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【発明の名称】 皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】平山 良之

【氏名】佐藤 範和

【氏名】桑原 亜希子

【要約】 【課題】高濃度の尿素を含有し、使用感、保湿性に優れた皮膚外用剤を提供する。

【構成】高濃度の尿素およびレチノールを含有することにより、使用感、保湿性に
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿素10〜25重量%およびレチノールまたはその誘導体を含有する皮膚外用剤。
【請求項2】
レチノール誘導体が、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールおよびδ-レチノイン酸
トコフェロールからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の皮膚
外用剤。
【請求項3】
さらにトコフェロールまたはその誘導体を含有する請求項1または2に記載の皮膚外用剤


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素とレチノールまたはその誘導体を含有する使用感に優れた皮膚外用剤に
関する。さらに本発明は、保湿性、製剤安定性、安全性に優れた皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
尿素は、保湿剤、浸透補助剤、荒れ肌改善剤、皮膚軟化剤、細胞賦活剤等として外用組
成物に広く用いられている成分である。しかし、高い保湿力や皮膚軟化力を与えるために
尿素を高濃度配合した組成物は、尿素が析出しやすいため尿素本来の薬理作用および塗布
時の使用感を損ねてしまうことが問題となる。このため、尿素の析出を抑制するための検
討が古くからなされており、例えば、尿素を0.5〜30重量%、多価アルコールを25〜80重量
%、水を20〜70重量%、他2成分を含有する透明ゲル製剤において、尿素が30重量%以上に
なると結晶析出の問題が生じるとの記載があり(特許文献1:特開昭63-166825号公報)
、尿素が30重量%以下であれば析出を防止できることが示唆されている。
一方、レチノールまたはその誘導体は、視覚、聴覚などの生体機能の維持や、新陳代謝
を促進することによる皮膚や粘膜などの正常な上皮組織の再生機能などに関与することが
知られたビタミンであり、角化性皮膚疾患(尋常性魚鱗癬、毛孔性苔癬、単純性粃糠疹等
)などの外用医薬品として、また抗酸化作用、老化防止作用などから、抗しわ等の皮膚老
化防止用の化粧料などとして、広く利用されている。しかし、高濃度の尿素と組み合わせ
ることによる効果については知られていない。
さらに、尿素は皮膚に対して刺激を与える場合や、加水分解を受けてアンモニア臭を生
じる場合があることから、安全性および製剤安定性を改善することも望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、高濃度の尿素を含有し、使用感に優れた皮膚外用剤を提供することを課題と
する。さらに本発明は、保湿性、製剤安定性、安全性に優れた皮膚外用剤を提供すること
を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、高濃度の尿素を含有す
る組成物に、レチノールまたはその誘導体を加えると、使用感が向上することを見出した
。また、保湿性、製剤安定性、安全性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記(1)〜(5)に掲げる皮膚外用剤である。
(1)尿素10〜25重量%およびレチノールまたはその誘導体を含有する皮膚外用剤。
(2)レチノール誘導体が、レチノール脂肪酸エステル、レチノール酸化物およびレチノ
ール酸化物エステルからなる群から選択される(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)レチノール誘導体が、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、δ-レチノイン
酸トコフェロールからなる群から選択される1種又は2種以上である(1)に記載の皮膚
外用剤。
(4)さらにトコフェロールまたはその誘導体を含有する(1)〜(3)のいずれかに記
載の皮膚外用剤。
(5)さらに、キレート剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤、美白剤、細胞賦活化剤および
抗シワ剤を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
また、本発明は以下の方法をも包含する。
(6)尿素および、レチノールまたはその誘導体を含有することによる、尿素析出抑制方法

