| 【発明の名称】 |
ピノレン酸を含有する組成物及び健康に良好な成分としてのその使用 |
| 【発明者】 |
【氏名】フレデリック・ウイリアム・カイン
【氏名】プレエシュ・パーマー
【氏名】ジョナサン・リチャード・パウエル
【氏名】ジュリア・サラー・ロジャース
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| 【要約】 |
【課題】抗炎症効果を有する化合物を含有する組成物を提供する。
【構成】ピノレン酸が、抗炎症剤として食品補充物質、医薬組成物又は、食品組成物の一部としての形態で用いられ得る。用いられるピノレン酸は、天然生成物として又は28重量%より多いピノレン酸を含有する濃縮物として用いられるのが適している。濃縮物は、グリセリド物質における酵素による加水分解を行う方法により製造される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1.5重量%乃至100重量%、好ましくは5乃至80重量%、最も好ましくは10乃至50重量%のピノレン酸を含有し、抗炎症剤として用いられる組成物の使用であり、好ましくは食品補充物質、医薬組成物又は食品組成物の形態での使用。 【請求項2】 1.5重量%乃至100重量%、好ましくは5乃至80重量%、最も好ましくは10乃至50重量%のピノレン酸を含有する、抗炎症性を有する食品補充物質であり、ピノレン酸を含有する成分を、食品級包封物質中に包封された形態で含有する食品補充物質。 【請求項3】 ピノレン酸を含有する成分が遊離脂肪酸混合物であるか又はグリセリド混合物、特に松果油から誘導されたグリセリド混合物である、請求項2に記載の食品補充物質。 【請求項4】 ピノレン酸を含有する成分が、ピノレン酸の濃度が28重量%より多く増大されている、天然油の濃縮物である、請求項2又は請求項3に記載の食品補充物質。 【請求項5】 濃縮物が28乃至60重量%のピノレン酸、10乃至60重量%のリノール酸、5乃至52重量%のオレイン酸を含有し、トランス脂肪酸と飽和脂肪酸の合計含量が10重量%未満である、ピノレン酸の濃縮物。 【請求項6】 ピノレン酸及び他の脂肪酸が遊離脂肪酸として及び/又はモノ-及び/又はジ-及び/又はトリ-グリセリドの形態で存在する、請求項5に記載の濃縮物。 【請求項7】 ピノレン酸を含有する組成物(A)及び1つ以上の他の成分(B)のブレンドであり、組成物(A)が1.5乃至100重量%のピノレン酸を含有し、他の成分(B)が、リノール酸及び/又はオレイン酸及び/又はトランス脂肪酸及び/又は飽和脂肪酸を含有するグリセリドから選ばれ、(A)及び(B)が予備選択された組成物を有し、(A)及び(B)が、最終ブレンドが、 0乃至70重量%、好ましくは25乃至65重量%の(トランス脂肪酸+飽和脂肪酸)、トランス脂肪酸含量が好ましくは10重量%未満、 1.5乃至60重量%のピノレン酸及び 25乃至85重量%の(リノール酸+オレイン酸) を含有するような割合で存在する、ブレンド。 【請求項8】 組成物(A)が請求項5又は請求項6に記載の濃縮物であり、成分(B)が、 i)大豆油、ひまわり油、菜種油及び綿実油のような液体油、 ii)カカオバター又はカカオバター同等物、 iii)パーム油又はそれらの画分、 iv)酵素的に製造された脂肪、 v) 魚油又はそれらの画分、 vi) 共役リノール酸又はその豊富化異性体混合物、 vii)γ-リノール酸又はその豊富化異性体混合物、 viii)硬化液体油、 ix) i)乃至viii)の成分の1つ以上の混合物 から成る群から選ばれる、請求項7に記載のブレンド。 【請求項9】 ブレンドが、 N20が1−8、好ましくは5−45、 N35が20未満、好ましくは10未満、最も好ましくは5未満 の固体脂肪含量(非安定化脂肪におけるNMRパルスにより測定された)を示す、請求項7又は請求項8に記載のブレンド。 