| 【発明の名称】 |
ジンゲロール含有水溶性組成物、該ジンゲロール含有水溶性組成物の製造方法、及び該ジンゲロール含有水溶性組成物を含有する飲食品、化粧品、医薬品 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡部 裕記
【氏名】岡本 麻希
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| 【要約】 |
【課題】ショウガの有効成分であるジンゲロールを含有し、飲食品、化粧品又は医薬品に添加して耐熱性、耐酸性を有するジンゲロール含有水溶性組成物、これを含有する飲食品、化粧品又は医薬品、及びジンゲロール含有水溶性組成物の製造方法を提供する。
【構成】含水エタノールに溶解させたジンゲロール又はジンゲロール含有物と糖類の熱処理物を組み合せることにより、簡便で短時間に、効率良く、飲食品、化粧品又は医薬品に添加した場合に熱安定性、酸性領域での安定性を有するジンゲロール含有水溶性組成物を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 含水エタノールに溶解したジンゲロール又はジンゲロール含有物と糖類の熱処理物を含有することを特徴とする耐熱性、耐酸性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物。 【請求項2】 ジンゲロール含有物が、ショウガ由来であることを特徴とする請求項1に記載のジンゲロール含有水溶性組成物。 【請求項3】 糖類の熱処理物がカラメルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のジンゲロール含有水溶性組成物。 【請求項4】 6−ジンゲロールの配合量が、組成物全体の0.01〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物。 【請求項5】 糖類の熱処理物の配合量が、組成物全体の0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物。 【請求項6】 含水エタノールのエタノール含量が50容量%未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物。 【請求項7】 含水エタノールに溶解したジンゲロール又はジンゲロール含有物と糖類の熱処理物を含有することを特徴とする耐熱性、耐酸性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物ジンゲロール含有水溶性組成物の製造方法。 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物を含有してなる飲食品。 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物を含有してなる化粧品。 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物を含有してなる医薬品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、耐熱性及び耐酸性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物、該ジンゲロール含有水溶性組成物の製造方法、及び該ジンゲロール含有水溶性組成物を含有する飲食品、化粧品又は医薬品に関する。 【背景技術】 【0002】 ショウガの主要な有効成分としてジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオール等が知られており、特にジンゲロールの抗酸化作用、血流上昇作用、脂肪細胞分化促進作用などが注目されている。近年は健康に関する関心の高さからその重要性はさらに増している。 【0003】 ジンゲロールを含有するショウガは薬用として利用される他、香辛料として食用に供されるなど重要な植物である。医薬品としては、消化薬、緩下剤、鎮咳剤、制酸薬の原料として使用される。食品としては調味料、清涼飲料、アルコール飲料、菓子類などに、また化粧品の香料としても使用されている。 【0004】 しかしながら、その有効成分であるジンゲロールは、加熱、あるいは酸性条件下でショウガオールやジンゲロンに変換され易く、安定した品質を保持することが困難であることが知られている。それに対し、特許文献1には、ショウガ抽出物とプロトン捕捉物質の群から選択される少なくとも1種の安定化補助剤とを含むショウガ抽出物製剤が開示されている。プロトン捕捉物質としては、ポリビニルピロリドン系が示されている。 【0005】 一方、特許文献2においては、動植物水溶性エキスの製法が示されている。同公報では、50重量%以上のエタノール水溶液で抽出処理し、採取した抽出液又はその濃縮液に水を添加し、生成する水不溶物を除去し、得られる水溶液を濃縮して得られる動植物エキス、さらに、該動植物エキスに多価アルコール、糖類又はその加熱反応物および糖・アミノ反応物から選ばれる少なくとも一種を添加することにより製造された動植物エキスは、極めて優れた透明安定性を示し、且つ好ましい香気香味のバランスを長期間に亘って安定に保持することが開示されている。