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【発明の名称】 更年期症状および骨粗鬆症の治療または予防
【発明者】 【氏名】ケリー,グレアム,エドモンド

【要約】 【課題】更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防を必要とする人に治療有効量のイソフラボンホルモノネチンを投与する治療または予防方法と、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防を必要とする人に治療有効量のイソフラボンダイゼインを投与する治療または予防方法で、当該イソフラボンを任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともに投与する更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防法を記述。

【構成】ダイゼインまたはホルモノネチンを1以上の薬学的に許容されるアジュバント、キャリヤ、食用成分および/または賦形剤と一緒に包含する治療的使用法および組成物/食品についても記述。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソフラボンホルモノネチンとともに、薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤を包含する、骨粗鬆症の治療または予防のための薬学的組成物。
【請求項2】
ホルモノネチンが少なくとも約90%(w/w)で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
5〜400mgのホルノモネチンを包含する、請求項1の組成物。
【請求項4】
5〜400mgのホルノモネチンの他にダイゼインまたはダイゼイン代謝物を包含する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
ダイゼイン代謝物が、エクオール、O−デスメチルアンゴレシン、デヒドロエクオール、2−デヒドロ−O−デスメチルアンゴレシン、6−ヒドロキシ−O−デスメチルアンゴレシン、ジヒドロダイゼイン、及びテトラ−ヒドロダイゼインから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
ホルモノネチンが、アグリコン、グリコシド、マロニルまたはアセチル型である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともにホルモノネチンを包含する、骨粗鬆症の治療または予防のための薬剤。
【請求項8】
骨粗鬆症の治療または予防のための薬剤を製造するためのイソフラボンホルモノネチンの使用。
【請求項9】
ホルモノネチンの量が、他のすべてのイソフラボン類に比べて少なくとも約90%(w/w)で存在する薬剤を製造するための、請求項8に記載のイソフラボンホルモノネチンの使用。
【請求項10】
少なくとも1日に1回の投与に適している薬剤を製造するための、請求項8に記載のイソフラボンホルモノネチンの使用。
【請求項11】
1日に約5mg〜約400mgの量のイソフラボンを投与するのに適した薬剤を製造するための、請求項8に記載のイソフラボンホルモノネチンの使用。
【請求項12】
ホルモノネチンを日量約5mgから約400mgとなるように、24時間の間に1回から6回投与するのに適した薬剤を製造するための、請求項8に記載のイソフラボンホルモノネチンの使用。
【請求項13】
ダイゼインまたはダイゼイン代謝物をホルモノネチンと組み合わせた薬剤を製造するための請求項8に記載のイソフラボンホルモノネチンの使用。
【請求項14】
ダイゼインが、エクオール、O−デスメチルアンゴレシン、デヒドロエクオール、2−デヒドロ−O−デスメチルアンゴレシン、6−ヒドロキシ−O−デスメチルアンゴレシン、ジヒドロダイゼイン、及びテトラ−ヒドロダイゼインから選択される、請求項13に記載のイソフラボンホルモノネチンの使用。
【請求項15】
ホルモノネチンがアグリコン、グリコシド、マロニルまたはアセチル型である、請求項8に記載のイソフラボンホルモノネチンの使用。























【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は更年期(閉経期)症状および骨粗鬆症の治療または予防のための組成物、治療使用法ならびに治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
更年期症状および骨粗鬆症は女性、通常は高齢の多くの女性に影響を及ぼす大きな悩み事である。
【0003】
更年期症状はよく知られており、たとえばグリーン[Greene,J.G.]とクック[Cooke,D.J.]ら、(1980)、British Journal of Psychiatry、136巻、486−491(参照することにより本明細書に援用する)などに記載されている。ほてり(一過性熱感)は基本的な更年期症状の1つで、不快かつ苛立たしいものである。グリーンとクックは女性の更年期症状を測定するためのスコア(評点法)を開発した。このスコアは米国保健省(US Department of Health)で承認されており、医学界で広く利用されている。グリーンとクックによる更年期症状の指標としては、ほてり、寝汗、心悸亢進、緊張感や神経過敏、不眠、興奮、おびえ、集中力欠如、疲労感や脱力感、不幸感や鬱、泣き叫び、焦燥感、目のくらみやめまい、頭や身体への圧力や圧迫感、身体各部での麻痺やしびれ、膣の乾燥および/または口の渇き、頭痛、筋肉や関節の痛み、手や足の感覚喪失、呼吸困難、および性欲喪失などがある。
