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【発明の名称】 皮膚化粧料
【発明者】 【氏名】佐々木 三普

【氏名】福田 啓一

【要約】 【課題】清涼感がありながらも皮脂によるべたつきを持続的に抑制し、高温下でも安定で、使用感が良好であるとともに、保湿効果に優れた皮膚化粧料の提供。

【構成】水溶性高分子及び/又は多価アルコールを含む水溶液を吸水した多孔質粉体を含有し、当該多孔質粉体の表面が、架橋型オルガノポリシロキサンを含む油剤成分で被覆されている皮膚化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性高分子及び/又は多価アルコールを含む水溶液を吸水した多孔質粉体を含有し、当該多孔質粉体の表面が、架橋型オルガノポリシロキサンを含む油剤成分で被覆されている皮膚化粧料。
【請求項2】
油剤成分が、更にアルキル変性シリコーンを含有する請求項1記載の皮膚化粧料。
【請求項3】
更に、不定形微粒子無水ケイ酸を含有する請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
【請求項4】
多孔質粉体を含む全粉体(全粉体は、吸水前の質量である)と、架橋型オルガノポリシロキサンを含む油剤成分との質量比が、1:1〜1:5である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項5】
全粉体の吸水量が50〜250mL/100gである請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、清涼感がありながらも皮脂によるべたつきを持続的に抑制し、保湿効果に優れた皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
過剰の皮脂による脂性肌の悩みや毛穴等の皮膚の凹凸が気になる人は、10代後半から20代前半に特に多い。脂性肌の人は、脂っぽい肌質に対する嫌悪感や不快感、更には、皮脂による化粧くずれやテカリに基づく不快感を有している。皮膚の凹凸が気になる人は隠蔽性の高い化粧料の使用により仕上がりの不自然さに不満があった。前者に対する対策としては、油取り紙を肌に押しつけて過剰の皮脂をとる方法や、ミスト状の化粧水を噴霧してティシュ等で取り去る方法も提案されている。後者においては、屈折率の異なる粉体を混合して配合する方法がとられている。
【0003】
しかしながら、いずれの方法においても、使用されている化粧料の剤型は水中油型(O/W型)又は油中水型(W/O型)の乳化液状化粧料(特許文献1、特許文献2、特許文献3)や、プレストタイプのパウダー(特許文献4)、或いは溶融充填型油性固形化粧料(特許文献5)であり、いずれも過剰皮脂を抑える効果や、皮膚の凹凸を隠す効果の持続性の点で十分でなく、肌質まで改善できるものではなかった。
【0004】
さらに、特許文献6のように多孔質シリカ中に単に水を吸収させて油分で覆う方法では、高温で保存すると水分が蒸発し、粘度が上昇して組成物が硬くなり、使用できなくなるという欠点があった。
【特許文献1】特開2003−192521号公報
【特許文献2】特開平5−178733号公報
【特許文献3】特開平3−79669号公報
【特許文献4】特開平3−197413号公報
【特許文献5】特開2000−281532号公報
【特許文献6】特開2002−205910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、清涼感がありながらも皮脂によるべたつきを持続的に抑制し、高温下でも安定で、使用感も良好であるとともに、保湿効果に優れた皮膚化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、水溶性高分子及び/又は多価アルコールを含む水溶液を多孔質粉体に吸水させ、その表面を特定の油剤成分で被覆することにより、上記課題が解決すること見出した。
【0007】
本発明は、水溶性高分子及び/又は多価アルコールを含む水溶液を吸水した多孔質粉体を含有し、当該多孔質粉体の表面が、架橋型オルガノポリシロキサンを含む油剤成分で被覆されている皮膚化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚化粧料は、清涼感がありながらも皮脂によるべたつきを持続的に抑制し、脂性肌の不快感を緩和することができ、高温下でも安定で、使用感が良好であるとともに、保湿効果に優れたものである。特に、保湿化粧料として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で用いる多孔質粉体の具体例としては、ポリアミドやポリアクリレート、ポリメタクリレート、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、セルロース等の有機多孔質粉体;ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム等のケイ酸金属塩;炭酸カルシウム、炭酸コバルト等の炭酸金属塩;タングステン酸カルシウム等のタングステン酸金属塩;酸化コバルト、α−酸化鉄等の金属酸化物;水和酸化鉄等の金属酸化物などのほか、シリカ(シリカゲルを含む)、ハイドロキシアパタイト、ラノリンパウダー等が挙げられる。