しかしながら、耐酸性、耐熱性については言及していない。 【0006】 【特許文献1】特表2005−511641号公報 【0007】 【特許文献2】特開平08−308529号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 従来の方法では、飲食品や化粧品に添加した場合に、その有効成分であるジンゲロールを安定な状態を維持することは困難であった。 【0009】 本発明はかかる問題に鑑みて、ショウガの有効成分であるジンゲロールを含有し、飲食品、化粧品及び医薬品に含有して耐熱性及び耐酸性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物を提供することを課題とした。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねたところ、含水エタノールに溶解させたジンゲロール又はジンゲロール含有物と糖類の加熱反応物を組み合せることにより、耐熱性及び耐酸性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物が製造できることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。 【0011】 請求項1に記載の本発明は、ジンゲロール又はジンゲロール含有物及び糖類の熱処理物を含水エタノールに溶解することを特徴とする耐熱性及び耐酸性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物である。 【0012】 請求項2に記載の本発明は、ジンゲロール含有物が、ショウガ由来であることを特徴とする請求項1記載のジンゲロール含有水溶性組成物である。 【0013】 請求項3に記載の本発明は、糖類の熱処理物がカラメルであることを特徴とする請求項1又は2記載のジンゲロール含有水溶性組成物である。 【0014】 請求項4に記載の本発明は、6−ジンゲロールの配合量が、組成物全体の0.01〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のジンゲロール含有水溶性組成物である。 【0015】 請求項5に記載の本発明は、糖類の熱処理物の配合量が、組成物全体の0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のジンゲロール含有水溶性組成物である。 【0016】 請求項6に記載の本発明は、含水エタノールのエタノール含量が50容量%未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のジンゲロール含有水溶性組成物である。 【0017】 請求項7に記載の本発明は、含水エタノールに溶解したジンゲロール又はジンゲロール含有物と糖類の熱処理物を含有することを特徴とする耐熱性、耐酸性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物ジンゲロール含有水溶性組成物の製造方法である。この製造方法において、ジンゲロール含有物はショウガ由来であってよく、糖類の熱処理物はカラメルであってよい。また、6−ジンゲロールの配合量は組成物全体の0.01〜1.0重量%であってよく、糖類の熱処理物の配合量は組成物全体の0.01〜10重量%であってよい。 【0018】 請求項8に記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物を含有してなる飲食品である。 【0019】 請求項9記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物を含有してなる化粧品である。 【0020】 請求項10記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のジンゲロール含有水溶性組成物を含有してなる医薬品である。 【発明の効果】 【0021】 本発明では、ジンゲロール又はジンゲロール含有物及び糖類の加熱反応物を含水エタノールに溶解させることにより、従来のジンゲロール含有物では問題点であった飲食品や化粧品に配合した場合に加熱処理及び酸性領域での保存安定性に欠くことを改善し、飲食品や化粧品等に含有して加熱処理及び酸性領域における安定性に優れたジンゲロール含有水溶性組成物を簡便に得ることができる。特に品質ならびに価格的に優れたジンゲロール含有水溶性組成物の供給が可能となる。このことにより、ジンゲロールの保健機能を幅広く食品、化粧品等に利用できるようになる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下、本発明を詳細に説明する。 【0023】 請求項1に記載の本発明のジンゲロール含有水溶性組成物は、ジンゲロール又はジンゲロール含有物及び糖類の熱処理物を含水エタノールに溶解することを特徴とするものであり、飲食品や化粧品に含有して、特に耐熱性及び耐酸性に優れた効果を発揮する。