| 【発明の名称】 |
油中水型乳化組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】高倉 喜仁
【氏名】渡辺 啓
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| 【要約】 |
【課題】みずみずしい使用感と高いスキンケア効果を有しながら、安定性も良好な油中水型乳化組成物を提供する。
【構成】(A)モノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリンおよびポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートから選ばれる1種または2種以上、(B)水性成分、(C)固形油分を含む油性成分を含み、下記条件(i)〜(iii)を満たすようにする。(i)成分(A)の組成物全体に占める割合が0.1〜10質量%である。(ii)成分(B)の水性成分が組成物全体に占める割合が70〜98質量%である。(iii)成分(C)中の固形油分が成分(C)に対して3〜70質量%である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記成分(A)(B)(C)を含み、さらに下記(i)〜(ii)の条件を満たすことを特徴とする油中水型乳化組成物。 (A)モノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリンおよびポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートから選ばれる1種または2種以上 (B)水性成分 (C)固形油分を含む油性成分 条件: (i)成分(A)の組成物全体に占める割合が0.1〜10質量%である。 (ii)成分(B)の水性成分が組成物全体に占める割合が70〜98質量%である。 (iii)成分(C)中の固形油分が成分(C)に対して3〜70質量%である。 【請求項2】 成分(C)が、脂肪酸でエステル化したデキストリン及びイヌリン、およびベヘン酸エイコサン二酸グリセリルから選ばれる1種または2種以上(C1)を含有し、成分(C1)の量が成分(C)に対して0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化組成物。 【請求項3】 成分(C)中の固形油分が、パラフィンワックス、またはパラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化組成物。 【請求項4】 成分(A)が、モノオレイン酸グリセリン(純分90%以上)、モノイソステアリン酸グリセリンおよびポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートから選ばれる2種以上で構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化組成物。 【請求項5】 成分(C)が、ワセリンを含有することを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、みずみずしい使用感を有し、乳化安定性が良好な油中水型乳化組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 乳化組成物は水中油型(O/W)及び油中水型(W/O)に大別されており、さらには油中水中油型(O/W/O)、水中油中水型(W/O/W)などのマルチタイプも存在する。これらは、従来、化粧品分野ではスキンケア用のクリーム、乳液、マッサージクリーム、メーク落としクリーム、ヘアケア用クリームなどに活用され、医薬品分野では経皮用クリームなどとして活用されている。 【0003】 このうち油相を外相、水相を内相とした油中水型(W/O)の乳化組成物は、油溶性の有効成分、例えばエモリエント油、油溶性の薬剤、紫外線吸収剤などを効率的に皮膚上に展開できることから、皮膚外用剤として適した剤型であり、この点において水中油型よりも優れている。 【0004】 一般に、油中水型乳化組成物は水中油型乳化組成物に比べ安定性を確保することが難しいと考えられている(例えば非特許文献1参照)。 これは水中油型乳化組成物であれば非イオン界面活性剤として汎用されるポリオキシエチレンアルキル型界面活性剤のポリオキシエチレン鎖のエントロピー反発や、イオン性界面活性剤の静電反発を乳化物の安定化に活用できるのに対し、油中水型乳化組成物の場合は、調製に適しているとされる親油性の界面活性剤は、親水性(疎油性)が低い傾向にあり、そのため界面に吸着すべき界面活性剤が油相中に単分散溶解して消費される割合が大きくなり、効率的な油水界面の安定化が図りにくいなどの要因が関係している。そのため、油中水型乳化組成物においては、外相を構成する油をゲル化させ水滴を不動化するために高分子化合物を配合したり、界面活性剤を大量に配合することによって安定化を図ることが多く、乳化剤の量および種類、内水相比、水性成分の種類及びその量、油分の種類及びその量、他の安定剤の種類及びその量などの使用に制限があった。 【0005】 また一般に、油中水型乳化組成物は水中油型乳化組成物に比べ外相が油性成分であることからみずみずしさにかけるという欠点を有する。このような欠点を解決するために一般的には内相の水性成分の割合を高める手法や、外相の油性成分中の揮発油分含有量を高める手法などがとられる。