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【発明の名称】 コラーゲン産生促進能及び/又は線維芽細胞増殖促進能を有する組成物
【発明者】 【氏名】瀧口 久美子

【氏名】本間 陽一

【氏名】菊地 数晃

【氏名】常次 修一

【要約】 【課題】顕著なコラーゲン産生促進能及び/又は線維芽細胞増殖促進能を有する新規組成物を提供すること。

【構成】本発明は、(A)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種と、(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを含有する組成物を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種と、
(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物
とを含有する組成物。
【請求項2】
細胞におけるコラーゲン産生を促進するために使用され得る、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
線維芽細胞増殖を促進するために使用され得る、請求項1又は2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲン産生促進能を有する有用な新規組成物、線維芽細胞増殖促進能を有する有用な新規組成物、並びにそれらに関連する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、動物の結合組織には、その主要成分として、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、ラミニンなどが含まれていることが分かっている。なかでもコラーゲンは、後述の通り、結合組織において重要な役割を果たしている。
【0003】
コラーゲンは、動物の結合組織を構成する主要蛋白質であり、特にヒトの体の総蛋白質の30%近くをコラーゲンが占める。コラーゲンの主たる機能は、生体組織の骨格構造の形成にあるので、動物の組織形態の骨格構造を構成する主成分として皮膚、軟骨組織、角膜、心臓、肝臓等に広く分布する。コラーゲンは、各種細胞の接着、細胞の分化や増殖に対して特異的に作用し、細胞機能の調節因子としての役割も持っているため、コラーゲンの減少は、角膜潰瘍等の角膜障害、リューマチ、関節炎、変形性関節炎、骨関節炎等の関節障害、炎症性疾患等の様々な疾患を引き起こすことがある。
【0004】
また皮膚真皮細胞外マトリックスでは、コラーゲン線維が網目状の束を形成することにより組織形態を維持している。コラーゲン線維は、成熟し増殖して架橋形成が進行すると太く直線的な線維束となり、若い皮膚での適度なハリを与えている。しかし老化した皮膚では、真皮細胞外マトリックスのコラーゲン線維が著しく減少し、本来の弾力性に富むハリが失われてしまう。その結果、皮膚にはシワやタルミが形成される。光老化によるヘアレスマウスのコラーゲン線維束構造の変化が詳細に検討され(非特許文献1参照)、UVBを照射したヘアレスマウスには、シワが形成され、シワの形成と一致するようにコラーゲン線維束構造が崩壊し皮膚弾力性が低下していくことが示されている。また、コラーゲンは水分保持機能に優れていることも知られている。
【0005】
コラーゲンの減少による状態を改善するために、種々のコラーゲン合成促進物質が見出されている。例えば、レチノイン酸(非特許文献2)、グリシン及びプロリン及びアラニンからなる3種アミノ酸(特許文献1)、カンゾウ、ソウハクヒ、アロエ、スギナ、キンギンカ、オウバク、ガイヨウ又はゲンチアナなどの植物抽出物(特許文献2)、TGF−β、アスコルビン酸類等が知られている。アスコルビン酸類にはコラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果があることが知られている。
【0006】
更にアスコルビン酸類に、低分子ベタインを併用することによって(特許文献3)、又はδ−トコフェリルレチノエートを併用することによって(特許文献4)、コラーゲン合成促進作用が増強されることも報告されている。
【0007】
また、真皮の主細胞である線維芽細胞は、上述のようなコラーゲンや、皮膚の弾力性を維持しているエラスチン、皮膚の保湿力に大きな影響を与えるムコ多糖類(例、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)等を産生する。ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等の外的因子の影響や、加齢により、線維芽細胞自体の増殖能力が低下し、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、皮膚の老化(例えば、皮膚の弾力性もしくはハリの低下や、皮膚のシワもしくはタルミ等)が加速されることが知られている。
【0008】
従って、線維芽細胞の増殖を促進することもまた、皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防及び/又は改善や、皮膚のシワもしくはタルミの予防及び/又は改善に寄与すると考えられる。
【特許文献1】特開平7−194375号公報
【特許文献2】特開2001−206835号公報
【特許文献3】特開2005−239645号公報
【特許文献4】特開2005−263794号公報
【非特許文献1】Fragrance Journal、4、p36-37、1998
【非特許文献2】R. Marksら、 British Journal of Dermatology、122、91-98、1990
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような生体におけるコラーゲンの果たす役割の重要度に鑑み、顕著なコラーゲン産生促進能を有する更なる有用な新規組成物の開発が望まれている。本発明はかかる従来の問題に鑑み、顕著なコラーゲン産生促進能を有する有用な新規組成物を提供することを目的とする。また本発明は、線維芽細胞増殖促進能を有する有用な新規組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、アスコルビン酸類と、ダイズタンパク質をサーモリシンという特定のプロテアーゼで分解して得られる産物とを併用して用いることにより、アスコルビン酸類を単独で用いるよりも細胞におけるコラーゲン産生促進能が顕著に促進されることを見出し、また更に検討を重ねることにより、上記両成分の併用により、線維芽細胞の増殖が相乗的に促進されることをも見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
従って、本発明は以下を提供する。
(1)(A)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種と、(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを含有する組成物。
(2)細胞におけるコラーゲン産生を促進するために使用され得る、項目(1)に記載の組成物。