(7)さらにトコフェロールまたはその誘導体を含有する(6)記載の方法。
(8)尿素および、レチノールまたはその誘導体を含有することによる、レチノールまたはその誘導体の安定化方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、高濃度の尿素とレチノールまたはその誘導体を含有することで、使用感に優
れた皮膚外用剤を提供することができる。さらに本発明は、高濃度の尿素とレチノールま
たはその誘導体を含有することで、保湿性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の皮膚外用剤は、尿素10〜25重量%およびレチノールまたはその誘導体を含有す
ることを特徴とする。
【0007】
本発明で用いる尿素の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、皮膚外
用剤全体として、10〜25重量%、好ましくは10〜20重量%、特に好ましくは15〜20重量%
であれば良い。
【0008】
本発明においてレチノール誘導体とは、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酪
酸レチノール、オクチル酸レチノール、ラウリル酸レチノール、パルミチン酸レチノール
、ステアリン酸レチノール、ミリスチン酸レチノール、オレイン酸レチノール、リノレン
酸レチノール、リノール酸レチノールなどのレチノール脂肪酸エステル、レチナール、レ
チノイン酸などのレチノール酸化物、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノ
イン酸レチノール、レチノイン酸トコフェロール(トコフェロールは、α、β、γ、δのいずれの構造であってもよい。)などのレチノイン酸エステルなどが挙げられ、レチノイン酸においては塩であってもよい(例えば、レチノイン酸ナトリウムなど)。好ましくは酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、δ-レチノイン酸トコフェロールである。
【0009】
また本発明に用いるレチノールまたはその誘導体は、動物から抽出、精製した天然油(
肝油など)であっても、化学合成したものであっても良い。また、日本薬局方記載のビタ
ミンA油(1gにつき3万ビタミンA単位(IU)以上を含む)であってもよい。
【0010】
本発明で用いるレチノールまたはその誘導体の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に
制限されないが、皮膚外用剤全体として、0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%
であれば良い。
【0011】
また、本発明の皮膚外用剤において、レチノールまたはその誘導体に対する尿素の割合
は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、レチノールまたはその誘導体の総量1
重量部に対して、尿素が通常1〜300重量部、好ましくは10〜200重量部、特に好ましくは2
0〜100重量部である。
【0012】
本発明の皮膚外用剤には、使用感、保湿性をさらに向上させるため、また製剤を安定化
させるために、トコフェロールまたはその誘導体を配合することができる。
本発明においてトコフェロールとは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−
トコフェロール、δ−トコフェロールのいずれでもよく、好ましくはα−トコフェロール
、δ−トコフェロールである。これらのトコフェロールは、d体、dl体のいずれであっ
てもよい。
また、トコフェロール誘導体とは、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニ
コチン酸トコフェロール、リノレン酸トコフェロールなどのトコフェロール有機酸エステ
ルが挙げられ、有機酸がモノカルボン酸ではない場合は塩であってもよく(例えば、コハ
ク酸トコフェロールカルシウムなど)、好ましくは酢酸トコフェロールである。
これらのトコフェロール誘導体においても、d体、dl体のいずれであってもよい。
【0013】
本発明で用いるトコフェロールまたはその誘導体の配合量は、本発明の効果を奏すれば
特に制限されないが、皮膚外用剤全体として、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量
%、特に好ましくは0.5〜2重量%であれば良い。
【0014】
本発明の皮膚外用剤には、製剤安定化のため、キレート剤または抗酸化剤を1種または
2種以上組み合わせて配合することができる。これらの各成分としては、医薬品、医薬部
外品、または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として従来から使用され、また将来使
用されるものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0015】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミ
ン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)
、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸などが挙げられ
、好ましくは、エデト酸、エデト酸ナトリウム、エデト酸カリウム、フィチン酸である。
【0016】
これらのキレート剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用でき、本発明の皮膚外用剤
に配合する割合は、キレート剤の合計量として、皮膚外用剤全体に対して通常0.0003〜20
重量%であり、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%であれば良い

