| 【発明の名称】 |
皮膚用化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 宏幸
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| 【要約】 |
【課題】ポリオールを主成分とする皮膚用化粧料に関し、より詳しくは、踵や肘等に加えられた継続的な刺激によって高度に硬化した皮膚の角質を軟化することのできる皮膚用化粧料を提供すること。
【構成】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 角質が高度に硬化した部位に使用し該硬化した角質を柔らかくするための皮膚用化粧料であって、必須成分としてポリオールとレシチンとを含み、前記ポリオールがレシチンでゲル化されていることを特徴とする皮膚用化粧料。 【請求項2】 化粧量全量の0.1〜20wt%のアスコルビン酸を含有する請求項1に記載の皮膚用化粧料。 【請求項3】 レシチンに含まれるホスファチジルコリンの配合量が化粧料全量の1〜15wt%である請求項1又は2に記載の皮膚用化粧料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、皮膚用化粧料に関し、より詳しくは、踵や肘等に加えられた継続的な刺激によって高度に硬化した皮膚の角質を軟化することのできる皮膚用化粧料に関するものである。 【背景技術】 【0002】 皮膚用化粧料としては、尿素等を含むクリーム等種々のものが使用されてきたが、近年、これら従来のものと異なる皮膚用化粧料が開発され、特許出願もなされている。その例を挙げれば、例えば下記特許文献に示すようなものがある。 【0003】 【特許文献1】特開平07−316012号公報 【特許文献2】特開2004−331529号公報 【0004】 上記特許文献1に記載のものは、皮膚の深層に浸透して治療する活性物質を含む脂質小胞の第1の分散物と、皮膚の表面層に浸透して治療する活性物質を含む脂質小胞の第2の分散物とを含むものである。また、上記特許文献2に記載のものは、L−アスコルビン酸を溶解させたグリセリンと水素添加レシチンとを配合したもので、皮膚に対する美白効果と老化防止効果を強化するとされている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上記特許文献2に記載の皮膚用化粧品は、アスコルビン酸を主要成分とするもので、このアスコルビン酸をグリセリンに溶解するに際し、粘度を高めて皮膚との接触量を高めることを目的としている。また、酸化しやすいアスコルビン酸の酸化を防止するため、水素添加したレシチンを用いるもので、これによりレシチンの配合量を増やすことができるとされている。 【0006】 ところで、皮膚の角質には、もともと水分が含まれているが、角質が保水力を失うことで、水分が蒸発し、硬化してかさかさになる。このように、水分の喪失により硬化した皮膚の角質を柔軟にするための成分としては、ポリオールが有効である。ポリオールは、2個以上のOH基を有する多価アルコールであり、代表的なものとしてはグリセリン、ポリエチレングリコール等がある。このポリオールは、高い保湿作用があるので、角質の水分を保持して硬くなった角質を柔らかくする効果が期待できる。 【0007】 しかしながら、ポリオール自体は液体であり、これを皮膚につけると、べたついて使用感が悪く、そのままでは化粧品として受容できにくいものである。また、単独では、角質全体に浸透しにくく、保湿効果は主に皮膚表面のエモリエント(油膜を形成して水分の蒸発を防止する働き)によるものしか得られない。そこで本発明は、角質深部にまでポリオールを均一に浸潤させて、より高い表皮の水分保持が可能なものを提供することを課題としている。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、上記課題を解決するため、次のような化粧料を提供する。すなわち、請求項1に記載の本発明に係る皮膚用化粧料は、ポリオールをレシチンでゲル化してなることを特徴としている。また、請求項2に記載の化粧料は、上記請求項1に記載のものにおいて、さらにアスコルビン酸を配合したことを特徴としている。上記レシチンの配合量は、ホスファチジルコリンとして、化粧料全量の1〜15wt%とするのが好ましい。また、アスコルビン酸を添加する場合の配合量は、化粧量全量の0.1〜20wt%とするのが好ましい。 