トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 局所的鼻疾患治療
【発明者】 【氏名】スティーブン ジェイ. アンシェイエフスキー

【氏名】ウィリアム クリュートナー

【要約】 【課題】アレルギー性鼻炎の分野で多くの開示があるにもかかわらず、副作用(特に、鎮静)の発生率を非常に低くして対症的に鼻炎を軽減するように局所的に適用できる組成物の提供。

【構成】鼻粘膜に局所適用することにより鼻炎を治療する医薬を調製するためのデスロラタジンの使用であって、1つの実施形態において、上述の医薬が、さらに、局所的に適用されるコルチコステロイドを含有し、ここで、1つの実施形態において上述のコルチコステロイドが、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、フルチカゾン、モメタゾンおよびブデソニド、前述のものの水和物および他の付加化合物および前述のもののいずれかの薬学的に受容可能な塩およびエステルからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーであることを特徴とする、使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻疾患の治療方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、鼻疾患の治療に関し、さらに特定すると、単独でまたはコルチコステロイドと共に抗ヒスタミン剤を使用した局所治療に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の序説)
アレルギー性疾患は、世界中で非常に流行しており、治療にかかる社会的コストは莫大であり、労働者の長期欠勤や生産性低下となる。これらの病気は、しばしば、急性または慢性の鼻炎の形態で現れ、これはまた、時には、それぞれ、季節性鼻炎および多年性鼻炎と呼ばれている。アレルギー性鼻炎の症状には、任意数の以下の症状が挙げられ得る:目の赤化;眼の分泌物;鼻づまり;眼および口蓋の刺激;くしゃみ;および分泌過多。症状は、典型的には、アレルギー誘発物質(その最も一般的なものは、草、花粉およびカビ胞子である)に暴露した直後に、起こる。アレルギー性鼻炎の発生率は、春および夏に多いが、一年を通じて症状を患い春と夏に増悪する人もいる。
【0003】
風媒性のアレルギー誘発物質がマスト細胞膜に付着した特定の抗体と相互作用するとき、これらのマスト細胞は、脱顆粒と呼ばれるプロセスで、ヒスタミンを放出することにより、反応する。ヒスタミンは、強力な血管拡張剤であり、微小血管浸透性を高めて、血漿を血管外空間に流入させ、それにより、浮腫を引き起こす。
【0004】
抗ヒスタミン剤は、単独でまたは交感神経消炎剤と共に全身投与されるが、伝統的に、アレルギー性鼻炎を治療する際に選択される薬剤である。他の治療形態には、局所適用されるクロモリンナトリウム、高浸透圧性の塩溶液または免疫療法の使用が挙げられる。
【0005】
抗ヒスタミンアザタジンはまた、鼻組織に直接適用される。この抗ヒスタミン剤を使用する実験報告は、R.M.Naclerioらの「In Vivo Model for
the Evaluation of Topical Antiallergic Medications」(Archives of
Otolaryngology,110巻、pp.25〜27,1984)およびA.G.Togiasらの「Demonstration of Inhibition of Mediator Release from Human Mast Cells
by Azatadine Base,In Vivo and In Vitro Evaluation」(Journal of the American Medical Association,255巻、pp.225〜229,1986)で示されている。現在市販されている製品は、水性鼻噴霧形状で、アゼラスチンを供給する。
【0006】
