| 【発明の名称】 |
鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】関 令二
【氏名】上村 良二
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| 【要約】 |
【課題】新規な鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤の提供。
【構成】(A)一般式(I) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)一般式(I) 【化1】
で示される塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(式中、R1とR2はいずれもアルキル基であり、同一または異っていてもよい)、 (B)一般式(II) 【化2】
で示されるハロゲン化フェノール系化合物(式中Rはアルキル基又はアリール基であり、Xはハロゲン元素である) および (C)o−ジクロロベンゼン を必須成分として含有することを特徴とする鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤。 【請求項2】 塩化ジアルキルジメチルアンモニウムが塩化ジデシルジメチルアンモニウムである請求項1記載の鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤に関する。 【背景技術】 【0002】 現在、一般的に細菌等に対する消毒効果試験は所定の条件、すなわち水質、感作時間等のほか、感作温度として常温(20〜25℃)における実験が行われている。 しかしながら実際に野外使用では糞尿・血液等の有機物の存在、感作温度の低さなど、その条件は複雑であり、一方、殺菌消毒効果は感作温度が高いほど殺菌消毒効果は高く、反対に温度の低くなるほど効果は低下し、特に本発明の対象である鳥インフルエンザウイルスの場合、発生流行しやすい寒冷期における使用では、殺菌消毒剤そのものの低温条件に対する感作性の強さが大きな要因なるものと考えられる。 現時点において鳥インフルエンザ対策として広く使用されている塩化ジデシルジメチルアンモニウムを主剤とする動物用殺菌消毒についても低温条件及び有機物の存在下において消毒効果が著しく減弱することが報告されている。 このような背景の中で、本出願人の保有する特許文献1にかかるアイメリア属の原虫性の内寄生虫であるコクシジウムにより発症する動物のコクシジウム症予防殺菌消菌剤が鳥インフルエンザウイルス対して今まで開発されていた試薬に較べて抜群の殺ウイルス効果を挙げることを見出したのである。 【0003】 【特許文献1】特許第2598774号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、新規な鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤に関する。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明の第1は、 (A)一般式(I) 【化3】
で示される塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(式中、R1とR2はいずれもアルキル基であり、同一または異っていてもよい)、 (B)一般式(II) 【化4】
で示されるハロゲン化フェノール系化合物(式中Rはアルキル基又はアリール基であり、Xはハロゲン元素である) および (C)o−ジクロロベンゼン を必須成分として含有することを特徴とする鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤に関する。 本発明の第2は、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムが塩化ジデシルジメチルアンモニウムである請求項1記載の鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤に関する。 【0006】 本発明で使用する一般式(I)におけるアルキル基は、直鎖でも分岐でもよく、とくに制限はないが、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシルのノルマル型やイソ型の炭素数8〜16のアルキル基が好ましい。 【0007】 本発明で、使用する一般式(II)で示されるハロゲン化フェノール系化合物は、フェノールの任意の箇所(o−、m−あるいはp位)にハロゲンおよびアルキル基あるいはアリール基が置換したものが使用できる。アルキル基としては、とくに制限はないが通常炭素数1〜4程度の低級アルキル基が好ましい。アリール基としては置換基を有することもあるフェニル基(たとえばフェニル、キシリルなど)、ジフェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、ハロゲンとしては塩素および臭素を挙げることができる。この化合物の1例として4−クロロ−3−メチルフェノール(p−クロロ−m−クレゾール)あるいはクロロ−o−フェニルフェノールが挙げられる。 【0008】 本発明における前記(A)、(B)、(C)の混合比率は、とくに制限はないが、全製剤成分を基準にして通常、(A)約8〜20重量%、(B)約1〜10重量%、(C)約55〜75重量%の割合で使用する。 【0009】 また、これら各成分を必須成分とする本発明の鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤は、種々の剤型で使用することができるが、乳剤の形で使用するのがもっとも好ましい。そして、これを乳剤として用いる場合は、水中で安定な乳化をうるに最適な界面活性剤を加え、必要により更に助溶剤、浸透助剤、安定剤等を配合することができる。 【発明の効果】 【0010】 (1)特許第2598774号にかかるコクシジウム症予防殺菌消毒剤が鳥インフルエンザに有効であることを発見した。 (2)塩化ジデシルジメチルアンモニウム(A)単独の場合に較べて、(A)、(B)、(C)併用の場合は低温および有機物存在下における殺ウイルス効果が高い。 