なお、ここでいう耐酸性とは、特に限定されないが、例えばpHが7.0以下の酸性領域におけるジンゲロールの残存率が40℃条件で少なくとも30日間80%以上であることをいい、弱酸性から強酸性の全ての領域を含むが、より効果を発揮するのは、pH5.0以下であり、さらにはpH3.5以下においてジンゲロールの残存率が80%以上であることをいう。また、耐熱性とは、特に限定されないが、例えば、加熱処理後のジンゲロールの残存率が40℃条件で少なくとも30日間80%以上であることをいい、加熱処理とは、加熱時間、方法を限定しないが、例えば80℃、30分の加熱、さらには120℃で30分以上の加熱においても有効である。 【0024】 ジンゲロール(gingerol)とは、ショウガ(Zingiber officinale Roscoe)に含有される成分であり、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール等を含む。天然物か合成品かは限定されない。 【0025】 ジンゲロール含有物とは、ジンゲロールを含有する原料であればどのような形態の加工品でも用いることができる。中でも請求項2に記載するように、ショウガ由来でジンゲロールを含有するものであれば好ましい。ショウガの形態は特に限定するものではないが、生鮮原料、搾汁、冷凍品、乾燥品、オレオレジン、生姜及び乾姜が挙げられる。さらに乾燥品は生鮮原料を熱風乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、天日乾燥等で乾燥させた乾燥品が使用可能であり、乾燥方法を限定するものではない。オレオレジンとは、ショウガをエタノール等の有機溶媒で抽出し、溶媒除去し、濃縮したものである。生姜、乾姜は漢方でのショウガの名称であり、生姜はショウガの乾燥した根茎であり、乾姜は、ショウガの根茎を湯通し、蒸しなどの後、乾燥したものである。また、ショウガの産地、品種、栽培時期、貯蔵方法等を限定するものではない。更に、新ショウガと親ショウガのどちらかを限定するものでもない。部位は、根茎、芽、茎などが使用可能であり、根茎は脱皮後、ガリ、砂糖漬け等の加工に使用されており、従来廃棄されていた外皮部分も使用可能である。 【0026】 ジンゲロール又はジンゲロール含有物のジンゲロール含有水溶性組成物中の配合量は、請求項4に記載の通り、ジンゲロール含有水溶性組成物に対し6−ジンゲロールとして0.01〜1.0重量%である。好ましくは0.05〜0.4重量%、更に好ましくは0.07〜0.2重量%である。6−ジンゲロールを除くジンゲロールを配合する場合は、6−ジンゲロールの配合量に準じて、ジンゲロール含有水溶性組成物に対し、ジンゲロールとして0.01〜1.0重量%である。 【0027】 糖類の熱処理物とは、砂糖、ブドウ糖、転化糖、デンプン加水分解物、糖蜜などの食用炭水化物を熱処理したものである。中でも、請求項3に記載の通り、一般にカラメルと称されるものが好ましく、カラメルは製法によりコロイド特性、電荷特性が異なり、その種類を特に限定するものではない。耐酸性に優れたカラメルを使用することが更に好ましい。また、糖類の熱処理によりカラメルが調整されるが、途中段階のものでも使用可能である。糖類の熱処理物のジンゲロール含有水溶性組成物中の配合は、請求項5に記載の通り、ジンゲロール含有水溶性組成物に対し、0.01〜10重量%である。好ましくは0.05〜2.0重量%、更に好ましくは0.1〜1.0重量%である。 【0028】 ジンゲロール含有水溶性組成物に用いられる含水エタノールのエタノール含量は、請求項6に記載の通り、50容量%未満が好ましい。更に好ましくは10〜40容量%である。 【0029】 請求項7に記載の本発明のジンゲロール含有組成物の製造方法としては、ジンゲロール又はジンゲロール含有物を含水エタノールに溶解し、不溶性成分を除去した後に糖類の熱処理物を添加する方法が挙げられる。溶解方法を特に限定するものではないが、ジンゲロール又はジンゲロール含有物1重量部に対し、50容量%未満のエタノール濃度の含水エタノール2〜1000重量部加え、1〜48時間ジンゲロールを含水エタノール中に溶解させる。ジンゲロール含有物として水分量の高い生鮮原料を用いた場合は、その原料由来の水分を考慮して、含水エタノール溶解時の濃度で50容量%未満となるように調整することが必要である。50容量%を超えるエタノール濃度の場合は、脂溶性の高い成分まで含水エタノール中に溶解される為、好ましくない。また、10容量%より薄いエタノール濃度では、ジンゲロール類の回収率が著しく低下する為、好ましくない。不溶性成分を除去する方法としては、冷却分別、遠心分離、ろ紙ろ過、珪藻土濾過等の方法及びそれぞれの方法の組み合わせが挙げられるが、特に限定するものではない。また、ジンゲロール含有水溶性組成物への糖類の熱処理物を添加する方法は、製造工程の特定の段階に限定するものではないが、不溶性成分を除去する工程の後段において添加することが望ましい。