(3)線維芽細胞増殖を促進するために使用され得る、項目(1)又は(2)に記載の組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、顕著なコラーゲン産生促進能を有する有用な新規組成物が提供される。本発明の組成物は、細胞におけるコラーゲン産生を促進するために使用することができ、例えば、抗シワ用組成物、抗タルミ用組成物、関節障害の予防又は治療用組成物、炎症性疾患の予防又は治療用組成物などとして有益に使用することができる。また本発明により、線維芽細胞増殖促進能を有する有用な新規組成物が提供される。なお、後述の実施例に示されるように、本願組成物により得られる飛躍的に高いコラーゲン産生促進作用は、コラーゲンを産生する線維芽細胞の増殖促進効果のみに起因するものではないことが示唆されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
【0014】
本発明は、(A)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種と、(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを含有する組成物である。
【0015】
本発明に用いられる、アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩〔本明細書では、これらを総称して「アスコルビン酸類」ということがある〕は、医薬品、医薬部外品、化粧品または食品の分野において用いられ得るものであれば特に限定されない。本発明には、アスコルビン酸類のD体、L体、DL体をいずれも用いることができるが、好ましくはL体が用いられる。
【0016】
アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸のエステル誘導体やエーテル誘導体等が挙げられる。
【0017】
アスコルビン酸のエステル誘導体としては、アスコルビン酸と、カルボン酸、硫酸、スルホン酸、リン酸等の酸類とのエステル誘導体が挙げられる。アスコルビン酸の2位、3位、5位及び6位のヒドロキシ基のいずれがエステル化されていてもよく、また2以上のヒドロキシ基がエステル化されていても良い。2以上のヒドロキシ基がエステル化されている場合、酸の残基は同一でも異なっていてもよい。
【0018】
カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の炭素数1〜22の脂肪族カルボン酸が挙げられ、好ましくは飽和又は不飽和の炭素数2〜18の脂肪族カルボン酸である。具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、プロピオル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノレン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はそのモノエステル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルエステル等);レチノイン酸等が挙げられる。また、脂肪族カルボン酸は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、炭素数7〜12の芳香族カルボン酸が挙げられ、好ましくは炭素数7〜10の芳香族カルボン酸である。具体例としては、安息香酸、ナフトエ酸、桂皮酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられる。また、芳香族カルボン酸は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0019】
硫酸は硫酸モノエステルであってもよく、具体例としては、硫酸;硫酸のモノアルキルエステル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルモノエステル等)等が挙げられる。
【0020】
スルホン酸の具体例としては、スルホン酸;メチルスルホン酸、エチルスルホン酸等の炭素数1〜6のアルキルスルホン酸等が挙げられる。
【0021】
リン酸はリン酸モノエステル、リン酸ジエステルであってもよく、具体例としては、リン酸;リン酸のモノアルキルエステル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルモノエステル等);リン酸のジアルキルエステル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルジエステル等)等が挙げられる。
【0022】
アスコルビン酸のエステル誘導体の具体例としては、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(VCIP)等のアスコルビン酸とカルボン酸とのエステル誘導体;アスコルビン酸−2−硫酸エステル等のアスコルビン酸と硫酸とのエステル誘導体;アスコルビン酸−2−スルホン酸エステル等のアスコルビン酸とスルホン酸とのエステル誘導体;アスコルビン酸モノリン酸エステル、アスコルビン酸ジリン酸エステル、アスコルビン酸トリリン酸エステル等のアスコルビン酸とリン酸とのエステル誘導体;アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸エステル(APPS)等が挙げられる。
【0023】
アスコルビン酸のエーテル誘導体としては、アスコルビン酸のヒドロキシ基の水素原子がアルキル基、アルケニル基、アリール基、糖残基等で置換されたものが挙げられる。アスコルビン酸の2位、3位、5位及び6位のヒドロキシ基の水素原子のいずれが置換されていてもよく、また2以上のヒドロキシ基が置換されていても良い。2以上のヒドロキシ基が置換されている場合、該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0024】
アルキル基としては、炭素数1〜22のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基である。具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基(例、1−ブテニル、2−ブテニル)等が挙げられる。
これらアルキル基及びアルケニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基、オキソ基、フェニル基等が挙げられる。
【0025】
アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基)等が挙げられる。また、アリール基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
糖残基としては、単糖残基、オリゴ糖残基等が挙げられる。単糖残基の具体例としては、グルコース残基、フラクトース残基、ガラクトース残基、マンノース残基、タロース残基、イドース残基、アルトロース残基、アロース残基、グロース残基、キシロース残基、リボース残基、アラビノース残基、ラムノース残基、フコース残基、グルクロン酸残基等が挙げられる。オリゴ糖残基としては、2〜10の単糖からなるオリゴ糖残基が挙げられる。オリゴ糖残基の構成単糖としては、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノース、タロース、イドース、アルトロース、アロース、グロース、キシロース、リボース、アラビノース、ラムノース、フコース、グルクロン酸等が挙げられ、これらは同一又は異なっていてもよい。糖残基のヒドロキシ基の水素原子は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜7のアシル基(例、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等)、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)等が挙げられる。
