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【発明の名称】 免疫賦活剤
【発明者】 【氏名】阿部 真里子

【氏名】田中 稔

【氏名】吉永 恵子

【要約】 【課題】安全性に優れ、日常的に長期間にわたり服用・摂取が可能な、免疫賦活剤を提供する。

【構成】フコイダンと納豆菌菌体を有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フコイダンと納豆菌菌体を有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤。
【請求項2】
飲食品である、請求項1に記載の免疫賦活剤。
【請求項3】
感染症の治療および予防を目的とする健康食品または特定保健用食品である、請求項2に記載の免疫賦活剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は免疫賦活剤に関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザは、基礎疾患を有する患者や高齢者にとって、生命にかかわる危険な感染症である。インフルエンザ対策として、従来ワクチンの予防接種が実施されているが、ウイルスの感染やインフルエンザの発症を完全に防ぐことはできず、その効果には限界がある。また、インフルエンザウイルス感染による症状の軽減を目的として、アマンタジン、ザナミビル、オセルタミビルなどを抗ウイルス剤として使用することが認められているが、副作用の恐れがあることが指摘されている。そこで、インフルエンザウイルスに感染しても、ウイルスを排除し回復することができるように、免疫機能を活性化することが重要との認識が広まっている。
【0003】
一方、硫酸化多糖類の一種であるフコイダンについては、例えばフコイダンを有効成分として含有する免疫力強化剤(特許文献1参照)、フコイダン様多糖複合体を有効成分とすることを特徴とする免疫賦活剤(特許文献2参照)、新規なメカブ由来フコイダンを有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤(特許文献3参照)などが提案されている。しかし、フコイダンを単独で用いても免疫機能を活性化する作用には限界があり、より有効な免疫賦活剤が求められている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−228602号公報
【特許文献2】特開2001−181303号公報(請求項7)
【特許文献3】特開2002−265370号公報(請求項6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、安全性に優れ、日常的に長期間にわたり服用・摂取が可能な、免疫賦活剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フコイダンと納豆菌菌体とを併用することにより免疫機能が著しく向上することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)フコイダンと納豆菌菌体を有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤、
(2)飲食品である、前記(1)に記載の免疫賦活剤、
(3)感染症の治療および予防を目的とする健康食品または特定保健用食品である、前記(2)に記載の免疫賦活剤、
からなっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の免疫賦活剤に有効成分として含まれるフコイダンおよび納豆菌菌体は食経験のある原材料であり、日常的に長期間にわたり摂取しても全く問題は無い。
本発明の免疫賦活剤を摂取することにより、免疫機能が著しく活性化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で用いられるフコイダンは、褐藻類に含まれ、硫酸化フコースを構成糖として含む硫酸化多糖類であればよく、特に制限はない。該褐藻類としては、例えばコンブ目、ナガマツモ目、ヒバマタ目などに属する海藻類が挙げられ、具体的には、ガゴメコンブ、トロロコンブ、ワカメ、クロメ、アラメ、カジメ、ジャイアントケルプ、レッソニア ニグレセンス、モズク、オキナワモズク、ヒバマタ、アスコフィラム ノドサムなどが挙げられ、中でもオキナワモズク、ワカメ(芽株)などが好ましい。
【0009】
