| 【発明の名称】 |
内毒素または超抗原に誘導された毒性を治療するインターロイキン−10類似体またはアンタゴニストの使用 |
| 【発明者】 |
【氏名】デ・ワル・マレフィット,レネ
【氏名】ハワード,モーリーン
【氏名】ス,ディ・ウェイ
【氏名】イシダ ヒロシ
【氏名】オガーラ,アン
【氏名】スピッツ,ハーゲン
【氏名】ズロトニック,アルバート
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| 【要約】 |
【課題】敗血症性又は毒素性ショックを治療する方法を提供する。
【構成】インターロイキン−10またはその類似体、アゴニスト若しくはアンタゴニストを有効成分として含んでなる、宿主における炎症を調節するための医薬組成物;ならびに免疫機能を調節する、特に、微生物によって引起こされたショックまたは制御B細胞の分化若しくは発生の有害な作用を防止するおよび/または低減するためのIL−10またはその類似体若しくはアンタゴニストの使用法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本願明細書等に記載されるような、内毒素または超抗原に誘導された毒性を治療するインターロイキン−10 類似体またはアンタゴニストの使用。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、敗血症性または毒素性ショック様症状、例えば、内毒素または超抗原に誘導 された毒性および自己免疫状態の治療を含む、有効量のインターロイキン−10(IL− 10)またはその類似体若しくはアンタゴニストを投与することによって免疫応答を調節 する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 苛酷な感染は、大きな生理学的および代謝の変化を引起こすことがある。症状は様々で あるが、発熱、低血圧症、代謝性アシドーシス、組織壊死、広範囲にわたる器官機能不全 および、正しく治療されない場合、最終的には致死を挙げることができる。例えば、それ ぞれ本明細書中に参考として包含されているバーコウ(Berkow)(監修)The Merck Manual,ローウェー,ニュージャージー州;ウェザラル(Weath erall)ら(監修)Oxford Textbook of Medicine,オ クスフォード・ユニバーシティー・プレス(Oxford University Pr ess),ニューヨーク;ブラウンワルド(Braunwald)ら(監修)Harri son′s Textbook of Internal Medicine,マグロー ・ヒル,ニューヨーク;またはワインガーデン(Wyngaarden)ら(監修)Ce cil′s Textbook of Medicine,サンダース・カンパニー(S aunders Co.),フィラデルフィアを参照されたい。敗血症性ショックおよび 毒素性ショック症状は種々の感染応答に特有であり、しばしば、若干のまたは全てのこれ らの症状を示す。 【0003】 敗血症性ショックは内毒素に誘導された応答の典型である。敗血症性ショックは、内毒 素、典型的には、グラム陰性細菌の細胞壁からのリポ多糖(LPS)成分が免疫系に出現 することによって引起こされる。毒素性ショックは超抗原に誘導された応答の典型であり 、グラム陽性細菌の細胞膜からのタンパク質成分、例えば、ブドウ球菌エンテロトキシン B(SEB)の放出によって引起こされる。応答は両方とも微生物感染によって最初に引 起こされるが、免疫系は微生物産物に対して異なったように応答してそれらのそれぞれの 応答を引起こす。 【0004】 内毒素、例えば、LPSによって引起こされたショック応答において、宿主由来タンパ ク質である腫瘍壊死因子(TNF)はグラム陰性敗血症の多数の有害な作用を引起こすこ とが最近実証された。TNFに対する抗血清による受動免疫は、グラム陰性菌血症または 内毒素血症の多数の致命的作用を防止することができる。例えば、トレイシー(Trac ey)ら(1986)Science,234:470〜474;ビュートラー(Beu tler)ら(1986)Nature 320:584〜588;およびトレイシーら (1987)Nature 330:662〜664を参照されたい。TNFの高血清濃 度は、髄膜炎菌性髄膜炎、マラリアおよびリーシュマニア症を含むいくつかの他の感染症 においても観察された。TNFの循環濃度が高い多数の患者の器官機能不全は更に高い死 亡率とともに増大した。例えば、ワージ(Waage)ら(1987)Lancet 3 55〜357;ジラーディン(Girardin)ら(1988)New Engl.J .Med.,319:397〜400;スキュデリー(Scuderi)ら(1988) Lancet 1364〜1365;およびカーン(Kern)ら(1989)Am.J .Med.,87;139〜 を参照されたい。 【0005】 動物かまたはヒト被験者に対するTNFの投与により、2〜6時間後に検出可能なイン ターロイキン−6(IL−6)血清濃度を生じたことが報告された。マッキントッシュ( McIntosh)ら(1989)J.Immunol.143:162〜167;ジャ ブロンズ(Jablons)ら、J.Immunol.,142巻,1542頁(198 9);およびブロッカート(Brouckaert)ら、J.Exp.Med.,169 巻,2257頁(1989)。B細胞刺激因子2、インターフェロン−β2または肝細胞 刺激因子としても知られているIL−6は、B細胞成熟を引起こすT細胞由来の糖タンパ ク質として同定された。例えば、キシモト(Kishimoto)、Blood 74: 1〜10を参照されたい。更に最近、IL−6は、肝細胞中の鋭敏タンパク質の誘導並び に造血系前駆細胞およびT細胞に対する作用を含む多面的生物活性を有することが実証さ れた。例えば、ガイガー(Geiger)ら、Eur.J.Immunol.,18巻, 717頁(1988);マリンジョビク(Marinjovic)ら、J.Immuno l.,1.42巻,808頁(1989);モロン(Morrone)ら、J.Biol .Chem.,263巻,12554頁(1988);およびパールムッター(Perl mutter)ら、J.Clin.Inverst.,84巻,138頁(1989)を 参照されたい。スターンズ(Starnes)ら、J.Immunol.,145巻,4 185〜4191頁(1990)には、敗血症性ショックのマウスモデルにおいてIL− 6に対する抗体アンタゴニストが生存を延長することが示された。 【0006】 ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は超抗原であり、毒素性ショック反応を引起 こすことがある。これらの反応はT細胞の実質的なサブセットの活性化の結果として生じ 、苛酷なT細胞媒介全身性免疫反応を導く。この応答は、IL−10またはその類似体若 しくはアンタゴニストが治療的処置に有用である点に関して、T細胞媒介応答に特有であ る。機械的には、超抗原はT細胞受容体のVβ要素と直接的に相互作用し且つ比較的低い クラスII MHC特異性でT細胞を活性化すると考えられる。ハーマン(Herman )ら(1991)、An.Rev.Immunol.9:745〜772を参照されたい 。 【0007】 現在、敗血症、菌血症等のような敗血症症状は抗微生物性化合物によって治療されるの が典型的である。敗血症は、細菌感染がカテーテル挿入または外科的処置によってしばし ば引起こされる病院環境において一般的である。しかしながら、このような症状がショッ クを伴う場合、感染に応答して誘導されたサイトカインによって部分的に引起こされるシ ョック症候群を好転させる療法には有効な付加的手段が存在しない。例えば、ヤング(Y oung)(1985)「 」、マンデル(Mandell)ら(監修)Pri nciples and Practice of Infectious Disea ses(第2版)ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & So ns),ニューヨーク,468〜470頁を参照されたい。特に、抗生物質による治療は 微生物の致死をもたらし、そしてショック応答を引起こす細菌生産物の放出をもたらす。 【0008】 細菌性敗血症および関連の敗血症性ショックは、ある種の手術、腹部外傷および癌若し くは移植療法による免疫抑制または他の医学的症状の結果として生じた感染によって引起 こされた致命的な症状であることが多い。米国において、毎年700,000人を越える 患者が、敗血症性ショックを引起こす細菌感染に罹患している。これらの内約160,0 00人は敗血症性ショック症状を示し、そして約50,000人はこのような結果として 死に至っている。毒素性ショックに苦しむ患者は毎年少数であるが、典型的に、その応答 の重大さはより一層生命を脅かすものである。 【0009】 感染に対するこれらの苛酷な免疫学的応答の重大な結果のために、微生物によって引起 こされたショックを予防的にまたは治療的に処置する有効な技術が急を用して必要とされ ている。本発明は、これらのおよび他の苛酷な免疫反応を処置する組成物および方法を提 供する。 【0010】 【非特許文献1】バーコウ(Berkow)(監修)The Merck Manual,ローウェー,ニュージャージー州 【非特許文献2】ウェザラル(Weatherall)ら(監修)Oxford Textbook of Medicine,オクスフォード・ユニバーシティー・プレス(Oxford University Press),ニューヨーク 【非特許文献3】ブラウンワルド(Braunwald)ら(監修)Harrison′s Textbook of Internal Medicine,マグロー・ヒル,ニューヨーク 【非特許文献4】ワインガーデン(Wyngaarden)ら(監修)Cecil′s Textbook of Medicine,サンダース・カンパニー(Saunders Co.),フィラデルフィア 【非特許文献5】トレイシー(Tracey)ら(1986)Science,234:470〜474 【非特許文献6】ビュートラー(Beutler)ら(1986)Nature 320:584〜588 【非特許文献7】トレイシーら(1987)Nature 330:662〜664 【非特許文献8】ワージ(Waage)ら(1987)Lancet 355〜357 【非特許文献9】ジラーディン(Girardin)ら(1988)New Engl.J.Med.,319:397〜400 【非特許文献10】スキュデリー(Scuderi)ら(1988)Lancet 1364〜1365 【非特許文献11】カーン(Kern)ら(1989)Am.J.Med.,87;139〜 【非特許文献12】マッキントッシュ(McIntosh)ら(1989)J.Immunol.143:162〜167 【非特許文献13】ジャブロンズ(Jablons)ら、J.Immunol.,142巻,1542頁(1989) 【非特許文献14】ブロッカート(Brouckaert)ら、J.Exp.Med.,169巻,2257頁(1989) 【非特許文献15】キシモト(Kishimoto)、Blood 74:1〜10 【非特許文献16】ガイガー(Geiger)ら、Eur.J.Immunol.,18巻,717頁(1988) 【非特許文献17】マリンジョビク(Marinjovic)ら、J.Immunol.,1.42巻,808頁(1989) 【非特許文献18】モロン(Morrone)ら、J.Biol.Chem.,263巻,12554頁(1988) 【非特許文献19】パールムッター(Perlmutter)ら、J.Clin.Inverst.,84巻,138頁(1989) 【非特許文献20】スターンズ(Starnes)ら、J.Immunol.,145巻,4185〜4191頁(1990) 【非特許文献21】ハーマン(Herman)ら(1991)、An.Rev.Immunol.9:745〜772 【非特許文献22】マンデル(Mandell)ら(監修)Principles and Practice of Infectious Diseases(第2版)ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons),ニューヨーク,468〜470頁 【発明の開示】 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明によって以下が提供される: (1) インターロイキン−10またはその類似体、アゴニスト若しくはアンタゴニストを有効 成分として含んでなる、宿主における炎症を調節するための医薬組成物。 (2) 炎症が腫瘍壊死因子アルファの異常濃度を伴う、項目1に記載の組成物。 (3) 有効成分がインターロイキン−10である、項目2に記載の組成物。 (4) インターロイキン−1またはインターロイキン−6の濃度を更に調節する、項目2に 記載の組成物。 (5) 異常濃度を上昇させる、項目2に記載の組成物。 (6) 異常濃度が微生物感染を伴う、項目2に記載の組成物。 (7) 異常濃度が、発熱、低血圧症、組織壊死、代謝性アシドーシスまたは器官機能不全を伴 う、項目2に記載の組成物。 (8) 微生物感染が、敗血症性ショック、毒素性ショック、髄膜炎菌性髄膜炎またはマラリア の症状を引起こす、項目6に記載の組成物。 (9) 宿主が細菌に感染している、項目2に記載の組成物。 (10) 細菌感染がグラム陰性細菌による、項目9に記載の組成物。 (11) 細菌感染が敗血症性ショックの症状を示す、項目10に記載の組成物。 (12) 細菌感染がグラム陽性細菌による、項目9に記載の組成物。 (13) 細菌感染が敗血症性ショックの症状を示す、項目12に記載の組成物。 (14) インターロイキン−10またはその類似体、アゴニスト若しくはアンタゴニストを有効 成分として含んでなる、宿主におけるT細胞媒介免疫機能を調節するための医薬組成物。 (15) T細胞媒介免疫が腫瘍壊死因子アルファの異常濃度を伴う、項目14に記載の組成物 。 (16) 有効成分がインターロイキン−10である、項目15に記載の組成物。 (17) インターロイキン−10を有効成分として含んでなる、宿主における敗血症性ショック を治療するための医薬組成物。 (18) インターロイキン−10を有効成分として含んでなる、宿主における毒素性ショックを 治療するための医薬組成物。 (19) インターロイキン−10アンタゴニストを有効成分として含んでなる、宿主における自 己免疫疾患を治療するための医薬組成物。 (20) 自己免疫疾患がB細胞に媒介される、項目19に記載の組成物。 (21) 自己免疫疾患が腫瘍壊死因子アルファに媒介される、項目19に記載の組成物。 (22) インターロイキン−10アンタゴニストが抗体分子である、項目19に記載の組成物 。 (23) 抗体分子がインターロイキン−10に対して結合しうる、項目22に記載の組成物。 (24) 腫瘍壊死因子アルファ、インターロイキン−6またはインターロイキン−1の少なくと も1種類を調節する、項目19に記載の組成物。 (25) ヒトを除く宿主における炎症を調節する方法であって、前記宿主に対して有効量のイン ターロイキン−10またはその類似体、アゴニスト若しくはアンタゴニストを投与する工 程を含む方法。 (26) ヒトを除く宿主におけるT細胞媒介免疫機能を調節する方法であって、前記宿主に対し て有効量のインターロイキン−10またはその類似体、アゴニスト若しくはアンタゴニス トを投与する工程を含む方法。 (27) ヒトを除く宿主における敗血症性ショックを治療する方法であって、前記宿主に対して 有効量のインターロイキン−10を投与することを含む方法。 (28) ヒトを除く宿主における毒素性ショックを治療する方法であって、前記宿主に対して有 効量のインターロイキン−10を投与することを含む方法。 (29) ヒトを除く宿主における自己免疫疾患を治療する方法であって、前記宿主に対して有効 量のインターロイキン−10アンタゴニストを投与することを含む方法。 本発明は、有効量のインターロイキン−10またはその類似体若しくはアンタゴニスト を投与することにより、種々の微生物によって引起こされたショック症状を処置する方法 を提供する。本発明は、更に、これらのインターロイキン−10に関連の化合物を含む薬 剤組成物を包含する。好ましくは、本発明のインターロイキン−10は、以下のアミノ酸 配列 【0012】 【化1】
【0013】 および 【0014】 【化2】
【0015】 (但し、標準的な三文字略語を用いてLアミノ酸を示し、N末端から開始している) によって定義された読取り枠の成熟ポリペプチドから成る群より選択される。これらの2 種類の型のIL−10を、時にはそれぞれ、ヒトIL−10(またはヒトサイトカイン合 成阻害因子)およびウイルスIL−10(またはBCRF1)と称する。ムーア(Moo re)ら(1990)Science 248:1230〜1234;ヴイエイラ(Vi eira)ら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.88:1172〜1 176;フィオレンチノ(Fioretino)ら(1989)J.Exp.Med.1 70:2081〜2095;およびシュー(Hsu)ら(1990)Science 2 50:830〜832を参照されたい。天然のタンパク質配列の突然変異体、例えば、欠 失および挿入変異型を含む対立遺伝子変異型および突然変異タンパク質は、本明細書中で 用いられる代替組成物である。 【0016】 更に好ましくは、本発明の方法で用いられる成熟IL−10は、 【0017】 【化3】
