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【発明の名称】 皮溝密度を改良する化粧品用配合剤及び化粧品
【発明者】 【氏名】松永 政司

【氏名】吉田 文人

【氏名】盛 孝男

【氏名】杉 正人

【氏名】長谷川 英司

【要約】 【課題】皮溝密度を改良する化粧品用配合剤及び化粧品を提供する。

【構成】本発明はヌクレオプロテイン及び/又はDNA又はRNAの酵素又は加水分解生成物、該分解生成物から分離したデオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、モノヌクレオチド、或いは前記分解生成物又は化合物から選択された少なくとも2種の混合物を有効成分として含有する化粧品用配合剤及び該配合剤を含有する化粧品である。デオキシオリゴヌクレオチドなどの有効成分は分子量が比較的小さいので経皮的に吸収され易く、またそれらは経皮的に吸収されたとき、皮膚の細胞再生又は細胞活性化を促すため、顔面の表皮に適用した場合、皮溝密度(きめ)の改良効果、皮膚の水分保持能や皮脂量のバランスの改善効果、さらにはしわ等の防止効果を奏する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヌクレオプロテイン及び/又はDNAを酵素分解処理又は加水分解処理により低分子化して得られた分子量1000乃至3000の画分を20乃至50%含有する分解生成物、又は、該分解生成物から分離したデオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド又はオリゴペプチド、又は、
RNAを酵素分解処理又は加水分解処理により低分子化により低分子化して得られた分子量1000乃至3000の画分を20乃至50%含有する分解生成物、又は、該分解生成物から分離したオリゴヌクレオチド又はモノヌクレオチド、又は、
前記ヌクレオプロテイン及び/又はDNA分解生成物、前記RNA分解生成物、デオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、及びモノヌクレオチドからなる群より選択された少なくとも2種の混合物、
を含有する皮溝密度を改良する化粧品用配合剤。
【請求項2】
前記ヌクレオプロテイン及びDNAは鮭、鱒、鰊及び鱈などの魚類の白子から得ることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品用配合剤。
【請求項3】
前記RNAはビール酵母、トルラ酵母、乳酵母及びパン酵母からなる群より選択される酵母から得ることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品用配合剤。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載の化粧品用配合剤を含有することを特徴とする皮溝密度を改良する化粧品。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はヒトの皮膚(肌)細胞の再生又は活性化を促し皮溝密度(きめ)を改良する、化粧品用配合剤、並びに該化粧品用配合剤を含有する化粧品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肌荒れ及びしみ等は、加齢によるホルモンのバランスの影響、日光からの紫外線の刺激、体内の過酸化物濃度の高まりによる表皮への悪影響、皮脂の過剰分泌、表皮への血流量の低下、栄養不良、精神的なストレスなど種々の事柄が原因で起こると考えられている。
顔の肌荒れ及びしわ等が人々の美容上の重大な関心事であることは、近年、女性向けに限らず、男性向け化粧品の製品数の増加にも現れている。顔が他人への第一印象を与える大きな要素となることから、老若男女を問わず艶やかで張りのある肌(美肌)でありたいと切に願う人は多く、それ故、肌荒れ及びしわ等を改善する化粧品に関する世間一般の関心がさらに高まっている。
【0003】
従来の化粧品において、グリセリン等の保湿剤や油成分を入れることにより、肌の保湿効果を高め、艶やかな肌とすることが多く試みられていた。最近では肌への美肌効果を意図して、メラニン生成を抑制しコラーゲン生産を促進する働きを有するL−アスコルビン酸及びその誘導体などを含有する化粧品が登場している。
【0004】
ところで、近年、健康に対する世間一般の関心の高まりを反映して、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)又は核タンパク質を原料又は有効成分として用いた健康食品が提供されている。高分子量の核タンパク質を水可溶性及び易消化性とするために、低分子化することも提案されている(特許文献1)。
デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)又は核タンパク質は老化防止効果を有することは知られているが、化粧品に適用する試みは充分に成されていない。
【特許文献1】特開2004−16143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
肌荒れ及びしわ等の肌トラブルの原因は、顔面の皮膚の老化、血行不良、紫外線の影響、ストレスなど種々であるが、皮膚の細胞の新陳代謝が低下し、新しい細胞の再生機能が落ちることが直接的な原因である。
従来の化粧品は、皮膚細胞の新陳代謝のメカニズムに働きかけて機能を発揮するものではなく、単に肌の表面上の効果を追求しているに過ぎなかった。このため、肌荒れ及びしわ等に対して充分といえるまでの効果は得られていない。
また、前述のL−アスコルビン酸及びその誘導体を適用する方法においては、安定的でなく且つ紫外線炎症防止効果が不十分であることから、前記化合物の含有成分を化粧品の有効成分として直接的に求めることは困難である。
