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【発明の名称】 色素沈着症の予防または治療用医薬組成物
【発明者】 【氏名】藤原 葉子

【氏名】青沼 さやか

【要約】 【課題】色素沈着症の予防または治療に有用な、経口用の医薬組成物の提供。

【構成】色素沈着抑制作用を有する活性成分としてアズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩およびビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩、またはこれらとシステイン、ビタミンB、Bまたは/およびビタミンEとを組み合わせてなる医薬組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩、およびビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する色素沈着症の予防または治療のための経口用医薬組成物。
【請求項2】
アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩が、アズレンスルホン酸ナトリウムである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
ビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩が、アスコルビン酸カルシウムである請求項1または2記載の医薬組成物。
【請求項4】
さらに、(a)システインまたはその誘導体と、(b)ビタミンEまたはその誘導体、ビタミンBまたはその誘導体およびビタミンBまたはその誘導体から選択される少なくとも1種とを含有することを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
アズレンスルホン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−システインおよびコハク酸d−α−トコフェロールを含有する請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩の1重量部に対して、ビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩を8〜2000重量部含有することを特徴とする請求項1または4記載の医薬組成物。
【請求項7】
錠剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚における色素沈着症に対して優れた効果を有する、色素沈着症の予防または治療用の医薬組成物、特に経口用の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
色素沈着症は、一般に、遺伝的素因、ホルモンの異常、日光の紫外線刺激等によっておこるものと考えられている。ここで、色素沈着症とは、しみ、そばかす等のような皮膚にメラニン色素が沈着する症状をいう。
ビタミンCは、このような色素沈着症の原因となるメラニン色素沈着抑制作用を有することが知られているが、その作用機序としては、チロシナーゼ活性抑制、酸化型メラニンの還元型メラニンへの変換、ドーパキノンをドーパに還元しメラニンの生成を抑える作用などが知られている。また、L−システインは、ドーパキノンからシステニルドーパを形成し、淡赤褐色メラニンであるフェオメラニンの合成を促進することやチロシナーゼ活性抑制作用を持つことが報告されており、皮膚の色調や色素沈着軽減に関与していると考えられる。さらに、ビタミンEについても細胞内グルタチオンレベルの上昇作用、チロシナーゼ活性抑制作用、活性酸素に自ら酸化され補足することによる反応制御作用、さらにサイトカインやケミカルメディエーターによって活性化されるプロテインキナーゼCの活性制御作用などからメラニン生成抑制作用を有し、ビタミンCと併用すると相乗効果があることが知られている(たとえば、非特許文献1参照)。また、ビタミンBおよびその誘導体は抗酸化作用を有し、またビタミンBおよびその誘導体はチロシナーゼ阻害作用を有し、これらの作用に基づきビタミンBおよびBまたはそれらの誘導体が色素沈着を抑制することも知られている(例えば、非特許文献2および3参照)。
色素沈着症の予防または治療法として、ビタミンC、L−システイン、ビタミンE等を含有する内服剤が提案され、実際に用いられている。
また、ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン)等のアズレン類は、抗炎症作用を有することが知られているが、色素沈着抑制作用を有する物質と併用して皮膚の炎症物質の産生を抑制することによる色素沈着症の治療効果を期待して皮膚科領域で外用剤として用いられていた(例えば、特許文献1参照)。しかし、外用剤である上記成分を含有する色素沈着症の予防・治療剤はその効果等が必ずしも満足できるものではなく、また、使用の利便性より内服薬の開発が待ち望まれていた。
【特許文献1】特開2005−29490号公報
【非特許文献1】日本栄養・食料学会誌 第56巻第4号221−228頁(2003年)
【非特許文献2】大石誠子,「ビタミン」,1995年,第69巻(2),p.59−66
【非特許文献3】八木年晴,「ビタミン」,2003年,第77巻(1),p.58−59
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、しみ・そばかす等の色素沈着症の予防または治療に有用な、経口用の医薬組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、アズレンもしくはその誘導体またはその塩がチロシナーゼの生成を抑制する作用を有し、主有効成分としてビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩と配合することにより、色素沈着症に対し高い効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は:
(1)アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩、およびビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する色素沈着症の予防または治療のための経口用医薬組成物;