それに加えて、Hagenらは、米国特許第4,787,612号において、アレルギー性鼻結膜炎を治療するのに有効な手段として、鼻コルチコステロイド療法を開示しており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。ヨーロッパ特許出願0780127A1は、グルココルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤の両方を含有するスプレー式点鼻薬組成物を開示しており、これは、鼻結膜炎を治療するために、ロイコトリエン阻害特性を有する。国際特許出願WO97/46243は、鼻投与用の製薬組成物を開示しており、これは、アレルギー性鼻炎を治療するために、グルココルチコステロイドおよび速効性抗ヒスタミン剤を含有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アレルギー性鼻炎の分野で多くの開示があるにもかかわらず、副作用(特に、鎮静)の発生率を非常に低くして対症的に鼻炎を軽減するように局所的に適用できる組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 鼻粘膜に局所適用することにより鼻炎を治療する医薬を調製するためのデスロラタジンの使用。
(2) 前記医薬が、さらに、局所的に適用されるコルチコステロイドを含有する、項目1に記載の使用。
(3) 前記コルチコステロイドが、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、フルチカゾン、モメタゾンおよびブデソニド、前述のものの水和物および他の付加化合物および前述のもののいずれかの薬学的に受容可能な塩およびエステルからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーであることを特徴とする、項目2に記載の使用。
(4) 前記デスロラタジンおよびコルチコステロイドが、別個の投薬形状で存在していることを特徴とする、項目2または3のいずれかに記載の使用。
(5) 前記デスロラタジンおよびコルチコステロイドが、単位投薬形状で存在していることを特徴とする、項目2または3のいずれかに記載の使用。
(6) 前記コルチコステロイドが、モメタゾンフロエートを含有することを特徴とする、項目1〜5のいずれかに記載の使用。
(7) 前記医薬が、水性スプレー式点鼻薬の形状であることを特徴とする、項目1〜6のいずれかに記載の使用。
(8) 前記医薬が、加圧計量用量吸入器の形状であることを特徴とする、項目1〜6のいずれかに記載の使用。
(9) 薬学的に受容可能な担体中にデスロラタジンおよびコルチコステロイドを含有することを特徴とする、流体組成物。
(10) 前記コルチコステロイドが、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、フルチカゾン、モメタゾンおよびブデソニド、前述のものの水和物および他の付加化合物および前述のもののいずれかの薬学的に受容可能な塩およびエステルからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーであることを特徴とする、項目9に記載の組成物。
(11) 前記デスロラタジンおよびコルチコステロイドの一方または両方が、懸濁した粒子として存在していることを特徴とする、項目9または10のいずれかに記載の組成物。
(12) 前記担体が、水性媒体を含有することを特徴とする、項目9〜11のいずれかに記載の組成物。
(13) 前記担体が、低沸点クロロフルオロカーボンまたはフルオロハイドロカーボン噴霧剤を含有することを特徴とする、項目9〜11のいずれかに記載の組成物。
(14) 前記コルチコステロイドが、モメタゾンフロエートを含有することを特徴とする、項目9〜13のいずれかに記載の組成物。
(発明の要旨)
本発明は、鼻障害の局所療法に関し、これは、単独でまたは有効量のコルチコステロイドと共に、有効量のデスロラタジンを投与する工程を包含する。治療は、水性または非水性の鼻腔内組成物を使用して、行うことができる。
【0009】
本発明はまた、季節性アレルギー性鼻炎または多年生アレルギー性鼻炎に付随した症状を治療する方法に関し、この方法は、鼻組織に、単独でまたは有効量のコルチコステロイドと共に、鼻炎治療有効量のデスロラタジンを投与する工程を包含する。これらの活性物質は、一緒にまたは別々に、投与され得る。しかしながら、それらは、最も好ましくは、
単一製剤で、共に投与するのが好ましい。
【0010】
局所的に適用される薬剤の一部は、例えば、鼻または他の粘膜を通って、または飲み込んだ後に胃腸管を通って、吸収により、全身的な濃度を生じ得るものの、所望の治療効果は、少なくとも初期において、適用した薬剤と鼻組織との外部接触から生じる。