すなわち、ヒトの皮膚細胞の再生能や活性化能を高めて新しい肌細胞の再生を促し、肌荒れやしわ等を防止する、皮膚美肌効果の高い製品が望まれているが、従来の化粧品におけるその効果はまだ充分でない。
それ故、細胞自体を賦活し、生き生きとした肌にする新たな化粧品の開発が望まれていた。
【0006】
本発明者らは、ヒトの肌のきめを改良する新たな化粧品を得るべく鋭意研究した結果、ヌクレオプロテイン及び/又はDNAを酵素分解処理又は加水分解処理して得られた、デオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド又はオリゴペプチドを含有する分
解物、或いは、RNAを酵素分解処理又は加水分解処理して得られた、オリゴヌクレオチド又はモノヌクレオチドを含有する分解物、或いは、それらの混合物に、優れた細胞再生、細胞活性化効果があることを見出し、これにより皮溝密度の改良効果、皮膚の水分保持能や皮脂量のバランスの改善効果、さらにはしわ等の防止効果につながることを発見し、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明による化粧品用配合剤は、
ヌクレオプロテイン及び/又はDNAを酵素分解処理又は加水分解処理により低分子化して得られた分子量1000乃至3000の画分を20乃至50%含有する分解生成物、又は、該分解生成物から分離したデオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド又はオリゴペプチド、又は、
RNAを酵素分解処理又は加水分解処理により低分子化して得られた分子量1000乃至3000の画分を20乃至50%含有する分解生成物、又は、該分解生成物から分離したオリゴヌクレオチド又はモノヌクレオチド、又は、
前記ヌクレオプロテイン及び/又はDNA分解生成物、前記RNA分解生成物、デオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、及びモノヌクレオチドから選択された少なくとも2種の混合物、
を含有することを特徴とする、皮溝密度を改良する化粧品用配合剤である。
【0008】
本発明の化粧品用配合剤の好ましい態様において、前記ヌクレオプロテイン及びDNAは鮭、鱒、鰊及び鱈などの魚類の白子から得ることが好ましい。
また、前記RNAは、酵母から得られ、好ましくはビール酵母、トルラ酵母、乳酵母及びパン酵母からなる群より選択される酵母から得られる。
【0009】
さらに本発明による化粧品は、前記皮溝密度を改良する化粧品用配合剤を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の化粧品用配合剤は、ヌクレオプロテイン及び/又はDNA又はRNAを酵素分解処理又は加水分解処理により低分子化して得られた分子量1000乃至3000の画分を20乃至50%含有する分解生成物、該分解生成物から分離したデオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、モノヌクレオチド、或いは前記分解生成物又は前記化合物から選択された少なくとも2種の混合物を有効成分として含有するものである。
該デオキシオリゴヌクレオチド等は分子量が比較的小さいので経皮的に吸収され易く、またそれらは経皮的に吸収されたとき、皮膚の細胞再生能又は細胞活性化能を高める働きを有する。したがって、顔面の表皮に適用した場合、皮溝密度(きめ)の改良、水分量・皮脂量の改善、さらにはしわの改善にも効果を発揮し、皮膚美肌効果を奏する。
【0011】
また本発明の化粧品は、上記化粧品用配合剤を含んでなるので、顔面の表皮に適用した場合に該化粧品配合剤が有する優れた肌荒れ、しわ等を防止し、皮膚美肌効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の化粧品用配合剤の有効成分として、精製品としても使用されるデオキシオリゴヌクレオチド又はデオキシモノヌクレオチドは、DNAを酵素分解処理又は加水分解処理して、オリゴヌクレオチド又はモノヌクレオチドは、RNAを酵素分解処理又は加水分解処理して、またオリゴペプチドは、ヌクレオプロテインを酵素分解処理又は加水分解処理して、それぞれ得ることができる。
【0013】
DNA及びヌクレオプロテインは、例えば、魚類の白子から抽出し、精製することにより得ることができる。前記魚類は、例えば、鮭、鱒、鰊及び鱈であり、とりわけ、鮭が好ましい。
【0014】
以下、DNAについて更に詳しく説明する。
本発明の化粧品用配合剤の製造原料であるDNAは種々の態様のものでよく、例えば、二本鎖、一本鎖又は環状のDNAであってよい。DNAの供給源は、動物、植物、微生物等の様々な生物である。水産加工上の廃棄物である、魚類特に鮭、鱒、鰊及び鱈の精巣(白子)は、とりわけDNAを多く含むが、従来、資源として有効に利用されず、多くが廃棄されていた。それ故、廃棄物の資源化という観点からも、これらの精巣由来のDNAを利用することは望ましい。また、哺乳動物や鳥類、例えばウシ、ブタ、ニワトリ等の胸腺から得られるDNAを使用することができる。更に、合成DNAもまた使用することができる。
【0015】
なお、魚類白子からDNAを得るには、特開2005−245394号公報に記載の抽出・精製方法を用いることができる。
具体的には、まず魚類白子を粗砕し、粗砕した魚類白子にDNAが分解しない条件下でタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)処理を行い、酵素処理した溶液を濾過する。そして分画分子量が2,000〜1,000,000である中空糸膜を用いて濾液に透析処理を行い、分解したタンパク質およびイオン類を除去すると共に二本鎖DNAを濃縮する。さらに、透析処理を行った溶液から二本鎖DNA塩として沈殿させるかあるいは溶液を濃縮し、これら沈殿物あるいは濃縮物を回収する。