【請求項10】 1)デルタ5二重結合を有する脂肪酸と他の脂肪酸とを区別することができる酵素の存在下で、シス5二重結合を有する脂肪酸を2重量%以上含有するグリセリド物質を、 水又はグリセロールと反応させる工程、 2)反応混合物を部分的グリセリドに富んだ成分と脂肪酸に富んだ成分とに分ける工程、 3)任意に、工程2)の脂肪酸に富んだ成分を、適する酵素の存在下でグリセロールとの反応によりトリグリセリドに変換する工程、 4)任意に、工程2)の部分的グリセリドに富んだ成分を、(a)モノグリセリドに富んだ成分、(b)ジグリセリドに富んだ成分及び(c)トリグリセリドに富んだ成分に分け、任意に、部分的グリセリド成分(a)及び(b)を、適する酵素の存在下で脂肪酸との反応によりトリグリセリドに変換する工程 により、28重量%より多いピノレン酸を含有する、ピノレン酸の濃縮物を製造する方法。 【請求項11】 工程1)において用いられるグリセリド物質が、5乃至30重量%、好ましくは10乃至25重量%のピノレン酸含量を有する、請求項10に記載の方法。 【請求項12】 工程1)において用いられる酵素が、Candida rugosaリパーゼ、Lipase QL、Lipase SL、Lipase OF、Rhizopus delemar、Rhizopus oryzae及びGeotrichum candidum Bリパーゼから成る群から選ばれる、請求項10に記載の方法。 【請求項13】 工程3)において用いられる酵素はLipozyme IMである、請求項10に記載の方法。 【請求項14】 工程4)において用いられる酵素はLipozyme Mである、請求項10に記載の方法。 【請求項15】 十分な量の請求項5もしくは請求項6に記載の濃縮物又は請求項7乃至9のいずれか1請求項に記載のブレンドを製品中に組み込むことにより、消費したときに抗炎症効果を得るのに有効な量のピノレン酸を含有する、マーガリン、低脂肪スプレッド、極低脂肪スプレッド、ニ連続性スプレッド、水連続性スプレッド、チョコレート、被覆物質又は充填物質のような菓子類、アイスクリーム、アイスクリーム被覆物、アイスクリーム包含物、ドレッシング、マヨネーズ、ソース、パン菓子用脂肪、ショートニング又はチーズ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ピノレン酸を含有する組成物及び健康成分としてのその使用に関する。 【背景技術】 【0002】 ピノレン酸(pinolenic acid)(=5,9,12 C18:3脂肪酸、すなわち、5、9、12位に3つの二重結合を有する18の炭素原子を有する脂肪酸)は、例えば、松果油(pine nut oil)又はその画分に約25重量%以下の量で存在することが知られている。(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 1998年、75巻、45-50頁参照。)又、松果油(従って、ピノレン酸)が食品中に用いられ得ることも知られている(例えば、食品添加剤中に15%のピノレン酸を有する濃縮物の使用が開示されている仏特許第2 756 465号を参照。ピノレン酸の存在はその組成物に低脂血効果を与える)。 【0003】 さらに先行技術にはピノレン酸誘導体がいくつかの健康上の利点を有することが示されている。例えば、PCT出願公開WO98/43513には、爪やすりをピノレン酸で被覆し得て、それにより、そのやすりの使用時に感染が生じるのを防ぐことが開示されている。 【0004】 日本特許出願公開第61-238729号によれば、松実油がコレステロール低下剤として用いられ得る。ピノレン酸の健康上の効果が開示されている他の文献は、ヒトの健康についての非常に一般的な効果利点が開示されている日本特許出願公開第61-58536号、低コレステリン血症効果、ADP誘導血小板凝集における効果、大動脈プロスタサイクリン生成における効果及び血圧における効果が報告されているSuganoらによるBrit. J. of Nutr.、 72巻 (1994年)、 775-783頁、CD-4’’-リンパ球及びCD-8+−サブセットにおける効果が報告されているMatsuoによるProstagl, Leukotrienes and Essential Fatty Acids、55(1996年)、223-229頁がある。 【0005】 しかし、先行技術文献のいずれにも、ピノレン酸が抗炎症性を有し得ることは示されていない。