褐藻類からフコイダンを抽出する方法に特に制限はなく、例えば藻体を酢酸または希塩酸の水溶液に懸濁させ、室温から約100℃の範囲で抽出を行う酸抽出法、藻体を水に懸濁させ、約100℃で抽出を行う熱水抽出法など自体公知の方法で行えばよい。抽出後固液分離し、酸抽出法の場合は得られた抽出液を中和し、抽出液に塩化カルシウムまたは酢酸バリウムなどの水溶液を加えて沈殿するアルギン酸を除去してもよい。更に所望により限外ろ過、透析などを行って低分子量物質を除去してもよい。本発明で用いられるフコイダンとしては、褐藻類由来のフコイダンを含む粗製品、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィーなどにより精製した精製品、またこれらを含有する製剤などが挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。本発明で用いられるフコイダンの好ましい形態としては、例えば上記藻体抽出液の濃縮液および該濃縮液を常法により真空凍結乾燥して得られる粉末などが挙げられる。
【0010】
本発明で用いられるフコイダンは、フコイダンに存在する硫酸基やカルボキシル基を公知の方法により塩に変換することで得られる薬理学的に許容されうる塩であってもよい。このような塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの金属の塩、ピリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミンなどの医薬的に許容される有機アミノ化合物の塩などが挙げられる。
【0011】
本発明で用いられる納豆菌菌体は、納豆菌(Bacillus subtilis natto)を培地に接種し、培養することにより得られる。該納豆菌として特に制限はないが、好ましくは通常納豆工業で使用されている納豆菌であり、例えば高橋菌(高橋祐蔵研究所製、山形)、成瀬菌(成瀬醗酵化学研究所製、東京)、宮城野菌(宮城野納豆製造所製、仙台)、朝日菌(朝日工業製、東京)、日東菌(日東薬品工業製、京都)、目黒菌(目黒研究所製、大阪)などが挙げられる。
【0012】
納豆菌を培養するための培地として、固体培地または液体培地のいずれを用いてもよいが、好ましくは液体培地である。該培地は、納豆菌が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩およびその他の栄養素を含有する培地であればよく、特に制限はない。培地のpHは、通常pH約6.0〜9.5、好ましくはpH約7.0〜8.5である。固体培地による培養は、菌を接種した培地を恒温器または恒温室内に保つことにより行われる。また、液体培地による培養は、菌を接種した培地を振盪機にて振盪するか、または通気攪拌培養することにより行われるのが好ましい。その際、培養温度は、通常約20〜45℃、好ましくは約37〜42℃である。培養時間は、通常約6〜72時間、好ましくは約12〜36時間である。培養終了後、所望により滅菌処理を実施してもよい。
【0013】
本発明で用いられる納豆菌菌体は、固体培地による培養では、培養菌体を培地ごと乾燥し、粉砕することにより得ることができる。また液体培地による培養では、自体公知の方法にて固液分離し、回収した培養菌体をそのまま乾燥するか、または回収した培養菌体を賦形剤を含む水溶液に懸濁させ、次に噴霧乾燥することにより得ることができる。
【0014】
本発明の免疫賦活剤は、上記フコイダンおよび納豆菌菌体をそのまま、あるいは製薬学的に許容される添加物、食品素材、食品原料、さらに必要に応じて食品添加物などを適宜混合し、常法に従い例えば散剤、顆粒剤、錠剤、マイクロカプセル、ソフトカプセルまたはハードカプセルなどの製剤および飲食品として製造される。該飲食品は、固形食品、クリーム状またはジャム様の半固形食品、ゲル状食品、飲料などあらゆる食品形態をとることが可能である。具体的には、例えば清涼飲料、クッキー、プリン、ゼリー菓子、キャンディ、ドロップ、チューインガム、チョコレート、ヨーグルト、アイスクリーム、マーガリン、ショートニング、マヨネーズおよびドレッシングなどが挙げられる。これら各種製剤および飲食品は、免疫賦活効果、感染症の治療および予防を目的とする健康食品または特定保健用食品として有用である。
【0015】
