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【発明の名称】 クリーム組成物
【発明者】 【氏名】勅使河原 喬史

【氏名】渡辺 啓

【氏名】山口 和弘

【要約】 【課題】製剤の粘度安定性に影響する極性油分を含ませても高温から低温まで安定性が良好で、べたつきがなく肌の上でのびが良い使用感触のよい、水中油型乳化タイプのクリーム組成物を提供する。

【構成】(a)平均アルキル鎖長18以上の高級アルコール、(b)長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤(例えば、N−ステアロイル−N−メチルタウリン塩など)、(c)分子量400以下の極性油分、および(d)水を含み、(a)/(b)(モル比)が3以上で、系の粘度が8,000mPa・s(B型粘度計、30℃)以上であるクリーム組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)〜(d)成分を含み、(b)成分に対する(a)成分の配合比(モル比)が3以上で、系の粘度が8,000mPa・s(B型粘度計、30℃)以上であるクリーム組成物。
(a)成分: 平均アルキル鎖長18以上の高級アルコール。
(b)成分: 下記一般式(I)で表される長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤。
1CO−a−(CH2nSO31 (I)
〔式(I)中、R1CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を示し;aは−O−または−NR2−(ただし、R2は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す)を示し;M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し;nは1〜3の整数を示す。〕
(c)成分: 分子量400以下の極性油分。
(d)成分: 水。
【請求項2】
(b)成分に対する(a)成分の配合比(モル比)が4〜10である、請求項1記載のクリーム組成物。
【請求項3】
(c)成分を組成物全量中に5〜30質量%含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載のクリーム組成物。
【請求項4】
(b)成分がN−ステアロイル−N−メチルタウリン塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリーム組成物。
【請求項5】
(a)成分が2種以上の高級アルコールからなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリーム組成物。
【請求項6】
ノニオン界面活性剤が組成物全量中に0.3質量%を超えて配合されない、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクリーム組成物。
【請求項7】
分子量400超の極性油分を実質的に含まない、請求項1〜6のいずれか1項に記載のクリーム組成物。
【請求項8】
化粧料である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクリーム組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はクリーム組成物に関する。さらに詳しくは、一般に製剤の粘度安定性に影響を与える極性油分を配合しても、高温から低温まで幅広い温度域において安定性が良好で、しかもべたつきがなく、肌の上でのびが良い、使用感触の良好な水中油型(O/W)乳化タイプのクリーム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
クリームなどの乳化組成物を調製する方法としては、ノニオン界面活性剤と高級アルコールを用いる方法、アニオン界面活性剤と高級アルコールを用いる方法、カチオン界面活性剤を用いる方法、脂肪酸石鹸を用いる方法、およびそれらを併用する方法などが知られている。
【0003】
乳化組成物では、皮膚に対する有効成分として、また使用感触をべたつかず肌の上でのびを良好にする目的で、極性油分を配合する場合がある。しかし一般に、極性油分の配合によって高温で粘度の低下現象が起こることが知られており、これに対応するために系の配合成分を変更する必要があった。具体的には、界面活性剤、高級アルコール、石鹸などの配合量を高める方法などが知られている。また特開2001−2553号公報(特許文献1)にはN−アルキルメチルタウリン塩を非イオン界面活性剤と併用する方法が記載されている。
【0004】
しかし、界面活性剤、高級アルコール、石鹸などを高配合させると、のびが重く、べたつくなどの望ましくない使用感触を生じる。
【0005】
またN−アルキルメチルタウリン塩を非イオン界面活性剤と併用する方法では、乳化組成物として必要な十分な粘度が得られない場合があり、高温で保存した場合の安定性も十分でない。
【0006】
なお本出願人は従前に、高級アルコールと長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤と水を含み、特定のNMR値と融点をもつ系に、製剤の安定性に影響を与えることの多いアスコルビン酸−2−グルコシドを配合しても、高温から低温まで幅広い温度領域において安定性が良好で、しかも使用感触の良好なゲル状組成物、およびそれを外相に用いたクリーム組成物が得られるという技術を提案している(特許文献2参照)。しかし該特許文献2では、極性油の安定配合についての検討は行っていなかった。
【0007】
【特許文献1】特開2001−2553号公報
【特許文献2】特開2005−132808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、製剤の粘度安定性に影響を与える極性油分を配合しても、高温から低温まで幅広い温度域において安定性が良好で、しかもべたつきがなく肌の上でのびが良い使用感触の良好な、水中油型乳化タイプのクリーム組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために本発明は、下記(a)〜(d)成分を含み、(b)成分に対する(a)成分の配合比(モル比)が3以上で、系の粘度が8,000mPa・s(B型粘度計、30℃)以上であるクリーム組成物を提供する。
(a)成分: 平均アルキル鎖長18以上の高級アルコール。
(b)成分: 下記一般式(I)で表される長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤。
【0010】
1CO−a−(CH2nSO31 (I)
【0011】
〔式(I)中、R1CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を示し;aは−O−または−NR2−(ただし、R2は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す)を示し;M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し;nは1〜3の整数を示す。〕
(c)成分: 分子量400以下の極性油分。
(d)成分: 水。
【0012】
また本発明は、(b)成分に対する(a)成分の配合比(モル比)が4〜10である、上記クリーム組成物を提供する。
【0013】
また本発明は、(c)成分を組成物全量中に5〜30質量%含有する、上記クリーム組成物を提供する。
【0014】
また本発明は、(b)成分がN−ステアロイル−N−メチルタウリン塩である、上記クリーム組成物を提供する。
【0015】
また本発明は、(a)成分が2種以上の高級アルコールからなる、上記クリーム組成物を提供する。