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本願発明者らは、抗炎症効果を有する化合物を見出すために研究を行った。その研究により、ピノレン酸が抗炎症剤として用いられることが見出された。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、ピノレン酸を含有する、抗炎症剤として用いられる組成物に関する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明は、第一に、1.5重量%乃至100重量%、好ましくは5乃至80重量%、最も好ましくは10乃至50重量%のピノレン酸(pinoleic acid)を含有する組成物の使用であり、抗炎症剤として用いられる、好ましくは食品補充物質、医薬組成物又は食品組成物の形態での使用に関する。 【0009】 有効量の抗炎症成分を投与するのに効率が良い方法は、消費者に食品補充物質を投与することである。従って、本発明は又、1.5重量%乃至100重量%、好ましくは5乃至80重量%、最も好ましくは10乃至50重量%のピノレン酸を含有する、抗炎症性を有する食品補充物質であり、ピノレン酸を含有する成分を、食品級包封物質中に包封された形態で含有する食品補充物質に関する。ピノレン酸を含む成分は遊離脂肪酸混合物であるか又はグリセリド混合物又はそれらの混合物から選択され得る。用いられるグリセリド混合物は、好ましくは松果油又はそれらの濃縮物から誘導され、特に28重量%より多いピノレン酸含量を有する松果油の濃縮物が用いられる。 【0010】 包装物質は包封食品に関する先行技術の方法で用いられ得る食品級物質であればいずれでもよい。 【0011】 他の態様によれば、28乃至60重量%のピノレン酸、10乃至60重量%のリノール酸、5乃至52重量%のオレイン酸を含有し、トランス脂肪酸と飽和脂肪酸の合計含量が10重量%未満しかない、ピノレン酸の濃縮物も本発明の一部である。それらの濃縮物において、ピノレン酸及び他の脂肪酸は遊離脂肪酸として及び/又はモノ-及び/又はジ-及び/又はトリ-グリセリドの形態で存在し得る。それらの濃縮物は食品中に用いられ得るか又は、それらは、食品における使用時に構造化効果を達成するために最初に他の成分とブレンドされ得る。従3って、本発明の一部は、又、ピノレン酸を含有する組成物(A)及び1つ以上の他の成分(B)のブレンドであり、組成物(A)が1.5乃至100重量%のピノレン酸を含有し、他の成分(B)が、リノール酸及び/又はオレイン酸及び/又はトランス脂肪酸及び/又は飽和脂肪酸を含有するグリセリドから選ばれ、(A)及び(B)が予備選択された組成物を有し、(A)及び(B)が、最終ブレンドが、 0乃至70重量%、好ましくは25乃至65重量%の(トランス脂肪酸+飽和脂肪酸)、トランス含量が好ましくは10重量%未満、 1.5乃至60重量%のピノレン酸及び 25乃至85重量%の(リノール酸+オレイン酸) を含有するような割合で存在する、ブレンドである。 【0012】 それらのブレンドは、健康に良い脂肪化合物として有利に食品中に用いられる。好ましいブレンドは、組成物(A)が本発明の濃縮物であり、成分(B)が、 i)大豆油、ひまわり油、菜種油及び綿実油のような液体油、 ii)カカオバター又はカカオバター同等物、 iii)パーム油又はそれらの画分、 iv)酵素的に製造された脂肪、 v) 魚油又はそれらの画分、 vi) 共役リノール酸又はその豊富化異性体混合物、 vii)γ-リノール酸又はその豊富化異性体混合物、 viii)硬化液体油、 ix) i)乃至viii)の成分の1つ以上の混合物 から成る群から選ばれるブレンドである。 【0013】 それらのブレンドは、好ましくは、N20が1−80、好ましくは5−45、N35が20未満、好ましくは10未満、最も好ましくは5未満の、非安定化脂肪におけるNMRパルスにより測定された固体脂肪含量を示す。非安定化とは、脂肪を80℃において溶融し、0℃に冷却し、O℃において30分間維持し、その後に、脂肪を測定温度に加熱し、30分間その温度に維持し、その後にN値を測定することを意味する。