| 【発明の名称】 |
IL−6アンタゴニストを有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】岸本 忠三
【氏名】伊藤 裕章
【氏名】山本 光成
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| 【要約】 |
【課題】炎症性腸疾患の新規な予防又は治療剤の提供。
【構成】抗gp130抗体、抗IL-6抗体、IL-6の改変体、または可溶性IL-6受容体の改変体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 抗gp130抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤。 【請求項2】 抗IL-6抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤。 【請求項3】 IL-6改変体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤。 【請求項4】 可溶性IL-6受容体改変体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤。 【請求項5】 前記炎症性腸疾患が、クローン病または潰瘍性大腸炎である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の予防又は治療剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はインターロイキン-6(IL-6)アンタゴニストを有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤に関する。また、本発明は、IL-6アンタゴニストを有効成分とするクローン病又は潰瘍性大腸炎の予防又は治療剤に関する。 【背景技術】 【0002】 IL-6はB 細胞刺激因子2 (BSF2)あるいはインターフェロンβ2 とも呼称されたサイトカインである。IL-6は、B リンパ球系細胞の活性化に関与する分化因子として発見され(Hirano, T. et al., Nature (1986) 324, 73-76 )、その後、種々の細胞の機能に影響を及ぼす多機能サイトカインであることが明らかになった(Akira, S.et al., Adv. in Immunology (1993) 54, 1-78)。IL-6は、T リンパ球系細胞の成熟化を誘導することが報告されている(Lotz, M. et al., J. Exp. Med. (1988)167, 1253-1258)。 【0003】 IL-6は、細胞上で二種の蛋白質を介してその生物学的活性を伝達する。一つは、IL-6が結合する分子量約80kDのリガンド結合性蛋白質のIL-6受容体である (Taga, T. et al., J. Exp. Med. (1987) 166, 967-981, Yamasaki, K. et al., Science (1987) 241, 825-828)。IL-6受容体は、細胞膜を貫通して細胞膜上に発現する膜結合型の他に、主にその細胞外領域からなる可溶性IL-6受容体としても存在する。 【0004】 もう一つは、非リガンド結合性のシグナル伝達に係わる分子量約130kD の膜蛋白質gp130 である。IL-6とIL-6受容体はIL-6/IL-6受容体複合体を形成し、次いでgp130 と結合することにより、IL-6の生物学的活性が細胞内に伝達される(Taga, T. et al., Cell (1989) 58, 573-581) 。 IL-6アンタゴニストは、IL-6の生物学的活性の伝達を阻害する物質である。これまでに、IL-6に対する抗体(抗IL-6抗体)、IL-6受容体に対する抗体(抗IL-6受容体抗体)、gp130 に対する抗体(抗gp130 抗体)、IL-6改変体、IL-6又はIL-6受容体部分ペプチド等が知られている。 【0005】 抗IL-6受容体抗体に関しては、いくつかの報告がある(Novick,D. et al., Hybridoma (1991) 10, 137-146 、Huang, Y. W. et al., Hybridoma (1993) 12, 621-630 、国際特許出願公開番号WO 95-09873 、フランス特許出願公開番号FR 2694767、米国特許番号US 521628 )。その一つであるマウス抗体PM-1(Hirata, Y. et al., J. Immunol. (1989) 143, 2900-2906)の相捕性決定領域(CDR; complementarity determining region )をヒト抗体へ移植することにより得られたヒト型化PM-1抗体が知られている(国際特許出願公開番号WO 92-19759 )。 【0006】 炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease, IBD) は、潰瘍性大腸炎とクローン病を代表とする非特異的炎症である。疾患の成立に関しては、免疫学的異常の関与が深く示唆されているが、病因解明には至っていない。しかし、病変部位に集簇した単球、リンパ球が粘膜障害に関係していると考えられており、これら細胞から産生される炎症性メディエーター、特にサイトカイン(IL1β、TNFα、IL-6など) が注目されている。 【0007】 これら炎症性メディエーターの内、IL-6については疾患活動性との関係、即ちIBD 特異的指標となるか、という点に焦点が当てられてきた。まず、血清中IL-6濃度はクローン病と潰瘍性大腸炎のいずれにおいても増加し、その濃度は疾患活動性と相関する(Holtkamp, W. et al., J. Clin. Gastroenterology (1995) 20, 123-126、Niederau, C. et al., Hepato-Gastroenterology (1997) 44, 90-107) 。また、組織中のIL-6 mRNA 量をPCR (polymerase chain reaction) 産物として検出したところ、潰瘍性大腸炎、クローン病ともに活動性と良く相関して増加することが示されている(Stevens, C. et al., Dig. Dis. Sci. (1992) 37, 818-826) 。このような活動期IBD におけるIL-6産生量昂進について、そのメカニズムが解析され、粘膜固有層中の単核細胞をPokeweed mitogenで刺激した時の産生量が疾患活動性と相関することが明らかにされている(Reinecker,H.-C. et al., Clin. Exp. Immunol. (1993) 94, 174-181) 。 【0008】 その後、無刺激の粘膜固有層由来単核細胞あるいは患者粘膜の組織培養のいずれにおいてもIL-6産生と疾患活動性との相関が認められ、前者においては粘膜組織中のIL-6産生細胞数が増加することも示された。この単核細胞の内、最も重要なIL-6産生細胞はマクロファージであり、活動期IBD 患者の粘膜固有層中には盛んにIL-6を産生しているCD68陽性マクロファージが多数存在することが確認されている(Kusugami, K et al., Dig. Dis. Sci. (1995), 40, 949-959)。 【0009】 IL-6の産生は、クローン病患者の内視鏡的観察結果とも相関することが明らかになっている。 (Reimund, J.-M. et al., Gut (1996) 39, 684-689)。また、IL-6のみならず血清中可溶性IL-6受容体濃度と疾患活動度とが相関するとの報告もある(Mitsuyama. K. et al., Gut (1995) 36, 45-49)。 【0010】 IL-6以外の炎症メディエーターでは、IL-1β産生量がIL-6と同様に疾患活動性と相関することが認められている。一方、TNF αの産生量については必ずしも相関せず、活動性の低い状態であっても産生量は高い傾向にある(Reinecker, H.-C. et al., Clin. Exp. Immunol. (1993) 94, 174-181、Reimund, J.-M. et al., Gut (1996)39, 684-689) 。 現行のIBD 治療法は、食事療法と薬物療法の組み合わせからなり、サラゾスルファピリジン、グルココルチコイドなどが処方されている。しかし、これら薬物には副作用による不耐性患者が存在し、長期連投には問題がある。 【0011】 一方、新しいIBD の治療としてサイトカイン活性の阻害により、病態を改善しようとする試みが進められている。その主な標的はIL-1とTNFα(Van Deventer, S.J.H. Gut (1997) 40, 443-448) であり、IL-1については、IL-1受容体アンタゴニスト(Cominelli F etal., Gastroenterology (1992) 103, 65-71)、IL-1阻害剤であるCGP47969A(Casini-Raggi et al., Gastroenterology (1995) 109, 812-818)などによる臨床あるいは実験動物レベルで検討されている。また、TNF αについては特異的モノクローナル抗体をクローン病患者に投与し、他の治療に抵抗性であったクローン病患者10人中8 人で、活動性の低下と潰瘍の治癒が認められている(Van Dullemen, H. M. et al., Gastroenterology (1995) 109, 129-135)。しかしながら、IL-6アンタゴニストを用いIL-6の生物学的活性を特異的に抑制することにより、IBD に治療効果を示すことは知られていなかった。 【発明の開示】 【0012】 本発明は、前記の欠点を有さない炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供しようとするものである。 すなわち、本発明は、(1)IL-6アンタゴニストを有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。 本発明はまた、(2)IL-6受容体に対する抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。 本発明はまた、(3)IL-6受容体に対するモノクローナル抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。 