【0018】 および 【0019】 【化4】
【0020】 から成る群より選択される。 本発明は、部分的に、望ましくない炎症性反応(例えば、敗血症性ショック)を媒介す るいくつかのサイトカインの合成と、毒素性ショック様症候群をもたらす場合である超抗 原によるT細胞の活性化の双方をIL−10が阻害するという発見に基づいている。逆に 、IL−10アンタゴニストはこれらの同一免疫応答を増大させるものであり、そしてこ のような増大は他の臨床的環境、例えば、ある種の腫瘍および自己免疫モデルにおいて実 際に望ましい。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 本発明は、免疫機能を調節する、特に、微生物によって引起こされたショックまたは制 御B細胞の分化若しくは発生の有害な作用を防止するおよび/または低減するためのIL −10またはその類似体若しくはアンタゴニストの使用法に関する。本発明は、更に、こ れらの方法を実施するためのIL−10またはその類似体若しくはアンタゴニストを含む 薬剤組成物を含む。本発明において用いるためのIL−10は、好ましくは、アメリカン ・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)、ロックビル、メリーランド州にそれぞれ受託番号 68191、68192および68193として寄託されているpH5C、pH15Cお よびpBCRF1(SRa)のcDNAインサートによって定義される読取り枠によって コードされた成熟ポリペプチドの群より選択される。 【0022】 IL−10は、単球またはナチュラルキラー(NK)細胞を加えた単球によるTNFα およびIFNγ合成を阻害するが、NK細胞単独では阻害されない。IL−4は、IL− 2で活性化されたNK細胞からのサイトカイン分泌を直接的に阻害する。これは、IL− 4およびIL−10がNK細胞に対して独特な経路によって作用することを示唆し、例え ば、IL−10作用は単球の関与を必要とする。IL−10はIL−2で活性化されたN K細胞からのサイトカイン分泌を直接的に阻害するが、LAK活性を阻害しないし、IL −2に誘導されたサイトカイン合成およびリンパ球に活性化されたキラー(LAK)活性 が異なる機序によって調節されていることが示唆される。 【0023】 IL−10は、単球および/または活性マクロファージまたはNK細胞による前炎症性 サイトカインの産生を阻害するその能力の機序によって明らかに抗炎症活性を有すること が実証されている。このサイトカイン生産の阻害は転写段階で生じる。 【0024】 IL−10は、更に、動物において超抗原に誘導された応答、例えば、T細胞に媒介さ れた応答を調節することが本明細書中において実証された。ブドウ球菌性エンテロトキシ ンB(SEB)は苛酷な毒素性ショック応答を引起こすことがあり、マウスでの実験はイ ンビボでの効力を実証する。超抗原と同時のまたは超抗原に対する暴露後でも、IL−1 0の投与は高SEB暴露による致死を防止するのに有効である。 【0025】 グラム陰性細菌のリポ多糖(LPS)は動物において敗血症性ショック応答を引起こす 。この内毒素に誘導されたショック応答は、前記のように、刺激されたマクロファージ/ 単球からのTNFα、IL−1および/またはIL−6の放出の結果として生じる。しか しながら、IL−10の投与は、IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8およびG M−CSFの誘導された発現を抑制する。データは、IL−10がLPS出現後に投与さ れたとしても内毒素に誘導されたショックからマウスを防護することができると決定され ることを示す。逆に、抗IL−10抗体はその防御作用を阻止することができる。実験は 、更に、抗IL−10で処置されたマウスが実質的に高濃度の循環性腫瘍壊死因子アルフ ァ(TNFα)および循環性IL−6並びに内毒素に誘導されたショック(例えば、LP Sに誘導された)に対する深い感受性も示すことを示している。 【0026】 抗IL−10抗体は他の免疫学的症状の処置においても有用である。データは、若いマ ウスに対する長期間の抗IL−10抗体の投与がB細胞のLy−1サブクラスを枯渇させ ることがあるということを示す。これは、IL−10をLy−1B細胞発生の調節剤とし て包含し、そしてLy−1 B細胞を枯渇させる手段を提供する。この観察報告は自己免 疫症状の処置の見通しをもたらす。 【0027】 自己免疫応答の発生には複雑なT細胞相互作用が必要である。マウスのNZB/W種は 狼瘡(全身性エリテマトーデス、SLE)傾向があり且つ自己免疫症状の処置用の治療薬 を検査するモデルを提供する。更に、これらのマウスは、他のB細胞種と比較して異常な 割合のLy−1 B細胞を示す。インビボでのマウスの実験を、NZB/W種を用いて記 載する。 【0028】 これらのマウスの抗IL−10処置は、全体の生存によってまたはタンパク尿症、腎炎 若しくは自己抗体力価の発生によって監視される自己免疫応答の開始を実質的に遅らせた 。この結果は、抗IL−10処置が他の哺乳動物、例えば、ヒトを処置するのに当然有用 であることを示している。 【0029】 広範囲の単細胞および多細胞発現システム(すなわち、宿主−発現ベクター組合わせ) を用いて、本発明の方法で用いるためのポリペプチドを生産することができる。宿主細胞 種としては、制限されないが、細菌、酵母、昆虫、哺乳動物等がある。特異的発現システ ムの選択および/または修飾を行なうための指針を提供する多数の論評が入手可能である 。例えば、いくつかの大腸菌発現システムを論評しているデ・ボーア(de Boer) およびシェパード(Shepard)「大腸菌において異種遺伝子発現を最適にする方法 (Strategies for Optimizing Foreign Gene Expression in Escherichia coli)」、205〜247 頁、クルーン(Kroon)(監修)Genes:Structure and Exp ression(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨーク、1983);哺乳 動物細胞をトランスフェクトし且つ形質転換する方法を論評しているクチャラパティ(K ucherlapati)ら、Critical Reviews in Bioche mistry,16巻,4号,349〜379頁(1984)およびバネルジ(Bane rji)ら、Genetic Engineering,5巻,19〜31頁(1983 );大腸菌、酵母および哺乳動物細胞における遺伝子発現の抜粋記事を論評しているレツ ニコフ(Reznikoff)およびゴールド(Gold)監修、Maximizing Gene Expression(バターワース(Butterworths)、ボス トン、1986):並びに哺乳動物発現システムを論評しているスィリー(Thilly )、Mammalian Cell Technology(バターワース、ボストン、 1986)を参照されたい。これらはそれぞれ参考として本明細書中に包含される。同様 に、特異的cDNAおよび発現制御配列を結合しおよび/または操作して本発明によって 用いるのに適当な発現ベクターを考案しおよび/または修飾する技術並びに条件を記載し ている多数の論評が入手可能であり、例えば、それぞれ参考として本明細書中に包含され る、マニアティス(Maniatis)ら(1982)、Molecular Clon ing:A Laboratory Manual,コールド・スプリング・ハーバー・ プレス(Cold Spring harbor Press)、コールド・スプリング ・ハーバー、ニューヨーク;サムブルック(Sambrook)ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版;1〜3巻),コ ールド・スプリング・ハーバー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨー ク;およびオースベル(Ausubel)ら(1987年および定期補遺)、Curre nt Protocols in Molecular Biology,ウィリー・ア ンド・サンズ、ニューヨークがある。 【0030】 大腸菌発現システムは、リッグス(Riggs)により、本明細書中に参考として包含 されている米国特許第4,431,739号明細書に開示されている。大腸菌における高 発現に特に有用な原核性プロモーターは、デ・ボーアにより、本明細書中に参考として包 含されている米国特許第4,551,433号明細書に開示されたtacプロモーターで ある。分泌発現ベクターは、更に、大腸菌宿主に利用可能である。特に有用なのは、グレ イブ(Ghrayeb)らによってEMBO J.,3巻,2437〜2442頁(19 84)に開示されたpIN−III−ompAベクターであり、そこにおいて転写される cDNAは、ompAタンパク質のシグナルペプチドをコードしている大腸菌OmpA遺 伝子の一部分に融合され、順に、成熟タンパク質を細菌の周辺腔中に分泌させる。米国特 許第4,336,336号明細書および同第4,338,397号明細書は、更に、原核 生物のための分泌発現ベクターを開示している。したがって、これらの参考文献は参考と して本明細書中に包含される。 【0031】 多数の細菌株が原核性発現ベクターに適当な宿主であり、大腸菌、例えば、W3110 (ATCC番号27325)、JA221、C600、ED767、DH1、LE392 、HB101、X1776(ATCC番号31244)、X2282、RR1(ATCC 番号31343) MRCI;枯草菌(Bacillus subtilus)株;並び に他の腸内細菌科、例えば、ネズミチフス菌(Salmonella typhimur ium)または霊菌(Serratia marcescens)および各種シュードモ ナス属(Pseudomonas)がある。真核性タンパク質の発現に有用な細菌株、例 えば、大腸菌K12 X1776を誘導する一般的な方法は、カーチス三世(Curti s III)によって米国特許第4,190,495号明細書に開示されている。 【0032】 原核性および真核性微生物の他に、多細胞生物由来の細胞を含む発現システムを用いて 本発明のタンパク質を生産してもよい。特に興味深いのは、その翻訳後プロセッシグ機構 が生物学的に活性の哺乳動物タンパク質を生産するのに一層適当であるので、哺乳動物発 現システムである。数種類のDNA腫瘍ウイルスは哺乳動物宿主のためのベクターとして 用いられてきた。特に重要なのは、細菌の複製制御配列に結合したSV40複製、転写お よび/または翻訳制御配列を含む多数のベクターであり、例えば、オカヤマ(Okaya ma)およびベルグ(Berg)によって開発され、Moll.Cell.Biol., 2巻,161〜170頁(1982)およびMoll.Cell.Biol.,3巻,2 80〜289頁(1983)で開示され、そしてタケベ(Takebe)ら、Moll. Cell.Biol.,8巻,466〜472頁(1988)によって改良されたpcD ベクターがある。したがって、これらの参考文献は本明細書中に参考として包含される。 他のSV40基剤哺乳動物発現ベクターとしては、カオフマン(Kaufman)および シャープ(Sharp)によってMoll.Cell.Biol.,2巻,1304〜1 319頁(1982)に、およびクラーク(Clark)ら、米国特許第4,675,2 85号明細書に開示されたもののがあり、双方の文献とも本明細書中に参考として包含さ れる。通常、サル細胞は上記ベクターに対して好ましい宿主である。SV40 ori配 列および完全なA遺伝子を含むこのようなベクターはサル細胞中で自律複製することがで きる(非自律複製プラスミドよりも高コピー数および/または安定コピー数を与える)。 更に、SV40 ori配列を含み完全なA遺伝子を含まないベクターは、グルツマン( Gluzman)によってCell,23巻,175〜182頁(1981)に記載され 且つATCC(受託番号CRL1651)から入手可能なCOS7サル細胞中で高コピー 数(安定ではない)に自律複製することができる。上記SV40基剤ベクターは、更に、 宿主細胞DNA中への組込みによって他の哺乳動物細胞、例えば、マウスL細胞を形質転 換しうる。 【0033】 多細胞生物は、更に、本発明のポリペプチドの生産用宿主として役立つことができ、例 えば、昆虫幼生、マエダ(Maeda)ら、Nature,315巻,592〜594頁 (1985)およびAnn.Rev.Entomol.,351〜372頁(1989) ;並びに形質転換した動物、ジェニッシュ (Jaenisch)、Science,240巻,1468〜1474頁(1988) である。これらの参考文献、類似の他のものも参考として本明細書中に包含される。 【0034】 I. インターロイキン−10および類似体の検定 IL−10と集合的に称するIL−10関連タンパク質およびペプチドは、検定および 単位の基準を形成することができるいくつかの生物活性を示す。特に、IL−10は、I FNγ、リンホトキシン、IL−2、IL−3およびGM−CSFから成る群において、 同系の抗原提示細胞(APC)および抗原に対する暴露によって1種類またはそれ以上の これらのサイトカインを合成するように誘導されたTヘルパー細胞集団の少なくとも1種 類のサイトカインの合成を阻害する性質を有する。この活性において、APCは、それら が複製することはできないが、それらの抗原プロセッシング機構は機能する状態であるよ うに処理される。これは、便宜上、APCに、例えば、約1500〜3000R(ガンマ またはX線)をT細胞と混合する前に照射することによって達成される。マウスIL−1 0の検定に関して、表2も参照されたい。 【0035】 【表1】
【0036】 或いは、サイトカイン阻害は、一次または、好ましくは、二次混合リンパ球反応(ML R)において検定することができ、その場合、同系APCを用いる必要はない。MLRは 当該技術分野において周知であり、例えば、本明細書中に参考として包含される、ブラド リー(Bradley)、ミシェル(Mishell)ら監修のSelected Me thods in Cellular Immunology(フリーマン(Freem an)、サン・フランシスコ、1980)の162〜166頁;およびバチスト(Bat tisto)ら、Meth.in Enzymol.,150巻,83〜91頁(198 7)を参照されたい。簡単には、同種リンパ系細胞の2集団を混合し、その一方の集団は 、例えば、照射によって増殖を防止するように混合前に処理された。好ましくは、細胞集 団は、補足培地、例えば、10%ウシ胎児血清を含むRPMI 1640中において細胞 約2x106個/mlの濃度で調製される。対照および試験培養物双方に対して検定用に 各集団0.5mlを混合する。二次MLR用に、一次MLRにおいて7日後に残っている 細胞を、新たに調製され、照射された刺激剤細胞によって再刺激する。IL−10を有す ると疑われる試料は試験培養物に対して混合時に加えることができ、そして対照および試 験培養物双方のサイトカイン生産は、混合して1〜3日後に検定することができる。 【0037】 IL−10検定用にT細胞集団および/またはAPC集団を得るには、例えば、本明細 書中に参考として包含されている、ディサバト(DiSabato)ら監修、Meth. in Enzymol.,108巻(1984)に充分に記載されている当該技術分野に おいて周知の技術を用いる。好ましいIL−10検定用のAPCは末梢血液単球または組 織マクロファージである。これらは、例えば、本明細書中に参考文献として包含されてい る、ボイム(Boyum)、Meth.in Enzymol.,108巻,88〜10 2頁(1984);メイジ(Mage)、Meth.in Enzymol.,108巻 ,118〜132頁(1984);リトヴィン(Litvin)ら、Meth.in E nzymol.,108巻,298〜302頁(1984);スティーブンソン(Ste venson)、Meth.in Enzymol.,108巻,242〜249頁(1 989);およびロメイン(Romain)ら、Meth.in Enzymol.,1 08巻,148〜153頁(1984)に記載の標準的な技法を用いて得られる。好まし くは、ヘルパーT細胞をIL−10検定において用い、それは末梢血液、脾臓またはリン パ節からリンパ球を最初に分離した後、商業的に入手可能な抗CD4抗体、例えば、米国 特許第4,381,295号明細書に記載され且つオルト・ファーマソイティカル・コー ポレーション(Ortho Pharmaceutical Corp.)から入手可能 なOKT4を用いて、例えば、パニングまたは流動細胞計測法によってヘルパー細胞を選 択することにより得られる。マウス抗CD4は、ベクトン・ディクソン(Becton− Dickson)またはファーミンゲン(Pharmingen)から入手可能である。 必要な技術は、それぞれ参考として本明細書中に包含される、ボイム、Scand.J. Clin.Lab.Invest.,21巻(補遺97),77頁(1968);Met h.in Enzymol.,108巻(上記に引用)およびブラム(Bram)ら、M eth.in Enzymol.,121巻,737〜748頁(1986)に十分に開 示されている。概して、PBLは、新鮮な血液からフィコール・ハイパク(Ficoll −Hypaque)密度勾配遠心分離によって得られる。 【0038】 種々の抗原を検定において用いることができ、例えば、スカシガイのヘモシアニン(K LH)、トリのγ−グロブリンまたは類似のものを用いることができる。