| 【発明の名称】 |
口腔用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】長尾 清香
【氏名】坂口 由洋
【氏名】苅谷 周司
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| 【要約】 |
【課題】白金ナノコロイドの水溶液から成る口腔用組成物において、白金ナノコロイドが保存中に凝集することがない安定性の高い口腔用組成物を提供する。
【構成】1〜5nmの平均粒子径を有する白金ナノコロイドとヒアルロン酸の塩と水とを含む口腔用組成物とする。口腔用組成物は、液体歯磨材、洗口剤,歯面塗布剤等に使用可能である。これらの組成物は必要に応じて例えば粘稠剤,界面活性剤,甘味剤,防腐剤,各種有効成分,色素,香料等が配合できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1〜5nmの平均粒子径を有する白金ナノコロイドと、ヒアルロン酸の塩と、水とを含む口腔用組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は抗酸化能を有する口腔用組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 歯の表面には主に細菌と細菌が作り出す多糖とからなる歯垢が付いており、その内部に蓄えられた酸が歯質のエナメル質を脱灰して齲蝕を発生させ、更に特定の菌により産生された毒素が歯肉炎,歯周炎,歯槽膿漏をもたらすといわれている。 【0003】 一方生体は、これらの細菌の感染及び侵襲に対して血球成分の一つである多形核白血球やマクロファージ等の生体防御反応を誘導する因子を動員して細菌の排除を行う免疫機構を持つ。免疫機構が働くと生体防衛反応として免疫細胞から活性酸素が放出され細菌等を死滅させるが、一方で活性酸素は周辺組織細胞をも破滅してしまうことが知られている。高濃度の活性酸素は粘膜組織を傷害するだけでなく疼痛,外科処置後の治癒不全,歯周病による歯周組織破壊、義歯性褥瘡の痛みや治癒の遅延,更には細胞DNAをも傷害するため口腔癌の高いリスクファクターの可能性が指摘されている。 【0004】 口腔内の活性酸素を除去するための組成物として、ヒアルロン酸の塩と抗酸化物質とを含む口腔用組成物があるが(特許文献1参照。)、アスコルビン酸,酢酸トコフェノール,カロテノイド等のビタミン類や,カテキン,ポリフェノール等の抗酸化物質は体内に存在しているとされる11種類の活性酸素の中で、それぞれがその中の1種類あるいは2〜3種類を除去することしかできない。例えば、アスコルビン酸はスーパーオキシドのみを除去して自身は抗酸化作用を持たないデヒドロアスコルビン酸へと変化してしまう。このように従来の抗酸化物質とヒアルロン酸の塩との組み合わせでは、特定の活性酸素は除去できるものの除去後に抗酸化作用を持たない物質へと変化してしまうのでその効果が限定的という問題があった。 【0005】 一方、従来から白金ナノコロイドに活性酸素を除去する能力があることが知られている(例えば、特許文献2参照)。白金ナノコロイドは白金の保有する触媒作用を利用して活性酸素を除去するため、それ自身が存在する限り何度でも活性酸素を除去することができる長所がある。また白金ナノコロイドは、スーパーオキシドアニオン,スーパーオキシドアニオンラジカル,過酸化水素,ヒドロキシラジカル,一重項酸素,過酸化脂質ラジカル,過酸化アルコールラジカル,一酸化窒素等様々な種類の活性酸素を除去する能力を有している。しかしながら従来の白金ナノコロイドを水溶液として用いると当該組成物においてその保存期間中に白金ナノコロイドが凝集してしまい活性酸素除去の効果が低下するという問題があった。 【特許文献1】特開平10−182390号公報 【特許文献2】国際公開第2005/023467号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、白金ナノコロイドの水溶液から成る口腔用組成物において、白金ナノコロイドが保存期間中に凝集することがない保存安定性の高い口腔用組成物を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、白金ナノコロイドの水溶液である口腔用組成物に所定量のヒアルロン酸の塩を配合すると前記課題を解決できることを見出して本発明を完成した。 