【0013】 本発明はまた、(4)ヒトIL-6受容体に対するモノクローナル抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。ヒトIL-6受容体に対するモノクローナル抗体は、好ましくはPM-1抗体である。 本発明はまた、(5)マウスIL-6受容体に対するモノクローナル抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。マウスIL-6受容体に対するモノクローナル抗体は、好ましくはMR16-1抗体である。 本発明はまた、(6)IL-6受容体に対する組換え型抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。IL-6受容体に対する組換え型抗体、好ましくはヒト抗体定常領域(C 領域)を有する。 【0014】 本発明はまた、(7)IL-6受容体に対するキメラ抗体又はヒト型化抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。 本発明はまた、(8)ヒト型化PM-1抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患の予防又は治療剤を提供する。 本発明はまた、(9)前記(1)〜(8)に記載のIL-6アンタゴニストを有効成分として含有するクローン病又は潰瘍性大腸炎の予防又は治療剤を提供する。 本発明はまた、(10)前記(1)〜(8)に記載のIL-6アンタゴニストを有効成分として含有する炎症性腸疾患における体重減少抑制剤を提供する。 本発明はさらに、(11)前記(3)〜(8)に記載のIL-6受容体に対する抗体を有効成分として含有する炎症性腸疾患における体重減少抑制剤を提供する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明で使用されるIL-6アンタゴニストは、炎症性腸疾患の予防又は治療効果、又は炎症性腸疾患における体重減少抑制効果を示すものであれば、その由来、種類および形状を問わない。 IL-6アンタゴニストは、IL-6によるシグナル伝達を遮断し、IL-6の生物学的活性を阻害する物質である。IL-6アンタゴニストは、好ましくはIL-6、IL-6受容体及びgp130 のいずれかの結合に対する阻害作用を有する物質である。IL-6アンタゴニストとしては、例えば抗IL-6抗体、抗IL-6受容体抗体、抗gp130 抗体、IL-6改変体、可溶性IL-6受容体改変体あるいはIL-6又はIL-6受容体の部分ペプチドおよび、これらと同様の活性を示す低分子物質が挙げられる。 【0016】 本発明で使用される抗IL-6抗体は、公知の手段を用いてポリクローナル又はモノクローナル抗体として得ることができる。本発明で使用される抗IL-6抗体として、特に哺乳動物由来のモノクローナル抗体が好ましい。哺乳動物由来のモノクローナル抗体としては、ハイブリドーマに産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主に産生されるものがある。この抗体はIL-6と結合することにより、IL-6のIL-6受容体への結合を阻害してIL-6の生物学的活性の細胞内への伝達を遮断する。 【0017】 このような抗体としては、MH166 (Matsuda, T. et al., Eur. J. Immunol. (1988) 18, 951-956) やSK2 抗体(Sato, K. et al.,第21回 日本免疫学会総会、学術記録(1991) 21, 166)等が挙げられる。 抗IL-6抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、IL-6を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。 【0018】 具体的には、抗IL-6抗体を作製するには次のようにすればよい。例えば、抗体取得の感作抗原として使用されるヒトIL-6は、Eur. J. Biochem (1987) 168, 543-550 、J. Immunol. (1988) 140, 1534-1541 、あるいはAgr. Biol. Chem. (1990) 54, 2685-2688 に開示されたIL-6遺伝子/アミノ酸配列を用いることによって得られる。 IL-6の遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中又は、培養上清中から目的のIL-6蛋白質を公知の方法で精製し、この精製IL-6蛋白質を感作抗原として用いればよい。また、IL-6蛋白質と他の蛋白質との融合蛋白質を感作抗原として用いてもよい。 【0019】 本発明で使用される抗IL-6受容体抗体は、公知の手段を用いてポリクローナル又はモノクローナル抗体として得ることができる。本発明で使用される抗IL-6受容体抗体として、特に哺乳動物由来のモノクローナル抗体が好ましい。哺乳動物由来のモノクローナル抗体としては、ハイブリドーマに産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主に産生されるものがある。この抗体はIL-6受容体と結合することにより、IL-6のIL-6受容体への結合を阻害してIL-6の生物学的活性の細胞内への伝達を遮断する。 【0020】 このような抗体としては、MR16-1抗体(Tamura, T. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1993) 90, 11924-11928)、PM-1抗体 (Hirata, Y. et al., J. Immunol. (1989) 143, 2900-2906)、AUK12-20抗体、AUK64-7 抗体あるいはAUK146-15 抗体(国際特許出願公開番号WO 92-19759)などが挙げられる。これらのうちで、特に好ましい抗体としてPM-1抗体が挙げられる。 【0021】 なお、PM-1抗体産生ハイブリドーマ細胞株は、PM-1として、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-5466 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、平成元年7 月12日に、FERM BP-2998としてブダペスト条約に基づき国際寄託されている。また、 MR16-1 抗体産生ハイブリドーマ細胞株は、Rat-mouse hybridoma MR16-1として、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-5466 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、平成9 年3 月13日に、FERM BP-5875としてブダペスト条約に基づき国際寄託されている。 【0022】 抗IL-6受容体モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、IL-6受容体を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。 【0023】 具体的には、抗IL-6受容体抗体を作製するには次のようにすればよい。例えば、抗体取得の感作抗原として使用されるヒトIL-6受容体は、欧州特許出願公開番号EP 325474 に、マウスIL-6受容体は日本特許出願公開番号特開平3-155795に開示されたIL-6受容体遺伝子/アミノ酸配列を用いることによって得られる。 【0024】 IL-6受容体蛋白質は、細胞膜上に発現しているものと細胞膜より離脱しているもの(可溶性IL-6受容体)(Yasukawa, K. et al., J. Biochem. (1990) 108, 673-676)との二種類がある。可溶性IL-6受容体抗体は細胞膜に結合しているIL-6受容体の実質的に細胞外領域から構成されており、細胞膜貫通領域あるいは細胞膜貫通領域と細胞内領域が欠損している点で膜結合型IL-6受容体と異なっている。IL-6受容体蛋白質は、本発明で用いられる抗IL-6受容体抗体の作製の感作抗原として使用されうる限り、いずれのIL-6受容体を使用してもよい。 【0025】 IL-6受容体の遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中又は、培養上清中から目的のIL-6受容体蛋白質を公知の方法で精製し、この精製IL-6受容体蛋白質を感作抗原として用いればよい。また、IL-6受容体を発現している細胞やIL-6受容体蛋白質と他の蛋白質との融合蛋白質を感作抗原として用いてもよい。 【0026】 ヒトIL-6受容体をコードするcDNAを含むプラスミドpIBIBSF2R を含有する大腸菌(E.coli)は、平成元年(1989年)1 月9 日付で独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-5466 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、HB101-pIBIBSF2R として、受託番号FERM BP-2232としてブダペスト条約に基づき国際寄託されている。 【0027】 本発明で使用される抗gp130 抗体は、公知の手段を用いてポリクローナル又はモノクローナル抗体として得ることができる。本発明で使用される抗gp130 抗体として、特に哺乳動物由来のモノクローナル抗体が好ましい。哺乳動物由来のモノクローナル抗体としては、ハイブリドーマに産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主に産生されるものがある。この抗体はgp130 と結合することにより、IL-6/IL-6受容体複合体のgp130 への結合を阻害してIL-6の生物学的活性の細胞内への伝達を遮断する。 【0028】 このような抗体としては、AM64抗体(特開平3-219894)、4B11抗体および2H4 抗体(US 5571513)B-S12 抗体およびB-P8抗体(特開平8-291199)などが挙げられる。 抗gp130 モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、gp130 を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナル抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。 