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【発明の名称】 顆粒状皮膚洗浄料
【発明者】 【氏名】山本 直史

【要約】 【課題】水への溶解性がよく、泡立ちが早く、泡質がクリーミィで、洗い上がりのしっとり感に優れる顆粒状皮膚洗浄料を提供する。

【構成】界面活性剤を含有する粉体成分をカチオン性基を含有する高分子化合物を結合剤として造粒してなることを特徴とする顆粒状皮膚洗浄料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤を含有する粉体成分をカチオン性基を含有する高分子化合物を結合剤として造粒してなることを特徴とする顆粒状皮膚洗浄料。
【請求項2】
粉体成分が、N−アシルアミノ酸型界面活性剤と無機粉体とを含有することを特徴とする請求項1記載の顆粒状皮膚洗浄料。
【請求項3】
N−アシルアミノ酸型界面活性剤(A)と無機粉体(B)との質量比A:Bが1:1〜1:10であることを特徴とする請求項2記載の顆粒状皮膚洗浄料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は水への溶解性がよく、泡立ちが早く、泡質がクリーミィで、洗い上がりのしっとり感に優れる顆粒状皮膚洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
顆粒状皮膚洗浄料は、一般に、使用時に粉末成分の飛散による口、鼻からの吸入等の防止や容器からの取り出しやすさの向上、また保管の際吸湿による品質劣化の防止のため、粉末成分同士を結合剤により結合、粘結させて顆粒としている。
【0003】
従来、この結合剤として、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系高分子や、キサンタンガム、カラギーナン等の多糖類が用いられていた。
【0004】
しかしながら、従来の顆粒状皮膚洗浄剤は使用時に水に溶かす際、水への溶解性が悪く塊ができてしまったり、配合されている界面活性剤の本来の泡立ちを阻害したり、洗い流した後の感触を低下させる等の課題があった。
【0005】
このような課題に鑑み、カチオン性高分子を配合したり、分子量4000以上のポリエチレングリコールを結合剤として用いることにより水への溶解性を高めることが検討されてきた(特許文献1〜3参照)。また、アミノ酸系界面活性剤と結晶セルロースを組み合わせることで感触面を改良することが検討されてきた(特許文献4参照)。しかしながら、近年消費者の要求の高まりにより、更なる改良が望まれている。
【特許文献1】特開昭60−221493号公報
【特許文献2】特開2002−338994号公報
【特許文献3】特開平10−120552号公報
【特許文献4】特開2001−199876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、水への溶解性がよく、泡立ちが早く、泡質がクリーミィで、洗い上がりのしっとり感に優れる顆粒状皮膚洗浄料を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、界面活性剤を含有する粉体成分をカチオン性基を含有する高分子化合物を結合剤として造粒してなることを特徴とする顆粒状皮膚洗浄料が上記問題点を解決し得ることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の請求項1は、界界面活性剤を含有する粉体成分をカチオン性基を含有する高分子化合物を結合剤として造粒してなることを特徴とする顆粒状皮膚洗浄料である。
【0009】
また、本発明の請求項2は、粉体成分が、N−アシルアミノ酸型界面活性剤と無機粉体とを含有することを特徴とする請求項1記載の顆粒状皮膚洗浄料である。
【0010】
また、本発明の請求項3は、N−アシルアミノ酸型界面活性剤(A)と無機粉体(B)との質量比A:Bが1:1〜1:10であることを特徴とする請求項2記載の顆粒状皮膚
洗浄料である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は水への溶解性がよく、泡立ちが早く、泡質がクリーミィで、洗い上がりのしっとり感に優れる顆粒状皮膚洗浄料を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について詳述する。
【0013】
本発明に用いられる粉体成分としては、通常皮膚洗浄料に使用され、かつ粉末状で供給できるものであれば任意に用いることができ、具体的には洗浄成分としての界面活性剤及び賦形剤としてのポリオール類や糖類、無機粉体、有機粉体、合成樹脂粉体、各種顔料等が挙げられる。
【0014】
本発明に用いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられ、それぞれ1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。中でもN−アシルグルタミン酸型界面活性剤、N−アシルグリシン型界面活性剤、N−アシルアラニン型界面活性剤、N−アシルアスパラギン酸型界面活性剤等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤が泡質のクリーミィさ、洗いあがりのしっとり感の面で特に優れる。
【0015】
本発明に用いられる界面活性剤の好ましい配合量としては、1.0〜60質量%(以下、単に%と略す。)であり、更に好ましくは10〜40%である。この範囲であると水への溶解性、泡立ちの早さ、泡質の面で特に優れる。
【0016】
本発明において賦型剤として無機粉体を用いると、界面活性剤の分散性が向上し水への溶解性が高まる。本発明に用いる無機粉体としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、珪ソウ土、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、クレー、ベントナイト、バーミキュライト、酸化チタン皮膜雲母(雲母チタン)、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、低次酸化チタン、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、塩基性ヨウ化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウムジルコニウム、硫酸亜鉛、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック等が挙げられ、それぞれ1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。
【0017】
本発明に用いられる無機粉体の好ましい配合量としては、40〜98%であり、更に好ましくは60〜90%である。この範囲であると界面活性剤の分散性が良くなるため、水への溶解性が特に優れる。
【0018】
本発明においてN−アシルアミノ酸型界面活性剤(A)と無機粉体(B)とをその質量比A:Bを1:1〜1:10の範囲にすると、水への溶解性、泡立ちの早さ、泡質の面で特に優れる。
【0019】
本発明で用いられるカチオン性基を含有する高分子化合物としては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド誘導体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、カチオン化澱粉、カチオン化ポリペプタイド等が挙げられ、それぞれ1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。中でもジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−アクリル酸共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−アクリル酸−アクリルアミド共重合体等のジメチルジアリルアンモニウムクロライド誘導体が、泡質のクリーミィさ、洗い上がりのしっとり感の面で特に優れる。
【0020】
本発明に用いられるカチオン性基を含有する高分子化合物の好ましい配合量としては、0.1〜2.0%であり、更に好ましくは0.3〜1.0%である。この範囲であると水への溶解性、泡質のクリーミィさ、洗いあがりのしっとり感の面で特に優れる。
【0021】
本発明においては、カチオン性基を含有する高分子化合物を結合剤として粉体成分を造粒し顆粒状皮膚洗浄剤にすることが必須条件であり、単に粉末状皮膚洗浄剤にカチオン性基を含有する高分子化合物を配合するだけでは、本発明の効果を十分に発揮できない。
【0022】
本発明の顆粒状皮膚洗浄料には、発明の効果を損なわない範囲であれば、上記必須成分の他に、有機粉体、油性成分、植物エキス、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、香料、色素等を配合することができる。
【0023】
本発明において粉末成分同士を結合させて顆粒状とする造粒法としては、通常知られているいずれの方法も使用できる。例えば、湿潤乾燥法によれば、洗浄成分や賦形剤の粉末を均一混合した後、そこへ結合剤を水、エタノール又はその混液で溶解した結合剤液を添加して湿潤させ、そのまま乾燥させた後ふるい処理することで得られる。また、湿潤後、押し出し造粒装置で粒子径を整えてから乾燥、ふるい処理する押し出し造粒法も応用できる。更に、均一混合粉末を流動層中で浮遊させておき結合剤液を噴霧して造粒する流動層造粒法を使用することもできる。この中でも流動層造粒法を用いると、水への溶解性の面で特に優れる。
【実施例】
【0024】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明する。本発明は、これらにより限定されるものではない。
【0025】
実施例、比較例に示した官能試験の試験方法は下記の通りである。尚、以下の表に示す組成物の配合量は、それぞれ質量部で示す。
【0026】
10名の被験者によって顆粒状皮膚洗浄料の試料を使用し洗顔した。その後被験者本人が、水への溶解性、泡立ちの早さ、泡質のクリーミィさ、洗いあがりのしっとり感について官能評価し、平均評価点を求めた。評価基準は、以下の通りである。
【0027】
4:非常に良好
3:良好
2:やや悪い
1:悪い
【0028】
実施例1〜4、比較例1〜2
表1に示した処方の顆粒状皮膚洗浄料(洗顔料)の粉体成分を流動層内で浮遊させ、結合剤液を噴霧し乾燥させる流動層造粒法により作製し、前記試験を実施した。その結果を表1に併せて示す。尚、処方中の精製水は製造工程において蒸発するため、顆粒状皮膚洗
浄料中には残らない。
【0029】
【表1】


