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【発明の名称】 角栓除去剤
【発明者】 【氏名】浅岡 健太郎

【氏名】森川 利哉

【氏名】日高 由季

【要約】 【課題】皮脂との相溶性が良好で、角栓除去性に優れ、事前洗顔せずに、また待ち時間をとることなく角栓を除去することができる角栓除去剤の提供。

【構成】皮脂と相溶性のあるポリオール又はポリオールエーテルを2〜30質量%含有する角栓除去剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮脂と相溶性のあるポリオール又はポリオールエーテルを2〜30質量%含有する角栓除去剤。
【請求項2】
更に糖類を含有する請求項1記載の角栓除去剤。
【請求項3】
ポリオール又はポリオールエーテルが、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量600以下のポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の角栓除去剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は毛穴に形成された角栓を良好に除去することができる角栓除去剤に関する。
【背景技術】
【0002】
角栓は、毛穴内で皮脂やたんぱく質等が汚れとともに固体状となって形成され、これを放置することは、毛穴の目立ちのみならず、肌の種々のトラブルをひき起こす。従って、角栓を除去することが、美容上及び肌の健康上好ましいが、皮膚表面の汚れに比べて除去しにくい。
【0003】
かかる角栓を簡便に除去できる角栓除去剤が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載されているように、被膜形成性化粧料を不織布等に保持させたシートタイプが近年の主流であり、鼻に水をつけてシートを貼り、乾燥後剥離するという使用方法が用いられている。この方法は非常に効果的に角栓を除去できる反面、あらかじめ水を鼻につける必要があり、またシートが乾燥するまで10分程度待たなければならず、簡便性に若干問題がある。
【0004】
水をつける必要がなく、待ち時間も短い粘着シートタイプの角栓除去剤として、特許文献2にはオルガノシロキサン系ポリマーを含有する角栓除去用粘着シートが、特許文献3及び4にはアクリル系ポリマーを含有する角栓除去用粘着シートが開示されている。しかしこれらの粘着性ポリマーのみでは皮脂との相溶性が乏しく、角栓除去性が十分満足できるものではない。
【特許文献1】特開平11−12127号公報
【特許文献2】特開平10−101527号公報
【特許文献3】特開平09−249526号公報
【特許文献4】特開平09−194325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に鑑み、角栓をより簡便に除去でき、除去する際に待ち時間が短く、処理後に手に除去剤が残らず、事前の洗顔が不要であり、肌に優しく、かつ除去できた角栓が確認できる効果感がある角栓除去剤が求められている。
【0006】
従って、本発明の課題は、皮脂との相溶性が良好で、角栓除去性に優れ、事前洗顔せずに、また待ち時間をとることなく角栓を除去することができる角栓除去剤、とりわけ、使用時に水を要しない粘着型の角栓除去剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
角栓除去能を向上させるためには、角栓除去剤の角栓への粘着性を高めることが望ましい。本発明者らは、種々の粘着剤の角栓への粘着性が、特定のポリオール又はポリオールエーテルにより向上することを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、皮脂と相溶性のあるポリオール又はポリオールエーテルを2〜30質量%含有する角栓除去剤を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の角栓除去剤は、事前洗顔せずに肌に貼布し、即座に剥離するだけで角栓を良好に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明において、皮脂と相溶性のあるポリオール又はポリオールエーテルとは、角栓を構成する皮脂成分、特に高融点の脂肪酸と相溶性のあるポリオール又はポリオールエーテルを指す。
【0011】
本発明に用いられる、ポリオールもしくはポリオールエーテルとしては、炭素数3〜6のグリコール類、ポリエチレンオキサイド等のポリオール;エチレングリコールモノアルキルエーテル類(アルキル基の炭素数1〜6)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類(アルキル基の炭素数1〜6)等のポリオールエーテルが挙げられる。これらの中では、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量600以下のポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる少なくとも1種が好ましく、1,3−ブチレングリコール、平均分子量200〜400のポリエチレンオキサイド、ジエチレングリコールモノエチルエーテルがより好ましい。
【0012】
本発明の角栓除去剤中の皮脂と相溶性のあるポリオール又はポリオールエーテルの含有量は、角栓除去剤の延展性を高める観点から、2〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。
【0013】
本発明の角栓除去剤は、角栓への粘着性を発揮する基剤として、種々の物質を用いることができる。特に、肌への粘着力を高め、毛穴に侵入しやすくし角栓除去効果をあげる観点から、糖類を含有することが好ましい。糖類としては、グルコース、ソルビトール、キシリトール、アラビノース、リボース、キシロース、フルクトース、フコース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、ソルボース等の単糖類;スクロース、マルトース、ラクトース、ラクトロース、メルビオース、トレハロース、ジフルクトース、パラチノース等の二糖類;マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース等のマルトオリゴ糖;ラフィノース、分岐オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、カップリング・シュガー、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、還元デンプン糖化物等のオリゴ糖類が挙げられる。これらの中では、グルコース、フルクトース、フコース、ガラクトース等の単糖類、スクロース、マルトース等の二糖類、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース等のマルトオリゴ糖類が好ましい。これらの糖類は1種又は2種以上を混合して用いることができ、単糖類及び二糖類から選ばれる少なくとも1種と、オリゴ糖類から選ばれる少なくとも1種とを併用することが好ましい。角栓除去剤中の糖類の含有量は0.01〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。
【0014】
