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【発明の名称】 マスカラ用短繊維、マスカラ用短繊維製造方法、マスカラ化粧料およびマスカラ化粧料の製造方法
【発明者】 【氏名】清村 悦央

【氏名】竹田 恵司

【氏名】天野 慈朗

【要約】 【課題】睫の化粧において、睫の長さをより長くし、ボリューム感のある外観形状を与え、すっきりとした目元を得ることができるマスカラ用短繊維およびその製造方法の提供。

【構成】単繊維長が0.1mm〜5.0mmで単繊維繊度が0.1〜30デシテックスの短繊維で、断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面であることを特徴とする。(a):葉が中心から放射線状に延びている、(b):葉の枚数が3〜50枚である、(c):中心から葉の先端の長さに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さの比が0.1〜0.9である、(d):繊維軸方向に垂直な断面形状が、先端部に向かって徐々に細くなっていく形状である、(e):繊維軸方向に垂直な断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則である、(f):繊維軸方向に垂直な断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単繊維長が0.1mm〜5.0mmで単繊維繊度が0.1〜30デシテックスの短繊維であり、かつ、該短繊維の断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面であることを特徴とするマスカラ用短繊維。
要件(a):葉が中心から放射線状に延びていること、
要件(b):葉の枚数が3〜50枚であること、
要件(c):中心から葉の先端の長さLに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの中心からの長さlの比R(R=l/L)がR=0.1〜0.9であること、
要件(d):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、葉の根本部から先端部に向かって徐々に細くなっていく形状であること、
要件(e):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則であること、
要件(f):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状であること。
【請求項2】
少なくとも一成分が溶出された後に、繊維断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面繊維を呈する少なくとも2種の溶出分割型複合繊維を用いて、綛状または束状の状態において、少なくとも一成分を溶出してからカットすることを特徴とするマスカラ用短繊維の製造方法。
要件(a):葉が中心から放射線状に延びていること、
要件(b):葉の枚数が3〜50枚であること、
要件(c):中心から葉の先端の長さLに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの中心からの長さlの比R(R=l/L)がR=0.1〜0.9であること、
要件(d):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、葉の根本部から先端部に向かって徐々に細くなっていく形状であること、
要件(e):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則であること、
要件(f):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状であること。
【請求項3】
前記複合繊維の単繊維繊度が1〜100デシテックスであることを特徴とする請求項2に記載のマスカラ用短繊維の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載のマスカラ用短繊維、または請求項2および請求項3のいずれかに記載のマスカラ用短繊維の製造方法によって得られるマスカラ用短繊維を1〜10重量%含有してなることを特徴とするマスカラ。
【請求項5】
少なくとも一成分が溶出された後に、繊維断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面繊維を呈する少なくとも2種の溶出分割型複合繊維を用いて、綛状または束状の状態において、少なくとも一成分を溶出してからカットして得られたマスカラ用短繊維をマスカラ液に含有せしめることを特徴とするマスカラ化粧料の製造方法。
要件(a):葉が中心から放射線状に延びていること、
要件(b):葉の枚数が3〜50枚であること、
要件(c):中心から葉の先端の長さLに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの中心からの長さlの比R(R=l/L)がR=0.1〜0.9であること、
