| 【発明の名称】 |
皮膚貼付薬シート |
| 【発明者】 |
【氏名】内藤 寛樹
【氏名】松本 真哉
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| 【要約】 |
【課題】高い透明性及び光沢値を有するとともに、優れた風合い、伸縮柔軟性、膏体の裏抜け防止性、接着特性等の性能も有する皮膚貼付薬シートを提供する。
【構成】ポリエステルフィルム及び目付量50g/m2以下の編布を有する支持体と、上記支持体の編布側に粘着剤層とを積層してなる皮膚貼付薬シート。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリエステルフィルム及び目付量50g/m2以下の編布を有する支持体と、前記支持体の編布側に粘着剤層とを積層してなることを特徴とする皮膚貼付薬シート。 【請求項2】 ポリエステルフィルムは、厚さが12μm以下である請求項1記載の皮膚貼付薬シート。 【請求項3】 編布は、ポリエステル繊維からなるものである請求項1又は2記載の皮膚貼付薬シート。 【請求項4】 支持体は、ポリエステルフィルム及び編布がポリエステル系ウレタン樹脂接着剤を用いて接着されたものである請求項1、2又は3記載の皮膚貼付薬シート。 【請求項5】 粘着剤層は、水溶性高分子物質及び薬剤を含有するものである請求項1、2、3又は4記載の皮膚貼付薬シート。 【請求項6】 支持体の可視光線透過率は、85%以上である請求項1、2、3、4又は5記載の皮膚貼付薬シート。 【請求項7】 支持体のポリエステルフィルム側の表面は、光沢値(60°反射率)が50%以上である請求項1、2、3、4、5又は6記載の皮膚貼付薬シート。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、皮膚貼付薬シートに関する。 【背景技術】 【0002】 皮膚貼付薬シートは、皮膚刺激剤や消炎鎮痛剤の薬剤を含有する粘着剤、即ち膏体を不織布やメリヤス基材上に積層してなるものであり、医療用途に広く用いられている。このような皮膚貼付薬シートでは、シートを皮膚に貼付した際に良好な粘着性及び弾性を有すること、剥離時に皮膚に刺激を与えず、容易に剥離し得ること等の種々の性能を有することが要求されている。 【0003】 近年、このような皮膚貼付薬シートにおいては、肌に貼り付けても目立つことがないような高い透明性を有するものやシート表面に高い光沢を有するものを提供することが望まれている。上述した不織布やメリヤスのような基材は、通気性が良く、伸びも良い利点を有するが、これらは透明感が少ないため、貼付時に非常に目立ち、特に薄いシャツ等を着た場合でも透けて外部から見えてしまうため、他人の目を気にして使用を控えることがある。また、このような基材を使用した場合に高い光沢を得ることは困難である。 【0004】 特許文献1には、目付量5〜19g/m2のポリエステル製不織布と、厚み5〜25μmのポリエステル製フィルムとの積層構造の支持体のポリエステル製フィルム面に、粘着剤層を積層してなる医療用貼付材が開示されている。この医療用貼付材は、フィルム側に粘着剤層を設けたものであり、このような構成の貼付材を用いることによって、薬物の裏抜け防止、風合い、見栄え等の効果を得るものである。従って、高い透明性や光沢値を有するシートを得ることを目的とするものではない。 【0005】 特許文献2には、ポリエステルフィルムと、厚さ30〜980μm、空隙率50〜99%の織布又は不織布とを積層した支持体の、織布又は不織布表面に親水性基剤面が形成されたパップ剤が開示されている。ここで開示されているパップ剤は、薄くて剥がれ難く、臭いが抑えられたものであって、高い透明性や光沢値を得ることについて詳細に検討されておいない。またこのような厚みの織布又は不織布を用いた場合に高い透明性や光沢値を有するシートを得ることは困難である。 【0006】 特許文献3には、ポリ塩化ビニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂で形成されたフィルムに25g/m2以下の目付けを有する不織布又は編布を接着してなり、特定のヘイズ値及び10%モジュラスを有する支持体と、親水性膏体とを有する皮膚貼付薬シートが開示されている。これは、接着性、柔軟性、透明性、皮膚に貼付したときの違和感がないシートを提供することを目的とするものであって、高い光沢値を有するシートを提供することを目的とするものではない。また、ポリ塩化ビニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂で形成されたフィルムを用いると、高い光沢値を有するシートを得ることは困難である。また、高い透明性を得ることについても詳細に検討されていない。 【0007】 【特許文献1】特開2001−29383号公報 【特許文献2】特開2001−213768号公報 【特許文献3】特開2004−59524号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明は、上記現状に鑑み、高い透明性及び光沢値を有するとともに、優れた風合い、伸縮柔軟性、膏体の裏抜け防止性、接着特性等の性能も有する皮膚貼付薬シートを提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、ポリエステルフィルム及び目付量50g/m2以下の編布を有する支持体と、上記支持体の編布側に粘着剤層とを積層してなることを特徴とする皮膚貼付薬シートである。 