【0008】 即ち本発明は、1〜5nmの平均粒子径を有する白金ナノコロイドと所定量のヒアルロン酸の塩と水とを含む口腔用組成物である。 【発明の効果】 【0009】 本発明に係る口腔用組成物は、白金ナノコロイドが保存期間中に凝集することがない保存安定性の高い優れた口腔用組成物である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明に係る白金ナノコロイドは、一重項酸素除去能を有する物質として従来から知られているものであって水溶液として存在していれば良い。例えば国際公開第2005/023467号公報に記載されているものが使用できる。組成物中の白金ナノコロイド濃度は0.1〜10μmol/Lであることが好ましい。0.1μmol/L未満では活性酸素除去の効果が低く、10μmol/Lを超えると製造コストがかかり過ぎる問題がある。 【0011】 本発明に係る口腔用組成物に用いるヒアルロン酸の塩は、白金ナノコロイドが水溶液中で保存期間中に凝集するのを防ぐ効果がある。塩としては、ナトリウム、カリウム等の一価の金属塩が利用可能であり、生体に安全である物質から適宜選択できる。ヒアルロン酸の塩の配合量は組成物全体の0.1〜2重量%が好ましく、0.1重量%未満では効果を得難く、2重量%を超えて配合しても効果は向上しない。 【0012】 本発明に係る口腔用組成物は、歯磨剤、洗口剤,歯面塗布剤,人工唾液等に応用可能である。これらの応用製品群には必要に応じて例えば粘稠剤,界面活性剤,甘味剤,防腐剤,各種有効成分,色素,香料等が配合できる。 【0013】 粘稠剤としては、グリセリン,ソルビット,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセルロースナトリウム,ヒドロキシエチルセルロース,カラギーナン,アルギン酸ナトリウム,キサンタンガム,カーボポール,グアーガム,モンモリロナイト,ゼラチン、あるいはヒュームドシリカ等が挙げられる。粘調剤は口腔用組成物中に0.05〜15重量%配合されることが好ましい。 【0014】 界面活性剤としては、アニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤,非イオン性界面活性剤を配合し、具体的にはラウリル硫酸ナトリウム,α−オレフィンスルホン酸ナトリウム,N−アシルサルコシネート,N−アシルグルタメート,2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン,N−アシルタウレート,ショ糖脂肪酸エステル,アルキロールアマイド,ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート,プルロニックが例示できる。これらの界面活性剤は口腔用組成物中に0.1〜5重量%配合されることが好ましい。 【0015】 甘味剤としては、キシリトール,サッカリンナトリウム,ステビオサイド,パラメトキシシンナミックアルデヒド,ネオヘスペリジルジヒドロカルコン,ペリラルチン,キシリット,マルチット,ラクチット等の従来から一般的な口腔用組成物に用いられているものが使用でき、甘味料は口腔用組成物中に0.1〜20重量%配合されることが好ましい。 【0016】 防腐剤としては、パラオキシ安息香酸ブチル,パラオキシ安息香酸メチル,パラオキシ安息香酸エチル等の安息香酸エステル,安息香酸ナトリウム,安息香酸,ソルビン酸カリウム,デヒドロ酸ナトリウム,サリチル酸等が使用でき、口腔用組成物中に0.01〜5重量%配合されることが好ましい。 【0017】 各種有効成分も従来の口腔用組成物で用いられていたものが特に制限無く使用できる。例えば、齲蝕予防の有効成分として、フッ化ナトリウム,フッ化カリウム,フッ化アンモニウム,フッ化第一スズ,モノフルオロリン酸ナトリウム,モノフルオロリン酸カリウム等のフッ化物。歯石沈着防止の有効成分として、正リン酸のカリウム塩,ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物やピロリン酸ナトリウム,ポリリン酸ナトリウム,ゼオライト,デキストラナーゼ。歯周病予防や口臭予防の有効成分として、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム,ヒノキチオール,塩化リゾチーム,グリチルリチン酸及びその塩類,塩化ナトリウム,ε-アミノカプロン酸,イソプロピルメチルフェノール,クロルヘキシジン塩類,塩化セチルピリジニウム,アズレンスルホン酸ナトリウム,銅クロロフィリンナトリウム,塩化ベンゼトニウム,酢酸dl-α-トコフェノール,トリクロサン。