【0010】
これらの多孔質粉体は、平均粒径1〜20μmであることが好ましく、更には、平均粒径1〜6μm未満の多孔質粉体と、平均粒径6〜20μmの多孔質粉体を組み合わせて使用することが好ましい。多孔質粉体は、小さすぎると皮膚化粧料ののびが悪くなり、大きすぎるときしみ感を感じるようになる。多孔質粉体としては、1個の粉体粒子中に有している細孔の平均細孔径が50Å以上であるのが好ましい。
【0011】
これらのうち、多孔質シリカで吸水量が50〜250mL/100gのものが好ましい。多孔質シリカは球状であっても板状であっても良い。特に、その両方を組み合わせて用いるのが好ましい。
ここで、吸水量は、機械法(JIS K6221-1982)の2枚羽根混合方式に従って測定した値で、吸油量測定器S−410(フロンテックス社製)を用いて測定される。測定方法は、粉体に水を4mL/minで滴下したときの混合トルクに応じたトーションバーのねじれ角からトルクを算出し、最大トルクの70%トルクの滴下量を吸水量とする。
【0012】
多孔質粉体は、皮膚化粧料全組成中に(吸水前の質量で)5〜40質量%、特に10〜30質量%含有するのが、ざらつきもなく、使用感が良好なので好ましい。
【0013】
本発明においては、多孔質粉体以外の粉体を含有することができる。多孔質粉体以外の粉体としては、球状、板状、不定形のいずれであっても良い。これらは平均粒径が0.001〜30μmであることが好ましい。
【0014】
球状粉体の形状は、真球状、及び球に類似する形状である。球状粉体としては、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、無水珪酸等の無機粉体;結晶セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチルエステル)、ナイロンパウダー、ポリビニルピロリドン等の有機粉体;シロキサン結合が三次元的に伸びた網状構造をなし、ケイ素原子1個にメチル基が結合した無機と有機との中間的構造を有するポリメチルシルセスキオキサン粉末等が挙げられる。球状粉体は、平均粒径0.1〜30μm、特に1〜20μmであるのが好ましい。球状粉体は、1種以上を用いることができ、サラサラした感触が得られるので好ましい。
前記球状粉体の含有量は、皮膚化粧料の全組成中に1〜30質量%、特に3〜30質量%の範囲が好ましい。
【0015】
板状粉体としては、タルク、雲母、カオリン、セリサイト、パール顔料等が挙げられる。板状粉体は、平均粒径0.1〜30μm、特に1〜20μmであるのが好ましい。板状粉体は、1種以上を用いることができ、化粧料の取り易さ、伸ばしやすさの点から好ましい。
【0016】
更に、不定形微粒子としては、不定形微粒子無水ケイ酸が好ましく、特に、平均粒径0.001〜0.01μmのものが、きしみが生じることのない良好な使用感と、油剤成分が分離することのない良好な安定性が得られ、好ましい。この不定形微粒子無水ケイ酸の粒子径は透過型電子顕微鏡によって測定される。
不定形微粒子無水ケイ酸としては、例えば、通常の四塩化珪素を水素・酸素炎中で加水分解して得られた、前記範囲の粒子径を有する親水性の不定形微粒子無水ケイ酸、前記親水性の不定形微粒子無水ケイ酸の表面を疎水化処理した不定形微粒子無水ケイ酸が挙げられる。不定形微粒子無水ケイ酸は、親水性であっても疎水性であってもよいが、親水性であるのが好ましい。
【0017】
不定形微粒子無水ケイ酸としては、例えば、アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR972、アエロジルR974、アエロジルR202、アエロジルRY200(以上、日本アエロジル社製)、タラノックス500(タルコ社製)等の市販品を用いることができる。
不定形微粒子無水ケイ酸は、皮膚化粧料全組成中に0.1〜5質量%、特に0.1〜1質量%含有するのが、特にきしみが生じることのない良好な使用感と、油剤成分が分離することのない良好な安定性が得られ、良好な化粧持続効果が得られるので好ましい。
【0018】
本発明において、これらの粉体表面は親水性及び疎水性のいずれであってもよい。疎水化処理の方法としては、トリメチルシリルクロライド、ヘキサメチルジシラザン等によるトリメチルシロキシ化処理;ジメチルジクロロシランによるメチル化処理;メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いたコーティング焼き付け処理;ジメチルポリシロキサン、金属石鹸等によるコーティングなどが挙げられる。