【0017】
抗酸化剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫
酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、グルタチオン、グルタチオンペルオキシ
ダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスム
ターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。好
ましくは、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンである。
【0018】
抗酸化成分を用いる場合、本発明の効果を奏すれば特に制限されず、皮膚への使用感や
効果を考慮して適宜選択して用いることができるが、皮膚外用剤全体に対して、通常0.00
001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。
【0019】
本発明の皮膚外用剤には、他の有用な作用を付加するため、抗炎症剤、保湿剤、美白剤
、細胞賦活化剤、抗シワ剤等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合すること
ができる。好ましくは抗炎症剤または細胞賦活剤の1種または2種以上の成分である。こ
れらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において皮膚外用剤の成
分として従来から使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されず、任意のも
のを適宜選択し使用することができる。
【0020】
抗炎症剤としては、インドメタシン、サリチル酸メチル、アラントイン、アラントイン
β−グリチルレチン、アラントインクロルヒドロキシルアルミニウム、グリチルリチン酸
、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸
、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ピリドキシン、酸化亜鉛、アズレンス
ルホン酸、グアイアズレンスルホン酸、塩酸ピリドキシン、塩化リゾチーム、メントール
、カンフル等が挙げられる。好ましくは、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、
グリチルリチン酸モノアンモニウム、グアイアズレンスルホン酸、メントールである。
【0021】
上記抗炎症剤を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、本発明の効果を奏
すれば特に制限されず、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択して用いることができ
るが、皮膚外用剤全体に対して、通常0.0003〜10重量%であり、好ましくは0.01〜5重量
%である。
【0022】
保湿剤としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン
、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、アルギニン、テアニンなどのアミノ
酸及びその誘導体;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコールなどの多価
アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル
;マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロースなどの糖
アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸ナトリウム、アセ
チルヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のム
コ多糖;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン、ゼラチン、ポリグルタ
ミン酸などの高分子化合物;乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどのN
MF由来成分;カミツレエキス、アロエエキス、アロエベラエキス、ハマメリスエキス、
ローズマリーエキス、タイムエキス、チャエキス、シソエキスなどの植物抽出エキスのほ
か、などが挙げられる。好ましくは、グリシン、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ヒ
アルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリ
ウム、ポリグルタミン酸である。
【0023】
保湿剤を用いる場合、本発明の効果を奏すれば特に制限されず、皮膚への使用感や効果
を考慮して適宜選択して用いることができるが、皮膚外用剤全体に対して、通常0.0001〜
50重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%を挙げることができる。
【0024】
美白剤としては、ハイドロキノン、アルブチンなどのキノン類、グリコール酸、クエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸、アスコルビン酸、テトライソパル
ミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、リン酸
L−アスコルビルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC又はその誘
導体、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オ
ウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、カミツレ、カンゾウ
、クチナシ、クジン、コムギ、コメ、コメハイガ、コメヌカ、シソ、シャクヤク、センキ
ュウ、ソウハクヒ、ダイズ、茶、テルミナリア、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、
ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、エノキ、カキ(Diospyros kak
i)、チョウジ等の植物に由来する成分、エキス及び精油、プラセンタ、システイン、エ
ラグ酸、コウジ酸、フィチン酸、ルシノール、オリザノール等が挙げられる。好ましくは
、ハイドロキノン、アルブチン、乳酸、アスコルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコ
ルビル、イリスエキス、テルミナリアエキス、システインを挙げることができる。これら
の美白剤は1種または2種以上を用いてもよい。
【0025】
上記美白剤を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、本発明の効果を奏す
れば特に制限されず、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択して用いることができる
が、皮膚外用剤全体に対して、通常0.0003〜20重量%であり、好ましくは0.01〜10重量%
、特に好ましくは0.05〜5重量%であれば良い。
【0026】
細胞賦活剤としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類、γ−オ
リザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チ
アミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸
塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリ
ン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チア
ミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステ
ルモノリン酸塩等のビタミンB1類、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビ
ンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステ
ル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エス
テル等のビタミンB2類、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、
5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類パントテン酸、パ
ントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、
D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類などのビタ
ミン類などが挙げられる。好ましくは、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミ
ノ酸類、パントテン酸類などのビタミン類である。
【0027】
上記細胞賦活剤を用いる場合、本発明の効果を奏すれば特に制限されず、皮膚への使用
感や効果を考慮して適宜選択して用いることができるが、皮膚外用剤全体に対して、通常
0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0028】
抗シワ剤としては、コエンザイムQ10、カイネチン、グリコール酸、コラーゲン、ヒア
ルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、アロエエキス、海藻エキス、マ
ロニエエキス、ローズマリーエキス、ヤグルマソウエキスなどが挙げられ、好ましくはコ
エンザイムQ10、カイネチン、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウ
ム、ローズマリーエキスである。
【0029】
本発明で用いる抗シワ剤の配合量は、特に制限されないが、皮膚への使用感や効果を考
慮して適宜選択して用いることができる。皮膚外用剤全体として、通常0.0001〜30重量%
、好ましくは0.001〜25重量%、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは1〜20重量%であれば良い。
【0030】
本発明の皮膚外用剤の調製方法は、特に制限されず、通常の皮膚外用剤を調製するのに
必要な各種成分などを適宜選択、配合して、常法により調製することができる。また、本
発明の皮膚外用剤の外皮への適用量や用法は特に制限されず、通常、一日数回、適量を皮
膚等の外皮に塗布するなどして用いることができる。
【0031】
本発明の皮膚外用剤は、種々の形態に調製することができる。例えば、軟膏剤、液剤(
油状、ローション状、乳液状、エアゾール状を含む)、ゲル剤(液晶、マイクロエマルジ
ョン、リポソームを含む)、クリーム剤などの剤型が挙げられ、特に軟膏剤、ゲル剤(液
晶、マイクロエマルジョン、リポソームを含む)、クリーム剤に適用すると有用である。
また、使用感(べたつき、のび、しっとり感など)の観点から、水中油型が好ましい。
【0032】
本発明の皮膚外用剤の用途としては、尿素を高濃度含有していることから、手指のあれ
、ひじ・ひざ・かかと・くるぶし等の角化症、老人の乾皮症、さめ肌を治療するための角
質軟化剤などの医薬品、手荒れ、肌荒れ、唇の荒れ、日焼け後のほてり、しわ・たるみ、
肌を整える、唇のきめを整える、皮膚・唇をすこやかに保つ、皮膚・唇にうるおいを与え
る、皮膚・唇を保護する、皮膚の乾燥・しもやけ・ひび・あかぎれ・かぶれ等の予防、美
白などに用いる医薬部外品、保湿、角質軟化などに用いる化粧品等が好適な用途として例