【0010】 上記ポリエステルフィルムは、厚さが12μm以下であることが好ましい。 上記編布は、ポリエステル繊維からなるものであることが好ましい。 上記支持体は、ポリエステルフィルム及び編布がポリエステル系ウレタン樹脂接着剤を用いて接着されたものであることが好ましい。 上記粘着剤層は、水溶性高分子物質及び薬剤を含有するものであることが好ましい。 【0011】 上記皮膚貼付薬シートにおいて、上記支持体の可視光線透過率は、85%以上であることが好ましい。 上記皮膚貼付薬シートにおいて、上記支持体のポリエステルフィルム側の表面は、光沢値(60°反射率)が50%以上であることが好ましい。 以下、本発明を詳細に説明する。 【0012】 本発明の皮膚貼付薬シートは、ポリエステルフィルム及び目付量50g/m2以下の編布(以下、単に「編布」ともいう)を有する支持体と、上記支持体の編布側に粘着剤層とを積層してなるものである。即ち、支持体が透明性の高いポリエステルフィルムと、目付量50g/m2以下のような目付量が少なく、透明性の高い編布とを有するものであるため、上記皮膚貼付薬シートは高い透明性を有するものである。従って、上記皮膚貼付薬シートを肌に貼り付けた場合に、シートが目立つことを防止することができる。また、薄いシャツ等を着た場合に、シャツが透けて外部からシートが見えてしまうことを防止することができる。 【0013】 上記皮膚貼付薬シートは、貼付した際に最外層としてポリエステルフィルムを有し、更に目付量50g/m2以下の編布及び粘着剤層とを積層してなるものであるため、貼付した状態において、外観が高い光沢値を有するものとなる。このように、本発明の皮膚貼付薬シートは、高い透明性と光沢値との両特性を併せ持つものであるため、この両特性が要求される場合に好適に用いることができる。 【0014】 上記皮膚貼付薬シートは、上記構成からなるものであるため、製造工程において、支持体に各種成分を含む粘着剤(膏体)を塗工した際、製剤の表側(ポリエステルフィルム側)に膏体が染み出してしまうこと(膏体の裏抜け)を防止することができる。また、上記皮膚貼付薬シートを皮膚に貼付した際にゴワツキ等を防止できる等、風合いや伸縮柔軟性に優れるものである。 【0015】 上記皮膚貼付薬シートは、上記構成からなるものであるため、優れた接着特性を有するものである。即ち、支持体(編布)と粘着剤層との間の接着力に優れるものであるため、この間での剥離を防止することができる。また、このように支持体(編布)と粘着剤層との間に優れた接着力を有するため、皮膚に貼付した皮膚貼付薬シートを引き剥がした際に皮膚において糊残りが生じることを防止することもできる。更に、このような接着特性を長期間維持することもできる。このため、皮膚貼付薬シートを40℃で6ヶ月間のような条件で放置した後においても、接着特性をほぼ初期の状態に維持することができる。 【0016】 上記皮膚貼付薬シートは、ポリエステルフィルム及び目付量50g/m2以下の編布を有する支持体を有するものである。 上記ポリエステルフィルムを用いるものであるため、高い透明性及び光沢値を有するシートを得ることができる。また、粘着剤層中の水分や揮発性の薬剤の揮散も防止することができる。更に、表面の摩擦係数が不織布等より小さいため、皮膚に貼付したとき、衣服や肌と触れ合った際に引っかかることも防止でき、皮膚から剥がれることも防止することができる。 【0017】 上記ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を用いて成形することにより得られるフィルムである。上記ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸と、ジオールとから又はヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーである。 【0018】 上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、コハク酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0019】 上記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6―ナフタレート等を挙げることができる。これらのポリエステル樹脂は、ホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。これらは、単独で用いても混合して用いてもよい。なかでも、力学的物性や光学物性等のバランスが良い点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートがいので好ましく、ポリエチレンテレフタレートを用いることが特に好ましい。 