【0019】
多孔質粉体以外の粉体は1種以上を用いることができ、全組成中に1〜30質量%、特に4〜20質量%含有するのが、使用感、凹凸ぼかし効果の点から好ましい。
また、多孔質粉体以外の粉体と多孔質粉体の含有割合(質量比、双方の粉体の質量は、吸水前の質量である)は、皮脂除去性と使用感の両立の観点から、3:4〜1:5であるのが好ましい。
【0020】
本発明においては、多孔質粉体を含む全粉体(全粉体は吸水前である)の吸水量が50〜250mL/100g、特に70〜250mL/100gであるのが、水分離を起こさず安定に製造できるので好ましい。吸水量は、前記と同様に測定される。
【0021】
本発明において、多孔質粉体に吸水される水溶液は、水溶性高分子及び/又は多価アルコールを含有する。
水溶性高分子としては、天然高分子、半合成高分子、合成高分子のいずれでも良い。天然高分子としては、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ファーセラン、グアーガム、クインスシードガム、デンプン、アラビアガム、ペクチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン酸、アルブミン、ゼラチン、可溶性コラーゲン、キサンタンガム、デキストラン、プルラン等が挙げられ;半合成高分子としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等が挙げられ;合成高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0022】
また、多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量1500以下)、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール等が挙げられる。
【0023】
本発明においては、これらの水溶性高分子及び多価アルコールから選ばれる1種以上が用いられ、水溶性高分子と多価アルコールを組み合わせて用いることもできる。なお、水溶性高分子は、水に溶解させたのち、粉体に吸収させる。
水溶性高分子及び/又は多価アルコールの含有量は、皮膚化粧料の全組成中に0.01〜10質量%、特に0.1〜5質量%であるのが好ましい。
【0024】
本発明においては、前記多孔質粉体に水溶性高分子及び/又は多価アルコールを含む水溶液を吸水させる。吸水方法は特に制限されず、例えば、多孔質粉体と水溶液とを混合して、吸水させることができる。あるいは、多孔質粉体と油剤成分を混合した後、水溶液を混合して、吸水させることができる。
【0025】
本発明において、多孔質粉体は、表面が架橋型オルガノポリシロキサンを含む油剤成分で被覆される。
架橋型オルガノポリシロキサンとしては、例えば架橋型アルキルアリールポリシロキサン、架橋型アルキルポリシロキサンが挙げられる。架橋型アルキルアリールポリシロキサンとしては、例えば炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基を有する架橋型オルガノポリシロキサンが挙げられ、例えば、架橋型メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。架橋型アルキルポリシロキサンとしては、例えば炭素数1〜5のアルキル基を有する架橋型ジアルキルポリシロキサンが挙げられ、例えば、架橋型ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0026】
また、架橋型オルガノポリシロキサンとして、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサンと架橋型オルガノポリシロキサンとの混合物であるペースト状のKSG15、低粘度ジメチルポリシロキサンと架橋型オルガノポリシロキサンとの混合物であるペースト状のKSG16、メチルフェニルポリシロキサンと架橋型オルガノポリシロキサンとの混合物であるペースト状のKSG18(以上、信越化学工業社製)等の市販品を使用することもできる。
【0027】
架橋型オルガノポリシロキサンは、皮膚化粧料全組成中に0.6〜9質量%、特に0.9〜6.3質量%含有するのが、べたつきのない使用感の点から好ましい。
【0028】
また、架橋型オルガノポリシロキサン以外の油剤成分としては、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油等が挙げられる。なお、ここで用いる油剤成分は、25℃で液状のものである。
【0029】
シリコーン油としては、例えば一般式(1)で表わされる直鎖状ポリオルガノシロキサン、一般式(2)で表わされる低分子量の環状ポリシロキサン等が挙げられる。
【0030】
【化1】