【0011】
(発明の詳細な説明)
アレルギー性鼻炎の症状には、通常、眼および口蓋の刺激、眼の分泌物、目の赤化、くしゃみ、ムコイドの分泌過多および痒みが挙げられる。この症状の後の発現には、鼻づまりがある。アレルギー性鼻炎は、季節性または多年生型であり得る。他の型の鼻炎(例えば、血管運動性鼻炎)は、同じ症状の一部を示し、典型的には、様々な程度で、類似の治療に対応している。
【0012】
種々の「抗ヒスタミン剤」は、1940年代以来、知られている。これらの試薬は、それらの化学構造が異なるものの、ヒスタミンH1レセプタアンタゴニストであり、これは
、これらのレセプタに結合して、それにより、ヒスタミンの結合を妨げる。さらに最新の抗ヒスタミン剤は、血液−脳関門を横切る可能性が非常に低く、そのために、以前の試薬の多くで見られた周知の鎮静作用を有しない。
【0013】
公知の抗ヒスタミン剤のうちには、化学構造が密接に関係した3種のものがある:アザタジン、ロラタジンおよびデスロラタジン(これはまた、「デスカルボエトキシロラタジン」または「DCL」としても知られている)。それらに共通した構造は、以下である:
【0014】
【化1】


ここで、アザタジンは、R1が−CH3基であり、そしてR2が水素である;ロラタジンは
、R1が−C(O)OCH2CH3基であり、そしてR2が塩素である;そしてデスロラタジンは、R1が水素であり、そしてR2が塩素である。
【0015】
アザタジンは、NaclerioらおよびTogiasらの上記論文で認められるように、強力な局所(すなわち、局所的に作用する)抗ヒスタミン剤である。しかしながら、この薬剤は、多くの人には、著しい鎮静作用がある;Togiasらの論文は、試験した8人の被験者の1人において、眠気があったことを報告している。ロラタジンおよびデスロラタジンの両方は、アザタジンに比べて、著しく鎮静作用が低く、そのために、一般に、好ましい。ロラタジンは、ヨーロッパ特許出願0780127A1において、局所組成
物で有用であると断言されているが、本発明者は、この薬剤について、有用な程度の局所活性を発見できなかった。この文献は、デスロラタジンに対する局所活性に関して何も報告していないが、国際特許出願WO96/20708は、局所投薬を言及している;この局所投薬は、文脈から、明らかに、この薬剤の有効な全身量を達成する代替手段に関する。従って、局所(すなわち、局部的な)抗ヒスタミン効能は、この一般化学構造を有する化合物の予測可能な特性ではないと考えられる。
【0016】
本発明で有用なコルチコステロイドは、強力な糖質コルチコイド活性および弱い鉱質コルチコイド活性を有する。これらの試薬は、アレルギー性応答の結果として最終的に生じる炎症疾患に作用する。本発明で現在好ましいコルチコステロイド試薬には、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロン、フルチカゾン、モメタゾンおよびブデソニドの1種またはそれ以上が挙げられ、任意のベース薬剤の言及は、具体的には、それらの水和物および他の付加化合物だけでなく、それらの薬学的に受容可能な塩を含む。以下の代表的な薬剤化合物は、現在、米国で市販されている:ベタメタゾンアセテート、ジプロピオネートおよびナトリウムホスフェート;デキサメタゾンベース、アセテートおよびナトリウムホスフェート;ベクロメタゾンジプロピオネート;フルニソリドベース;トリアムシノロンアセトニド、ジアセテートおよびヘキサセトニド;フルチカゾンプロピオネート;モメタゾンフロエートおよびフロエート一水和物;およびブデソニドベース。モメタゾン(これは、一般に、そのフロエートの形状で、またはフロエート一水和物として、使用されている)は、それが非常に低い全身性バイオアベイラビリティを有するために、特に有利である。
【0017】
モメタゾンフロエート一水和物は、水性スプレー式経鼻懸濁液として商業的に製剤されており、そしてNASONEX(登録商標)の名称で販売されている。
【0018】
