| 【発明の名称】 |
鼻膜へ亜鉛送達するための方法及び組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】ヘンズリー チャールズ
【氏名】ディヴィッドソン ロバート スティーヴン
【氏名】キーオー ギャリー エス
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| 【要約】 |
【課題】鼻膜を通して少量の効果的量の活性物質を身体に送達する粘性ゲル。
【構成】少なくとも一種のキャリヤー75〜99.999質量%及び0.0000001〜10.0質量%の亜鉛を含む活性物質を含み、前記医薬組成物が、0.05〜5質量%のグリセリンと、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の粘度とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少量の効果的量の亜鉛イオンを血液中に送達するための医薬組成物であって、少なくとも一種のキャリヤー75〜99.999質量%及び0.0000001〜10.0質量%の亜鉛を含む活性物質を含み、前記医薬組成物が、0.05〜5質量%のグリセリンと、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の粘度とを有することを特徴とする、医薬組成物。 【請求項2】 グルコン酸亜鉛を含む、請求項1記載の医薬組成物。 【請求項3】 前記グルコン酸亜鉛が0.9〜2.0質量%の量で含まれる、請求項2記載の医薬組成物。 【請求項4】 前記キャリヤーが、90〜99.995質量%の量で含まれる、請求項1記載の医薬組成物。 【請求項5】 鼻膜に迅速に亜鉛を送達する拡張された時間における、鼻膜に直接接触する亜鉛イオン源を維持するための医薬組成物であって、該組成物が、以下の成分、 (a)少なくとも1種のキャリヤー 90〜99.0質量%、 (b)グルコン酸亜鉛 0.185〜2.8質量%、 (c)0.05〜5質量%のグリセリン、 を含み、5.0〜20パスカル秒(5,000〜20,000センチポアズ)の範囲の粘度を有することを特徴とする医薬組成物。 【請求項6】 前記グルコン酸亜鉛が0.9〜2.0質量%の量で含まれる、請求項5記載の医薬組成物。 【請求項7】 前記キャリヤーが、亜鉛イオンを、該キャリヤーを通じて鼻膜に拡散させる、請求項5記載の医薬組成物。 【請求項8】 前記組成物によって鼻膜に提供された亜鉛が、イオン状態である、請求項5記載の医薬組成物。 【請求項9】 感冒の持続時間を低減させる医薬組成物であって、以下の成分、 (a)90〜99.995質量%のキャリヤー、 (b)0.185〜2.8質量%のグルコン酸亜鉛、及び (c)0.05〜5質量%のグリセリン、 を含有し、前記医薬組成物が、5.0パスカル秒(5,000センチポアズ)よりも大きい粘度を有することを特徴とする医薬組成物。 【請求項10】 前記グルコン酸亜鉛が0.9〜2.0質量%の量で含まれる、請求項9記載の医薬組成物。 【請求項11】 更に、増粘剤を含有する、請求項9記載の医薬組成物。 【請求項12】 前記増粘剤が、炭水化物増粘剤、カラギーナン、糖、グアールガム、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロースからなる群より選択される、請求項11記載の医薬組成物。 【請求項13】 更に、浸透向上剤を含有する、請求項9記載の医薬組成物。 【請求項14】 更に、0.000001〜0.10質量%のメントールを含有する、請求項9記載の医薬組成物。 【請求項15】 更に、0.000001〜5.0質量%の酸化防止剤を含有する、請求項9記載の医薬組成物。 【請求項16】 更に、昇華活性物質を含有する、請求項9記載の医薬組成物。 【請求項17】 鼻膜に適用する組成物であって、 グリセリン含有キャリヤー、 グルコン酸亜鉛の形態でのイオン化可能な亜鉛の効果的量、及び 0.05〜5質量%のグリセリン、 を含有し、該組成物が、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の粘度を有することを特徴とする、組成物。 【請求項18】 前記キャリヤーが、更に水を含有する、請求項17記載の組成物。 【請求項19】 前記キャリヤーが、更に増粘剤を含有する、請求項18記載の組成物。 【請求項20】 前記増粘剤が、炭水化物を含有する、請求項19記載の組成物。 【請求項21】 鼻膜に適用する組成物であって、 0.05〜5質量%のグリセリンを含有するキャリヤー90〜99.995質量%、 グルコン酸亜鉛0.185〜2.8質量%、及び 0.05〜5質量%のグリセリン、 を含有し、該組成物が、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の粘度を有することを特徴とする、組成物。 【請求項22】 前記グルコン酸亜鉛が0.9〜2.0質量%の量で含まれる、請求項21記載の組成物。 【請求項23】 前記組成物の粘度が、拡張された時間における鼻上皮膜に接触する組成物の少なくとも一部を維持するように形成される、請求項21記載の組成物。 【請求項24】 前記組成物の粘度が、拡張された時間における鼻粘膜に接触する組成物の少なくとも一部を維持するように形成される、請求項21記載の組成物。 【請求項25】 更に、増粘剤を含有する、請求項21記載の組成物。 【請求項26】 前記増粘剤が、炭水化物増粘剤、カラギーナン、砂糖、グアールガム、メチルセルロース及びヒドロキシセルロースからなる群から選択される、請求項25載の組成物。 