その他の有効成分として、塩化カルシウム,塩化ナトリウム,リン酸カリウム,塩化ストロンチウム,硝酸カリウム,シュウ酸カリウム,乳酸アルミニウム,ヒドロキサム酸及びその誘導体,ポリビニルピロリドン,グルコン酸銅等の銅化合物,ムタナーゼ,アミラーゼ,ジヒドロコレステロール,エピジヒドロコレステリン,トリクロロカルバニリド,ベルベリン,α−ビサボロール,トウキ軟エキス,オウバクエキス,チョウジ,ローズマリー,オウゴン,ベニバナなどの抽出物等がある。更に香料としては、l−メントール,カルボン,アネトール,リモネンのテルペン類又はその誘導体、着色剤としては、青色1号,黄色4号,二酸化チタン等が例示される。各種有効成分は本発明に係る口腔用組成物中に0.01〜10重量%配合されることが好ましい。 【実施例】 【0018】 <実施例> 「実施例1,2、比較例1,2」 表1に示した配合量に従い、白金ナノコロイド水溶液(白金ナノコロイド:シーテック社製 濃度 1mmol/L)にヒアルロン酸の塩を加えた実施例1,2及びヒアルロン酸の塩を加えない比較例1、ヒアルロン酸の塩を加えずにクエン酸ナトリウムを加えた比較例2の各口腔用組成物(フッ素供給用の口腔用洗浄液)を作製した。下記の評価方法により白金ナノコロイドの凝集の有無と活性酸素の除去能力を評価した。結果を表1に示す。 【0019】 <表1> (重量部)
【0020】 「実施例3,4、比較例3,4」 表2に示した配合量に従い、白金ナノコロイド水溶液にヒアルロン酸の塩を加えた実施例3,4及びヒアルロン酸の塩を加えない比較例3,ヒアルロン酸の塩を加えずにクエン酸ナトリウムを加えた比較例4の各口腔用組成物(口腔内洗浄液)を作製した。 【0021】 <表2> (重量部)
【0022】 表3に示した配合量に従い、各口腔用組成物(人工唾液)を調製した。下記評価方法により白金ナノコロイドの凝集の有無を評価した。結果を表3に示す。 【0023】 <表3> (重量部)
【0024】 <凝集の評価方法> 作製した口腔用組成物を60℃の条件下で7日間保存し、液面を上から目視にて確認した。微少な白金ナノコロイドの凝集体である黒点が1個以上確認された場合を「有り」、1つも確認できなかった場合を「無し」として評価した。 【0025】 <活性酸素の除去能力> 体内に存在すると言われている活性酸素の中で、比較的安定で体内に多く存在している過酸化水素を指標として活性酸素の除去能力を評価した。500mmol/Lの過酸化水素100μL毎に各実施例及び比較例の口腔用組成物を200μL混合し37℃で24時間静置しサンプルとした。蒸留水により1000倍希釈した各サンプル150μLとシュウ酸ジエステル(TDPO)とピレン混合溶液50μLを混合攪拌し、混合から40秒間の発光量をルミネッセンサーPSN(ATTO社)で測定し積算値を算出した(a)。また、コントロールとして、各実施例及び比較例の口腔用組成物の代わりに蒸留水を加えたサンプルの1000倍希釈液150μLにTDPO/ピレン混合溶液50μLを混合攪拌し、混合から40秒間の発光量を積算値を算出した結果(b)を用い、以下の計算式に従い活性酸素の除去能力を評価した。なお、TDPOと過酸化水素が反応し1,2−ジオキセタンジオンとなり、これがピレンと反応して発光するため、測定対象中に過酸化酸素の残量が多いほど発光量が多い。
活性酸素の除去能力(%) = (1−a/b) × 100
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| 【出願人】 |
【識別番号】000181217 【氏名又は名称】株式会社ジーシー
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| 【出願日】 |
平成18年9月8日(2006.9.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−63282(P2008−63282A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−243519(P2006−243519) |
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