上記製剤および飲食品の製造に用いられる添加物、食品素材、食品原料および食品添加物としては、例えば賦形剤(乳糖、デキストリン、コーンスターチ、結晶セルロースなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなど)、崩壊剤(カルボキシメチルセルロースカルシウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなど)、結合剤(デンプン糊液、ヒドロキシプロピルセルロース液、アラビアガム液など)、溶解補助剤(アラビアガム、ポリソルベート80など)、甘味料(砂糖、果糖、ブドウ糖液糖、ハチミツ、アスパルテームなど)、着色料(β−カロテン、食用タール色素、リボフラビンなど)、保存料(ソルビン酸、パラオキシ安息香酸メチル、亜硫酸ナトリウムなど)、増粘剤(アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなど)、酸化防止剤(BHT、BHA、アスコルビン酸、トコフェロールなど)、香料(ハッカ、ストロベリー香料など)、酸味料(クエン酸、乳糖、DL−リンゴ酸など)、調味料(DL−アラニン、5´−イノシン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウムなど)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなど)、pH調整剤(クエン酸、クエン酸三ナトリウムなど)、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類などが挙げられる。
【0016】
上記製剤および飲食品100質量%中の各成分の含有量は、フコイダン(乾燥物換算)が通常約1〜80質量%、好ましくは約1〜50質量%、納豆菌菌体(菌体乾燥物換算)が通常約0.1〜80質量%、好ましくは約0.1〜50質量%である。フコイダン(乾燥物換算)量に対する納豆菌菌体(菌体乾燥物換算)量の比率は、通常約0.1〜1、好ましくは約0.1〜0.5である。
【0017】
上記製剤および飲食品を経口的に摂取する場合、成人1日当たりの用量は、有効成分(フコイダンと納豆菌菌体)の乾燥物換算量で約0.01〜1000mg/体重1kg、好ましくは約0.1〜500mg/体重1kgの範囲である。この用量を、1回または数回に分けて摂取するとよい。但し、実際の用量は、目的や摂取者の状況(性別、年齢、健康状態など)を考慮して決められるべきである。
【0018】
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
[試験例1]
フコイダン、納豆菌菌体およびフコイダンと納豆菌菌体の混合物を経口投与して飼育したマウスにインフルエンザウイルスを感染させ、感染後のウイルス量に及ぼす試料投与の効果を試験した。同時に、対照として試料を投与しない群についても試験した。結果を表1に示す。
【0020】
(a)実験材料
(1)供試試料
・フコイダン(商品名:理研メカブフコイダン(粉末);理研ビタミン社製,フコース含有量20%以上,硫酸基含有量25%以上)
・納豆菌菌体(日東薬品工業社製,菌数約50億個/g)
・フコイダンと納豆菌菌体の混合物(フコイダン:納豆菌菌体=5:1(質量部))
(2)投与方法
〈フコイダン投与区〉フコイダン5mgを0.2mLの蒸留水に懸濁させ、1日2回に分けて、感染前7日間および感染後7日間の計14日間投与した。
〈納豆菌菌体投与区〉納豆菌菌体1mgを0.2mLの蒸留水に懸濁させ、1日2回に分けて、感染前7日間および感染後7日間の計14日間投与した。
〈混合物投与区〉 フコイダン5mgおよび納豆菌菌体1mgを0.2mLの蒸留水に懸濁させ、1日2回に分けて、感染前7日間および感染後7日間の計14日間投与した。
〈対照区〉 0.2mLの蒸留水を1日2回に分けて、感染前7日間および感染後7日間の計14日間投与した。
(3)供試動物
BALB/cマウス(生後5〜6週齢 雌)を7日間予備飼育した後実験に供した。マウスは予備飼育期間および実験期間を通して室温24±3℃、相対湿度55±15%のSPFバリア飼育室(照明時間8時〜18時、換気回数18回/時)で飼育し、市販の固形飼料(MF)と滅菌蒸留水をそれぞれ自由摂取させた。
(4)供試動物数
〈フコイダン投与区〉 5匹
〈納豆菌菌体投与区〉 5匹
〈混合物投与区〉 5匹
〈対照区〉 5匹
【0021】
(b)試験方法
マウスの鼻腔内にインフルエンザウイルスNWS株(H1N1)を接種(2×106PFU/50μL/マウス)して感染させた。感染5日後に気管・気管支洗浄液を採取し、洗浄液中のウイルス量をMDCK細胞を用いて、プラークアッセイ法にて測定した。
【0022】
[気管・気管支洗浄液の調製方法]
1)麻酔下でマウスの気管を切開し、頭部側を鉗子で挟む。
2)プラスチックカニューレ型穿刺針を鉗子のすぐ近くに設置し、内針を抜き取る。
3)液漏れを防ぐために接着剤(商品名:アロンアルフア;東亞合成株式会社製)で穿刺部位を塞ぐ。
4)4℃に冷却したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を0.8mL入れた1mLシリンジをカニューレに接続する。
5)ゆっくりと液を注入後、3回洗浄する。
6)滅菌マイクロチューブ(1.5mL容)に洗浄液を入れ、3000rpmで5分間遠心分離する。
