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【発明の名称】 安定化された固形製剤
【発明者】 【氏名】大森 真治

【氏名】松岡 翠

【要約】 【課題】結晶水を失うと不安定化する薬物を含有する固形製剤においてその薬物含量のみならず外観も安定化された固形製剤の提供。

【構成】結晶水を失うと不安定化する薬物および水溶性高分子を含有する顆粒または細粒を含有する主薬層と、該主薬層上に形成された水溶性高分子および糖質を含有する被覆層とを有する安定化された固形製剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶水を失うと不安定化する薬物および水溶性高分子を含有する顆粒または細粒を含有する主薬層と、該主薬層上に形成された水溶性高分子および糖質を含有する被覆層とを有する安定化された固形製剤。
【請求項2】
さらに、主薬層と被覆層の間に水溶性高分子を含有する中間被膜層を有する請求項1記載の固形製剤。
【請求項3】
顆粒または細粒が、さらに糖質を含有することを特徴とする請求項1または2記載の固形製剤。
【請求項4】
結晶水を失うと不安定化する薬物の20℃における水に対する溶解度が、0.1w/w%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
【請求項5】
結晶水を失うと不安定化する薬物が、アズレンスルホン酸ナトリウムである請求項4記載の固形製剤。
【請求項6】
水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、アラビアゴムおよびプルランからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
【請求項7】
糖質が、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、マンニトール、精製白糖、白糖、トレハロース、ソルビトール、キシリトールおよび乳糖からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
【請求項8】
結晶水を失うと不安定化する薬物の含有量が、製剤全量の10重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
【請求項9】
結晶水を失うと不安定化する薬物1重量部に対し、水溶性高分子を1〜100重量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
【請求項10】
結晶水を失うと不安定化する薬物1重量部に対し、糖質を1〜1000重量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
【請求項11】
錠剤または顆粒剤、または該錠剤もしくは顆粒剤を含有するカプセル剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
【請求項12】
結晶水を失うと不安定化する薬物および水溶性高分子を溶解した溶液を用いて顆粒または細粒を調製し、次いで該顆粒または細粒を用いて製造することを特徴とする請求項1または2記載の固形製剤の製造方法。
【請求項13】
結晶水を失うと不安定化する薬物、水溶性高分子および糖質を溶解した溶液を用いて顆粒または細粒を調製し、次いで該顆粒または細粒を用いて製造することを特徴とする請求項3記載の固形製剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶水を失うと不安定化する薬物を含有する固形製剤において、その含量および外観の安定化に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物の不安定化機構は様々である。その中のひとつとして、薬物中の結晶水を失うと不安定化する薬物があることが知られている。しかし、その安定化には一般的な方法は未だ確立されておらず、その薬物に適した安定化方法の模索がなされているのが現状である。例えば、アズレンスルホン酸ナトリウムは1/2水和物、あるいは1水和物として存在していることが知られており、熱等により、結晶水を失い、不安定化することが知れられている(非特許文献1)。その安定化には、例えば、高分子化合物と一緒に噴霧乾燥あるいは凍結乾燥する方法(特許文献1および2)や2軸エクストルーダーにより処理することによる安定化方法(非特許文献1)などが提示されている。しかし、これらの方法は、固形製剤を製造するには、特別な機器を必要としたり、方法が煩雑であるなどの理由により、結晶水を失うと不安定化する薬物を固形製剤化するのにこれらの方法を用いることは、汎用的に工業化できにくかった。そのため、通常の固形製剤製造方法(例えば、流動層造粒機を用い、打錠用顆粒を製造し、打錠し、素錠を得る。その素錠にコーティングを施し、コーティング錠とする等)の範疇での安定化が望まれていた。
また、治療効果の増大のために、結晶水を失うと不安定化する薬物に他の薬物を配合した配合剤を製造する場合、上記の高分子化合物と一緒に噴霧乾燥あるいは凍結乾燥する方法や2軸エクストルーダーによる方法などを用いると、他の薬物が分解、変色し、安定な製剤が製造できない場合がある。特にビタミン類の中で、ビタミンC類は水分、金属等の存在下で熱により着色変化を起こし易く、ビタミンE類は低融点化合物であるため、熱により溶融、軟化が起こり、外観変化を起こし易い。そのため、結晶水を失うと不安定化する薬物にビタミン類として、特にビタミンC類、ビタミンE類を配合した場合は結晶水を失うと不安定化する薬物含量の安定化を達成しても、外観変化を起こし、外観不安定化を招くことがあった。
【特許文献1】特開平1−50225号公報
【特許文献2】特開平1−50226号公報