【0020】 上記ポリエステル樹脂は、o−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜0.9dl/gの範囲のものが好ましい。この範囲内であると、フィルムの成形を良好に行うことができる。上記ポリエステル樹脂は、他の成分として樹脂の添加剤として用いられる従来公知の添加剤を含むものであってもよい。 【0021】 上記ポリエステルフィルムは、厚さが12μm以下であることが好ましい。12μmを超えると、フィルムが硬く、風合い、皮膚等の曲面への追従性が悪くなるおそれがある。1.8〜12μmであることがより好ましく、1.8〜5μmであることが更に好ましい。上記ポリエステルフィルムは市販品を使用することができ、例えば、NSC−12(帝人デュポン社製)、PET−12(ユニチカ社製)等のポリエチレンテレフタレートフィルム等を使用することができる。 【0022】 上記ポリエステルフィルムは、破断強度(フィルム流れ方向、縦方向)が25〜35kgf/mm2、2%モジュラスが7.5〜9.5kgf/mm2であることが基材シートにした際の風合い柔軟性から望ましい。上記破断強度の測定は、JIS K 7113に準じて行う。上記2%モジュラスの測定は、JIS K 7113に準じて行う。 【0023】 上記皮膚貼付薬シートは、特定の目付量の編布を用いるものである。上記編布を用いることによって、高い透明性及び光沢値を有するシートを得ることができる。また、編布の目付量が少ないため、粘着剤(膏体)の塗工量を少なくすることができる。このため、支持体及び粘着剤層(膏体層)を含めても非常に薄い製品とすることができ、皮膚に貼付したときの使用感としての風合いや伸縮柔軟性に優れるものとなる。 【0024】 塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系等の熱可塑性樹脂からなるフィルムは通常親油性であるため、後述するような水溶性高分子物質を主成分とし、水を多く含んだ水性膏体とは親和性に乏しい。また、水性膏体は凝集力も弱いため、水溶性高分子物質を主成分とする粘着剤を上記の熱可塑性樹脂からなるフィルム上に、単に直接に塗工しても、上記粘着剤が基材に充分に接着せず、皮膚貼付薬シートを皮膚から剥がした場合に皮膚への糊残りが生じる。これに対して、本発明における支持体は、上記ポリエステルフィルム及び編布を有するものであるため、粘着剤層を支持体に充分に接着させることができ、良好な接着適性を得ることができる。 【0025】 上記編布としては、横編み、縦編みいずれでもよく、具体的には、トリコット編布、ミラニーズ編布、ラッセル編布、メリヤス編布等を挙げることができる。 上記編布は、目付量が50g/m2以下である。50g/m2を超えると、皮膚貼付薬シートの透明性、光沢値が低下するおそれがある。5〜30g/m2であることが好ましく、10〜20g/m2であることがより好ましい。 【0026】 上記編布に用いられる繊維材料としては、例えば、ポリアルキレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維;ナイロン6、66、46等のポリアミド繊維;パラフェニレンテレフタルアミド及び芳香族エーテルとの共重合体等に代表される芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維);ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール;全芳香族ポリエステル繊維(ポリアリレート繊維);ビニロン繊維;レーヨン繊維、超高分子量ポリエチレン等のポリオレフィン繊維;ポリオキシメチレン繊維、パラフェニレンサルフォン、ポリサルフォン等のサルフォン系繊維;ポリエーテルケトン繊維;ポリエーテルイミド繊維;炭素繊維;ポリイミド繊維等の合成繊維、レーヨン等の化学繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊維等を挙げることができる。また、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維を単独又は併用しても良い。なかでも、高い透明性及び光沢値や、軽量性、耐熱性、耐久性、耐薬品性、コンパクト性、コストの点から、ポリエステル繊維であることが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記繊維材料は、単糸であっても、2本以上の引きそろえ糸であってもよい。 【0027】 上記支持体は、例えば、上記ポリエステルフィルムと、上記編布とを接着剤を用いて接着することにより製造することができる。上記接着剤としては、ポリエステル系ウレタン樹脂接着剤を用いることが接着性の点から好ましく、また、透明性、光沢を低下させることを防止することができる。 【0028】 上記ポリエステルフィルムと、上記編布からなる支持体は、柔軟な風合いを得る観点から、10%モジュラスが45N/19mm以下であることが好ましい。10%モジュラスの測定は、サンプルサイズ:19mm巾短冊、チャック間:100mm、標線間:50mm、引張速度:50mm/minの条件で測定する。 