【0004】
閉経周辺期の女性では3つの主要エストロゲン−すなわち、エストラジオール、エストロンおよびエストリオール−の血中濃度レベルが低下するが、これは通常45−55歳の女性に自然に起きる。閉経期の女性にあらわれる最初のまたは急性の更年期症状としてはほてりと寝汗などがある。これらは皮膚への血流の急激な増加による不快感と発汗に関係することが多い。
【0005】
これらの症状の正確なメカニズムは解明されていないが、一般的には血管運動中枢活動と体温調節をつかさどっている正常な恒常性メカニズムが撹乱されることによるものであると考えられている。
【0006】
エストロゲン補充による治療および/または予防(いわゆるエストロゲン補充療法)が通常これらの症状を和らげるという事実は、これらの症状とエストロゲン欠乏の間に関連性があることを示している。閉経期には前述のような多くの急性症状があらわれるが、これらの症状は一般的にはエストロゲン応答性である。
【0007】
骨粗鬆症は更年期以降の女性の約1/3から1/2に影響を及ぼすと考えられている。米国では骨粗鬆症によって年間500,000件の骨折が起きていると報告されている。さらに65歳以上の女性のほぼ1/3が骨粗鬆による骨の脆弱化によって、少なくとも1回は骨折に見舞われることになるとも報告されている。カルシウム摂取量を増やすことや、その他の方法がいくらかの効果を有することが示唆されている。しかしながら骨粗鬆症の影響が広く見られることは、それらの効果的な予防/治療法が未だないことを示している。
【0008】
従来は閉経前に起きる内因性エストロゲン・レベルの低下が、更年期症状ならびに閉経後の骨粗鬆症を引き起こしたり、それらに関与すると考えられていた。
【0009】
マメ科植物(members of Leguinosae)に多く見られる植物性化学物質であるイソフラボン類が一連の生物学的機能を示し、それらが医学的治療を必要とする患者の治療に有用であることが示唆されている。
【0010】
イソフラボン類の小サブグループ(ダイゼイン、ゲニステイン、ビオカニン、およびホルモノネチン)は、動物(ヒトを含む)細胞のエストロゲン受容体に結合する能力によって識別される。これはイソフラボン類のジフェノール環の立体構造と、エストラジオール、エストロンおよびエストリオールなどのエストロゲン類のステロイド環構造が極めて類似していることによるものである。ステロイド系エストロゲン類と比べてエストロゲン性イソフラボン類は受容体に対する結合親和性は相当小さいが、弱エストロゲン性である。これら5種類のイソフラボンのグループは、その他のイソフラボノイド化合物の比較的複雑な構造とは対照的に、最も基本的なジフェノール構造を有している。この構造の単純さとエストロゲン性ホルモン類のステロイド環構造との形の近似性が、これらの化合物にエストロゲン性を与えていると考えられている。このグループはまた動物細胞中で一連の生物学的機能を示すが、それらはエストロゲン受容体とは無関係の、抗酸化性、利尿性、抗鎮痙性および抗ガン効果といったものである。これらの興味深い機能と潜在的な治療効果が、近年このイソフラボン類の特定のグループに医薬研究者の目を向けさせるところとなっている。
【0011】
植物中ではイソフラボン類は様々な形をとることができる。すなわち(i)基本型、(ii)マロニル型、および(iii)アセチル型であり、このイソフラボン類はこれらのそれぞれの型で生物学的に活性である。これらの型はそれぞれ天然の状態ではグリコシドであり、グルコースなどの糖成分に結合して水溶性型となる。この型において、イソフラボンは熱酸化や紫外線照射などの劣化要因に対する安定性が強化されている。またこの水溶性型はイソフラボンを植物全体および細胞内両方で輸送可能にする。イソフラボンの生物学的機能の細胞内部位においては、細胞内のグルコシド酵素が糖成分を開裂し、さらに生物学的に活性で水不溶性のアグルコン型となる。
【0012】
摂食時に消化されるとこれらのイソフラボン類は、胃の中、胃壁中、および腸管外の血流に入る前に肝臓内でさまざまな程度の代謝を起こし、それらの生物学的効果を発揮する。最初の代謝プロセスは、グルコシド型をアグルコン型に変化させる加水分解である。これは胃酸の低pHおよび腸内バクテリアのβ−グリコシダーゼ酵素活性の働きの両方によって起きる。
【0013】
アグルコン型イソフラボン類のいくつかのものは胃壁中にそのまま吸収され、胃壁を通過したものはグルクロニド化またはスルフォン化されて、ステロイド性化合物になると考えられている。イソフラボン類の大半は結腸内バクテリアにより発酵される。発酵プロセスの1つはイソフラボン類の脱メチル化である(たとえば、脱メチル化によってホルモノネチンはダイゼインとなり、またビオカニンはゲニステインになる)。もう一つの発酵ステップでは、ダイゼインおよびゲニステインはエクオール、デヒドロエクオール、O−デスメチルアンゴレンシン(ODMA)、6−ヒドロキシ−ODMA、2−デヒドロ−ODMA、ジヒドロダイゼイン、テトラ−ヒドロダイゼインおよびジヒドロゲニステインを含む一連の最終産物に転換される。肝臓はホルモノネチンやビオカニンなどのイソフラボン類をさらに脱メチル化して、より基本的なダイゼインおよびゲニステイン構造にする能力がある。これらのイソフラボン類とそれらの代謝物および誘導体は体内を自由に循環し、主として尿中に排出され、少量は糞便中に排出される。
【0014】