【非特許文献1】K.Nakamichi et al., Stabilization of sodium guaiazulene sulfonate in granules for tableting prepared using a twin-screw extruder, Eur. J. Pharm. Biopharm., 56, 347-354(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、水溶性高分子、更には糖質を用いることにより、結晶水を失うと不安定化する薬物の含量のみならず外観も安定化された固形製剤を、通常の固形製剤で用いる製造法である流動層造粒機、転動流動層造粒機、遠心流動型造粒機、押し出し造粒機、攪拌造粒機のいずれか1つまたは2つ以上を用いる方法により提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、結晶水を失うと不安定化する薬物を含有する固形製剤において、水溶性高分子、更には糖質を用いることにより、薬物の含量のみならず外観も安定化された固形製剤を製造できることを見出した。
本発明においては、通常の固形製剤で用いる製造法である、流動層造粒機、転動流動層造粒機、遠心流動型造粒機、押し出し造粒機、攪拌造粒機のいずれか1つ、場合によれば2つ以上の機器により、主薬を含む細粒または顆粒(以下、本明細書において、これらを「顆粒」と称する)を調製し、その顆粒、またはその顆粒を打錠することにより得られる素錠をコーティングすることにより得られる顆粒剤、錠剤またはこれらをカプセルに充填したカプセル剤等の固形製剤を提供することができる。
すなわち、本発明は、
(1)結晶水を失うと不安定化する薬物および水溶性高分子を含有する顆粒または細粒を含有する主薬層と、該主薬層上に形成された水溶性高分子および糖質を含有する被覆層とを有する安定化された固形製剤;
(2)さらに、主薬層と被覆層の間に水溶性高分子を含有する中間被膜層を有する上記(1)記載の固形製剤;
(3)顆粒または細粒が、さらに糖質を含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の固形製剤;
(4)結晶水を失うと不安定化する薬物の20℃における水に対する溶解度が、0.1w/w%以上である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤;
(5)結晶水を失うと不安定化する薬物が、アズレンスルホン酸ナトリウムである上記(4)記載の固形製剤;
(6)水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、アラビアゴムおよびプルランからなる群から選ばれる1種以上である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤;
(7)糖質が、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、マンニトール、精製白糖、白糖、トレハロース、ソルビトール、キシリトールおよび乳糖からなる群から選ばれる1種以上である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤;
(8)結晶水を失うと不安定化する薬物の含有量が、製剤全量の10重量%以下である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤;
(9)結晶水を失うと不安定化する薬物1重量部に対し、水溶性高分子を1〜100重量部含有する上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤;
(10)結晶水を失うと不安定化する薬物1重量部に対し、糖質を1〜1000重量部含有する上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤;
(11)錠剤または顆粒剤、または該錠剤もしくは顆粒剤を含有するカプセル剤である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤;
(12)結晶水を失うと不安定化する薬物および水溶性高分子を溶解した溶液を用いて顆粒または細粒を調製し、次いで該顆粒または細粒を用いて製造することを特徴とする上記(1)または(2)記載の固形製剤の製造方法;および
(13)結晶水を失うと不安定化する薬物、水溶性高分子および糖質を溶解した溶液を用いて顆粒または細粒を調製し、次いで該顆粒または細粒を用いて製造することを特徴とする上記(3)記載の固形製剤の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、水溶性高分子により、更には糖質により、結晶水を失うと不安定化する薬物の含量のみならず外観も安定化された固形製剤を、通常の固形製剤で用いる製造法である流動層造粒機、転動流動層造粒機、遠心流動型造粒機、押し出し造粒機、攪拌造粒機のいずれか1つまたは2つ以上を用いることにより提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に係る固形製剤は、結晶水を失うと不安定化する薬物および水溶性高分子を含有する顆粒または細粒を含有する主薬層と、該主薬層上に形成された水溶性高分子および糖質を含有する被覆層とを有する安定化された固形製剤であり、さらに該固形製剤の主薬層には糖質が含まれていてもよく、また主薬層と被覆層の間に中間皮膜層を有していてもよい。ここで、明細書において、「結晶水を失うと不安定化する」とは、薬物中の結晶水を失うことにより、結晶構造が変化、不安定化し、分解することをいう。従って、「安定化された」とは、結晶水を失うと不安定化する薬物からの結晶水の離脱を抑制することによって、固形製剤中に含まれる活性成分の含量変化や外観の変化が抑制されていることをいう。
【0007】
