利用する。この合成反応では、エストラジオールは、ヒドロキシル基を初めに保護することなく環臭素化される。臭素化は、例えば、THFのような溶媒中で臭素及び酢酸を用いて成し遂げられる。この反応は、複数箇所が臭素化された種類を含む、環上の異なる部位での臭素化を生じる。2−ブロモ−エストラジオールは、次に、例えば、クロマトグラフィー又は結晶化により他の臭素化中間物質から単離することができ、その後、メトキシドで臭素を置換することができる。臭素は、例えば、CuIのような銅触媒の存在下でナトリウムメトキシド及びメタノールを用い、上記と同様の方法で、メトキシド基に置換され得る。あるいは、中間物質は、反応されて、対応するメトキシドを生成し、その後上記の方法により2−メトキシエストラジオールが単離される。 【0031】 <精製方法> 本発明は、98.0%より高い、さらに好ましくは99.0%より高い、最も好ましくは99.5%又はそれ以上の純度に2−ME2を精製する方法を提供する。2−ME2製剤は、好ましくは0.03%未満のエストラジオール、0.02%又はそれ以下の2−ヒ ドロキシエストラジオール、0.02%又はそれ以下の4−ヒドロキシエストラジオール、0.02%又はそれ以下の4−メトキシエストラジオール、及び0.02%未満のエストロンを含有する。最も好ましくは、2−ME2製剤は、0.01%又はそれ以下のエストラジオール、0.02%又はそれ以下の2−ヒドロキシエストラジオール、0.01%又はそれ以下の4−ヒドロキシエストラジオール、0.01%又はそれ以下の4−メトキシエストラジオール、及び0.01%又はそれ以下のエストロンを含有する。 【0032】 本発明の精製方法は、極性及び非極性溶媒を含む溶媒系を用いた、シリカのような吸着/分配媒質上での液体クロマトグラフィーを包含する。本明細書中に記載した精製方法は、小さい修正を加えるだけで、例えば、4−メトキシエストラジオール、4−ヒドロキシエストラジオール、2−ヒドロキシエストラジオール、エストラジオール、エストロン、2−メトキシエストロン、及び4−メトキシエストロンのような、2−ME2と同様の化合物を精製するためにも用いられ得る。 【0033】 <試料> 精製される試料は、合成されるか又は生物学的供給源から得ることができる。試料は、Sigma-Aldrich Chemicals(St. Louis, Missouri)、Rearch Plus, Inc.(Bayonne, NJ)又はCalbiochem(San Diego, CA)により販売されているような2−ME2市販製剤であってもよい。試料は、好ましくは少なくとも約50%純粋、より好ましくは約75%純粋、さらにより好ましくは約90%純粋、最も好ましくは約98%純粋である。試料は、本明細書中に記載された方法の前に、選択的結晶化のような他の精製工程に付され得る。 【0034】 試料は、好ましくは、さらに以下で説明されるように、負荷溶媒中で、溶解されるか又は溶媒交換される。試料は、好ましくは約0.01〜2g/ml、好ましくは約0.01〜1g/ml、さらに好ましくは約0.05〜0.2g/mlの範囲の濃度である。 【0035】 <クロマトグラフィー媒質> シリカは、好ましくはクロマトグラフィー媒質として用いられる。約70〜400メッシュのシリカゲルが好ましく、最も好ましくはMerck及びその他の販売元により供給されるような約70〜230メッシュである。媒質は、バッチクロマトグラフィーにおいてバラで用いられ得るし、又はカラムに充填され得る。プレ充填カラム、例えばBiotage(Charlottesville, VA)により販売されているものも用いられ得る。媒質は、以下でさらに考察されるように、媒質への試料の適用前に、適切な溶媒中で平衡されるべきである。 【0036】 <カラム寸法> 本明細書中に記載したクロマトグラフィー法は、バッチ又はカラムクロマトグラフィーを用いて成し遂げられ得る。バッチクロマトグラフィーでは、試料及びクロマトグラフィー媒質は、2−ME2を媒質に保持させるのに十分な時間、容器中で合わされる。媒質は、次に、好ましくは洗浄溶媒で洗浄される。溶出溶媒は、次に、媒質に適用される。負荷、洗浄及び溶出段階後、溶媒は、例えば濾過により媒質から除去される。 【0037】 カラムクロマトグラフィーに関しては、適切な寸法を有するカラムにクロマトグラフィー媒質が充填される。カラムは、適切な溶媒で平衡後、カラムの上部又は入り口に試料を適用することにより、試料を負荷される。カラム直径に対する試料容積の比は、最善の結果を得るためには、好ましくは約0.2〜3ml/cm、さらに好ましくは約0.5〜1.5ml/cmであるべきである。 【0038】 <溶媒> メタノール(MeOH)のような極性溶媒、及びクロロホルム(CHCl3)のような非極性溶媒を含む溶媒系が用いられる。用いられ得るその他の極性溶媒は、限定されない が、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセテート、イソプロパノール、エタノール、プロパノール、及びそれらの組み合わせを含む。