【0016】
また本発明は、ノニオン界面活性剤が組成物全量中に0.3質量%を超えて配合されない、上記クリーム組成物を提供する。
【0017】
また本発明は、分子量400超の極性油分を実質的に含まない、上記クリーム組成物を提供する。
【0018】
また本発明は、化粧料である、上記クリーム組成物を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、一般に製剤の粘度安定性に影響を与えることの多い極性油分を配合しても、高温から低温まで幅広い温度域において、高級アルコール結晶の析出等がなく、安定に配合でき、しかも高温での低粘度化がなく、かつべたつきがなく肌の上でのびが良い使用感触の、水中油型乳化タイプのクリーム組成物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明における(a)成分としての高級アルコールは、算術平均により得られる平均アルキル鎖長が18以上で、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において用いられ得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば、飽和直鎖一価アルコール、不飽和一価アルコールなどが挙げられる。飽和直鎖一価アルコールとしては、オクタデカノール(=ステアリルアルコール)、ノナデカノール、イコサノール(=アラキルアルコール)、ヘンイコサノール、ドコサノール(=ベヘニルアルコール)、トリコサノール、テトラコサノール(=カルナービルアルコール)、ペンタコサノール、ヘキサコサノール(=セリルアルコール)等が挙げられる。不飽和一価アルコールとしてはエライジルアルコール等が挙げられる。本発明では安定性等の点から飽和直鎖一価アルコールが好ましい。
【0021】
(a)成分としての高級アルコールの平均アルキル鎖長が18未満では、クリーム組成物の融点が低くなり、高温安定性が十分でない。なお平均アルキル鎖長の好適上限値は特に限定されるものではないが、平均アルキル鎖長の上限値は26程度とするのが好ましく、より好ましくは24程度、特には22程度とするのが好ましい。
【0022】
(a)成分は1種または2種以上を用いることができるが、本発明では、アルキル鎖が異なる2種以上を用いたほうが、(a)成分の析出防止を処方設計の面からの実現という点からみた場合好ましい。
【0023】
本発明の(b)成分としての長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤は下記一般式(I)で表される。
【0024】
1CO−a−(CH2nSO31 (I)
【0025】
一般式(I)中、R1CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を表す。R1COとして、C1123CO、C1225CO、C1327CO、C1429CO、C1531CO、C1633CO、C1735CO、ココヤシ脂肪酸残基、パームヤシ脂肪酸残基等が例示される。なお、R1COは、安全性等の点から、その平均炭素原子数が12〜22のものがより好ましい。
【0026】
aは−O−または−NR−(ただし、Rは水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す)を表す。これらは電子供与性基である。aとしては、−O−、−NH−、−N(CH3)−が好ましい。
【0027】
1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を表す。M1として、例えばリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、タウリンナトリウム、N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
【0028】
nは1〜3の整数を表す。
【0029】
(b)成分として、上記一般式(I)中、aが−O−を示す化合物、すなわち長鎖アシルイセチオン酸塩型陰イオン性界面活性剤としては、ココイルイセチオン酸塩、ステアロイルイセチオン酸塩、ラウリルイセチオン酸塩、ミリストイルイセチオン酸塩等が例示される。
【0030】
上記一般式(I)中、aが−NH−を示す化合物、すなわち長鎖アシルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤としては、N−ラウロイルタウリン塩、N−ココイル−N−エタノールタウリン塩、N−ミリストイルタウリン塩、N−ステアロイルタウリン塩等が例示される。
【0031】
上記一般式(I)中、aが−N(CH3)−を示す化合物、すなわち長鎖アシルメチルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤としては、N−ラウロイル−N−メチルタウリン塩、N−パルミトイル−N−メチルタウリン塩、N−ステアロイル−N−メチルタウリン塩、N−ココイル−N−メチルタウリン塩等が例示される。
【0032】
中でも、(b)成分として、N−ステアロイル−N−メチルタウリン塩が特に好ましい。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0033】
なお界面活性剤として、従来の水中油型乳化タイプのクリーム基剤に用いられていた非イオン界面活性剤を配合した場合、後掲の比較例3、4(表1)に示すように、該非イオン界面活性剤と高級アルコールとにより生成されるαゲルは、極性油共存下では粘度安定性が得られず、αゲルの融点も変化するため、本願発明効果が得られない。
【0034】
本発明における上記(a)成分、(b)成分の配合比(モル比)については後述する。
【0035】
本発明における(c)成分としての極性油分は、分子量400以下で、有機性値/無機性値比(IOB値)が0.1以上のものを指し、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において用いられ得るものであれば特に限定されるものでない。例えば、オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、イソオクタン酸セチル等のイソオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル等のパルミチン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、イソノナン酸イソノニル等のイソノナン酸エステル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル等のコハク酸ジエステル等が挙げられる。中でもイソノナン酸イソノニル、コハク酸ジ−2−エチルへキシル、イソオクタン酸セチル、オクタン酸セチル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、パルミチン酸イソプロピル等が好適例として挙げられる。
【0036】
(c)成分の分子量を400以下とすることにより、肌の上でののびの良さを向上させることができる。分子量が400を超えると肌の上でののびが悪くなる懸念がある。
【0037】
(c)成分の配合量としては、特に限定されるものではないが、組成物全量に対し5〜30質量%程度配合するのが好ましい。5質量%未満ではべたつきがなく肌の上でのびが良い使用感を得ることが難しく、またクリームとしての皮膚に対する有用性を十分に発揮できないおそれがある。一方、30質量%超では油粒子の合一などによる不安定化が懸念されるとともに、油っぽい使用感となりがちである。
【0038】
なお本発明では分子量400超の極性油分を実質的に含有しないのが好ましく、配合する場合であっても1質量%を超えて配合するのは好ましくない。
【0039】