本発明における結晶水を失うと不安定化する薬物としては、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム、プラステロン硫酸ナトリウム、アンピシリン三水和物、セフィキシム三水和物等が挙げられる。製剤化の観点より、本発明における結晶水を失うと不安定化する薬物の20℃における水に対する溶解度が0.1w/w%以上であるもの、好ましくは1w/w%以上であるもの、例えばアズレンスルホン酸ナトリウムなどが好ましい。
本発明における結晶水を失うと不安定化する薬物の固形製剤中の含有率は、服用する固形製剤の大きさ、量の観点より、固形製剤全量の10重量%以下であり、好ましくは、5重量%以下である。
【0008】
また、本発明の主薬層には、結晶水を失うと不安定化する薬物以外に、他の活性成分が含まれていてもよい。このような活性成分としては、特に限定されないが、たとえば、ビタミン類、制酸剤、健胃薬、消化剤、止瀉剤、鎮痛鎮痙剤、粘膜修復剤等を配合することができる。
該ビタミン類としては、ビタミンCとして、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウムが挙げられる。また、ビタミンEとして、コハク酸dl−α―トコフェロールカルシウム、コハク酸d−α―トコフェロール、酢酸d−α―トコフェロールが挙げられる。また、L-システイン、ビタミンB1類(塩酸チアミン、硝酸チアミン、塩酸フルスルチアミン、塩酸ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン)、ビタミンB2類(リボフラビン、リン酸リボフラビン、酪酸リボフラビン)、ビタミンB6類(塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール)、ビタミンB12類(シアノコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、メコバラミン)、パントテン酸カルシウム、パントテン酸カルシウムタイプS、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ガンマーオリザノール、オロチン酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、ヨクイニン、ヘスペリジン、ビオチン、コンドロイチン硫酸ナトリム等が挙げられる。
制酸剤としては、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、アミノ酢酸、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、ロートエキス等が挙げられる。
健胃薬としては、アロエ、ウイキョウ、ウコン、オウバク、オウレン、加工大蒜、コウジン、コウボク、ショウキョウ、センブリ、ケイヒ、ダイオウ、チクセツニンジン、チンピ、トウヒ、ニガキ、ニンジン、ハッカ、ホップ、ウイキョウ油、ケイヒ油、ショウキョウ油、トウヒ油、ハッカ油、レモン油、l−メントール、塩酸ベタイン、塩化カルニチン、乾燥酵母等が挙げられる。
消化剤としては、でんぷん消化酵素、たん白消化酵素、脂肪消化酵素、繊維素消化酵素、ウルソデスオキシコール酸、胆汁末等が挙げられる。
止瀉剤としては、アクリノール、塩化ベルべリン、グアヤコール、クレオソート、次サリチル酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、タンニン酸、カオリン、ペクチン、薬用炭、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられる。
鎮痛鎮痙剤としては、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸エチル等が挙げられる。
粘膜修復剤としては、アルジオキサ、L-グルタミン、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0009】
本発明で使用することができる水溶性高分子としては、20℃における水への溶解度が1w/w%以上の高分子であり、好ましくは3w/w%以上の高分子、更に好ましくは5w/w%以上の高分子が好ましい。具体的には、水溶性高分子としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、およびプルランから選ばれる1つまたは2つ以上を用いることが好ましい。
その配合量は、結晶水を失うと不安定化する薬物1重量部に対して1〜100重量部で、好ましくは、1〜50重量部である。
【0010】
本発明で使用することができる糖質としては、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、マンニトール、精製白糖、白糖、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、乳糖、還元麦芽糖水アメ、ブドウ糖、麦芽糖、ラクチトール等が挙げられるが、そのなかでも、糖質として、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、マンニトール、精製白糖、白糖、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、乳糖のいずれか1つまたは2つ以上を用いることが好ましい。
その配合量は、結晶水を失うと不安定化する薬物1重量部に対して1〜1000重量部で、好ましくは、1〜500重量部である。
【0011】
本発明の固形製剤としては、例えば、顆粒剤(コーティングされた顆粒剤も含む)、錠剤(例、素錠、糖衣錠、薄層糖衣錠、フィルムコーティング錠、チュアブル錠、口腔内速崩壊錠、積層錠、有核錠、徐放錠)、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤)、粉末吸入剤などが挙げられる。