要件(d):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、葉の根本部から先端部に向かって徐々に細くなっていく形状であること、
要件(e):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則であること、
要件(f):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状であること。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、マスカラ化粧料、すなわち、睫を濃く、長く見せるための化粧料において、特異な断面形状と端面形状を有するマスカラ用短繊維とマスカラ用短繊維製造方法、さらには該マスカラ用短繊維を含有させてなるマスカラ、ならびにマスカラ化粧料とその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、睫の化粧において、睫の長さを従来のマスカラ化粧料による長さより長くし得て、優美な外観形状を与える、すっきりとした美しい印象を与える目元を得ることを従来のマスカラ化粧料以上に可能にするマスカラ用短繊維、マスカラ短繊維の製造方法、マスカラ、ならびにマスカラ化粧料とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マスカラは睫を上にカールすることや睫を太く、長くすることで、目元をはっきりさせることによって、すっきりとした目元の美的外観の向上効果を奏させるものである。
【0003】
一般的には、マスカラ用に供され基材として、例えば、ワックス類、粉体などが用いられてきた。該基材によれば、隣り合った睫を接着し、見かけ上は太く見せることはできるが、目元近傍において二次元的な面をなしているため、美しさに欠け、かつ隣り合った睫と接着して硬くなるため、目元に違和感があった。また、長さにおいては、単に粉体を連ねているだけで十分長さが得られない欠点があった。
【0004】
最近、該欠点を改善する手段としてマスカラ用基材として種々の繊維を含有する提案がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
特許文献1には、太さが1〜7デニールの繊維を含有したアイメークアップ化粧料が提案されているが、短繊維の断面形状および短繊維の製造方法に関する検討がなされていない。
【0006】
また、特許文献2には、0.1〜8デニールの繊維を含有したアイメークアップ化粧料が提案されているが、該特許文献も短繊維の断面形状および短繊維の製造方法に関する検討がなされていない。
【0007】
また、特許文献3には、所定の長さに切り刻むとあるが、短繊維の製造方法の検討がなされていない。また、断面形状においては種々提案されているが多葉形断面に関する検討がなされていない。
【特許文献1】特開平7−179323号公報、
【特許文献2】特開平09−263518号公報、
【特許文献3】特開2004−269493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、睫の化粧において、睫の長さをより長くし、ボリューム感のある外観形状を与え、すっきりとした目元を得ることができるマスカラ用短繊維、マスカラ用短繊維製造方法、マスカラ、マスカラ化粧料ならびにその製造方法を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を達成するため、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)単繊維長が0.1mm〜5.0mmで単繊維繊度が0.1〜30デシテックスの短繊維であり、かつ、該短繊維の断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面であることを特徴とするマスカラ用短繊維。
【0010】
要件(a):葉が中心から放射線状に延びていること、
要件(b):葉の枚数が3〜50枚であること、
要件(c):中心から葉の先端の長さLに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さlの比R(R=l/L)がR=0.1〜0.9であること、
要件(d):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、葉の根本部から先端部に向かって徐々に細くなっていく形状であること、
要件(e):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則であること、
要件(f):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状であること。
【0011】