(2)アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩が、アズレンスルホン酸ナトリウムである上記(1)記載の医薬組成物;
(3)ビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩が、アスコルビン酸カルシウムである上記(1)または(2)記載の医薬組成物;
(4)さらに、(a)システインまたはその誘導体と、(b)ビタミンEまたはその誘導体、ビタミンBまたはその誘導体およびビタミンBまたはその誘導体から選択される少なくとも1種とを含有することを特徴とする上記(1)記載の医薬組成物;
(5)アズレンスルホン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−システインおよびコハク酸d−α−トコフェロールを含有する上記(4)記載の医薬組成物;
(6)アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩の1重量部に対して、ビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩を8〜2000重量部含有することを特徴とする上記(1)または(4)記載の医薬組成物;
(7)錠剤である、上記(1)〜(6)のいずれか1に記載の医薬組成物;を提供する。
【発明の効果】
【0005】
アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩およびビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩、またはこれらとシステイン、ビタミンB、Bまたは/およびビタミンEとを組み合わせてなる医薬組成物は、メラニン生成、チロシナーゼ活性およびチロシナーゼ産生を効果的に抑制するので、しみ・そばかす等の色素沈着症の予防または治療に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書において「色素沈着抑制」とは、メラニン生成の抑制、チロシナーゼの活性抑制、チロシナーゼ産生抑制などによりメラニン量を減少させ、またはメラニンの沈着を抑制することをいう。
本発明に係る色素沈着症の予防または治療用医薬組成物は、色素沈着抑制作用を有する活性成分としてアズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩およびビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有しており、その効果を高める活性成分として更にビタミンEまたはその誘導体、ビタミンBまたはその誘導体およびビタミンBまたはその誘導体から選択される少なくとも1種(好ましくは、ビタミンEまたはその誘導体)をも含有していてもよい。
【0007】
本発明で用いられるアズレンまたはその誘導体としては、アズレン、ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン)、アズレンスルホン酸等が挙げられ、またはそれらの塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に限定されないが、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられ、有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。なかでもナトリウム塩等が好ましく用いられる。
本発明で用いられるビタミンCまたはその誘導体としては、ジパルミチン酸エステル、アスコルビン酸硫酸、アスコルビン酸リン酸マグネシウム等が挙げられ、またはそれらの塩としては上記アズレン誘導体の塩と同様の塩が挙げられるが、カルシウム塩、ナトリウム塩等が好ましく用いられる。
本発明で用いられるシステインまたはその誘導体としては、L-塩酸システイン、L-カルボシステイン、N−アセチルシステインなどのN−アシルシステイン等が挙げられる。
本発明で用いられるビタミンEまたはその誘導体としては、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール等が挙げられる。
本発明で用いられるビタミンBまたはその誘導体としては、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド等が挙げられる。
本発明で用いられるビタミンBまたはその誘導体としては、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール等が挙げられる。
【0008】
本発明に係る医薬組成物は、自体公知の手段に従って製剤化することができ、薬理学的に許容される担体を、製剤化工程において、適宜、適量混合することにより種々の経口投与に適した剤形、例えば錠剤、カプセル(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤などとして安全に投与することができる。
本発明の医薬組成物の製造に用いられる薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用される各種有機または無機担体物質が挙げられ、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤等が挙げられる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、矯味剤、着色剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を用いることもできる。
当該「賦形剤」としては、例えば、ぶどう糖、果糖、乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。
当該「結合剤」としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、結晶セルロース、デキストリン、プルランなどが挙げられる。