本発明のクリーム組成物は、水((d)成分)との共存下において(b)成分が(a)成分とともに、ラメラ状の2分子膜からなる会合体を形成しており、いわゆるαゲルの状態をとっており、このαゲルの塑性流動的な性質が(c)成分の油粒子を保持することにより得られる。αゲルは、界面活性剤および高級アルコールを高温下で溶解し、水と混合した後に冷却するか、高級アルコールを高温で融解し、界面活性剤を溶解した水と混合した後に冷却することで得られる白色、高粘度のゲルである。
【0040】
すなわち本発明のクリーム組成物の製造は、具体的には、(a)成分、(b)成分、(c)成分を高温下で溶解し、これを(d)成分と混合した後、冷却する方法や、(b)成分を(d)成分に加えて溶解し、ここに高温で溶解した(a)成分、(c)成分を加えて混合する方法、等により行うことができるが、これら方法に限定されるものではない。
【0041】
本発明のクリーム組成物は、製剤の粘度安定性に影響を与える(c)成分を配合しても、(a)成分の結晶が析出することがなく、高温から低温まで幅広い温度域において安定配合が実現でき、しかもべたつきがなく肌の上でのびが良い使用感触の良好な、水中油型乳化タイプのクリーム組成物を提供することを目的とする。
【0042】
本発明のクリーム組成物は、水中油型(O/W)乳化タイプの乳化組成物である。乳化の型が「水中油型(O/W)」であることは、電気伝導性を測定することで確認することができる。
【0043】
また本発明において「クリーム」とは、ガラス瓶に組成物を充填した場合に、瓶を傾けても流動しない程度の粘度を有することで定義される。具体的には、B型粘度計(ローター番号3番、ローター回転数12rpm)で8,000mPa・s(30℃)以上であり、より好ましくは20,000mPa・s(30℃)以上である。なお粘度の上限は特に限定されるものでないが、あまり高粘度に過ぎると使用性の点で劣ることから、概ね200,000mPa・s(30℃)以下とするのが好ましいが、剤型により適宜変更し得る。
【0044】
本発明のクリーム組成物は、水の分離がなく良好な安定性を示す。これは以下の理由によるものと考えられる。
【0045】
化粧料として用いられるクリーム組成物は、低温から高温まで状態が変化しないことが求められ、特に高温側について安定性が維持できることが必要である。本発明を構成するαゲルは融点を有し、融点以上の温度では低粘度化が起こり、長期間保存すると、ついには比重の異なる成分が完全に分離する。αゲルの融点は高級アルコールの種類および高級アルコールと界面活性剤のモル比に依存して変化することは、福島正二著「セチルアルコールの物理化学」(フレグランスジャーナル社、1992年)に記載されている。
【0046】
すなわち、高級アルコールと界面活性剤および水から形成されるαゲルは、その構成成分である高級アルコールおよび界面活性剤の単独の融点を示すことが普通である。高級アルコール/界面活性剤比が小さいときには、高級アルコール比の増加にしたがってαゲルの融点は徐々に高温側に変化し、高級アルコール/界面活性剤比が3:1に達すると融点が変化しなくなることが知られている。
【0047】
かかる知見から、本発明のクリーム組成物における(a)成分:(b)成分の望ましいモル比は3:1以上、すなわち(a)/(b)のモル比が3以上であり、より好ましくは4以上、特に好ましくは4〜10である。上記モル比が3未満ではαゲルの融点が十分に上昇しておらず、高温安定性が十分でない。一方、モル比が10を超えると共存する高級アルコールの結晶が成長し、αゲルが不安定化するおそれがあり、望ましくない。
【0048】
本発明のクリーム組成物は、通常化粧品に用いられる各種成分を、本願発明効果を損なわない範囲で配合することができる。これらの成分としては一価アルコール、多価アルコール、水溶性高分子、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、香料、色素、粉末、非極性油分、シリコーン油等を挙げることができるが、これら例示に限定されるものではない。
【0049】
なお従来用いられていた非イオン性界面活性剤等の界面活性剤は、本願発明効果を損なわない範囲において、本願発明クリーム組成物中に配合してもよいが、その配合量は0.3質量%を超えない範囲とするのが好ましく、特には、(b)成分以外の界面活性剤、特には非イオン性界面活性剤を実質的に含まないのが好ましい。
【0050】
本発明のクリーム組成物は、保湿クリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、エッセンス等のスキンケア化粧料、ヘアクリーム等のヘアケア化粧料、サンスクリーン、ボディクリーム等のボデイケア化粧料、ゲル状ファンデーション等のリンス等の洗浄料等、可能なすべての化粧料に利用することができる。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%で示す。また表1〜5において、(a)成分/(b)成分(モル比)は小数点以下四捨五入した値で示した。
【0052】
〈本実施例で用いた試料および調製方法〉
1.試料
(界面活性剤)
N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(本願発明(b)成分)と、比較試料として非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(20モル)ベヘニルエーテルまたはポリオキシエチレン(60モル)イソステアリン酸グリセリンを用いた。
(高級アルコール)
ベヘニルアルコールおよびステアリルアルコールを用いた。
【0053】
2.調製方法
水溶性成分、油溶性成分をそれぞれ90℃で溶解し混合、ホモミキサーにより9000rpm、1分間混合し、その後氷浴を使って冷却(30℃)することでαゲルを形成させた。
【0054】
〈本実施例で用いた試験法および評価法〉
[粘度]
B型粘度計(ローター番号3番、ローター回転数12rpm)を用い、30℃における粘度を測定した。
【0055】
[安定性試験]
実施例、比較例で得た試料を用いて、50℃、1ヶ月保存後の粘度変化(B型粘度計、30℃)、
〈安定性の評価基準〉
(50℃、1ヶ月保存後の粘度変化)
◎: 保存後の試料の粘度を、調製直後の試料の粘度で除した値が、0.9以上1.1未満
○: 保存後の試料の粘度を、調製直後の試料の粘度で除した値が、0.7以上0.9未満、または1.1以上1.3未満
△: 保存後の試料の粘度を、調製直後の試料の粘度で除した値が、0.5以上0.7未満、または1.3以上1.5未満
×: 保存後の試料の粘度を、調製直後の試料の粘度で除した値が、0.5未満、または1.5以上
【0056】
[使用感触(べたつきのなさ)]
専門のパネリスト(10名)により、実使用テスト(顔に塗布)を行い、下記評価基準により評価した。
〈使用感触(べたつき感のなさ)の評価基準〉
○: 10名中5名以上が、べたつき感がないと回答
△: 10名中3〜4名が、べたつき感がないと回答
×: 10人中2名以下が、べたつき感がないと回答
【0057】
[使用感触(のびの良さ)]
専門のパネリスト(10名)により、実使用テスト(顔に塗布)を行い、下記評価基準により評価した。
〈使用感触(のびの良さ)の評価基準〉
○: 10名中5名以上が、肌の上でののびが良いと回答
△: 10名中3〜4名が、肌の上でののびが良いと回答
×: 10人中2名以下が、肌の上でののびが良いと回答
【0058】
(実施例1、比較例1〜6)
下記表1に示す組成の試料を調製した。得られた試料を用いて、上記評価方法、評価基準に従い、製造直後の粘度(30℃)および高温安定性(50℃、1ヶ月間)、使用感触(べたつき感のなさ、肌の上でののびの良さ)について評価した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】