(2)少なくとも一成分が溶出された後に、繊維断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面繊維を呈する少なくとも2種の溶出分割型の複合繊維を用いて、綛状または束状の状態において、少なくとも一成分を溶出処理してからカットすることを特徴とするマスカラ用短繊維の製造方法。
【0012】
要件(a):葉が中心から放射線状に延びていること、
要件(b):葉の枚数が3〜50枚であること、
要件(c):中心から葉の先端の長さLに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さlの比R(R=l/L)がR=0.1〜0.9であること、
要件(d):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、葉の根本部から先端部に向かって徐々に細くなっていく形状であること、
要件(e):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則であること。
【0013】
要件(f):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状であること。
【0014】
(3)前記複合繊維の単繊維繊度が1〜100デシテックスであることを特徴とする前記(2)に記載のマスカラ用繊維の製造方法。
【0015】
(4)前記(1)に記載のマスカラ用繊維、または前記(2)および前記(3)のいずれかに記載のマスカラ用繊維の製造方法によって得られるマスカラ用繊維を1〜10重量%含有してなることを特徴とするマスカラ。
【0016】
(5)少なくとも一成分が溶出された後に、繊維断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面繊維を呈する少なくとも2種の溶出分割型の複合繊維を用いて、綛状または束状の状態において、少なくとも一成分を溶出してからカットして得られたマスカラ用短繊維をマスカラ液に含有せしめることを特徴とするマスカラ化粧料の製造方法。
【0017】
要件(a):葉が中心から放射線状に延びていること、
要件(b):葉の枚数が3〜50枚であること、
要件(c):中心から葉の先端の長さLに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さlの比R(R=l/L)がR=0.1〜0.9であること、
要件(d):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、葉の根本部から先端部に向かって徐々に細くなっていく形状であること、
要件(e):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則であること、
要件(f):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状であること。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、睫の化粧において、睫の長さをより長くし、ボリューム感のある外観形状を与え、見栄えのある、すっきりとした目元を得ることができるマスカラが得られる。
【0019】
すなわち、短繊維の断面端形状が多葉形であることは中実の繊維に比べ、軽いこと、また、短繊維の繋がりにおいて、歯車形状であることから凹部に凸部が入りこむことで短繊維同士の繋がりが強固になり、かつ、隣り合った葉と葉の距離が不規則であることによって距離の短い間隙が葉の凸部を挟み込む形になり、より強固になる。さらに少なくとも1葉の端面に屈曲を有することによって所謂、ファスナー効果によって、繊維相互の繋がりが、より強固になり、軽くてボリュームのある、長くて優美な睫となり、違和感のない睫効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のマスカラ用短繊維は、睫の長さをより長くし、ボリューム感のある優美な外観形状を与え、すっきりとした目元を得るために、特定の単繊維、太さ、長さ、形状等に好適な範囲がある。
【0021】
すなわち、本発明のマスカラ用短繊維は、太さにおいて単繊維繊度が0.1〜30デシテックスであり、好ましくは0.2〜25デシテックス、より好ましくは0.3〜20デシテックスの短繊維である。
【0022】
短繊維の太さ(単繊維繊度)が0.1デシテックス未満の場合は、マスカラを製造する過程において、繊維が細すぎるため、マスカラ内のブラシに絡みついて睫に移動しない問題があり、30デシテックスを上回る場合には太すぎるため、重くなり、長い睫が得られにくく、塗った後、違和感が残る。
【0023】
また、本発明のマスカラ用短繊維の長さは、0.1〜5.0mmであり、好ましくは0.5〜4.0mm、より好ましくは1.0〜3.0mmである。短繊維長が5.0mmを超えると繊維が長すぎるため、ブラシに絡みついて睫に移動しない問題があり、0.1mmを下回る場合には繊維長が短いため、繊維相互の繋がりが弱く、長い睫が得られにくくなる。
【0024】
