| 【発明の名称】 |
経口用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】武井 拓人
【氏名】伊藤 充
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| 【要約】 |
【課題】従来問題とされていたキチンやキトサンの臭いや苦味を改良した、極めて服用しやすい経口用組成物を提供する。
【構成】0.1〜10重量%のタウリンならびにキチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体を含有する経口用組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 0.1〜10重量%のタウリンならびにキチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体を含有する経口用組成物。 【請求項2】 キチン、キトサン及び/又はその塩若しくは誘導体1重量部に対してタウリンを2〜100重量部含む、請求項1に記載の経口用組成物。 【請求項3】 飲料である、請求項1又は2に記載の経口用組成物。 【請求項4】 pHが2.5〜7である、請求項3に記載の経口用組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、キチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体が呈する不快臭、渋みやえぐみに代表される苦味が低減された経口用組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 キチンやキトサンは機能性食物繊維の一種であり、脂質の消化吸収を阻害する効果(特許文献1)、血清コレステロール濃度上昇抑制効果(非特許文献1)キトサン の血清尿酸値上昇抑制効果や血清尿酸値改善効果等(特許文献2)を有することが知られている。またこの他にも、キチン、キトサンは抗菌性、創傷治癒作用、凝集性、保湿性等において優れた作用を有する。 【0003】 かかる効果を効率的に享受することを目的として、キチンやキトサン、あるいは易溶解性キトサン(特許文献3)を含む食品が開発されている。しかし、この様なキトサンやその誘導体を食品とするに際しての問題は、その不快な味と風味にある。特にキトサンや易溶解性キトサンは、特有の臭い(生臭さ)と渋みやえぐ味等の苦味を有しており、キトサンを継続的にあるいは多量に摂取することの障害となっている。 【0004】 キチンやキトサンを含む飲食品の風味改善方法としては、無機酸のカルシウム塩及び/又は硫酸塩を添加する方法(特許文献4)、柿の葉の粉末あるいは柿の葉の抽出エキスを添加する方法(特許文献5)、トレハロースなどの糖類やグリシン、キサンタンガム等を加える方法(特許文献6)等が知られている。 【0005】 しかしながら、これらの方法によってもキチンやキトサンの不快臭や苦味が充分に抑制するまでには至っていない。 【0006】 【特許文献1】特許第2667351号 【特許文献2】特願平11−344708号 【特許文献3】特開昭63−225602号 【特許文献4】特開平5−236888号 【特許文献5】特開平8−208709号 【特許文献6】特開2001−316271号 【非特許文献1】前崎ら、1998年、FOOD Style 21、67−71頁 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、キトサンの不快臭ならびに苦味を改善し、日常的に無理なくキトサンを多量に摂取することのできるキトサン含有食品を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、それ自体は無味無臭であるタウリンを配合することにより、キトサンの不快臭や苦味が改善され、より服用し易い経口用組成物が得られることを見いだし、下記の各発明を完成した。 【0009】 (1)0.1〜10重量%のタウリンならびにキチン、キトサン及び/又はその塩若しくは誘導体を含有する経口用組成物。 【0010】 (2)キチン、キトサン及び/又はその塩若しくは誘導体1重量部に対してタウリンを2〜100重量部含む、(1)に記載の経口用組成物。 【0011】 (3)飲料である、(1)又は(2)に記載の経口用組成物。 【0012】 (4)pHが2.5〜7である、(3)に記載の経口用組成物。 【発明の効果】 【0013】 本発明の組成物は、従来問題とされていたキチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体の臭いや苦味が改良された、極めて服用しやすい経口用組成物を提供することができる。特に、タウリン自体は無味無臭であるため、別途適当な香料や矯味剤を利用することで、キチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体の臭いや苦味をマスキングする一方で様々なフレーバーを持つ経口用組成物を提供することができる。 