上記方法により得られたDNA塩を乾燥させた粉末状DNA塩を、本発明の化粧品用配合剤の製造原料として用いることができる。
【0016】
RNAは、ビール酵母、トルラ酵母、乳酵母及びパン酵母からなる群より選択される酵母から抽出し、精製することにより得ることができる。
【0017】
DNA及びRNAを処理する酵素は、例えば、ヌクレアーゼであり、とりわけ、アオカビ由来のヌクレアーゼが好ましい。
【0018】
オリゴペプチドは、魚類の白子などに含まれるヌクレオプロテイン(核タンパク質)をプロテアーゼ及びヌクレアーゼで加水分解して得られる。
【0019】
前記プロテアーゼはトリプシンを主体とするものである。トリプシンは高い特異性を有するセリンプロテアーゼであり、アルギニン及びリジンのカルボキシル側でペプチド結合を選択的に加水分解するので、アルギニンを多く含むプロタミンの加水分解に適している。また前記プロテアーゼは、トリプシンに加えて、他のプロテアーゼ、例えばキモトリプシン等を含むこともできる。良好なプロテアーゼとしては、ノボザイムズジャパン株式会社製のプロテアーゼを挙げることができる。
【0020】
前記ヌクレアーゼは、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)の3',5'−ホスホジエステル結合を加水分解し、オリゴ体重合の5'−(デオキシ)ヌクレオチド
を生成する。該ヌクレアーゼの性質について特に制限はないが、ある程度の熱安定性を備えることが好ましい。このようなヌクレアーゼは、例えば天野エンザイム株式会社、シグマ社等から市販品として入手可能である。
【0021】
前記ヌクレアーゼを用いたDNA、RNA及びヌクレオプロテインの加水分解処理において重要なのは、反応を行う温度である。反応温度は60〜75℃の範囲内でなければならず、70℃が最も好ましい。該温度範囲より低い温度で反応を行うと、DNA、RNA
及びヌクレオプロテインの低分子化が十分に進行せず、分解物が水溶性とならない。一方、該温度範囲より高い温度で行うと、低分子化が過度に進行し、核タンパク質(ヌクレオプロテイン)の優れた効果を失う惧れがある。
【0022】
以上のようにDNA、RNA及びヌクレオプロテインをヌクレアーゼを用い60〜75℃で行う加水分解によって処理することにより、分子量が1000乃至3000である画分を20乃至50%含有し、そして分子量が1000以下である画分を、通常、分子量1000乃至3000の画分の量よりも多い量、例えば30乃至50%含有する程度まで低分子化することができ、これにより、水可溶性及び経皮吸収性を兼ね備えたDNA、RNA及びヌクレオプロテイン分解生成物を製造できる。
以上の処理により得られたヌクレオプロテイン分解生成物及びDNA分解生成物には、低分子化されたデオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド及びオリゴペプチドが主要な部分もしくは大部分として含まれ、そして低分子化が不十分なデオキシヌクレオチド等がごく少量の部分として含有されている。
また同様の処理により得られたRNA分解生成物にはオリゴヌクレオチド及びモノヌクレオチドが主要な部分もしくは大部分として含まれ、そして低分子化が不十分なヌクレオチド等がごく少量の部分として含有されている。
従って、これら分解生成物に含まれるヌクレオチド類(デオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、モノヌクレオチド)は、そのほぼ全て乃至その大部分が、本来らせん鎖を取らないモノ体、完全な一本鎖のオリゴ体、並びに、二重らせん構造を一部にしか有しないオリゴ体で構成される。言い換えると、上述の低分子化が十分に進行しなかったような場合を想定したとしても、上記の分解生成物に含まれるヌクレオチド類の二重らせん率が20%を超えることはない。
なお、ヌクレオプロテインを加水分解処理してオリゴペプチドを得るにはプロテアーゼ処理及びオリゴヌクレオチドを得るにはヌクレアーゼ処理が為されることとなるが、好ましくは、始めにプロテアーゼで処理し、続いてヌクレアーゼ処理することが、作業上の都合及び得られる最終生成物の品質の観点より望ましい。
【0023】
本発明の化粧品用配合剤はその有効成分として、ヌクレオプロテイン及び/又はDNAを酵素分解処理又は加水分解処理して得られた分解生成物、或いは、RNAを酵素分解処理又は加水分解処理して得られた分解生成物を、そのまま(精製することなく)使用することができる。前記分解生成物中に、例えば、アミノ酸などが含まれていてもよい。
また、本発明の化粧品用配合剤の有効成分として、ヌクレオプロテイン及び/又はDNA又はRNA分解生成物から慣用の分離手段及び/又は精製手段を用いて分離・精製された以下の化合物:デオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド及びモノヌクレオチドを使用することができる。
このとき、ヌクレオプロテイン、DNA及びRNAの分解生成物に含まれるか、又は、該分解生成物から慣用の分離手段及び/又は精製手段を用いて分離・精製されたデオキシオリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドの鎖長は2乃至12のものであることが好ましい。
【0024】
前記分解生成物及び前記化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、又は、これらの少なくとも2種類を混合して使用してもよい。