上記の製造工程でジンゲロール含有水溶性組成物を得ることができる。ジンゲロール含有水溶性組成物には、さらに、ブドウ糖、果糖、ショ糖、ソルビトール、デキストリン、甘草抽出物、乳糖、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセチン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、アミノ酸、塩類、香料、保存剤等、通常の食品原料として使用されるものを適宜配合して製造することができる。その他、炭化水素類、脂肪酸、高級アルコール類、エステル類、種々の界面活性剤、防腐剤等、通常の化粧品原料として使用されるもの、又は通常の医薬品原料として使用されるものを適宜配合して製造することができる。 【0030】 このようにして得られたジンゲロール含有水溶性組成物は、耐熱性、耐酸性を有し、飲食品、化粧品又は医薬品に添加して完全に溶解し、長期間経過した後でも、濁り、澱を生じず、透明性を維持することが可能である。 【0031】 請求項8に記載の本発明のジンゲロール含有水溶性組成物を含有する飲食品としては、例えば、穀物加工品、大豆加工品、油脂加工品、食肉加工品、水産加工品、野菜・果実加工品、乳製品、菓子類、アルコール飲料、嗜好飲料、調味料などが挙げられるが、これらの例示に限定されるものではない。また、錠剤にすることも可能である。各種飲食品への添加量は、特に限定されるものではないが、0.01〜5重量%の範囲が好ましい。より好ましくは0.1〜3重量%である。 【0032】 請求項9に記載の本発明の化粧品としては、例えば、基礎化粧料をはじめ、メイクアップ化粧料、頭髪用化粧料、浴用剤等様々な製品それらの原材料又は加工中間物等として利用可能であるが、これらの例示に限定されるものではない。 【0033】 また、請求項10に記載の本発明の医薬品としては、例えば、健医剤、消化剤、酵素剤、鎮痛剤、鎮吐剤、軟膏等に利用可能であるが、これらの例示に限定されるものではない。各種化粧品又は医薬品へ配合するジンゲロール含有水溶性組成物の割合は、特に限定されるものではないが、0.01〜20重量%の範囲が好ましい。より好ましくは0.1〜10重量%である。 【実施例】 【0034】 以下、本発明の実施の形態を具体的な実施例に基づいて説明するが、本発明は、本実施例に限定されるものではない。 【0035】 なお、各条件で調整したジンゲロール含有組成物の6−ジンゲロール含量は以下に示すHPLC条件で測定した。6−ジンゲロールの標準品は和光純薬社から購入したものを使用した。カラムは、Inertsil ODS-2(4.6mmI.D.×250mm)を用いた。溶離液はアセトニトリル−水(70/30、V/V)を用い、流速0.8mLとした。検出は紫外吸収280nmとした。 【0036】 <実施例1> (ジンゲロール含有水溶性組成物) 溶媒としてエタノール濃度(容量%)を変えた含水エタノールを用いて、それに対しジンジャーオレオレジン(ジボダンジャパン(株)製)、カラメルCD(池田糖化工業(株)製)のそれぞれの添加量(重量%)を以下の通りに配合し、ジンゲロール含有組成物を製造した。各組成物をpH3.0緩衝液で1%に希釈して、濁りの有無、ジンゲロール含量を確認した。また、80℃、30分間加熱後、そのまま40℃、30日保管後の濁りの有無、ジンゲロール含量を確認した。なお、カラメル添加量が10重量%の場合のみ、pH3.0緩衝液に対し、0.1%添加して、上記と同様の評価を行った。 【0037】 【表1】
【0038】 表1の結果の通り、エタノール濃度50容量%未満の含水エタノールに対して、1〜12%のオレオレジンの添加量に関わらず、カラメルCDの添加により、酸性域で安定に溶解し、加熱を加えてもジンゲロールが減少せず、安定性の高いジンゲロール含有水溶性組成物となった。 【0039】 <実施例2> (ジンジャーオレオレジンを用いた製造例) 10gのジンジャーオレオレジンを1000gの40容量%エタノールに溶解し、不溶物を遠心分離により除去した。得られた上清にカラメルCDを10g添加し、ジンゲロール含有水溶性組成物983gを得た。調整したジンゲロール含有組成物の6−ジンゲロール含量を測定した結果、0.105重量%であった。 【0040】 <比較例1> 比較例1として、カラメルを添加しない他は実施例2と同等の操作によりジンゲロール含有組成物を得た。 【0041】 <比較例2> 比較例2として、1.0gのジンジャーオレオレジンを100gの40容量%エタノールに溶解し、さらに0.1gのクエン酸を添加(pH3.4)した後、遠心分離により不溶物を除去することで、ジンゲロール含有組成物を得た。 【0042】 <比較例3> 比較例3として、1.0gのジンジャーオレオレジンを、65℃に加温した10gポリグリセリン脂肪酸エステル(HLD10 三菱化学フーズ製)、30gグリセロール及び60g水の混合液に加え、ホモキミキサーで乳化後、遠心分離により不溶物を除去することで、ジンゲロール含有組成物を得た。 【0043】 <実施例3> (耐熱性試験) 実施例2のジンゲロール含有水溶性組成物及び比較例1〜3のそれぞれのジンゲロール含有組成物をBrix12、pH3.0の糖液に1%添加して、120℃で、2時間加熱し、その後、40℃、30日間放置し、各段階でジンゲロール含量を測定した。 【0044】 【表2】