【0014】 また、キチンやキトサンの生理作用、例えば脂質の消化吸収阻害作用、血清コレステロール濃度上昇抑制作用、血清尿酸値上昇抑制作用、血清尿酸値改善作用、その他抗菌性、創傷治癒作用、凝集性、保湿性等を享受するには、キチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体の摂取量を増やすことが重要であるが、キチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体を多量に摂取することは、同時にその臭いや苦味をより長く又は強く感じることを意味する。本発明は、このキチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体の大量服用時に感じやすい臭いや苦味を、タウリンというそれ自体が人の健康に対して種々の利益をもたらす物質によって低減することができるので、キチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体の大量摂取による恩恵とタウリンに由来する効果を同時に享受することを可能にするものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 キチンは、一般的にカニ、エビ、オキアミ等の甲殻類の甲皮、カブトムシ、バッタ等の昆虫類の甲皮、イカの骨等を脱カルシウム処理し、除タンパク質処理することで製造されている。また、キノコ類、微生物からも得ることができる。このキチンをさらに脱アセチル化処理してキトサンが製造される。 【0016】 本発明は、この様にして得られるキチンやキトサンに対して有効である。また、不快な臭いや苦味を有するキチンやキトサンを含んでいる限り、キチンやキトサンの精製の度合いに制限はなく、未精製品あるいは部分精製品であってもよい。 【0017】 さらに、キチンやキトサンの溶解性や風味等を改善する目的で種々の天然型キチンやキトサンあるいはそれらの誘導体も開発され、一部は市販されているが、これら誘導体の中でもキチンやキトサン独特の臭いや苦味を有するものに対しては、本発明を適用することができる。 【0018】 本発明において上記キチン、キトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体の苦味や風味を改善する作用を示すタウリン(アミノエチルスルホン酸)は、分子量125.15の単純な化学構造をもつ含硫アミノ酸である。タウリンは化学構造的にはアミノ酸に属するが、タンパク質を構成するアミノ酸とは異なり、ビタミン類やホルモンのような作用、さらには脳神経系、循環系、肝胆系をはじめとして様々な薬理作用を示すことが知られている。この様に、タウリンは生理活性物質として注目され、利用されてきたが、その性状は無色または白色の結晶の粉末で臭いも味もないことから、矯味成分として、また特に嗜好性を形成するほどの強い苦味に対してのマスキング成分としては利用されていない。 【0019】 一般にキチンやキトサンの有効投与量は、健康成人で一日で1.5g〜3gである。本発明では、キチンやキトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体1重量部に対してタウリンを2〜100重量部配合して利用することができるが、2〜10重量部とすることが本発明においては好ましい態様である。また組成物全重量当たりで表せば、組成物当たりのタウリンの配合量は0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%とすればよい。 【0020】 この組み合わせによって、キチンやキトサン及び/又はそれらの塩若しくは誘導体が呈する比較的強い苦味を無味無臭のタウリンによって低減することができる。 【0021】 水溶性を向上させたキチン、キトサンならびにタウリンはいずれも水溶液中で比較的安定な化合物であることから、本発明における好適な形態は飲料であり、特にpHが2.5〜7、好ましくは4.5〜6.5に調整されている、容器詰の飲料である。本発明の経口用組成物である飲料においては、かかる範囲のpHに設定することによって、より服用感が向上することが確認された。 【0022】 pHは適当なpH調節剤を用いて調整すればよい。pH調整剤としては、有機及び無機の食用酸を用いることができる。酸はそれらの非解離形で、あるいはそれらの各塩、例えばリン酸水素カリウム又はナトリウム、リン酸二水素カリウム又はナトリウム塩のような形態で用いてもよい。好ましい酸は、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸又はそれらの混合物を含めた食用有機酸である。また、重炭酸塩も用いることができる。 【0023】 この様にpHが調整された飲料として本発明にかかる経口用組成物を製造するには、同飲料は容器詰の形態で製造されることが好ましい。容器の種類に特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶など、いずれの容器も利用することができる。 【0024】 また、本発明の経口用組成物において、特に生理電解質であるナトリウムイオンやカリウムイオンを配合することによって、いわゆるスポーツ飲料やアイソトニック飲料とすることも有益である。ナトリウムイオンやカリウムイオンの他にも、ミネラル類としてカルシウム、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデンまたは亜鉛等を添加することもできる。 