当該「崩壊剤」としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチなどが挙げられる。
当該「滑沢剤」としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、コロイドシリカ、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
当該「界面活性剤」としては、例えばポリソルベート(ポリソルベート80など)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウムなどなどが挙げられる。
当該「抗酸化剤」としては、例えばアスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
当該「矯味剤としては、例えばクエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−グアニル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0009】
例えば、錠剤は、有効成分に、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン、D−マンニトールなど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、結合剤(例、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コーティング基剤を用いて公知の方法でコーティングすることにより製造される。
【0010】
本発明の医薬組成物においては、アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩1重量部に対して、ビタミンCまたはその誘導体を8〜2000重量部、好ましくは45〜750重量部、より好ましくは80〜500重量部、システインまたはその誘導体は5〜240重量部、好ましくは16〜180重量部、より好ましくは27〜120重量部、ビタミンEまたはその誘導体は1.7〜150重量部、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは8.3〜50重量部、ビタミンBまたはその誘導体は0.4〜45重量部、好ましくは0.9〜25重量部、より好ましくは1.4〜6重量部、およびビタミンBまたはその誘導体は1〜50重量部、好ましくは1.3〜38重量部、より好ましくは1.7〜25重量部の割合で使用する。
【0011】
本発明に係る医薬組成物における各成分の投与量は、成人(体重60kg)では1日あたり、アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩については1〜10mg、好ましくは3〜8mg、より好ましくは4〜6mgであり、ビタミンCもしくはその誘導体またはそれらの塩については50〜2000mg、好ましくは100〜2000mg、より好ましくは400〜1000mgであり、ビタミンEまたはその誘導体については1〜300mg、好ましくは10〜100mg、より好ましくは40〜60mgであり、ビタミンBまたはその誘導体については2〜120mg、好ましくは2〜30mg、より好ましくは2〜15mgであり、また、ビタミンBまたはその誘導体については5〜100mg、好ましくは5〜50mg、より好ましくは5〜30mgである。
【0012】
本発明において、アズレンもしくはその誘導体またはそれらの塩と、ビタミンCやビタミンE等とを組み合わせて用いる場合、投与形態としては、例えば、(1)アズレンとビタミンC等とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)アズレンとビタミンC等とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同時投与、(3)アズレンとビタミンC等とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の時間差をおいての投与などが挙げられる。患者の利便性の観点からは、アズレンとビタミンC等とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与が好ましい。
【実施例】
【0013】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製剤例1
アズレンスルホン酸ナトリウム(12g)、アスコルビン酸カルシウム(1800g)、コハク酸d−α−トコフェロール(150g)、結晶セルロース(セオラスKG802、354g)、ケイ酸カルシウム(フローライトRE、36g)に、HPC−L(144g)を精製水(2256g)に溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP−10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末(2163.2g)、L−システイン(624g)、結晶セルロース(セオラスKG802)(145.6g)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC、LH31、156g)、ステアリン酸マグネシウム(31.2g)を混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量300mg、厚み5.26mmの素錠を得た。
得られた素錠(300g)をコーティング機(ハイコーターMINI、フロイント産業)に仕込み、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5MW、90g)、タルク(10g)を精製水(900g)に溶解、懸濁させたコーティング液を素錠に噴霧し、1錠あたり6mgコーティングし、アンダーコーティング(UC)錠を得た。続いて、UC錠に、エリスリトール(530g)、タルク(280g)、酸化チタン(20g)、結晶セルロース(アビセルPH−F20、50g)、アラビアゴム末(120g)を精製水(1500g)に溶解、懸濁させたコーティング液を噴霧し、1錠あたり114mgコーティングし、ビルドアップコーティング(BC)錠を得た。続いてBC錠に、エリスリトール(360g)、ポリエチレングリコール6000(PEG6000、40g)を精製水(600g)に溶解させたコーティング液を用い、1錠あたり15mgコーティングし、シロップコーティング(SC)錠を得た。SC錠に、カルナウバロウ、セラックパーク、ヒマシ油、エタノール、n−ヘキサンを溶解させた艶出液を注液、乾燥し、艶出したシュガーレス薄層糖衣錠を得た。