用いられ得るその他の非極性溶媒は、限定されないが、ヘキサン、ジクロロメタン、シクロヘキサン、ペンタン、及びそれらの組み合わせを含む。より具体的には、用いられ得る溶媒系は、THF/ヘキサン、エチルアセテート/ヘキサン、イソプロパノール/ヘキサン、エタノール/CHCl3、プロパノール/CHCl3、イソプロパノール/CHCl3、及びそれらの組み合わせを含む。 【0039】 試料は、極性溶媒中で可溶性である。多少量、一般的には約10%、の極性溶媒が、負荷溶媒中で試料を可溶性にさせるために必要とされる。一例として、負荷溶媒は、約10%までの極性溶媒及び約90%の非極性溶媒を含む。 【0040】 試料が媒質に負荷された後、媒質は、媒質から夾雑物を洗い落とすが2−ME2を溶出しない洗浄溶媒で洗浄され得る。洗浄溶媒は、2−ME2が沈殿するのを防止するのに十分であるが2−ME2を溶出するには十分でない極性溶媒を伴う非極性溶媒を主として含む。 【0041】 試料は、媒質から2−ME2を溶出するのに十分な極性溶媒を含有する溶出溶媒で溶出される。溶出溶媒は、下記で説明するように、段階勾配として又は線形勾配として適用され得る。 【0042】 <カラム条件> 洗浄及び溶出溶媒は、段階勾配で、又は線形勾配でカラムに適用され得る。好ましい実施形態では、溶媒は、極性溶媒の濃度を増加させる段階勾配を用いて適用され得る。 【0043】 カラムは、重力を用いて操作され得るか、又はカラムに液体を通させるポンプを用いて操作され得る。カラムが操作される速度は、カラムの容積及び寸法並びにシリカゲル粒径に依存している。一般に、カラムは、約0.5〜5ml/分の速度で操作され得る。 【0044】 溶離液は、視覚的に監視され得るか、又は2−ME2の最大吸光度である約288nmの波長で、分光計を用いて監視され得、カラムから溶出する2−ME2として収集され得る。 【0045】 カラムは、圧力下で任意に操作され、かつ任意に加熱され得る。順相又は逆相の分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、あるいは高速液体クロマトグラフィー(FPLC)技法が用いられ得る。市販の分取クロマトグラフィー装置、例えばBiotage(Charlottesville, VA)により販売されているものも用いられ得る。カラム効率及び/又は速度を改良するためのその他の既知の方法も用いられ得る。 【0046】 <試料収集及び処理> 溶離液は、次に2−ME2含量及び純度に関して分析される分画として収集され得る。これらの分画は、次に2−ME2の所望の純度を達成するために併合され得る。分画は、C−18カラム(Waters)及び30:69:1のアセトニトリル:水:酢酸のアイソクラチック溶媒系を用いた逆相HPLCを用いて、純度に関して分析され得る。その他の系、例えばアイソクラチック溶媒系の代わりに溶媒勾配を用いるもの、酢酸ではなくてトリフルオロ酢酸又はギ酸を用いるもの、及びアセトニトリルでなくメタノールを用いるもの、が試料分析に使用され得る。 【0047】 代わりに、又は組み合わせて、溶離液は、リアルタイムで監視することができ、カラムから所望純度の2−ME2が溶出したときに試料収集が開始され得る。 【0048】 溶媒は、真空及び/又はその他の溶媒除去法の使用によりプール分画から除去される。凍結乾燥法及びその他の蒸発法が用いられ得る。 【0049】 <好ましい実施形態> 好ましい実施形態では、媒質は、カラムに充填されるシリカである。試料は、2−ME2を溶解するのに十分なMeOHを伴う、一般にCHCl3:MeOHが約90:10であるCHCl3及びMeOHの混合物中に溶解される。溶出条件は、99:1のCHCl3:MeOHから98:2のCHCl3:MeOHまでの段階勾配である。 【0050】 本発明は、本発明の範囲の限定を強いる方向に解釈されるべきではない以下の実施例によりさらに説明される。それどころか、本明細書を読めば、種々のその他の実施形態、変形例、及び等価物を採ることができ、それらを、本発明の趣旨及び/又は添付されたクレームの範囲から逸脱することなく当業者に示唆し得ることが明確に理解される。 【実施例】 【0051】 <実施例1> 分析用HPLCにより2−ME2の市販試料を分析して、ある種の夾雑物の全て、即ちエストラジオール、4−ヒドロキシエストラジオール、4−メトキシエストラジオール、2−ヒドロキシエストラジオール、エストロン及び2−メトキシエストロンの純度及び量を測定した。 【0052】 これらの分析用HPLCクロマトグラムは、C−18カラム(Waters)及び溶媒勾配(30分間で20→50%アセトニトリル、5分間で50→80%アセトニトリル、1%酢酸、残余量の水)を用いる逆相HPLCを使用して形成された。288nmの波長で溶離液を監視した。