前記分解生成物や前記化合物を混合して使用する場合は、その混合比率は適宜選択し得る。
このとき、前記分解生成物及び前記化合物として、鎖長が2乃至12の前記デオキシオリゴヌクレオチド又は前記オリゴヌクレオチドのうち少なくとも何れか一方を含み、並びに鎖長が2乃至12の前記デオキシオリゴヌクレオチド及び前記オリゴヌクレオチドの含有量の合計が、前記分解生成物および前記化合物の全合計量に対して20%以上であることが特に好ましい。
【0025】
本発明の化粧品用配合剤における有効成分(前記分解生成物及び/又は前記化合物)の濃度は適宜選択し得る。
また、前記分解生成物や前記化合物を、更に化粧品用配合剤の慣用の添加成分と所定比率で組み合わせて使用してもよい。
【0026】
また、本発明の化粧品は、前記化粧品用配合剤を含有してなる。
本発明の化粧品が採り得る剤型は、皮膚に適用可能な剤型であれば適宜選択可能である。好ましくは、化粧品はローション、乳液、クリーム、ジェル、ゼリー、エッセンス、パック、マスク、ファンデーションなど、直接肌に塗布する形態であることが望ましい。またこれら化粧品は顔の皮膚だけでなく首や手足など体全体に使用することもできる。
【0027】
本発明の化粧品には、前記化粧品用配合剤に加えて既存の化粧品に配合され得る公知の成分を配合することができる。例えば香料や保湿剤等を、単独又は組み合わせて配合することができる。
【0028】
また、本発明の化粧品には、薬剤成分として、ビタミンE又はその誘導体、例えばビタミンEアセテート;アセチルコリン誘導体等の血管拡張剤;セファランチン等の皮膚機能亢進剤;グリチルレチン酸又はその誘導体;エストラジオール、エストロン等の女性ホルモン剤;セリン、メチオニン、アルギニン等のアミノ酸類;ビタミンA、ビタミンB1
ビタミンB6、ビオチン、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類を単独又は組み合
わせて配合することができる。
【0029】
更に、本発明の化粧品には、必要に応じて、通常、化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる添加剤、例えば、油分、防腐剤、界面活性剤、分散安定剤、増粘剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤、精製水及びアルコール等を単独又は組み合わせて配合することができる。
【実施例】
【0030】
以下に示す実施例及び比較例において、本発明を具体的且つ更に詳細に説明する。下記実施例は本発明の説明のためのみのものであり、これらの実施例により本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例における各成分の配合量は、全体量に対する質量%である。又、実施例で用いた試作品1乃至試作品3(DNA塩、DNA及びヌクレオプロテイン、又はRNAを、酵素分解処理して得られた分解生成物をそれぞれ含有するもの)の量は固形分量として示す。
【0031】
1.(デオキシ)オリゴヌクレオチドの製造
鮭白子由来のDNAに対して、食品添加物として認可されているヌクレアーゼ[例えば、酵素製剤ヌクレアーゼ「アマノ」(天野エンザイム社製)]を用いて限定分解を行った。産生したデオキシモノヌクレオチドとデオキシオリゴヌクレオチドを電気泳動装置で分析して最適条件を決定した。
具体的には、65℃前後に調整した温水に原料として粉末状DNA−Na塩を投入し、撹拌後、更に70℃に加温し、原料に対してヌクレアーゼを0.05乃至0.25%の範囲で適量を加えて3時間反応させた。次に、85℃で10分間加熱してヌクレアーゼを失活させた後、遠心分離し、上澄み液にスプレードライ法を適用して、デオキシオリゴヌクレオチドを含む乾燥粉末(分解生成物)を得た。
【0032】
2.(デオキシ)オリゴヌクレオチドの分析
65℃前後に調整した温水に原料として鮭白子由来の粉末状DNA−Na塩を投入し、
撹拌後、更に70℃に加温し、原料に対して酵素製剤ヌクレアーゼ「アマノ」(天野エンザイム社製)を0.05%加えて3時間反応させて分解生成物を得た。次に、85℃で10分間加熱してヌクレアーゼを失活させた後、分解生成物をHPLCで分析した。
図1に、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)による、分解生成物のデオキシオリゴヌクレオチドの分析例を示す。図1において、5'−デオキシモノヌクレオチド及び3'−デオキシモノヌクレオチドはピーク20までに溶出しており、以降の比較的大きなピーク、すなわちピーク26以後をデオキシオリゴヌクレオチドの吸収とみなすことができる。また、ピーク41以後は分子量が3000を超える分解生成物の吸収とみなすことができる。このため、ピーク26乃至41のピーク強度から算出した結果、本例では分解生成物全体に対して、31%のデオキシオリゴヌクレオチド(分子量1000〜3000)の分画が含まれていることがわかった。
【0033】
3.(デオキシ)オリゴヌクレオチドを用いた化粧品の製造
前記製造方法にて得たデオキシオリゴヌクレオチドを含む乾燥粉末(DNA塩分解生成物)を試作品1とし、この試作品1を用いて、本発明の化粧品を以下のように製造した。また対照として、試作品1を含有しない化粧品を製造した。これらの組成を下記表1にまとめて示す。
[実施例1]
95%エタノールに精製水を加え、これにポリオキシエチレン(25モル)硬化ヒマシ油エーテル、グリセリン、プロピレングリコールを加えて攪拌後、試作品1を加えて攪拌溶解し、透明液状の実施例1の化粧品を得た。
[比較例1]
試作品1の代わりに同量のグリセリンを用い、実施例1と同様の製法で比較例1の化粧品を得た。
【0034】
【表1】