本発明の角栓除去剤は、皮膚に対する親和性を上げ、毛穴に侵入しやすくし角栓除去効果をあげる観点から、更にポリマーを含有することが好ましい。ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸共重合体又はそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成系水溶性ポリマー、デキストラン、プルラン、カラギーナン、アガロース、デンプン、ゼラチン等の天然系水溶性ポリマー等が挙げられ、ポリアクリル酸又はその塩、ポリビニルピロリドン、デキストラン、プルランが好ましい。ポリマーの重量平均分子量は、メーカーカタログ記載値で10,000〜50,000,000が好ましく、50,000〜10,000,000がさらに好ましい。
【0015】
本発明の角栓除去剤中のポリマーの含有量は、角栓除去剤のハンドリングを向上させる観点から、0.01質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、角栓除去剤が剛性になるのを防止する観点から、16質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
【0016】
本発明の角栓除去剤は、ハンドリング性を向上させる観点から、粉体を含有することが好ましい。粉体としては、無機粉体、有機粉体のいずれも用いることができる。
【0017】
無機粉体としては、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、タルク、カオリン、ゼオライト、ステアリン酸亜鉛、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、活性炭等が挙げられる。有機粉体としては、ポリスチレン粒子、PMMA粒子、シリコーン粒子等のポリマー粒子等が挙げられる。本発明の角栓除去剤中の粉体の含有量は、20質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
【0018】
本発明の角栓除去剤は、水分の揮発を抑制する目的で保湿成分を含有してもよい。保湿成分としてはグリセリン等が挙げられる。本発明の角栓除去剤中の保湿成分の含有量は、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。
【0019】
本発明の角栓除去剤は、これらの成分以外に必要に応じて界面活性剤、油剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、薬効成分、着色剤、顔料、香料など、通常化粧料に用いられる成分を本発明の効果が損なわれない範囲で適量添加してもよい。
【0020】
本発明の角栓除去剤は、上記成分と水を含有し、ペースト状であることが好ましい。本発明の角栓除去剤中の水の含有量は、貼付性、剥離性、及び皮膚洗浄効果の観点から5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%が更に好ましい。なお、この場合の水の含有量は、糖の水和水も含めた値である。
【0021】
本発明の角栓除去剤は、それ自体の粘着性が強いので、使用時に予め皮膚の適用部位を水で濡らしておくことなく、角栓を除去することができる。
【0022】
本発明の角栓除去剤は、皮膚に例えば500gf/cm2以上の力で押しつけ、その後剥離することにより角栓を除去することができる。
【0023】
本発明の角栓除去剤は、皮膚に押しつけた後に、硬化等の反応を行わないため速やかに剥離させることができ、このため、押しつける時間は10秒以下で十分である。より皮膚洗浄効果を上げたい場合には、毛穴への剤の侵入を促進する目的で押しつける時間を延長してもよく、あるいはドライヤーなどを用いて温めてもよい。
【0024】
本発明の角栓除去剤は、シートに付着させずに直接指等につけ、それを皮膚に押しつけた後に剥離する方法で使用することができる。また、チューブ又はスティック状の形態として、容器から適量を絞り出し、皮膚に押しつけ、剥離することで使用することができる。更に綿布、スフ布、テトロン、ナイロン等の織布又は不織布やプラスチックシート等に塗布したシート形態とすることもできる。
【0025】
本発明の角栓除去剤は、上記各成分を混合し、必要により加熱して均一に溶解させることにより得られる。特に糖を含有する場合には、糖の溶解速度を促進させるため100℃以上に加熱することが好ましく、110℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。また、加熱による糖の着色を抑制する観点より180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましい。
【0026】
なお、糖以外の配合成分のうち、熱に対して安定性の悪い成分、特にポリオール又はポリオールエーテル、ポリマー等は、他の成分を加熱溶解した後に、室温〜80℃程度の温度に冷却してから添加するのが好ましい。
【実施例】
【0027】
以下の記載において、%は特記しない限り質量%である。
【0028】
実施例1〜5、比較例1〜2
表1に示す組成を有する角栓除去剤を下記方法で調製した。
【0029】
<角栓除去剤の調製法>
糖類、無機粉体及び水を500mlセパラブルフラスコに入れ、窒素置換し、撹拌下140℃で1時間還流加熱し、室温(25℃)まで放冷して、液体ペーストを得た。
【0030】
250mlのハイブリッドミキサー(HM−500、キーエンス(株)製)用のカップに、糖類、無機粉体、及び水以外の成分を入れ、上記液体ペーストを添加し、5分間撹拌した(公転2000r/min、自転800r/min)。その後撹拌しながら(自転2200r/min)、10分間脱気し、300gの角栓除去剤を得た。
【0031】
得られた角栓除去剤について、下記方法で皮膚面の接着性、油面の接着性及び角栓除去性を評価した。これらの結果、並びに角栓除去剤の形状を表1に示す。
【0032】
<皮膚面の接着性評価法>
ビオレ洗顔フォーム(花王(株)製)で洗浄した人工皮革(グレージングした牛革)を人工皮膚として用いた。ハンディフォース(日本計測システム社製、センサーの面積:1.73cm2)の力学感知センサー上に、両面テープを介して固定した角栓除去剤0.5gを、人工皮膚表面に、約1kgfの力を加えて圧着させた。その直後に約10cm/sの速度で人工皮膚表面に対して垂直に角栓除去剤を剥離させ、最大荷重値(N/cm2)を皮膚面の接着性として評価した。
【0033】
<油面の接着性評価法>
人工皮革4cm2上にスクワラン1滴を滴下し、その後塗布したものを皮脂が浮いている人工皮膚として用いた。スクワランを塗布してから10分後の人工皮膚表面に、ハンディフォース(日本計測システム社製、センサーの面積:1.73cm2)の力学感知センサー上に両面テープを介して固定した角栓除去剤0.5gを、約1kgfの力を加えて圧着させた。その直後に約10cm/sの速度で人工皮膚表面に対して垂直に角栓除去剤を剥離させ、最大荷重値(N/cm2)を油面の接着性として評価した。この評価は皮脂が浮いている肌に対する粘着力の指標で、耐皮脂性の指標である。
【0034】
<角栓除去性の評価法>
角栓除去剤を0.5g手に取り、洗顔後最低1時間経過後の肌に貼布し、約1kgfの荷重で押し付け、約10cm/sの速度で肌から垂直に剥離する操作を20回繰り返した。角栓除去率を下記式(I)で求め、20回の平均値で示した。
【0035】
【数1】


