| 【発明の名称】 |
ソフトカプセルおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】森 伸夫
|
| 【要約】 |
【課題】カプセルに内包する医薬品、化学品、健康食品などには何の影響も与えることなく、製造が簡単であり、製造コストも高くつくことのないソフトカプセル、およびその製造方法を提供する。
【構成】この発明のソフトカプセルは、ゼラチンを主成分とし、微小気泡が任意量混入されたカプセル皮膜に、各種の内容物を内包したものとしている。この発明のソフトカプセルの製造方法は、ゼラチンをグリセリンと共に精製水に加温溶解したゼラチン溶液に、混合装置において保温下で気泡を混入させ、この気泡を混入させたゼラチン溶液を用いてカプセル皮膜を形成し、このカプセル皮膜に内容物を内包するものとしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゼラチンを主成分とし、微小気泡が任意量混入されたカプセル皮膜に、各種の内容物を内包したことを特徴とするソフトカプセル。 【請求項2】 前記カプセル皮膜に着色剤を含有させたことを特徴とする請求項1記載のソフトカプセル。 【請求項3】 ゼラチンをグリセリンと共に精製水に加温溶解したゼラチン溶液に、混合装置において保温下で気泡を混入させ、この気泡を混入させたゼラチン溶液を用いてカプセル皮膜を形成し、このカプセル皮膜に内容物を内包することを特徴とするソフトカプセルの製造方法。 【請求項4】 前記ゼラチンを100重量部、グリセリンを20〜40重量部、精製水を90〜120重量部としたことを特徴とする請求項3記載のソフトカプセルの製造方法。 【請求項5】 前記気泡が、空気または窒素ガスによるものであることを特徴とする請求項3記載のソフトカプセルの製造方法。 【請求項6】 前記気泡の混入量が、40〜60容量部であることを特徴とする請求項3記載のソフトカプセルの製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、医薬品、化学品、健康食品などを内包するのに用いられるソフトカプセルおよびその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 医薬品、化学品、健康食品などには、光安定性に劣るものが多々存在するが、これらを通常のソフトカプセルに内包するだけでは、長期に渡って安定性を維持させるのは困難であるという問題があった。 【0003】 また、前記医薬品、化学品、健康食品などには、そのものの色彩が黒茶色、黒紫色などの暗色を呈しているものがあるが、人によってはこのような色彩に対して不快感を覚えることがある。しかし、このような不快な色彩をした内容物を通常のソフトカプセルに内包するだけでは、マスキングすることができず、その不快感は解消することができないという問題があった。 【0004】 そこで従来、このような光安定性に劣る医薬品、化学品、健康食品などを長期に渡って安定性を維持させるためや、これら物品の色彩に対する不快感を解消するために、カプセル皮膜中に、光を吸収する染料として食用黄色5号を均一に分散させてなるソフトカプセル(特許文献1)や、カプセル皮膜に二酸化チタンなどの不透明化剤を含有させてなるソフトカプセル(特許文献2)が存在する。 【特許文献1】特開昭55−22645号公報 【特許文献2】特開昭61−246128号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記従来のソフトカプセルでは、カプセル皮膜に光を吸収する染料や不透明化剤を含有させるため、カプセルに内包する医薬品、化学品、健康食品などの効能や味覚に影響を与えることがあるという課題を有していた。 【0006】 さらに、上記従来のソフトカプセルでは、カプセル皮膜に含有させる前記染料や不透明化剤が不溶性である場合が多いため、カプセル皮膜に均一に分散させにくかったり、混練させにくかったりするため、製造に手間がかかると共に、製造コストも高くつくという課題を有していた。 【0007】 そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、カプセルに内包する医薬品、化学品、健康食品などには何の影響も与えることなく、製造が簡単であり、製造コストも高くつくことのないソフトカプセル、およびその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 そのため、この発明のソフトカプセルは、ゼラチンを主成分とし、微小気泡が任意量混入されたカプセル皮膜に、各種の内容物を内包したものとしている。 【0009】 さらに、この発明のソフトカプセルは、前記カプセル皮膜に着色剤を含有させたものとしている。 【0010】 また、この発明のソフトカプセルの製造方法は、ゼラチンをグリセリンと共に精製水に加温溶解したゼラチン溶液に、混合装置において保温下で気泡を混入させ、この気泡を混入させたゼラチン溶液を用いてカプセル皮膜を形成し、このカプセル皮膜に内容物を内包するものとしている。 【0011】 そして、この発明のソフトカプセルの製造方法では、前記ゼラチンを100重量部、グリセリンを20〜40重量部、精製水を90〜120重量部としたものとしている。 【0012】 さらに、この発明のソフトカプセルの製造方法では、前記気泡が、空気または窒素ガスによるものとしている。 【0013】 さらに、この発明のソフトカプセルの製造方法では、気泡の混入量が、40〜60容量部であるものとしている。 【発明の効果】 【0014】 この発明は、以上に述べたように構成されているので、カプセルに内包する医薬品、化学品、健康食品などには何の影響も与えることのないものとなり、また製造も簡単になり、製造コストも高くつくことのないものとなった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、この発明の実施の形態を詳細に説明する。 