食用のエストロゲン性イソフラボン類が急性更年期症状に何らかの治療効果を有する可能性は、西欧諸国の女性と比べて典型的にかなり高い食物レベルのイソフラボン類(ほとんどは大豆由来のもの)を摂取している日本女性に、ほてりなどの急性更年期症候群の症状の発生が少ないという報告がなされていることから示唆される。これがダイゼイン、ホルモノネチン、ビオカニンおよびゲニステインなどのイソフラボン類が急性更年期症候群の症状の治療および/または予防に治療効果を有するといういくらか推論的な主張をさせることになっている(米国特許第5,498,631号−ゴルバック[Gorbach]ら)。 ゴルバックは伝統的な日本の低脂肪食を摂取している日本人検体の尿中のイソフラボン排出物を分析した。調査した女性、男性および子供の尿中のエストロゲン性イソフラボン類の存在により、ゴルバックはイソフラボン類が治療効果を発揮したと推察した。この研究における明らかな欠陥は、イソフラボン類を多く含む食事を摂取した場合には相当量のイソフラボンが尿中に出ることが予想され、食事の中に多くの生物学的活性な種が含まれている場合には生物学的効果を特定の1成分または特定の複数成分によるものと結論づけるのは不可能であり、ゴルバックの主張は精緻さを欠くものということになる。特徴的な健康状態を示す一地域で、特定の植物成分を高いレベル(そして高い体摂取レベル)で摂取している場合には、間違いなく原因と効果の関係が生まれる。こうしたことは十分に認められている科学的原理を適用することができる適切な臨床研究によってはじめて解明されることである。
【0015】
この分野で今日まで行われてきた臨床的およびその他の研究は極めて多義的であり、一貫した結果は報告されていない。報告されている研究は閉経周辺期の女性に関して、イソフラボン類を含む自然食品(大豆粉など)か、大豆またはその他マメ科植物抽出物を含む自然食品のいずれかと、しばしばビタミン類などのその他の成分、あるいはエストロゲンおよび/またはビタミンや種々のミネラル類と一緒にイソフラボン類を摂取した場合のものである。大豆はイソフラボンホルモノネチンやビオカニンを含まないものであることに留意する必要がある。たとえ明確な臨床効果が得られた場合でも、複数のイソフラボン類、ならびに広範なその他不特定の食事成分やその他生物学的に活性な成分の混合物を摂取しながら行われている。−たとえば、マメ科植物(Leguminosae family)に含まれているその他の物質、たとえばフラボノイド類(すなわち、クェルセチン、ルテオリン、ケンフェロールおよびリグナン類)もエストロゲン性であることが知られており、またマメ科植物に含まれているその他700種類程度のイソフラボノイド類の中にもエストロゲン活性を有する未確認のイソフラボノイド類が含まれている可能性もある。
【0016】
ゴルバックはイソフラボノイド類がエストロゲン受容体に結合し、閉経期の女性にエストロゲン作用を発揮することを示唆している。しかしながら一般的には、イソフラボン類の存在と急性更年期症状の治療および/または予防に関する治療効果を結びつける直接的な証拠はないことが明らかになっている。しかしたとえそのような関連性が現在の疫学的および臨床的研究から推論されるとしても、その治療効果がエストロゲン性イソフラボン類、すなわちダイゼイン、ホルモノネチン、ビオカニン、ゲニステイン、の集合的な作用の結果であるかどうかについては疑問が残る。これら4つのイソフラボン類はすべてエストロゲン性であるが、それらは非常に異なったエストロゲン能力を有している。ゲニステイン、ダイゼイン、ホルモノネチン、ビオカニンの相対的エストロゲン性は、それぞれ1.3、0.09、0.01、0.07(17β−エストラジオールを100とした場合の相対値)である。つまり、ホルモノネチンとビオカニンのエストロゲン活性は無視できる程度である。このベースで、かつ典型的な日本食を摂取している日本人の血液中のダイゼインとゲニステインの相対量を考えると、急性更年期症候群の症状に関してはゲニステインが潜在的には最も効果のあるイソフラボンと推論される。
【0017】
エストロゲン性イソフラボン類はまた、骨粗鬆症の治療および/または予防に可能性を有する治療的化合物であることが認められている。大量の植物性エストロゲンを多く含む大豆や野菜類を大量に摂取するアジア人は、西欧人よりも骨粗鬆症に関連する問題からより多く保護されていると思われる。しかしこうした観察は決して明確なものではなく、多くの研究で矛盾が見られる。
【0018】
フジタ[Fujita]とフカセ[Fukase](Proc. Soc. Exp. Biol. Med.、200(2)、149−5、1992)は、日本人と米国人の骨粗鬆症の分析において、食事は特に有意性はなく、骨量はこの両方の人種で非常に似ていることを示している。彼らはむしろ、骨粗鬆症の発症は筋肉の発達と運動制御に影響を及ぼす生活様式に関係している可能性が高いことを示唆している。アルジャナンディ[Arjanandi]ら(American Institute of Nutrition、161−167頁、1995)は、骨に対する大豆の保護効果はすべて大豆タンパク質に関係するものであることを示している。ハント[Hunt]ら(Am. J. Clin. Nutr.、517−523頁、1989)は、雑食性の高齢閉経期女性と、イソフラボン含有量の多い植物材料を含む食事をとっている菜食主義の高齢の閉経期女性の間には、確たる骨密度の差がないことを示している。
【0019】