【0026】
アスコルビン酸のエーテル誘導体の具体例としては、アスコルビン酸グルコシド(例、アスコルビン酸−2−グルコシド)などが挙げられる。
【0027】
アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体の塩としては、具体的には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム等の多価金属塩などの各種の金属塩;アンモニウムやトリシクロヘキシルアンモニウム等のアンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の各種のアルカノールアミン塩等が用いられ得る。
【0028】
本発明では、アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩として、好ましくは、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体;パルミチン酸アスコルビル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、アスコルビン酸グルコシド(例えば、アスコルビン酸−2−グルコシド)、テトライソパルミチン酸アスコルビル(VCIP)、アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸エステル(APPS)及びそれらの塩(例えば、L−アスコルビン酸モノリン酸エステルナトリウム塩やリン酸L−アスコルビルマグネシウムなど)が用いられる。本発明の組成物を外用組成物として用いる場合には、皮膚や粘膜に対する安全性と作用効果の高さから、特に好ましくは、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル及びそれらの塩(例えば、L−アスコルビン酸モノリン酸エステルナトリウム塩(リン酸L−アスコルビルナトリウム)など)、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸−2−グルコシド、テトライソパルミチン酸アスコルビル(VCIP)、アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸エステル(APPS)、リン酸L−アスコルビルマグネシウムが用いられる。
【0029】
本発明において、上記のアスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0030】
本発明の組成物に配合するアスコルビン酸類の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、通常は組成物全体に対して0.00001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは、0.01重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上であり、配合上限は好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下とするのがよい。
【0031】
本発明にはさらに、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物が用いられる〔本明細書では、これを「ダイズサーモリシン分解物」ということがある〕。
【0032】
ダイズ(Glycin max)は、背丈約60〜70cm程度となるマメ科の一年草植物である。その種子は、枝豆などとして、あるいは豆腐や味噌、醤油などに加工されて、食用に供されることが多いことで知られる。
【0033】
本発明に用いられるダイズタンパク質は、かかるダイズ植物に由来する任意のタンパク質であり得るが、好ましくは、ダイズ植物の種子に由来する任意のタンパク質であり得る。
【0034】
本発明においては、ダイズタンパク質の供給源として、ダイズ植物そのものやダイズ植物の種子そのもの、或いは該植物や該種子の破砕物又は粉砕物等を用いてもよいが、好ましくはダイズ植物中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したもの、より好ましくは、ダイズ植物の種子中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したものが用いられる。このように分離・精製して得られたダイズタンパク質は、それをサーモリシンで分解して得られる産物が本願効果を奏し得る限り、ダイズ植物またはダイズ植物の種子中に含まれる実質的に全種類のタンパク質を含むものでもよいし、一部の種類のタンパク質を含むものであってもよい。
【0035】
ダイズタンパク質としては、市販品も好適に用いることができ、例えば、日清コスモフーズ(株)、ADMファーイースト(株)、昭和産業(株)、不二製油(株)、(株)光洋商会などの製造業者または供給業者から容易に入手可能である。
【0036】
なお本明細書において、ダイズ植物の種子とは、ダイズ種子と通常呼ばれる構造物全体を指すのみならず、例えば、脱皮ダイズ種子、脱脂ダイズ種子(粉末状のもの等)、ダイズ種子全体より得られる雪花菜(オカラ)、豆乳等でもあり得る。
【0037】
本発明に用いられるサーモリシン(EC3.4.24.4)は、Bacillus thermoproteolyticusという耐熱性菌によって生産される耐熱性のプロテアーゼとして周知のものである。サーモリシンは一般に、大きな側鎖をもった疎水性のアミノ酸残基(例えば、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、アラニンなど)のアミノ基側のペプチド結合を切断することが知られている。
【0038】
サーモリシンには、市販品も好適に用いることができ、例えば、大和化成(株)などの製造業者から容易に入手可能である。
【0039】
また本発明においては、サーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性など)を有するプロテアーゼとして当該分野で公知のプロテアーゼもまた、サーモリシンとして用いることができる。
【0040】