更に好ましくは 、抗原の代わりに、ヘルパーT細胞を検定において抗CD3単クローン性抗体、例えば、 米国特許第4,361,549号明細書に開示されたOKT3で刺激する。 【0039】 対照および試験試料中のサイトカイン濃度は、標準的な生物検定および/または免疫化 学検定によって測定される。特異的サイトカインに関する免疫化学検定の構成は、精製サ イトカインが入手可能である場合、当該技術分野において周知である。例えば、それぞれ 本明細書中に参考として包含され、論題に対する典型的な広範囲の参考文献のである、カ ンプベル(Campbell)、Monoclonal Antibody Techn ology(エルセビア、アムステルダム、1984);テュッセン(Tijssen) 、Practice and Theory of Enzyme Immunoass ays(エルセビア、アムステルダム、1985);および米国特許第4,486,53 0号明細書を参照されたい。ヒトIL−2、ヒトIL−3およびヒトGM−CSF用のエ リザキットは、ジェンザイム・コーポレーション(Genzyme Corp.)(ボス トン、MA)から商業的に入手可能であり;そしてIFNγ用のエリザキットはエンドジ ェン・インコーポレーテッド(Endogen,Inc.)(ボストン、MA)から商業 的に入手可能である。ヒトリンホトキシンに特異的な多クローン性抗体はジェンザイム・ コーポレーションから入手可能であり、それを、ヒトリンホトキシンのためのラジオイム ノアッセイ、例えば、チャード(Chard)、An Introduction to Radioimmunoassay and related Techniques (エルセビア、アムステルダム、1982)で用いることができる。 【0040】 上記に記載したサイトカインの生物検定を用いてIL−10活性を決定することができ る。ヒトリンホトキシンの生物検定は、それぞれ本明細書中に参考として包含されている 、アガワール(Aggarwall)、Meth.in Enzymol.,116巻, 441〜447頁(1985)およびマシューズ(Matthews)ら、クレメンス( Clemens)ら監修のLymphokines and Interferons: A Practical Approach(IRLプレス(Press)、ワシントン 、D.C.、1987)の221〜225頁に開示されている。ヒトIL−2およびGM −CSFは、ATCCからそれぞれ受託番号TIB214およびCCL246として入手 可能な因子依存細胞系CTLL−2およびKG−1を用いて検定することができる。ヒト IL−3は、例えば、メトカーフ(Metcalf)、The Hemopoietic Colony Stimulating Factors(エルセビア、アムステルダ ム、1984)に記載されたように、軟質寒天培地において広範囲の造血細胞コロニーの 形成を刺激するその能力によって検定することができる。IFNγは抗ウイルス検定、例 えば、ミージャー(Meager)、クレメンスら監修(上記に引用)の129〜147 頁を用いて定量することができる。マウス同等物は、適当な細胞系を用いて同様に検定す ることができる。 【0041】 サイトカイン生産は、更に、mRNA分析によって決定することができる。サイトカイ ンmRNAは、ホワイト(White)ら、J.Biol.Chem.,257巻,85 69〜8572頁(1982)およびジレスピー(Gillespie)ら、米国特許第 4,483,920号明細書に記載の細胞質ドットハイブリダイセーションによって測定 することができる。したがって、これらの参考文献は本明細書中に参考として包含される 。他の方法としては、精製RNAを用いるドットブロッティング、例えば、ヘイムズ(H ames)ら監修のNucleic Acid Hybridization A Pr actical Approach(IRLプレス、ワシントン、D.C.、1985) の第6章がある。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いることもでき、本明細書中 に参考として包含されているイニス(Innis)ら(監修)(1990)のPCR P rotocols:A Guide to Methods and Applicat ions,アカデミック・プレス・インコーポレーテッド(Academic Pres s,Inc.)、ニューヨークを参照されたい。 【0042】 いくつかの場合において、IL−10活性の検査をするための試料を前処理して、検定 の妨げとなるかもしれない予め決定されたサイトカインを除去する。例えば、IL−2は 、若干の細胞においてIFNγの生産を増大させる。したがって、検定で用いられるヘル パーT細胞に応じて、IL−2を試験される試料から除去すべきことがある。このような 除去は、便宜上、試料を標準的な抗サイトカイン親和性カラムに通過させることによって 達成される。 【0043】 便宜上、IL−10活性の単位は、米国特許第4,559,310号明細書に記載され 且つATCCから受託番号CRL8306として入手可能なMC/9細胞のIL−4に誘 導された増殖を増大させるIL−10の能力に関して定義される。1単位/mlは、以下 の検定においてIL−4の水準を上記MC/9増殖の最大刺激の50%にするIL−10 の濃度として定義される。IL−4およびIL−10の二重反復試験または三重反復試験 用希釈液を標準的な微量滴定プレートにおいて培地50ul/ウェルに調製する。培地は RPMI1640、10%ウシ胎児血清、50uM2メルカプトエタノール、2mMグル タミン、ペニシリン(100U/L)およびストレプトマイシン(100mg/L)から 成る。培地で希釈した1600U/mlのIL−4、25μl/ウェル(最終400U/ ml)を加え、そして一晩中、例えば、20〜24時間インキュベートする。 【0044】 3H−チミジン(例えば、培地中50mCi/ml)を0.5〜1.0mCi/ウェル で加え、そして細胞を再度一晩中インキュベートした後、細胞を採集し且つ取込まれた放 射能を測定する。 【0045】 サイトカインIL−4およびIL−10の製法の一般的な説明に関しては、それぞれ本 明細書中に参考として包含されている米国特許第5,017,691号明細書およびU. S.S.N.07/453,951号明細書を参照されたい。 【0046】 II. アゴニストおよびアンタゴニスト IL−10アゴニストは、IL−10とその 受容体との相互作用を模擬する分子であってよい。このようなものは、IL−10の類似 体若しくはフラグメントまたはIL−10受容体のリガンド結合性部位エピトープに対す る抗体、或いはIL−10の受容体相互作用性部分に対して結合する特定の抗体に対する 抗イディオタイプ抗体であってよい。 【0047】 アンタゴニストは、受容体結合に関して競合するタンパク質の形をとることができ、例 えば、それは受容体を活性化する能力を欠き、同時にIL−10結合またはIL−10結 合性分子、例えば、抗体を阻止する。 【0048】 抗体は、天然に存在する形でもそれらの組換体でも、IL−10サイトカイン、フラグ メントおよび類似体に対して生じることがある。更に、抗体はIL−10に対してその活 性型かまたは不活性型でも生じることができ、その相違は、活性サイトカインに対する抗 体が、活性コンホメーションでしか存在しないエピトープを認識すると考えられることで ある。抗イディオタイプ抗体もこれらの方法で考えられ、潜在的なIL−10アゴニスト でありうる。 【0049】 望ましい抗原、例えば、サイトカインの予め決定されたフラグメントに対する結合性フ ラグメントおよび一本鎖変型を含む抗体は、フラグメントと免疫原性タンパク質との結合 体(conjugates)で動物を免疫感作することによって生じることができる。単 クローン性抗体は望ましい抗体を分泌する細胞から製造される。これらの抗体は、正常若 しくは不活性類似体に対する結合性に関してスクリーンすることができるしまたはアゴニ スト若しくはアンタゴニスト活性に関してスクリーンすることができる。通常、これらの 単クローン性抗体は、少なくとも約1mM、更に一般的には、少なくとも約300μM, 典型的には少なくとも約10μM、更に典型的には、少なくとも約30μM、好ましくは 、少なくとも約10μM、そして更に好ましくは、少なくとも約3μMまたはそれ以上の KDと結合する。前記はIL−10に関するが、同様の抗体が他の類似体、その受容体お よびアンタゴニストに対して生じる。 【0050】 本発明の、抗原結合性フラグメントを含む抗体は、有意に、診断または治療的に有効で ありうる。それらは、IL−10受容体に対して結合し且つ該受容体に対するリガンド結 合を阻害しまたは生物学的応答を引き出すIL−10の能力を阻害する強力なアンタゴニ ストでありうる。 【0051】 IL−10またはフラグメントは、他の物質、特に、免疫原として用いられる融合した または共有結合したポリペプチドのようなポリペプチドに対して結合しうる。サイトカイ ンおよびそのフラグメントは、種々の免疫原、例えば、スカシガイのヘモシアニン、ウシ 血清アルブミン、破傷風トキソイド等に対して融合または共有結合しうる。多クローン性 抗血清を製造する方法の説明に関しては、それぞれ本明細書中に参考として包含されてい る、Microbiology,ホーバー・メディカル・ディビジョン(Hoeber Medical Division)、ハーパー(Harper)およびロウ(Row) 、1969年;ランドスタイナー(Landsteiner)(1962)Specif icity of Serological Reactions,ドーバー・パブリケ ーションズ(Dover Publications),ニューヨーク、およびウィリア ムズ(Williams)ら(1967)Methods in Immunology and Immunochemistry,1巻,アカデミック・プレス(Acade mic Press)、ニューヨークを参照されたい。典型的な方法は、抗原による動物 の超免疫感作を行なう。次に、被験動物の血液を反復免疫感作直後に集め、そしてガンマ グロブリンを単離する。 【0052】 いくつかの場合、種々の哺乳動物宿主、例えば、マウス、齧歯類動物、霊長類、ヒト等 から単クローン性抗体を製造するのが望ましい。このような単クローン性抗体を製造する 技術の説明は、例えば、スタイツ(Stites)ら(監修)Basic and Cl inical Immunology(第4版)、ランジ・メディカル・パブリケーショ ンズ(Lange Medical Publications)、ロス・アルトス、C Aおよびそこにおいて引用された参考文献;ハーロウ(Harlow)およびレーン(L ane)(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ,CSHプレス;ゴーディング(Goding)(1986)Monoclonal A ntibodies:Principles and Practice(第2版)、ア カデミック・プレス、ニューヨーク;コリガン(Coligan)ら(監修;1991年 および定期補遺)Current Protocols in Immunology, ウィリー・アンド・サンズ・ニューヨーク;そして特に、単クローン性抗体を生成する一 つの方法を論及しているコーラー(Kohler)およびミルスタイン(Milstei n)(1975)Nature 256:495〜497において見出すことができる。 これらの参考文献はそれぞれ本明細書中において参考として包含される。簡単に要約する と、この方法は、動物に免疫原を注射することを含む。次に、被験動物を屠殺し、そして その脾臓から細胞を取りだした後、それを骨髄腫細胞と融合させる。その結果は、骨髄腫 親細胞とは異なる、インビトロの選択的条件下において再現することができるハイブリッ ド細胞すなわち「ハイブリドーマ」である。次に、ハイブリドーマ集団をスクリーンして 個々のクローンを単離し、そのそれぞれが単一抗体種を免疫原に対して分泌する。この方 法において、得られた個々の抗体種は、免疫原性物質上で認識された特定部位に応答して 生じた免疫動物からの不死化およびクローン化された単一B細胞の生産物である。 【0053】 他の適当な技術は、抗原性ポリペプチドに対するリンパ球のインビトロでの暴露或いは ファージまたは類似のベクターにおける抗体のライブラリーの選択を伴う。それぞれ本明 細書中に参考として包含されている、ヒューズ(Huse)ら(1989)「ファージラ ムダにおける免疫グロブリンレパートリーの大型組合わせライブリーの生成(Gener ation of a Large Combinatorial Library o f the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda)」、Science 246:1275〜1281;およびワード(W ard)ら(1989)Nature 341:544〜546を参照されたい。本発明 のポリペプチドおよび抗体は修飾を伴ってまたは伴うことなく用いることができ、キメラ 抗体またはヒト様抗体がある。更に、組換え免疫グロブリンを製造することができ、カビ リー(Cabilly)、米国特許第4,816,567号明細書を参照されたい。これ らの特許は本明細書中に参考として包含される。 【0054】 サイトカインまたはその受容体に対して生じた抗体は、更に、アゴニストまたはアンタ ゴニストの性質を示すことができる抗イディオタイプ抗体を生じるのに有用である。これ らは本明細書中で論及したような種々の免疫学的応答を調節するのに有用である。 【0055】 III. 精製および薬剤組成物 本発明のポリペプチドが、例えば、形質転換した酵母または哺乳動物細胞の分泌生成物 のような可溶性型で発現する場合、それらは、硫酸アンモニウム沈殿、イオン交換クロマ トグラフィー、ゲル濾過、電気泳動、アフィニティークロマトグラフィーおよび/または 類似のものを含む当該技術分野の標準法にしたがって精製することができ、例えば、本明 細書中に参考として包含され、このような精製の指針を提供する「酵素精製および関連技 術(Enzyme Purification and Related Techni ques)」Methods in Enzymology,22:233〜577(1 977)およびスコープス(Scorpes),R.、Protein Purific ation:Principles and Practice(スプリンガー・フェア ラーク(Springer−Verlag)、ニューヨーク、1982)を参照されたい 。同様に、本発明のポリペプチドが、例えば、凝集体、封入体または類似のもののような 不溶性型で発現する場合、それらは、遠心分離によって破裂した宿主細胞から封入体を分 離し、封入体をカオトロピズム剤および還元剤で可溶化させ、可溶化した混合物を希釈し 、そしてポリペプチドが生物学的に活性のコンホメーションをとるようにカオトロピズム 剤および還元剤の濃度を低下させることを含む、当該技術分野における標準法によって精 製することができる。後者の手順は、本明細書中にそれぞれ参考として包含されている以 下の参考文献、すなわち、ウィンクラー(Winkler)ら、Biochemistr y,25:4041〜4045(1986);ウィンクラー、Biotecnology ,3:992〜998(1985);コス(Koths)ら、米国特許第4,569,7 90号明細書;並びに欧州特許出願第86306917.5号明細書および同第8630 6353.3号明細書に開示されている。 【0056】 本明細書中で用いられる「有効量」とは、例えば、悪寒、血管収縮、精神的錯乱、灌流 低下、超高熱等のような認識された症状によって決定されるショック症状を改善しまたは 防止するのに十分な量を意味する。特定の患者に対する有効量は、治療される敗血症の状 態および種類、患者の全身の健康状態、投与方法、副作用の苛酷さ等のような因子に応じ て変更することができる。概して、IL−10試薬は、有効量の試薬および薬剤担体を含 む薬剤組成物として投与される。例えば、本明細書中に参考として包含される、カプラン (Kaplan)およびパセ(Pasce)(1984)Clinical Chemi stry:Theory,Analysis,and Correlation、モスビ ー・アンド・カンパニー(Mosby and Co.)、セント・ルイス、MO;およ びギルマン(Gilman)ら(1990)Goodman and Gilmans: The Pharmacological Basis of Therapeutic s(第8版)、ペルガモン・プレス(Pergamon Press)を参照されたい。 ある種の用途において、IL−10治療薬は、抗生物質組成物を含む別の薬学的活性成分 と組合わせることができる。 【0057】 薬剤担体は、患者に対して本発明の組成物を供給するのに適当な何等かの適合した無毒 性物質でありうる。このような薬剤の非経口投与に有用な多数の組成物が知られている。 例えば、Remington′s Pharmaceutical Science,第 15版(マック・パブリッシング・カンパニー(Mack Publishing Co mpany)、イーストン、PA 1980)。或いは、本発明の組成物を植込み可能な または注射可能な薬剤供給システムによって患者の体内に導入することができる。