【0035】
4.皮膚画像解析システムを用いた肌状態の評価
30代及び50代の被験者を対象に、実施例1の化粧品と比較例1の化粧品を顔の左右半面ずつ、入浴後に約1g/1回/1日、それぞれ塗布した。
(株)インフォワード製ロボスキンアナライザーCS50システムセットを用いて、試験実施前(初期値)と4週間後の塗布した箇所の皮膚の状態を評価した。
4−1.水分量及び皮脂量の評価
水分量及び皮脂量の状態を、油分水分センサーを用いて測定した。センサーを左右の頬に当て、以下の測定方法及び評価基準より測定結果を評価した。
・油分(肌表面に分泌された皮脂量)
センサー部分を押し当てることで圧延された油分を屈折率により計測し、面積で評価する。全面を油分が覆った状態を「油分が飽和した状態(100)」とし、全く油分が存在
していない状態を「油分がゼロの状態(0)」として評価した。
・水分(生体表層の水分量)
センサー部分を押し当てることで肌の静電容量を計測し、水分を表す値として計測する。生理食塩水そのものを計測した状態を「飽和した状態(100)」とし、全く水分が存在しない状態を「ゼロの状態(0)」として評価した。
4−2.皮溝密度(肌のきめ)の評価
左右の頬の皮溝密度の状態を、マイクロスコープを用いて撮影し、撮影された画像をロボスキンアナライザーにて解析し、評価した。
解析方法は、撮影画像(モノクロ画像に変換)中における暗部を皮溝、明部を皮丘とし、明暗部を各々処理して二値化した結果と、一辺0.4mmの正三角形のきめモデル(顎の下の皮膚の状態を参考にしたもの)とを比較し、モデルを100として撮影画像を評価する。
4−3.しわの評価
眼下のしわの状態を全顔撮影ボックスにて測定した肌画像の解析により評価した。
撮影画像(モノクロ画像に変換)において、濃度が著しく急勾配で暗くなっている部分を眼下のしわとして検出し、しわの本数をカウントした。
【0036】
上記試験の評価を下記表2(被験者:30代)及び表3(被験者:50代)に、各被験者の肌状態の変化(撮影画像)を図2及び図3に示す。
また、上記試験結果と各年代の平均値を記した図(グラフ)を図4及び図5に示す。
【0037】
【表2】