ダイズタンパク質をサーモリシンで分解する場合に用いられる反応条件は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、市販のサーモリシンを使用する場合には、その使用説明書に従って使用することができる。具体的な例としては、水などの溶媒に、ダイズタンパク質濃度が、一般的には0.1〜30%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)程度となるようにダイズタンパク質又はダイズタンパク質を含む原料を懸濁し、この懸濁液に、一般的には0.001〜3%(w/v)、好ましくは0.01〜0.125%(w/v)程度となるようにサーモリシンを加えて分解反応を行う態様が挙げられる。一般的には、30〜80℃、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50〜60℃の反応温度が使用され得る。また一般的には、2〜30時間、好ましくは3〜24時間、より好ましくは10〜20時間、さらに好ましくは12〜18時間の反応時間が使用され得る。反応液のpHとしては、サーモリシンの至適pH付近であることが好ましく、例えば7.0〜8.5付近であることが好ましい。
【0041】
反応の停止手段についても、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。かかる手段としては、例えば、加熱処理等が挙げられる。例えば、上記反応物を80〜100℃程度の温度で3〜20分間、好ましくは5〜15分間、加熱処理することにより、反応物中に含まれるサーモリシンを失活させることができる。例えば、かかる加熱処理としては、85℃で15分間の加熱処理や100℃で5分間の加熱処理などが挙げられる。
【0042】
上記のような分解反応により得られるダイズサーモリシン分解物は、必要に応じて、当業者に公知の任意の方法によりさらに処理され得る。例えば、ろ過等の処理により、該分解物中の大きな固体粒子を取り除くことが好ましい。ろ過条件等は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、ろ紙が目詰まりを起こしやすい場合等には、ろ過助剤等も好適に用いられ得る。
【0043】
また、前記分解物を減圧濃縮し、次いで凍結乾燥することにより、粉末化することもできる。減圧濃縮および凍結乾燥の際に使用される条件や機器類は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。このようにして粉末化された分解物は、そのまま又は水などの溶媒に溶かして、用いることができる。
【0044】
本発明に用いられる分解物は、ダイズタンパク質をサーモリシンで分解することにより生じた多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態であってもよいし、又は、そのような多種多様なペプチドを、細胞におけるコラーゲン産生促進能の有無を指標として及び/又は線維芽細胞増殖促進能を指標として、公知の方法でさらに分画・精製して得られる一部分などであってもよい。しかし簡便には、ダイズタンパク質をサーモリシンで分解して得られる多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態でそのまま用いる。コラーゲン産生促進能の有無及び/又は線維芽細胞増殖促進能の有無は、例えば、後述の実施例等に記載のようにして確認することができる。
【0045】
なお、本明細書において用語「細胞におけるコラーゲン産生促進能を有する」とは、被験物を細胞に作用させた場合に、当該被験物を細胞に作用させない場合と比較して、細胞におけるコラーゲンの産生量が増加することを意味する。特定の態様では、当該用語における細胞とは線維芽細胞を意味し、さらに特定の態様では皮膚線維芽細胞を意味する。
また、本発明において用語「線維芽細胞増殖促進能を有する」とは、被験物を線維芽細胞に作用させた場合に、当該被験物を作用させない場合と比較して、線維芽細胞の増殖が促進されることを意味する。特定の態様では、当該用語における線維芽細胞とは皮膚線維芽細胞を意味する。
【0046】
本発明に用いられるダイズタンパク質のサーモリシン分解物の平均分子量は、好ましくは300〜10000である。該平均分子量は、細胞への浸透性を高めてより高い効果を得る観点から、より好ましくは400〜5000であり、さらに好ましくは500〜3500であり、さらにより好ましくは550〜3200であり、特に好ましくは1000〜2000である。分解物の平均分子量は、当業者に公知の任意の方法により測定することができ、例えば、後述の実施例に記載のようにしてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により容易に測定することができる。
【0047】
本発明の組成物に配合するダイズサーモリシン分解物の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、通常は組成物全体に対して0.0001〜70重量%、より好ましくは0.001〜50重量%、さらに好ましくは0.001〜30重量%、さらにより好ましくは0.01〜20重量%とするのがよい。
【0048】
また、本発明の組成物におけるアスコルビン酸類とダイズサーモリシン分解物との重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、通常は、アスコルビン酸類1重量部に対してダイズサーモリシン分解物が0.001〜10000重量部、好ましくは0.01〜5000重量部、より好ましくは0.1〜3000重量部、さらに好ましくは0.1〜2000重量部の範囲内とするのがよい。
【0049】
本発明の組成物には、前述したようなアスコルビン酸類及びダイズサーモリシン分解物に加えて、アスコルビン酸類又はダイズサーモリシン分解物の作用を増強または補足する目的で、あるいは本願組成物に他の有用な作用を付加するため、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、ヒアルロン酸等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分または保湿成分の1種または2種以上の成分である。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、食品または化粧品分野において使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0050】
例えば、美白成分としては、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。このうち、好ましいものとしては、パントテン酸又はその誘導体、エラグ酸、フィチン酸、ビタミンA又はその誘導体を挙げることができる。これらの美白成分は1種または2種以上を用いてもよい。
【0051】
美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウの植物由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニンの植物由来成分が挙げられる。これらの植物成分を本発明の組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の( )内は、その植物の学名、別名または生薬名である。
【0052】
上記美白成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0053】
美白成分として美白作用のある植物成分を用いる場合は、目的に応じて1種もしくは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。上記植物成分を美白成分として用いる場合、本願組成物への配合割合は、エキスや精油などの抽出物換算で、通常0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。