本発明のマスカラ用短繊維は、単繊維繊度が0.1〜30デシテックスの繊維で構成され、かつ、該短繊維の断面形状が以下の要件(a)〜(f)を満足する多葉形断面である。
【0025】
要件(a):葉が中心から放射線状に延びていること、
要件(b):葉の枚数が3〜50枚であること、
要件(c):中心から葉の先端の長さLに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの中心からの長さlの比R(R=l/L)がR=0.1〜0.9であること、
要件(d):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、葉の根本部から先端部に向かって徐々に細くなっていく形状であること、
要件(e):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、隣り合った葉との距離が不規則であること、
要件(f):繊維軸方向に垂直な繊維横断面上での葉の断面形状が、端面において少なくとも1葉が屈曲した形状であることである。
【0026】
図1(A)〜(D)、図2(A)〜(G)に断面形状を例示する。図1(A)〜(D)は、少なくとも一成分が溶出された直後の短繊維断面の模式形状例であり、葉の部分が適宜左右にふれることにより、本発明の隣り合った葉との距離が不規則である短繊維となる。図2(A)〜(G)は本発明短繊維として適さない例である。Lは中心から葉の先端までの長さを示し、lは中心から隣り合った葉となす溝の最下端まで長さを示す。
【0027】
本発明において、多葉形断面形状を持っているとは、例えば、図1(A)〜(D)(多葉形断面繊維)に示すように、歯車の如き凸部と凹部を兼ね備えた断面形状を有しているものである。
【0028】
図3は、本発明の好適な繊維端面の繊維の形状を示すSEM写真である。cは短繊維端面の屈曲であり、dは葉と葉の距離を示す。
【0029】
上記(a)〜(f)の要件範囲を外れる場合、例えば上記(b)、(c)項の要件範囲を外れる場合には、(a)項の多葉形断面構造の繊維を製造することが難しくなり、例えできたとしても、ボリュームのある睫を得ることができにくくなる。
【0030】
これらの要件を満たすことによって始めて長くてボリュームのある睫を得ることができる。例えば、(a)の要件では歯車の如き、短繊維の繋がりの面で重要であり、(b)の要件については、目的によって適宜選べば良いが、製造上、容易な5〜20枚を好適に選ぶことができる。(c)の要件であるR(R=l/L)は、0.1〜0.9で、好ましくは0.3〜0.7の範囲のものが軽量感や短繊維の繋がりを得る点で好ましくい。(d)の要件は、本発明の製造方法において、必然的に形成する形であり、葉間の距離の長短が、繋がりを強くする点で好ましい。(e)の要件もまた本発明の製造方法において、必然的に形成する形であり、屈曲がより繋がりを強固にする点で好ましい。
【0031】
本発明で用いられる多葉形断面繊維からなる単繊維糸条は、例えば少なくとも2種の異なるポリマーからなる溶出分割型複合繊維の一成分の全てまたは一部を溶解または分解除去することによって得ることができる。
【0032】
本発明において、多葉形断面繊維からなる単繊維糸条を造るために使用されるポリマーは、特に限定されるものではなく、通常の方法で製糸可能なものであればいずれのポリマーであっても使用することができる。例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、およびポリオレフィンなどを例示することができ、なかでもポリアミドが特に好ましく用いられる。
【0033】
本発明のマスカラ用短繊維を得るためには、代表的には次のような方法が挙げられる。まず、溶出分割型の複合繊維からなる単繊維糸として、単繊維繊度が1〜100デシテックス、好ましくは1〜20デシテックスで、分割溶出後の単繊維の単繊維繊度が0.1〜30デシテックス、好ましくは0.2〜25デシテックス、より好ましくは0.3〜20デシテックスとなる単繊維糸を用い、綛状または束状にする。次に綛状または束状のまま分割溶出処理を行い、単繊維長0.1〜5.0mmの所定のカット長に切断する。その後好ましくはフルイなどでミスカット屑等を除去する選別操作を行ない、マスカラ用短繊維を得ることができる。
【0034】
また、一般に染色は行わないが必用に応じて行うこともできる。
【0035】
このような方法によって得られたマスカラ用短繊維は、調合されたマスカラ液に1〜10重量%混入しマスカラを得ることができる。含有量は該範囲を外れる場合には目的とする長くてボリュームのある優美な睫外観形状を得ることができにくくなるので好ましくない。
【0036】
また、マスカラ液は、通常使われている液であればいかなる液でも用いることができ、特に限定されないが、例えばワックス成分や皮膜形成剤さらに着色剤などが用いられ、ワックスではカルナウバ、キャンデリラ、マイクロクリスタリン、ポリエチレン、パラフィンなどのワックスを目的に応じて組み合わせることができる。皮膜形成剤のポリマーエマルジョンとしてはアクリル酸系、ポリ酢酸ビニル系、シリコン系などが挙げられるがアクリル酸系が多く用いられる。