しかし、内相比を高めることは乳化安定性の悪化を招き、揮発油分含有量を高めることはスキンケア効果を有する残留油分が減少するためスキンケア効果が低下する。 【0006】 以上のことから油中水型乳化組成物を活用したスキンケアクリームにおいて、みずみずしい使用感と高いスキンケア効果を有し、且つ安定性を良好に保つことは困難であった。 【0007】 このような点から、乳化剤としてポリエーテル変性シリコーンを用いることにより、安定性が高い油中水型乳化化粧料が開発されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。この方法では高分子量(30000以上)のポリエーテル変性シリコーンを使用することが推奨されている。しかしながらポリエーテル変性シリコーンは通常、高分子界面活性剤としての挙動を呈し、高分子鎖の絡み合いに起因するべたついた使用感を与える。また、ポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用いた油中水型乳化化粧料は内相比が高くなると安定性が低下する。以上のことからポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用いた油中水型乳化化粧料でみずみずしい使用感を有するものを提供することは困難であった。 【0008】 また、部分的に親水化されたポリシロキサン架橋体を用いて内水相比の高い油中水型乳化組成物を得て化粧品へ応用したものも知られている(例えば非特許文献2参照)。この方法で得られた油中水型乳化組成物は、高内相比によるみずみずしい使用感が特長である。しかしながら、この方法でエマルションを調製する際に、乳化組成物が環状シリコーン以外の油分、非極性油、極性油、直鎖シリコーンなどの配合により容易に不安定化するという問題があった。そのため油分の使用に制限が多く、高いスキンケア効果を得ることは困難であった。 【0009】 【特許文献1】特開2001−89356号公報 【特許文献2】特開2002−201355号公報 【非特許文献1】阿部正彦 編、界面と界面活性剤−基礎から応用まで−、日本油化学会(2005) 【非特許文献2】栗林さつき, オレオサイエンス Vol.1. No.3, 247-254(2001) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 以上述べたように、従来の方法ではみずみずしい使用感と高いスキンケア効果を有しながら、安定性も良好な油中水型乳化組成物を提供することは困難であった。 本発明は前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、皮膚に対するスキンケア効果の高い油中水型乳化組成物でありながら、高内水相比によるみずみずしい使用感を有し、かつ乳化安定性が良好である油中水型乳化組成物を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明者らは前述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の成分を含む油中水型乳化組成物が、乳化安定性が良好であり、かつみずみずしい使用感を有する油中水型乳化組成物であることを見出し、発明を完成するに至った。 【0012】 本発明は、下記成分(A)(B)(C)を含み、さらに下記(i)〜(iii)の条件を満たすことを特徴とする油中水型乳化組成物である。 (A)モノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリンおよびポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートから選ばれる1種または2種以上 (B)水性成分 (C)固形油分を含む油性成分 条件: (i)成分(A)の組成物全体に占める割合が0.1〜10質量%である。 (ii)成分(B)の水性成分が組成物全体に占める割合が70〜98質量%である。 (iii)成分(C)中の固形油分が成分(C)に対して3〜70質量%である。 【発明の効果】 【0013】 本発明にかかる油中水型乳化組成物は、乳化安定性が良好であり、かつみずみずしい使用感触を有するものである。また、皮膚に対するスキンケア効果も高いものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。 本発明にかかる油中水型乳化組成物は、(A)モノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリンおよびポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートから選ばれる1種または2種以上、(B)水性成分、(C)固形油分を含む油性成分、から構成されている。以下、各成分について詳述する。 【0015】 (成分(A)) 本発明で用いられる(A)成分は、モノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリンおよびポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートから選ばれる1種または2種以上である。 このうちモノオレイン酸グリセリン(A−1)は、種々の公知の合成法により提供され得るものである。