【0016】 先ず、この発明のソフトカプセルは、ゼラチンを主成分とし、微小気泡が任意量混入されたカプセル皮膜に、各種の医薬品、化学品、健康食品などの内容物を内包したものとしている。 【0017】 この発明において、ゼラチンを主成分とするとは、カプセル皮膜を形成するのに必要なゼラチン量を含有していることをいい、可塑剤等(グリセリンやソルビトール等)を配合してもよいことはいうまでもない。 【0018】 この発明では、カプセル皮膜に微小気泡が任意量混入されることにより、カプセル皮膜の透光度が低下して、カプセル皮膜が不透明となるが、カプセル皮膜への微小気泡の混入量の調節によって、カプセル皮膜を半透明にしておくこともできる。 【0019】 この発明において、各種の医薬品、化学品、健康食品などの内容物は、粉粒体や液体からなるものが用いられ、また光安定性に劣るものや不快な色彩をしたものを選択して用いることができるが、光安定性に劣らないものや、不快な色彩をしていないものを用いてもよいことはいうまでもない。 【0020】 さらに、この発明において、カプセル皮膜には、必要に応じて、カラメル色素、アナトー色素、イカ墨色素などの着色剤を併せて含有させてもよく、この場合にはカプセル皮膜に任意量混入された微小気泡により変色した乳白色と、着色剤のそのものの色とが混ざった色となって、内容物のマスキング効果がより期待できる。 【0021】 次に、この発明のソフトカプセルの製造方法は、ゼラチンをグリセリンと共に精製水に加温溶解したゼラチン溶液に、混合装置において保温下で気泡を混入させ、この気泡を混入させたゼラチン溶液を用いてカプセル皮膜を形成し、このカプセル皮膜に内容物を内包して成型し、さらに乾燥するものとしている。 【0022】 前記製造方法において、カプセル皮膜を形成するには、例えば図1に示したような工程で、ゼラチン100重量部(wt%)を、グリセリン20〜40重量部(wt%)と共に、精製水90〜120重量部(wt%)に、70±5℃で加温溶解したゼラチン溶液に、混合装置において50±3℃の保温下で、窒素ガス気流下において気泡を混入させ、この気泡を混入させたゼラチン溶液を用い、ソフトカプセル成型機のスプレーラボックス(S.P.BOX)で皮膜化した。この場合、窒素ガス気流下でなく、空気の気流下において気泡を混入させてもよく、また気泡を混入量が、40〜60容量部(v/v%)になるようにするのが好ましい。 【0023】 前記気泡を混入させたゼラチン溶液の具体的な処方について述べると、ゼラチン20kg、グリセリン7kg、精製水18kgを、1000リットルの攪拌機付き溶解釜に投入し、約2時間加熱溶解しながら溶解釜の攪拌機を運転し(攪拌機の運転時間は約50分)、この攪拌機の攪拌羽で気泡を巻き込み、白色のゼラチン溶液約45kgを得た。 【0024】 このようにして得たゼラチン溶液は、微小気泡が多数混入されているため、通常のゼラチン溶液の二倍の体積になった。 【0025】 前記製造方法において、内容物を調製するには、例えば図2に示したような工程で、サフラワー油に精製ミツロウを加え、65±5℃で加温溶解後、25〜30℃に冷却し、ビタミンE(理研Eオイル710)、大豆レシチン、落花生油、無臭ゴマ油、多糖体エキス末、クロレラ粉末、ウコギ科植物末、梅肉エキス末、無臭ニンニク末を加えて、ホモミキサーで30分間混合攪拌し、これをコロイドミル(50メッシュ)で篩過し、減圧脱気して、小分け保管する。 【0026】 前記製造方法において、カプセル皮膜に内容物を内包して成型するには、例えば図3に示したようなソフトカプセル成型機において、皮膜厚を0.85±0.05mm、生皮膜重量を280±10mgとしたカプセル皮膜に、内包量を350±10mgとした内容物を内包して成型する。そして、成型したカプセルを乾燥するには、タンブラーにおいて乾燥温度25〜27℃、相対湿度50%以下、乾燥時間72時間で予備乾燥し、さらに乾燥室において乾燥温度27〜33℃、相対湿度45±5%、乾燥時間72時間で本乾燥する。 【0027】 以上のようにして製造されたこの発明のソフトカプセルは、カプセル皮膜に微小気泡が多数混入されているだけなので、カプセルに内包する医薬品、化学品、健康食品などの効能や味覚等に影響を与えることはない。 【0028】 さらに、この発明のソフトカプセルは、カプセル皮膜への微小気泡の混入量を調節することによって、そのカプセル皮膜の透明の度合いを変えることができ、カプセルに内包する医薬品、化学品、健康食品などの物品に応じた不透明度にすることができる。 【0029】 また、この発明のソフトカプセルは、カプセル皮膜に微小気泡が混入されることにより、カプセルの崩壊時間の遅延および硬膜化を防止することが推測され得る。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】この発明のソフトカプセルの製造方法におけるカプセル皮膜を形成するための工程図である。 【図2】この発明のソフトカプセルの製造方法における内容物の調製をおこなうための工程図である。 【図3】この発明のソフトカプセルの製造方法においてカプセル皮膜に内容物を内包して成型するためのソフトカプセル成型機の概略図である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】399127603 【氏名又は名称】株式会社日健総本社
|
| 【出願日】 |
平成18年9月11日(2006.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072213 【弁理士】 【氏名又は名称】辻本 一義
【識別番号】100119725 【弁理士】 【氏名又は名称】辻本 希世士
【識別番号】100129975 【弁理士】 【氏名又は名称】上野 康成
|
| 【公開番号】 |
特開2008−63313(P2008−63313A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−245930(P2006−245930) |
|