【0037】
着色剤としては顔料が多く用いられる。また、必用に応じて香料なども混ぜることができる。
【0038】
本発明のマスカラ用繊維を含有したマスカラは睫の化粧において、ボリュームのある長く、優美な睫を得ることができる。
【実施例】
【0039】
(マスカラ液調合方法)
下記割合(重量%)の液をマスカラ液として用いた。
【0040】
ポリアクリル酸エステルエマルジョン 50.0
ポリメタクリル酸 2.0
トリエタノールアミン 2.5
ブチレングリコール 3.0
塩化ナトリウム 0.5
防腐剤 適量
シリカ 2.0
顔料 1.0
香料 0.1
精製水を加え全体で100重量%とした。
(評価方法)パネラーとして10人選定し、使用前後の差を以下の評価で行った。
【0041】
○:8人以上が使用前に比べ、ボリューム感があり、睫が長くなり、優美な睫であり、違和感がなく、見栄えが良いと答えた。
【0042】
△:5人以上が使用前に比べ、やや睫が長くなるが、優美さに欠け、違和感が残り見栄えが不十分と答えた。
【0043】
×:全員が使用前に比べ、睫の長さは替わらず、優美さに欠け、違和感があり見栄えが不足すると答えた。
とした。
【0044】
(実施例1)
単繊維糸として、56デシテックス、18フィラメントの溶出分割型マルチフィラメント糸条(単繊維の断面形状は、中心がポリアミド成分の8葉形で、それを取り巻く形でポリエステル成分が配された溶出分割型の繊維であって、ポリエステル成分溶出・除去後の単繊維繊度が0.89デシテックスの溶出分割型複合繊維)を綛取り機にかけ、55万デシテックスの太さの綛を得た。得られた綛を水酸化ナトリウムの水溶液中で処理し、ポリエステル成分を完全に溶出除去し、8葉形断面糸にした。8葉形断面形状は、葉が中心から葉の先端部に向かって葉の幅が漸次狭くなり、すなわち葉の先端部に向かって葉と葉の間の隙間が漸次広がるように放射線状に延びて広がっており、中心から葉の先端までの長さLに対し、隣り合った葉の間にできた溝の最下端までの中心からの長さlの比R(R=l/L)は、0.6であった。得られた綛をギロチンカッターで2.0mmにカットした。短繊維断面の隣り合った葉との距離は不規則であり、かつ端面において、2葉が屈曲していた。
【0045】
次いで、マスカラ容器10CCの中に調合されたマスカラ液8gと該繊維0.4g(5重量%)を混ぜてマスカラを作成した。
該マスカラを用いて睫の化粧をしたところ、睫の長さは長くなっており、隣り合った睫との接着が少なくボリュームのある優美な見栄えのする睫を得ることができた。結果を表1に示す。
【0046】
(実施例2)
55デシテックス、18フィラメントのナイロンとポリエステルの溶出分割型マルチフィラメント複合繊維糸条、ナイロンが16葉形でそれを取り巻くようにポリエチレンテレフタレートが配された溶出型複合繊維(ポリエチレンテレフタレート成分溶出後の単繊維繊度:1.1デシテックス)を用いる以外は実施例1と同様の方法で短繊維を得た。
得られた16葉形断面繊維は葉が中心から放射線状に広がっており、中心から葉の先端までの長さLに対し、隣り合った葉で形成された溝の最下端までの中心からの長さl比R(R=l/L)は0.7であった。かつ、短繊維断面の隣り合った葉との距離は不規則であり、かつ端面において、葉が屈曲していた。以下、実施例1と同様の方法で睫を化粧したところ、睫の長さは長くなっており、隣り合った睫との接着が少なくボリューム感のある優美な見栄えのする睫を得ることができた。結果を表1に示す。
【0047】
(比較例1)
短繊維を含有しないマスカラ液のみのマスカラを用いて睫の化粧をしたところ、睫の長さは長くなっておらず、隣り合った睫との接着が多く見られ、違和感のある品素な睫であった。結果を表1に示す。
【0048】
(比較例2)
単繊維糸として、56デシテックス、18フィラメント、断面形状が丸のナイロン繊維を用いギロチンカッターで2.0mmにカットした短繊維を用いる以外は、実施例1と同じマスカラで睫の化粧をしたところ、睫の長さは若干長くなっているが、違和感があり見栄えも不十分のものであった。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】少なくとも一成分が溶出された直後の短繊維断面の模式形状を例示した模式図である。
【図2】本発明に適さない短繊維断面形状を示した模式図である。
【図3】本発明の繊維の形状を例示したSEM写真である。
【符号の説明】
【0051】
L:中心から葉の先端の長さ
l:隣り合った葉となす溝の最下端までの長さ
c:短繊維端面の屈曲
d:葉と葉の距離
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−37815(P2008−37815A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215532(P2006−215532)