本発明の固形製剤は、通常配合される薬理学的に許容される担体等を用いて、常法により製造することができる。特に、通常用いられる流動層造粒法、転動流動層造粒法、遠心流動型造粒法、押し出し造粒法、攪拌造粒法のいずれか1つまたは2つ以上を用いて製造することができる。すなわち、結晶水を失うと不安定化する薬物等の活性成分と担体等の添加剤を用いて本発明の固形製剤の主薬層に相当する核粒(顆粒、素錠など)を製造し、該核粒をコーティング剤でコーティングすることによって製造することができる。また、このようにして得られた顆粒剤や、または錠剤が小型のものである場合は、これらのものをカプセルに充填することによってカプセル剤としてもよい。
核粒の製造法としては、たとえば、結晶水を失うと不安定化する薬物等の活性成分、水溶性高分子および糖質を溶解した溶液を用いて顆粒または細粒を調製し、次いで得られた顆粒または細粒と添加剤を混合し、打錠して素錠を製造する方法などが挙げられる。更には、その他の製造方法として、当該薬物を溶液とし、その溶液中に水溶性高分子を配合し(更に糖質を配合してもよい)、その溶液を糖質、セルロース類、無機物等の賦形剤、あるいは当該薬物を含まない顆粒、細粒、素錠などの核粒、核錠に、コーティングする方法もある。
【0012】
本発明の固形製剤の製造に用いられる薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用される各種有機または無機担体物質が挙げられ、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、界面活性剤等が挙げられる。また、必要に応じて、抗酸化剤、矯味剤、着色剤、香料等の添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、マンニトール、精製白糖、白糖、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、乳糖、還元麦芽糖水アメ、ブドウ糖、麦芽糖、ラクチトール、コーンスターチ、結晶セルロース、粉末セルロース、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、結晶セルロース、デキストリン、プルランなどが挙げられる。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、コーンスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプン、クロスポビドン等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、マクロゴール6000等が挙げられる。
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、カオリン等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリソルベート(ポリソルベート80など)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウムなどなどが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
矯味剤としては、例えばクエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−グアニル酸ナトリウムなどが挙げられる。
着色剤としては、例えばリボフラビン、ビタミンB12、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、銅クロロフィルナトリウム、銅クロロフィル等などが挙げられる。
香料としては、例えばl−メントール、ハッカ油、ユーカリ油、オレンジ油、チョウジ油、テレビン油、ウイキョウ油、バニリン等が挙げられる。
【0013】
本発明における主薬層を被覆する被覆層は、糖質を含む被覆層であれば材質は特に制限はない。このような糖質として、例えば、精製白糖、白糖、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、乳糖等が挙げられる。これらの糖質を1種以上用いて、糖衣、あるいは薄層糖衣(例えば、特開2002−179559参照)を施すことにより本発明の固形製剤は安定化される。
本発明における主薬層のコーティング方法としては、予め当該薬物を含有する顆粒、細粒、素錠などの核粒を製造し、その核粒にコーティングを施す方法がある。その他には、当該薬物に直接コーティングする方法もある。
本発明で用いる糖質を含む被覆層としては、精製白糖等の糖質を用いた糖衣、エリスリトール等の糖質を用いた薄層糖衣であれば特に制限はない。そして、コーティングに用いる糖質以外に必要とあれば、コーティング液に賦形剤、結合剤、滑剤、着色剤、香料等を配合してもよい。
コーティング液に用いる賦形剤としては、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、沈降炭酸カルシウム、カオリン、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム等が挙げられる。
コーティング液に用いる結合剤としては、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ポビドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、プルラン、デキストリン、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、トラガント末、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)等が挙げられる。