欧州特許出願公報第0135172号(タケダ、1985年5月27日発行)は、7,4−ジヒドロキシイソフラボン(ダイゼイン)をそのエストロゲン活性に基づいて投与することによる骨粗鬆症の治療法を開示している。この発見は、前述の生物学的調査と符合していない。さらに、トベ[Tobe]ら(Biosci. Biotech. Biochem.61(2)、370−371、1997)は、ダイゼインが骨の溶解(吸収)を刺激、つまり骨を破壊し、既存の状態を悪化させ、骨粗鬆症に冒されていない人に骨粗鬆症の素因を作ることになって、骨粗鬆症の治療に反することになりかねないことを示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述の背景に対して本発明は、更年期症状と骨粗鬆症の治療/予防に関する判断の範囲において、ホルモノネチンを更年期症状および骨粗鬆症の両方の治療に使用することができ、またダイゼインを更年期症状の治療に使用できるという驚くべき発見に基づいてなされたものである。本発明者らの発見は、ホルモノネチンが更年期症状の治療および/または予防と骨粗鬆症の治療および/または予防に顕著な臨床活性を有し、またダイゼインが更年期症状の治療/予防に効果があることを示している。この発見は、ホルモノネチンのエストロゲン効果が無視できるほど小さいことや、ダイゼインの骨吸収活性が無視できるほど小さいこと、およびホルモノネチンは胃の中で極めて急速にダイゼインに代謝されるという確立された知見から見て、極めて予見し難いことであった。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防を必要とする人に治療有効量のイソフラボンホルモノネチンを投与する治療または予防方法、または更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防を必要とする人に治療有効量のイソフラボンダイゼインを投与する治療または予防方法であって、当該イソフラボンを任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともに投与する、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防方法を提供する。
【0022】
本発明の別の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防のための薬学的組成物であって、当該組成物がイソフラボンホルモノネチンまたはイソフラボンダイゼインを含む更年期症状の治療または予防のための薬学的組成物からなり、薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともに包含する、薬学的組成物を提供する。
【0023】
本発明の別の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防におけるイソフラボンホルモノネチンの利用、または更年期症状の治療または予防におけるイソフラボンダイゼインの利用であって、イソフラボンを任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともにする、利用を提供する。
本発明のさらに別の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防のための薬剤、すなわちダイゼインと薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤を任意に包含する、更年期症状の治療または予防のための薬剤を提供する。
【0024】
本明細書と付帯の請求項を通して、文脈が別の解釈を必要としない限り、“包含する(comprise)"という用語、または“包含する(comprises)"または“包含する(comprising)"あるいは“含む(include)"または“含む(including)"などの変形用語は、説明
した成分または数字、あるいは複数の成分や複数の数を含むが、その他の成分や数字あるいは複数の成分数字を除外するものではないものとする。
【0025】
本発明の第1の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防を必要とする人に治療有効量のイソフラボンホルモノネチンを投与する治療または予防方法、または更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防を必要とする人に治療有効量のイソフラボンダイゼインを投与する治療または予防方法であって、当該イソフラボンを任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともに投与する、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防方法を提供する。
【0026】
ここに開示した発明は、更年期症状および骨粗鬆症の治療および/または予防の分野において実質的に画期的なものであると考える。一連のイソフラボン類を含む植物抽出物を患者に投与することは、それら抽出物が特に飲食に適するものではなかったり、生物学的活性に悪影響を及ぼすことがある悪性物質を含むこともあるという点で好ましいことではない。ウイルコックス[Wilcox]ら(British Medical Journal(1990)301:905)は、大豆植物性エストロゲンを6週間にわたり摂取した閉経期後の女性において膣細胞の増殖が増加したことを報告している。さらにマーキウィッツ[Markiewicz]ら(J. Steroid Biochem.(1993)45:399)は、大豆イソフラボンゲニステインが子宮内膜ガン細胞にエストロゲン効果を示したことを実験的に明らかにしている。すなわち、この細胞型の中でガン細胞の増殖性が高まったのである。こうした報告は比較的高用量のゲニステインの安全性について疑問を投げかけるものである。