このコルチコステロイドおよびデスロラタジンは、それぞれ、薬学的に受容可能な鼻内キャリア中で、投与される。好ましくは、その活性物質は、水性キャリア中に存在しており、その中に溶解されて、保存中で容易に達成できる物理的安定性および用量再現性を与える。しかしながら、これらの有用なコルチコステロイドの一部は、水性媒体に極めて溶解しにくい。デスロラタジンもまた、水性媒体中での溶解度が限られている。もし、溶液の調製が実現可能でないなら、その水性キャリアが使用されて、微粉の形状で、その中に1種またはそれ以上の活性成分を均一に分散した懸濁製剤が形成される。いずれかの種類の水性製剤は、好都合には、噴霧ボトル(好ましくは、計量ポンプ送達手段を有するもの)に包装できる;この製剤の再現可能な量を送達するために、このような装置を使用することは、これらの薬剤が極めて強力であるので、非常に望ましい。
【0019】
本発明の水性組成物の所望の等張性の程度は、例えば、塩化ナトリウムまたは他の薬学的に受容可能な試薬(例えば、デキストロース、ホウ酸、クエン酸、酒石酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、プロピレングリコールまたは他の無機もしくは有機溶質あるいはそれらの混合物)を使用して、達成され得る。塩化ナトリウムは、ナトリウムイオンを含有する緩衝液に、特に好ましい。塩化ナトリウム等価物のさらに別の例は、A.R.Gennaro著、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18版(Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania U.S.A.,(1990))の1491〜1497ページで開示されている。
【0020】
これらの組成物の粘度は、増粘剤を使用して、選定レベルで維持され得る。適切な増粘剤には、例えば、キサンタンガム、カラゲナン、微結晶セルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物など(それらの薬学的に受容可能な塩を含めて)が挙げられる。増粘剤の混合物もまた、使用され得る。この増粘剤の濃度は、選択する試薬に依
存して、変わる。その重要な要件は、所望粘度を達成する量を使用することにある。このような増粘剤を添加することにより、溶液または懸濁液から、通常、種々の組成物が調製される。懸濁液製品には、チキソトロピー組成物を生じる試薬が好ましい。このような組成物は、懸濁液の安定性を促進するからである;多くの微粒子は、懸濁したままでない場合、凝集する傾向にあり、再分散するのが困難となる。
【0021】
本発明の範囲内で好ましい組成物は、粘膜の乾燥を防止し刺激が起こらないようにするために、約0.01%〜約10%の湿潤剤を含有する。種々の薬学的に受容可能な湿潤剤が有用であり、これには、例えば、ソルビトール、プロピレングリコール、グリセロールまたはそれらの混合物が挙げられる。これらの増粘剤と同様に、その濃度は、選定試薬と共に変わるが、これらの試薬の存在もしくは不在、またはそれらの濃度は、本発明の必須要素ではない。
【0022】
本発明の組成物の寿命を長くするために、一般に、薬学的に受容可能な防腐剤が使用される。ベンジルアルコールは、適切であるが、例えば、パラベン(paraben)、フェニルエチルアルコール、チメロサール、クロロブタノール、フェニル水銀アセテートおよびベンズアルコニウムクロライドを含めた種々の他の防腐剤は、使用され得る。この防腐剤の適切な濃度は、0.001重量%〜2重量%であるが、選択される試薬に依存して、かなり変化させ得る。防腐剤の混合物もまた、使用され得る。
【0023】
本発明の局所経鼻組成物には、種々の任意の追加成分が添加され得る。これらの追加成分には、その製剤のフィルム形成特性および実質性を助ける種々の重合体、酸化防止剤、および美的な目的に適切な試薬(例えば、芳香剤)が挙げられる。
【0024】
鼻投与薬剤の他の好ましい形状は、加圧計量用量吸入器である。これらの製品は、通常、低沸点クロロフルオロカーボンまたはフルオロハイドロカーボン噴霧剤を利用し、そこに、(時には、共溶媒(例えば、アルコール)の助けを借りて)、その薬剤物質が溶解または懸濁され得る。クロロフルオロカーボン噴霧剤は、環境に有害であると見なされているので、現在では、フルオロハイドロカーボン代替物(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(「HFC−134a」)または1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(「HFC−227」))を使用するのが好ましい。