【実施例】 【0011】 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。 【0012】 (A)、(B)、(C)の化合物よりなる本発明の消毒剤と実質的に(A)成分のみからなる消毒剤(本出願人の製品および他社商品甲)について、鳥インフルエンザウイルス不活化効果を調べた。試験では野外での使用条件を想定し、有機物添加時の効果、凍結融解後の効果、低温下における効果をそれぞれ調べた。 使用した薬剤の種類と濃度は下記のとおりである。 (1)実施例1 (A)塩化ジデシルジメチルアンモニウム(80wt%) 15g (B)クロルクレゾール 5g (C)オルトジクロロベンゼン 70g (D)乳化剤(ポリオキシエチレンヒマシ油) 10g 合計 100g (2)比較例1 (A)塩化ジデシルジメチルアンモニウム(80wt%) 12.5g (E)粘度低下剤(イソプロピルアルコール) 8.0g (F)その他 合計 100ml (3)比較例2 塩化ジデシルジメチルアンモニウム10gを含む他社商品「甲」 100ml 【0013】 試験方法 〔使用ウイルス〕 弱毒鳥インフルエンザウイルスR(A/duck/Mongolia/54/01−A/duck/Mongolia/47/01)(H5N1)株。ウイルスは発育鶏卵に接種後、尿液を回収し試験に供した。ウイルス感染価(EID50)は発育鶏卵を用いて測定した。 〔有機物材料〕 北海道大学大学院獣医学研究科内の動物飼育施設で飼育されている鶏の糞を採取し、試験に用いた。 〔有機物存在下における消毒薬の効果試験〕 消毒薬はPBS(Phosphate Buffer Solutionの略で、リン酸2水素ナトリウムとリン酸水素2ナトリウムより得られたもの)で希釈した。ウイルス液、鶏糞はすべてPBSを用いて希釈した。希釈したすべての溶液は使用まで氷中で保存した。107EID50に希釈したウイルス液0.25mlと等量の鶏糞溶液をまず混和した。次にこの混合液0.5mlと同量の希釈済み消毒薬を混和した。この混合溶液1mlを恒温層内で25℃10分間反応させた。反応溶液は3個の10日齢発育鶏卵に0.1mlずつ接種した。35℃で48時間培養後、尿液中のHA価を測定した。3個すべての卵でウイルス増殖が認められなかった消毒薬の希釈倍数から、ウイルス不活化に有効な消毒薬の最大希釈倍数を求めた(HA価とはウイルス生存量の指標である)。 なお、本発明に関するウイルスはパラミクソウイルスに属する鳥インフルエンザウイルスである。 その結果を下記表に示す。 【0014】 【表1】
有機物が存在しない条件で25℃10分間反応させたところ、各消毒薬の有効最大希釈倍数は、比較例1のものは3200倍、実施例1のものは6400倍、比較例2のものは3200倍であった。 有機物の存在下における各消毒薬の効果は、有機物の濃度に比例して減弱していた。 【0015】 〔凍結融解を繰り返した消毒薬の効果試験〕 消毒薬はPBSで希釈した。希釈した消毒薬は凍結融解を5回繰り返した後に試験に供した。ウイルス液はすべてPBSを用いて希釈した。希釈したすべての溶液は使用まで氷中で保存した。107EID50に希釈したウイルス液0.25mlと等量のPBSをまず混和した。次にこの混合液0.5mlと同量の希釈した消毒薬を混和した。この混合溶液1mlを恒温層内で25℃10分間反応させた。反応溶液は3個の10日齢発育鶏卵に0.1mlずつ接種した。35℃で48時間培養後、尿液中のHA価を測定した。3個すべての卵でウイルス増殖が認められなかった消毒薬の希釈倍数から、ウイルス不活化に有効な消毒薬の最大希釈倍数を求めた。 その結果を下記表に示す。 【0016】 【表2】
凍結融解の繰り返しはその消毒効果に影響を及ぼさないことがわかった。 【0017】 〔低温下における消毒薬の効果試験〕 消毒薬はPBS、または最終濃度が0.1%となるようにNaOHを添加したPBSで希釈した。ウイルス液はすべてPBSを用いて希釈した。希釈したすべての溶液は使用まで氷中で保存した。107EID50に希釈したウイルス液0.25mlと等量のPBSをまず混和した。次にこの混合液0.5mlと同量の希釈した消毒薬を混和した。この混合溶液1mlを恒温層内で5℃10分間反応させた。反応溶液は3個の10日齢発育鶏卵に0.1mlずつ接種した。35℃で48時間培養後、尿液中のHA価を測定した。3個すべての卵でウイルス増殖が認められなかった消毒薬の希釈倍数から、ウイルス不活化に有効な消毒薬の最大希釈倍数を求めた。 その結果を下記表に示す。 【0018】 【表3】
【0019】 考察 実施例1および比較例1の鳥インフルエンザウイルス不活化効果を調べるにあたり、野外での使用条件を想定し、有機物添加時の効果、凍結融解後の効果、低温下における効果をそれぞれ調べた。有機物の添加により消毒効果は減弱するものの、いずれの薬剤も充分な消毒効果を示した。低温下における試験では塩化ジデシルメチルアンモニウムを主成分とする比較例1の消毒効果の減弱が著しかった。逆に本発明の実施例1は低温下でも十分な効果を示した。凍結融解は消毒効果には影響がなかった。 以上より、今回試験に供した消毒薬は、用途に応じて適切な濃度で使用することにより鳥インフルエンザウイルスを不活化できることがわかった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390004673 【氏名又は名称】田村製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月11日(2006.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094466 【弁理士】 【氏名又は名称】友松 英爾
【識別番号】100116481 【弁理士】 【氏名又は名称】岡本 利郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−63304(P2008−63304A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−245193(P2006−245193) |
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