例えば 、本明細書中に参考として包含される、アーカート(Urquhart)ら、 Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,24巻,199〜236頁( 1984);ルイス(Lewis)監修、Controlled Release of Pesticides and Pharmaceuticals(プレナム・プレス (Plenum Press)、ニューヨーク、1981);米国特許第3,773,9 19号明細書;同第3,270,960号明細書等を参照されたい。 【0058】 非経口によって投与される場合、IL−10を薬剤担体と一緒に注射可能な状態の(溶 液、懸濁液、エマルジョン)単位剤形中に配合する。このような担体の例は、正常食塩水 、リンガー液、デキスロース溶液およびハンクス液である。非水性担体、例えば、固定油 およびオレイン酸エチルを用いてもよい。好ましい担体は5%デキストロース/食塩水で ある。担体は、少量の添加剤、例えば、等張性および化学的安定性を増大させる物質、例 えば、緩衝剤および保存剤を含むことができる。IL−10試薬は、凝集体および他のタ ンパク質を実質的に含まない精製された状態において約5〜20mg/mlの範囲の濃度 で配合されるのが好ましい。好ましくは、IL−10は、約50〜800mg/日の範囲 の量を供給するように(すなわち、約1〜16mg/kg/日)、連続注入によって投与 される。毎日の注入速度は副作用および血液細胞計数の監視に基づいて変更することがで きる。 【0059】 有効量のIL−10アゴニストまたはアンタゴニストを決定する場合も同様に考えられ るが、ある種のアンタゴニストは更に高い範囲などの一層広範囲の用量範囲が必要である と考えられる。 【0060】 IV.生物学的観察および機序 以下に提唱した機序によって制限されないが、以下の論及により、IL−10類似体、 アゴニストおよびアンタゴニストの使用法および用途が洞察される。免疫システム機能、 発生および分化に対する有用な背景を提供する。例えば、本明細書中に参考として包含さ れる、ポール(Paul)(監修)(1989)Fundamental Immuno logy(第2版)ラヴェン・プレス(Raven Press)、ニューヨーク。特に 、炎症に関する第26章、遅延型過敏症に関する第28章および自己免疫に関する第31 章は、本明細書中に記載した使用法に関連する。 【0061】 ヒトPBMCおよび精製NK細胞においてIL−2によって引起こされたサイトカイン 合成およびLAK活性に対するIL−4およびIL−10の作用は、例えば、実験Aにお いて研究された。IL−4およびIL−10双方がPBMCにおいてIL−2に誘導され たIFNγおよびTNFα合成を阻害し、IL−4だけが精製NK細胞によるIL−2に 誘導されたIFNγ合成を阻害する。したがって、IL−4およびIL−10は、異なる 機序によってNK細胞サイトカイン合成を阻害している。 【0062】 TNFα生産を研究する実験結果により同様の結論が示唆された。しかしながら、この 場合、単球もこのサイトカインを生産する。IL−10はNK細胞によるIL−2誘導T NFα合成に対して直接作用しなかったが、単球によるTNFα生産を阻止することがで きた。NK細胞およびCD14+細胞双方を含む培養物のIL−2による刺激は、生産を 大きく増大させ、そしてIL−10はこの増大を完全に阻止した。IL−2は、TNFα を更に生産するようにCD14+細胞を活性化しなかったので、相乗作用の増大はおそら くNK細胞TNFα合成の増加を示している。したがって、IL−10は単球による双方 のTNFα生産を阻害し、更に、それらの同時刺激がNK細胞TNFα合成に対して作用 すると考えられる。 【0063】 IL−4およびhIL−10/vIL−10双方は、IL−2に刺激されたPBMCに よるIFNγおよびTNFα合成を抑制するが、IL−4だけはIL−2に誘導されたL AK活性を阻害する。これらの観察は、PBMCにおけるIL−2に誘導されたサイトカ イン生産および細胞毒性が異なる経路によって調節されていることを示す。これらの観察 報告は、IL−2およびLAK細胞の臨床的使用において重要である。IL−2療法に関 係した問題としては、心臓血管作用および毛細管漏出症候群があった。これらの副作用の 原因は不明であるが、癌患者においては、IL−2によって生じたTNFαなどのサイト カインの放出が関与していることがある。IL−10が、IL−2に誘導されたサイトカ イン合成を阻害するがLAK活性を阻害しないということは、このサイトカインが、この ような患者を治療するのにIL−2と組合わせて有用でありうるということを示唆する。 更に、TNFαが、感染したT細胞においてヒト免疫欠乏ウイルスの発現を引起こすこと ができるということを示唆するデータを考慮すると、TNFαの合成を阻害するIL−1 0の能力はこれに関連してかなり興味深いものである。 【0064】 これらの研究は、更に、ヒトIL−10が、活性化後の単球によって比較的多量に生産 されることを実証する。速度論研究により、低濃度のIL−10は単球を活性化して7時 間後に検出され、そして最大のIL−10生産は活性化の24〜48時間後に生じうるこ とが分かった。これは、活性化後4〜8時間に高濃度で分泌されたIL−1α、IL−1 β、IL−6、IL−8およびTNFαの生産と比較して相対的に遅いものであった。更 に、ヒトIL−10は、IFNγ、LPSまたはIFNγおよびLPSの組合わせによる 活性化後の単球によるサイトカイン生産に対して強力な阻害作用を有することが分かった 。これらの阻害作用は、IL−10およびv−IL−10活性双方を阻害するmAb 1 9F1によってそれらを完全に中和することができるので、IL−10に特異的である。 濃度100U/mlで加えられたIL−10は、IL−1α、TNFα、GM−CSFお よびG−CSF合成を、IFNγ(100U/ml)およびLPS(1μg/ml)の組 合わせによる単球の最適の活性化後に90%より大まで減少させた。IL−1β、IL− 6およびIL−8生産に対する阻害作用は、特に、単球がIFNγおよびLPSの組合わ せによって活性化された場合、あまり明白ではなかった。単球によるサイトカイン生産を IL−10が阻害する機序、例えば、IL−10のこれらの副作用が他の因子によって直 接的に媒介されるのが間接的に媒介されるのかということは不明である。IL−1は繊維 芽細胞、胸腺細胞および単球においてIL−6生産を引起こすことができるので、例えば 、IL−6生産の不完全な阻害は、減少したIL−1生産の結果であるという可能性があ る。 ヒト細胞に対して生物活性を有することが分かっているウイルス−IL−10を、 あまり広範囲にではなく検査した。しかしながら、v−IL−10は、LPSで活性化さ れた単球によるTNFαおよびGM−CSF生産を、ヒトIL−10が阻害したのと同程 度まで阻害した。TNFαおよびGM−CSF生産に対するv−IL−10のこれらの阻 害作用はmAb 19F1によって中和され、v−IL−10作用の特異性を例証した。 【0065】 IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFα、GM−CSFおよびG−C SF分泌の阻害は転写段階で生じた。IL−10は、ノーザン分析およびPCR分析によ って確認されるように、LPSによって引起こされたサイトカイン特異的mRNA合成を 強く阻害した。PCR分析は、個々の試料の反応生成物を半定量的方法で比較可能な条件 下において実施した。これは、試料と定量的に比較しうる結果との間に等量の反応生成物 を生じたβ−アクチンに特異的なプライマーによるcDNAの増幅が、IL−10 mR NA発現を同一試料においてノーザン分析およびPCR分析双方によって確認した場合に 得られたという事実によって確認された。更に、サイトカインmRNA発現濃度はこれら の培養物の上澄み中のタンパク質量と相関した。IL−10は、活性化された単球におい てTGFβ mRNA発現に影響を与えることができなかった。しかしながら、TGFβ が非活性単球において構成要素として発現され且つLPSによる単球の活性化がTGFβ mRNA濃度に影響を与えなかったということは留意されるべきである。アソイアン( Assoian)ら(1987)Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 8 4:6020〜6024は、単球がTGFβ mRNAを構成要素として発現し且つTG Fβ分泌が単球活性化を必要とするということを実証した。しかしながら、IL−10が TGFβの潜伏型から活性型への変換に対する作用を有するかどうかは不明である。 【0066】 IL−10の生産はIL−4によって転写段階で阻害されることが分かった。IL−1 0生産に対するIL−4の阻害作用は顕著であったが、IL−4はIL−10の生産を完 全に阻止することはできなかった。IL−4は、IL−1、IL−6およびTNFαの生 産を完全に阻害するのに十分であった高IL−4濃度(400U/ml)を用いた場合で さえも、IL−10の生産を最大70%までしか阻害しなかった。IL−4が、ヒト単球 によるIL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8およびTNFαの生産を阻害するこ とができることは既に実証されている。これらの知見は、IL−4が、更に、LPSで活 性化されたヒト単球によるIL−8、GM−CSFおよびG−CSFの生産を阻害するこ とを実証することにより確証され且つ拡大された。この阻害は転写段階で生じた。更に、 データは、IL−4およびIL−10がヒト単球によるサイトカイン発現に対して同様の 作用を有するということを例証し、免疫系におけるサイトカインの多面的作用および重複 性が強調される。 【0067】 興味深いことに、IL−10は、24時間活性化された単球においてIL−10 MR NA合成を強く阻害したので、それは自己調節サイトカインである。更に、中和性抗IL −10 mAbの存在下におけるLPRによる単球の活性化は、IL−10 mRNAの 発現を24時間で増大させ、内因的に生じたIL−10もIL−10 mRNA合成を阻 害することが示された。IL−10が、ヒト単球によるそれ自体の生産をダウンレギュレ ートすることができるということにより、これは負のフィードバック機序によって調節さ れる最初のサイトカインとなる。内因的に生じたIL−10の自己調節作用は、更に、L PSで活性化された単球によるIL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFα 、GM−CSFおよびG−CSFの生産に関して、抗IL−10抗体の存在下でLPSを 用いて観察された。しかしながら、これらのサイトカインの生産に対する内因性IL−1 0の阻害作用は、培養開始時に加えられた内因性IL−10の場合よりも顕著ではなかっ た。これは、IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFαおよびGM−CS Fが活性化の4〜8時間後に高濃度で既に生じているが、最大の内因性IL−10生産は 活性化後24〜48時間ではるかに遅く生じるという事実に関係している。この見解は、 内因的に生じたIL−10の最も強い阻害作用が、単球の活性化後に遅れて生じることが 分かったGM−CSF分泌において見られたという観察報告によって支持される。IL− 10 mRNA合成はIL−10タンパク質分泌に反映され且つそれに先行する、および IL−10は細胞表面上のその受容体と単に相互作用することができるだけであると仮定 すると、これらの結果により、内因的に生じたIL−10の阻害作用は比較的遅く起こり 、したがって、免疫応答の後期において特に重要でありうるということが示唆される。 【0068】 最初に、IL−10をマウスにおいて、Th1細胞によるサイトカイン生産(主として IFNγ)を阻害したTh2細胞によって生じたサイトカイン合成阻害因子(CSIF) として記載した。Th1細胞によるサイトカイン生産に対するm−IL−10のこの阻害 作用はマクロファージの存在を必要とし、例えば、それぞれ本明細書中に参考として包含 される、フィオレンチノ(Fiorenino)ら(1991)J.Immunol.1 46:3444〜3451;トローブリッジ(Trowbridge)ら(1981)J .Ept′l Med.154:1517〜1524;ランバート(Lambert)ら (1989)Cell.Immunol.120:401〜418;およびヒルシュ(H irsch)ら(1981)J.Ept′l Med.154:713〜725を参照さ れたい。ここにおいて、IL−10およびv−IL−10は、単球をAPCとして用いる 場合、抗原特異的T細胞増殖を強く阻害する。更に、抗原特異的増殖性T細胞応答の減少 は、主として、これらの細胞でのクラスII MHC抗原発現に対するIL−10の強力 なダウンレギュレートリー作用によって引起こされた単球の減少した抗原提示能力に依る 。これらのデータは、IL−10が単球によって遅れて生産され且つこれらの細胞による IL−10分泌に対する自己調節作用を有するという本知見と共に、IL−10が抗原特 異的T細胞応答の進行に対して強力なダウンレギュレートリー作用を有することを示す。 したがって、IL−10は、抗原に駆動された増殖性T細胞応答を抑制するのに主要な役 割を果たすことができる。単球によって生産されたIL−10が、T細胞活性化に対する 強力な自己調節フィードバック活性を有することもできるという見解は、LPS刺激が中 和性抗IL−10 mAbの存在下で実施された場合にクラスII MHC発現を低下さ せなかったし、そして強くさえ増大させたので、LPSによる活性化後の単球によって生 産されたIL−10が、これらの細胞でのクラスII MHC抗原のダウンレギュレーシ ョンに対して応答性であるという観察によって支持される。 【0069】 前炎症性サイトカインであるIL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8およびTN Fαは、急性および慢性の炎症性過程、並びに慢性関節リウマチを含む多数の自己免疫疾 患に関与する。これらのサイトカインは、免疫システムの細胞の活性化および機能を調節 するが、内皮細胞、ケラチノサイトおよび肝細胞のそれらも調節する。IL−10がこれ らのサイトカインの分泌に対して強いダウンレギュレートリー作用を有するという知見は 、IL−10が炎症の強力な阻害剤であることを示唆する。これらの細胞でのクラスII MHC抗原のダウンレギュレーションによって単球のAPC能力を低下させることによ る抗原特異的T細胞増殖の阻害および単球による前炎症性サイトカイン分泌に対する阻害 作用を含む、これまでに記載されたその性質に基づいて、IL−10は免疫および炎症性 応答のサプレッサーとして主要な役割を果たすと考えられる。この役割は、更に別のイン ビトロの研究において並びに内毒素およびエンテロトキシン双方の超抗原応答のインビボ 模型において確証される。 【0070】 本研究は、IL−10が、マクロファージ細胞系および腹膜マクロファージによるLP Sに誘導されたサイトカイン生産に対して阻害作用することを実証する。例えば、IL− 10はT細胞応答の調節において重要な役割を有するのみならず、感染または損傷の際に 引出された炎症性応答に対しても重要な役割を有する。 【0071】 マクロファージ細胞系に対するIL−10の作用は、ネズミおよびヒト双方のマクロフ ァージおよび単球によるサイトカイン生産を阻害することが予め分かっている同様の量の IL−4によって引出される作用よりも顕著である。これらの結果は、LPSに誘導され たTNFαタンパク質生産のIL−4による有意の阻害を示すが、これらの細胞系におい てIL−6合成の阻害はあまり顕著ではない。しかしながら、IL−4によるTNFαの 阻害は、ヒト単球に関して従来報告されたほど大きくはない。この相違は、種の相違、単 球よりもむしろ分化したマクロファージ細胞系を用いることにより、またはこれらの研究 が、ヒト単球システムの一つにおいて用いられた100ng/ml用量に対立するものと してLPS10μg/mlを用いたことから説明することができる。IL−4とは対照的 に、IL−10は、IL−6、TNFαおよびIL−1タンパク質生産をこの高濃度のL PSで有意に阻害した。マクロファージ細胞系のLPSおよびIFNγによる刺激は、は るかに高濃度のTNFαおよびIL−6を誘導し、ある場合において、これはIL−4作 用に対して不応性であって、IL−4およびIFNγがマクロファージ活性化のある種の 態様に対して反対のおよび相殺作用を有することができることを示唆した。更に、これは 、一層低量のLPSを用いて実施されたヒト単球での研究とは対照的である。更に、LP Sを加えたIFNγに誘導されたIL−6およびTNFαタンパク質の生産のIL−10 に媒介された阻害は、IL−4を用いて見られる阻害よりも有意であった。IL−6およ びTNFαをコードしているRNAの、LPSまたはLPSを加えたIFNγに誘導され た発現の阻害は、更に、逆転写RNAに関する半定量的PCR増幅法を用いて観察された 。若干の場合、IL−4はIL−10と同程度に発現を阻害し、IL−10が、翻訳され たタンパク質の分泌または安定性に対する作用を有することが示唆された。しかしながら 、IL−10はその作用を達成し、マクロファージによるサイトカイン生産に対するその 最終の阻害作用は、IL−4によって見られる作用よりも強力であると考えられる。モノ カイン生産に対するIL−10の作用は、この強力な阻害剤がおそらく広範囲の臨床的発 現において抗炎症薬としての可能性を有することができるということを示唆する。 