示できるが、特にこれらに制限されない。
【0033】
本発明の皮膚外用剤は、保存安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損
なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野にお
いて一般的に用いられる各種の成分、例えば基剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調
整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料等を配合することができる
。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合すること
ができる。
【0034】
基剤:流動パラフィン、ゲル化炭化水素、オゾケライト、セレシン、ワセリン、ハード
ファット、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等
の脂肪酸、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)等のトリ脂肪酸グ
リセリド、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール、2−
ヘキシルデカノール等の高級アルコール、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルポリシ
ロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポ
リオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエ
チレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シ
ロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシ
エチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・
メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロ
キサン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、架橋型メ
チルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シ
リコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン
等の重合型シリコーン、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセ
タート、トリエチレングリコールジアセタート、ヘキシレングリコールジアセタート、及
び2-メチル-2-プロペン-1,1-ジオールジアセタート等のグリコールアセタート、トリエチ
レングリコールジバレラート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチラ
ート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチラート等のグリコールエステ
ル、エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、プロピ
レングリコールモノアクリラート、2,2-ジメチル-トリメチレングリコールジアクリラー
ト、及び1,3-ブチレングリコールジアクリラート等のグリコールアクリラート、エチレン
グリコールジニトラート、ジエチレングリコールジニトラート、トリエチレングリコール
ジニトラート、及びプロピレングリコールジニトラート等のグリコールジニトラート、2,
2′-[1,4-フェニレンジオキシ]ジエタノール、ジオキサン、ブチレングリコールアジピン
酸ポリエステルなど。好ましくは、流動パラフィン、ワセリン、セタノール、ステアリル
アルコール、ジメチルポリシロキサンである。
【0035】
界面活性剤:ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグ
リセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソ
ルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリン
リンゴ酸等のグリセリン脂肪酸類、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステア
リン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコ
ール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(2
0)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタ
ン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベ
ート80)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモ
ノヤシ油脂肪酸グリセリル、グリセリンアルキルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオ
キシエチレンセチルエーテル、ステアリルアミン、オレイルアミンなど。好ましくは、ソ
ルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油60、ポリソルベート60である。
【0036】
増粘剤:グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキス
トラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
コールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエー
テル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアク
リル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステ
ル、ペクチンなど。好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体である。
【0037】
保存剤:安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パ
ラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブ
チル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベ
ンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、1,2−ヘキサンジオール
など。
【0038】
pH調整剤:無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳酸
、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、シュウ酸、グル
コン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン
酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウ
ム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有機塩基(モノエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジ
ンなど)など。
【0039】
これらの成分は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。またそれらの
配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、望ましくは薬事法上許容される
上限配合量を限度に適宜選択使用することができる。具体的には、皮膚外用剤100重量部
あたり通常0.001〜20重量部、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.001〜5重量
部の範囲から目的に応じて調製することができる。
【0040】
さらに本発明は、尿素析出抑制方法をも包含する。本発明の方法において、尿素析出抑
制は、尿素およびレチノールまたはその誘導体を共存させることによって達成できる。さ
らにトコフェロールまたはその誘導体を共存させるとより好ましい。
本発明の方法において、尿素、レチノールまたはその誘導体、およびトコフェロールま
たはその誘導体は、前記皮膚外用剤で用いたものと同様である。尿素、レチノールまたは
その誘導体、トコフェロールまたはその誘導体の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に
制限されないが、尿素は通常1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%、さらに好ましくは5
〜25重量%、特に好ましくは10〜20重量%であり、レチノールまたはその誘導体は通常0.
001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%であり、トコフェロールまたはその誘導体は
通常0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%である。
【0041】
さらに本発明は、レチノール又はその誘導体の安定化方法をも包含する。本発明の方法において、レチノール又はその誘導体の安定化は、尿素およびレチノールまたはその誘導体を共存させることによって達成できる。さらにトコフェロールまたはその誘導体を共存させるとより好ましい。
本発明の方法において、尿素、レチノールまたはその誘導体、およびトコフェロールまたはその誘導体は、前記皮膚外用剤で用いたものと同様である。尿素、レチノールまたはその誘導体、トコフェロールまたはその誘導体の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、尿素は通常1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%、さらに好ましくは5〜25重量%、特に好ましくは10〜20重量%であり、レチノールまたはその誘導体は通常0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%であり、トコフェロールまたはその誘導体は通常0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%である。
【実施例】
【0042】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明の範
囲を限定するものではない。なお、配合量は特に単位の記載のないものについては、すべ
て重量%を表す。
【0043】
試験例1 使用感試験
表1に示す処方に従い、精製水と尿素を合わせて70℃に加温溶解した水相に、その他の
全成分を70℃で加温溶解した油相を攪拌しながら混合し、室温まで冷却して調製した各製
剤(クリーム剤)について、30代女性5名に製剤塗布時の使用感を下記基準に基づいて
評価してもらい、その平均点から以下のように判定した。
評価基準 5点:皮膚表面がざらつかず、しっとりと潤う感触、4点:皮膚表面がざら
つかず、さらっとした感触、3点:皮膚表面はざらつかないが、特に感触に変化が感じら
れない、2点:皮膚表面がややざらつく感触、1点:皮膚表面がざらつく感触
判定基準 ◎:4.5以上、○:3.5〜4.4、△:2.5〜3.4、×:2.4以下
結果を表1に示す。
【0044】
【表1】