本発明は、特性が明らかになっていない生物学的に活性な植物材料(coumesterolsなど)により引き起こされる副作用やその他不都合な効果を起こすことがない更年期症状および骨粗鬆症の治療または予防法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の方法に基づいて治療することができる更年期症状は、グリーン,J.G.とクック,D.J.(1980)British Jouranal of Psychiatry、136巻、486−491に記述されているようなものである。好ましくは本発明に基づいて治療または予防される更年期症状は、ほてりによる発汗(hot sweats)と寝汗(night time sweats)、特にほてりによる発汗である。とはいえ、本発明の方法は前述のような更年期のその他の症状の治療および/または予防にも適用することができる。イソフラボンホルモノネチンは式(I)の通りである:


【0028】
以前はホルモノネチンは患者に投与するとほとんどすぐに代謝(脱メチル化)されてダイゼインになると考えられていたが、本発明者らはホルモノネチンが血流中で相当長時間滞留すること(半減時間は一般的に約20時間)を発見した。
イソフラボンダイゼインは式(II)の通りである:


【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
ホルモノネチンまたはダイゼインは、好ましくは実質的に他のイソフラボン類を伴わないようにして患者に投与する。このことは、いかなる組成物または処方品も少量の他のイソフラボン類を10%(w/w)またはそれ以下であれば含んでもよいことを意味する。好ましくは、ホルモノネチンまたはダイゼインはイソフラボン含有量の少なくとも90%、さらに好ましくは95%、さらにもっと好ましくは98%またはそれ以上とする。ゲニステインは、もし存在する場合は、イソフラボン含有量に対して約5%またはそれ以下、より好ましくは1%(w/w)以下とする。規制当局は、全イソフラボン類中のイソフラボン含有量が95%であれば実質的に純粋と認めている。
【0030】
更年期症状の治療においては、ホルモノネチンはダイゼインと組み合わせて、たとえば1:10から10:1の比率で投与される。
【0031】
ダイゼイン代謝物をダイゼインの代わりに本発明の種々の実施態様で使用することができる。これらの代謝物としては、エクオール、O−デスメチルアンゴレンシン(ODMA)、デヒドロエクオール、2−デヒドロ−ODMA、6−ヒドロキシ−ODMA、ジヒドロダイゼインおよびテトラ−ヒドロダイゼイン(これらは集合的に以下ダイゼイン代謝物と称する)などがある。したがって本発明は別の視点としてさらに、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防を必要とする患者に、ホルモノネチンまたはダイゼイン代謝物を任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともに投与する骨粗鬆症の治療または予防法も提供する。これらホルモノネチンまたはダイゼイン代謝物は実質的に他のイソフラボン類を伴わない形で投与される。
【0032】
ダイゼインおよび/またはホルモノネチン組成物または処方品は、更年期症状または骨粗鬆症を和らげる用量と用法で投与する。更年期症状に関しては、これは治療を受ける患者または患者の医師により容易に決めることができる。一般的には、更年期症状および骨粗鬆症の予防または治療はホルモノネチンを24時間に1回から6回毎日投与することで結果が得られることが判明しており、ダイゼインによる更年期症状の治療または予防の場合は、イソフラボンの日量を約5mgから約400mg/日(この用量範囲を“有効量"と呼ぶ)となるように投与する。
【0033】
ホルモノネチンおよびダイゼインは、この分野で周知の通常の化学合成法によりそれら化合物を合成するか、またはLeguinosae種の植物、特に大豆(大豆粉、大豆胚軸)ならびにクローバー(レッド・クローバーおよびサブ・クローバー)からの抽出物を精製することにより、ホルモノネチンまたはダイゼイン組成物または処方品とする。
【0034】
更年期症状または骨粗鬆症の治療および/または予防、あるいはその素因を和らげるために患者に投与する組成物/処方品は、特定のイソフラボン類に加えて前述のホルモノネチンを包含し、任意に1以上の薬学的に許容されるアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤を加えた組成物または処方品として投与する。薬学的に許容されるアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤などは、薬学用賦形剤ハンドブック、2版、米国薬学協会、1994(参照することにより本明細書に援用する)に記載されているように、当分野では周知である。ダイゼインまたはホルモノネチンは錠剤、カプセル、再形成用の粉末、シロップ、食品(食用バー、ビスケット、スナック食品およびその他当分野で周知の標準的な食品形状)または飲用処方の形で投与することができる。飲み物の場合は、香料、緩衝液などを含ませることができる。
【0035】
本発明の方法ではカルシウムを、たとえば別の錠剤として、または適当な処方形状の一部として、同時に(すなわち、前述のイソフラボンの投与の前、同時または後に)投与することができる。
【0036】