【0038】
【表3】


【0039】
表2、表3、図4及び図5に示すように、実施例1の結果は、30代、50代いずれの被験者においても水分量、皮脂量、皮溝密度の改善が見られ、特に、試験開始前に平均値を下回っていた水分量(30代、50代)及び皮溝密度(30代)は4週間経過後に平均値まで回復した。またしわの本数も4週間経過後に平均値又は平均値近くまで減少した。
また図2及び図3で示す撮影画像からも、皮溝密度(きめ)が改良されたことが目視にて確認できた。
一方、比較例1においては、配合したグリセリン等の保湿効果により、試験開始前(初期値)と比べると多少改善するか若しくは同程度の結果となったが、上記実施例1と比べるとその改善効果には大きく差を生ずる結果となった。
【0040】
5.DNA及びヌクレオプロテイン分解生成物(試作品2)又はRNA分解生成物(試作品3)の製造及び分析
有効成分として、日生バイオ(株)製造のDNA及びヌクレオプロテインを酵素分解処理して得られた分解生成物を含有するものを試作品2(デオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド及びオリゴペプチドを含有するもの)とし、また、有効成分として、日生バイオ(株)製造のRNAを酵素分解処理して得られた分解生成物を含有するものを試作品3(オリゴヌクレオチド及びモノヌクレオチドを含有するもの)とした。
試作品2及び試作品3の製造方法及び分析結果は以下のとおりである。
【0041】
5−1.試作品2(DNA及びヌクレオプロテイン分解生成物)の製造方法及び分析
試作品2は、試作品1の場合と同様の製造方法により、DNAを酵素分解処理により低
分子化して得られた分解生成物と、ヌクレオプロテインを酵素分解処理により低分子化して得られた分解生成物を等量混合したものである。各分解生成物の製造方法の詳細は以下の通りである。
<DNA分解生成物>
[製造方法]
前出の「1.(デオキシ)オリゴヌクレオチドの製造」と同様の方法により製造を行い、DNA分解生成物を得た。
[構造及び組成]
前出の「2.(デオキシ)オリゴヌクレオチドの分析」と同様の方法により分析を行い、分解生成物全体に対して、31%のデオキシオリゴヌクレオチド(分子量1000〜3000)の分画が含まれていることがわかった。
<ヌクレオプロテイン分解生成物>
[製造方法]
水に原料として鮭白子由来のヌクレオプロテイン(日生バイオ(株)製)を投入し、50℃で加熱、撹拌後、原料に対して酵素製剤プロテアーゼ「PTN」(ノボザイムズジャパン(株)製)を0.065%加えて4時間反応させ、更に70℃で加熱、撹拌する。続いて、酵素製剤ヌクレアーゼ「アマノ」(天野エンザイム社製)を0.1%加えて3時間反応させた。次に、85℃で10分間加熱してヌクレアーゼを失活させた後、遠心分離し、スプレードライ法を適用して、デオキシオリゴヌクレオチドを含む乾燥粉末(分解生成物)を得た。
[構造及び組成]
得られた上述の分解生成物をHPLCで分析した。
図6にHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による、分解生成物のデオキシオリゴヌクレオチドの分析例を示す。図6において、保持時間19分から24分以内のピーク(ピーク1〜ピーク4)をオリゴヌクレオチドの吸収とみなすことができる。このため、ピーク1乃至4のピーク強度から算出した結果、本例では分解生成物全体に対して、33.4%のデオキシオリゴヌクレオチド(分子量1000〜3000)の分画が含まれていることがわかった。
【0042】
5−2.試作品3(RNA分解生成物)の製造方法及び分析
試作品3は試作品1の場合と同様の製造方法により、原料DNAの代わりにRNAを酵素分解処理により、低分子化して得られた分解生成物であり、詳細は以下の通りである。<RNA分解生成物>
[製造方法]
70℃前後に調整した温水に原料として酵母由来のRNA(日生バイオ(株)製)を投入し、撹拌後、更に70℃に加温し、原料に対して酵素製剤ヌクレアーゼ「アマノ」(天野エンザイム社製)を0.05%加えて3時間反応させた。次に、85℃で10分間加熱してヌクレアーゼを失活させた後、遠心分離し、スプレードライ法を適用して、オリゴヌクレオチドを含む乾燥粉末(分解生成物)を得た。
[構造及び組成]
得られた上述の分解生成物をHPLCで分析した。
図7にHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による、分解生成物のオリゴヌクレオチドの分析例を示す。図7において、保持時間13分から24分以内のピーク(ピーク2〜ピーク5)をオリゴヌクレオチドの吸収とみなすことができる。このため、ピーク2乃至5のピーク強度から算出した結果、本例では分解生成物全体に対して、41.1%のオリゴヌクレオチド(分子量1000〜3000)の分画が含まれていることがわかった。
【0043】
6.各種化粧品の製造
有効成分として、日生バイオ(株)製造のDNA及びヌクレオプロテインを酵素分解処理して得られた分解生成物を含有するものを試作品2(デオキシオリゴヌクレオチド、デ
オキシモノヌクレオチド及びオリゴペプチドを含有するもの)とし、また、有効成分として、日生バイオ(株)製造のRNAを酵素分解処理して得られた分解生成物を含有するものを試作品3(オリゴヌクレオチド及びモノヌクレオチドを含有するもの)とした。
得られた試作品2及び試作品3を用いて、本発明の化粧品を以下のように製造した。また、対照として、試作品2及び試作品3を含有しない比較例の化粧品を製造した。これらの化粧品の組成を下記表4乃至表7にまとめて示す。
なお、以下の化粧品に使用した製品の入手元を括弧内に示す。
【0044】
6−1.ジェル状化粧品
[実施例2(実施例2−1〜2−3)]
精製水に攪拌しながらPemulen TR−1(日光ケミカルズ(株))を徐々に加え十分に分散させ、ついでUltrez−10(日光ケミカルズ(株))を攪拌分散させたところへ、濃グリセリンを加えジェル基材とした。別にレシノールWS−50(日光ケミカルズ(株))、ホホバ油、スクワラン、リアルカーブSR−1000(LIALCARB:日光ケミカルズ(株))、AMITER MA−HD(日本エマルジョン(株))及びローズヒップ油を加熱溶解混合し、油性成分とした。さらに別にセラリピッドW−2(日光ケミカルズ(株))、1,3−ブチレングリコール(BG)、ジプロピレングリコール(DPG)及び2−フェノキシエタノールを加えて過熱攪拌混合(300rpm、80℃、5分間保持)し、精製水を加えて十分攪拌した後、前記油性成分を合わせ、十分に混和し配合成分原液とした。