【0045】
比較例1は尿素が10%であるため比較例2よりもざらつき度合いは低かったが、実施例
1〜3において大幅な改善が見られた。一方、比較例2では全員が「ざらつく」と答えた
が、実施例4ではざらつきはかなり低減され、酢酸トコフェロールを入れた実施例5,6
では、さらに使用感は改善した。
このように、本発明は使用感に優れた皮膚外用剤であり、尿素などの析出を抑制してい
ることなどから、有効成分の薬理効果を十分に期待することができ、特に有用である。
【0046】
試験例2 保湿性試験
温度23±2℃、湿度55±15%に設定した環境下で、Hos:HR-1系雄性ヘアレスマウス(4
週齡、1群8匹)の背部皮膚表面の電気伝導度(μs)を、表角層水分量測定装置(SKICO
N-200EX、アイ・ビー・エス株式会社製)により測定した(正常値)。
次に、アセトン:エーテル=1:1混合液を含ませた脱脂綿を60秒保持し、5秒後に蒸
留水を含ませた脱脂綿を60秒保持する処理を行った。この処理を5時間以上の間隔を空け
て2日間で3回実施し、肌荒れを人工的に誘発した乾燥肌マウスを作製した。この乾燥肌マウスに、表2に記載の各皮膚外用剤(表1と同様に調製:クリーム状)を1回当たり50μL、試験開始時(0時間)、約3時間後、約6時間後、約24時間後、約27時間後、及び約30時間後に塗布した。皮膚外用剤塗布前(初期値)、並びに試験開始24時間後及び48時間後に、マウスの乾燥肌上の電気伝導度を測定した。なお、試験開始24時間後の電気伝導度の測定は、試験開始24時間後の皮膚外用剤の塗布前に実施した。また、比較例6として無塗布群も同様に電気伝導度の測定を実施した。
結果を表2に示す。
【0047】
【表2】