通常の合成法によれば、モノオレイン酸グリセリン、ジオレイン酸グリセリン、トリオレイン酸グリセリンの混合物として生成される。本発明にかかる油中水型乳化組成物を構成する成分(A)のモノオレイン酸グリセリンは純度が高いことが望ましく、純分90%以上であることが好ましい。モノオレイン酸グリセリンの精製法としては、通常分子蒸留法が用いられるが、これに限定されるものではない。例えば「MONOMULS90−O18(KOGNIS社製)」等として市販されており、これらを好適に用いることができる。 【0016】 モノイソステアリン酸グリセリン(A−2)は、例えば「EMALEX GWIS−100EX(日本エマルジョン株式会社製)」、「NIKKOL MGIS(日光ケミカルズ社製)」等として市販されており、これらを好適に用いることができる。 【0017】 ポリオキシエチレングリセリルイソステアレート(A−3)はポリオキシエチレンを分子構造中に有するグリセリルイソステアレートである。ポリオキシエチレン鎖のモル数は7未満であることが好ましく、7以上であると混合物としての成分(A)の親水性が増し、油中水型乳化組成物の調製としては不適切である。ポリオキシエチレングリセリルイソステアレートとしては、例えば「EMALEX GWIS−103EX(日本エマルジョン株式会社製)」、「EMALEX GWIS−105EX(日本エマルジョン株式会社製)」等として市販されており、これらを好適に用いることができる。 【0018】 成分(A)としては、上記(A−1)成分から(A−3)成分の1種または2種以上を安定性を損なわない範囲で選ぶことができる。乳化安定性の観点からは(A−2)成分及び(A−3)成分は、それぞれ単独では(A−1)成分単独を用いて調製した場合ほど高い乳化安定性を有する油中水型乳化組成物は調製できない。一方で(A−1)成分単独を用いて調製した油中水型乳化組成物は低温において結晶析出の懸念がある。また、(A−2)成分及び(A−3)成分を組み合わせて用いることで、乳化安定性は向上する。 よって実際に幅広い温度で安定な油中水型乳化組成物を調製するにあたっては、(A−1)成分から(A−3)成分を2種以上併用することが好ましい。 【0019】 成分(A)の合計配合量は、油中水型乳化組成物中、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。 【0020】 (成分(B)) 成分(B)の水性成分は水を主成分とするものである。また、皮膚に対するスキンケア効果の観点から保湿剤を配合することが好ましい。保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリンなどのグリセロール類、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどの2価のグリコール類や、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、グルコースなどの糖類及びその誘導体等がある。 【0021】 成分(B)の成分としてはその他に化粧品、医薬品に通常使用可能なものを、乳化物の安定性を損なわない範囲で使用することができる。 水溶性高分子としては、アラビアゴム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOLなど)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト等の無機系水溶性高分子等がある。 金属イオン封鎖剤としては、エデト酸ナトリウム塩、メタリン酸ナトリウム、リン酸等がある。 酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等がある。 その他、各種の無機塩や有機塩類を配合することができる。 【0022】 本発明において、水性成分の配合量は、組成物全体に対して70〜98質量%であることが好ましく、より好ましくは75〜90質量%である。水性成分が70質量%未満では、塗布時のみずみずしさが失われ、98質量%を超えると、乳化安定性が低下する。 【0023】 (成分(C)) 成分(C)の油性成分としては、液状油分、半固形油分、固形油分、種々の油溶性薬剤が含まれる。乳化物の安定性と皮膚に対するスキンケア効果の観点からは、成分(C)に対して3〜70質量%の固形油分を配合することが望ましい。ここで固形油分とは50℃以上の融点を有する油分と定義され、例えば下記の固形油分を用いることができる。 【0024】 「固体油脂」としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。 「ロウ」としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。 【0025】 固形油分としては、肌上でのなじみやすさと高温安定性の観点から、中でも常温での硬度が低く、高い融点を有するパラフィンワックス、及びパラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスの混合物が好ましい。 【0026】 また成分(C)の油性成分としては、油性成分の硬度と融点を変化させることにより、肌上でのなじみやすさや高温での安定性を調整できる成分として、脂肪酸でエステル化したデキストリン及びイヌリン、およびベヘン酸エイコサン二酸グリセリルから選ばれる1種または2種以上(C1)を成分(C)に対して0.1〜30質量%含有することが望ましい。 