| 【発明の名称】 |
肌荒れ改善剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】北川 優
【氏名】鈴木 道子
【氏名】山本 周平
【氏名】曽我部 敦
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| 【要約】 |
【課題】分解性が高く、低毒性で環境に優しい糖脂質等のバイオサーファクタントに、本発明者らは新たな機能として保湿作用とセラミド代替効果を見出し、これらの機能の利用した素材を提供することを課題とした。
【構成】糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)またはマンノシルマンニトールリッピド(MML)のトリアシル体を有効成分として含有することを特徴とする化粧品素材と肌荒れ改善剤を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体を有効成分として含有することを特徴とする化粧品素材。 【請求項2】 糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体が、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)またはマンノシルマンニトールリッピド(MML)のトリアシル体であることを特徴とする請求項1に記載の化粧品素材。 【請求項3】 糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体が、式(I)で表される糖脂質であることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧品素材(式中、R1、R2およびR3は飽和あるいは不飽和結合を有する炭素鎖を示す)。 【化1】
【請求項4】 R1、R2およびR3の炭素数が6〜20であることを特徴とする請求項3に記載の化粧品素材。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧品素材を有効成分として含有することを特徴とする肌荒れ改善剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、微生物が生産する糖脂質を含有する保湿剤およびプレミックス品に関する。さらに詳しくは、糖脂質がエリスリトールの水酸基に脂肪酸エステルを有するトリアシルマンノシルエリスリトールリッピド(MEL)であることを特徴とする。 【背景技術】 【0002】 荒れ肌とは、一般に角質細胞の剥離現象が認められる乾燥状態の皮膚をいう。このような荒れ肌はコレステロール、セラミド、脂肪酸等の角質細胞間脂質の溶出、および紫外線、洗剤等に起因する角質細胞の変性や表皮細胞の増殖・角化バランスの崩壊による角層透過バリアの形成不全等によって発生する。この荒れ肌を予防または治癒する目的で、角質細胞間脂質成分又はそれに類似する合成の角質細胞間脂質を供給するなどの検討が行われている。 【0003】 この角層細胞間脂質は、有棘層と顆粒層の細胞で生合成された層板顆粒が、角層直下で細胞間に放出され、伸展し、層板(ラメラ)構造をとり、細胞間に広がったものである。層板顆粒はグルコシルセラミド、コレステロール、セラミド、リン脂質等から構成されるが、角層細胞間脂質にはグルコシルセラミドは殆ど含まれていない。すなわち、層板顆粒中のグルコシルセラミドは、β−グルコセレブロシダーゼによって加水分解を受け、セラミドに変換され、このセラミドがラメラ構造をとる結果、角層細胞間脂質として角層透過バリアの形成を改善し、荒れ肌防御のバリアの働きを持つと考えられる。洗浄剤による肌荒れはセラミドの補充が有効であり、肌荒れの改善に高い効果を示すことが報告されている(非特許文献1)。 【0004】 糖脂質等のバイオサーファクタントは、生分解性が高く、低毒性で環境に優しく、新規な生理機能を持つといわれている。このことから、食品工業、化粧品工業、医薬品工業、化学工業、環境分野等に広く普及を図るためには、多くの種類のバイオサーファクタントが必要である。しかしながら、現在までに発見されているバイオサーファクタントの種類は、20数種類と少ない。 【0005】 マンノシルエリスリトールリッピドは酵母が作る天然系の界面活性剤であり種々の生理作用が報告されている(非特許文献2)。また最近ではエリスリトールがマンニトールに代わったマンノシルマンニトールリッピド(MML)が見出されている(特許文献1)。外用剤や化粧品としての用途としては、抗炎症剤及び抗アレルギー剤(特許文献2)、養毛・育毛剤(特許文献3)としての有用性や、抗菌作用(特許文献4)や表面張力低下作用(特許文献5)が知られている。 【0006】 【特許文献1】特開2005−104837号公報 【特許文献2】特開2005−68015号公報 【特許文献3】特開2003−261424号公報 【特許文献4】特開昭57−145896号公報 【特許文献5】特開昭61−205450号公報 【非特許文献1】皮膚と美容、36,210(2004) 【非特許文献2】ジャーナル オブ バイオサイエンス アンド バイオエンジニアリング、94,187(2002) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、分解性が高く、低毒性で環境に優しい糖脂質等のバイオサーファクタントに、本発明者らは新たな機能として保湿作用とセラミド代替効果を見出し、これらの機能の利用した素材を提供することを課題とした。