【0029】 具体的には、モノクローナル抗体を作製するには次のようにすればよい。例えば、抗体取得の感作抗原として使用されるgp130 は、欧州特許出願公開番号EP 411946 に開示されたgp130 遺伝子/アミノ酸配列を用いることによって得られる。 gp130 の遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中又は、培養上清中から目的のgp130 蛋白質を公知の方法で精製し、この精製gp130 受容体蛋白質を感作抗原として用いればよい。また、gp130 を発現している細胞やgp130 蛋白質と他の蛋白質との融合蛋白質を感作抗原として用いてもよい。 【0030】 感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター等が使用される。 感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内又は、皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBS (Phosphate-Buffered Saline )や生理食塩水等で適当量に希釈、懸濁したものを所望により通常のアジュバント、例えば、フロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に4-21日毎に数回投与するのが好ましい。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することができる。 【0031】 このように免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞が取り出され、細胞融合に付される。細胞融合に付される好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられる。 【0032】 前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としての哺乳動物のミエローマ細胞は、すでに、公知の種々の細胞株、例えば、P3X63Ag8.653(Kearney, J. F. et al. J. Immnol. (1979) 123, 1548-1550)、P3X63Ag8U.1 (Current Topics in Microbiology and Immunology (1978) 81, 1-7) 、NS-1(Kohler. G. and Milstein, C. Eur. J. Immunol.(1976) 6, 511-519 )、MPC-11(Margulies. D. H. etal., Cell (1976) 8, 405-415 )、SP2/0 (Shulman, M. et al.,Nature (1978) 276, 269-270 )、FO(de St. Groth, S. F. et al., J. Immunol. Methods (1980) 35, 1-21 )、S194(Trowbridge, I. S. J. Exp. Med. (1978) 148, 313-323)、R210(Galfre, G. et al., Nature (1979) 277, 131-133 )等が適宜使用される。 【0033】 前記免疫細胞とミエローマ細胞の細胞融合は基本的には公知の方法、たとえば、ミルステインらの方法(Kohler. G. and Milstein, C. 、Methods Enzymol. (1981) 73, 3-46)等に準じて行うことができる。 より具体的には、前記細胞融合は例えば、細胞融合促進剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進剤としては例えば、ポリエチレングリコール(PEG )、センダイウィルス(HVJ )等が使用され、更に所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することもできる。 【0034】 免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は、例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1-10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM 培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FCS )等の血清補液を併用することもできる。 【0035】 細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混合し、予め、37℃程度に加温したPEG 溶液、例えば、平均分子量1000-6000 程度のPEG 溶液を通常、30-60 %(w/v )の濃度で添加し、混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドーマ)が形成される。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことによりハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去できる。 【0036】 当該ハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えば、HAT 培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択される。当該HAT 培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間、通常数日〜数週間継続する。ついで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよびクローニングが行われる。 【0037】 また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原蛋白質又は抗原発現細胞で感作し、感作B リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、所望の抗原又は抗原発現細胞への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1-59878 参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子のレパートリーを有するトランスジェニック動物に抗原又は抗原発現細胞を投与し、前述の方法に従い所望のヒト抗体を取得してもよい(国際特許出願公開番号WO 93/12227 、WO 92/03918 、WO 94/02602 、WO 94/25585 、WO 96/34096 、WO 96/33735 参照)。 このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。 【0038】 当該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法にしたがい培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適している。 【0039】 例えば、抗IL-6受容体抗体産生ハイブリドーマの作製は、特開平3-139293に開示された方法により行うことができる。独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-5466 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、平成元年7 月12日に、FERM BP-2998としてブタペスト条約に基づき国際寄託されたPM-1抗体産生ハイブリドーマをBALB/cマウスの腹腔内に注入して腹水を得、この腹水からPM-1抗体を精製する方法や、本ハイブリドーマを適当な培地、例えば、10%ウシ胎児血清、5 %BM-Condimed H1(Boehringer Mannheim 製)含有RPMI1640培地、ハイブリドーマSFM 培地(GIBCO-BRL 製)、PFHM-II 培地(GIBCO-BRL製)等で培養し、その培養上清からPM-1抗体を精製する方法で行うことができる。 【0040】 本発明には、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型抗体を用いることができる(例えば、Borrebaeck C. A. K. and Larrick J. W. THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES, Published in theUnited Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD, 1990参照)。 【0041】 具体的には、目的とする抗体を産生する細胞、例えばハイブリドーマから、抗体の可変(V )領域をコードするmRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin, J. M. et al., Biochemistry (1979) 18, 5294-5299 )、AGPC法(Chomczynski, P. et al., Anal. Biochem. (1987)162, 156-159)等により全RNA を調製し、mRNA Purification Kit (Pharmacia製)等を使用してmRNAを調製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit(Pharmacia 製)を用いることによりmRNAを直接調製することができる。 【0042】 得られたmRNAから逆転写酵素を用いて抗体V 領域のcDNAを合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit 等を用いて行うことができる。また、cDNAの合成および増幅を行うには5'-Ampli FINDER RACE Kit (Clontech製)およびPCR を用いた5'-RACE 法(Frohman, M. A. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1988) 85, 8998-9002;Belyavsky, A. et al., Nucleic Acids Res. (1989) 17, 2919-2932 )を使用することができる。得られたPCR 産物から目的とするDNA 断片を精製し、ベクターDNA と連結する。さらに、これより組換えベクターを作成し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とするDNA の塩基配列を公知の方法、例えば、デオキシ法により確認する。 【0043】 目的とする抗体のV 領域をコードするDNA が得られれば、これを所望の抗体定常領域(C 領域)をコードするDNA と連結し、これを発現ベクターへ組み込む。又は、抗体のV 領域をコードするDNA を、抗体C 領域のDNA を含む発現ベクターへ組み込んでもよい。 本発明で使用される抗体を製造するには、後述のように抗体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。 【0044】 本発明では、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ(Chimeric)抗体、ヒト型化(Humanized )抗体を使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。 キメラ抗体は、前記のようにして得た抗体V 領域をコードするDNA をヒト抗体C 領域をコードするDNA と連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 125023 、国際特許出願公開番号WO 92-19759参照)。この既知の方法を用いて、本発明に有用なキメラ抗体を得ることができる。 【0045】 例えば、キメラPM-1抗体のL 鎖およびH 鎖のV 領域をコードするDNA を含むプラスミドは、各々pPM-k3およびpPM-h1と命名され、このプラスミドを有する大腸菌は、National Collections of Industrial and Marine Bacteria Limitedに、1991年2 月12日に、各々NCIMB 40366 、NCIMB40362としてブダペスト条約に基づき国際寄託されている。 ヒト型化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR )をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(欧州特許出願公開番号EP 125023 、国際特許出願公開番号WO 92-19759 参照)。 【0046】 具体的には、マウス抗体のCDR とヒト抗体のフレームワーク領域(FR; framework region)を連結するように設計したDNA 配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR 法により合成する。得られたDNA をヒト抗体C 領域をコードするDNA と連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400 、国際特許出願公開番号WO 92-19759参照)。 【0047】 CDR を介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato, K.et al., Cancer Res. (1993) 53, 851-856)。 キメラ抗体、ヒト型化抗体には、ヒト抗体C 領域が使用される。ヒト抗体C 領域としては、 Cγが挙げられ、例えば、 Cγ1 、 Cγ2 、 Cγ3 、 Cγ4 を使用することができる。また、抗体又はその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体C 領域を修飾してもよい。 【0048】 キメラ抗体はヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来のC 領域からなり、ヒト型化抗体はヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域とヒト抗体由来のフレームワーク領域およびC領域からなり、ヒト体内における抗原性が低下しているため、本発明に使用される抗体として有用である。 本発明に使用されるヒト型化抗体の好ましい具体例としては、ヒト型化PM-1抗体が挙げられる(国際特許出願公開番号WO 92-19759参照)。 【0049】 前記のように構築した抗体遺伝子は、公知の方法により発現させ、取得することができる。哺乳類細胞の場合、常用される有用なプロモーター、発現される抗体遺伝子、その3'側下流にポリA シグナルを機能的に結合させたDNA あるいはそれを含むベクターにより発現させることができる。例えばプロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロウィルス前期プロモーター/エンハンサー(human cytomegalovirus immediate early promoter/enhancer )を挙げることができる。 【0050】 また、その他に本発明で使用される抗体発現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レトロウィルス、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、シミアンウィルス40(SV 40)等のウィルスプロモーター/エンハンサーやヒトエロンゲーションファクター1 α(HEF1α)などの哺乳類細胞由来のプロモーター/エンハンサーを用いればよい。 例えば、SV 40 プロモーター/エンハンサーを使用する場合、Mulliganらの方法(Mulligan, R. C. et al., Nature (1979) 277, 108-114) 、また、HEF1αプロモーター/エンハンサーを使用する場合、Mizushima らの方法(Mizushima, S. and Nagata, S. Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322 )に従えば容易に実施することができる。 【0051】 大腸菌の場合、常用される有用なプロモーター、抗体分泌のためのシグナル配列、発現させる抗体遺伝子を機能的に結合させて発現させることができる。例えばプロモーターとしては、lacZプロモーター、araBプロモーターを挙げることができる。lacZプロモーターを使用する場合、Wardらの方法(Ward, E. S. et al., Nature (1989) 341, 544-546;Ward, E. S. et al. FASEB J. (1992) 6, 2422-2427 )、araBプロモーターを使用する場合、Betterらの方法(Better, M. et al. Science (1988) 240, 1041-1043 )に従えばよい。 【0052】 抗体分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379-4383) を使用すればよい。ペリプラズムに産生された抗体を分離した後、抗体の構造を適切にリフォールド(refold)して使用する(例えば、WO96/30394を参照)。 【0053】 複製起源としては、SV 40 、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV )等の由来のものを用いることができ、さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH )遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。 本発明で使用される抗体の製造のために、任意の産生系を使用することができる。抗体製造のための産生系は、in vitroおよびin vivo の産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。 【0054】 真核細胞を使用する場合、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を用いる産生系がある。動物細胞としては、(1) 哺乳類細胞、例えば、CHO 、COS 、ミエローマ、BHK (baby hamster kidney) 、HeLa、Vero、(2) 両生類細胞、例えば、アフリカツメガエル卵母細胞、あるいは(3) 昆虫細胞、例えば、sf9 、sf21、Tn5 が知られている。植物細胞としては、ニコチアナ・タバクム (Nicotiana tabacum)由来の細胞が知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces )属、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状菌、例えばアスペルギルス属(Aspergillus )属、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )などが知られている。 【0055】 原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. coli )、枯草菌が知られている。 これらの細胞に、目的とする抗体遺伝子を形質転換により導入し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより抗体が得られる。培養は、公知の方法に従い行う。例えば、培養液として、DMEM、MEM 、RPMI1640、IMDMを使用することができ、牛胎児血清(FCS )等の血清補液を併用することもできる。また、抗体遺伝子を導入した細胞を動物の腹腔等へ移すことにより、in vivo にて抗体を産生してもよい。 【0056】 一方、in vivo の産生系としては、動物を使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。 哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vicki Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 1993 )。