本発明による濃縮物は、デルタ5二重結合を有する脂肪酸と他の脂肪酸とを区別することができる酵素を用いて酵素的加水分解又はグリセロール分解(glycerolysis)を行う方法により製造され得る。従って、この方法は、 1)デルタ5二重結合を有する脂肪酸と他の脂肪酸とを区別することができる酵素の存在下で、シス5二重結合を有する脂肪酸を2重量%以上含有するグリセリド物質を、 水又はグリセロールと反応させる工程、 2)反応混合物を部分的グリセリドに富んだ成分と脂肪酸に富んだ成分とに分ける工程、 3)任意に、工程2)の脂肪酸に富んだ成分を、適する酵素の存在下でグリセロールとの反応によりトリグリセリドに変換する工程、 4)任意に、工程2)の部分的グリセリドに富んだ成分を、(a)モノグリセリドに富んだ成分、(b)ジグリセリドに富んだ成分及び(c)トリグリセリドに富んだ成分に分け、任意に、部分的グリセリド成分(a)及び(b)を、適する酵素の存在下で脂肪酸との反応によりトリグリセリドに変換する工程 により、28重量%より多いピノレン酸を有する、ピノレン酸の濃縮物の製造に関する。 【0014】 5乃至30重量%、好ましくは10乃至25重量%のピノレン酸含量を有するグリセリド物質を工程1)において用いるのが好ましい。そのようなグリセリド物質の例は、松果油(pine nut oils)又はそれらの濃縮物である。 【0015】 工程1)において用いられ得る酵素は、Candida rugosaリパーゼ、Lipase QL、Lipase SL、Lipase OF、Rhizopus delemar、Rhizopus oryzae及びGeotrichum candidum Bリパーゼから成る群から選ばれる。 【0016】 工程3)において用いられる適する酵素はLipozyme IM(NOVOから市販されている酵素)であり、工程4)においては酵素物質としてLipozyme M(NOVOからの)を用いるのが好ましい。 【0017】 本発明の最後の態様によれば、本発明は、十分な量の本発明の濃縮物又は本発明のブレンドを製品中に組み込むことにより、消費したときに抗炎症効果を得るのに有効な量のピノレン酸を含有する食品、特にマーガリン、低脂肪スプレッド、極低脂肪スプレッド、ニ連続性スプレッド(bicontinuous spreads)、水連続性スプレッド、チョコレート、被覆物質又は充填物質のような菓子類、アイスクリーム、アイスクリーム被覆物、アイスクリーム包含物、ドレッシング、マヨネーズ、ソース、パン菓子用脂肪、ショートニング又はチーズに関する。 【0018】 抗炎症効果は、炎症刺激物質PMAにより誘引された後に、ヒトの皮膚の繊維芽細胞及び血管内皮細胞(HUVECS)を、細胞間接着性分子(ICAM)の生成及びプロスタグランジンE2(PGE2)の生成を測定する試験管内試験により決定したことが強調される。 【0019】 段階(passage)2(P2)における一次ヒト包皮線維芽細胞(primary human foreskin fibroblasts)を96ウエルプレートに10,000細胞/ウエルで置き、10%の牛胎児血清を補充したDulbeccos Modified Eagles Medium(DMEM)中で5%の二酸化炭素の雰囲気中で24時間維持した。ピノレン酸を3つのエタノール中の新鮮な細胞培地(最終濃度1%)に添加し、さらに24時間インキユベーションした。その培地にエタノール/細胞培地中のホルボールミリステートアセテート(PMA)(Sigma)を添加し、さらに細胞を24時間インキュベーションした。PMAは酸化による応力と細胞における炎症応答を引き起こす外部有害因子を表す。次に、線維芽細胞/培地を後に記載するように直ちに分析するか又は液体窒素中で急冷凍させ、後の分析のために−70℃で貯蔵した。 【0020】 プロスタグランジンE2(PGE2)検定 静かに培養プレートを振盪させた後に50μlの培地をPGE2のために取った。培地中のPGE2のレベルをBiotrak PGE2免疫検定キット(Amersham、英国)を用いて決定した。