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本誘導体はこれまでのMELに比べて高い保湿性とセラミド代替効果を有する知見を見いだし、本発明をなすに至ったものである。 1.糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体を有効成分として含有することを特徴とする化粧品素材。 2.糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体が、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)またはマンノシルマンニトールリッピド(MML)のトリアシル体であることを特徴とする1の化粧品素材。 3.糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体が、式(I)で表される糖脂質であることを特徴とする1または2の化粧品素材(式中、R1、R2およびR3は飽和あるいは不飽和結合を有する炭素鎖を示す)。 【化1】
4.R1、R2およびR3の炭素数が6〜20であることを特徴とする3の化粧品素材。 5.1〜4のいずれかの化粧品素材を有効成分として含有することを特徴とする肌荒れ改善剤。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、シュードジーマ(Pseudzyma)sp.の培養物から、糖脂質(トリアシル化MEL)を得ることができ、さらにMELの酵素的エステル化反応により定量的に変換することが出来、この糖脂質はバイオサーファクタントとして有用である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 「バイオサーファクタント」とは生物によって生み出される界面活性能力や乳化能力を有する物質の総称であり、優れた界面活性や,高い生分解性を示すばかりでなく,様々な生理作用を有していることから合成界面活性剤とは異なる挙動・機能を発現する可能性がある。「糖脂質型バイオサーファクタント」は、微生物によって生産される天然系の界面活性剤のうち、糖質と脂肪酸部分からなるサーファクタントである。代表的なものとして、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)またはマンノシルマンニトールリッピド(MML)の他、ソホロリピッド、ラムノリピッド、トレハロースリッピドなどが例示される。いずれも生分解性が高く環境に負荷が少なく、生体に対しても安全性の高い素材である。 【0011】 MELの中ではMEL−A、MEL−B、MEL−C、MEL-Dの4種類が知られている。例えば、MEL−Aは式(II)のような構造を示す。MELはマンノースの2位、3位に炭素数1〜15の飽和あるいは不飽和のアルカノイル基を有し、マンノースの4位、6位がアセチル基である化合物である(式中、マンノースの4位、6位のアセチル基のどちらか一方、あるいは両方が水酸基になっていてもよい。)。 【0012】 【化2】
【0013】 「トリアシル体」とはMELのエリスリトールの水酸基に脂肪酸エステルが付加した構造を有するものである。 【0014】 本発明に用いる糖脂質型バイオサーファクタントは、トリアシル体がよい。トリアシル体の糖脂質型バイオサーファクタントは、MELよりもさらに高い疎水性を有する新規構造のバイオサーファクタントであり、たとえば、培養液以外から大量に得る時は酵素を用いてMELを種々の植物油と反応することによって得ることができる。 【0015】 以下に、トリアシル体の糖脂質型バイオサーファクタントの一例として、トリアシルマンノシルエリスリトールリッピド(トリアシルMELと称することがある)の利用例を示すが、本発明はトリアシルMELに限定されるものではない。下記に述べるトリアシル化の手法は、MELに限定されるものではなく、他の糖脂質型バイオサーファクタントにも利用できる。 【0016】 本発明に好ましく用いられるトリアシルマンノシルエリスリトールリッピド(トリアシルMELと称することがある)は、式(I)のような構造を示す。(式中、R1、R2は炭素数6〜20の飽和あるいは不飽和結合を有する脂肪族アシル基であり、マンノースの2,3位の水酸基とエステル結合をしており、残りの水酸基にはアセチル基が結合していてもよい。R3は炭素数6〜20の飽和あるいは不飽和結合を有する脂肪族アシル基であり、エリスリトールの一級水酸基とエステル結合をしている。) 【0017】 【化3】