7)上清を別の滅菌マイクロチューブ(1.5mL容)に移し、−80℃で保存する。
【0023】
[気管・気管支洗浄液のウイルス量測定方法]
(1)準備するもの
・2xMEM培地
培地(粉末)9.4gに蒸留水500mLを加えて溶解し、高圧蒸気法により滅菌後4℃に保存する。
・インフルエンザウイルスのプラークアッセイ用培地
以下のA液(60mL)とB液(40mL)を合わせて100mLとする。
A液:蒸留水 8.14mL
2xMEM培地 43.4 mL
7.5%重曹液 3.0 mL
L‐グルタミン液(ア) 1.0 mL
10%BSA(イ) 2.0 mL
10%グルコース(ウ) 1.0 mL
1%DEAE‐デキストラン(エ) 1.0 mL
100xビタミン混液(オ) 0.1 mL
葉酸液(カ) 0.1 mL
ビオチン液(キ) 0.1 mL
トリプシン液(ク) 0.16mL
B液:寒天(粉末)0.8gに蒸留水40mLを加えて溶解し、高圧蒸気法により滅菌したもの。
【0024】
上記A液に配合される(ア)〜(ク)の詳細は以下の通りである。
(ア)L‐グルタミン60gに蒸留水1000mLを加え50〜60℃に加熱して溶解し、溶液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを用いて熱時ろ過滅菌したもの。得られたろ液は50mLチューブに30mLづつ分注し、−20℃に保存される。
(イ)ウシ血清アルブミン(BSA)10gにPBS100mLを加えて溶解し、溶液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを用いてろ過滅菌したもの。得られたろ液は100mLのガラス瓶に入れ、4℃に保存される。
(ウ)グルコース10gに蒸留水100mLを加えて溶解し、溶液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを用いてろ過滅菌したもの。得られたろ液は15mLチューブに分注し、−20℃に保存される。
(エ)DEAE‐デキストラン1gに蒸留水100mLを加えて溶解し、高圧蒸気法により滅菌したもの。得られた溶液は4℃に保存される。
(オ)100x vitamins for MEM Eagle(市販品)
(カ)葉酸100mgに蒸留水100mLを加えて溶解し、高圧蒸気法により滅菌したもの。得られた溶液は1.5mLマイクロチューブに分注し、−20℃に保存される。
(キ)ビオチン100mgに蒸留水100mLを加えて溶解し、高圧蒸気法により滅菌したもの。得られた溶液は1.5mLマイクロチューブに分注し、−20℃に保存される。
(ク)トリプシン(Ttpe III;Sigma社製)200mgに蒸留水100mLを加え4℃で一晩攪拌して溶解し、溶液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを用いてろ過滅菌したもの。得られた溶液は1.5mLマイクロチューブに分注し、−80℃に保存される。
・クリスタルバイオレット液
クリスタルバイオレット300mgにエタノール100mLおよび蒸留水400mLを加えて溶解し、室温で保存する。
【0025】
(2)ウイルス量の測定
1)プラスチック製培養皿(径35mm)にMDCK細胞(イヌ腎臓上皮細胞由来の培養細胞)を単層状に培養する。
2)冷凍保存しておいた気管・気管支洗浄液を室温で解凍後、PBSで10〜105倍に希釈する。
3)2)で得た各希釈洗浄液を1)の培養皿に1皿当たり100μL入れ、室温で1時間静置しウイルスを吸着させる。
4)約40〜45℃に保温したプラークアッセイ用培地を3)の培養皿に1皿当たり2mL入れ、重層する。
5)寒天が固まった後、37℃のCO2インキュベーターに入れ培養する。
6)2日後に、プラークが適当な大きさになっていることを確認して後寒天を除去し、クリスタルバイオレット液を1皿当たり約1mL加え、10分間染色する。
7)顕微鏡にてプラーク数を数え、その値をウイルス量とした。
【0026】
【表1】


【0027】
表1に示した通り、フコイダンと納豆菌菌体の混合物投与により、インフルエンザウイルスの増殖を顕著に抑制する効果が得られる。
【0028】
[試験例2]
フコイダン、納豆菌菌体およびフコイダンと納豆菌菌体の混合物を経口投与して飼育したマウスにインフルエンザウイルスを感染させ、感染後の血清の中和抗体価に及ぼす試料投与の効果を試験した。同時に、対照として試料を投与しない群についても試験した。結果を表2に示す。
【0029】
(a)実験材料
(1)供試試料
試験例1と同じ。
(2)投与方法
試験1と同じ。
(3)供試動物
試験1と同じ。
(4)供試動物数
〈フコイダン投与区〉 9匹
〈納豆菌菌体投与区〉 8匹
〈混合物投与区〉 9匹
〈対照区〉 3匹
【0030】