【0060】
表1の結果から明らかなように、本願発明構成要件を具備する実施例1は安定性、使用感触ともに非常に良好である。比較例1は(c)成分を含まないことから肌の上でののびが悪い。比較例2は(a)成分を含まず、平均アルキル鎖長16の高級アルコールを含むことから安定性が悪い。比較例3および4は(b)成分を含まず、ノニオン性界面活性剤を配合していることから安定性・使用感触ともに悪い。比較例5は(c)成分を含むものの、分子量400超の極性油分を高配合するため肌の上でののびが実施例1に比べ劣る。比較例6は(a)成分/(b)成分のモル比が3未満であり、系の粘度6,000であることから高温での安定性が悪い。
【0061】
(実施例2〜3)
下記表2に示す組成の試料を調製した。得られた試料を用いて、上記評価方法、評価基準に従い、製造直後の粘度(30℃)および高温安定性(50℃、1ヶ月間)、使用感触(べたつき感のなさ、肌の上でののびの良さ)について評価した。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】


【0063】
表2の結果から明らかなように、実施例2は(a)成分/(b)成分のモル比が10/1であり、安定性が非常に良好であった。実施例3は(a)成分/(b)成分のモル比が15/1であり、安定性が実施例2には及ばないものの良好であった。
【0064】
(実施例4〜6)
下記表3に示す組成の試料を調製した。得られた試料を用いて、上記評価方法、評価基準に従い、製造直後の粘度(30℃)および高温安定性(50℃、1ヶ月間)、使用感触(べたつき感のなさ、肌の上でののびの良さ)について評価した。結果を表3に示す。
【0065】
【表3】