【0018】 トリアシルMELは従来の、MELと異なり化粧品素材や肌荒れ改善剤として、さらに脂肪酸エステルが付加した構造であり高い疎水性を有することからエモリエント剤として種々のオイル成分と馴染みやすく、従来のMELと比べてもより低濃度で肌荒れ改善作用を示す点で優れている。MELは優れた自己集合性を有することから、角質内でセラミドのラメラ構造と同様の分子集合体を形成するものと思われる。 【0019】 セラミドとは、角層の細胞間脂質の約50%を占めるスフィンゴ脂質のことである。以前は牛脳由来のものが多かったが狂牛病が広まってからは、化粧品には植物由来セラミドなどが求められている。セラミド様の作用とは皮膚の角質層で細胞と細胞の間を埋めている主要成分であるセラミドの皮膚の肌荒れ、肌のはりや化粧のりの低下などを改善する働きを持つものである。本発明のトリアシルMELは、肌荒れにより減少したセラミドの代わりに角質層に浸透しラメラ構造を形成することにより、従来のMELよりもさらに高い効果を有し得るものである。 【0020】 製造方法は特に制限されるものはないが、微生物を用いた発酵方法を任意に選択して行えば良い。MELの培養生産は常法に従って、Pseudozyma antarctica NBRC 10736により生産したが、微生物としてはCandida antarctica、Candida sp.、等を用いてもよい。いずれの微生物でも容易にMELが得られることは周知の事実である。MELを生産する能力を有する微生物としては特に限定するものではなく、目的に応じて適宜使用することができる。 【0021】 発酵培地は、酵母エキス、ペプトン等のN源、グルコース、フルクトース等のC源、及び硝酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム7水塩等の無機塩類からなる一般的な培地を用いることができ、これにオリーブ油、ダイズ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、ココナッツ油等の油脂類並びに、流動パラフィン、テトラデカン等の炭化水素等の非水溶性基質の単独或いは2種以上を添加したものを使用する。 【0022】 pHや温度等の発酵条件や時間等は任意に設定でき、発酵後の培養液をそのまま本発明品とすることができる。又、発酵後の培養液を必要に応じて濾過、遠心分離、抽出、精製、滅菌等本発明の本質を損なわない範囲内で任意の操作を適宜加えることも可能であり、得られたエキスを希釈、濃縮、乾燥することもできる。 【0023】 原料とする植物油脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油などが挙げられ、これらの中でも、大豆油がMELの生産効率(生産量、生産速度、及び収率)を向上させることができる点で特に好ましい。これらは、1種を単独で、又は2種以上を併用しても構わない。 【0024】 無機窒素源としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫安、等が挙げられる。 【0025】 MELの回収、精製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、培養液を遠心分離して油分を回収し、酢酸エチルエステルで抽出濃縮することにより回収する。 【0026】 抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノールなどの低級アルコール、又はプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコール)、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルなどのエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルムなどの有機溶媒を、単独で或いは2種類以上の混液を任意に組み合わせて使用することができ、又、各々の溶媒抽出物が組み合わされたものでも使用することができる。 【0027】 尚、抽出方法は特に制限されるものはないが、通常、常温から常圧下での溶媒の沸点の範囲であれば良く、抽出後は濾過又はイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすれば良い。更に多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要ならば、その効力に影響のない範囲で更に脱臭、脱色などの精製処理を加えても良く、脱臭・脱色等の精製処理手段としては、活性炭カラムなどを用いれば良く、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えば良い。必要に応じて、シリカゲルカラムを用いて精製することにより、純度の高いMEL−Aを得ることができる。 【0028】 本発明のMEL誘導体、すなわちトリアシルMELを大量に得るために、上記のようにして微生物を発酵して製造したMELを有機溶媒に溶かし、植物油などの脂肪酸誘導体を添加、加水分解酵素の存在下でエステル交換反応する。 【0029】 本発明のトリアシルMELの製造方法は、特に限定されるものではないが、有機溶媒に溶解して反応することができる。全部または一部可溶化できるものなら、どんな有機化合物またはどんな有機化合物の混合物でもよい。