この製剤は、耐圧容器(ポリマー製、ガラス製またはアルミニウム製の缶)に入れられ、そして絞り弁(これは、各作動と共に、この組成物の一定容量を放出する)が取り付けられる。もちろん、弁を潤滑させ、安定な溶液または懸濁液を維持するのを助け、また、他の機能のために、一般に、添加剤が使用される。これらの製剤には、しばしば、この薬剤物質を化学的に変性するのが望ましい;ベクロメタゾンジプロピオネートは、例えば、典型的には、クロロフルオロカーボンまたはフルオロハイドロカーボン噴霧剤の分子と共に、微粉添加化合物(例えば、溶媒和物または包接化合物)の形態で、加圧エアロゾル中で使用される。
【0025】
加圧エアロゾル製剤中には、成分の安定な分散体を維持するのを助けるために、また、絞り弁の正しい機能の維持を助けるために、しばしば、界面活性剤が取り込まれる。一般的に使用されるオレイン酸は、この弁の各作動に対して約50μgを供給する濃度で、適切である。薬剤中の不活性物質の量を最小にすることは、常に、望ましいので、所望の効果を生じる最低濃度を使用すべきである。他の有用な界面活性剤には、ソルビタントリオレエート、セチルピリジニウムクロライド、大豆レシチン、ポリエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−エチレンジアミンブロック共重合体、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ヒマシ油エトキシレートおよびいずれか2種またはそれ以上の混合物が挙げられる。界面活性剤系を選択する際には
、一般に、この界面活性剤が噴霧剤またはアルコール−噴霧剤溶液に溶解性であることが好ましい。任意の所望の界面活性剤には、任意の所定の製剤および送達系に最適な量の界面活性剤を確認するために、薬剤送達再現性を測定する簡単な実験が使用できる。
【0026】
適当な担体形状の選択は、必要な特定の鼻投薬形状の正確な性質、例えば、この薬剤が(点滴剤または噴霧剤として使用する)鼻溶液、鼻懸濁液、鼻軟膏、鼻ゲルまたは他の鼻用形態に製剤されるかどうかに依存している。しかしながら、これらの形状の一部は、再現可能な用量測定および鼻粘膜への均一な適用を受けにくい。投薬形状の選択を行う際、治療の目的が鼻組織のアレルギーおよび炎症プロセスに影響を与えることにあって、この薬剤の任意の最大全身レベルを生じることではないことに留意すべきである。鼻粘膜組織の最大領域にわたって分散する組成物を使用するのが有利であり、それにより、一般に、噴霧投薬形状に有利に働く。
【0027】
本発明では、このコルチコステロイドは、典型的には、局所鼻投薬形状にて、約0.001%〜約0.2%、好ましくは、約0.01%〜約0.1%の濃度で、存在している。デスロラタジンは、典型的には、約0.05%〜約10%、好ましくは、約0.2%〜約5%の濃度で、存在している。
【0028】
好ましくは、この組成物は、望ましくない鼻症状を治療するのに安全で有効な量を局所適用することにより、鼻粘膜に適用される。デスロラタジンおよびコルチコステロイドの量および鼻粘膜への局所適用の頻度は、個人および医療上の要求に依存して変わり得るが、一例として、この適用は、約1日1回〜約1日4回の範囲であり、好ましくは、1日2回以下であり、最も好ましくは、1日1回であることが提案されている。典型的には、投薬単位は、噴霧作動または計量用量「パフ」あたり、約10μg〜約1000μgのコルチコステロイド試薬および約100μg〜約5mgのデスロラタジンを送達するように、作製される。典型的な用量は、鼻孔あたり、1回〜4回の噴霧を含む。利便性を考慮して、一般に、これらの2種の薬剤の各用量は、同じ時点で投与するのが好ましく、さらに好ましくは、両方は、単一製剤中に存在している。しかしながら、一部のコルチコステロイドは、デスロラタジンとは異なる間隔で投薬する必要があり得、それにより、異なる製剤および投薬スケジュールが使用され得る。
【0029】
本発明で有用な任意の成分には、局所活性うっ血除去薬が挙げられる。本発明で有用なうっ血除去薬には、交感神経様作用アミンが挙げられ、その一部の例には、エフェドリン、レブメタムフェタミン(levmetamfetamine)、プロピルヘキセドリン、キシロメタゾリン、フェニレフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリンおよびそれらの薬学的に受容可能な塩がある。このようなうっ血除去薬の混合物もまた、有用である。