【0066】
表3に示す結果から明らかなように、実施例4は(c)成分を15質量%配合しているため、使用性が非常に良好であった。実施例5は(c)成分の配合量が3質量%であり、肌の上での伸びが実施例4には及ばないものの使用性は良好であった。実施例6は(c)成分の配合量が40質量%であり、べたつき感のなさが実施例4におよばないものの使用性は良好であった。
【0067】
(実施例7〜9)
下記表4に示す組成の試料を調製した。得られた試料を用いて、上記評価方法、評価基準に従い、製造直後の粘度(30℃)および高温安定性(50℃、1ヶ月間)、使用感触(べたつき感のなさ、肌の上でののびの良さ)について評価した。結果を表4に示す。
【0068】
【表4】


【0069】
表4の結果から明らかなように、実施例7は2種類の(a)成分を配合しているため、安定性が非常に良好であった。実施例8および9は(a)成分を1種類しか含まないため、実施例7に及ばないものの安定性は良好であった。
【0070】
(実施例10〜11)
下記表5に示す組成の試料を調製した。得られた試料を用いて、上記評価方法、評価基準に従い、製造直後の粘度(30℃)および高温安定性(50℃、1ヶ月間)、使用感触(べたつき感のなさ、肌の上でののびの良さ)について評価した。結果を表5に示す。
【0071】
【表5】


【0072】
表5の結果から明らかなように、実施例10はノニオン活性剤を含まないため使用感触が非常に良好であった。実施例11はノニオン性活性剤が0.5質量%配合されているため使用性が実施例10には及ばないものの良好であった。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100098800
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 洋子


【公開番号】 特開2008−44866(P2008−44866A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220160(P2006−220160)