コーティング液に用いる滑剤としては、タルク、軽質無水ケイ酸、マクロゴール6000、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
コーティング液に用いる着色剤としては、リボフラビン、ビタミンB12、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、銅クロロフィルナトリウム、銅クロロフィル等が挙げられる。
コーティング液に用いる香料としては、l−メントール、ハッカ油、ユーカリ油、オレンジ油、チョウジ油、テレビン油、ウイキョウ油、バニリン等が挙げられる。
また、本発明の固形製剤においては、被覆層のコーティング時、あるいは高湿度下保存時に、主薬が被覆層へ混入する場合があるので、それを防ぐ目的として主薬層と被覆層の間に中間被膜層を設けてもよい。このような目的を達成する限り、中間被膜層の材質は限定されない。例えば、上記被覆層と同様のコーティング基材を用いることができるが、水溶性高分子が含まれることが好ましい。
【0014】
本発明において用いられる流動層造粒機、転動流動層造粒機、遠心流動型造粒機、押し出し造粒機、攪拌造粒機に制限はなく、例えば、パウレック社、フロイント産業社、不二パウダル社の機器を用いればよい。
【実施例】
【0015】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
アスコルビン酸カルシウム 1800g、コハク酸d−α―トコフェロール150g、結晶セルロース(セオラスKG802)354g、ケイ酸カルシウム(フローライトRE)36gにアズレンスルホン酸ナトリウム12g、HPC-L 144g、エリスリトール240gを精製水2256gに溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP-10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末2371.2g、L-システイン624g、結晶セルロース(セオラスKG802)145.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC, LH31)156g、ステアリン酸マグネシウム 31.2gを混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量320mg、厚み5.54mmの素錠を得た。
得られた素錠300gをコーティング機(ハイコーターMINI、フロイント産業)に仕込み、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC-5MW)90g、タルク10gを精製水900gに溶解、懸濁させたコーティング液を素錠に噴霧し、1錠あたり6mgコーティングし、アンダーコーティング(UC)錠を得た。続いて、UC錠に、エリスリトール530g、タルク280g、酸化チタン20g、結晶セルロース(アビセルPH-F20)50g、アラビアゴム末120gを精製水1500gに溶解、懸濁させたコーティング液を噴霧し、1錠あたり114mgコーティングし、ビルドアップコーティング(BC)錠を得た。続いてBC錠に、エリスリトール360g、ポリエチレングリコール6000(PEG6000)40gを精製水600gに溶解させたコーティング液を用い、1錠あたり15mgコーティングし、シロップコーティング(SC)錠を得た。SC錠に、カルナウバロウ、セラックパール、ヒマシ油、エタノール、n−ヘキサンを溶解させた艶出液を注液、乾燥し、艶出したシュガーレス薄層糖衣錠を得た。
【0016】
実施例2
アスコルビン酸カルシウム 1800g、コハク酸d−α―トコフェロール150g、結晶セルロース(セオラスKG802)354g、ケイ酸カルシウム(フローライトRE)36gにアズレンスルホン酸ナトリウム12g、PVPK90 144g、エリスリトール240gを精製水2256gに溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP-10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末2371.2g、L-システイン624g、結晶セルロース(セオラスKG802)145.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC, LH31)156g、ステアリン酸マグネシウム 31.2gを混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量320mg、厚み5.54mmの素錠を得た。
得られた素錠に実施例1と同じくシュガーレス薄層糖衣を施し、シュガーレス薄層糖衣錠を得た。
【0017】
実施例3
アスコルビン酸カルシウム 1800g、コハク酸d−α―トコフェロール150g、結晶セルロース(セオラスKG802)354g、ケイ酸カルシウム(フローライトRE)36gにアズレンスルホン酸ナトリウム12g、HPC-L 144gを精製水2256gに溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP-10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末2163.2g、L-システイン624g、結晶セルロース(セオラスKG802)145.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC, LH31)156g、ステアリン酸マグネシウム 31.2gを混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量300mg、厚み5.26mmの素錠を得た。
得られた素錠に実施例1と同じくシュガーレス薄層糖衣を施し、シュガーレス薄層糖衣錠を得た。