【0027】 さらに、成分(C)の油性成分として、高いスキンケア効果を有する半固形油分であるワセリンを含有することが望ましい。 【0028】 本発明においては、上記成分以外に下記の油分を成分(C)の油性成分として配合することができる。 「液体油脂」としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。 「炭化水素油」としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、スクワレン等が挙げられる。 「エステル油」としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。 「シリコーン油」としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)が挙げられる。 【0029】 成分(C)の成分としてはその他に化粧品、医薬品に通常使用可能なものを、乳化物の安定性を損なわない範囲で使用することができる。 紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラミル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン等がある。 薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL-α-トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸2-グルコシド、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl-α-トコフェロール2-Lアスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、アラントイン、アズレン等の坑炎症剤、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、イオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等がある。 また、上記薬剤は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。 油溶性高分子としては、トリメチルシロキシケイ酸、アルキル変性シリコーン、ポリアミド変性シリコーン等がある。 高分子粉末としてはジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン等がある。 【0030】 本発明の油中水型乳化組成物は、例えば次のような方法で調製することができる。 成分(A)および成分(C)を混合し、加熱して均一溶解する(パーツ1)。成分(B)およびその他の水溶性成分を混合、溶解する(パーツ2)。パーツ1を攪拌しながら加熱したパーツ2を徐添し、乳化物を調製する。次いで、調製した乳化物を攪拌しながら冷却する。 【0031】 また、本発明の油中水型乳化組成物は、従来皮膚に適用されている化粧料、医薬品、および医薬部外品に広く応用することが可能である。例えば、美白用美容液、乳液、クリーム、パック、ファンデーション、マスカラ、メーク落とし、ヘアーリンス、皮膚科用軟膏等が挙げられる。 【実施例】 【0032】 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるべきものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。 【0033】 実施例1〜19、比較例1〜8 下記表1〜表5に示す処方で、後記する方法で油中水型乳化組成物を調製し、後記する評価基準に基づいて、乳化安定性、使用感(みずみずしさ)、スキンケア効果、使用感(肌なじみのよさ)を評価した。 【0034】 (調製方法) (1)成分(A)、成分(C)を混合し、約90度に加熱して均一溶解する。これをパーツ1とする。 (2)成分(B)およびその他の水溶性成分を混合、溶解する。これをパーツ2とする。 (3)パーツ1を強攪拌しながら約70度に加熱したパーツ2を徐添し、乳化物を調製する。 (4)(3)で調製した乳化物を攪拌しながら約40度まで冷却する。 【0035】 (油中水型乳化組成物の評価方法) 1.乳化安定性 油中水型乳化組成物を25℃と40℃で1ヶ月保存し、粘度(硬度)および外観を調製直後と比較し、安定性を次の基準で評価した。 ◎:どの保存条件でも粘度(硬度)低下が10%以内であり、外観の変化が認められない。 ○:どの保存条件でも外観の変化は認められないが、50℃で保存したもののみ10%以上の粘度(硬度)低下が認められる。 △:どの保存条件でも外観の変化は認められないが、10%以上の粘度(硬度)低下は認められる。 ×:外観において水および/または油の分離が認められる。 【0036】 2.使用感(みずみずしさ) 専門パネル10名が顔面に油中水型乳化組成物を塗布し、塗布時のみずみずしい使用感を次の基準で判定した。 ○:パネルの9名以上がみずみずしいと回答 △:パネルの6名以上、9名未満がみずみずしいと回答 ×:パネルの6名未満がみずみずしいと回答 【0037】 3.皮膚に対するスキンケア効果 パネル10名が油中水型乳化組成物の連用を上腕部にて一週間行い、連用前後で測定した角層水分蒸散量を比較し、次の基準で判定した。 ◎:「連用後の角層水分蒸散量/連用前の角層水分蒸散量」の平均値が0.7未満 ○:「連用後の角層水分蒸散量/連用前の角層水分蒸散量」の平均値が0.7以上、0.8未満 △:「連用後の角層水分蒸散量/連用前の角層水分蒸散量」の平均値が0.8以上、0.9未満 ×:「連用後の角層水分蒸散量/連用前の角層水分蒸散量」の平均値が0.9以上 【0038】 4.使用感(肌なじみのよさ) 専門パネル10名が顔面に油中水型乳化組成物を塗布し、肌上でのなじみの良さを次の基準で判定した。 ◎:パネルの9名以上がなじみが良いと回答 ○:パネルの6名以上、9名未満がなじみが良いと回答 ×:パネルの6名未満がなじみが良いと回答 【0039】 【表1】