したがって、溶媒は、特に下記の物質から選ぶことができる:メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、プロパノン、ブタノン、ペンタン−2−オン、1,2−エタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジオキサン、アセトニトリル、2−メチル−ブタン−2−オール、第3級ブタノール、2−メチルプロパノール、および4−ヒドロキシ−2−メチルペンタノン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、DMF、DMSO、ピリジン、メチルエチルケトン、またはこれらの溶媒2つ以上の混合物。加水分解酵素としては、リパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼ等が挙げられる。 【0030】 脂肪酸誘導体としては、油類としては、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油及びその硬化油。流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンがある。 【0031】 高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などがある。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ホホバアルコール、ラノリンアルコール、バチルアルコール、2−デシルテトラテセシノール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等がある。合成エステルとしては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等がある。シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等の三次元網目構造のもの等がある。 【0032】 以下に、トリアシル体の糖脂質型バイオサーファクタントの一例として、トリアシルマンノシルエリスリトールリッピド(トリアシルMELと称することがある)を用いた化粧品素材の組成、化粧品素材の製造方法、肌荒れ改善剤の組成、肌荒れ改善剤の製造方法の例を示すが、本発明はトリアシルMELに限定されるものではない。他の糖脂質型バイオサーファクタントにも広く利用できる。 【0033】 (トリアシルMELへの変換方法) トリアシルMELを大量に得るために、上記のようにして微生物を発酵して製造したMELを有機溶媒に溶かし、植物油などの脂肪酸誘導体を添加あるいは残存している植物油を利用して、エステル交換反応する。なお、用いるMELは精製品、粗精製品でもよく、培養液を遠心分離して得られる沈殿物画分でもよい。 【0034】 MELをトリアシルMELに効率的に変換するための処理方法として、本発明者は鋭意検討の結果、2種類の方法を見出した。すなわち、1)MELを含有する溶液に酵素を反応させることによりトリアシル体へ変換する方法、2)MELを含有する溶液に凍結乾燥した培養上清を反応させることによりトリアシル体への変換する方法である。特に2)の凍結乾燥した培養上清を反応させる方法は、非常に簡便で安価な方法であり有用性は非常に高い。なお、反応時に油類や高級脂肪酸や合成エステルなどを添加しても構わない。 【0035】 また、本発明のトリアシルMELの製造方法は、特に限定されるものではないが、有機溶媒に溶解して反応することができる。全部または一部可溶化できるものなら、どんな有機化合物またはどんな有機化合物の混合物でもよい。例えば、有機溶媒は、下記の物質から選んでもよい:メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、プロパノン、ブタノン、ペンタン−2−オン、1,2−エタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジオキサン、アセトニトリル、2−メチル−ブタン−2−オール、第3級ブタノール、2−メチルプロパノール、および4−ヒドロキシ−2−メチルペンタノン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、DMF、DMSO、ピリジン、メチルエチルケトン、またはこれらの溶媒2つ以上の混合物であってもよい。好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、第3級ブタノール、アセトニトリル、ジオキサン、より好ましくはアセトンがよい。 【0036】 以下により具体的なトリアシルMELの製造方法を説明するが、特に限定されるものではない。 【0037】 精製したMELを含有する溶液に酵素を反応させることによりトリアシル体へ変換する場合、MELを有機溶媒に溶解し、油脂、酵素を添加し10〜100℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で、1日〜7日間撹拌する。 【0038】 酵素としては加水分解酵素がよく、リパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼ等が挙げられる。好ましくはリパーゼ、エステラーゼ、より好ましくはリパーゼがよい。 【0039】 粗精製MELの場合、すなわち培養液非水画分を用いた場合、培養液非水画分を有機溶媒に溶かし酵素と油類や高級脂肪酸や合成エステルを添加する、または非水画分に油類や高級脂肪酸が残存する場合は敢えて添加する必要はない。