【0054】
抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはアラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、グアイアズレン、メントールである。
【0055】
上記抗炎症成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0056】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。好ましくは、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。さらに好ましくは、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールである。
【0057】
上記抗菌成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0058】
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。好ましくは、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類である。
【0059】
上記細胞賦活化成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0060】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。好ましくは、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸である。
【0061】
収斂成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合は、通常0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0062】
抗酸化成分としては、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。好ましくは、チオタウリン、ヒポタウリン、チオレドキシン、フラボノイドである。
【0063】
抗酸化成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。
【0064】
老化防止成分としては、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。好ましくは、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、カイネチンである。
【0065】
上記老化防止成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0066】
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分等が挙げられる。好ましいものは、アラニン、セリン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、水素添加レシチン、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウムである。
【0067】
保湿成分を用いる場合、本願組成物に配合する割合としては、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7.5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%を挙げることができる。
【0068】
本発明の組成物は、上記各成分に加えて組成物の用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品または食品の分野に通常使用される成分を適宜配合しても良い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、アミノ酸類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、ガム質、多糖類などの高分子化合物、界面活性剤、可溶化成分、油脂類、経皮吸収促進成分、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤の他、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤または湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤または香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤または粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤などをあげることができる。特に界面活性剤、可溶化成分または油脂類を配合することによって、製剤中におけるアスコルビン酸類の安定性を高めることができ、また外用組成物とする場合にはその製剤の使用感をより向上させることができる。また発明の組成物が外用組成物である場合には、さらに経皮吸収促進成分を配合するのが好ましい。
【0069】
ここで用いられる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)−オクチルドデシルアルコールやPOE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE−分岐アルキルエーテル;POE −オレイルアルコールエーテルやPOE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、及びPOE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;POE−グリセリンモノオレエート、POE−グリセリンモノステアレート、及びPOE−グリセリンモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、及びPOE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;POE−オクチルフェニルエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;POE−モノステアリルグリセリルエーテル、POE−モノミリスチルグリセリルエーテル等のPOE−グリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、等の各種非イオン界面活性剤:あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0070】
界面活性剤を使用する場合、本願組成物への配合割合としては、本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、通常は本願組成物中に0.01〜30重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができる。本願組成物中の有効成分の安定性等の観点からは、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲を挙げることができる。