【0072】 腹膜マクロファージは、刺激性T細胞からのIL−10によって阻害されたことが更に 分かったので、IL−10がこの精製細胞集団によってサイトカイン分泌を阻害したかど うかを検査した。LPSによって刺激されたBALB/cまたはCBA/Jマウスから得 られたFACS精製腹膜マクロファージは、IL−10の存在下において僅かだけ減少し た有意の量のIL−6タンパク質を生産した。予備的PCRデータは、精製されたマクロ ファージがIL−10を生産したことを示唆したので、ある種のLPS刺激には、IL− 10に対して向けられた抗体が含まれていた。双方の系統のマウスにおけるLPS刺激に 対してこの抗体を加えることにより、IL−6タンパク質の生産ははるかに高濃度まで増 大した(20時間以内に30〜35ng/ml/細胞7x105個/ml)。これは、タ イトオートクリン制御下にあるマクロファージによるサイトカイン生産と一致し、すなわ ち2集団以上のマクロファージが腹膜マクロファージMac−1+,鮮明 中に含まれ、そ の一つがIL−10のその生産によって他にまさる制御を有することと一致する。更に、 ヒト単球システムにおいて平行して得られたデータは、IL−10が、水簸によって精製 されたヒト単球によるIL−10それ自体の生産を含むLPSに誘導されたサイトカイン 生産を阻害することを示す。IL−4およびIL−10などのTヘルパー細胞由来のサイ トカインの作用をIFNγなどのTh1 Tヘルパー細胞サイトカインと対比した従来の 報告により、これらのサイトカインが互いに相殺作用を有することがあるという確証が得 られる。IFNγは、同一マクロファージによるIL−10の生産を表面上阻害すること により、LPSに応答して生じたIL−6濃度を、抗IL−10によって達成されたのと ほぼ同程度の高濃度まで増大させた。これらのデータは、IL−6およびTNFαなどの サイトカイン生産が、IL−10によって調節され、引続き、活性T細胞およびNK細胞 によって生産されたIFNγの制御下にあることを示唆する。IFNγのこの作用は、腹 膜マクロファージとIFNγとの24時間のインキュベーションが、Th1細胞を刺激す るそれらの能力を改良したことを示す従来の観察報告を説明することができる。 【0073】 IL−10が、刺激性細胞からのマクロファージのサイトカイン合成をどのように阻害 するかという機序はまだ解明されていない。マクロフアージがIL−10の存在下で刺激 された場合に観察されるサイトカイン合成における有意の減少を考慮すると、IL−10 は、マクロファージおよび抗原に応答した最適サイトカイン分泌に必要とされる同時刺激 活性をダウンレギュレートすることができる。刺激された1G18.LAマクロファージ 細胞から得られた上澄みを用いて、Th1細胞のマクロファージおよび抗原依存刺激に対 するIL−10の阻害作用を克服することは不可能であった。これは、IL−10が、可 溶性同時刺激剤のダウンレギュレーションによってサイトカイン合成に対するその作用を 媒介しない場合の機序と一致する。疑わしいが、IL−10はこの種の因子の生産よりも むしろその作用を妨害すること、またはこのような同時刺激剤が極めて不安定であり若し くは吸収され、したがって、これらの上澄み調製試料中に存在しないことが考えられる。 或いは、IL−10は膜に結合した同時刺激剤の発現を阻害することができ、更に、これ は、可溶性同時刺激剤で置き換えることができないAPC/補助細胞を細胞の刺激に必要 とすることを示唆する従来の報告を説明するであろう。サイトカイン合成のIL−10阻 害機序に対する別の説明は、IL−10が、マクロファージによる1種類または複数の阻 害因子の生産を誘導した後、T細胞に対して作用してサイトカイン分泌を阻害するという ことがありうる。T細胞の刺激に関する抗原特異的システムにおけるマクロファージおよ びB細胞APCの混合は、それぞれの個々のAPCによる刺激に匹敵するT細胞の追加の 刺激をもたらす。IL−10の存在は、細胞によるサイトカイン合成を、B細胞APCが それ自体で達成する程度まで阻害する。これは、マクロファージが、T細胞に直接的に作 用する阻害剤またはB細胞APCの生産を引起こさないことを示唆する。疑わしいが、こ のような阻害剤がマクロファージ−T細胞相互作用に特異的でありうるかまたはB細胞A PCがこのような活性作用を何とか克服し若しくは回避することが考えられる。ヒトシス テムにおいて得られたデータにより、IL−10は、単球によって生産された可溶性阻害 因子または同時刺激因子によるTヘルパー細胞増殖のその阻害を達成しないことが示唆さ れる。しかしながら、それらの作用は、ヒト単球でのIL−10によるMHC−クラスI I抗原のダウンレギュレーションによって説明することができ、これはマウスシステムに おいてはまだ観察されていない。 【0074】 エフェクター機能の調節に加えて、IL−10は、更に、種々のパターンのサイトカイ ンを生産するCD4 Tヘルパー細胞の種々のサブセットの活性化により、抗体生産に対 する免疫応答または遅延型過敏症(DTH)の開始においてある役割を果たすことがある 。B細胞およびマクロファージ双方がIL−10を生産し且つAPCとしても機能し、同 時に、種々のサイトカインモジュレーターに対して感受性である(IFNγは多数のB細 胞機能を阻害し;IL−10はマクロファージを阻害するがB細胞APC機能を阻害しな い)ということは、この理論に対する支持を与える。更に、これらの研究は、IL−10 がマクロファージによるサイトカイン合成に対して有意の阻害作用を有し、更には、腹膜 マクロファージの顕著な形態学的変化を引起こすことを示唆する。総合すると、これらの 観察報告は、T細胞応答の調節においてのみならず、感染または損傷によって引出された 急性炎症応答の重要なモジュレーターとしても、IL−10の重要な役割を示唆する。 【0075】 実験Dにおいて、インビボでの超抗原に媒介された毒性を阻害するIL−10の能力を 検査した。IL−10は、部分的にはT細胞を活性化するマクロファージの能力を阻害す ることによって、T細胞によるサイトカイン生産を阻害することができる。超抗原は、T CRのVβ鎖およびAPC上に存在するクラスII MHC分子間に「橋」を形成するこ とによってT細胞を活性化する分子として定義された。これらの結果は、IL−10が、 マクロファージによって与えられた超抗原によって活性化されたT細胞によるサイトカイ ン生産を阻害しうることを示唆した。この作用はインビトロで観察された。超抗原は、例 えば、ウイルスによってコードされた内因性でありうるしまたは外因性、例えば、微生物 エンテロトキシンでありうる。後者の群の最も研究された超抗原としてはブドウ球菌性エ ンテロトキシンがある。現在、これらの毒素によって示された毒性は、インビボでT細胞 を活性化するそれらの能力に依ることが知られている。これらの観察報告は、T細胞活性 化を阻害する物質が、超抗原によって示された毒性を妨げることを示唆する。これは、シ クロスポリンが、SEBに媒介された毒性を妨げるという観察報告と一致する。この模型 により、TNFαは毒性の主要な媒介物質である。ここで示された結果は、IL−10が 、おそらくはT細胞によるTNF生産を阻害するその能力によってSEBの毒性を防止す ることができることを示す。 【0076】 これらの観察報告は、インビボでのIL−10の作用機序に興味深く関係している。I L−10はマクロファージ機能、例えば、サイトカイン生産、T細胞を活性化する能力を 阻害することが分かっているし、そしてB細胞においてIa抗原発現を引起こす。しかし ながら、SEBの毒性はAPCによるIa抗原の発現に依存するので、これらのインビボ での実験の成果は不明確であった。IL−10がSEBに誘導された毒性を防止するとい うことは、インビボでの主APCはマクロファージであってB細胞ではないということを 示唆する。 【0077】 これらの結果は、IL−10の治療的使用に関して重要な意味を持つ。ブドウ球菌性エ ンテロトキシンによって引起こされる食中毒の他に、近年、多数の疾患が超抗原によって 引起こされることが報告されており、例えば、毒素性ショック症候群、川崎病、ブドウ球 菌性毒素によって引起こされた疾患および自己免疫疾患様慢性関節リウマチである。 【0078】 IL−10は、致命的な内毒素血症からマウスを防護するのに極めて有効であり、その 知見は、IL−10が細菌性敗血症の治療に有用でありうることを示唆する。多数の他の 試薬、例えば、TNFαまたは内毒素に対する抗体およびIL−1Raは、細菌性敗血症 の治療のための臨床試験において一般的であるが、これらの大部分は、最適の防御のため には、動物モデル実験において敗血症誘導前に与えられることが要求された。これに対す る一つの例外であるIL−1Raは、動物モデル実験において敗血症誘導時に投与された 場合に有効であるが、内因性IL−1受容体全部を阻止するのに十分に多量に投与する必 要がある。更に、薬理学的用量のIL−10は、おそらくは受容体飽和量よりも少量で、 致命的な内毒素血症からの防護に寄与すべきであるマクロファージ/単球機能に対する一 連の作用を生じる。 【0079】 前述の論及は、免疫系の種々の態様の調節および分化におけるIL−10投与の効果に 関するが、抗IL−10抗体を用いてIL−10サイトカインの作用を遮断することによ って更に別の見通しが達成される。 【0080】 ここで示されたデータは、マウスの誕生から成体までの抗IL−10抗体による連続処 置が、これらの同一被験動物の脾臓に位置した通常のB細胞の数、表現型または免疫担当 を変更することなく全Ly−1 B細胞の数および機能を激しく低減させることを示す。 いくつかの観察報告は、抗IL−10処置マウスにおけるLy−1 B細胞の提案された 枯渇を支持する。すなわち、(a)抗IL−10処置マウスは、正常マウスにおいてはL y−1 B細胞に富む部位であるそれらの腹膜腔中にB細胞をほとんどまたは全く含まな い(DNAX実験動物施設の8週令のBALB/cマウスの腹膜洗浄細胞は、表現型分析 により、5%未満の通常のB細胞を含む);(b)抗IL−10処置マウスは、Ly−1 B細胞を循環性IgMの主要源として識別する従来の再構成実験と一致する、正常血清 IgM濃度の0〜10%を含み;そして(c)抗IL−10処置マウスは、特異的B細胞 がLy−1 B細胞サブセットにあるための抗原であるホスホリルコリンおよびα1,3 −デキストランの注射に応答してほとんどまたは全く抗体を生じない。抗IL−10処置 マウスにおいて通常のB細胞区分が変更されていないことを示唆するデータは同様に強制 的であり、変化していない脾臓B細胞数は正常細胞表面の遺伝標識表現型を示し、そして 胸腺依存抗原およびB細胞マイトジェンに対して正常に応答することを示唆する。抗IL −10処置マウスにおけるLy−1B細胞の選択的枯渇は、これらの被験動物の腹膜腔に おいて抗IL−10処置の数週間後に再現されるLy−1 B細胞が中断したように、一 時的であることが分かった。 【0081】 抗IL−10処置マウスにおけるLy−1 B細胞の選択的枯渇に対する説明として、 いくつかの可能な機序が考えられた。示されたデータは、中和性抗IL−10および抗I FNγ抗体の同時投与が、これらの実験において腹膜B細胞の枯渇を実質的に防止したの で、少なくとも部分的には、これが抗IL−10処置後のIFNγ上昇の結果であること を示す。IFNγが直接的にかまたは間接的にLy−1 B細胞発生を阻害するという関 係は、Ly−1+ Bリンパ腫BCL1のIL−5に誘導されたインビトロ増殖をIFN γが僅かに抑制させるという従来の観察報告を暗示させる。これらの実験を続けて、正常 BALB/cマウスからの脾臓細胞以外の、腹膜細胞のLPSに誘導された増殖のIFN γに媒介された抑制が観察された。抗IL−10処置マウスにおけるIFNγの上昇がL y−1 B細胞枯渇を完全に説明するかどうか、およびこれがLy−1 B細胞のIFN γの直接作用または若干のIFNγに媒介された間接作用に反映されるかどうかは十分に 理解されていない。おそらく、抗IL−10処置マウスにおける他の変化が、Ly−1 B細胞の枯渇に対して更に寄与している。おそらく、抗IL−10処置が内因性モノカイ ン濃度の上昇をもたらしている。抗IL−10処置マウスは、LPSに誘導されたショッ クによる致死に対して50倍を越えて感受性であり、その結果はモノカインによって媒介 されることが知られており、そして個々の抗IL−10処置マウス32匹の内の5匹は実 質的な濃度の血清IL−6を含み、モノカインは正常な動物の循環において見出されない のが一般的であり、これらの実験による10匹の対照マウスのいずれの血清中でも検出さ れなかった。しかしながら、LPSのインビボ投与によって血清モノカイン濃度が大きく 上昇したIL−6形質転換マウスまたは動物は正常血清IgM濃度を有すると考えられ、 Ly−1 B細胞数が変化していないことが示唆される。通常のB細胞以外のLy−1 B細胞は構成的および誘導性IL−10を生じるという初期の知見は、IL−10がオー トクリン成長因子として作用するという示唆をもたらす。現在のところ、これは、抗IL −10および抗IFNγ抗体で処置したマウスから回収された腹膜Ly−1 B細胞の実 質的な数を考慮すると、疑わしいと考えられる。 【0082】 連続の抗IL−10処置によってつくられたLy−1 B細胞枯渇マウスは、Ly−1 B細胞を欠失し且つ胸腺非依存抗原のサブセットに対して非応答性であるCBA/Ca Hマウス由来の自然突然変異系統である免疫欠乏xidマウスに対してかなりの類似点を 有する。これらの類似点にもかかわらず、本発明者の予備研究は、xidマウスがIL− 10を正常に生産し、そして機能的IL−10受容体を有し、したがって、xidマウス および抗IL−10処置マウスが機械的に区別されることを示した。更に、抗IL−10 処置マウスをxidマウスと区別した一つの性質は、前者によって示されるが後者の動物 では示されない抗IgM刺激に対する脾臓細胞のインビトロの応答性である。 【0083】 IL−10の生理学的役割は、マウスに誕生から成体まで、IL−10を特異的に中和 する単クローン性抗体を注射することによって研究された。このような処置は、これらの 被験動物の免疫状態に多数の独特な変化をもたらす。被験動物は、循環性TNFα、IF N−γ、そして多くの場合、IL−6の増加を特徴とする。これらの作用は、従来報告さ れたIL−10のインビトロの性質である、細胞培養実験におけるIFNγおよびモノカ イン生産の強力な抑制と一致する。内因性IFNγの増加は、抗IL−10処置によって 得られた他の結果のいくつかの原因であると考えられる。例えば、それは、Ly−1 B 細胞の枯渇をもたらし、続いて、これは、循環性IgMおよびIgA抗体の減少、並びに ホスホリルコリンおよびα1,3デキストランに対する特異的抗体応答の要因となる。上 昇したIFN−γ濃度は、IFN−γによってこのイソタイプが明確に調節される循環性 IgG2aの増加の原因でもあると考えられる。腹膜T細胞、顆粒球および循環性IgG2a の増加の残りの変化は機械的に理解されないが、これらは、二次サイトカイン摂動の結果 でありうる。概して健康であるが、抗IL−10処置マウスは、内毒素に誘導されたショ ックの結果としての致死に対して極めて感受性であることが分かった。この致命的な炎症 反応は、TNFα、IL−1、IL−6かまたは内毒素に特異的な抗体の受身伝達によっ て防止することができるモノカインに媒介された結果である。したがって、内因性モノカ インのアップレギュレーションを示し、そして抗内毒素抗体を生じると考えられるB細胞 集団(すなわち、Ly−1 B細胞)を欠いている抗IL−10処置マウスが、この炎症 性反応に対して一層感受性であるということは驚くべきことではない。これらのデータは 、抗炎症薬としてのIL−10の臨床的役割を示唆する。この概念と一致して、実験は、 薬理学的用量のIL−10が、内毒素に誘導されたショックによる致死からマウスを防護 することを示す。 【0084】 抗IL−10処置マウスの概説された表現型は、IL−10の既知のインビトロの性質 と明らかに一致するが、それにもかかわらず、それは、遺伝子を標的とすることによって IL−10欠乏にされたマウスについての予備報告のそれとは対照的である。これらの突 然変異体は、検出不能な濃度の循環性IFN−γ、TNF−αおよびIL−6、腹膜腔中 の正常な数のLy1 B細胞、並びに一次近似において正常の血清Ig濃度を有する。こ の相違の解釈は明らかではないが、同様の相違する状態は、IL−2ノックアウトマウス と、誕生から成体まで抗IL−2受容体抗体で処置されたマウスの少なくとも若干の報告 との間に存在する。一つの解釈は、サイトカイン系中に存在する十分に認識された重複性 に関係する。発育するマウス胚は、密接に関係した機能を有するサイトカインをコードし ている遺伝子の発現を増幅することによって臨界的サイトカイン遺伝子の損失を補うこと が可能である。例えば、IL−4はIL−10と多数の性質を分担しているので、このサ イトカインは、IL−10の全損失を補うのに優れた候補であり、したがって、その発現 はIL−10ノックアウトマウスにおいてアップレギュレートされるようになりうる。こ れに対して、マウスの誕生からの抗体治療による内因性IL−10の中和は、サイトカイ ンの「漏出」脱離を最もよく表わし、そして残留する痕跡の内因性IL−10は、深刻な 免疫不全および補償サイトカイン経路の調節活性化を避けるのに十分でありうる。抗体で 処置された動物は、投与された異種抗体および/または結果として得られた免疫複合体に 対する人為的免疫応答を増大させるという別の解釈を全く排除することはできない。