【0030】
表1より明らかなように本発明の成分を用いた実施例の顆粒状皮膚洗浄料はいずれも優れた性能を有していた。一方、結合剤としてカチオン性基を含有する高分子化合物を用いなかった比較例では、水への溶解性、泡立ちの早さ、泡質のクリーミィさ、しっとり感のいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0031】
実施例5
(粉体成分)
ミリストイルグルタミン酸ナトリウム 5.0
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 5.0
スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム 5.0
ココイルイセチオン酸ナトリウム 8.0
カオリン 5.0
乳酸処理タルク 7.0
ケイ酸アルミニウム 3.0
ヒドロキシプロピルトウモロコシデンプン 9.0
結晶セルロース 3.0
コーンスターチ 14.0
プロテアーゼ 0.03
リパーゼ 0.01
パパイン 0.02
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
タルク 30.53
(結合剤)
精製水 100.0
両性高分子 5.0
(マーコート3330、NALCO社製)
ポリビニルピロリドン 0.3
(PVP K−30、BASF社製)
色素(黄色4号) 0.01
【0032】
精製水に両性高分子、ポリビニルピロリドン、色素を溶解し結合剤液とし、流動層造流法にて上記組成の顆粒状皮膚洗浄剤を作製し評価したところ、水への溶解性、泡立ちの早さ、泡質のクリーミィさ、しっとり感について、優れた性能を有していた。
【0033】
実施例6
(粉体成分)
ミリストイルグルタミン酸ナトリウム 10.0
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 5.0
コカミドプロピルベタイン 3.0
ラウリン酸カリウム 3.0
シリコン処理タルク 5.0
アスコルビン酸硫酸2ナトリウム 0.1
疎水変性デンプン 5.0
(DRY−FLO PC 日本NSC社製)
シルクパウダー 5.0
タルク 58.1
(結合剤)
精製水 80.0
カチオン性高分子 3.0
(マーコート550、NALCO社製)
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
レモンエキス 0.1
(レモンエキストラリキッド、一丸ファルコス社製)
甘草エキス 1.0
(リコレックスNA、丸善製薬社製)
香料 0.2
エタノール 1.0
【0034】
精製水にカチオン性高分子、ヒドロキシエチルセルロース、レモンエキス、甘草エキスを溶解し結合剤液とし、流動層造流法にて造粒し乾燥後、香料とエタノールの混合液を更に噴霧、着香し上記組成の顆粒状皮膚洗浄剤を作製した。この顆粒状皮膚洗浄剤を評価したところ、水への溶解性、泡立ちの早さ、泡質のクリーミィさ、しっとり感について、優れた性能を有していた。
【0035】
尚、上記の実施例6において使用した香料の組成は表2に示す。
【0036】
【表2】


【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年8月9日(2006.8.9)
【代理人】 【識別番号】100132285
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健


【公開番号】 特開2008−37834(P2008−37834A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217392(P2006−217392)