【0036】
【表1】


【0037】
*1 マルトース1水和物:和光純薬工業(株)製
*2 フジオリゴ450:マルトテトラオース約50%含有シロップ、固形分72%以上、日本食品化工(株)製
*3 ジエチレングリコールモノエチルエーテル:エチルカルビトールNS、日本乳化剤(株)製
*4 ポリエチレンオキサイド:PEG−200、平均分子量200
*5 ポリアクリル酸ナトリウム:アロンビスKSP、日本純薬(株)製、平均分子量500万
*6 無水ケイ酸・酸化チタン混合粉体:サイリシアCR50、三好化成(株)製。
【0038】
表1から明らかなように、本発明の角栓除去剤は皮膚面の接着性、油面の接着性とも良好であり、角栓除去率は5〜10%と、角栓が除去できたと認知できる除去力を示した。一方、比較の角栓除去剤は油面の接着性が低いため、皮脂が浮いた皮膚面(洗顔後最低1時間経過後の肌)では角栓除去率が低く、角栓除去性に劣っていた。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年9月8日(2006.9.8)
【代理人】 【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡

【識別番号】100076680
【弁理士】
【氏名又は名称】溝部 孝彦

【識別番号】100091845
【弁理士】
【氏名又は名称】持田 信二

【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌


【公開番号】 特開2008−63292(P2008−63292A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−244511(P2006−244511)