粗精製MELの場合、すなわち培養液非水画分を有機溶媒に溶解し、油脂、酵素を添加し10〜100℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で、1日〜7日間撹拌する。 【0040】 この酵素を添加する方法により、ほぼ100%の効率でトリアシルMELが製造できることを見出したのは予想さえできないことであった。 【0041】 MELを含有する溶液に凍結乾燥した培養上清を反応させることによりトリアシル体への変換する場合、MELを有機溶媒に溶解し、油脂、凍結乾燥した培養上清を添加し10〜100℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で、1日〜7日間撹拌する。 【0042】 粗精製MELの場合、すなわち培養液非水画分を用いた場合、培養液非水画分を有機溶媒に溶かし凍結乾燥した培養上清と油類や高級脂肪酸や合成エステルを加え10〜100℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で、1日〜7日間撹拌する。 【0043】 培養上清を凍結乾燥する理由は、加水分解酵素を触媒としてエステル化あるいはエステル交換反応する場合、水が存在していると加水分解反応が生じるためエステル化あるいはエステル交換反応が進行しにくくなるためである。 【0044】 特に、この培養上清の凍結乾燥は、安価にMELをトリアシルMELへ効率的に変換する方法として、非常に有用である。当発明者らは、凍結乾燥した培養上清だけを添加すればほぼ100%の効率でトリアシルMELが製造できることを見出したのは予想さえできないことであった。 【0045】 本発明を用いることにより、最も副生成物が生成しないトリアシルMELの低コスト生産が可能になった。また添加する油類や高級脂肪酸や合成エステルを任意に変えることにより、培養液中からえられない新規なトリアシルMELも容易にデザインできる。なお、本発明は、トリアシルMELに限定されるものではない。当業者であれば、トリアシルMELの事例を示せば、他の糖脂質型バイオサーファクタントに応用できることは容易である。 【0046】 (化粧品素材及び肌荒れ改善剤) 化粧品素材や肌荒れ改善剤中のトリアシルMELの添加量は、対象となる化粧料の種類に応じて異なり一概には規定することができないが、肌荒れ改善/スキンケア作用を損なわない範囲で添加すれば良く、各種化粧料に対し、通常0.001〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましく3〜10質量%が特に好ましい。ここで、化粧料に添加する前記トリアシルMELの使用形態は任意である。例えば、トリアシルMELを培養液からの抽出物のまま、あるいは精製した高純度品、もしくは水に懸濁し、あるいはエタノール等の有機溶媒に溶かした後使用してもよい。 【0047】 トリアシルMELを用いた本発明の化粧料の製造方法は、特に限定されるものではないが、非イオン性の界面活性剤や低級アルコール、多価アルコール、あるいはオリーブ油、スクワラン、脂肪酸などの天然油脂に溶解して用いることができる。 【0048】 非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。 【0049】 POE系の親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステ ル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。 【0050】 低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。 【0051】 多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。 【0052】 油類としては、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油及びその硬化油。流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンがある。 【0053】 高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などがある。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ホホバアルコール、ラノリンアルコール、バチルアルコール、2−デシルテトラテセシノール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等がある。合成エステルとしては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等がある。シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等の三次元網目構造のもの等がある。 【0054】 本発明の化粧品素材や肌荒れ改善剤としては、乳液、美容液、クリーム、ローション、スキンケアオイル、クレンジングオイル、バスオイル、あるいは、洗顔料、メイク落とし、シャンプー、ボディソープなどが挙げられる。 