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【発明の名称】 歯磨き組成物
【発明者】 【氏名】市村 育久

【氏名】中内 元

【氏名】押野 一志

【要約】 【課題】カテキン類を安定に保持しつつ、カテキン類が効果的に歯、歯ぐきに対して作用し、かつ使用感の良好な歯磨き組成物の提供。

【構成】カテキン類及びカテキン類と水不溶性の複合体を形成するポリマーを含むハイドロゲル粒子、粘結剤、並びに水を含有する歯磨き組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテキン類及びカテキン類と水不溶性の複合体を形成する水溶性ポリマー(以下ポリマーAという)を含むハイドロゲル粒子、粘結剤、並びに水を含有する歯磨き組成物。
【請求項2】
ポリマーAがポリビニルピロリドンである請求項1記載の歯磨き組成物。
【請求項3】
粘結剤が、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の歯磨き組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、カテキン類を含む歯磨き組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
むし歯や歯周病は、口腔内細菌が原因であることが知られている。従って、むし歯や歯周病を予防するために、口腔用組成物に殺菌剤を配合し、口腔内細菌を殺菌もしくはその活性を抑えることが一般的である。特に近年の天然志向が高まる中、殺菌剤としては、化学的に合成された物質の使用を避け、天然物由来の成分が使用されている。例えば、緑茶抽出物及びその成分である茶ポリフェノール化合物(カテキン類等)は口腔内細菌の増殖抑制に有効であることが知られている(例えば、特許文献1〜3等)。これらの文献によると、緑茶抽出物等は、むし歯の原因菌であるStereptcoccus mutans や歯周病の原因菌とされるPorphyromonas gingivalis の増殖を阻止するため、むし歯、歯周病の予防に有効な口腔用組成物を提供できることが記載されている。しかしながら、ポリフェノール化合物(カテキン類等)は酸素に触れることにより酸化、重合がおこり、顕著に変色するため、それを配合した口腔用組成物自体の経時変色は避けられない。これらの変色を抑制する方法として、例えば、ポリフェノールを含む植物抽出物に炭素数4〜5の糖アルコール(例えばキシリトール、エリスリトール等)を配合し酸素不透過性の個袋に分封する方法が提案されている(特許文献4)。
【0003】
一方、各種の薬剤、変性しやすい有効成分等を口腔用組成物に配合する方法として、当該成分をカプセル化することやシェル等に内包して安定化するという方法も提案されている(特許文献5、6等)。
【特許文献1】特開平1−90124号公報
【特許文献2】特開平2−25413号公報
【特許文献3】特開平3−86814号公報
【特許文献4】特開2000−297022号公報
【特許文献5】特開昭61−225115号公報
【特許文献6】特開平1−275520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、カテキン類を組成物中に安定に保持しつつ、使用時にカテキン類が効果的に歯、歯ぐきに対して作用し、かつ使用感の良好な歯磨き組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、カテキン類と、カテキン類と水不溶性複合体を形成する特定のポリマーとを内包したハイドロゲル粒子を歯磨き組成物に含有させることにより、カテキン類を安定的に保持しつつ、ブラッシングによりゲル状粒子が容易に破壊されて歯や歯ぐきの表面近傍でカテキン類が効果的に作用し、かつ使用感の良好な歯磨き組成物が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、カテキン類及びカテキン類と水不溶性の複合体を形成する水溶性ポリマーを含むハイドロゲル粒子、粘結剤、並びに水を含有する歯磨き組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の歯磨き剤は、カテキン類を安定的に保持し、歯や歯ぐきの表面近傍でカテキン類が効果的に作用して、歯や歯ぐきの状態を改善することができ、かつ使用感が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[ハイドロゲル粒子]
本発明の歯磨き組成物に含まれるハイドロゲル粒子は、カテキン類、及びカテキン類と水不溶性の複合体を形成する水溶性ポリマー(以下ポリマーAという)を含有するものである。
【0009】
本明細書において、「ハイドロゲル」とは、水を溶媒として形成された、水に不溶な高分子(ゲル形成剤)の含水膨潤体をいい、ゲル形成剤としては天然系高分子化合物が好ましい。
【0010】
本発明に用いられるカテキン類としては、非重合性カテキン類であって、例えばカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類;エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類などが挙げられる。カテキン類は、茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された緑茶抽出物を濃縮、精製等を行うことによって得ることができる。また、市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などの緑茶抽出物の濃縮物を用い、成分調整を行うことにより、本発明の目的に適うカテキン類を得ることができる。
【0011】
本発明に用いられるポリマーAとしては、カテキン類と水不溶性の複合体を形成するポリマーであれば特に限定されない。
【0012】
尚、水不溶性の複合体とは、カテキン類の水溶液とポリマーAの水溶液を混合した際に不溶物として水中から析出する物質のことである。水不溶性の複合体の析出は、混合液の濁り、あるいは、混合液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した際に水不溶性複合体由来のピークが存在することによって確認することができる。
【0013】
ポリマーAとしては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ、ポリビニルピロリドン(以下PVPと略記する場合もある)が好ましい。
【0014】
ポリマーAの重量平均分子量は、カテキン類の着色を効果的に抑制する観点から、6000以上が好ましく、60000以上がより好ましく、400000以上が更に好ましく、1300000以上が特に好ましい。また、水不溶性複合体が塊状の凝集物となることを抑制し微細な水不溶性複合体を得る観点から、3000000以下が好ましく、2000000以下がより好ましい。
【0015】
本発明において、ポリマーAの重量平均分子量は、一般的な重量平均分子量測定法である粘度法、あるいは、光散乱法等によって測定された値である。尚、ポリマーAがポリビニルピロリドンである場合は、粘度の測定値からFikentscherの公式に基づいて計算されたK-値によって重量平均分子量を決定する。