【0029】 上記皮膚貼付薬シートは、上記ポリエステルフィルム及び上記編布を有する支持体の編布側に、粘着剤層を積層してなるものである。 上記粘着剤層中に含まれる粘着剤としては、従来公知のアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。 【0030】 上記粘着剤のなかでも、シートを皮膚に貼付した際に良好な粘着性及び弾性を有するのみならず、剥離時に皮膚に刺激を与えず、容易に剥離し得る点から、水溶性高分子物質を主成分として含み、必要に応じて溶解剤、吸収促進剤、保湿剤、無機充填剤、粘度調整剤、架橋剤、界面活性剤等を含む水性粘着剤(水性膏体)を用いることが好ましい。また、高い透明性及び光沢値を低下させることを防止することができる。 【0031】 上記水溶性高分子物質としては、例えば、ゼラチン、カゼイン等の天然の水溶性高分子;デキストリン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成水溶性高分子物質;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の合成水溶性高分子等を挙げることができる。なかでも、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムが一般的に用いられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0032】 上記溶解剤としては、例えば、種々の高級脂肪酸エステルを挙げることができる。 上記吸収促進剤としては、例えば、種々の精油類を挙げることができる。 上記保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等、多価アルコール等を挙げることができる。 上記無機充填剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、二酸化チタン等を挙げることができる。 【0033】 上記粘度調整剤としては、例えば、ポリブテン、ポリイソブチレン等の合成重合体等を挙げることができる。 上記架橋剤としては、例えば、アセトアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザール、ジアルデヒドデンプン、ジメチルケトン等のアルデヒドやケトン類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリミョヨウバン等の無機化合物等を挙げることができる。 上記水性粘着剤は、必要に応じて、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、没食子酸エステル等の抗酸化剤、リンゴ酸等のpH調整剤、香料、着色剤等を配合してもよい。 【0034】 上記粘着剤層中に含まれる薬剤としては、経皮的に体内に吸収されて薬理効果を発現するものであれば特に限定されず、例えば、抗炎症剤、鎮痛剤、局所刺激剤、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、血行促進剤、催眠鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗菌性剤、冠血管拡張剤等を挙げることができる。これらの薬剤は、治療目的に応じて、1種又は2種以上を配合して用いることができる。 【0035】 上記抗炎症剤、鎮痛剤又は局所刺激剤としては、例えば、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、イソソルビドジナイトレート、メントール等を挙げることができる。上記抗ヒスタミン剤としては、例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソチベンジル、クロルフェニラミン等を挙げることができる。上記冠血管拡張剤としては、例えば、ニトログリセリン、ニトログリコール、ペンタエリスリトールテトラナイトレート、イソソルビドジナイトレート等を挙げることができる。上記皮膚貼付薬シートにおいて、上記薬剤は特に限定されるものではない。 【0036】 上記粘着剤層の厚さは、乾燥時において50〜1000μmであることが好ましく、100〜900μmであるのがより好ましい。50μm未満であると、粘着剤層の接着力が不足するおそれがあり、1000μmを超えると、シートの透明性、光沢値が低下するおそれがある。 【0037】 上記皮膚貼付薬シートは、上記支持体の可視光線透過率が85%以上であることが好ましい。これにより、高い透明性を有するシートを得ることができ、また、高い光沢値も得ることができる。85%未満であると、シートの透明性や光沢値が低下するおそれがある。90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。本発明において、85%以上の可視光線透過率は、適当なポリエステルフィルム、編布及び粘着剤層を選択することによって得ることができる。 上記支持体の可視光線透過率は、分光光度計UV3150(380〜780nm、島津製作所社製)を使用して、JIS A 5759に準拠して測定した値である。 