【0031】
(式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を示し、全てのR1は同一であっても相違していても良い。mは0〜100000の数を示す)
【0032】
【化2】


【0033】
(式中、R1は、前記と同じ意味を示し、nは4〜6の数を示す)
【0034】
直鎖状オルガノポリシロキサンとしては、炭素数が1〜5のアルキル基を有する直鎖状アルキルポリシロキサン、炭素数が1〜5のアルキル基及び炭素数が6〜10のアリール基を有する直鎖状アルキルアリールポリシロキサン等が挙げられ、具体的には、直鎖状ジメチルポリシロキサン、直鎖状メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。これら直鎖状オルガノポリシロキサンのうち、mが0〜100(粘度100mm2/s以下)のもの、特に、mが2〜50のものが、感触の点から好ましい。
【0035】
環状ポリシロキサンとしては、炭素数が1〜5のアルキル基を置換基として有する4〜6員環の環状シロキサンが挙げられ、具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
【0036】
炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ポリブテン等が挙げられる。
【0037】
また、エステル油としては、例えば、サフラワー油、大豆油、ブドウ種子油、ゴマ油、小麦胚芽油、アボガド油、オリブ油、ヒマシ油、マカデミアナッツ油、メドフォーム油等の植物性油;ミンク油、タートル油、液状ラノリン等の動物性油;ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等の低級アルコールの脂肪酸エステル;イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル等の高級アルコールの脂肪酸エステル;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸セチル等の高級アルコールのオキシ酸エステル;トリカプリル酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等の多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0038】
エーテル油としては、ドデシルジメチルブチルエーテル、セチルジメチルブチルエーテル等が挙げられ、フッ素油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロカーボン等が挙げられる。
【0039】
また、油剤成分中には、更にアルキル変性シリコーンを含むことが好ましい。本発明で用いるアルキル変性シリコーンは、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されない。例えば、ケイ素原子の少なくとも1つが炭素数6〜24のアルキル基で置換されているジメチルポリシロキサンが挙げられ、次の一般式で表わされるものが挙げられる。
【0040】
【化3】