この検定は、試料中のラベルされていないPGE2と所定量のホースラデイッシュパーオキシダーゼでラベルしたPGE2の間の限定量の固定されたPGE2特異的抗体に対する競合に基づいている。ラベルされていない試料のPGE2の濃度を、同時に得られた標準曲線により決定した。 【0021】 ICAM-1検定 培地を捨て、細胞をDulbecco PBSで洗浄した。洗浄した細胞に、150μlの0.1%のTriton X-100(Sigma)を3分間添加し、細胞膜からICAMを抽出した。その抽出物をエッペンドルフ遠心分離管に移し、1000gで2分間遠心分離し、細胞破片を除去した。100μlの上清を用いてICAM検定を行った。可溶性のICAM-1を市販の酵素標識抗体検定キット(immunoenzymometric assay kit)(R&D Systems)を用いて評価した。試料中のICAM-1の濃度を平行走査標準曲線に基づいて決定した。 【0022】 結果 図1は、PMA(ホルボールミリステートアセテート)のような炎症刺激物質で細胞を試験することにより、プロスタグランディンE2(PGE2)生成により測定されるような炎症応答における増大がもたらされることを示している。ピノレン酸は、10ng/mlの量においてさえ、PGE2生成により測定されるような炎症応答を非常に低減させ、良好な抗炎症活性を示した。 【0023】 図2は、ピノレン酸が、炎症の他のマーカーである細胞間接着性分子(ICAM)の生成も低減させることを示す。 【実施例】 【0024】 実施例1 松実油(pine seed oil)の加水分解によるピノレン酸の濃縮 80gの松実油(ピノレン酸:16%)を32gの蒸留水(40%)と混合した。400mg(5%)のCandida rugosaリパーゼを添加し、40℃において全反応混合物を振盪機中で150rpmで振盪した。一時間半後に、熱によりリパーゼを変性をさせることにより反応を停止させた。反応容器を90℃における湯浴で30分間インキュベーションした。2相を分離後、油相を回収し、後の実験に用いた。遊離脂肪酸含量を測定するために、2gの試料を10mlのイソオクタンで処理し、トリ-、ジ-及びモノ-グリセリドと同様に脂肪酸を抽出した。300rpmにおける5分間の遠心分離の後に,イソオクタン相を窒素により蒸発させた。 【0025】 遊離脂肪酸含量を0.2NのNaOHを用いてフェノールフタレインで滴定することにより測定した。遊離脂肪酸含量は74.4%であった。 【0026】 トリ-、ジ-及びモノ-グリセリド画分中のピノレン酸の濃度を測定するために、遊離脂肪酸をシリカアミノプロピルカラムにより分離した。検出器として水素炎イオン化検出器(FID)を用いてガスクロマトグラフィー(GC)により脂肪酸組成[高分解能脂肪酸メチルエステル(FAME)]を測定した。グリセリド画分中、ピノレン酸は31.3%に富有化していた。 【0027】 実施例2 酵素による加水分解及び短経路蒸留(short path distillation)によるグリセリド画分の分離によるピノレン酸の濃縮 6つの試料を下記のように調製した。80gの松実油(ピノレン酸:16%)を32gの蒸留水(40%)と混合した。400mg(5%)のCandida rugosaリパーゼを添加し、40℃において全反応混合物を振盪機中で150rpmで振盪した。一時間半後に、熱によりリパーゼを変性をさせることにより反応を停止させた。反応容器を90℃における湯浴で30分間インキュベーションした。2相を分離後、油相を回収し、後の実験に用いた。遊離脂肪酸含量を測定するために、2gの試料を10mlのイソオクタンで処理し、トリ-、ジ-及びモノ-グリセリドと同様に脂肪酸を抽出した。300rpmにおける5分間の遠心分離の後に,イソオクタン相を窒素により蒸発させた。 【0028】 遊離脂肪酸含量を0.2NのNaOHを用いてフェノールフタレインで滴定することにより測定した。全試料における遊離脂肪酸含量は70.8−76.4%であった。遊離脂肪酸を下記の条件で短経路蒸留により除去した。 【0029】 蒸留温度:180℃ 圧力:2−3X 10-2 グリセリド画分は残留物として残った。 【0030】 検出器としてFIDを用いてGCにより脂肪酸組成(高分解能FAME)を測定した。グリセリド画分中、ピノレン酸は28.5%に富有化していた。 【0031】 残留物は、下記のトリ-、ジ-及びモノ-グリセリド組成を有していた。 トリグリセリド: 53.5% ジグリセリド: 44.6% モノグリセリド: 0.3% 遊離脂肪酸: 1.6%