また、昆虫としては、カイコを用いることができる。植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。 【0057】 これらの動物又は植物に抗体遺伝子を導入し、動物又は植物の体内で抗体を産生させ、回収する。例えば、抗体遺伝子をヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生される蛋白質をコードする遺伝子の途中に挿入して融合遺伝子として調製する。抗体遺伝子が挿入された融合遺伝子を含むDNA 断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ導入する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から所望の抗体を得る。トランスジェニックヤギから産生される所望の抗体を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい。(Ebert, K.M. et al., Bio/Technology (1994) 12, 699-702 )。 【0058】 また、カイコを用いる場合、目的の抗体遺伝子を挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させ、このカイコの体液より所望の抗体を得る(Maeda, S. et al., Nature (1985) 315, 592-594)。さらに、タバコを用いる場合、目的の抗体遺伝子を植物発現用ベクター、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをAgrobacterium tumefaciens のようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、例えばNicotiana tabacum に感染させ、本タバコの葉より所望の抗体を得る(Julian, K.-C. Ma et al., Eur. J. Immunol. (1994) 24, 131-138)。 【0059】 上述のようにin vitro又はin vivo の産生系にて抗体を産生する場合、抗体重鎖(H 鎖)又は軽鎖(L 鎖)をコードするDNA を別々に発現ベクターに組み込んで宿主を同時形質転換させてもよいし、あるいはH 鎖およびL 鎖をコードするDNA を単一の発現ベクターに組み込んで、宿主を形質転換させてもよい(国際特許出願公開番号WO 94-11523 参照)。 本発明で使用される抗体は、本発明に好適に使用され得るかぎり、抗体の断片やその修飾物であってよい。例えば、抗体の断片としては、Fab 、F(ab')2 、Fv又はH 鎖とL 鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)が挙げられる。 【0060】 具体的には、抗体を酵素、例えば、パパイン、ペプシンで処理し抗体断片を生成させるか、又は、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させる(例えば、Co, M.S. et al., J. Immunol. (1994) 152, 2968-2976、Better, M. & Horwitz, A. H. Methods in Enzymology (1989) 178, 476-496 、Plueckthun, A. & Skerra, A. Methodsin Enzymology (1989) 178, 476-496 、Lamoyi, E., Methods in Enzymology (1989) 121, 652-663 、Rousseaux, J. et al., Methods in Enzymology (1989) 121, 663-669、Bird, R. E. et al., TIBTECH (1991) 9, 132-137 参照)。 【0061】 scFvは、抗体のH 鎖V 領域とL 鎖V 領域を連結することにより得られる。このscFvにおいて、H 鎖V 領域とL 鎖V 領域はリンカー、好ましくは、ペプチドリンカーを介して連結される(Huston, J. S. et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1988) 85, 5879-5883)。scFvにおけるH 鎖V 領域およびL 鎖V 領域は、上記抗体として記載されたもののいずれの由来であってもよい。V 領域を連結するペプチドリンカーとしては、例えばアミノ酸12-19 残基からなる任意の一本鎖ペプチドが用いられる。 【0062】 scFvをコードするDNA は、前記抗体のH 鎖又は、H 鎖V 領域をコードするDNA 、およびL 鎖又は、L 鎖V 領域をコードするDNA を鋳型とし、それらの配列のうちの所望のアミノ酸配列をコードするDNA 部分を、その両端を規定するプライマー対を用いてPCR 法により増幅し、次いで、さらにペプチドリンカー部分をコードするDNA およびその両端を各々H 鎖、L 鎖と連結されるように規定するプライマー対を組み合せて増幅することにより得られる。 【0063】 また、一旦scFvをコードするDNA が作製されれば、それらを含有する発現ベクター、および該発現ベクターにより形質転換された宿主を常法に従って得ることができ、また、その宿主を用いて常法に従って、scFvを得ることができる。 これら抗体の断片は、前記と同様にしてその遺伝子を取得し発現させ、宿主により産生させることができる。本願特許請求の範囲でいう「抗体」にはこれらの抗体の断片も包含される。 【0064】 抗体の修飾物として、ポリエチレングリコール(PEG )等の各種分子と結合した抗体を使用することもできる。本願特許請求の範囲でいう「抗体」にはこれらの抗体修飾物も包含される。このような抗体修飾物を得るには、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。これらの方法はこの分野においてすでに確立されている。 【0065】 前記のように産生、発現された抗体は、細胞内外、宿主から分離し均一にまで精製することができる。本発明で使用される抗体の分離、精製はアフィニティークロマトグラフィーにより行うことができる。アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、例えば、プロテインA カラム、プロテインG カラムが挙げられる。プロテインA カラムに用いる担体として、例えば、Hyper D 、POROS 、Sepharose F.F.等が挙げられる。その他、通常のタンパク質で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、上記アフィニティークロマトグラフィー以外のクロマトグラフィー、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせれば、本発明で使用される抗体を分離、精製することができる。クロマトグラフィーとしては、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過等が挙げられる。これらのクロマトグラフィーはHPLC(High performance liquid chromatography)に適用し得る。また、逆相HPLC(reverse phase HPLC)を用いてもよい。 【0066】 上記で得られた抗体の濃度測定は吸光度の測定又はELISA 等により行うことができる。すなわち、吸光度の測定による場合には、PBS(-)で適当に希釈した後、280 nmの吸光度を測定し、1 mg/ml を1.35 OD として算出する。また、ELISA による場合は以下のように測定することができる。すなわち、0.1M重炭酸緩衝液(pH9.6 )で 1μg/mlに希釈したヤギ抗ヒトIgG (TAGO製) 100μl を96穴プレート(Nunc製)に加え、4℃で一晩インキュベーションし、抗体を固相化する。ブロッキングの後、適宜希釈した本発明で使用される抗体又は抗体を含むサンプル、あるいは標品としてヒトIgG (CAPPEL製)100μl を添加し、室温にて1時間インキュベーションする。 【0067】 洗浄後、5000倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgG (BIO SOURCE製) 100μl を加え、室温にて1時間インキュベートする。洗浄後、基質溶液を加えインキュベーションの後、MICROPLATE READER Model 3550(Bio-Rad 製)を用いて405nm での吸光度を測定し、目的の抗体の濃度を算出する。 【0068】 本発明で使用されるIL-6改変体は、IL-6受容体との結合活性を有し、且つIL-6の生物学的活性を伝達しない物質である。即ち、IL-6改変体はIL-6受容体に対しIL-6と競合的に結合するが、IL-6の生物学的活性を伝達しないため、IL-6によるシグナル伝達を遮断する。 IL-6改変体は、IL-6のアミノ酸配列のアミノ酸残基を置換することにより変異を導入して作製される。IL-6改変体のもととなるIL-6はその由来を問わないが、抗原性等を考慮すれば、好ましくはヒトIL-6である。 【0069】 具体的には、IL-6のアミノ酸配列を公知の分子モデリングプログラム、たとえば、WHATIF(Vriend et al., J. Mol. Graphics (1990) 8, 52-56 )を用いてその二次構造を予測し、さらに置換されるアミノ酸残基の全体に及ぼす影響を評価することにより行われる。適切な置換アミノ酸残基を決定した後、ヒトIL-6遺伝子をコードする塩基配列を含むベクターを鋳型として、通常行われるPCR 法によりアミノ酸が置換されるように変異を導入することにより、IL-6改変体をコードする遺伝子が得られる。これを必要に応じて適当な発現ベクターに組み込み、前記組換え型抗体の発現、産生及び精製方法に準じてIL-6改変体を得ることができる。 【0070】 IL-6改変体の具体例としては、Brakenhoff et al., J. Biol. Chem. (1994) 269, 86-93 、及びSavino et al., EMBO J. (1994) 13, 1357-1367 、WO 96-18648 、WO96-17869に開示されている。 