【0025】 さらに、嗜好性を高めるために、適宜甘味料を選択して配合してもよい。例えば、ステビアなどの天然甘味料、アスパルテーム等の人工甘味料類、蔗糖等の炭水化物類、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール、グリセリン等のグリセロール類を利用することができる。 【0026】 本発明の経口用組成物の調製に際しては、特別な界面活性剤等の添加物は必須ではないが、必要に応じて他の公知の添加剤、賦形剤その他を加えて適当な剤型へと加工してもよい。例えば液剤であれば、抗酸化剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤、pH調整剤などを混合して常法により、ドライシロップ剤、液剤などの経口物とすることができる。また固形剤であれば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤などを混合して常法により、顆粒剤、散剤、カプセル剤、錠剤などを製造することができる。 【0027】 抗酸化剤としては、例えばビタミンC、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHT)、α−トコフェロール、クエン酸などが挙げられる。 【0028】 着色剤としては、例えばタール色素、酸化チタンなどが挙げられる。 【0029】 界面活性剤としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。 【0030】 また、必要に応じてタウリンあるいはキトサンの他に各種の生理活性成分、例えばビタミン類などを混合することもできる。好ましいビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD及びビタミンEもしくはそれらの各種誘導体を挙げることができる。 【0031】 また、本発明の組成物に嗜好性を持たせるために、各種の香料等を添加しても良い。 【0032】 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【実施例1】 【0033】 市販のキチン(焼津水産化学工業(株)、商品名NA−COS−Y)5gとタウリン10gを精製水に溶解して全量を1000mlとし、飲料組成物を得た。この組成物のpHは3.8である。 【実施例2】 【0034】 市販のキチン(焼津水産化学工業(株)、商品名NA−COS−Y)5gとタウリン30gを精製水に溶解して全量を1000mlとし、飲料組成物を得た。この組成物のpHは3.8である。 【実施例3】 【0035】 市販のキトサン(焼津水産化学工業(株)、商品名COS−YS)5gとタウリン10gを精製水に溶解して全量を1000mlとし、飲料組成物を得た。この組成物のpHは4.4である。 【実施例4】 【0036】 市販のキトサン(焼津水産化学工業(株)、商品名COS−YS)5gとタウリン30gを精製水に溶解して全量を1000mlとし、飲料組成物を得た。この組成物のpHは4.4である。 【0037】 <試験例> 実施例1〜4で調製した飲料組成物、ならびに実施例1、3からそれぞれタウリンを除いた組成からなるコントロ−ル(それぞれコントロール1、3)の風味について、20歳代〜50歳代の健常な成人男性6名からなるパネラーによる調査を行った。 【0038】 実施例1〜4の飲料組成物ならびにコントロール1、3をそれぞれ前記パネラーに飲用させた後、各飲料の渋みについて、「感じない」:5点、「僅かに感じる」:4点、「少し感じる」:3点、「感じる」:2点、「強く感じる」:1点から選択させ、その合計点で判定した。 【0039】 なお、検体の服用はダブルブラインドで行い、パネラーは、中味が解らない状況で検体を服用した。データ解析には、SD法による絶対評価法を用いた。この各飲料についてのスコアを表1に示す。 【0040】 【表1】
【0041】 この様に、タウリンを添加することで、コントロール1、3でそれぞれ認められている渋みが改善されることが確認された。 【実施例5】 【0042】 市販のキトサン(焼津水産化学工業(株)、商品名COS−YS)50gとタウリン100gを混合し、粉末組成物を得た 【実施例6】 【0043】 市販のキトサン(焼津水産化学工業(株)、商品名COS−YS)50gとタウリン300gを混合し、粉末組成物を得た。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002819 【氏名又は名称】大正製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100115406 【弁理士】 【氏名又は名称】佐鳥 宗一
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| 【公開番号】 |
特開2008−24625(P2008−24625A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−197770(P2006−197770) |
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