前記ジェル基材及び配合成分原液を混和し、これにエタノールを加えた後、18%水酸化ナトリウムを加え中和攪拌混合した。これに、精製水と混合した試作品2、試作品3及び試作品2と試作品3の等量混合物(試作品4)の各々を溶解させ、実施例2−1乃至2−3のジェル状化粧品を調製した。
[比較例2]
試作品2及び試作品3の代わりに濃グリセリンを2質量%追加し、計7質量%を添加した以外は、実施2−1、実施例2−2及び実施例2−3と同様の方法で比較例2のジェル状化粧品を調製した。
【0045】
6−2.乳液状化粧品
[実施例3(実施例3−1〜3−3)]
精製水に濃グリセリンを加え70℃に加熱調製した(水相)。別に、セチルアルコール、ミツロウ、ワセリン、スクワラン及びジメチルポリシロキサンに、モノオレイン酸エステル及びグリセロールモノステアリン酸エステルを加え70℃に加熱した。これを先に調製した水相に加え予備乳化を行った。更に、クインスシード抽出液及びエタノールを加え攪拌し、ホモミキサーで乳化粒子を均一にした。
この乳液状液体が40℃になったところで、精製水と混合した試作品2、試作品3及び試作品2と試作品3の等量混合物(試作品4)の各々を溶解させ、実施例3−1乃至3−3の乳液状化粧品を調製した。
[比較例3]
試作品2及び試作品3の代わりに濃グリセリンを2質量%追加し、計10質量%を添加した以外は、実施3−1乃至実施例3−3と同様の方法で比較例3の乳液状化粧品を調製した。
【0046】
6−3.ローション状化粧品
[実施例4(実施例4−1〜4−3)]
精製水に1,3−ブチレングリコール、濃グリセリン、緩衝剤、褐色防止剤を室温で溶解させた。またエタノールにオレイルアルコール、ソルビタンモノラウリン酸エステル及び精製水と混合した試作品2、試作品3及び試作品2と試作品3の等量混合物(試作品4)の各々を溶解させ、これらを各々混合攪拌し、実施例4−1乃至4−3のローション状
化粧品を調製した。
[比較例4]
試作品2及び試作品3の代わりに濃グリセリンを2質量%追加し、計6質量%を添加した以外は、実施4−1乃至実施例4−3と同様の方法で比較例4のローション状化粧品を調製した。
【0047】
6−4.クリーム状化粧品
[実施例5(実施例5−1〜5−3)]
精製水に1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、濃グリセリン、ポリクオタニウムを順次溶解し、80℃まで加熱して水相とした。他方、ステアリン酸ポリグリセリル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、パルミチン酸セチル、ステアリン酸グリセリン、クロダラン SWL(クローダジャパン(株))、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、ミリスチン酸オクチルドデシル、マカダミアナッツ油、トリオクタノイン、ジメチコンを混合し、85℃にて加熱攪拌して油相とした。水相に油相を注入して攪拌し(300rpm)、高粘度用ホモミキサー(4000rpm)にて乳化した。
この乳化状物質が40℃になったところで、精製水に水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び精製水と混合した試作品2、試作品3及び試作品2と試作品3の等量混合物(試作品4)の各々を溶解させ、実施例5−1乃至5−3のクリーム状化粧品を調製した。[比較例5]
試作品2及び試作品3の代わりに濃グリセリンを2質量%追加し、計7質量%を添加した以外は、実施5−1乃至実施例5−3と同様の方法で比較例5のクリーム状化粧品を調製した。
【0048】
7.化粧品(ジェル、乳液、ローション、クリーム)の性能試験
実施例2乃至5及び比較例2乃至5の化粧品について、それぞれ以下の評価を行った。結果を表4乃至表7にまとめて示す。
7−1.皮溝密度(きめ)の状態
中高年女性の被験者を対象に、実施例2乃至5の化粧品並びに比較例2乃至5の化粧品を顔の左右半面ずつ、入浴後に約1g/1回/1日、それぞれ塗布した。
前記(株)インフォワード製ロボスキンアナライザーCS50システムセットを用いて、4週間後の塗布した箇所の皮膚の皮溝密度を前述の通り評価した。試験結果の判定は、下記判定基準により行った。
++:比較例に比べて塗布した部分の皮溝密度の数値が10%以上増加した(著効)
+ :比較例に比べて塗布した部分の皮溝密度の数値が5〜10%増加した(有効)
± :比較例に比べて塗布した部分の皮溝密度の数値が0〜5%増加した(やや有効)
− :比較例に比べて塗布した部分の皮溝密度の数値が同等以下であった(無効)
【0049】
7−2.肌荒れの改善試験
下肢に肌荒れを有する中高年女性10名を被試験対象として、実施例2乃至5の化粧品及び比較例2乃至5の化粧品をそれぞれ、左右の下肢の異なる場所に、入浴後に約1g/1回/1日、塗布した。
試験実施前と1ヵ月後の塗布した箇所の皮膚の状態により、以下の判定基準を用いて、皮膚の剥離状態と水分状態の観点から試験結果の判定を行った。
7−2−1.皮膚剥離の判定基準及び有効性の判断
試験実施前後の皮膚の剥離の状態を以下の判定基準で判断した。
0:剥離なし 1:剥離軽度 2:剥離中程度 3:剥離重度
上記判定により、試験実施後の判定が実施前より1段階改善されたものを「やや有効」とし、2段階以上改善されたものを「有効」とし、同レベル又は悪化したものは「無効」とした。
7−2−2.水分状態の判定基準
1ヶ月後の皮膚の水分状態(保湿性)を保湿計によって測定し、下記基準により判定を行った。
<水分状態の判定基準>
++:塗布した部分の保湿性が試験実施前より5%以上増加した(著効)
+ :塗布した部分の保湿性が試験実施前より2〜5%増加した(有効)
± :塗布した部分の保湿性が試験実施前より0〜2%増加した(やや有効)
− :塗布した部分の保湿性が試験実施前と同等以下であった(無効)
【0050】
7−3.試用による評価試験
中高年女性を対象に、一重盲検にて、実施例2乃至5の化粧品並びに比較例2乃至5の化粧品の評価試験を行った。なお各化粧品の被試験者は10名ずつとした。評価は被試験者に対するアンケートで、「滑らかさ」、「肌理の細かさ」の2項目を、使用前と1ヶ月使用後に回答を得た。
得られた回答より、試験結果の判定は、下記判定基準により行った。
++:使用前に比べて改善した(有効)
+ :使用前に比べてやや改善した(やや有効)
± :使用前に比べて同等以下だった(無効)
【0051】
【表4】