この系では、2−ME2は約21.5分で溶出し、エストラジオールは約20.0分で溶出し、エストロンは約23.2分で溶出し、4−ヒドロキシエストラジオールは約15.0分で溶出し、4−メトキシエストラジオールは約20.4分で溶出し、2−ヒドロキシエストラジオールは約15.4分で溶出し、そして2−メトキシエストロンは約24.4分で溶出する。 【0053】 Sigma-Aldrich Chemicals(St. Louis, Missouri)からの試料のクロマトグラムを図1に示す。試料は99.2%の全体純度を有するが、許容不可能な量である約0.034%の夾雑エストラジオールを有する。図2は、図1のクロマトグラムの拡大図である。 【0054】 図3は、Rearch Plus, Inc.(Bayonne, NJ)から入手した試料のクロマトグラムであり、2−ME2が98.6%の純度を有することを示す。自動ピーク算定器及び図4に示した拡大図は、本製剤が、この夾雑物の許容不可能な量である0.024%のエストロンを含有することを示す。Rearch Plusから入手した二次バッチ(97.2%2−ME2)及びCalbiochem(San Diego,California)からの試料(91.8%2−ME2)を含む、試験されたその他の試料は、98%未満の2−ME2純度を示した。 【0055】 下記の表1は、2−ME2のこれら市販試料の純度及び夾雑物、並びに本発明の精製2−ME2を示す。 【0056】 【表1】
【0057】 <実施例2> 直径55cm(高さ60cm)のガラスカラムに、90:10のCHCl3:MeOH中の600gのシリカゲル(70〜230メッシュ、Merck)を充填した。カラムを1リットルのCHCl3で洗浄し、カラムからMeOHを除去した。 【0058】 試料は、90:10のCHCl3:MeOH60ml中の3.5gの2−ME2であった。2−ME2は、PharmEco Labortories, Inc.(Lexington, MA)から入手し、分析用HPLCによる測定によれば純度97.8%であった(図5)。10.917で溶出するピークはエストラジオール(2.2%)である。 【0059】 C−18カラム(Waters)及び30:69:1のアセトニトリル:水:酢酸の、2−ME2及びエストラジオールの良好な分離を提供するアイソクラチック勾配を用いた逆相HPLCを用いて、出発物質、カラム分画及びそのプールされた成分の分析用HPLCを実施した。288nmの波長で溶離液を監視した。 【0060】 試料は、カラムの頂部に注がれ、カラム体積に入れられた。カラムは、1リットルの99:1のCHCl3:MeOHで溶出され、次に1.5Lの98:2のCHCl3:MeOHで溶出された。各々50mlの分画を収集し、2−ME2を含有する15の分画を、上記の分析用アイソクラチックHPLC系を用いて、2−ME2純度に関して分析した。エストラジオール量を示さなかった9〜10分画を一緒にプールし、溶媒を蒸発させた。真空下で4時間乾燥後、3.2gの黄色/白色結晶を、収率91%で収集した。 【0061】 上記のアイソクラチック技法を用いて、分析用HPLCによりプールされた分画の純度は99.984%と測定された。そのHPLCクロマトグラムを図6〜9に示す。図6は、非過剰負荷量の試料75.6μg(5.4μl/mlで14μl)を用いて得た。図7は図6のクロマトグラムの拡大図である。自動ピーク検出器は、2−ME2を100.0%であると算定したが、しかし、2−ME2の前に溶出した、小さい未知の不純物ピークが拡大図で認められた。図8は、過剰負荷量の試料270μg(5.4μl/mlで50μl)を用いて得た。図9は図8のクロマトグラムの拡大図である。自動ピーク検出器は、2−ME2の前及びエストラジオールの後に溶出し0.016%であると算定された、小さい未知の不純物ピークと共に、2−ME2を純度99.984%であると算定した。図9に示した拡大図は、この不純物ピークをより明確に示し、2−ME2ピークが非常に 滑らかであることを示す。 【0062】 当該プールを、勾配(25分間で20→70%アセトニトリル、1%酢酸、残余量の水)を用いても分析した。43.2μg(5.4μl/ml試料の8μl)を注入した。クロマトグラムを図10に示す。自動ピーク検出器は、2−ME2を純度99.825%であると算定した。しかしながら、ブランク実験で29.45分で認められた人為的ピークを検討から除外すると、算定純度は99.9%である。図11はこのクロマトグラムの拡大図である。13.43分での未知の不純物は、0.012%であると算定された。エストラジオールが存在する場合、それは未知純度と2−ME2ピークの間に溶出する。したがってエストラジオールが存在する場合には、それは未知のピークの量の1/3〜1/4以下で存在し得る。したがって、エストラジオール量は、0.004%以下であると概算された。本製剤は、予測保持時間で任意の測定可能ピークの欠如について実証されるように、0.02%又はそれ以下の2−ヒドロキシエストラジオール、0.01%又はそれ以下の4−ヒドロキシエストラジオール、0.01%又はそれ以下の4−メトキシエストラジオール、及び0.01%又はそれ以下のエストロンを含有した。 【0063】 精製試料は元素分析にもかけられ、その結果を表2に示す。 【0064】 【表2】