【0016】
本発明のハイドロゲル粒子中の、カテキン類の含有量は、カテキンが歯ぐきに対して十分に作用し、かつハイドロゲル粒子の安定性の観点から、0.001〜10質量%が好ましく、0.001〜6質量%がより好ましく、0.01〜2質量%が更に好ましい。また、ポリマーAの含有量は、カテキン類の着色を効果的に抑制する観点から、カテキン類に対して1〜4質量倍が好ましく、1〜3質量倍がより好ましく、1.2〜2.2質量倍が更に好ましい。
【0017】
また、ハイドロゲル粒子中に含まれる水不溶性複合体の含有量は、水不溶性複合体が塊状の凝集物となることを抑制し微細な水不溶性複合体を得る観点から、12質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
【0018】
本発明において、ハイドロゲル粒子に用いられるゲル形成剤としては、例えば、寒天、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、ファーセレラン、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻抽出物;グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、タラガム、カシアガム等の植物種子粘質物質;ペクチン、アラビノガラクタン等の植物果実粘質物;キサンタンガム、スクレログルカン、プルラン、デキストラン、ジュランガム、カードラン等の微生物産生粘質物;ゼラチン、アルブミン、カゼイン等の動物蛋白質;大豆蛋白質、小麦蛋白質等の植物蛋白質;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース等のセルロース及びその誘導体;澱粉、澱粉リン酸エステル、澱粉グリコール酸エステル等の澱粉及びその誘導体が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。物理的に崩壊しやすい脆いゲル粒子を形成する高分子として、κ−カラギーナン、寒天、ジュランガムが好ましい。
【0019】
本発明のハイドロゲル粒子中のゲル形成剤の含有量は、ハイドロゲル粒子を歯磨き組成物へ配合する時の壊れを防止する観点から、0.25〜5質量%が好ましく、0.5〜4質量%がより好ましく、1〜3質量%が更に好ましい。
【0020】
本発明のハイドロゲル粒子は、カテキン類、ポリマーA、ゲル形成剤及び水以外に、糖類、多価アルコール等の水溶性有機化合物や、着色剤、防腐剤、水溶性香料等の成分を含有していてもよい。
【0021】
糖類としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、マンニトール、サッカロース、マルトース、ラクトース等が挙げられる。
【0022】
多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、オリゴサッカライド等が挙げられる。
【0023】
本発明のハイドロゲル粒子の製造法は特に限定されないが、例えば、寒天等のゲル形成剤及びポリマーAをイオン交換水と混合し、その溶解温度以上の温度に加熱して十分に溶解させる。ここにカテキン類の水溶液を添加混合した後、一般的な滴下法、噴霧法、或いは、攪拌法等によりハイドロゲル粒子を得ることができる。
【0024】
滴下法は、孔から混合液を吐出させ、吐出された混合液がその表面張力又は界面張力によって液滴になる性質を利用し、その液滴を空気等の気相中又は液相中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。なお、粒径の均一なハイドロゲル粒子を製造する観点から、孔から吐出される混合液に振動を与えることが好ましい。
【0025】
噴霧法は、噴霧ノズルを用い、噴霧ノズルから混合液を気相に噴霧させると共に、その表面張力によって液滴を形成させ、その液滴を気相で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。
【0026】
攪拌法は、混合液と実質的に混じり合わない性状を有し且つゲル化温度以上の温度に調整した液に混合液を投入し、攪拌による剪断力により混合液を微粒化し、界面張力によって液滴になる性質を利用し、その液滴を混合液と実質的に混じり合わない液中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。
【0027】
滴下法、噴霧法、及び攪拌法のいずれの場合も、吐出時、噴霧時、又は投入時の混合液の温度を、ゲル化温度以上で且つ100℃以下の温度とすることが好ましい。また、美観に優れた球状の粒子を容易に製造することができるという観点から、その水中油型分散液の温度を、ゲル化温度+10℃以上とすることが好ましく、ゲル化温度+20℃以上とすることがより好ましい。なお、この温度の上限は、水の沸点である100℃である。
【0028】
なお、寒天の水への溶解温度は、一般に75℃以上、その主なものについては75〜90℃であり、寒天を水に溶解させた後、冷却したときのゲル化温度は30〜45℃である。
【0029】
本発明のハイドロゲル粒子中において、カテキン類とポリマーAとの水不溶性複合体はゲル形成剤及び水を含む連続相中に分散して内包されている。
【0030】
本発明のハイドロゲル粒子の平均粒径は、外観及び生産性の観点から、5〜10000μmが好ましく、100〜10000μmがより好ましく、200〜5000μmが特に好ましい。ハイドロゲル粒子の平均粒径は、各種目開きのふるいを用い、粒子100gを水中で湿式分級し、余分な水分を濾紙で除去した後に重量を測定して重量平均粒径で表す(フルイ法)。
【0031】
また、本発明のハイドロゲル粒子の形状は、特に限定されないが、曲面で構成された回転体の形状を有することが好ましい。ここで、「曲面で構成された回転体」とは、仮想軸及び連続的な曲線で構成された閉じた図を仮想軸で回転させたものをいい、三角錐や円柱等の平面を有する形状は含まない。ハイドロゲル粒子の形状は、美観の観点から、球状又は楕円状であることがより好ましい。
【0032】
[歯磨き組成物]
本発明の歯磨き組成物は、上記のようなハイドロゲル粒子、粘結剤及び水を含有する。
【0033】
本発明に用いられる粘結剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられ、特にアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン及びキサンタンガムが好ましい。
【0034】
上記の粘結剤のうち、アルギン酸ナトリウムとしては、(株)キミカ、大日本製薬等から市販され、容易に入手可能な分子内マニュロン酸/グルロン酸(M/G比)が0.5〜2.5のものが好ましい。カルボキシメチルセルロースナトリウムは、ダイセル化学、第一工業製薬等から市販され、容易に入手可能なエーテル化度が0.6〜2.5のものが好ましいが、エーテル化度が0.8〜1.5のものがより好ましい。カラギーナンは、カッパ型、ラムダ型、イオタ型の3種の異性体のいずれを用いても良く、ケルコ、MRCポリサッカライド、太陽化学等から市販され、容易に入手可能なものを使用できるが、イオタ型、ラムダ型がより好ましい。キサンタンガムは、太陽化学、ケルコ、大日本製薬等から市販され、容易に入手可能なものを使用できるが、カルボシキメチルセルロースと併用する場合は、キサンタンガム中に少量混入しているセルラーゼを除去した、セルラーゼ活性の低いキサンタンガムを使用するのが好ましい。