【0048】
尿素の保湿作用は持続性がなく、比較例3は24、48時間後において比較例5と同程度の
効果であること、比較例4、5からレチノール誘導体を加えただけではさほど水分含量は
上昇しないことが確認された。一方、実施例6は比較例3、4よりもはるかに高い角質水
分含量を保持していることがわかった。
また、表2の処方から酢酸トコフェロールを除いた製剤についても表2と同様の効果が
見られたが、酢酸トコフェロールを含有している表2のほうが全体として角質水分含量の
値が高く、表2の実施例6がもっとも高い角質水分含量を示した。
【0049】
試験例3 安定性試験
表1、2記載の実施例3、6および比較例4について、40℃で6カ月保存した後、以
下の(1)及び(2)の方法によって実施例の尿素の安定性を評価した。また、パルミチ
ン酸レチノールの残存量を日本薬局方に準じて測定した。
(1)各実施例を0.5gとり、ガラス平板上で薄く均一に塗り広げて尿素の析出を目視
にて確認した。
(2)各実施例を1.0gとり、アンモニア臭の有無を官能にて評価した。
いずれの実施例も尿素の析出、アンモニア臭が観察されず、尿素が安定に保持されてい
ることが確認された。
また、パルミチン酸レチノールの残存量は、実施例3では87.5%、実施例6では88.2%
、比較例4では78.8%であり、本発明の実施例では比較例よりもレチノール誘導体の残存
量が約10%も向上した。
【0050】
試験例4 刺激性試験
表1記載の実施例1〜6について、刺激性の有無を評価するため、各々3名のモニター
の上腕部に製剤0.5g塗布し、塗布後の皮膚の状態(赤みが出ていないか)と、刺激感
(ピリピリしたり、かゆみや灼熱感を感じる)がないか評価を行った。
その結果、すべての実施例において、3名のすべてのモニターが刺激を感じることがな
く、本発明の実施例は刺激がなく安全な皮膚外用剤であることが確認された。
【0051】
試験例5 肌荒れ改善効果評価試験
表1記載の実施例6について、肌荒れ改善効果を評価した。具体的には手荒れのひどい患部を有する30代の女性10名に対して、4週間にわたって、当該患部と正常な皮膚状態の手の甲に、就寝前と乾燥が気になった時に適量を塗布させた。塗布開始1週間後、2週間後及び4週間後に、手荒れ患部と手の甲の電気伝導度(μs)を、表角層水分量測定装置(SKICON-200EX、アイ・ビー・エス株式会社製)により測定した。
塗布前の手荒れ患部と手の甲の電気伝導度をそれぞれ1として、塗布開始1週間後、2週間後及び4週間後の電気伝導度の相対値を算出した。
結果を表3に示す。
【0052】
【表3】


【0053】
実施例6の塗布によって、手荒れのひどい患部の水分量が顕著に上昇した。また、10名全ての女性において、4週間後には、幹部の手あれが改善していた。また、手の甲についても、塗布前よりも水分量の増加が認められた。
以上の結果から、本発明には角質を正常化して、手あれを改善する効果に優れていることが明らかとなった。
【0054】
以下に製剤実施例を挙げる。なお、以下の実施例中の配合量は、特に単位の記載のない
ものについてはすべて重量%を表す。
【0055】
【表4】


【0056】
【表5】


【出願人】 【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
【出願日】 平成19年6月26日(2007.6.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−31159(P2008−31159A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−167688(P2007−167688)