【0018】
実施例4
アスコルビン酸カルシウム 1800g、コハク酸d−α―トコフェロール150g、結晶セルロース(セオラスKG802)354g、ケイ酸カルシウム(フローライトRE)36gにアズレンスルホン酸ナトリウム12g、PVPK90 144gを精製水2256gに溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP-10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末2163.2g、L-システイン624g、結晶セルロース(セオラスKG802)145.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC, LH31)156g、ステアリン酸マグネシウム 31.2gを混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量300mg、厚み5.29mmの素錠を得た。
得られた素錠に実施例1と同じくシュガーレス薄層糖衣を施し、シュガーレス薄層糖衣錠を得た。
【0019】
比較例1
アズレンスルホン酸ナトリウム12g、アスコルビン酸カルシウム 1800g、コハク酸d−α―トコフェロール150g、結晶セルロース(セオラスKG802)354g、ケイ酸カルシウム(フローライトRE)36gにHPC-L 144gを精製水2256gに溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP-10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末2163.2g、L-システイン624g、結晶セルロース(セオラスKG802)145.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC, LH31)156g、ステアリン酸マグネシウム 31.2gを混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量300mg、厚み5.26mmの素錠を得た。
【0020】
比較例2
アズレンスルホン酸ナトリウム12g、アスコルビン酸カルシウム 1800g、コハク酸d−α―トコフェロール150g、結晶セルロース(セオラスKG802)354g、ケイ酸カルシウム(フローライトRE)36gにPVPK90 144gを精製水2256gに溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP-10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末2163.2g、L-システイン624g、結晶セルロース(セオラスKG802)145.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC, LH31)156g、ステアリン酸マグネシウム 31.2gを混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量300mg、厚み5.29mmの素錠を得た。
【0021】
アズレンスルホン酸ナトリウム含量安定性
実施例1〜4および比較例1、2の錠剤を60℃で2週間ガラス瓶密栓保存し、錠剤中のアズレンスルホン酸ナトリウム含量をHPLC法により測定し、その残存率で評価した。
【0022】
アズレンスルホン酸ナトリウム含量試験
錠剤20錠をとり、粉砕機で粉砕し、試料粉末とする。試料粉末(1錠分)に溶解液50mLを添加し、振とう抽出を30分間行い、その後、遠心分離(約9400×g、10分間)を行い、得られた上澄液5mLに内部標準液5mLを添加、混合し、試料溶液とした。試料溶液を下記HPLC条件下、測定した。なお、溶解液として、メタノール/水(6/4)を用いた。内部標準液として、フタル酸ビス(2―エチルヘキシル)メタノール溶液を用いた。
HPLC条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長285nm)
カラム:YMC-Pack AM-3E2(YMC社)
カラム温度:50℃
移動相:0.003mol/Lトリオクチルアミン含有メタノール/水(17/3)混液(pH6.0)
流量:0.35mL/min
【表1】


【0023】
外観安定性
実施例1,2および比較例1,2の錠剤を40℃75%RH開栓1カ月保存し、錠剤の外観変化をカラーコンピュター(S&Mカラーコンピュター、スガ試験機)により測定し、色差(ΔE)で評価した。また、実施例1、2に関しては40℃75%RH開栓1カ月保存後、コーティング層をカッターで削り取り、内部の錠剤の外観変化も同様に、色差(ΔE)で評価した。
【表2】


【0024】
実施例1,2は比較例1,2に比べ、薬物含量のみならず錠剤外部と錠剤内部の外観も安定化された。
【出願人】 【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
【出願日】 平成19年6月22日(2007.6.22)
【代理人】 【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄

【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100116311
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 忠行

【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史


【公開番号】 特開2008−24702(P2008−24702A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−164835(P2007−164835)