本発明のさらに別の視点では、更年期症状の治療または予防のための薬学的組成物であって該組成物がイソフラボンホルモノネチンを、または更年期症状の治療または予防のための薬学的組成物であって該組成物がイソフラボンダイゼインを、薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともに包含する薬学的組成物を提供する。前述のように、薬学的に許容されるアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤などは当分野では周知である。本発明に基づく組成物の例としては、1以上の薬学的に許容できるキャリヤを含む。キャリヤは組成物中の成分として許容されるようなものを選び、また患者に対して有害なものであってはならない。キャリヤは固体または液体、あるいはその両方とすることができ、抽出物とともに錠剤などの単位調剤(unit-dosage)として処方することができるが、キャリヤは活性成分の0.5重量%から59重量%、または活性成分に対して最大100重量%まで含ませることができる。組成物は周知のいかなる製薬技法によっても調製することができ、たとえば薬学分野で周知の賦形剤、稀釈剤(たとえば水)および補助剤を任意に含む成分を混合して行なうことができる。
【0037】
本発明の組成物としては、経口、直腸内、眼内、口内(たとえば舌下)、非経口(たとえば皮下、筋肉内、皮内および静脈内)ならびに経皮投与に適するものを含む。さまざまなケースにおける最も適切な投与経路は、治療する状態の性質と程度ならびに患者の状態に依る。
【0038】
経口投与に好適な組成物は、カプセル、カシェ剤、トローチ剤、または錠剤など、それぞれが所定量の抽出物を含む個別の単位処方品として;粉末または顆粒として;水性または非水性液体の溶液または懸濁液として;あるいは水中油滴型または油中水滴型エマルションとして提供することができる。そうした組成物は、活性イソフラボンと1以上の適切なキャリヤ(これは前記のように1以上の補助剤成分を含むことができる)を会合させるステップを含むあらゆる適切な製薬方法によって調製することができる。一般的に本発明
の組成物は、イソフラボンを液体または十分に砕いた固形キャリヤ、またはその両方と、均一かつ十分に混合することにより調製し、もし必要であれば得られた混合物を成形する。たとえば、錠剤は抽出物を含む粉末または顆粒を、任意に1以上の補助剤成分とともに包含させたり成形して調製される。圧縮錠剤は粉末または顆粒状の抽出物を任意にバインダー、潤滑剤、不活性稀釈剤、および/または表面活性/分散剤と混合した形で、適切な機械で圧縮成形することにより調製することができる。成形錠剤は粉末状化合物を不活性液体バインダーで湿潤させて適切な機械で成形して調製することができる。
【0039】
好適なキャリヤは、たとえばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトールなどの糖類などの充填剤、セルロース調製品および/またはたとえば燐酸三カルシウムまたは燐酸水素カルシウムなどの燐酸カルシウム、および、とうもろこし、小麦、米またはジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロースなどを用いたデンプンペーストおよび/またはポリビニルピロリドンなどのバインダー類、ならびに必要であれば上記のデンプン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどそれらの塩類などの崩壊剤である。賦形剤は流動調節剤や潤滑剤で、たとえば珪酸、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムなどのその塩、および/またはポリエチレングリコールなどとすることができる。糖衣錠の核は適当な、任意には腸溶性の、被覆で包むが、特に使用されるのは、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含んだ濃縮糖溶液、あるいは好適な有機溶媒または溶媒混合物に溶かした被覆溶液、あるいは腸溶性被覆の調製には、アセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの適当なセルロース調製品の溶液が使用される。錠剤または糖衣錠の被覆には、たとえば活性成分の識別目的ため、または異なる用量を示すための色素または顔料を添加することができる。
【0040】
その他の経口的に投与可能な薬剤組成物は、たとえばゼラチンでできた乾燥充填カプセル類、ならびにゼラチンとグリセリンまたはソルビトールなどの可塑剤で作られる軟質の密封カプセル類である。乾燥充填カプセル類は顆粒状の抽出物を、たとえばラクトースなどの充填剤、デンプンなどのバインダー類、および/またはタルクやステアリン酸マグネシウムなどのグリカント類(glicants)、ならびに適当な場合には安定剤、などとの混合物の形で含むものとすることができる。軟質カプセルの場合、抽出物は好ましくは脂肪油、パラフィン油または液状ポリエチレングリコールなどの適当な液体に溶解または懸濁させるが、これにも安定剤を添加することができる。
【0041】
口内(舌下)投与に好適な処方品としては、抽出物を、通常は蔗糖およびアカシアまたはトラガカントの着香ベースに入れたものを包含させたトローチ剤;およびゼラチンおよびグリセリンまたは蔗糖およびアカシアなどの不活性ベース中に化合物を包含させたパステル錠剤などがある。直腸投与に好適な処方品は、好ましくは単位用量の座薬として提供する。これらはイソフラボンと1以上の通常の固形キャリヤ、たとえばココアバターを混合し、次いでその混合物を成形することにより調製される。
【0042】
組成物には骨粗鬆症または更年期症状を何らかの形で改善するとされているカルシウムまたはその他の活性薬剤を含ませることができる。
【0043】