【0040】 *1:ABIL EM90(Degussa社製) *2:KSG210(信越化学工業社製) *3:パラミックス91(日興リカ社製) 【0041】 前記表1に示す結果より明らかなように、界面活性剤としてモノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリングリセリン、POE(5)グリセリルモノイソステアレートから選ばれる1種、または2種以上を用いることで安定性、使用性、スキンケア効果の高い油中水型乳化組成物を調製することができた。(実施例1〜4)。また界面活性剤として用いるモノオレイン酸グリセリンの純分が90%未満の場合(実施例5)と比較して、90%以上の場合(実施例2)はより乳化安定性の高い油中水型乳化組成物を調製することができる。 界面活性剤であるモノオレイン酸グリセリン、POE(5)グリセリルモノイソステアレートの配合量が多い場合(比較例1)や内相比が低い場合(比較例2)はみずみずしい使用感が失われる。また、比較例3に示すように油分として固形油分を用いない場合には乳化安定性、及びスキンケア効果が低くなる。 界面活性剤としてアルキル・ポリエーテル共変性シリコーンを用いた場合(比較例4、5)は使用感と乳化安定性の両立が困難であり、界面活性剤として架橋型ポリエーテル変性シリコーンを用いた場合(比較例6、7)はスキンケア効果と乳化安定性の両立が困難となる。 【0042】 【表2】
【0043】 前記表2に示すように、界面活性剤として用いるポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートにおけるポリオキシエチレン部分の平均付加モル数が7以上の場合(実施例7)と比較して7未満の場合(実施例2,6)において、より乳化安定性の高い油中水型乳化組成物を調製することができる。 【0044】 【表3】
【0045】 前記表3に示すように、界面活性剤としてモノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリングリセリン、POE(5)グリセリルモノイソステアレートから選ばれる2種以上を用いることで(実施例2,8)、上記界面活性剤をそれぞれ単独で用いた場合(実施例9〜11)と比較して乳化安定性の高い油中水型乳化組成物を調製することができた。 【0046】 【表4】
【0047】 前記表4に示すように、油性成分としてワセリンを用いることで(実施例2)、用いない場合(実施例12)と比較してスキンケア効果の高い油中水型乳化組成物を調製することができた。 【0048】 【表5】
【0049】 *4:レオパールKL(千葉製粉社製) *5:レオパールISK(千葉製粉社製) *6:ノムコートHK−G(日清製油社製) 【0050】 前記表5に示すように、油相成分中の固形油分として常温での硬度が高いマイクロクリスタリンワックスを用いた場合(実施例16)と比較すると、常温での硬度が低いパラフィンワックスやパラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスの混合物を用いた場合(実施例2、13〜15)では肌なじみが良い。 また、固形油分としてマイクロクリスタリンワックスを用いた場合においても、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、及びベヘン酸エイコサン二酸グリセリルを配合することで油相成分の硬度が低くなるため、肌なじみが良好となる(実施例17〜19)。 また、油相成分中の固形油分の量が多い場合(比較例8)には外相の硬度が高くなりすぎるため肌なじみは悪くなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001959 【氏名又は名称】株式会社資生堂
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| 【出願日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090527 【弁理士】 【氏名又は名称】舘野 千惠子
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| 【公開番号】 |
特開2008−24630(P2008−24630A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−197996(P2006−197996) |
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