それ にもかかわらず、この解釈は、イソタイプ対照抗体および、インビボで免疫複合体を更に 生じると考えられる他のサイトカインに対する抗体が、抗IL−10処置マウスに起因す る免疫調節を生じないので疑わしいと考えられる。 【0085】 抗IL−10処置マウスにおいて観察された免疫調節のパターンは、既知のヒト免疫不 全症のいずれとも全く相関しないので、ヴィスコット・オールドリッチ患者およびIgA 欠乏症候群患者双方にある種の類似点が存在する。これらのヒト免疫欠乏は、それぞれ循 環性IgMまたはIgAの欠失、抗細菌性抗体応答を生じる低下した能力、および循環性 IgG1の頻繁な増加、おそらくはネズミIgG2aと相関する主な補体結合性ヒト抗体 イソタイプを特徴とする。このような患者が減少したIL−10生産または応答性を示す かどうか、そうである場合に、続いてこれがそれらの免疫欠乏の一因となるかどうかは確 証を待っている。IgA欠乏症候群におけるIL−10の可能な役割は、無経験(nai ve)ヒトB細胞を、架橋した抗CD40抗体およびTGFβによる活性化後にIgA分 泌細胞に分化させるのに必要とされる重要な補助因子としてIL−10が明らかに関係し ている最近の研究を考慮すると、特に興味をそそる。抗IL−10処置マウスが、2種類 の細菌性抗原に対する特異的抗体応答を生じることができないことは、IL−10が、上 記に記載したように、抗細菌性免疫において有効なアジュバントであるという主張を更に 支持する。 【0086】 IL−10の生理学的役割および臨床的可能性についての情報の提供に加えて、抗IL −10処置マウスは、免疫系に対するLy−1 B細胞の寄与を評価する新たな機会を提 供する。前記のように、抗IL−10処置マウスにおけるLy−1 B細胞枯渇によって 生じた二次的結果は、この少数のB細胞亜集団に予め起因する多数の性質を確証する。し かしながら、これらのデータにより、更に、免疫系に対するLy−1 B細胞の寄与を考 える新しい見通しが得られる。特に、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3また はIgEの応答の発生に関して、これらのイソタイプの血清濃度はLy−1 B細胞が枯 渇した抗IL−10処置マウスにおいて減少しないので、Ly−1 B細胞は必要とされ ないと結論することは適当である。同様に、Ly−1 B細胞は若干の胸腺非依存性II 型抗原、例えば、ホスホリルコリンおよびα1,3デキストランに対する応答性に本質的 であるので、明らかに、それらは他の、例えば、TNP−フィコールおよび抗IgMに必 要とされない。実際に、多糖抗原に対するB細胞応答性に独自に関係したイソタイプであ る循環性IgG3の不変のまたは僅かに上昇した濃度は、Ly−1 B細胞欠乏マウスが 、大部分の胸腺非依存性II型抗原に対しておそらく応答することができるということを 示唆する。抗IL−10処置マウスのこの態様は、Ly−1 B細胞を欠失しているが、 胸腺非依存性II型抗原全部に対して応答しない自然発生免疫欠乏マウス系統であるxi dマウスとそれらとを容易に区別する。 【0087】 免疫系に対するLy−1 B細胞の寄与についての情報の提供に加えて、抗IL−10 処置マウスは、本発明者がインビボでのTNFα上昇の結果を評価することを可能にする 。本発明者のデータは、IL−10のインビボでの拮抗作用が血清TNFα濃度の実質的 な上昇をもたらすことを明らかに例証する。TNFα上昇の好ましくない結果は上記(例 えば、敗血症性ショック、大脳マラリア等)で詳細に考察されたが、TNFα上昇の多数 の好ましい結果も考慮すべきである。これらには、直接的抗腫瘍作用、顆粒球−単球造血 系の拡大、若干の自己免疫疾患および感染症に対する放射線防御および防御の動物モデル における実証がある。したがって、これらの考察は、IL−10アンタゴニストをこれら の種類の疾患の処置において治療的に介入するための候補として暗示する。実際に、本発 明者は、抗IL−10抗体が、狼瘡傾向のあるNZB/Wマウスにおいて自己免疫の発生 を実質的に遅らせることができるということを実証する程度までこの提案を確証した。 【0088】 要約すると、本発明は、多数の疾患状態の主要な媒介物質であるモノカインの生産を調 節するためのIL−10またはIL−10アンタゴニストの使用に関する。IL−10お よびそのアゴニストは、TNFαなどのモノカインの顕著な抑制を引起こし、この方法に おいて、望ましくない炎症性反応、例えば、細菌性敗血症、毒素性ショック、慢性関節リ ウマチおよびプソナシス(psonasis)に対する防御を提供する。同様に、IL− 10アンタゴニストは、TNFαなどのモノカインの濃度を増大させ、引続き、抗腫瘍薬 として、並びにある種の自己免疫疾患および感染症に対する放射線防御および防御の提供 において作用することができる。 【実施例】 【0089】 以下の実施例は、本発明を例証するのに役立つ。ベクターおよび宿主の選択並びに試薬 の濃度、温度および他の可変パラメーターの値は、本発明の適用を例示するためのもので あり、それを制限するものと考えるべきではない。 【0090】 実例1 細菌宿主におけるヒトIL−10の発現 合成ヒトIL−10遺伝子を多数の化学的に合成された二本鎖DNAフラグメントから 組立てて、TAC−RBS−hIL−10と称する発現ベクターを生成した。クローニン グおよび発現は、標準的な細菌の系、例えば、ビエラ(Viera)およびメシング(M essing)によってGene,19巻,259〜268頁(1982)に記載された 大腸菌K−12株JM101、JM103または類似のものにおいて実施した。制限エン ドヌクレアーゼ消化およびリパーゼ反応は、典型的に、標準的なプロトコル、例えば、本 明細書中に参考として包含される、マニアティスら、Molecular Clonin g:A Laboratory Manual(コールド・スプリング・ハーバー・ラボ ラトリー(Cold Spring harbor Laboratory)、ニューヨ ーク、1982);サムブルックら、Molecular Cloning:A Lab oratory Manual(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー、ニュ ーヨーク);およびオースベルら(1987年および定期補遺)、Current Pr otocols in Molecular Biology,ウィリー・アンド・サン ズ、ニューヨークを用いて実施した。 【0091】 アルカリ法を小規模なプラスミド調製試料に用いた。大規模な調製試料に対しては、等 量のイソプロパノールを用いて核酸を透明な溶菌液から沈殿させるアルカリ法の変法を用 いた。冷2.5M酢酸アンモニウムによる沈殿を用いてRNAを除去した後に、塩化セシ ウム平衡密度遠心分離および臭化エチジウムによる検出を行なった。 【0092】 フィルターハイブリダイセーションに関して、ワットマン540円形フィルターを用い てコロニーを取り上げた後、それを、0.5M NaOH、1.5M NaCl;1Mト リスHCl pH8.0、1.5M NaCl(それぞれ2分間)による連続処理によっ て溶解させ且つ固定し;そして80℃で(30分間)加熱した。ハイブリダイセーション は、6xSSPE、20%ホルムアミド、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、 大腸菌tRNA100μg/mlおよびクマシーブリリアントブルーG−250(バイオ ・ラド(Bio−Rad))100μg/ml中において32P標識(キナーゼ処理)合 成DNAを用いて42℃で6時間であった。(20xSSPEは、NaClを174g、 NaH2PO49H2Oを27.6gおよびEDTA7.4gをH2O800ml中に溶解す ることによって製造された。pHをNaOHで7.4に調整した。容量を1リットルに調 整し、そしてオートクレーブによって滅菌した)。フィルターを1xSSPE、0.1% SDSで2回洗浄した(室温、15分間)。オートラジオグラフィー(フジ(Fuji) RXフィルム)後、陽性コロニーは、フィルター上において再増殖コロニーを青色に染色 されたコロニーと一緒に整列させることによって位置が示された。DNAは、ジデオキシ 法、サンガー(Sanger)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,74巻, 5463頁(1977)によって配列決定された。ジデオキシ反応用の鋳型は、M13m pベクターで再クローン化された適当な領域の一本鎖DNA、例えば、メシングら、Nu cleic Acids Res.,9巻,309頁(1981)かまたはミニアルカリ 法によって製造し且つ0.2M NaOHで変性し(室温、5分間)、そして2容量のエ タノールを加えることによって0.2M NaOH、1.43M酢酸アンモニウムから沈 殿させた二本鎖DNAであった。DNAは、ホスホルアミダイト化学によりアプライド・ バイオシステムズ(Applied Biosystems)380A合成機を用いて合 成された。合成、脱保護、開裂および精製(7M尿素PAGE、溶離、DEAE−セルロ ースクロマトグラフィー)は、380A合成機マニュアルに記載されたように実施した。 【0093】 クローン化される合成DNAの相補鎖(それぞれ400ng)を混合し、そして反応容 量50ml中においてポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化した。このDNAをベクター DNA1mgと連結し、適当な制限酵素で消化し、そして連結反応は容量50ul中にお いて室温で4〜12時間行なった。リン酸化、制限酵素消化、ポリメラーゼ反応および連 結反応の条件は記載されている(マニアティスら、上記に引用)。コロニーは、アンピシ リン、イソプロリル−1−チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)(0.4mM)およ び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−gal )(40μg/ml)を補足したL寒天上に平板培養することによって(望ましい場合) lacZ+の評点をした。 【0094】 TAC−RBSベクターは、tacP含有プラスミドpDR540(ファーマシア(P harmcia))の単一BamHI部位を、DNAポリメラーゼを用いる充填によって 構築された。次に、これを、共通リボソーム結合性部位(RBS、GTAAGGAGGT TTAAC)をコードしている二本鎖フラグメントを形成する非リン酸化合成オリゴヌク レオチド(ファーマシア)に対して連結した。連結反応後、混合物をリン酸化し、そして SstIリンカーATGAGCTCATと再連結した。次に、この複合体をSstIおよ びEcoRIで開裂させ、そして173bpのフラグメントをポリアクリルアミドゲル電 気泳動(PAGE)によって単離し、そしてEcoRI−SstI制限pUC19(ファ ーマシア)(下記に記載の)でクローン化した。最終構築物(TAC−RBSと称する) のRBS−ATG−ポリリンカー領域の配列は、本明細書中に参考として包含される米国 特許第5,017,691号明細書に開示されている。 【0095】 合成IL−10遺伝子を8工程においてpUC19プラスミドで組立てた。各工程で、 欠失および/またはインサートを含まないインサートは、工程1で挿入されたATG開始 コドンを含む枠においてpUC19のlacZ(a)遺伝子を維持することによってクロ ーニング後に検出することができた。欠失および/または挿入変化を含むクローンは、X −galおよびIPTGを含むL−アンピシリンプレート上の青色コロニーの評点によっ て濾去することができた。或いは、各工程で、小規模のプラスミドDNA調製試料に普遍 的配列決定プライマーを用いてインサートの配列を容易に確証することができる。 【0096】 工程1において、TAC−RBSベクターをSstIで消化し、T4 DNAポリメラ ーゼ(その3′エキソヌクレアーゼ活性はSstIカットの3′突出鎖を消化してブラン ト末端フラグメントを生成する)で処理し、そしてT4 DNAポリメラーゼの失活後に EcoRIで処理して173塩基対(bp)フラグメントを生成する。このフラグメント はTAC−RBS領域を含み且つATG開始コドンのところにブラント末端および反対側 の末端にEcoRIカットを有する。最後に、173bpのTAC−RBSフラグメント を単離した。 【0097】 工程2において、工程1の単離されたTAC−RBSフラグメントを、EcoRI/K pnIで消化したプラスミドpUC19と、下記に示したように、上流末端にブラント末 端および下流末端にKpnIカットに対応するスタッガー末端を有する合成フラグメント 1A/Bと一緒に混合した。このKpnI末端はBstEII部位に対しておよびその下 流に隣接している。フラグメントを連結して工程2のpUC19を生成する。 【0098】 工程3において、合成フラグメント2A/Bおよび3A/B(下記に示した)を、Bs tEII/SmaIで消化した工程2のpUC19と混合し(増幅および精製後)且つ連 結して工程3のpUC19を生成した。フラグメント3A/Bの下流末端が、SmaIブ ラント末端を生成する余分の塩基を含むことに留意されたい。これらの余分の塩基は工程 4において開裂した。更に、フラグメント2A/Bおよび3A/Bは、混合によってアニ ールする相補的9残基一本鎖末端を有し、2A/Bの上流BstEIIカットと、pUC 19に対して連結する3A/Bの下流ブラント末端を残している。 【0099】 工程4において、AflII/XbaIで消化した工程3のpUC19(増幅および精 製後)を再精製し、合成フラグメント4A/B(下記に示した)と混合し、そして連結し て工程4のpUC19を生成する。 【0100】 工程5において、XbaI/SalIで消化した工程4のpUC19(増幅および精製 後)を合成フラグメント5A/B(下記に示した)と混合し且つ連結して工程5のpUC 19を生成する。フラグメント5A/BのSalIスタッガー末端が工程6においてHp aIによる消化によって除去されることに留意されたい。 【0101】 工程6において、HpaI/PstIで消化した工程5のpUC19(増幅および精製 後)を合成フラグメント6A/B(下記に示した)と混合し且つ連結して工程6のpUC 19を生成する。 【0102】 工程7において、ClaI/SphIで消化した工程6のpUC19(増幅および精製 後)を合成フラグメント7A/B(下記に示した)と混合し且つ連結して工程7のpUC 19を生成する。 【0103】 工程8において、MluI/HindIIIで消化した工程7のpUC19(増幅およ び精製後)を合成フラグメント8A/Bおよび9A/Bと混合し且つ連結して最終構築物 を生成する。最終構築物を標準的な技法によって、例えば、ATCCから受託番号338 76として入手可能な大腸菌K−12株JM101に挿入した。培養後、タンパク質をJ M101細胞から抽出し、そしてその抽出物の希釈液の生物活性を検査した。フラグメン トと称する配列を表1に示す。 【0104】 【表2】
【0105】 【表3】
【0106】 実施例2 COS7サル細胞におけるvIL−10の発現 vIL−10の読取り枠をコードしている遺伝子を、タケベ(Takebe)ら(19 88)Mol.Cell.Biol.8:466〜472に記載された、増幅フラグメン トをEcoRI消化pcD(SRa)ベクター中に後で挿入することが可能なプライマー を用いるポリメラーゼ連鎖反応によって増幅させた。挿入されたフラグメントのコーディ ング鎖を以下に示す(読取り枠を大文字で与える)。 【0107】 【化5】
【0108】 適当な配向のインサートを有するクローンを、vIL−10の発現および/または制限 消化の電気泳動パターンによって識別した。vIL−10遺伝子を有する一つのこのよう なベクターはpBCRF1(SRa)と称され且つATCCに受託番号68193として 寄託された。pBCRF1(SRa)を大腸菌MC1061において増幅させ、標準的な 技法によって単離し、そしてCOS7サル細胞を以下のようにトランスフェクトするのに 用いた。すなわち、トランスフェクションの前日に、COS7サル細胞約1.5x106 個を、100mmプレートそれぞれの5%ウシ胎児血清(FCS)および2mMグルタミ ンを含むダルベッコ修飾イーグル培地(DME)中に播種した。トランスフェクションを 実施するために、COS7細胞をトリプシンとのインキュベーションによる皿から取出し 、血清不含DME中で2回洗浄し、そして血清不含DME中において細胞107個/ml に懸濁させた。アリコート0.75mlをDNA20μgと混合し、そして滅菌0.4c mエレクトロポレーションキュベットに移した。10分後、細胞にバイオラド・ジーン・ パルサー(BioRad Gene Pulser)装置において200ボルト、960 mFでパルスした。更に10分後、細胞をキュベットから取出し、そして5%FCS、2 mMグルタミン、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびゲンタマイシンを含むDME2 0mlを加えた。混合物を100mm組織培養皿4個に分別した。37℃、5%CO2で 12〜24時間後、培地を同様の1%FCSのみを含む培地と取り換え、そしてインキュ ベーションを37℃、5%CO2で更に72時間続けた後、培地を集め、そしてIFNγ 合成を阻害するその能力を検定した。 【0109】 新たに単離した末梢血液白血球(PBL)のアリコート10ml(細胞約2x106個 /ml)を、(i)5%FCSおよび2mMグルタミンを補足した90%DMEと、(i i)pBCRF1(SRa)で予めトランスフェクトされたCOS7細胞からの10%上 澄みとから成る培地中においてフィトヘマグルチニン(PHA)(100ng/ml)と 一緒に37℃でインキュベートした。24時間後、細胞および上澄みを採集して、IFN γ mRNAかまたはIFNγタンパク質の存在をそれぞれ検定した。対照は、10%上 澄みが、無関係のcDNAインサートを有するプラスミドで予めトランスフェクトされた COS7培養物からであることを除き、同様に処理された。vIL−10処置試料は、対 照に相対して約50%のIFNγ合成阻害を示した。 【0110】 実施例3 大腸菌におけるvIL−10の発現 下記のvIL−10をコードしている遺伝子は大腸菌において発現することができる。 【0111】 【化6】