【0035】
粘結剤は、1種もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよく、組成物中の粘結剤の含有量は、保存安定性、組成物の粘性、より高い清涼感を得る観点から、0.1〜3質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.2〜1.2質量%が更に好ましい。
【0036】
本発明の歯磨き組成物中、ハイドロゲル粒子の含有量は、歯磨き組成物の安定性の観点から、0.01〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%が更に好ましい。
【0037】
本発明の歯磨き組成物中の水分量は、保存安定性、より高い清涼感を得る観点から、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。
【0038】
本発明の歯磨き組成物は、清涼感、冷涼感および味の観点から、更に粒子径が355μm未満の粉末もしくは粒子状のエリスリトールを配合することができる。エリスリトールの構造としては、L−エリスリトール、D−エリスリトール、meso−エリスリトールの3種の異性体が存在するが、本発明はこれらいずれの構造も使用できる。エリスリトールとしては、通常入手可能なものを使用でき、例えばブドウ糖を発酵させた後、再結晶して得られる結晶状のエリスリトール等が挙げられる。結晶状のエリスリトールは、市販品としては、日研化学(株)、三菱化学フーズ(株)、セレスター社製等のものが入手可能である。また、粒径の大きなものは、粉砕して粒子径を調整したものを使用することもできる。エリスリトールの粉砕には、ローラミル、ハンマーミル、高速度粉砕機、パルベライザーなどを使用するのが一般的であるが、粒度の調整が簡便で、かつ、生産効率にも優れる高速度粉砕機、ハンマーミルによる粉砕が好ましい。
【0039】
エリスリトールの粒子径は、口腔内で冷涼感が長く続くという観点から45μm以上355μm未満が好ましく、53μm以上300μm未満がより好ましく、75μm以上250μm未満が更に好ましい。エリスリトールの粒子径が45μm以上のものは、口の中で瞬時に溶けることがなく、冷涼感が長く続き好ましい。また355μm未満のものは、口腔内で溶けやすく冷涼感を発揮することができる。
【0040】
なお、エリスリトールの粒子径は以下のように測定される。
篩:JIS標準篩 φ75mm
目開き:上段より、それぞれ500μm、355μm、250μm、180μm、125μm、90μm及び45μmの目開きを有する篩の下に受器を有する。
振盪機:ミクロ型電磁振動機M−2型(筒井理化学器機(株))
方法:試料15gを500μm篩上に載せ、電磁振動機にて5分間分級する。250μm、180μm、125μm、90μm及び45μmの目開きを有する篩上に存在するエリスリトールの合計量を粒子径45μm以上355μm未満のエリスリトールとする。
【0041】
本発明の歯磨き組成物中、エリスリトールの配合量は、清涼感及び冷涼感の観点から、15〜60質量%が好ましく、20〜55質量%がより好ましく、25〜50質量%が更に好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。
【0042】
エリスリトールは、粉末の状態で歯磨き組成物中に分散しているのが望ましい。そのためには、エリスリトールは製造の最終工程に、粉体のままで投入することが好ましい。このような方法を用いることで、エリスリトールは水にほとんど溶解せずに、歯磨き組成物中に粉末の状態で存在させることが可能となる。
【0043】
本発明の歯磨き組成物は、さらに研磨剤を含むことができる。研磨剤としては、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、シルコノシリケート、グルコノシリケート等のシリカのほか、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム等が挙げられる。研磨剤の含有量は、本発明の歯磨き組成物中、0〜15質量%が好ましく、特に0〜12質量%が好ましい。
【0044】
本発明の歯磨き組成物には、口腔用組成物に使用可能なその他の配合成分、例えば抗酸化剤、湿潤剤、薬効成分、発泡剤、保存剤、香味料、甘味剤、pH調整剤などを、本発明の目的が阻害されない範囲で適宜配合してもよい。
【0045】
抗酸化剤としては、抗酸化力又は還元力を有し、口腔内組成物に使用可能な成分、例えばL−アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、α−トコフェロール酢酸塩、dl−α−トコフェロール、ローズマリー抽出物、ステビア抽出物、ヒマワリ種子抽出物、没食子酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、L−システイン塩酸塩、フィチン酸、ハイドロキノン及びその配糖体、ノルジヒドログアヤレチン酸、アスコルビン酸高級脂肪酸エステル(ラウリン酸エステル、ステアリン酸エステル、イソステアリン酸エステル、パルミチン酸エステルなど)、グアヤク脂等が挙げられる。L−アスコルビン酸、エリソルビン酸又はα−トコフェロール酢酸の塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、第一鉄の塩、パルミチン酸エステルの塩等が挙げられる。これら抗酸化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を選択して用いてもよい。抗酸化剤の含有量は、外観色の変化抑制効果の点から、本発明の歯磨き組成物中、0.0005〜50質量%、さらに0.001〜20質量%、特に0.01〜5質量%が好ましい。
【0046】
湿潤剤としては、例えばグリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどが挙げられ、その1種又は2種以上を組み合わせて配合することができる。これら湿潤剤の含有量は、透明性の確保の点から、本発明の歯磨き組成物中、40〜95質量%、更に60〜80質量%が好ましい。
【0047】
本発明の歯磨き組成物は、その用途に応じて、常法に従って練歯磨き組成物、液状歯磨き組成物、ゲル状歯磨き組成物などとすることができる。
【実施例】
【0048】
例中の%は、特記しない限り質量%である。
【0049】
製造例1
イオン交換水319gに寒天(伊那食品工業(株)、UP−37)を15g、PVP(ISP社、K−90、重量平均分子量1300000)を16g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水140gに茶エキス(サンフェノン100S 太陽化学(株)、カテキン含有量60〜70%)10gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合(8000r/min、1分)した後、気相中に噴霧することによって表1に示す組成のハイドロゲル粒子を得た。ハイドロゲル粒子の平均粒径は200μmであった。
【0050】
【表1】