本発明で使用されるIL-6部分ペプチド又はIL-6受容体部分ペプチドは、各々IL-6受容体あるいはIL-6との結合活性を有し、且つIL-6の生物学的活性を伝達しない物質である。即ち、IL-6部分ペプチド又はIL-6受容体部分ペプチドはIL-6受容体又はIL-6に結合し、これらを捕捉することによりIL-6のIL-6受容体への結合を特異的に阻害する。その結果、IL-6の生物学的活性を伝達しないため、IL-6によるシグナル伝達を遮断する。 【0071】 IL-6部分ペプチド又はIL-6受容体部分ペプチドは、IL-6又はIL-6受容体のアミノ酸配列においてIL-6とIL-6受容体との結合に係わる領域の一部又は全部のアミノ酸配列からなるペプチドである。このようなペプチドは、通常10〜80、好ましくは20〜50、より好ましくは20〜40個のアミノ酸残基からなる。 IL-6部分ペプチド又はIL-6受容体部分ペプチドは、IL-6又はIL-6受容体のアミノ酸配列において、IL-6とIL-6受容体との結合に係わる領域を特定し、その一部又は全部のアミノ酸配列を通常知られる方法、例えば遺伝子工学的手法又はペプチド合成法により作製することができる。 【0072】 IL-6部分ペプチド又はIL-6受容体部分ペプチドを遺伝子工学的手法により作製するには、所望のペプチドをコードするDNA 配列を発現ベクターに組み込み、前記組換え型抗体の発現、産生及び精製方法に準じて得ることができる。 IL-6部分ペプチド又はIL-6受容体部分ペプチドをペプチド合成法により作製するには、ペプチド合成において通常用いられている方法、例えば固相合成法又は液相合成法を用いることができる。 【0073】 具体的には、続医薬品の開発第14巻ペプチド合成 監修矢島治明廣川書店1991年に記載の方法に準じて行えばよい。固相合成法としては、例えば有機溶媒に不溶性である支持体に合成しようとするペプチドのC 末端に対応するアミノ酸を結合させ、α- アミノ基及び側鎖官能基を適切な保護基で保護したアミノ酸をC 末端からN 末端方向の順番に1アミノ酸ずつ縮合させる反応と樹脂上に結合したアミノ酸又はペプチドのα- アミノ基の該保護基を脱離させる反応を交互に繰り返すことにより、ペプチド鎖を伸長させる方法が用いられる。固相ペプチド合成法は、用いられる保護基の種類によりBoc 法とFmoc法に大別される。 【0074】 このようにして目的とするペプチドを合成した後、脱保護反応及びペプチド鎖の支持体からの切断反応をする。ペプチド鎖との切断反応には、Boc 法ではフッ化水素又はトリフルオロメタンスルホン酸を、又Fmoc法ではTFA を通常用いることができる。Boc 法では、例えばフッ化水素中で上記保護ペプチド樹脂をアニソール存在下で処理する。次いで、保護基の脱離と支持体からの切断を行いペプチドを回収する。これを凍結乾燥することにより、粗ペプチドが得られる。一方、Fmoc法では、例えばTFA 中で上記と同様の操作で脱保護反応及びペプチド鎖の支持体からの切断反応を行うことができる。 【0075】 得られた粗ペプチドは、HPLCに適用することにより分離、精製することができる。その溶出にあたり、蛋白質の精製に通常用いられる水- アセトニトリル系溶媒を使用して最適条件下で行えばよい。得られたクロマトグラフィーのプロファイルのピークに該当する画分を分取し、これを凍結乾燥する。このようにして精製したペプチド画分について、マススペクトル分析による分子量解析、アミノ酸組成分析、又はアミノ酸配列解析等により同定する。 IL-6部分ペプチド及びIL-6受容体部分ペプチドの具体例は、特開平2-188600、特開平7-324097、特開平8-311098及び米国特許公報US 5210075に開示されている。 【0076】 本発明で使用されるIL-6アンタゴニストのIL-6シグナル伝達阻害活性は、通常用いられる方法により評価することができる。具体的には、IL-6依存性細胞MH60.BSF2 を培養し、これにIL-6を添加し、同時にIL-6アンタゴニストを共存させることによりIL-6依存性細胞の 3H-チミジン取込みを測定すればよい。また、IL-6受容体発現細胞であるU266を培養し、 125I 標識IL-6を添加し、同時にIL-6アンタゴニストを加えることにより、IL-6受容体発現細胞に結合した 125I 標識IL-6を測定する。上記アッセイ系において、IL-6アンタゴニストを存在させる群に加えIL-6アンタゴニストを含まない陰性コントロール群をおき、両者で得られた結果を比較すればIL-6アンタゴニストのIL-6阻害活性を評価することができる。 【0077】 本発明の効果を確認するには、CD4 陽性且つCD45RB強陽性の細胞(CD4+ CD45RBhigh細胞)を移入して炎症性腸疾患を発症した動物に本発明で使用されるIL-6アンタゴニストを投与し、体重減少抑制効果や炎症性腸疾患スコアの改善効果を評価することにより行うことができる。また、本発明の他の効果として、炎症性腸疾患における食欲不振抑制効果、腹痛軽減効果、下痢軽減効果あるいは炎症性腸疾患の再発防止効果がある。 【0078】 IL-6アンタゴニストによる動物に移入される CD4+ CD45RBhigh細胞は、例えば後述の実施例に記載の方法を用いることにより単離することができる。また、 CD4+ CD45RBhigh細胞が由来する動物としては、通常実験に用いられる動物でよく、例えばマウス、ラットなどを用いることができる。 後述の実施例に示されるように、抗IL-6受容体抗体の投与により、炎症性腸疾患を発症した実験動物において、体重減少の抑制及び腸疾患スコアの改善が認められたことから、抗IL-6受容体抗体等のIL-6アンタゴニストは炎症性腸疾患治療効果を有することが示された。 本発明における治療対象は哺乳動物である。治療対象の哺乳動物は、好ましくはヒトである。 【0079】 本発明の予防又は治療剤は、経口的にまたは非経口的に全身あるいは局所的に投与することができる。例えば、点滴などの静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、坐薬、注腸、経口性腸溶剤などを選択することができ、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。有効投与量は、一回につき体重1 kgあたり0.01 mg から100 mgの範囲で選ばれる。あるいは、患者あたり 1〜1000 mg 、好ましくは 5〜50 mg の投与量を選ぶことができる。 【0080】 本発明の予防又は治療剤は、投与経路次第で医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。このような担体および添加物の例として、水、医薬的に許容される有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、ジグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA )、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤などが挙げられる。使用される添加物は、剤型に応じて上記の中から適宜あるいは組合せて選択されるが、これらに限定されるものではない。 【0081】 本発明における治療対象疾患は、炎症性腸疾患である。炎症性腸疾患には、潰瘍性大腸炎とクローン病が含まれる。これらの疾患は、いずれも20歳前後の若年者に好発する慢性疾患であり、未だにその原因となる抗原・炎症病態のメカニズムはほとんど解明されていない。しかし、これを解明しようとする研究は細胞・サイトカインなどを手かがかりとして盛んにおこなわれている。 【0082】 最近数年の間に腸疾患惹起細胞に関する解析が主にマウスの系を用いて進んでいる。すなわち、精製したCD4 陽性CD45RB強陽性細胞(CD4+ CD45RBhigh) を免疫不全マウス(SCID マウス) に移植することにより慢性腸疾患の病態を誘導できることが明らかになっている(Morrissey, P. J. et al., J. Exp. Med. (1993) 178, 237-244,Leach, M. W. et al., Am. J. Pathol. (1996) 148, 1503-1515, Aranda, R. et al., J.Immunol. (1997) 158, 3464-3473) 。 【0083】 一方、CD4 陽性CD45RB弱陽性細胞(CD4+ CD45RBlow) は腸疾患を惹起することができず、むしろCD4 陽性CD45RB強陽性細胞による腸疾患の誘発を抑制することが示されている(Powrie, F. R. et al., J. Exp. Med. (1994) 179, 589-600)。CD45RB発現量はサイトカイン産生パターンとの相関が知られている。すなわち、CD4 陽性CD45RB強陽性細胞は、IFN-γ、TNFαなどを産生する1 型ヘルパー細胞(Th1) 様であるのに対し、CD4 陽性CD45RB弱陽性細胞はIL-4, IL-10 などを産生する2 型ヘルパー細胞(Th2) 様であると考えられている(Lee, W. et al., J. Immunol. (1990) 144, 3288-3295) 。 【0084】 したがって、IBD の発症は、Th1 とTh2 とのバランスが崩れることと関係している可能性が高いと考えられるが、このことはTh1 機能を抑制するIL-10 遺伝子を遺伝子ターゲッティング法により欠損させたマウスにおいて、ヒト潰瘍性大腸炎に類似する慢性腸炎が発生することからも裏付けられる(Kuhn, R. et al., Cell (1993) 75, 263-274)。 本実施例で用いられたモデル動物は、大腸の組織学的特徴が潰瘍性大腸炎およびクローン病患者と非常に良く似ている(Leach, M. W. et al., Am. J. Pathol. (1996) 148, 1503-1515) 。潰瘍性大腸炎は、直腸から連続性で広域に病変がみられることが多く、粘膜上皮が特異的に障害される。本モデルでは、障害される部位が主に大腸に限局するものの広い範囲にわたること、陰窩が伸張することなどが臨床病態と類似している。 【0085】 一方、クローン病は口腔から肛門まで消化管のどこにでも散在性に発生し、粘膜に限局しない全層性炎症である。また、組織学的には非乾酪性肉芽腫炎症巣を特徴としている。本モデルでは、粘膜層に限局しない炎症が見いだされ、マクロファージ、リンパ球、多核巨細胞などが集積すること、しばしば肉芽腫様形態をとること、陰窩膿瘍がほとんど見つからないことなどはクローン病に類似している。 