【0112】 pBCRF1(SRa)のcDNAインサートをM13プラスミドで再クローン化し、 そこにおいて、それは特定部位の突然変異誘発によって2回変更された。すなわち、最初 に、成熟vIL−10ポリペプチドのコーディング領域の5′末端にClaI部位を形成 し、そして第二に、成熟vIL−10ポリペプチドのコーディング領域の3′末端にBa mHI部位を形成した。次に、突然変異配列を、以下に記載したTRPC11発現ベクタ ー中に容易に挿入した。 【0113】 TRPC11ベクターを、合成した共通RBSフラグメントをClaIリンカー(AT GCAT)に対して連結することによっておよびその結果得られたフラグメントをCla I制限pMT11hc(ClaI部位を含むように予め修飾された)でクローニングする ことによって構築した。pMT11hcは、pVXプラスミドEcoRI−HindII Iポリリンカー領域を有するpBR322のTETS誘導体である小型の(2.3キロベ ース)高コピーAMPRである。pVXは、マニアティスら(1982)Molecul ar Cloning:A Laboratory Manual,コールド・スプリン グ・ハーバー・プレス、コールド・スプリング・ハーバーに記載されている。これを、E coRIおよびBamHIでpMT11hcを制限することによってClaI部位を含む ように修飾し、得られた5′付着端をフィルインし、そしてClaIリンカー(CATC GATG)と連結し、それによってEcoRIおよびBamHI部位を復元し且つSma I部位をClaI部位で置き換えた。TRPC11構築による一つの形質転換体は、Cl aI部位に隣接してタンデムにRBS配列を有した。ClaI部位の一つおよびRBS配 列の第二コピーの一部分を、このプラスミドをPstIで消化し、Bal31ヌクレアー ゼで処理し、EcoRIで制限し、そして4種類全部のデオキシヌクレオチド三リン酸の 存在下においてT4 DNAポリメラーゼで処理することによって除去した。得られた3 0〜40bpのフラグメントをPAGEによって回収し且つSmaI制限pUC12中に クローン化した。次に、pKC101由来の248bpの大腸菌trpp含有EcoRI フラグメント(ニコルス(Nichols)ら(1983)Methods in En zymology 101:155〜164,アカデミック・プレス(Academic Press),ニューヨークに記載された)をEcoRI部位でクローン化してTRP C11構築を完成した。これを図1に図示する。TRPC11は、最初にそれをClaI およびBamHIで消化し、それを精製した後、それを標準的な連結反応溶液中において 、成熟BCRF1をコードするヌクレオチド配列を有するM13のClaI−BamHI フラグメントと混合することによってvIL−10のためのベクターとして用いられた。 TRPC11−BCRF1と称するインサート含有TRPC11を、例えば、ATCCか ら受託番号33876として入手可能な大腸菌K12株JM101において増殖させた。 【0114】 実験A インターロイキン−2に誘導されたインターフェロン−γ合成およびリンホカインに活性 化されたキラー活性に対するインターロイキン−4およびインターロイキン−10の示差 効果 この項で示したデータは、本明細書中にその全部が参考として包含されているシューら (1992)Int′l Immunology 4:563〜569、においてその優 先日後に公開された。 【0115】 概要 ヒト末梢血液単核細胞(PBMC)とインターロイキン−2(IL−2)との培養は、 サイトカインの合成およびリンホカインに活性化されたキラー(LAK)活性の発生を刺 激する。インターロイキン−4およびインターロイキン−10(IL−10;サイトカイ ン合成阻害因子、CSIF)双方は、IL−2に誘導されたヒトPBMCによるIFNγ およびTNFαの合成を阻害する。しかしながら、IL−4とは異なり、IL−10は、 PBMCおよび活発なナチュラルキラー(NK)細胞のIL−2に誘導された増殖も、I L−2に誘導されたLAK活性も阻害しない。更に、IL−4は、精製された活発なNK 細胞によるIL−2に誘導されたIFNγ合成を阻害するが、対照的に、IL−10の阻 害作用はCD14+細胞(単球/マクロファージ)によって媒介される。IL−10は単 球またはNK細胞を加えた単球によるTNFα合成を阻害するが、NK細胞単独による場 合は阻害しない。これらの結果は、IL−4およびIL−10が異なる経路によってNK 細胞に作用することおよびIL−2に誘導されたサイトカイン合成およびLAK活性は異 なる機序によって調節されることを示す。 【0116】 インターロイキン−10(サイトカイン合成阻害因子、CSIF)は、マウスおよびヒ トTリンパ球および単球/マクロファージによるIFNγなどのサイトカインの合成を阻 害する。T細胞サイトカイン合成に対する阻害作用は間接的であり、単球/マクロファー ジによってそれらの抗原提示細胞としての能力において媒介される。マウスおよびヒト双 方のIL−10(mIL−10;hIL−10)は、マウスおよびヒト細胞に対してIL −10活性を示すエプスタイン・バールウイルス読取り枠BCRF1(ウイルスIL−1 0;vIL−10)に対して相同である。vIL−10が、ヒトPBMCによるIL−2 に誘導されたIFNγ合成を阻害することは初期に観察された。NK細胞はIL−2に刺 激されたPBMC中の主要なIFNγ源であることが報告されているので、IL−2に誘 導されたサイトカイン合成およびLAK活性に対するhIL−10およびvIL−10の 作用は、これらのサイトカインとLAK活性の既知の阻害剤であるIL−4とを比較する ことと一緒に研究された。データは、IL−4、hIL−10およびvIL−10が、I L−2に刺激されたPBMCによるIFNγおよびTNFαの合成を阻害するが、IL− 4だけが精製NK細胞によるIFNγ合成を阻害するということを示す。更に、IL−4 とは異なり、IL−10はIL−2に誘導されたLAK活性を阻害しない。これらの結果 は、IL−4およびIL−10が異なる機序によってNK細胞に作用し且つIL−2に誘 導されたサイトカイン合成およびLAK活性が異なる経路によって調節されるという模型 を支持する。 【0117】 実施例A1 IL−2に誘導されたサイトカイン合成およびLAK活性に対するIL−4およびIL− 10の作用 サイトカイン ヒト組換体IL−2(rIL−2)は、S.ズラウスキー(Zurawski)による 標準的な方法(DNAX)を用いて好ましく製造するかまたは購入した(シータス(Ce tus)、エメリービル、CA)。ヒトrIL−4はシェリング・プラウ・リサーチ(S chering−Plough Research)からであった。ヒトrIL−1βは バイオソース・インターナショナル(Biosource International )(カマリロ、CA)から購入した。組換体hIL−10およびvIL−10をCOS7 トランスフェクション上澄みとして用い、不適当なcDNAを含むかまたはcDNA不含 のトランスフェクションからの上澄みを対照として用いた。本明細書中に参考として包含 され且つ上記のビエラら(1991)Proc.Nat′l.Acad.Sci.,US A 88:1172〜1176およびシューら(1990)Science 250:8 30〜832を参照されたい。IFNγおよびTNFα(エンドジェン(Endogen )、ボストン、MA)をエリザによって測定した。IL−2不存在下のサイトカイン生産 は、IFNγおよびTNFαエリザ検定の感度限界未満であり、それぞれ0.3ng/m lおよび12pg/mlであった。 【0118】 細胞系 ダウディ(バーキットリンパ腫)細胞はシェリング・プラウ(リヨン、フランス)によ って提供された。ルイス・ラニア博士(Dr.Lewis Lanier)によって提供 されたCOLO(結腸癌)細胞を、5%ウシ胎児血清を加えたRPMI1640中におい て培養した。 【0119】 抗体 白血球細胞表面抗原に対する単クローン性抗体(CD3、CD4、CD5、CD14、 CD16、CD19、CD56)をベクトン・ディキンソン(サン・ホセ、CA)から購 入した。マグネチックビーズ枯渇実験用の抗体(CD3、CD4、CD5、CD14、C D19)は、適当な細胞系を注射したSCIDマウスの腹水から製造した。抗IL−4お よび抗IL−10中和抗体は、例えば、本明細書中に参考として包含される、クレティア ン(Chretien)ら(1989)J.Immunol.Methods 117: 67〜81;およびイセル(Yssel)ら、J.Immuno.Methods.72 :219〜227に記載されている。 【0120】 PBMCの調製および培養 ヒトPBMCを、健康なドナーからのバフィーコートからフィコール・ハイパクでの遠 心分離によって単離し、そして1%ヒトAb+血清を有するイセル(Yssel′s)培 地中において他のサイトカインを含むかまたは含まない106/ml ub rIL−2 (200単位/ml)で培養した。培養は24(または96)ウェルプレート中において 5日間実施し、そして上澄みを採集した。異なるドナーからのPBMCは、IL−2によ って刺激された場合、IFN−γおよびTNF−αを生産するそれらの能力が異なった。 【0121】 細胞精製 PBMCを洗浄し且つ組織培養皿中において37℃で40分間インキュベートした。付 着細胞をラバーポリスマンで掻取ることによって集めた。非付着細胞を除去し、ペレット にし、そしてナイロンウールカラムに入れ且つ37℃で40分間インキュベートした。カ ラムから溶離後、細胞をペレットにし、10%FCS/PBSを含む30%パーコール( Percoll)中に再懸濁させ、そして40%パーコール上に重層した。室温で30分 間遠心分離後、界面の大型顆粒リンパ球を回収し且つ2回洗浄した。これらの細胞を抗C D56抗体(ベクトン・ディキンソン、サン・ホセ、CA)と一緒に4℃で30分間イン キュベートし、洗浄した後、FACS選別の前に、ヤギ抗マウスFITC(ジャクソン・ イムノリサーチ(Jackson Immunoresearch)、エーボンデール、 PA)で染色した。CD56+細胞は、選別を行なった細胞の約35〜50%であった。 選別された細胞は、再分析により、99.5%より大のCD56+であった。精製NK細 胞9x104個を、最終容量100ml中において付着細胞またはT細胞3x104個と 混合し、そして他のサイトカインを含むかまたは含まないIL−2と一緒に培養した。 【0122】 同一ドナーからの精製NK細胞および単球を以下のように得た。すなわち、PBMCを ヒツジ赤血球と一緒に一晩中インキュベートし;ロゼット形成「E+」(CD2+)およ び非ロゼット形成「E−」細胞をフィコール・ハイパク勾配での遠心分離によって分離し た。E+細胞に、PBMCに関して記載したのと同様の精製操作(前記を参照されたい) を施して精製NK細胞を得た。引続き、E−細胞を抗CD14 mAb(LeuM3)お よびFITC標識ヤギ抗マウスIgG抗体と一緒にインキュベートし、そしてCD14+ 細胞をファクスタープラス(FACStar plus)で選別した。これらの細胞純度 は98%より大であった。精製NK細胞105個を100ml中において純粋な単球10 4個と一緒にインキュベートし且つ単独でかまたはIL−2および前記に記載の他の添加 物と一緒に培養した。 【0123】 或いは、NK細胞および単球をマグネチックビーズ選択によって豊富にした後、以下の ように選別した。すなわち、PBMCを最初に単クローン性抗CD3、抗CD4、抗CD 5および抗CD19抗体と一緒にインキュベートしてT細胞およびB細胞を染色した。P BSで2回洗浄後、ヤギ抗マウスIgG被覆マグネチックビーズ(ダイナビーズ(Dyn abeads)M−450、ダイナル・インコーポレーテッド(Dynal Inc.) 、グレート・ネック、NY)を加えて、抗体被覆T細胞およびB細胞をマグネチック選択 によって除去した。得られた豊富なNK細胞および単球を抗CD56−PEおよび抗CD 14−FITCで染色し、そしてCD56+およびCD14+細胞を細胞ソーターで単離 した。2種類の選別された細胞集団の純度は98.5%より大であった。 【0124】 細胞毒性検定 PBMCを、1%ヒトAB+血清を含むイセル培地中においてIL−2を200U/m lと一緒に細胞106個/mlで3日間インキュベートした。培養は、リンブロ(Lin bro)24ウェルプレート(フロー・ラボラトリーズ(Flow Laborator ies)、マクリーン、VA)の1−mlウェル中で実施した。培養期間後に細胞を採集 し、2回洗浄し、そして51Cr放出検定においてエフェクター細胞として用いた。本明 細書中に参考として包含される、スピッツ(Spits)ら(1988)J.Immun ol.141:29〜 を参照されたい。51Crで標識された標的細胞(COLOま たはダウディ)1000個を、U字型の96ウェルプレート中の0.25%BSA含有イ スコヴ(Iscov′s)培地(シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chem ical Co.)、セント・ルイス、MO)中において種々の数のエフェクター細胞と 混合した。プレートを50xgで5分間遠心分離した後に、給湿した5%CO2雰囲気中 において37℃で4時間インキュベーションした。試料を採集し且つガンマカウンター( LAB、ブロンマ、スウェーデン)で計数した。 【0125】 組換体hIL−10、vIL−10およびhIL−4を、末梢血液単核細胞(PBMC )中においてIL−2によって引起こされたIFNγおよびTNFαの合成並びにLAK 活性に対するそれらの作用に関して検査した。PBMCをrIL−2の200U/ml中 においてrIL−4(200U/ml)と一緒にかまたはhIL−10、vIL−10含 有若しくはサイトカイン不含(模擬)のCOS7上澄みと一緒に5日間培養した後、サイ トカイン合成を測定した。hIL−10、vIL−10またはIL−4を含む培養物中に おいてIL−2に誘導されたIFNγおよびTNFαの合成は実質的に阻害された(図2 A、2B)。 【0126】 IL−4によって得られた結果は、IL−4が、IL−2に誘導されたIFNγ mR NAおよびタンパク質の発現を阻害するという観察報告を確証する。IL−4およびIL −10双方によるサイトカイン合成の阻害は用量依存性であり、抗hIL−4および抗h IL−10単クローン性抗体をそれぞれ阻止することによって逆行するが、イソタイプ対 照免疫グロブリンでは逆行しない(図2C、2D)。 【0127】 LAK活性を、更に、LAK細胞によって効率よく死滅するが活発なNK細胞によって は死滅しないバーキットリンパ腫細胞系ダウディおよび結腸癌系COLOに対して評価し た。ダウディおよびCOLO細胞に対するIL−2に誘導されたLAK活性は、IL−4 を含む培養物においてのみ阻害され、hIL−10およびvIL−10培養物中において は変化しないかまたは僅かに増大さえした(図3A)。IL−2に誘導されたLAK活性 は、主としてCD56(Leu19)+NK細胞によって媒介される。COLO細胞に対 するLAK活性がIL−10によって阻害されなかったということは、活性NK細胞によ って媒介された細胞毒性がこのサイトカインによって影響されないことを示した。しかし ながら、活性CD3+ gd+ T細胞はダウディ細胞を死滅させることができるので、 ダウディに対するIL−2に誘導されたgd+ T細胞の細胞毒性をIL−10が刺激し 、同時に、この標的細胞に対するIL−2に誘導されたNK活性を阻止することは可能で あった。 【0128】 IL−2およびhIL−10で培養されたPBMC中において誘導された抗ダウディL AK細胞の表現型を決定するために、CD56+およびCD56−集団をFACSによっ て選別し且つそのダウディ細胞に対する細胞毒性を検査した。図3Bは、IL−2単独の 場合と同様に、有意のLAK活性がCD56+集団においてのみ観察されたことを示す。 したがって、IL−4およびIL−10双方がIL−2に誘導されたIFNγおよびTN Fαの合成を阻害し、IL−4だけが、PBMC中に存在する活性NK細胞によるIL− 2に誘導された細胞毒性を阻害する。 【0129】 実施例A2 IL−10は、IL−2に刺激された精製NK細胞によるIFNγ合成またはその増殖を 阻害しない。 増殖検定 細胞を96ウェル丸底プレート中において細胞105個/ウェルで分配し、そして最終 容量200μl/ml中においてサイトカイン存在下または不存在下で4日間インキュベ ートした。次に、10μl中の3H−チミジン1mCiを各ウェルに加えた。6時間後に 培養物を採集し、そして取込まれた放射能をシンチレーション計数によって評価した。 