【0041】
(式中、Rは炭素数6〜24のアルキル基を示し、a及びbはそれぞれ50〜1000の
数を示す)
【0042】
アルキル変性シリコーンの数平均分子量は、10000〜1000000、特に10000〜500000であるのが好ましい。また、式中のRは、炭素数16〜22のアルキル基であることが好ましい。
本発明においては、アルキル変性シリコーンを用いることにより、容器からの油の染み出しを抑制し、保存安定性をより向上させることができる。
【0043】
アルキル変性シリコーンは、1種以上を用いることができ、皮膚化粧料全組成中に0.5〜2質量%、特に1質量%程度含有するのが、べたつきがなく使用感が良好であり、安定性により優れるので好ましい。
【0044】
これらの油剤成分は、1種以上を用いることができ、全組成中に20〜60質量%、特に20〜55質量%含有するのが好ましい。
【0045】
本発明においては、架橋型オルガノポリシロキサンと、油剤成分として、特に揮発性シリコーン及び/又は不揮発性液状油を用いることにより、より優れた効果を得ることができる。
【0046】
架橋型オルガノポリシロキサンは、油剤成分と組み合わせ使用することにより、保存時は粉体からの水の流出を抑制し、塗布時には皮膚を乾燥させることなく、好ましい化粧品特性を付与することができる。また、粉体を多量に含む系では、固化しやすく、伸ばし難い剤型になるが、架橋型オルガノポリシロキサンと粉体を組み合わせることにより、ソフトであり、伸びやすく、且つ触ってもべたつかない優れた感触を生じる。更に、平均粒径1〜6μmの多孔質シリカ或いは不定形微粒子無水ケイ酸と組み合わせることにより、より弾力性のある液性になり、塗布時の伸び、使用感が向上する。
また、多孔質粉体を含む全粉体(全粉体は、吸水前の質量である)と、架橋型オルガノポリシロキサンを含む全油剤成分の含有割合(質量比)は、使用感の観点から、1:1〜1:5であるのが好ましい。
【0047】
本発明の皮膚化粧料は、前記成分のほか、使用目的等により、半固形状の炭化水素類、エステル類、動植物油脂、高級脂肪酸類、高級アルコール類、各種高分子樹脂類、紫外線吸収剤、色素、パール剤、体質顔料、増粘剤、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤、細胞間脂質、ビタミン類、抗炎症剤、香料、その他の薬剤等を含有することができる。
【0048】
本発明の皮膚化粧料は、皮膚に塗布したときの感触及び多孔質粉体の吸水量の点から、水を全組成中に5〜30質量%、特に8〜20質量%含有するのが好ましい。水を加えることにより、さっぱり感及び清涼感を得ることができる。
【0049】
本発明の皮膚化粧料は、例えば、全粉体を混合し、水溶性ポリマー及び/又は多価アルコールを溶解した一定量又は全量の水を含浸させた後、油剤成分を添加して混練し、必要に応じて更に水を添加して混練することにより、製造することができる。なお、油剤成分中には、水を含まないのが好ましい。
【0050】
本発明の皮膚化粧料は、粉体粒子同士が油剤成分で粘結され、適度な粘度を有し、且つ、一定の形状を保つことができるものである。
【0051】
本発明の皮膚化粧料は、25℃において、B8R型粘度計で5rpmにて測定したときの粘度が100〜4000Pa・s、特に300〜3000Pa・s、更に500〜2000Pa・sであるのが好ましい。
【実施例】
【0052】
実施例1〜7、比較例1〜2
表1に示す組成の皮膚化粧料を、下記方法にて製造し、25℃における粘度を測定した。結果を表1に併せて示す。また、各化粧料を使用したときののび、つき、べたつきのなさ、きしみのなさ、さらさら感、しっとり感、保湿感、化粧持続性、毛穴ぼかし効果及び保存安定性を評価した。結果を表3に示す。なお、比較例2は製造直後油が染み出し、分離した。
【0053】
(製造方法)
粉体を攪拌しながら水相成分を添加する。粉体が水相成分を全て吸水し、テスターで通電しないことを確認した後、この混合粉体に油剤成分を添加して混練し、皮膚化粧料を得た。なお、得られた皮膚化粧料もテスターで通電しないことを確認した。
【0054】
(評価方法)
(1)のび、つき、べたつきのなさ、きしみのなさ、さらさら感、しっとり感、保湿感、化粧持続性及び毛穴ぼかし効果:
専門パネラー10名により、各化粧料を使用したときののび、つき(均一に伸びてむらづきにならない)、べたつきのなさ、きしみのなさ、さらさら感、しっとり感、保湿感、化粧持続性、毛穴ぼかし効果について、1点から5点の5段階の官能評価を行い、その平均点を求め、以下の基準で判定した。
◎ :平均点が4.5〜5.0。
○ :平均点が3.5〜4.4。
△ :平均点が2.5〜3.4。
× :平均点が1.5〜2.4。
××:平均点が1.0〜1.4。
【0055】
(2)保存安定性:
各皮膚化粧料をチューブに充填し、50℃、室温(25℃)、−5℃の3条件下で、それぞれ1ヶ月静置保存した後排出し、その外観を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○:油の染み出しが認められない。
△:わずかに油の染み出しが認められる。
×:油の染み出しが認められる。
【0056】
【表1】


【0057】
【表2】


【0058】
【表3】


【0059】
実施例8
板状多孔質シリカ(吸水量:74mL/100g、平均粒径10μm)9.0質量部、球状多孔質シリカ(吸水量:168mL/100g、平均粒径12μm)13.5質量部、シリコーン処理微粒子酸化亜鉛*15.0質量部、メタクリル酸メチルクロスポリマー(平均粒径:17μm)5.0質量部、球状微粒子多孔質シリカ(吸水量:210mL/100g、平均粒径3μm)3.5質量部、パラエトキシ安息香酸エチル0.2質量部、架橋型オルガノポリシロキサンA*423.0質量部、ジメチルポリシロキサン*912.5質量部、イソノナン酸イソトリデシル*1012.5量部、アルキル変性シリコーン*122.0質量部、86%グリセリン0.01質量部、ヒアルロン酸ナトリウム*131.0質量部、アスナロ抽出液1.0質量部、55%エタノール2.0質量部、精製水9.79質量部(合計100質量部)を実施例1〜7と同様に混合して皮膚化粧料を製造した。全粉体の吸水量は170mL/100g、得られた皮膚化粧料の25℃における粘度は、880Pa・sであった。
得られた化粧料について、実施例1と同様に評価したところ、のび、つき、べたつきのなさ、きしみ、さらさら感、しっとり感、保湿感、化粧持続性、毛穴ぼかし効果及び保存安定性は良好であった。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年8月15日(2006.8.15)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高

【識別番号】100134935
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 詩木

【識別番号】100130683
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 政広

【識別番号】100140497
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 信宏


【公開番号】 特開2008−44883(P2008−44883A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221573(P2006−221573)