【0055】 本発明のトリアシルMELはエモリエント剤としてオイル類と馴染みやすい性質を有しており、製造も容易なことから、使用し易さの点でセラミドより優れている。 【実施例】 【0056】 以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。 【0057】 (肌荒れ改善剤効果評価方法) テストスキン(東洋紡績株式会社製)LSE−003キット付属の取り扱い説明の要領に沿って組織を取り出す。薬剤暴露部位を確保するリングをLSE組織表面に接着させ、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)0.1%水溶液をリング内に添加し5分間室温で静置する。その後、SDSをアスピレーターで除去し、アッセイ培地3mlをピペットで吹きかけ洗浄。この操作にて、角層の保湿成分が溶出し、乾燥肌が作成された。 【0058】 次に、被験物として、純水、保湿性化粧液(ファンケル社製 フェナティ化粧液しっとり)を各80μlマイクロピペットにてLSE(Living Skin Equivalent)組織表面に添加。室温で60分静置した後、試料をアスピレーターにて吸引除去。続いて温度37℃、相対湿度15%RHから20%RHに調整したCO2インキュベーターにLSE組織をアッセイ培地が入っていないアッセイトレイに乗せて状態で入れ、24時間インキュベートした。その後、LSE組織をCO2インキュベーターより取り出し、LSE−003キット付属の取り扱い説明の要領に沿って、テトラゾリウム塩(MTT)試薬0.333g/mlが含まれるアッセイ培地の混合液1.2mlをアッセイトレイに入れ、温度37℃、相対湿度15%RHから20%RHに調整したCO2インキュベーター内で3時間インキュベートした。MTT処理後、LSE組織中央部を8mmφのバイオプシーパンチを用いてポリカーボネートの膜ごとくり抜き、切片を小試験管に移し、0.04N塩酸―イソプロパノールを700μl加え、暗所にて2時間抽出。抽出終了後、攪拌し、十分混和後、抽出された青紫色のホルマザンの562nmの吸光度を測定する。この方法によりえられる吸光度と肌角層水分測定による保湿性化粧液の保湿性効果とは密接な関係があり、ヒトの肌の保湿性評価を定量的、簡易的、且つ経済的に実施できる有効な保湿性評価方法である。 【0059】 実施例1 大豆油を原料にしたMELの製造(MEL(SB)) 種菌培養はPseudozyma antarctica NBRC 10736を種培地(20ml/500ml坂口フラスコ)に1roop植菌して実施した。30℃にて一晩培養した。得られた培養液を種菌とした。種培地組成は4% Glucose、0.3% NaNO3、0.02% MgSO4・H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extract。 【0060】 培養は上記種菌75mlを生産培地1.5L(5L-jar)に植菌し、30℃、300rpm(攪拌回転)、0.5L/min0(Air)の条件で5L-jarを用いて培養した。生産培地組成は、3% ダイズ油、0.02% MgSO4・H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extract。 【0061】 培養液250mlを遠心(6500rpm、30min)し、上清を取り除き、沈殿(菌体)を回収した。沈殿に、50mlの酢酸エチルを加え、十分攪拌後、遠心(8500rpm、30min)し、沈殿と上清に分け、上清をエバポレーターで濃縮した。シリカゲルを用いて、ヘキサン:アセトン=5:1、ヘキサン:アセトン=1:2で溶出しMEL画分を得た。 【0062】 実施例2 酵素的エステル交換反応によるMEL脂肪酸エステルの製造 (オレイン酸側鎖を有するトリアシルMELの合成)(OL−MEL(SB)) 大豆油を原料に実施例1で得られた得られたMEL1.48gをアセトン10mlに溶かし、オリーブ油4ml、モレキュラーシーブス4A 1g、ノボザイム435 200mgを加え、室温(20℃)で3日間撹拌した。反応液を濾過して酵素粒子を除去した後、エバポレーターを用いてアセトンを留去し、シリカゲルカラムを用いて酢酸エチル:ヘキサン(1:5)で流して生成物を単離した。淡黄色油状生成物1.35gを得た。 (リノール酸を有するトリアシルMELの酵素合成)(LI−MEL(SB)) 大豆油を原料に実施例1で得られたMELを用いて、大豆油を添加し、上記と同様の方法で反応を行いトリアシルMELの淡黄色油状生成物1.3gを得た。 (ウンデシレン酸を有するトリアシルMELの酵素合成)(UNDE−MEL(SB)) 大豆油を原料に実施例1で得られたMELを用いて、ウンデシレン酸を添加し、上記と同様の方法で反応を行いオレイン酸エステルをエリスリトール部に有するトリアシルMELの淡黄色油状生成物1.35gを得た。 【0063】 実施例3 肌荒れモデルでのトリアシルMELの評価 皮膚三次元モデルを用いた肌荒れモデルは以下の通り実施し作成した。テストスキン(東洋紡LSE-003)を1%SDSで処理することにより、角質層脂質成分を除去した肌荒れモデルを作成した。