【0038】 上記皮膚貼付薬シートにおいて、上記支持体のポリエステルフィルム側の表面は、光沢値(60°反射率)が50%以上であることが好ましい。これにより、高い光沢値を有するシートを得ることができ、また、高い透明性も得ることができる。50%未満であると、シートの光沢値や透明性が低下するおそれがある。70〜100%であることがより好ましく、80〜100%であることが更に好ましい。本発明において、50%以上の光沢値は、適当なポリエステルフィルム、編布及び粘着剤層を選択することによって得ることができる。 【0039】 上記光沢値(%)は、グロスメーター(GLOSS METER、日本電色工業社製)を使用して、上記支持体のポリエステルフィルム表面の光沢値(60゜反射率)をJIS Z 8741に準拠して測定した値である。 【0040】 上記粘着剤層は、例えば、粘着剤を水等溶解させ、得られた溶液を上記支持体の編布が存在している面に塗布し、乾燥して形成させることができる。 上記皮膚貼付薬シートは、製造、運搬、保存中に粘着剤層が、器具、容器等に接着することを防止すること、製剤の劣化を防止することを目的として、皮膚面への貼付の直前までは粘着剤層の露出面を、離型フィルムにて被覆、保護することが好ましい。そして、使用時にこれを剥離して、粘着剤層の面を露出させ、皮膚に貼付して使用する。 【0041】 上記離型フィルムとしては、使用時に粘着剤層から容易に剥離されるものであれば特に限定されず、例えば、粘着剤層と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって剥離処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム、上質紙、グラシン紙等の紙、上質紙又はグラシン紙等とポリオレフィンとのラミネートフィルム等を挙げることができる。上記離型フィルムの厚さは、通常12〜200μm、好ましくは50〜100μmである。 【0042】 上記皮膚貼付薬シートは、例えば、ポリエステルフィルム上に編布を接着して支持体とし、この支持体の編布側に、上記粘着剤を塗布し、含浸させた後、離型フィルムを添着した後、裁断することによって得ることができる。また、離型フィルム上に粘着剤を塗布し、これを支持体の編布に被せて含浸させた後、裁断することによっても得ることができる。 【0043】 本発明の皮膚貼付薬シートの例を図1及び図2として示した。 図1、2は、本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例を示した図である。図1で示された皮膚貼付薬シートは、ポリエステルフィルム1、編布2及び粘着剤層3が積層されているものである。図2で示された皮膚貼付薬シートは、ポリエステルフィルム1、編布2、粘着剤層3及び離型フィルム4が積層されているものである。図1、2で示された皮膚貼付薬シートは、高い透明性及び光沢値を有するとともに、優れた風合い、伸縮柔軟性、膏体の裏抜け防止性、接着特性等の性能も有するものである。 【発明の効果】 【0044】 本発明の皮膚貼付薬シートは、ポリエステルフィルム及び目付量50g/m2以下の編布を有する支持体と、上記支持体の編布側に粘着剤層とを積層してなるものであるため、高い透明性及び光沢値を有するものである。また、これとともにシートとして要求される所望の性能、即ち風合い、伸縮柔軟性、膏体の裏抜け防止性、接着特性等の性能も優れたものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0045】 実施例1 支持体は、テイジンデュポン社製ポリエステルフィルム(「NSC−12」、12μm)に、ウレタン系2液型接着剤〔「UD417(セイコー化学社製)」100質量部に、イソシアネート系硬化剤「U−4000(セイコー化学社製)」を2質量部加えたもの〕を用いて、ポリエステル編布(目付量50g/m2、ホクユウ社製)をドライラミネートし、積層シートを得た。 これに水溶性高分子を主成分とする親水性ゲル及び薬剤(L−メントール)からなる粘着剤を800μmの厚みに塗工し、皮膚貼付薬シートを得た。 【0046】 実施例2 支持体は、テイジンデュポン社製ポリエステルフィルム(「NSC−5」、5μm)に、ウレタン系2液型接着剤〔「UD417(セイコー化学社製)」100質量部に、イソシアネート系硬化剤「U−4000(セイコー化学社製)」を2質量部加えたもの〕を用いて、ポリエステル編布(目付量20g/m2、ホクユウ社製)をドライラミネートし、積層シートを得た。 これ以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付薬シートを得た。 【0047】 比較例1 軟質オレフィンフィルム(厚さ80μm)に、ウレタン系2液型接着剤〔「UD417(セイコー化学社製)」100質量部に、イソシアネート系硬化剤「U−4000(セイコー化学社製)」を2質量部加えたもの〕を用いて、ポリエステル編布(目付量20g/m2、ホクユウ社製)をドライラミネートし、積層シートを得た。 これ以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付薬シートを得た。 