【0051】
実施例1
製造例1で得られたハイドロゲル粒子又は茶エキス(サンフェノン100S 太陽化学(株)、カテキン含有量60〜70%)を用い、表2に示す組成の歯磨き組成物A(比較品)および歯磨き組成物B(本発明品)を調製した。得られた歯磨き組成物A及びBについて、下記方法で変色及び味を評価した。結果を表2に示す。また、下記方法で歯ぐきへの効果を調べた。結果を図1及び図2に示す。
【0052】
<変色の評価法>
得られた歯磨き組成物を容器に充填し、50℃、1ヶ月保存し、保存後の明度差を下記方法により測定し、この明度差によって変色度合いを評価した。保存後の歯磨き組成物を透明で内容量が3cm×3cm×1cmのケース(AS ONE社、PS CASE No.1)に、いっぱいになるように詰める。そのケースと共に、色濃度標準としてKODAK GRAY SCALEのA,2,4,6,8,10,12,14,Bの9点(色濃度1〜9とする)と、CASMATCH(大日本印刷製)が同視野に入るようにし、白紙の上で撮影を行った。撮影条件はリングライト一様照明の下、一定のシャッター速度、しぼり、焦点距離で行った。撮影した画像をADOBE PHOTOSHOPにてCASMATCHを基準に用いて色補正後、WINROOF(三谷商事株式会社)にて被測定部位の明度(HSBカラーモデルのBrightness)を定量化し、50℃、1ヶ月保存品の明度と製造直後(初期)の明度の差異を下記式(I)で求め変色度とした。
【0053】
変色度=[50℃、1ヶ月保存後の明度]−[初期の明度] (I)
<味の評価法>
歯磨き組成物AおよびBの香味について、9名のパネラーにより、下記の3段階の基準で味の評価を行い、その平均値で示した。
・評価基準
1:渋くない
2:あまり渋くない
3:渋い
<歯ぐきへの効果>
20歳代〜50歳代の男女9名に歯磨き組成物A及びBを、それぞれ1週間使用していただき、使用前、使用後のBOP(Bleeding On Probing)の変化を調べた。BOP(Bleeding On Probing)とは、WHOプローブを歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)の歯肉底まで挿入し、抜出後出血する状態を指し、歯ぐきが健康だと出血しないが、ポケットと底部に炎症があると簡単に出血を起こす。すなわち、このBOP部位数の値が多いほど、歯ぐきの状態が悪い事をあらわす。
【0054】
【表2】