短経路蒸留をした後の遊離脂肪酸蒸留物の組成: トリグリセリド: 6.8% ジグリセリド: 6.0% モノグリセリド: 1.9% 遊離脂肪酸: 85.3% 【0032】 実施例3 富有化ピノレン酸の生成 松果油 100g ラウリルアルコール 100g 水 100g Rhizopus oryzae 2g 【0033】 上記組成物を含有する容器を30℃において70分間攪拌した。500mlのヘキサン及び500mlの水を添加した。相を分離した。有機相を2×200mlの水で、次に100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。次にこれを硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転式蒸発機を用いて減圧下で蒸発させた。得られた油を、短経路蒸発機を用いて145℃において減圧下で蒸発させ、ピノレン酸富有化脂肪酸及び非反応ラウリルアルコールを取り出した。次にこの蒸留物を再び105℃において蒸発させ、ピノレン酸富有化脂肪酸から非反応ラウリルアルコールを除去した。 【0034】 ピノレン酸富有化脂肪酸の組成は表1の通りであった。 【0035】 【表1】
【0036】 実施例4 ピノレン酸濃縮物(遊離脂肪酸)を有する異なるブレンドの生成 下記の油の表3で示された割合におけるブレンドを生成した。 20重量%のγ-リノレン酸を有するルチヂサ油(borage oil):GLA B 20 40重量%の多不飽和脂肪酸を有する魚油濃縮物:D 40[マリノール(Marinol)] 共役リノール酸の濃縮物:CLA.G.60 22重量%のγ-リノレン酸を有するルチヂサ油(borage oil):GLA 22 ピノレン酸の濃縮物:PAc ひまわり油:SF エステル交換されたパーム油ステアリン/パーム核ステアリン脂肪:INES パーム油中間画分:nPOm 【0037】 前記脂肪成分の脂肪酸組成を表2に示す。 【表2】
【0038】 【表3】
【0039】 前記ブレンドの脂肪酸組成を表4に示す。 【表4】
【0040】 実施例5 ピノレン酸濃縮物を有する異なるブレンドの生成 実施例4と同じ油を表5の割合で用いて実施例4に記載したようにブレンドを調製した。 【0041】 【表5】
【0042】 ブレンドの脂肪酸組成を表6に示す。 【表6】
【0043】 実施例6 マーガリンの製造 8つのマーガリンを同じプロセス条件下で製造した。 a.配合 水性相 水 18.48% ソルビン酸カリウム 0.15 クエン酸 0.07 SMP 1.0
脂肪相 脂肪ブレンド 80.0 Hymono 8903 0.3
脂肪相: 生成物1:12%のInEs、88%のSF (対照) 生成物2:12%のInEs、10%の松果油、78%のSF 生成物3:12%のInEs、40%の松果油、48%のSF
InEsは実施例4のINESと同じである。 SFは実施例4のと同じである。 松果油は、16重量%のピノレン酸を含有していた。 b.プロセス条件 プロセスラインを、予備混合−ポンプ注入−A1ユニット−C1ユニット−A2ユニットとなるように構成した。 【0044】 予備混合温度を60℃に設定し、攪拌速度を60rpmに設定した。1,000rpmに設定された回転軸速度を有するすべての単位装置を15℃に設定した。一定の置換ポンプを用いて処理量は50g/分であった。 【0045】 すべての生成物用に、調製された水性相を予備混合槽中の油相にゆっくりと添加することにより予備混合物を調製した。2kgバッチサイズを用いた。混合物を15分間攪拌し、ポンプ注入した。ポンプ注入後、ラインを15分間操作し、生成物を回収した。 【0046】 表7に示したプロセスパラメーターを記録した。 【0047】 【表7】