【0086】 このように、潰瘍性大腸炎とクローン病の特徴が混在する症例はこれまでにも臨床で報告されている(Tanaka, M et al., Hepato-gastroenterology (1990) 37, 18-31)。また、炎症性腸疾患においては、上皮細胞において主要組織適合性抗原class IIの発現昂進が見いだされる(Trejdosiewicz, L. K. et al., Dig. Dis. Sci. (1989)34, 1449-1456) が、本モデルにおいても同様である。なお、本モデルにおいては上皮組織の肥厚が特徴的に現れるが、これは潰瘍性大腸炎の患者で見いだされる細胞増殖の昂進(Serafini, E. P. etal., Gut (1981) 22, 648-652)と関係しているものと考えられる。 【0087】 本モデルは臨床での炎症性腸疾患と類似性が高く、重症時には体重減少を引き起こす。本モデルを用いた実験により、組織学的に障害が著しく軽減され、体重減少が認められなかったことは、IL-6アンタゴニストが潰瘍性大腸炎又はクローン病などの炎症性腸疾患に対し治療効果を発揮することを示すものである。 【実施例】 【0088】 以下、実施例、参考例および実験例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例 BALB/c系雄性マウスから脾臓を無菌的に採取し、これをつぶした後、良くピペッティングして単細胞懸濁液とした。次に赤血球を除去するため、細胞ペレットをLysis solution (0.16M NH4 ClとpH7.2 の0.17M Tris緩衝液を9:1 の比率で混合したもの) にて処理し、さらにリン酸緩衝食塩水にて2 回洗浄し、マウス脾臓細胞を得た。 【0089】 洗浄したマウス脾臓細胞を2%FCS 添加RPMI1640培地に懸濁して細胞数を計測後、1.1 ×108 /ml に調製した。これに抗マウスCD4 抗体(L3T4 Microbeads, Miltenyi Biotec 社製) を1/9 容添加し、氷温下にて15分間細胞に結合させた (細胞密度1 ×108 /ml)。さらに、Mini MACS separation system (Miltenyi Biotec社製) を用いたカラム操作により、CD4 陽性細胞画分を分取した。細胞数計測後、2%FCS 添加リン酸緩衝食塩水に懸濁し、細胞密度を4 ×107 /ml に合わせた。 【0090】 CD4 陽性細胞懸濁液に1/100 容のPE標識ラット抗マウスCD4(L3T4) 抗体(0.2mg/ml, clone RM4-5, Pharmingen社製) と1/100 容のFITC標識ラット抗マウスCD45RB抗体(0.5mg/ml, clone 16A, Pharmingen社製) を添加した。これを20分間氷温下に静置することにより抗体を結合させた。標識した細胞は、2%FCS 添加RPMI1640培地を添加して遠沈することにより洗浄し、2%FCS 添加リン酸緩衝食塩水に懸濁し直し、冷暗所に保持した。 【0091】 標識したCD4 陽性細胞から、CD4 陽性かつCD45RB強陽性の細胞群(CD4+ CD45RBhigh) をフローサイトメーター (FACS Vantage, Becton Dickenson社製) を用いて分取した。本細胞群は、CD4 、CD45RB両陽性細胞の内、CD45RB発現量の多い上位約50% に相当する。得られた細胞は遠沈後、4 ×106 /ml となるようにリン酸緩衝食塩水に懸濁した。細胞の純度は、CD45RB強陽性細胞として97% であり、その生存率は98% であった。 【0092】 高度に精製した本細胞群を4 ×105 個ずつ(4 ×106 /ml を 100μl ずつ) 、C.B-17 scid マウスの腹腔内に移植することにより炎症性腸疾患モデルを作製した(Leach, M. W. et al., Am. J. Pathol. (1996) 148, 1503-1515, Aranda, R. et al., J.Immunol. (1997) 158, 3464-3473)。実験は、処理方法により以下の3 群にておこなった。(1) 細胞移植・抗IL-6受容体抗体非投与群、5 匹、(2) 細胞移植・抗IL-6受容体抗体投与群、3 匹、(3) 細胞非移植群、3 匹。 【0093】 抗IL-6受容体抗体MR16-1の投与は以下のようにおこなった。まず、リン酸緩衝食塩水にて20mg/ml としたものを1 匹あたり 100μlずつ、前記細胞を移植する15−30分前に腹腔内投与した。1 週間後、リン酸緩衝食塩水にて10mg/ml としたものを1 匹あたり 100μlずつ腹腔内投与し、これを一週毎に繰り返し8 週間後まで継続した。抗体非投与群については、リン酸緩衝食塩水を同様の手法により投与した。 【0094】 細胞移植後8 〜9 週間後にマウスの体重を測定した後、大腸組織(下行結腸部分) を採取し、OCT compoundに浸けて-80 ℃に冷却し凍結させた。これをクリオスタットを用いて、 6μm の凍結切片を作製した後、10% ホルマリン液にて固定した。固定した組織切片は、ヘマトキシリン・エオシン(hematoxylin-eosin) 法により重染色をおこない、組織学的に解析した。 【0095】 薬効の評価は、細胞移植により炎症性腸疾患を惹起する前と細胞移植後8 〜9 週間後との体重変化(前者に対する比率で表示) ならびに組織学的解析によりおこなった。組織学的解析では、各マウス組織について、以下の4 段階の炎症性腸疾患スコア(以下、腸疾患スコアともいう)に分類することで評価した(Ito, H. et al., J.Autoimmunity (1997) 10, 455-459)。 【0096】 炎症性腸疾患スコア Grade 0 (non): 正常のBALB/cマウスと判別不能 Grade 1 (minimal): 軽度の上皮組織肥厚が見られる。 Grade 2 (moderate): Grade 1と3 の中間 Grade 3 (severe): 広範囲での炎症性浸潤と杯細胞の欠損を伴った著しい上皮組織の肥厚が見られる。 【0097】 体重変化と炎症性腸疾患スコアの結果を表1 に示した。 CD4 陽性CD45強陽性細胞を移植されたマウスは、炎症性腸疾患を発症し、組織学的にも著しい炎症像が認められた。また、発症に伴って衰弱し、体重は平均11% 減少した。一方、抗IL-6受容体抗体を投与した群では、統計学的に有意な体重減少の抑制が観察され、細胞移植前と同程度の体重を維持した。また、組織学的な炎症性腸疾患スコアからも炎症性腸疾患が軽減されていることが明らかとなった。 【0098】 尚、体重変化の検定には、最初にANOVA 法(Analysis of variance, SPSS for windows ver.6, SPSS Inc.) をおこなって有意性を確認した後、Bonferroni法による多重比較を用い、危険率5%以下で有意性が認められた。 本モデルはヒトの炎症性腸疾患と類似性が高く、したがって抗IL-6受容体抗体が潰瘍性大腸炎又はクローン病等の炎症性腸疾患の予防又は治療剤として有効であることが明らかとなった。 【0099】 【表1】
【0100】 参考例1. ヒト可溶性IL-6受容体の調製 Yamasakiらの方法(Yamasaki, K. et al., Science (1988) 241, 825-828)に従い得られたIL-6受容体をコードするcDNAを含むプラスミドpBSF2R.236を用いて、PCR 法により可溶性IL-6受容体を作成した。プラスミドpBSF2R.236を制限酵素Sph I で消化して、IL-6受容体cDNAを得、これをmp18(Amersham製)に挿入した。IL-6受容体cDNAにストップコドンを導入するようにデザインした合成オリゴプライマーを用いて、インビトロミュータジェネシスシステム(Amersham製)により、PCR 法でIL-6受容体cDNAに変異を導入した。この操作によりストップコドンがアミノ酸345 の位置に導入され、可溶性IL-6受容体をコードするcDNAが得られた。 【0101】 可溶性IL-6受容体cDNAをCHO 細胞で発現するために、プラスミドpSV (Pharmacia製)と連結させ、プラスミドpSVL344 を得た。dhfrのcDNAを含むプラスミドpECEdhfrにHind III-Sal Iで切断した可溶性IL-6受容体cDNAを挿入し、CHO 細胞発現プラスミドpECEdhfr344を得た。 【0102】 10μg のプラスミドpECEdhfr344 をdhfr-CHO細胞株DXB-11(Urlaub, G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1980) 77, 4216-420)へカルシウムフォスフェイト沈降法(Chen, C. et al., Mol.Cell. Biol. (1987) 7, 2745-2751 )により、トランスフェクトした。トランスフェクトしたCHO 細胞を1mM グルタミン、10% 透析FCS 、100U/ml のペニシリンおよび 100μ/ml のストレプトマイシンを含むヌクレオシド不含αMEM 選択培養液で3 週間培養した。 【0103】 選択されたCHO 細胞を限界希釈法でスクリーニングし、単一のCHO 細胞クローンを得た。このCHO 細胞クローンを20nM-200nMの濃度のメトトレキセートで増幅し、ヒト可溶性IL-6受容体産生CHO 細胞株5E27を得た。CHO 細胞株5E27を5%FBS を含むイスコーブ改変ダルベコ培養液(IMDM、Gibco 製)で培養した。培養上清を回収し、培養上清中の可溶性IL-6受容体の濃度をELISA にて測定した。その結果、培養上清中には可溶性IL-6受容体が存在することが確認された。 【0104】 参考例2. 抗ヒトIL-6抗体の調製 10μg の組換型IL-6(Hirano, T. et al., Immunol. Lett., 17:41, 1988)をフロイント完全アジュバントとともにBALB/cマウスを免疫し、血清中に抗IL-6抗体が検出できるまで一週間毎にこれを続けた。局部のリンパ節から免疫細胞を摘出し、ポリエチレングリコール1500を用いてミエローマ細胞株P3U1と融合させた。