【0130】 PBMCにおけるIL−2に誘導されたIFNγ合成の大部分は、T細胞よりもむしろ NK細胞由来であるらしい。したがって、IL−2に誘導されたIFNγ合成に対するh IL−10、vIL−10およびIL−4の作用は、FACSで精製されたNK細胞(純 度>99.5%)によって検査された。IL−4は、これらの細胞によるIL−2に誘導 されたIFNγ分泌を阻害したが;対照的に、hIL−10もvIL−10も、精製され た活発なNK細胞によるIFNγ合成を抑制しなかった(図4A)。更に、IL−4は、 PBMCまたは精製NK細胞によるIL−2に誘導された増殖を有意に阻害したが、IL −10は、IL−2に媒介された増殖に対して作用しなかった(図4B)。 【0131】 IL−4とは対照的に、IL−10はNK細胞に直接的に作用しないが、同時刺激シグ ナルを与える単球の能力を阻害する。この結論は、IL−2に誘導されたIFNγ生産に 対するIL−10の作用によって最も明確に支持される。前記のように、補助細胞調製試 料はIFNγを生産しなかった。IL−2に刺激されたNK細胞は、補助細胞を用いるこ となく有意の濃度のIFNγを生産したが(図4A、5Aおよび5B)、プラスチック付 着細胞および精製CD14+細胞双方を精製NK細胞に加えることにより、IFNγ合成 は大きく増大した。NK細胞に対するIL−10の直接作用の不存在(図4Aおよび4B )は、IL−10が、単球に対して作用することによってIL−2に誘導されたIFNγ 生産を阻害していることを示唆する。同様に、IL−10によるT細胞サイトカイン合成 阻害は、単球/マクロファージ補助細胞によって媒介される。 【0132】 実施例A3 単球は、NK細胞によるIL−2に刺激されたIFNγおよびTNFα合成のIL−10 による阻害を媒介する。 IFNγ合成が、PMBCの培養物中においてIL−10によって阻害されたが純粋な NK細胞では阻害されなかったということは、IL−10のこの作用が補助細胞によって 媒介されたことを示唆した。これらの補助細胞の性質を研究するために、パーコール勾配 遠心分離によって得られた低密度細胞画分から、またはT細胞、B細胞および単球を枯渇 したPBMCからCD56+細胞を選別することによってNK細胞を精製し、そしてプラ スチック付着細胞とまたはパーコール勾配からの高密度細胞集団(T細胞98%)と混合 した。付着細胞をNK細胞に加えることにより、NK細胞によるIL−2に誘導されたI FNγ生産は激しく増大し;付着細胞のこの刺激作用はIL−10によって阻止された( 図5A)。付着細胞集団自体は、IL−2に応答して検出可能な濃度のIFNγを生産し なかった。対照的に、T細胞含有画分は、NK細胞によるIL−2に誘導されたIFNγ 生産に対して作用しなかったし、IL−10によるIFNγ生産の阻害を媒介しなかった (図5A)。 【0133】 プラスチック付着細胞は単球に富むが、他の細胞集団を含むことができる。単球が、I L−2に誘導されたIFNγ生産を増大させたし、IL−10によるその阻害も媒介した ことを確証するために、NK細胞およびCD14+単球を選別によって精製し且つIL− 2およびIL−10存在下で培養した。図5Bは、NK細胞に対して精製された単球を加 えることにより、IL−2に誘導されたIFNγ生産が増大したことおよびIL−10が この増大を阻害したことを示す。 【0134】 TNFα合成に関して、定性的に同様の結果が観察された。図5Cは、予想されるよう に、NK細胞がIL−2に応答して検出可能なTNFαを生産したことを示す。CD14 +細胞は、IL−2とは無関係にTNFαを生産する。IL−10は、IL−2の存在下 (図5C)および不存在下双方において単球によるTNFα生産を阻害する。対照的に、 NK細胞によるTNFα合成はIL−10によって阻害されなかった。NKおよびCD1 4+細胞の同時の刺激により、どちらかの細胞だけで観察されるよりも実質的に高いTN Fα生産濃度が得られ、この増加はIL−10によって阻止された。 【0135】 単球およびそれらの生産物は、NK細胞を休止させることにより、IL−2に誘導され たIFNγ生産を実質的に増加させることが分かった(図5B)。いくつかのモノカイン 、例えば、IL−1およびTNFαは、種々の条件下においてヒトおよびマウスNK細胞 によるIFNγ合成の同時刺激剤として包含された。LPSまたはIFNγに刺激された 単球/マクロファージによるIL−1、IL−6およびTNFαなどのモノカインの合成 をIL−10が阻害するということは、ここで報告されたIL−10の作用が、補助細胞 による同時刺激分子の生産をIL−10が阻害することに基づいていたことを示唆する。 付着細胞の上澄み(主として単球を含む)は、IL−2に刺激された精製NK細胞による IFNγ生産を増大させることが観察されたが、IL−10存在下で培養された付着細胞 の上澄みは、IL−10を枯渇した場合でさえもこの能力を欠いている。この上澄みの活 性が補助細胞の完全な同時刺激作用の要因であるかどうかは不明である。IL−1αおよ びIL−1βはNK細胞によるIL−2に誘導されたIFNγ生産を同時刺激するが、I L−6またはTNFαは刺激しないということが観察されたが;しかしながら、IL−1 を最大1000U/mlまで加えることは、未分別のPBMCによるIL−2に誘導され たIFNγ合成に対するIL−10の阻害作用を逆行させない。したがって、1種類若し くはそれ以上の追加の活性がこの系において機能し、またはIL−10が、NK細胞によ るサイトカイン合成を阻害する第二の因子の合成をもたらすという可能性が存在する。 【0136】 実験B IL−10はヒト単球によるサイトカイン合成を阻害する:単球によって生産されたIL −10の自己調節の役割。 この項において示したテータは、本明細書中に参考として完全に包含されている、デ・ ワール・マレフィト(de Waal Malefyt)ら(1990)J.Exptl .Med.174:1209〜1220に、その優先日後に公開された。 【0137】 概要 この項は、LPSによって活性化されたヒト単球が、従来、サイトカイン合成阻害因子 (CSIF)と称されるインターロイキン(IL−10)を用量依存形式において高濃度 で生産することができるということを実証する。IL−10は、単球の活性化の7時間後 に検出可能であり、IL−10生産の最大濃度は24〜48時間後に観察された。これら の速度論は、ヒト単球によるIL−10の生産が、活性化の4〜8時間後にいずれも高濃 度で分泌されたIL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFαおよびG−CS Fの生産と比較して相対的に遅いことを示した。LPSで活性化した単球によるIL−1 0の生産は、IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFα、GM−CSFお よびG−CSFの場合と同様に、IL−4によって阻害された。更に、培養の開始時に、 IFNγ、LPSまたはLPSおよびIFNγの組合わせによって活性化された単球に対 して加えられたIL−10は、IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFα 、GM−CSFおよびG−CSFの生産を転写段階で強く阻害した。ウイルスIL−10 はヒト細胞に対する同様の生物活性を有するが、更に、LPS活性化後の単球によるTN FαおよびGM−CSFの生産を阻害した。中和性抗IL−10 mAbの存在下におけ るLPSによる単球の活性化は、LPS処理のみの場合と比較して多量のサイトカイン生 産を引起こし、内因的に生じたIL−10はIL−1α、IL−1β、IL−6、IL− 8、TNFα、GM−CSFおよびG−CSFの生産を阻害することが示唆された。更に 、IL−10は、LPSに活性化された単球においてIL−10 mRNA合成を強く阻 害したので、その作用は自己調節的であった。更に、内因的に生じたIL−10は、LP Sによる単球の活性化後のクラスII MHC発現の減少の原因であることが分かった。 総合すると、これらの結果により、IL−10は、クラスII MHC発現をダウンレギ ュレートし且つ単球による前炎症性サイトカインの生産を阻害するその能力ゆえに、免疫 学的応答および炎症性応答に対して重要な調節作用を有するということが示される。 【0138】 最近、ネズミ−インターロイキン10(IL−10)が同定され、その遺伝子はそのサ イトカイン合成阻害因子(CSIF)活性に基づいてクローン化された。ネズミの系にお いて、IL−10はCD4+ Th2サブセットによって生産されており、しかも、Th 1クローンによるサイトカイン生産、特に、IFNγを阻害する。IL−10によるサイ トカイン生産の阻害は、B細胞ではなくマクロファージを抗原提示細胞(APC)として 用いた場合にのみ観察された。そのCSIF活性に加えて、IL−10は多面的であり且 つ胸腺細胞、細胞毒性T細胞、マスト細胞、B細胞およびマクロファージを含む種々の細 胞種に対して作用することが分かった。 【0139】 更に、ヒトIL−10はCSIF活性を示す。PHAまたは抗CD3 mAbによって 活性化したPBMCによるIFNγおよびGM−CSFの生産はIL−10によって強く 阻害され、そしてこの阻害は転写段階で生じた。ヒトおよびネズミ双方のIL−10は、 エプスタイン・バールウイルスゲノムの従来特性決定されていない読取り枠BCRF−1 に対して広範囲の配列相同関係を有する。この読取り枠の発現は、マウスおよびヒトT細 胞でのCSIF活性を含む大部分の性質をヒトおよびネズミIL−10と共有するウイル スIL−10(v−IL−10)と称する活性タンパク質を生成させた。 【0140】 ヒトIL−10およびv−IL−10は、クラスII MHC分子のダウンレギュレー ションによってヒト単球の抗原提示能力を減少させることにより、抗原特異的増殖性T細 胞応答を阻害することができる。ここで示された結果は、ヒト単球が、LPSによる活性 化後に高濃度のIL−10を生産することができること、およびこの生産が他のモノカイ ンの場合と比較して相対的に遅いということを示す。更に、IL−10は、LPS、IF NγまたはLPSおよびIFNγによって活性化された単球による前炎症性サイトカイン 、例えば、IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8およびTNFα並びに造血系成 長因子であるGM−CSFおよびG−CSFの生産を強く阻害することをここで報告する 。内因的に生じたIL−10は、単球によるIL−1α、IL−1β、IL−6、IL− 8、TNFα、GM−CSFおよびG−CSFの生産に対して自己調節的作用を有するの みならず、それ自体の生産および単球でのクラスII MHC発現を自己調節的にダウン レギュレートする。これらの結果は、IL−10が免疫学的応答および炎症性応答に対し て重要な調節作用を有することを示す。 【0141】 実施例B1 IL−10はヒト単球によって生産される。 ヒト単球の単離および培養 ヒト末梢血液単球を正常ドナーの血液500mlから単離した。単核細胞を血液成分分 離器での密度遠心分離によって単離した後、遠心水簸によってリンパ球および単球に分別 した。単球調製試料は、非特異的エステラーゼ染色によって判定したところ>95%純度 であり、生存しうる細胞を98%を越えて含んでいた。単球は、1%のプールされた熱失 活ヒトAB+血清を補足したヒト血清アルブミン(HSA)含有イセル培地中で培養され た。この培地は、リムルス(Limulus)アメーバ様細胞溶解検定によって確認した ところ、内毒素を含んでいなかった(内毒素<0.2ng/ml)。単球は、これらの細 胞の付着を防止するテフロン(登録商標)バッグ(ヤンセン(Jansen)MNL、セント・ニクラ ース、ベルギー)中において細胞濃度4x106個/mlで培養された。指定した時間培 養後に単球を集め、そして間接免疫蛍光法によってその細胞表面発現を分析するかまたは ノーザン分析およびPCR分析によってそのリンホカイン遺伝子発現を分析した。更に、 単球培養上澄みを、これらの細胞の活性化後のIL−1α、IL−1β、IL−6、IL −8、IL−10、TNFα、GM−CSFおよびG−CSFの生産を決定するために集 めた。培養後の細胞の生存率は、トリパンブルー排除によって決定したところ95%を越 えていた。 【0142】 試薬 組換体ヒトIL−10およびv−IL−10を大腸菌においてグルタチオン−S−トラ ンスフェラーゼ融合タンパク質として発現させ、精製し、そしてトロンビンで消化してN 末端融合部分を除去し、活性ヒトおよびウイルスIL−10を得た。精製ヒトr−IL− 4およびr−IFNγは、シェリング・プラウ・リサーチ(ブルームフイールド、NJ) によって提供された。LPS(大腸菌0127:B8)は、ディフコ・ラボラトリーズ( Difco Laboratories)(デトロイト、MI)から得られた。中和性抗 IL−10mAb 19F1は、v−IL−10に対して生じたものであり、ヒトおよび ウイルスIL−10双方を効率よく中和した。 【0143】 リンホカイン決定 単球によるIL−1αおよびTNFαの生産は、エンドジェン(ボストン、MA)から 入手したリンホカイン特異的エリザによって測定された。これらのエリザの下方検出限界 は、それぞれ50pg/mlおよび10pg/mlであった。IL−1βの生産は、シス トロン(Cistron)(パイン・ブルック、NJ)から入手したリンホカイン特異的 エリザによって決定された。このエリザの感度は20pg/mlであった。IL−6濃度 は、ジェンザイム(ボストン、MA)から購入したリンホカイン特異的エリザによって決 定された。この検定の感度は0.313ng/mlであった。IL−8およびG−CSF 特異的エリザをR&Dシステムズ(Systems)(ミネアポリス、MN)から入手し 、IL−8およびG−CSFの生産を定量するのに用いた。これらのエリザの感度は、そ れぞれ4.7pg/mlおよび7.2pg/mlであった。GM−CSF生産は、リンホ カイン特異的エリザによって決定された。このエリザの感度は50pg/mlであった。 IL−10生産は、抗IL−10 mAb(JES 9D7)を被覆抗体として、および 別の抗IL−10 mAb(JES3−12G8)をトレーサー抗体として用いる特異的 エリザによって決定された。このエリザの感度は50pg/mlであった。 【0144】 IL−10は、活性ヒトT細胞クローン、活性末梢血液TおよびB細胞、EBV形質転 換B細胞系および単球によって生産される。遠心水簸によって単離された、高度に精製さ れたヒト単球は、LPSによる活性化後にIL−10を生産した。更に、これらのヒト単 球は、高濃度のIL−6、TNFαおよびGM−CSFを生産しうることが分かった(図 6)。LPSで活性化された単球によるサイトカイン生産の速度論は、LPSで活性化さ れた単球によるIL−10生産が比較的遅いことを示した。それは7.5時間で採集され た上澄み中において最初に検出されたが、最大生産は活性化の20〜48時間後に観察さ れた。対照的に、TNFαおよびIL−6は、活性化によって速やかに生産され、そして それぞれ活性化後3.5時間および7.5時間で最大生産濃度に達した(図6)。しかし ながら、GM−CSF生産は、更に、LPSによる活性化の7.5時間後に最初に検出さ れたが、この場合、最大生産濃度は20時間で達せられた。用量応答実験により、10n g/mlのLPSによる単球の活性化は既に有意の濃度のIL−10生産を引起こすこと が示されたが、最大IL−10合成はLPS濃度1μg/mlで観察された(図7)。 【0145】 実施例B2 IL−10はヒト単球によるサイトカイン生産を阻害する。 IL−10は、活性PBMCによるIFNγおよびGM−CSF生産を阻害することが 分かった。単球によるサイトカインの生産に対するIL−10の作用を決定するために、 高度に精製された単球を、IL−10の不存在下または存在下でLPSにより24時間活 性化した。更に、単球を、IL−4(100U/ml)または、v−IL−10に対して 生じたものであるがヒトIL−10およびv−IL−10双方を効率よく中和する中和性 抗IL−10 mAb 19F1の存在下においてLPSを用いて24時間活性化した。 サイトカイン生産は、活性化して24時間後に採集されたこれらの培養物の上澄みにおい て、サイトカイン特異的エリザによって決定された。表B1に示したように、培地のみに おいて37℃でインキュベートされた単球は、IL−1α、IL−1β、IL−6、IL −8、IL−10、TNFα、GM−CSFおよびG−CSFを生産しなかった。これら の条件下では、有意の濃度のIL−8のみが合成された。LPS(1μg/ml)による 単球の活性化は、高濃度のIL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、IL−10、 TNFα、GM−CSFおよびG−CSFを生産した。興味深いことに、IL−10は、 IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFα、GM−CSFおよびG−CS Fの生産を様々な程度まで阻害した(表B1)。IL−10の最も強い阻害作用は、80 〜100%まで阻止されたIL−1α、TNFα、GM−CSFおよびG−CSFの生産 に対して観察された。IL−1βおよびIL−6の生産阻害はあまり顕著ではなかったし 、IL−8の合成はIL−10によって僅かしか影響されなかった。 【0146】 【表4】
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