【0045】 上記表2の通り、120℃、2時間の加熱処理及びその後の保存において、実施例2は残存率80%以上を維持することができ、さらに透明性を維持することができたが、比較例1〜3はジンゲロールの残存率が80%以下に低下しており、さらに濁りが生じていることを確認した。 【0046】 <実施例4> (耐酸性試験) 実施例2のジンゲロール含有水溶性組成物及び比較例1のジンゲロール含有組成物を100mlの水及びpH2.2〜6のクエン酸−リン酸緩衝液に1%添加して、加熱処理(105℃、10分)を行い、その後、40℃で30日間保存を行った。酸性領域での安定性、耐酸性を確認した。安定性の結果は調整直後からの残存率で示した。 【0047】 【表3】
【0048】 上記表3の通り、実施例2はpH2.2〜7.0の緩衝液において、残存率80%を超える安定な保存状態を維持することができた。比較例1は全般に残存率が80%を割り込む状態であった。なお、アルカリ性の状態ではどちらも残存率が悪い結果となった。 【0049】 <実施例5> (ショウガ乾燥粉末を用いた製造例) オレオレジンの換わりにショウガ乾燥粉末を用いて製造した。ショウガを熱風乾燥・粉砕したショウガ乾燥粉末1kgに対し、40容量%エタノールを5kgを加え、1時間攪拌することで、ジンゲロールを含水エタノール中に溶解した。遠心分離装置を用いて固液分離を行い、上清として3.31kgを得た。上清に対し、カラメルS(池田糖化工業(株)製)33gを加え、ジンゲロール含有水溶性組成物を得た。6-ジンゲロール含量を分析した結果、0.083重量%であった。 【0050】 <実施例6> (ショウガ搾汁残渣を用いた製造例) 市販ショウガ根茎を洗浄し、外皮のある状態で粉砕、ろ布を用いて搾汁した後の搾汁残渣を用いてジンゲロール含有水溶性組成物を製造した。搾汁残渣1kg(水分量81%)に対し、60%エタノールを2kgを加えて、ジンゲロール溶解時のエタノール濃度約43容量%として3時間、定期的に攪拌した。溶解物から不溶物を除去する為、濾過装置を用いて、1μm孔径のろ紙を通過させ、濾液として2.26Kgを得た。濾液に対し、カラメルCDを20gを加え、ジンゲロール含有水溶性組成物を得た。6-ジンゲロール含量を分析した結果、0.135重量%であった。 【0051】 <実施例7> (調味料) 実施例2で得られたジンゲロール含有水溶性組成物を用いて以下のような飲食品を調整し、その飲食品の評価を行った。 ジンゲロール含有水溶性組成物0.5g、濃口醤油12g、みりん風調味料1.5g、5%カツオだし40g、食塩0.6g、上白糖3.8g、水41.6gを混合し、85℃達温後、冷却し麺つゆを製造した。 麺つゆの官能評価をした結果、麺つゆは濁りの無い状態で、ショウガ風味の効いた良好な製品となった。 【0052】 <実施例8> (飲料) 実施例2で得られたジンゲロール含有水溶性組成物を用いて以下のような飲食品を調整し、その飲食品の評価を行った。 ジンゲロール含有水溶性組成物2g、水飴10g、炭酸水188gを混合し、炭酸飲料を製造した。 その結果、ショウガ風味の強いジンジャーエールとなった。その飲料を10名の被験者が、それぞれ約100mlを喫飲することで、全ての被験者が喫飲後、10分以内の比較的短時間に本飲料による体温上昇効果を体感された。 【0053】 <実施例9> (ローション) 実施例2で得られたジンゲロール含有水溶性組成物を用いて以下のような化粧品を調整し、その化粧品の評価を行った。 ジンゲロール含有水溶性組成物5g、グリセリン10g、クエン酸0.1g及び精製水100gを混合し、ローションを調整した。 その調整したローションを10名の被験者の皮膚に塗布した。その結果、皮膚温度の上昇が体感されたとする被験者が8名であり、その他の者も皮膚表面の血行が促進されることは体感した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000210067 【氏名又は名称】池田食研株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月29日(2006.8.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069431 【弁理士】 【氏名又は名称】和田 成則
【識別番号】100130410 【弁理士】 【氏名又は名称】茅原 裕二
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| 【公開番号】 |
特開2008−56572(P2008−56572A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−232218(P2006−232218) |
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