【0052】
【表5】


【0053】
【表6】


【0054】
【表7】


【0055】
表4乃至表7に示すように、試作品2、試作品3又は試作品4(試作品2と試作品3の等量混合物)を含有する実施例2乃至5の化粧品は、試作品2乃至4を含有しない比較例
2乃至5の化粧品と比べて皮溝密度の状態を顕著に改善した。
また、実施例2乃至5の化粧品は肌荒れ改善試験においても有効性がほぼ顕著であるとする結果が得られ、試用による評価試験においても改善効果が顕著に認められたとする試験結果が得られた。
一方、比較例2乃至5の化粧品は、肌荒れ改善試験、試用による評価試験のいずれにおいて改善効果が殆ど認められず、試作品2乃至4を含んだ化粧品の有効性が明らかとなった。
【0056】
なお、以上の実施例1乃至5では、有効成分として試作品1(DNA塩分解生成物)、試作品2(DNA及びヌクレオプロテイン分解生成物)、試作品3(RNA分解生成物)及び試作品4(試作品2と試作品3の混合物)を使用したが、試作品1乃至試作品4の代わりに、それらから分離・精製したデオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド又はモノヌクレオチドを単独で又は組み合わせて使用しても、試作品1乃至試作品4を使用した場合と同様に効果が認められた。
【0057】
すなわち本実施例から、デオキシオリゴヌクレオチド等(デオキシオリゴヌクレオチド、デオキシモノヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、モノヌクレオチドのうち少なくとも一種)を含有する製剤には、肌状態(水分量、皮脂量、皮溝密度、しわ)の改善効果を有することが認められた。特に皮溝密度が改良したとする試験結果は、デオキシオリゴヌクレオチド等が細胞再生又は細胞活性化能を有することを裏付ける結果であるといえる。
【0058】
以下に、上記試作品1乃至試作品4を用いた化粧品の処方例を、実施例6乃至8として示す。なお、ここで記載した「試作品(類)」とは、試作品1乃至3を其々単独で、或いは試作品2と試作品3の当量混合物(試作品4)から選択されるいずれかの意味を表すものとする。
いずれの実施例においても肌の水分量及び皮脂量の改善並びに皮溝密度の状態を改良し、しわの減少効果を有することが認められ、試用によってその効果を認めることができた。
肌の滑らかさ及び肌理の細かさを改善する効果を有することが認められた。
【0059】
実施例6:コールドクリーム
【表8】


<製造方法>
精製水に試作品(類)、石鹸粉末を加え加熱溶解して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を撹拌しながら徐々に加え、終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よく撹拌しながら30℃まで冷却し、コールドクリームを調製した。
【0060】
実施例7:クレイパック
【表9】


<製造方法>
1,3−ブチレングリコール、グリセリン、セスキステアリン酸PEG−20セチルグルコース、キサンタンガム、防腐剤、精製水を混合・撹拌して全体を均一とした。
これをホモミキサーで撹拌しながら、試作品(類)及びカオリンを加え、全体を均一とし、さらにエタノールを加えて撹拌・混合し、クレイパックを調製した。
【0061】
実施例8:ファンデーション
【表10】


<製造方法>
オレイン酸グリセリン、ジイソステアリン酸トリグリセリル、シクロヘキサンジオクチル、セチルアルコール、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、トリメチルシロキシケイ酸液、タルク及び酸化鉄を加熱溶解し、混合した(A)。グリセリン、硫酸マグネシウム及び精製水を混合して加熱し、(A)を加えて混合した後冷却した。ここに試作品(類)を精製水に溶解して加え、次に殺菌剤及び香料を加えて、ベースファンデーションを調製した。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、DNAのヌクレアーゼ処理品(分解生成物)の、HPLCによるデオキシオリゴヌクレオチドの分析例を示す図である。
【図2】図2は、30代被験者の試験実施前と試験開始4週間後の肌状態の変化を示す撮影画像である。
【図3】図3は、50代被験者の試験実施前と試験開始4週間後の肌状態の変化を示す撮影画像である。
【図4】図4は、水分量及び皮脂量の試験結果と各年代の平均値を示す図である。
【図5】図5は、皮溝密度及びしわの試験結果と各年代の平均値を示す図である。
【図6】図6は、ヌクレオプロテインのヌクレアーゼ処理品(分解生成物)の、HPLCによるデオキシオリゴヌクレオチドの分析例を示す図である。
【図7】図7は、RNAのヌクレアーゼ処理品(分解生成物)の、HPLCによるオリゴヌクレオチドの分析例を示す図である。
【出願人】 【識別番号】598043054
【氏名又は名称】日生バイオ株式会社
【出願日】 平成18年12月21日(2006.12.21)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫

【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫

【識別番号】100080908
【弁理士】
【氏名又は名称】舘石 光雄

【識別番号】100093193
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 壽夫

【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉

【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫

【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏

【識別番号】100093414
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 祐輔


【公開番号】 特開2008−63315(P2008−63315A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−344971(P2006−344971)