トリアシルMELを溶かしたオリーブ油を細胞上に添加し、一晩放置後、市販のMTTキットを用いて細胞生存率を算出することにより、肌荒れ防止効果を調べた。図1に示したようにトリアシルMELを1%濃度で添加することにより細胞生存数が増加し、トリアシルMELがセラミドの代替として働くことが確認された。一方、オリーブ油のみではそのような効果はまったく見られなかった。 【0064】 実施例4 美容液の製造以下に示す組成の美容液を常法により製造した。コントロールとして、トリアシルMELを含まない美容液も常法により製造した。 (組成) (重量%) ソルビット 4.0 ジプロピレングリコール 6.0 ポリエチレングリコール 1500 5.0 POE(20)オレイルアルコールエーテル0.5 ショ糖脂肪酸エステル 0.2 メチルセルロース 0.2 トリアシルMEL(LI−MEL(SB)) 5.0 精製水 全体で100となる量 【0065】 実施例5 乳液の製造 以下に示す組成の乳液を常法により製造した。コントロールとして、トリアシルMELを含まない乳液も常法により製造した。 (組成) (重量%) グリセリルエーテル 1.5 ショ糖脂肪酸エステル 1.5 モノステアリン酸ソルビタン 1.0 スクワラン 7.5 ジプロピレングリコール 5.0 トリアシルMEL (LI−MEL(SB)) 5.0 精製水 全体で100となる量 【0066】 実施例6 クリームの製造 以下に示す組成のクリームを常法により製造した。コントロールとして、トリアシルMELを含まないクリームも常法により製造した。 (組成) (重量%) プロピレングリコール 6.0 フタル酸ジブチル 19.0 ステアリン酸 5.0 モノステアリン酸グリセリン 5.0 モノステアリン酸ソルビタン 12.0 モノステアリン酸ポリエチレンソルビタン 38.0 エデト酸ナトリウム 0.03 トリアシルMEL (LI−MEL(SB)) 5.0 精製水 全体で100となる量 【0067】 実施例7 化粧用油 (組成) (重量%) オリーブ油 90% トリアシルMEL (LI−MEL(SB)) 10% 【0068】 実施例8 スキンケアオイル (組成) (重量%) オリーブ油 50% トリアシルMEL (LI−MEL(SB)) 30 スクワラン 10 植物性スクワラン 10 ゴマ油 10 【0069】 実施例9 スキンケアオイル (組成) (重量%) オリーブ油 39% トリアシルMEL(LI−MEL(SB)) 59 ゴマ油 1 ラベンダー油 0.4 ローズマリー油 0.4 セージ油 0.1 δ−トコフェロール 0.1 【0070】 実施例10 クレンジングオイル (組成) (重量%) オリーブ油 40% トリアシルMEL (LI−MEL(SB)) 28 メチルフェニルポリシロキサン 2 エタノール 0.3 イソステアリン酸 0.1 2−エチルヘキサン酸セチル 20 ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール 2 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.1 モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール 2 δ−トコフェロール 0.1 精製水 1 香料 適 量 【0071】 実施例11 バスオイル (組成) (重量%) オリーブ油 25% トリアシルMEL (LI−MEL(SB))25 流動パラフィン 25 ジカプリル酸ネオペンチルグリコール 10 ポリオキシエチレンオレイルエーテル 10 精製水 0.5 δ−トコフェロール 0.1 香料 適 量 【0072】 実施例12 ヒト肌荒れ試験によるトリアシルMEL含有クリームの効果 ヒト上腕内部に1%SDS溶液を10分間接触させて肌荒れを作成した。直ちに5%トリアシルMELを含む上記クリームを塗布し、3時間後に温水で皮膚を洗浄した。キムタオルで油分を拭き取り後、スキコンで皮膚角質水分量を測定した。図2に示したようにトリアシルMELを添加したクリームに水分含量の回復が見られた。 【産業上の利用可能性】 【0073】 本発明の糖脂質型バイオサーファクタントのトリアシル体、例えばトリアシルMELを使用することにより、乳化剤としてのみならずセラミドの代替としても使用でき、セラミドに比べ製造も非常に容易であることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。 【図面の簡単な説明】 【0074】 【図1】皮膚三次元モデルを用いSDS処理で作成した肌荒れモデルにおいてMEL誘導体すなわちトリアシルMELの効果を生存率(ホルマザンの吸光度)で示す図である。 【図2】ヒトの上腕部をSDSで処理して作成した肌荒れにトリアシルMEL含有クリームを塗布した時の角質層水分量の回復効果を示した図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−44857(P2008−44857A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−219379(P2006−219379) |
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