【0065】 上記の記載内容は説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。上記の記載内容を読めば、多数の実施形態が当業者には明らかになる。したがって、本発明の範囲は、上記の説明に関して確定されるべきでなく、添付されたクレーム、並びにこのようなクレームで表される等価物の全範囲に関して確定されるべきである。特許、特許出願、及び公告を含めた全論文及び参考文献の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。 【図面の簡単な説明】 【0066】 【図1】Sigma Chemical Companyから入手可能な2−メトキシエストラジオール(45H4033)の逆相HPLC分析からのクロマトグラムである。このグラフは、Sigma社製品が約0.034%のエストラジオールを含有することを示す。 【図2】エストラジオール不純物を示す図1のクロマトグラムの拡大図である。 【図3】Research Plusから入手可能な2−メトキシエストラジオール(10699)の逆相HPLC分析からのクロマトグラムである。このグラフは、Research Plus社製品が約0.024%のエストロン及び約0.93%のその他の望ましくないエストロゲンを含有することを示す。 【図4】エストロン不純物を示す図3のクロマトグラムの拡大図である。 【図5】本発明の実施例2における出発物質として用いられる非精製2−メトキシエストラジオールの逆相HPLC分析からのクロマトグラムである。 【図6】実施例2において生成された本発明の2−ME2のクロマトグラムである。HPLCは、非過剰負荷量の試料75.6μg(5.4μl/mlで14μl)を用いて実行した。 【図7】図6のクロマトグラムの拡大図である。 【図8】実施例2において生成された本発明の2−ME2のクロマトグラムである。HPLCは、過剰負荷量の試料270μg(5.4μl/mlで50μl)を用いて実行した。 【図9】図8のクロマトグラムの拡大図である。 【図10】勾配(25分間で20→70%アセトニトリル、1%酢酸、及び残余量の水)を用いて分析された、実施例2からのプール分画のクロマトグラムである。43.2μg(5.4μl/ml試料の8μl)を注入した。 【図11】図10のクロマトグラムの拡大図である。 【図12】出発物質としてエストラジオールを用い、臭素、クラウンエーテル、並びにエストラジオールの3−及び17−位置ヒドロキシル酸素原子上の保護基を用いた、本発明の2−メトキシエストラジオールの生成に関する合成反応図を示す。 【図13】出発物質としてエストラジオールを用い、保護されていないエストラジオールのA環の2−位置の臭素化、及びクラウンエーテルを用いた、本発明の2−メトキシエストラジオールの生成に関する合成反応図を示す。 【図14】出発物質としてエストラジオールを用い、エストラジオールの3−及び17−位置ヒドロキシル酸素原子上の保護基、ニトロ化、及びザンドマイヤー反応を用いた、本発明の2−メトキシエストラジオールの生成に関する合成反応図を示す。 【図15】出発物質としてエストロンを用い、3−位置ヒドロキシル酸素原子上の保護基、ニトロ化、及びザンドマイヤー反応を用いた、本発明の2−メトキシエストラジオールの生成に関する合成反応図を示す。 【図16】出発物質としてエストラジオールを用い、保護されていないエストラジオールのA環の2−位置の臭素化、及びメタノールとの反応を用いた、本発明の2−メトキシエストラジオールの生成に関する合成反応図を示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500523928 【氏名又は名称】エントレメッド インコーポレイテッド
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| 【出願日】 |
平成19年11月26日(2007.11.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100549 【弁理士】 【氏名又は名称】川口 嘉之
【識別番号】100090516 【弁理士】 【氏名又は名称】松倉 秀実
【識別番号】100089244 【弁理士】 【氏名又は名称】遠山 勉
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| 【公開番号】 |
特開2008−63345(P2008−63345A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2007−304146(P2007−304146) |
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