【0030】
これらの交感神経様作用試薬は、本発明の組成物中で使用するとき、約0.01%〜約0.5%、好ましくは、約0.05%〜約0.1%の濃度で、取り込まれ得る。
【0031】
本発明の組成物は、必要に応じて、また、抗アレルギー薬を含有し得る。適当な抗アレルギー薬には、クロモリンが挙げられるが、これに限定されず、これは、マスト細胞の脱顆粒を阻害すると考えられている。
【0032】
同様に、本発明の組成物には、粘液溶解薬(例えば、アセチルシステイン)および抗ムスカリン薬(例えば、イプラトロピウムブロマイドおよびチオトロピウム(tiotropium)ブロマイド)が取り込まれ得る。
【0033】
また、本発明の組成物中で任意に使用するものとして、非アヘン性(nonopiate)鎮痛剤(例えば、オキサプロジン、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、イブ
プロフェン、エテドラック(etedolac)、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ナプロキセン、それらの薬学的に受容可能な塩、必要に応じてそれらの活性ラセミ化合物およびそれらの混合物)がある。
【0034】
合成アヘン性鎮痛剤(例えば、オキシコドン、ブプレノルフィン、メペリジン、メサドン、プロポキシフェン、ペンタゾシン、それらの薬学的に受容可能な塩およびそれらの混合物)は、有利に取り込まれ得る。
【0035】
種々の芳香成分(例えば、アルデヒドおよびエステル)もまた、使用され得る。これらの芳香性化合物には、例えば、メタノール、カンファー、ユーカリプトール(eucalyptol)、ベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)、シトラール(レモン、ライム)、ネラール、デカナール(オレンジ、レモン)、アルデヒドC−B、アルデヒド0−9およびアルデヒド0−12(柑橘類の果実);トルイルアルデヒド(チェリーアーモンド);2,6−ジメチル−オクタナール(熟していない果実);および2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)が挙げられる。このような芳香性化合物の混合物もまた、使用できる。また、しばしば、周知の天然または合成芳香剤のいずれかを取り込むことが望ましく、これには、ミントまたは果実の香料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
以下の実施例は、さらに、本発明の範囲内の実施態様を説明し明示する。これらの実施例は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく多くの変形が可能であるので、例示の目的のためだけに示されており、現在請求した発明を限定するとは解釈されない。
【0037】
(実施例1)
以下の成分を使用して、水性スプレー式点鼻薬12kgバッチを調製する:
【0038】
【表1】


この組成物は、以下の手順を使用して調製する:(a)Avicel RC−591(微結晶セルロースおよびセルロースガムの混合物であり、これは、FMC社(Philadelphia,Pennsylvania U.S.A.)から販売されている)を、約6kgの水に分散し、グリセリンを添加する;(b)このクエン酸およびクエン酸ナトリウムを、約250グラムの水に溶解し、次いで、工程(a)の分散体に添加する;(c)ポリソルベート80を、引き続いて攪拌しつつ、約400グラムの水に溶解し、これら
の薬剤物質の両方を添加する;(d)工程(c)の混合物を工程(b)の分散体に添加する;そして(e)ベンズアルコニウムクロライドおよびフェニルエチルアルコールを少量の水に分散させ、そして工程(d)の混合物に添加し、次いで、十分な水を添加して、12kgの全バッチ重量を与える。
【0039】
この懸濁液は、典型的なポンプ噴霧装置を使用して投与し得、好ましくは、1回の作動あたり、100マイクロリットルの容積を送達する。
【0040】
(実施例2)