薬学的組成物は一般的に約5mgから約400mgの1または複数のイソフラボン類を包含し、1日1回以上投与することができる。
【0044】
本発明のさらに別の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防におけるイソフラボンホルモノネチンの使用、または更年期症状の治療または予防におけるイソフラボンダイゼインの使用を提供し、当該イソフラボンを任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤とともに投与する使用である。
【0045】
本発明の別の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防のための医薬を製造するためのホルモノネチンの使用、または骨粗鬆症の治療または予防のための医薬を製造するためのダイゼインの使用を提供する。一般的にこのイソフラボンは1以上の薬学的アジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤と会合して治療薬の形で提供される。ダイゼインおよび/またはホルモノネチンは乾燥粉末として他の成分と混合し、適当な用量形状に成形するのが便利である。そうした医薬は通常約5mgから約400mgのイソフラボンを包含する。
【0046】
本発明のさらに別の視点では、更年期症状または骨粗鬆症の治療または予防のための薬剤、すなわちダイゼインと任意に薬学的に許容される1以上のアジュバント、キャリヤおよび/または賦形剤を包含する更年期症状の治療または予防のための薬剤を提供する。
【0047】
ダイゼインおよび/またはホルモノネチンは前記のように、たとえば菓子バー、ビスケット、シリアルまたは清涼飲料水などの嗜好性のよい食品キャリヤに入れた治療食の形で投与することができる。
【0048】
本発明の方法および組成物は、エストロゲン類または、甘草などの成分、コレカルシフェロールおよびビタミンEの使用を含まない。エストロゲンの投与は生殖器の出血や肝疾患など多くの副作用がある。甘草は血管収縮作用を有し、また更年期症状また骨粗鬆症を悪化させることがある。コレカルシフェロールとビタミンEもまた弊害がある。
【0049】
ダイゼインに関する前記の説明はダイゼイン代謝物であるエクオール、O−デスメチルアンゴレンシン(ODMA)、デヒドロエクオール、2−デヒドロ−ODMA、6−ヒドロキシ−ODMA、ジヒドロダイゼインおよびテトラ−ヒドロダイゼイン、ならびに上記物質の組み合わせに適用される。
【0050】
したがってダイゼインはこれら代謝物の1つまたはそれ以上と置き換えることができる。ダイゼインやホルモノネチンはまた、アグリコン、グリコシド、マロニルまたはアセチル誘導体の形を取ることもできる。
【0051】
次に本発明を、以下の非制限的実施例を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0052】
少なくとも1日平均3回のほてりの経験を有する人を含む急性更年期症候群の症状を有する閉経周辺期の女性を、オーストラリア特許出願第40523/93号(参照することにより本明細書に援用する)に記載されている方法に基づいて調製した、濃縮量のダイゼイン、ホルモノネチン、ゲニステインおよびビオカニンを含有する調製品で治療した。本調製品はビオカニンとホルモノネチン(1.8:1の比率)を含む100mgのイソフラボン類を含有する。テスト開始時とテスト終了時に再びそれぞれの女性から尿サンプルを集め、尿中の特定のイソフラボンのレベル(体内全イソフラボン比のマーカーとして)を調べ、調査期間中の1日当たりのほてりの症状の減少度合いとの相関性を調べた。ダイゼインとゲニステインはすべてのテスト対象者の尿で検出されたが、そのレベルは大きくばらつき、辛うじて検出できるレベルから比較的高いレベルまでまちまちであった。ホルモノネチンとビオカニンのレベルは、検出限界以下から大量までの範囲にばらついていた。ゲニステインのレベルは治療応答性との相関性はなかったが、ダイゼインのレベルは治療応答性とよく相関し、ダイゼインとホルモノネチンの治療有用性の可能性を示した。
【実施例2】
【0053】
他のイソフラボン類を実質的に含まないダイゼインを以下の方法により大豆から調製した。脱脂した大豆粉(容易に多くの市販品を入手できる)1kgを50gのグルカンヒドロラーゼ酵素(バイオフィードベータ[Bio-Feed Beta]CT、デンマークノボノルディスク[Novo Nordisk]社製)を含む10Lの水に加えた。この懸濁液に5Lのエチルアセテートを加えた。高圧ポンプを用いてこの混合物を3時間激しく混合し、エマルジョンとした。この混合により水相とエチルアセテートのミセルを効果的に接触させ、酵素で加水分解されたアグルコン型のイソフラボン類を水相から有機溶媒相に移行させた。3つの相(大豆粉、水相、エチルアセテート)は旋回バケット型遠心分離器を用いて2000gで30分間の遠心分離により分離した。エチルアセテートを含有する上相を吸引し、200mlの水を加え、弱真空下で75℃の回転式蒸発器燥機に入れた。エチルアセテートを分離後、イソフラボン類を含む残った水相を500mlのヘキサンで1回抽出して油分と脂肪分を除去し、さらに500mlのオクタノールで2回洗浄してゲニステインを選択的に除去した。水相を取り出して80℃のオーブン中で一晩乾燥させた。この物質は高圧液体クロマトグラフ分析により、ダイゼイン(95%):ゲニステイン(5%):ホルモノネチン(0%):ビオカニン(0%)を含むイソフラボン類を65%含有することが分かった。この物質を標準的なキャリヤ/賦形剤と混合し、錠剤化して25mgのダイゼインを含む500mgの錠剤とした。この実施例においては、ダイゼインを等量(w/w)のミクロクリスタリンセルロース、燐酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよび無水コロイド珪酸とともに錠剤とした。