【0014】
製剤例2
アズレンスルホン酸ナトリウム(12g)、アスコルビン酸カルシウム(1800g)、コハク酸d−α−トコフェロール(150g)、結晶セルロース(セオラスKG802、354g)、ケイ酸カルシウム(フローライトRE、36g)に、PVPK90(144g)を精製水(2256g)に溶解させた水溶液を流動層造粒機(MP−10、パウレック)にて噴霧し、造粒した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和機械化工)にて整粒し、整粒末を得た。整粒末(2163.2g)、L−システイン(624g)、結晶セルロース(セオラスKG802)(145.6g)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC、LH31、156g)、ステアリン酸マグネシウム(31.2g)を混合機(タンブラー混合機(15L)、昭和化学機械)にて混合し、混合末を得た。得られた混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)にて、直径8.8mmの臼と曲率半径7mmのR面をもつ杵を用い、重量300mg、厚み5.29mmの素錠を得た。
得られた素錠(300g)をコーティング機(ハイコーターMINI、フロイント産業)に仕込み、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5MW、90g)、タルク(10g)を精製水(900g)に溶解、懸濁させたコーティング液を素錠に噴霧し、1錠あたり6mgコーティングし、アンダーコーティング(UC)錠を得た。続いて、UC錠に、エリスリトール(530g)、タルク(280g)、酸化チタン(20g)、結晶セルロース(アビセルPH−F20、50g)、アラビアゴム末(120g)を精製水(1500g)に溶解、懸濁させたコーティング液を噴霧し、1錠あたり114mgコーティングし、ビルドアップコーティング(BC)錠を得た。続いてBC錠に、エリスリトール(360g)、ポリエチレングリコール6000(PEG6000、40g)を精製水(600g)に溶解させたコーティング液を用い、1錠あたり15mgコーティングし、シロップコーティング(SC)錠を得た。SC錠に、カルナウバロウ、セラックパーク、ヒマシ油、エタノール、n−ヘキサンを溶解させた艶出液を注液、乾燥し、艶出したシュガーレス薄層糖衣錠を得た。
【0015】
試験例1
マウス由来B16メラノーマ細胞を用いた薬理試験
B16メラノーマ細胞は理研セルバンクより購入したものを用いた。細胞は10%FBS-MEM培地で培養し、実験には、直径60mmのディッシュに細胞を蒔いた翌日からサンプルを培地中、アズレンスルホン酸ナトリウム5μg/mL、ビタミンC50μg/mL、またはアズレンスルホン酸ナトリウム5μg/mL+ビタミンC50μg/mLの濃度となるように添加し、5日後に細胞を集めて50mM Tris−HCl Buffer中で超音波処理して破砕した細胞抽出液を得、メラニン量、チロシナーゼ活性の測定に使用した。
細胞抽出液に2N NaOHを加えて80℃で加温し、メラニンを融解し、400nmの吸光度を測定した。なお、その際DNA量に換算して測定しているがこの含量は、蛍光法、細胞タンパク質量はLowry法で測定した。メラニン生成の律速酵素であるチロシナーゼ活性は、前述の細胞抽出液を用いて、基質であるDOPAから水酸化反応によって生成したDOPAクロムへの変換で示し、37℃でインキュベートしながら475nmの吸光度を経時的に測定した。また、同時に培養した細胞からmRNAを抽出し、定量RT−PCR法でチロシナーゼのmRNA発現量について測定した。
【0016】
結果を図1〜3に示す。図1から明らかなように、B16メラノーマ細胞中のメラニン量はアズレンスルホン酸ナトリウムにビタミンCを配合したもので有意な低下が認められた。また、図2から明らかなように、B16メラノーマ細胞中でメラニン生成のきっかけとなる酵素のチロシナーゼ活性についてもアズレンスルホン酸ナトリウムにビタミンCを配合したもので有意な低下が認められた。図3から、アズレンスルホン酸ナトリウムとビタミンCを配合したものにチロシナーゼの生成自体を抑制する作用があることが認められた。アズレンスルホン酸ナトリウムは、チロシナーゼの生成を抑制する作用は認められたが、メラニン量を減少させる作用はないことが認められた。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】マウス由来B16メラノーマ細胞における、アズレンおよびビタミンCの細胞中メラニン量に与える影響を示す。
【図2】マウス由来B16メラノーマ細胞における、アズレンおよびビタミンCの細胞中チロシナーゼ活性に与える影響を示す。
【図3】マウス由来B16メラノーマ細胞における、アズレンおよびビタミンCの細胞中チロシナーゼmRNA量に与える影響を示す。
【出願人】 【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
【出願日】 平成19年6月14日(2007.6.14)
【代理人】 【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄

【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100116311
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 忠行

【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史


【公開番号】 特開2008−19252(P2008−19252A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−157631(P2007−157631)