【発明の効果】 【0009】 本発明に係る皮膚用化粧料は、ポリオールをレシチンでゲル化したものであるから、ポリオールがクリーム状となり、手にとって肌に伸ばしやすいものとなった。このため、特有のべたべたした感触が抑えられ、使用感が良好なものでとなる。さらに、エマルジョンとする場合に比べて、ポリオールの配合量を高く保持できるという利点がある。この皮膚用化粧量は、レシチンがポリオールを小さく分散させるため、角質層の隅々までポリオールが良好に浸透するので、角質層の奥までポリオールが行き渡り、保湿作用が高まり、高度に硬化した角質を効果的に柔軟化することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。本発明の皮膚用化粧料は、上記のとおりポリオールをレシチンでゲル化したものである。ポリオールは、前記のとおり、2個以上のOH基を有する多価アルコールであり、例えばグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等が使用可能である。しかしながら、グリコール類は、アスコルビン酸を配合すると異臭が生じることが多いので、アスコルビン酸を配合する化粧料としては不適である。また、1,3−ブチレングリコールを使用すると、経時変化により異臭が生じることがあり、プロピレングリコールを使用すると、異臭はあまり感じられないが、粘度が安定化しにくいという問題点がある。これらの見地から、一般的には、3価のアルコールであるグリセリンを使用するのが好ましい。 【0011】 また、レシチンは、ホスファチジルコリンを主成分とし、天然の動物、植物、微生物など生体に広く分布するもので、肝臓、卵黄、大豆、酵母等に多く含まれることが知られている。レシチンとしては、ホスファチジルコリンの含有量が55〜65重量%程度のものがこのましい。この範囲のものは、クリーム状となりやすく、適度の稠度があり、肌につけたときに流れ落ちたりせず、使用感が良好である。天然のレシチンは、L−α−形のみであるが、それ以外のものも使用可能である。天然のレシチンは酸化しやすく、不安定であるので、使用に際しては、公知の方法により水素添加しておけばよい。 【0012】 上記ポリオールは粘稠性の液体であるが、皮膚用化粧料として使用するに適した粘度とするため、本発明ではレシチンでゲル化し、これによって皮膚に塗るに適したクリーム状とするのである。ポリオールは吸湿性があるが、本発明の化粧料は、水を使用しないので、レシチンの酸化が生じにくい。 【0013】 上記のとおり、レシチンでゲル化したポリオールは、それ自体が皮膚の角質の隅々まで行き渡って、老化した角質を軟質化する化粧料として効果的なものであるが、さらに皮膚用化粧料としての効果を高めるため、ビタミンB、ビタミンE等や、各種香料等の成分を添加しておくことができる。添加成分としては、アスコルビン酸が特に効果的である。アスコルビン酸のpH値は2程度であり、これを添加すると、化粧料のpH値が低下するとともに、角質溶解作用が発揮され、古い角質が除去される。アスコルビン酸をより安定して配合するために、パルミチン酸アスコルビル等のアスコルビン酸誘導体を使用することができる。また、ヒノキチオールやフコイダン、サリチル酸等の抗菌作用をもつ成分を添加すれば、角質に存在する真菌や細菌などに対応することも可能である。さらに、グルチルリチン酸等の植物性消炎/保湿成分を配合しておくと、硬化した角質が裂傷して炎症を起こしている状態における鎮静/保湿作用を期待することができる。また、べたつきを防止するため、シリカ、シリコンパウダー、アクリル酸アルキルコポリマー等の粉末を添加することもできる。 【0014】 本発明に係る化粧料は、基本的には上記のとおりポリオールとレシチン(ホスファチジルコリン)を必須成分として含むものであるが、このうちフォスファチジルコリンの量は、化粧料全量の1〜15wt%とするのが好ましく、1.5〜5wt%とするのがより好ましい。フォスファチジルコリンの量が多過ぎると、粘度が高くなり過ぎて使用感が悪くなり、少な過ぎると、所望の粘度が得られない。化粧料を使用感の良いクリーム状にするには、上記範囲が好ましい。また、アスコルビン酸を添加する場合、その添加量は、化粧料全量の0.1〜20wt%とするのが好ましく、2〜10wt%とするのがより好ましい。アスコルビン酸の添加量がこれよりも少ないと、所望の効果が得られない。