【0054】
その他のイソフラボン類を実質的に含まないホルモノネチンをクローバーから上述の酵素/溶媒を用いて調製した。ホルモノネチンはクロマトグラフィ分析またはHPLCにより95%以上の純度で回収した。
【実施例3】
【0055】
上記実施例2の一番目の乾燥した最終製品は、さらに濃縮してゲニステインまたはダイゼインを含む/含まないものとするために使用することができる。この物質3kgを1000Lのアセトン、クロロフォルムまたはオクタノンなどの有機溶媒とともに混合するが、安全性とコスト的な理由でアセトンが好ましい。これら3種類の溶媒はそれぞれゲニステインに対して高い親和性を有するが、ダイゼインに対しては親和性を有さないことを本発明者らは明らかにした。この混合物を室温で1−24時間連続的に撹拌するが、好ましくは大量(75%)のゲニステインが溶媒相に移行する2時間とする。混合物を約2時間静置し、溶媒を残渣から分離し(サンプル2)、さらに蒸発させるために蒸留器に移す。サンプル2の物質は好ましくはアセトンを用いてさらに1−5回(好ましくは4回)抽出する。この物質は典型的には76%のダイゼイン、1%のゲニステイン、0.5%のグリセテインを含み、残りは短鎖脂肪酸などの残留脂質溶解性物質を含む。w/wベースでその他のイソフラボン類と比較した場合、この調製物は98%(w/w)のダイゼインを含む。ダイゼインは精製用HPLCなどの調製用精製手段により全物質量に対して95%(w/w)以上の純度に精製する。この実施例によるダイゼイン調製物を実施例3により通常の不活性賦形剤とともに錠剤とし、50mgのダイゼインを含む200mgの錠剤とした。
【実施例4】
【0056】
更年期症状を経験している閉経期後の女性36人のグループを、15mgのダイゼインまたは60mgのダイゼインを含む組成物を3ヵ月間毎日投与して治療した。プラシーボの対照グループと比較した場合、更年期症状(ほてりなど)の治療/改善結果と符合する更年期症状のグリーン・スコア[Greene Score]に著しい減少が見られた。これらの検体の尿検査結果はその他のイソフラボン類に比してダイゼインが治療効果を有することを示した。
【0057】
同様の研究において同じ用量のホルモノネチンもダイゼインと同様に、更年期症状のグリーン・スコアで有意の減少を示した。
【実施例5】
【0058】
ホルモノネチンの経口投与後の薬物動態を明らかにするため18歳から40歳の16人のヒト患者による薬物動態学調査を行った。それぞれの患者に9.3mgのホルモノネチンを200mlの精製水とともに経口投与し、この調査の前1週間と調査期間中低イソフラボン食事を維持した。血液サンプルは、0、0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、3、4、5、6、8、10および12時間目および投与後24時間目に採取し、ホルモノネチン濃度を分析した。
【0059】
時間経過に対するホルモノネチン濃度(ng/ml)の分析では従来の説とは対照的に、代謝されないホルモノネチンは投与後血流中に相当長時間滞留した(半減時間約20時間)。
【実施例6】
【0060】
更年期症状(systems )を経験している15人の閉経後の女性にそれぞれ60mgのホルモノネチンを3ヵ月間毎日投与した。対照グループと比較して治療グループは更年期症状のグリーン・スコアにおいて有意の減少を示した。
骨粗鬆症の高いリスクを有する10人の閉経後の女性に関する同様の研究において、同じく60mgのホルモノネチンを3ヵ月間毎日投与した。予備試験の結果では、骨密度と骨代謝回転マーカーの測定で、治療グループの骨粗鬆症に対する保護効果が示された。
【実施例7】
【0061】
第2次調査(二重盲検、プラシーボ対照)では、20人の閉経後の女性の骨吸収マーカーに対する植物性エストロゲンホルモノネチンの効果を6ヵ月間調査した。この調査の目的は、閉経後の女性における骨吸収マーカーに対する25mg、50mgまたは75mgの特定の日用量のイソフラボンの効果を評価し、またこれらの効果を正常対照群と比較することにあった。子宮内膜厚さ、循環脂質および凝固因子に対するイソフラボン類の効果も評価した。検体には補助カルシウムも1日当たり1200mg用量投与した。
【0062】
骨密度計を用いた骨密度測定を0.3および6ヵ月後に前腕部の3つの部位で行ったが、骨密度に有意の改善が見られた。オステオカルシン(osteocalcin) 、デオキシピリジノリン架橋、N末端コラーゲン架橋、カルシウムに関する骨マーカー類、およびその他のマーカー類は骨吸収と骨代謝回転で同様の改善を示した。
【0063】
本発明は実施例のみに基づいて説明したが、本明細書の開示に基けば、本発明の範囲または精神から外れることなく、当分野の熟練者には自明のさまざまな修正および/または変形が可能であることはいうまでもない。
【出願人】 【識別番号】507264871
【氏名又は名称】ノボゲン インコーポレイテッド
【出願日】 平成19年10月16日(2007.10.16)
【代理人】 【識別番号】100090941
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清也


【公開番号】 特開2008−24723(P2008−24723A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−269270(P2007−269270)