【0071】
可溶化成分としては、例えば、エタノール等の低級アルコール、グリセリン,エチレングリコール等の多価アルコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、より好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質である。これらの可溶化成分は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0072】
これらの可溶化成分を使用する場合、本願組成物への配合割合としては、本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、通常は本願組成物中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができる。本願成物中の有効成分の安定性等の観点からは、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%の範囲を挙げることができる。
【0073】
油脂類としては、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂;大豆油、米油、菜種油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヒマワリ油、パーム油、アマ油、シソ油、シア油、サル油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、及びアボガド油等の植物油脂;ミンク油、卵黄油、牛脂、乳脂、及び豚脂等の動物油脂;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステルやエーテル類;シリコーン油等が挙げられる。これらの油脂類は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0074】
これらの油脂類を使用する場合、本願組成物への配合割合としては、本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、通常は本願組成物中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができる。本願組成物中の有効成分の安定性等の観点からは、好ましくは0.1〜60重量%、より好ましくは0.1〜50重量%の範囲を挙げることができる。
【0075】
本発明の組成物は、その用途に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品に通常使用される剤形をとることができ、通常、固形剤、半固形剤または液剤である。具体的には、錠剤(口腔内速崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、軟膏剤、ゼリー剤などの公知の形態をとることができる。また、必要に応じてその他の溶媒や通常使用される基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
【0076】
これらの剤形は当該分野の通常の方法にて製造することができる。例えば、半固形剤であれば、上述のようなアスコルビン酸類とダイズサーモリシン分解物に加えて必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用組成物の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
【0077】
本発明の組成物は、本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、例えば医薬品、医薬部外品、食品[菓子、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメントなど)を含む)、栄養機能食品、特定保健用食品を含む]などとすることができ、また化粧品ではファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料、入浴剤などとすることができる。
【0078】
本発明の組成物は内服用組成物としても外用組成物としても好適に用いられ得る。
【0079】
本発明の組成物は顕著なコラーゲン産生促進能を有するので、細胞におけるコラーゲン産生を促進するために好適に使用され得る。例えば、本発明の組成物は、コラーゲンの減少や変性などに伴う各種障害(角膜潰瘍などの角膜障害、リューマチ,関節炎,変形性関節炎,骨関節炎などの関節障害、炎症性障害等)の治療又は予防用組成物、コラーゲンの減少や変性などに起因する美容上の問題を予防又は治療するための組成物(例えば、紫外線曝露や加齢等によるコラーゲンの減少や変性などに起因する皮膚のシワもしくはタルミの予防および/または改善のための組成物、或いはコラーゲンの減少や変性などに起因する皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防および/または改善のための組成物等)等として好適に用いることができる。
【0080】
また本発明の組成物は、線維芽細胞増殖促進能を有するので、例えば、線維芽細胞の減少や不活性化などに伴う美容上の問題を予防又は治療するための組成物(例えば、紫外線曝露や加齢等による線維芽細胞の減少や不活性化などに起因する皮膚のシワもしくはタルミの予防および/または改善のための組成物、或いは線維芽細胞の減少や不活性化などに起因する皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防および/または改善のための組成物等)等として好適に用いることができる。
【実施例】
【0081】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0082】
実施例1
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の調製
粉末状分離ダイズタンパク質(製品名「PR-800」、不二製油株式会社製)50gを2Lの蒸留水に分散し、0.1N NaOHでpH8.0に調整した。500mgのサーモリシン(EC3.4.24.4、Bacillus thermoproteolyticus由来、製品名「サモアーゼPC10F」、大和化成株式会社製、100 units/mg)を添加して、60℃で15時間での分解を行なった。反応後、100℃で10分間煮沸してサーモリシンを失活させた。放冷後、25gのろ過助剤(ラジオライト500、昭和化学工業株式会社)を添加し、撹拌した後、ろ過を行なった。得られたろ液を500mlまで減圧濃縮し、その後凍結乾燥をして、最終的に約26gのダイズタンパク質サーモリシン分解物を得た。
【0083】