【0048】 すべての槽を5℃にした。1日後、各々の1つの槽を、1週間後の評価用に各々5℃、10℃、15℃及び20℃にした。 【0049】 松果油を含有するスプレッドは対照のスプレッドよりも黄色であった。すべての試料のスプレッドは少なくとも明らかな水の損失はなかった。すべての生成物は優れた品質を有し、すべての貯蔵温度(すなわち、5℃、15℃及び20℃)において非常に良好な硬度値(C値)、色及び伝導率(conductivity)を示した。 【0050】 【表8】
【0051】 実施例7 アイスクリームの製造 表9に示した配合を用いた。 【表9】
【0052】 用いた脂肪ブレンドの組成を表10に示す。 【表10】
【0053】 砂糖、粉乳及び無水デキストロースを混合し、水に添加した。その混合物を70℃に加熱し、透明シロップ(clear syrup)を添加した。次に脂肪ブレンド及び乳化剤を添加した。そのエマルジョンをウルトラ・トゥーラックス(ultra-turrax)混合機を用いて攪拌し、20℃に冷却し、ultra-turrax混合機を用いて再び攪拌した。エマルジョンを7℃における冷蔵庫に一晩放置した。バッチのアイスクリーム機を−28℃において24時間保った。機械の中でエマルジョンを温度が最低になるまで40分間攪拌した。得られたアイスクリームを−18℃で少なくとも3日間貯蔵し、それから評価した。 【0054】 本発明の組成物において、50%のSFを、16重量%のピノレン酸を含有する50%のパイン油で置換した。この置換により、表11に示された特性を有する生成物が得られた。この表から、本発明の生成物は、より良好な硬度及びより高いオーバーランを示すことが結論付けられた。 【0055】 【表11】
【0056】 実施例8 充填物の製造 表12に示された配合を用いた。 【表12】
【0057】 下記の脂肪ブレンドを用いた。 1.40/10/50 CCBs/POfiv65/SF(対照) 2.40/10/50 CCBs/POfiv65/パイン油濃縮物(28.5%のピノレン酸) 3.40/10/50 CCBs/POfiv65/パイン油 CCBsはカカオバターのステアリン画分であり、POfiv65は、65のヨウ素価を有するパーム油のオレイン画分である。 【0058】 表12のすべての成分を55℃において磁器鉢中で混合した。粉砕機を用いてその混合物の粒子を最小にした。混合物を29℃に冷却し、その後にアルミニウムのカップに入れた。 【0059】 3日後、20℃、円錐60°、針入度2mmにおいてスチーブンス・テキスチャー・アナライザー(Stevens Texture Analyser)(STA)を用いることにより硬度を測定した。 【0060】 【表13】
【0061】 表13から、ピノレン酸濃縮物を含有する充填物質は対照の硬度と同等の硬度を有し、さらに富有化を有しない松実油はわずかに柔らかいことが結論付けられた。 【図面の簡単な説明】 【0062】 【図1】ヒト皮膚線維芽細胞における、PMAで刺激したPGE2量についての、ピノレン酸の効果のグラフである。 【図2】ヒト皮膚線維芽細胞における、PMAで刺激したICAM量についての、ピノレン酸の効果のグラフである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599063882 【氏名又は名称】ロダース・クロックラーン・ビー・ブイ
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| 【出願日】 |
平成19年10月2日(2007.10.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071010 【弁理士】 【氏名又は名称】山崎 行造
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| 【公開番号】 |
特開2008−31177(P2008−31177A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2007−258803(P2007−258803) |
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