以下の成分を使用して、加圧計量用量吸入器製剤を調製する:モメタゾンフロエート(「MF」)、デスロラタジン(「DCL」)、オレイン酸(「OLEIC」)、エタノール(「ETOH」)、および噴霧剤1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(「HFC−227」)。この場合、以下の表で挙げた数値の表示は、重量パーセントである。
【0041】
【表2】


これらのエアロゾル製剤は、以下の手順のいずれかまたはそれらの任意の等価な方法を使用して、調製される:
(1)HFC−227以外の全ての成分をエアロゾル缶に充填し、これらのエアロゾル缶を、この噴霧剤の沸点より低い温度まで冷やし、必要量の液状噴霧剤を添加し、これらの缶に絞り弁をクリンプ付けする;
(2)HFC−227以外の全ての成分をエアロゾル缶に充填し、これらの缶に絞り弁をクリンプ付けし、これらの弁を通って、これらの缶に、液状噴霧剤を充填する;または
(3)適当に冷やした環境(この噴霧剤の沸点より低い温度)において、これらの成分の必要量を混合することにより、この製剤の一定量を調製し、よく混合した製剤をエアロゾル缶(これらには、予め絞り弁を取り付けた)に充填する。
【0042】
(実施例3)
以下の調合を使用して、加圧エアロゾル計量用量吸入器を調製するが、ここで、「BDP」は、ベクロメタゾンジプロピオネートであり、「DCL」は、デスロラタジンであり、「ETOH」は、エタノールであり、そして「HFC−134a」は、噴霧剤1,1,1,2−テトラフルオロエタンである。
【0043】
【表3】


これらの薬剤物質をエタノールと混合し、そして攪拌するか超音波かき混ぜにかけて、少なくともBDPを溶解し、この混合物をエアロゾル缶に入れる。これらの缶をこの噴霧剤の沸点より低い温度まで冷やした後、この液状噴霧剤を測定して、これらの缶に入れる。次いで、これらの缶に、絞り弁(これは、1回の作動あたり、50μLを送達するように設計された)をクリンプ付けする。
【0044】
(実施例4)
鼻粘膜において、ヒスタミンで誘発される血管浸透性増加を防止するデスロラタジンの局所効能は、ロラタジンと比較する。
【0045】
モルモットに麻酔をかけ、Evans青色染料を、体重1kgあたり30mgの量で、静脈内投与する。5分後、ビヒクル(水性緩衝液(これは、0.9重量%のNaClに溶解した10mMのNa2HPO4/NaH2PO4である)中の1容量%のジメチルスルホキシド;pH7.2に調節した)またはこのビヒクル中の抗ヒスタミン剤溶液のいずれか100μL量を、1鼻孔あたり50μLを使用して、鼻孔に滴下注入する。気管カニューレを使って、鼻の気道を閉塞し、抗ヒスタミン剤またはビヒクルの滴下注入に続いて10分間、頭部方向から、0.2mL/分の速度で、このカニューレを通って、30分間にわたって、上記緩衝液中の1mMヒスタミンの灌流を行い、外部鼻孔から出る灌流液を集める。この灌流液中の染料の濃度を分光光度的に分析したところ、高い染料濃度は、外因性ヒスタミン暴露によって、高い程度の微小血管浸透性が起こったことを示している。
【0046】
結果は、以下の表のとおりであり、これは、試験した用量あたり、8匹までの動物に対して、ビヒクルのみで測定した値と比較した血管浸透性の阻害パーセントの平均値を示している。
【0047】
【表4】


デスロラタジンは、大体、この試験において、ロラタジンよりも一桁も活性が高い。最も多い量のロラタジンについての一見したところ異常な結果は、これらの化合物がこのビヒクル100μLに完全には溶解しない量であったことが原因であり得る。
【出願人】 【識別番号】596129215
【氏名又は名称】シェーリング コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【出願日】 平成19年11月14日(2007.11.14)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策

【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明

【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹


【公開番号】 特開2008−56698(P2008−56698A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−295933(P2007−295933)