このようにして得られた分解物の平均分子量をGPC法により測定した。凍結乾燥後のダイズサーモリシン分解物100mgを、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)2.0ml中に溶解し、被験溶液とした。Sephadex G25(Mediumタイプ、Amersham Biosciences社製)を充填したカラム(φ2.6×100cm)を、同じ0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化した。このカラムに被験溶液を2.0ml負荷して、流速1.0ml/分で溶出した。分子量既知のペプチド標品として、Insulin(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量5733)、Insulin A chain(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量2532)、およびBradykinin(シグマ社製、分子量1050)を用いた。214nmでペプチドを検出し、溶出時間から分子量分布および平均分子量を推定した。その結果、上記方法により得られたダイズサーモリシン分解物の平均分子量は、約1500であることが推定された。
実施例2
皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン産生検定
ヒト正常皮膚由来線維芽細胞(CRL−1836)を、48ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、1.0×10細胞/ウェルの密度でプレートに播種し、37℃で、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で2日間培養を行った。培養液は、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)に牛胎仔血清(FBS)を10重量%の濃度で含有した培地を各ウェル400μlずつ使用した。次いで、FBSを添加しない上記培養液すなわち無血清培地に交換し、さらに1日間培養した。その後、培養液を除去し、下記の表1に示す被験薬をそれぞれの濃度で溶解した400μlの無血清培地に交換して培養した。一方、L−アスコルビン酸もダイズサーモリシン分解物も添加しない無血清培地を400μl添加したものをコントロールとして用いた。3日間培養した後、培養液を採取し、培養液中に分泌されたタイプIコラーゲン濃度を、酵素結合免疫測定法(Anti−Human Procollagen typeI C−peptide EIA Kit;タカラバイオ株式会社製)で定量した。定量結果をもとに、コントロール培養液中のタイプIコラーゲン量を100%として各被験培養液中のコラーゲン量を算出した。この結果を表1に纏める。
【0084】
【表1】


【0085】
この結果から、L−アスコルビン酸とダイズサーモリシン分解物とを併用した培養液で培養した細胞では、L−アスコルビン酸単独の培養液で培養した場合よりもコラーゲン産生量が顕著に増加し、ダイズタンパク質をサーモリシンという特定のプロテアーゼで処理することにより得られる分解物がL−アスコルビン酸のコラーゲン産生促進能を飛躍的に増強し得ることが実証された。
また、L−アスコルビン酸とダイズサーモリシン分解物とを組み合わせることにより得られるコラーゲン産生促進作用は、相乗効果的に著しく高いものであることも同時に認められた。
【0086】
さらに培養液を採取した後の細胞についてWST−1法により生細胞数を計測した。より詳細には、400μl培地中10μlの割合でWST−1試薬を添加したものに培地交換し、次いで45分間培養後、その上清を200μl分取し吸光度を測定した。その結果、L−アスコルビン酸とダイズサーモリシン分解物とを併用した培養液で培養されることによる生細胞数の有意な減少は認められず、生体に対して安全に使用できるものであることが確認された。
【0087】
実施例3
ダイズサーモリシン分解物の分子量分画物の調製
ダイズサーモリシン分解物の分子量分画物を用いても、L−アスコルビン酸のコラーゲン産生促進能を増強し得るかどうかを探るため、被験材料として、実施例1で調製したダイズサーモリシン分解物の他に、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の分子量分画物の調製を行った。
【0088】
具体的には、脱脂大豆粉末(商品名プロファム974、ADMファーイースト株式会社製)1gを40mlの蒸留水に分散し、0.1N NaOHでpH8.5に調整した。これに50mgのサーモリシン(製品名「サモアーゼPC10F」、大和化成株式会社製)を添加して、60℃で15時間での分解を行った。反応後、100℃で10分間煮沸してサーモリシンを失活させた。放冷後、1gのろ過助剤(ラジオライト500、昭和化学工業株式会社)を添加し、撹拌した後、ろ過を行った。
【0089】
上述のようにして得られたろ液40mlを、強酸性イオン交換樹脂(商品名「Dowex 50W×2,H+form,50−100mesh」、ダウケミカルカンパニー製)を充填した150ml容カラムに通した後、カラムの5倍容の脱イオン水で洗浄し、非ペプチド成分を除去した。2Mのアンモニア溶液を通液し、カラム吸着成分を溶出させて、ペプチド画分を回収した。エバポレーターを用いてアンモニアを除去し、更に濃縮して乾固させた。5mlの水を加えて乾固物を溶解した後、遠心分離(10,000rpm、30分間)を行い、不溶物を除去した。その上清を凍結乾燥した結果、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物として、125mgの粗ペプチドが得られた。
【0090】
次いで、GPC法により分子量分画を行った。Sephadex G−25(Mediumタイプ、Amersham Biosciences社製)を充填したカラム(φ2.6×100cm)を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化した。次いで、このカラムに、凍結乾燥後の上記粗ペプチド125mgを0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)2.0ml中に溶解した粗ペプチド溶液を全量負荷し、流速1.0ml/分で溶出した。分子量既知のペプチド標品として、実施例1で使用したものと同様の標品を用い、214nmでペプチドを検出した。溶出時間から分子量分布および平均分子量を推定した。分子量分布3000〜3400(平均分子量約3200)のフラクション(F1)、分子量分布2000〜3000(平均分子量約2500)のフラクション(F2)、分子量分布1000〜2000(平均分子量約1500)のフラクション(F3)、および分子量分布100〜1000(平均分子量約550)のフラクション(F4)を得た。これらを脱塩処理後に凍結乾燥することにより、26.0mg(F1)、32.8mg(F2)、16.4mg(F3)および4.2mg(F4)の粉末を得た。
【0091】
実施例4
ダイズサーモリシン分解物の分子量分画物のコラーゲン産生促進能検定
以上のようにして調製された分子量分画物を用いて、コラーゲン産生促進能の検定を行った。