ハイブリドーマをHAT 培養液を用いるOiらの方法(Selective Methods in Cellular Immunology, W.H.Freeman and Co., San Francisco, 351, 1980 )に従って選択し、抗ヒトIL-6抗体を産生するハイブリドーマを樹立した。 【0105】 抗ヒトIL-6抗体を産生するハイブリドーマは下記のようにしてIL-6結合アッセイをおこなった。すなわち、柔軟なポリビニル製の96穴マイクロプレート(Dynatech Laboratories, Inc. 製, Alexandria, VA)を0.1Mのcarbonate-hydrogen carbonate緩衝液(pH 9.6)中で 100μl のヤギ抗マウスIg(10μl/ml, Cooper Biomedical, Inc製 Malvern, PA)により4 ℃で一晩コートした。次いで、プレートを 100μl の1%ウシ血清アルブミン(BSA )を含むPBS により室温で2 時間処理した。 【0106】 これをPBS で洗浄した後、 100μl のハイブリドーマ培養上清を各穴へ加え、4 ℃にて一晩インキュベートした。プレートを洗浄して、2000cpm/0.5ng/wellとなるように 125I 標識組換型IL-6を各穴へ添加し、洗浄した後各穴の放射活性をガンマカウンター(Beckman Gamma 9000, Beckman Instruments, Fullerton, CA)で測定した。216 ハイブリドーマクローンのうち32のハイブリドーマクローンがIL-6結合アッセイにより陽性であった。これらのクローンのなかで最終的に安定なMH166.BSF2が得られた。該ハイブリドーマが産生する抗IL-6抗体MH166 はIgG1κ型のサブタイプを有する。 【0107】 ついで、IL-6依存性マウスハイブリドーマクローンMH60.BSF2 を用いてMH166 抗体によるハイブリドーマの増殖に関する中和活性を調べた。MH60.BSF2 細胞を1 ×104 /200μl/穴となるように分注し、これにMH166 抗体を含むサンプルを加え、48時間培養し、0.5 μCi/ 穴の 3H チミジン(New England Nuclear, Boston, MA )を加えた後、更に6 時間培養を続けた。細胞をグラスフィルターペーパー上におき、自動ハーベスター(Labo Mash Science Co., Tokyo,Japan )で処理した。コントロールとしてウサギ抗IL-6抗体を用いた。 【0108】 その結果、MH166 抗体はIL-6により誘導されるMH60.BSF2 細胞の 3H チミジンの取込みを容量依存的に阻害した。このことより、MH166 抗体はIL-6の活性を中和することが明らかとなった。 【0109】 参考例3. 抗ヒトIL-6受容体抗体の調製 Hirataらの方法(Hirata, Y. et al. J. Immunol., 143:2900-2906, 1989)により作成した抗IL-6受容体抗体MT18をCNBrにより活性化させたセファロース4B(Pharmacia Fine Chemicals製, Piscataway, NJ)と添付の処方にしたがって結合させ、IL-6受容体(Yamasaki, K. et al., Science (1988) 241, 825-828)を精製した。ヒトミエローマ細胞株U266を1%ジギトニン(Wako Chemicals製),10mMトリエタノールアミン(pH 7.8)および0.15M NaClを含む1mM p-パラアミノフェニルメタンスルフォニルフルオライドハイドロクロリド(Wako Chemicals製)(ジギトニン緩衝液)で可溶化し、セファロース4Bビーズと結合させたMT18抗体と混合した。その後、ビーズをジギトニン緩衝液で6 回洗浄し、免疫するための部分精製IL-6受容体とした。 【0110】 BALB/cマウスを3 ×109 個のU266細胞から得た上記部分精製IL-6受容体で10日おきに4 回免疫し、その後常法によりハイブリドーマを作成した。成長陽性穴からのハイブリドーマ培養上清を下記の方法にてIL-6受容体への結合活性を調べた。5 ×107 個のU266細胞を35S −メチオニン(2.5mCi)で標識し、上記ジギトニン緩衝液で可溶化した。可溶化したU266細胞を0.04ml容量のセファロース4Bビーズと結合させたMT18抗体と混合し、その後、ジギトニン緩衝液で6回洗浄し、0.25mlのジギトニン緩衝液(pH3.4 )により35S −メチオニン標識IL-6受容体を流出させ、0.025ml の1M Tris (pH 7.4)で中和した。 【0111】 0.05mlのハイブリドーマ培養上清を0.01mlのProtein G セファロース(Phramacia 製)と混合した。洗浄した後、セファロースを上記で調製した0.005ml の35S 標識IL-6受容体溶液とともにインキュベートした。免疫沈降物質をSDS-PAGEで分析し、IL-6受容体と反応するハイブリドーマ培養上清を調べた。その結果、反応陽性ハイブリドーマクローンPM-1を樹立した。ハイブリドーマPM-1から産生される抗体は、IgG1κ型のサブタイプを有する。 【0112】 ハイブリドーマPM-1が産生する抗体のヒトIL-6受容体に対するIL-6の結合阻害活性をヒトミエローマ細胞株U266を用いて調べた。ヒト組換型IL-6を大腸菌より調製し(Hirano, T. et al., Immunol.Lett. (1988) 17, 41-45)、ボルトン−ハンター試薬(New England Nuclear, Boston, MA )により 125I標識した(Taga, T. et al., J. Exp. Med. (1987) 166, 967-981 )。4 ×105 個のU266細胞を1 時間、70% (v/v )のハイブリドーマPM-1の培養上清および14000cpmの 125I標識IL-6とともに培養した。70μl のサンプルを 400μl のマイクロフュージポリエチレンチューブに 300μl のFCS上に重層し、遠心の後、細胞上の放射活性を測定した。 その結果、ハイブリドーマPM-1が産生する抗体は、IL-6のIL-6受容体に対する結合を阻害することが明らかとなった。 【0113】 参考例4. 抗マウスIL-6受容体抗体の調製 Saito, T. et al., J. Immunol. (1991) 147, 168-173 に記載の方法により、マウスIL-6受容体に対するモノクローナル抗体を調製した。 マウス可溶性IL-6受容体を産生するCHO 細胞を10%FCSを含むIMDM培養液で培養し、その培養上清から抗マウスIL-6受容体抗体RS12(上記Saito, T. et al 参照)をAffigel 10ゲル(Biorad製)に固定したアフィニティーカラムを用いてマウス可溶性IL-6受容体を精製した。 【0114】 得られたマウス可溶性IL-6受容体50μg をフロイント完全アジュバンドと混合し、ウィスターラットの腹部に注射した。2 週間後からはフロイント不完全アジュバンドで追加免疫した。45日目にラット脾臓細胞を採取し、2 ×108 個を1 ×107 個のマウスミエローマ細胞P3U1と50% のPEG1500 (Boehringer Mannheim 製)をもちいて常法により細胞融合させた後、HAT 培地にてハイブリドーマをスクリーニングした。 【0115】 ウサギ抗ラットIgG 抗体(Cappel製)をコートしたプレートにハイブリドーマ培養上清を加えた後、マウス可溶性IL-6受容体を反応させた。次いで、ウサギ抗マウスIL-6受容体抗体およびアルカリフォスファターゼ標識ヒツジ抗ウサギIgG によるELISA 法によりマウス可溶性IL-6受容体に対する抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングした。抗体の産生が確認されたハイブリドーマクローンは2 回のサブスクリーニングを行い、単一のハイブリドーマクローンを得た。このクローンをMR16-1と名付けた。 【0116】 このハイブリドーマが産生する抗体のマウスIL-6の情報伝達における中和活性をMH60.BSF2 細胞(Matsuda, T. et al., J. Immunol. (1988) 18, 951-956) を用いた 3H チミジンの取込みで調べた。96ウェルプレートにMH60.BSF2 細胞を1 ×104 個/200μl/ウェルとなるように調製した。このプレートに10pg/ml のマウスIL-6とMR16-1抗体又はRS12抗体を12.3-1000ng/ml加えて37℃、5% CO2 で44時間培養した後、 1μCi/ ウェルの 3H チミジンを加えた。4 時間後に 3H チミジンの取込みを測定した。その結果MR16-1抗体はMH60.BSF2 細胞の 3H チミジン取込みを抑制した。 したがって、ハイブリドーマMR16-1が産生する抗体は、IL-6のIL-6受容体に対する結合を阻害することが明らかとなった。 【0117】 発明の効果 本発明により、抗IL-6受容体抗体等のIL-6アンタゴニストが炎症性腸疾患の治療効果を有することが示された。したがって、IL-6アンタゴニストはクローン病又は潰瘍性大腸炎等の治療剤として有用であることが明らかにされた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003311 【氏名又は名称】中外製薬株式会社 【識別番号】000157865 【氏名又は名称】岸本 忠三
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| 【出願日】 |
平成19年9月21日(2007.9.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100092624 【弁理士】 【氏名又は名称】鶴田 準一
【識別番号】100087871 【弁理士】 【氏名又は名称】福本 積
【識別番号】100082898 【弁理士】 【氏名又は名称】西山 雅也
【識別番号】100081330 【弁理士】 【氏名又は名称】樋口 外治
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| 【公開番号】 |
特開2008−37875(P2008−37875A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2007−245410(P2007−245410) |
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