逆に、多過ぎるのは無駄であり、安定性の面でも好ましくない。 【0015】 (実施例と比較例) ポリオールとして濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコールを用い、水素添加レシチンとして2種の大豆レシチン、すなわちフォスファチジルコリン(PC)含有量25〜30wt%の大豆レシチンAと、フォスファチジルコリン含有量55〜65wt%の大豆レシチンBの2種、及び、通常化粧料に使用される他の種々の成分を配合したした化粧料を試作した。その内容は表1に示すとおりである。表1における配合量の割合は、すべてwt%で表されている。 【0016】 上記試作した化粧料を実際に皮膚に塗布して、その官能的評価を行った。評価は、◎が「最も良い」、○が「良い」、△が「やや良い」、Xが「悪い」を示す。その結果は、表1に示すとおりであった。 【0017】 【表1】
【0018】 これら実施例と比較例に対する所見は以下のとおりである。実施例1は、濃グリセリンに水素添加大豆レシチン(PC含有量25〜30%)を配合してクリーム状にしたもので、使用感はやや良いという程度であった。実施例2は濃グリセリンに大豆レシチン(PC含有量55〜65%)を配合したもので、実施例1よりも柔らかめであり、滑らかで、塗布しやすかった。実施例3は、濃グリセリンと、大豆レシチン(PC含有量55〜65%)5%と、アスコルビン酸4%を配合したもので、pH値が低いため角質を柔らかくしやすく、角質を改善しやすいと判断された。 【0019】 実施例4は、濃グリセリンと2種の大豆レシチンA,Bを配合し、さらにアスコルビン酸を添加したもので、使用感は良好であった。実施例5は、ポリオールとして1,3−ブチレングリコールを用い、大豆レシチンB5%,アスコルビン酸4%を配合したもので、使用感はやや良かった。 【0020】 実施例6は、ポリオールとしてプロピレングリコールを用い、大豆レシチンB(PC含有量55〜65%)5%とアスコルビン酸4%を配合したもので、使用感はやや良かった。実施例7は、ポリオールとして1,3−ブチレングリコールを50%とプロピレングリコール41%を使用し、大豆レシチンBを5%とアスコルビン酸4%を配合したもので、使用感はやや良かった。実施例8は、ポリオールとしてプロピレングリコールを41%と濃グリセリン50%を使用し、大豆レシチンB5%とアスコルビン酸4%を配合したもので、これも使用感はやや良かった。 【0021】 一方、比較例1は、濃グリセリンを無水ケイ酸で増粘させたものであるが、グリセリンの保湿感だけが感じられ、使用感は悪かった。比較例2は、濃グリセリンをカルボキシビニルポリマー1%で増粘させたもので、水酸化ナトリウム0.1%と精製水10%とグリチルリチン酸ジカリウム0.1%を配合したものであるが、水が配合されているため、ポリオールに期待される性能が発揮されるものとはいえない。比較例3は、グリセリンをデカグリンのエステルで増粘させたもので、グリセリンの保湿感とデカグリンのべたつき感があり、改善されたものとは言えなかった。 【0022】 比較例4は、グリセリンをポリエチレングリコール(PEG)等で増粘させたもので、ホット感と保湿感はあるが、性能的には改善されたものではなかった。比較例5は、比較例3の成分にアスコルビン酸を配合したものであるが、保湿感のみが感じられた。比較例6は、上記比較例3の成分にアラントインを配合したもので、抗炎症の効果が期待されるが、効果的には不明であり、保湿感のみが感じられた。 【産業上の利用可能性】 【0023】 本発明に係る皮膚用化粧料は、化粧品等の分野で効果的に使用できるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】506095434 【氏名又は名称】株式会社シダコス・ジャパン
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| 【出願日】 |
平成18年9月7日(2006.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開2008−63280(P2008−63280A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−243356(P2006−243356) |
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