【0048】 比較例2 支持体は、テイジンデュポン社製ポリエステルフィルム(NSC−38)38μmに、ウレタン系2液型接着剤〔「UD417(セイコー化学社製)」100質量部に、イソシアネート系硬化剤「U−4000(セイコー化学社製)」を2質量部加えたもの〕を用いて、ポリエステル編布(目付量70g/m2、ホクユウ社製)をドライラミネートし、積層シートを得た。 これ以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付薬シートを得た。 【0049】 比較例3 支持体は、ポリエステル編布(目付量50g/m2、ホクユウ社製)を単体で使用した。 これ以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付薬シートを得た。 【0050】 比較例4 硬度66度(JIS−A)軟質ポリ塩化ビニルフィルム(厚さ80μm)に、ウレタン系2液型接着剤〔「UD417(セイコー化学社製)」100質量部に、イソシアネート系硬化剤「U−4000(セイコー化学社製)」を2質量部加えたもの〕を用いて、ポリエステル系不織布「スパンボンド」(目付15g/m2、ユニチカ社製)をドライラミネートし、積層シートを得た。 これ以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付薬シートを得た。 【0051】 〔評価方法〕 実施例及び比較例で得られた皮膚貼付薬シートの透明感、膏体の裏抜け、風合い及び伸縮柔軟性、接着特性を以下の方法で評価した。また、支持体の可視光線透過率(%)、光沢値(%)は上述した方法で測定した。 【0052】 (透明感) 皮膚貼付薬シートの透明感を以下の基準で目視で評価した。 ○;クリアのPETフィルムのような透明感がある。 ×;曇りガラスのように透明感がない。 【0053】 (膏体の裏抜け) 皮膚貼付薬シートの膏体の裏抜けを以下の基準で目視で評価した。 ○;支持体に、水性膏体(水性粘着剤)を塗工した際、製剤の表側(ポリエステルフィルム側)に膏体の染み出しがない。 ×;膏体の染み出しがある。 【0054】 (風合い及び伸縮柔軟性) 皮膚貼付薬シートの風合い及び伸縮柔軟性を以下の基準で目視で評価した。 ○;皮膚に貼付した際にゴワツキがない。 ×;皮膚に貼付した際にゴワツキがある。 【0055】 (接着特性) (1)糊残り 得られた皮膚貼付薬シートを10cm角に裁断し、人の皮膚に貼り指で圧着させた後に、引き剥がして皮膚における糊残りを目視にて調べた。いずれの場合も皮膚に糊残りは全くなかった。 【0056】 (2)接着状態 皮膚貼付薬シートにおいて、支持体(編布)と粘着剤の間の接着状態を以下の基準で評価した。 ○;支持体と粘着剤との間が剥離していない。 ×;支持体と粘着剤との間が剥離している。 これらの結果を次表に示す。 上記接着特性を皮膚貼付薬シートを40℃で6ヶ月放置した後についても同様に(1)及び(2)を評価した。実施例で得られたシートの接着特性は実質的に変化していなかった。 【0057】 【表1】
【0058】 実施例で得られた皮膚貼付薬シートは、透明感が高いものであり、同時に膏体の裏抜け防止性、風合い及び伸縮柔軟性、接着特性にも優れていた。また、実施例の皮膚貼付薬シートは、支持体と粘着剤との接着力は長期にわたって維持されることが明らかとなった。更に、実施例で使用した支持体は可視光線透過率及び光沢値が高いものであった。一方、比較例で得られたものは、これらすべてを満たすものは得られなかった。 【産業上の利用可能性】 【0059】 本発明の皮膚貼付薬シートは、医療用途に好適に使用用いられるものである。 【図面の簡単な説明】 【0060】 【図1】本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例である。 【図2】本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例である。 【符号の説明】 【0061】 1 ポリエステルフィルム 2 編布 3 粘着剤層 4 離型フィルム
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005061 【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月7日(2006.8.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086586 【弁理士】 【氏名又は名称】安富 康男
【識別番号】100128990 【弁理士】 【氏名又は名称】植田 計幸
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| 【公開番号】 |
特開2008−37798(P2008−37798A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−214491(P2006−214491) |
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