【0055】
*1:平均分子量600のポリエチレングリコール
*2:ソルボシルAC43(イネオスシリカ)
*3:ソルボシルTC15(イネオスシリカ)
*4:CMC<1150> ダイセル化学(株)
*5:サンフェノン100S;太陽化学(株)、カテキン含有量60〜70%
表2から明らかなように、カテキン類を内包化した本発明のハイドロゲル粒子を含有する歯磨き組成物Bは、カテキン類を内包化せずそのまま含有する歯磨き組成物Aに比べ、顕著に変色が抑制され、味も優れていた。
【0056】
また、図1及び図2から明らかなように、歯磨き組成物Aを用いた場合、1週間ではBOPの値がほぼ変化せず、歯ぐきの状態が改善していないが、歯磨き組成物Bを用いた場合、1週間でBOPの値が低くなっており、歯ぐきの状態が改善していることが分かる。ハイドロゲル粒子化したカテキンを用いることにより、歯肉炎を改善する効果が向上し、有用であると考えられる。
【0057】
実施例2
製造例1で得られたハイドロゲル粒子又は茶エキス(サンフェノン100S 太陽化学(株)、カテキン含有量60〜70%)を用い、表3に示す組成の歯磨き組成物C(比較品)および歯磨き組成物D(本発明品)を調製した。得られた歯磨き組成物C及びDについて、実施例1と同様の方法で変色及び味を評価した。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】


【0059】
*1〜*5は表2と同じ
*6:粒子径が45μm未満13質量%、45μm以上250μm未満82質量%、250μm以上355μm未満5質量%の粒度分布を有するエリスリトール
表3から明らかなように、カテキン類を内包化した本発明のハイドロゲル粒子を含有する歯磨き組成物Dは、カテキン類を内包化せずそのまま含有する歯磨き組成物Cに比べ、顕著に変色が抑制され、味も優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】歯磨き組成物Aの歯ぐきへの効果を示す図である。
【図2】歯磨き組成物Bの歯ぐきへの効果を示す図である。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年7月21日(2006.7.21)
【代理人】 【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡

【識別番号】100076680
【弁理士】
【氏名又は名称】溝部 孝彦

【識別番号】100091845
【弁理士】
【氏名又は名称】持田 信二

【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌


【公開番号】 特開2008−24652(P2008−24652A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−199516(P2006−199516)