(b)試験方法
マウスの鼻腔内にインフルエンザウイルスNWS株(H1N1)を接種(2×105PFU/50μL/マウス)して感染させた。感染4週間後に伏在静脈から血液を採取して血清を得、一定量のウイルスと血清希釈液を37℃で1時間処理し、残存するウイルス量をMDCK細胞を用いてプラークアッセイ法にて測定し、その数値を基に中和抗体価を算出した。
【0031】
[血清の調製方法]
1)マウスの伏在静脈から常法により血液を採取する。
2)血液を室温で約30分間保ち、血液を凝固させる。
3)凝固した血液を常法により遠心分離し、上清として血清を得た。
【0032】
[血清の中和抗体価測定方法]
(1)準備するもの
試験例1と同じ。
【0033】
(2)ウイルス量の測定
1)血清を56℃で30分間非働化処理する。
2)処理した血清を、PBSで20倍、100倍、500倍、2500倍、12500倍および62500倍に希釈する。
3)インフルエンザウイルスNWS株(H1N1)を2000PFU/mLに調整し、その100μLを、2)で得た各希釈血清100μLと混合する。同時に、希釈血清に替えてPBS100μLと混合したものを作製し、コントロールとした。
4)3)の混合液を37℃で1時間処理する。
5)プラスチック製培養皿(径35mm)にMDCK細胞(イヌ腎臓上皮細胞由来の培養細胞)を単層状に培養し、4)の処理液を1皿当たり100μL入れ、室温で1時間静置しウイルスを吸着させる。
6)約40〜45℃に保温したプラークアッセイ用培地を5)の培養皿に1皿当たり2mL入れ、重層する。
7)寒天が固まった後、37℃のCO2インキュベーターに入れ培養する。
8)2日後に、プラークが適当な大きさになっていることを確認して後寒天を除去し、クリスタルバイオレット液を1皿当たり約1mL加え、10分間染色する。
9)顕微鏡にて、プラーク数を数える。
【0034】
(3)中和抗体価の算出
1)コントロールのプラーク数を100%として、各希釈液のプラーク数の比率(%)を計算する。
2)各血清について、各希釈倍率に対応する希釈液のプラーク数の比率(%)をグラフ上にプロットし、得られた曲線からプラーク数の比率(%)が50%のときの血清の希釈倍率を求め、その値を中和抗体価とした。
【0035】
【表2】


【0036】
表2に示した通り、フコイダンと納豆菌菌体の混合物投与により、中和抗体価が顕著に大きくなっている。このことから、フコイダンまたは納豆菌菌体の単独投与区のマウスに比べて、混合物投与区のマウスの免疫機能がより活性化されていると推察される。
【0037】
[実施例1]
フコイダン(商品名:理研メカブフコイダン;理研ビタミン社製)40質量部、納豆菌菌体(日東薬品工業社製)8質量部、乳糖(商品名:フローラック;サンフコ社製)51質量部、ショ糖脂肪酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルS−370F;三菱化学フーズ社製)1質量部を均一に混合し、試料とした。該試料を回転式小型打錠機(型式:AP−SS;畑鐵工所社製)を用い、1錠250mg、10mmφ、打錠圧100MPaで打錠し、1錠当たりフコイダン約100mg、納豆菌菌体約20mg含む錠剤を得た。
【0038】
[実施例2]
ミツロウ(商品名:脱臭精製ミツロウ;セラリカNODA社製)8.3質量部、グリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムS−100;理研ビタミン社製)1.7質量部およびサフラワーサラダ油(商品名:ハイオレイックサフラワーオイル;サミット製油社製)60.8質量部を混合し、約70℃に加熱して溶解する。得られた溶液を室温まで冷却し、その中にフコイダン(商品名:理研メカブフコイダン;理研ビタミン社製)14.3質量部、納豆菌菌体(日東薬品工業社製)0.7質量部、ビフィズス菌菌体(日東薬品工業社製)7.1質量部およびアシドフィルス菌菌体(日東薬品工業社製)7.1質量部を加えて均一に混合し、充填液を得た。該充填液350mgを常法によりソフトカプセルに充填し、1カプセルあたりフコイダン50mg、納豆菌菌体2.5mg、ビフィズス菌菌体25mg、アシドフィルス菌菌体25mgを含むソフトカプセルを得た。
【出願人】 【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
【出願日】 平成18年9月5日(2006.9.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−63241(P2008−63241A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−240073(P2006−240073)