まず、ヒト正常皮膚由来線維芽細胞(CRL−1836;ATCC)を、48ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、12500細胞/1cm密度でプレートに播種し、37℃で、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で約72時間培養を行った。培養液は、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(D−MEM)に牛胎仔血清(FBS)を10重量%の濃度で含有した培地を各ウェル500μlずつ使用した。細胞がコンフルエントになった時点で、培養液を除去し、下記の表2に示す被験物を100μg/ml添加したD−MEM培地を500μlずつ添加した。なお、実施例1で調製したダイズサーモリシン分解物も実施例3で調製した分子量分画物も添加しない培地を500μl添加したものをコントロールとして用いた。72時間培養した後、培養液を採取し、培養液中に分泌されたタイプIコラーゲン濃度を、酵素結合免疫測定法(Anti−Human Procollagen typeI C−peptide EIA Kit;タカラバイオ株式会社製)で定量した。定量結果をもとに、コントロール培養液中のタイプIコラーゲン量を100%として各被験培養液中のタイプIコラーゲン量を算出した。結果を表2に纏める。
【0092】
【表2】


【0093】
以上の結果に示されるように、ダイズサーモリシン分解物の分子量分画物を用いる場合であっても、実施例2で実証されたダイズサーモリシン分解物と同様に、L−アスコルビン酸のコラーゲン産生促進能を増強できるものと認められた。
【0094】
実施例5
皮膚線維芽細胞の増殖促進試験
上記実施例2において認められた、アスコルビン酸類とダイズサーモリシン分解物との併用によるコラーゲン産生促進効果の作用機序について詳しく調べるため、コラーゲンを産生する線維芽細胞の増殖に対する両成分の影響を検討した。
<1> L−アスコルビン酸とダイズサーモリシン分解物の併用作用:
ヒト正常皮膚由来線維芽細胞(NHDF;CRL−2089)を、96ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、1280細胞/ウェルの密度でプレートに播種し、37℃で、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で24時間培養を行った。培養液は、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)に牛胎仔血清(FBS)を10重量%の濃度で含有した培地を各ウェル200μlずつ使用した。次いで、上記培養液からFBSを抜いた無血清培地に交換し、さらに24時間培養した。その後、培養液を除去し、下記の表3に示す被験薬をそれぞれの濃度で溶解した200μlの無血清培地に交換して培養した。一方、L−アスコルビン酸もダイズサーモリシン分解物も添加しない無血清培地を200μl添加したものをコントロールとして用いた。さらに24時間培養した後、WST−1法よりも高感度とされているWST−8法にて各ウェル中の生細胞数を計測した(Cell Counting Kit−8;(株)同仁化学研究所製)。測定結果をもとに、コントロールにおける生細胞数を100%として、各被験薬添加群の生細胞数(%)を算出した。この結果を表3に纏める。
【表3】


【0095】
この結果から、L−アスコルビン酸とダイズサーモリシン分解物とを併用した培養液で培養した場合には、それぞれを単独で用いて培養する場合と比較して、線維芽細胞数が相乗的に増加することが認められた。しかしここで確認された相乗的な線維芽細胞増殖促進効果は、両者の併用による飛躍的に高いコラーゲン産生促進効果に比べるとやや緩やかなものであると考えられた。そのため、線維芽細胞増殖促進作用は、両成分の併用により奏される飛躍的に高いコラーゲン産生促進の作用機序の一端を担う可能性はあるものの、この線維芽細胞増殖促進作用のみにより、あれほどまでに高いコラーゲン産生促進効果が得られたとは考え難く、両成分の併用によるコラーゲン産生促進作用には、その他の作用機序も関与していることが示唆された。
【0096】
<2> リン酸L−アスコルビルマグネシウムとダイズサーモリシン分解物の併用作用:
L−アスコルビン酸に代えて、リン酸L−アスコルビルマグネシウムを用い、上記<1>と同様にして、ヒト正常皮膚由来線維芽細胞に対する増殖促進作用を調べた。その結果を、下記の表4に纏める。
【表4】


【0097】
この結果から、リン酸L−アスコルビルマグネシウムとダイズサーモリシン分解物を併用する場合であっても、相乗効果的に線維芽細胞数を増加させ得ることが明らかとなった。
【0098】
以下に製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0099】
製剤実施例1:乳液
〔成分〕 〔比率〕
アスコルビン酸グルコシド 2.0
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量1500) 0.5
スクワラン 2.0
流動パラフィン 5.0
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(25)セチルエーテル 2.0
トリエタノールアミン 0.8
グリセリン 4.0
1,3-ブチレングリコール 6.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0100】
製剤実施例2:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
テトライソパルミチン酸アスコルビル(VCIP) 1.0
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量1500) 1.0
ワセリン 1.0
スクワラン 5.0
流動パラフィン 10.0
ステアリン酸 1.5
ステアリルアルコール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(20)セチルエーテル 3.0
トリエタノールアミン 1.0
グリセリン 6.0
1,3-ブチレングリコール 8.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0101】
製剤実施例3:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
L−アスコルビン酸モノリン酸エステルナトリウム塩 0.2
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量1500) 0.1
POE(20)ソルビタンモノイソステアリン酸エステル 0.3
コハク酸 0.2
コハク酸ナトリウム 0.5
エデト酸三ナトリウム 0.05
1,3-ブチレングリコール 6.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0102】
製剤実施例4:飲料
〔成分〕 〔比率〕
L−アスコルビン酸 0.5
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量1500) 1.0
ビタミンB2 0.005
エリスリトール 10.0
酸味料 1.0
甘味料 1.0
香料 0.01
精製水 残量
100.0重量%
【出願人】 【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
【出願日】 平成19年6月22日(2007.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−24703(P2008−24703A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−165685(P2007−165685)