【請求項27】 更に、メントールを含有する、請求項24記載の組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、少量かつ有効量の物質を、身体血液に放出するための組成物及び方法に関する。 より具体的には、本発明は、少量かつ有効量の物質を鼻粘膜に放出するための方法並びに組成物に関するものである。 更に、本発明は、鼻粘膜に放出するために、亜鉛をイオン状態に維持する組成物に関する。 更に、本発明は、ある物質を、長期間に渡り、鼻粘膜との直接的接触状態に維持する組成物に関するものである。 【背景技術】 【0002】 感冒は、最も頻繁にヒトにおいてみられる疾患の一つであり、また実質的な病的状態及び経済的損失の原因となる。イオン性亜鉛が、インビトロ及びインビボ両者における、公知の効果的な抗−ライノウイルス剤である。 1991年に報告されたインビボ研究の一つにおいて、二重ブラインド臨床実験は、経口投与された亜鉛グルコネート/グリセリンドロップ剤の有効性を立証した。この研究において使用された該ドロップ剤は、179mgの亜鉛グルコネート3水和物として与えられた、23mgの亜鉛を含んでおり、これは口腔中に13.1mMのイオン性亜鉛濃度を与えた。この研究中、2時間間隔で投与されたドロップ剤は、このドロップ剤による治療が、感冒症状の発症の2日以内に開始された場合には、平均感冒感染期間の52%の減少をもたらし、かつ症例数及び症状の重度における顕著な低下をもたらした。1992年に報告された第二の研究(Zermebo, J.E., Godfrey, J.C., Godfrey, N., J. Pharm. Sci., 1992, 81:128-130)は、この1991年の研究における発見を支持した。これら研究の結果報告後直ぐに、この亜鉛ドロップ剤による感冒治療の独自の形式を、多数の会社が市販し始めた。 【0003】 亜鉛ドロップ剤は通常感冒の治療において有利であるが、このドロップ剤は、幾つかの欠点を有している。第一に、亜鉛グルコネートドロップ剤中の亜鉛の大部分が、口腔中に放出される。しかし、抗−ウイルス活性のある主なサイトは、鼻腔であると考えられている(Novick S.G., Godfrey J.C., Godfrey N.J., Widter H.R., Medical Hypothesis, 1996, 46:295−303)。ドロップ剤によって口腔内に放出される幾分かのイオン性亜鉛は、鼻腔に移動し、そこで該亜鉛はウイルスICAM-1レセプターと結合し、かつライノウイルスの鼻粘膜細胞との結合及びその感染を阻害するものと推定される。ドロップ剤中のイオン性亜鉛又はその他の物質が、口腔から鼻腔に移動する際に遭遇する困難は、このドロップ剤の有効性を制限してしまう。更に、充血した個体においては、該口腔から鼻腔への経路は、完全に遮断されている可能性があり、結果として該ドロップ剤を効果のないものとしてしまう。 【0004】 亜鉛ドロップ剤に関わる第二の欠点は、重度の副作用の発生である。ある研究においては、該対象の20%が吐き気を訴え、またその8%が味覚反応の低下を訴えた(Novick S.G., Godfrey J.C., Godfrey N.J., Wilder H.R., Medical Hypothesis, 1996, 46:295−303)。吐き気に関連して、腸管内の過剰量の亜鉛は、銅の吸収を妨害し、かつ十分な量の銅の、身体による吸収を阻害することは、望ましからぬ種々の病理的状態に導く可能性を持つことが、十分に確立されている。亜鉛ドロップ剤の過度の使用は、銅の枯渇に寄与する恐れがある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 イオン性(正に帯電した)亜鉛及びその他の活性物質を、通常ドロップ剤の関連する諸欠点を示すことなしに、鼻上皮膜に放出するための新規なゲル組成物及びそのための方法が見出された。この組成物はイオン性亜鉛又はその他の活性物質を、好ましくは少なくとも1/4時間なる長期間に渡り、該鼻上皮膜との直接的な接触状態に維持し、亜鉛又は他の活性物質を、該鼻粘膜及びその血液中に放出する。 【課題を解決するための手段】 【0006】 このゲル組成物が、同種療法組成物である場合、これは75〜99.999質量%の少なくとも一種の担体と、少量かつ有効量の活性物質とを含有する。このゲル組成物中の該少量かつ有効量とは、0.0000001〜5.0質量%の活性物質を含む。 該ゲル組成物が、薬理組成物である場合、これは75〜99.999質量%の少なくとも一種の担体と、少量かつ有効量の活性物質とを含有する。該少量かつ有効量とは、該組成物中に、0.0000001〜10.0質量%の活性物質を含む。当業者は理解するであろうように、低濃度の活性物質は、同種療法性であるとはいえないが、依然として身体にとって有利であり得る。活性物質のこのような「同種療法性」濃度は、本発明においては、薬理組成物を構成するものとみなす。 該ゲル組成物が同種療法性組成物であり、また亜鉛が活性物質である場合、該組成物は、0.185〜2.8質量%(約4〜60mM)、好ましくは0.9〜2.0質量%(約20mM〜44mM)の亜鉛グルコネートを含む。該組成物中の各0.1質量%の亜鉛グルコネートは、約0.014質量%(即ち、約2.2mM)のイオン性亜鉛濃度をもたらす。該ゲル組成物中に、少なくとも4mMなる濃度で、イオン性亜鉛が存在することが、該組成物によって、該組成物と該鼻粘膜との間の界面における、十分に高いイオン性亜鉛濃度の達成を保証する上で好ましい。 【0007】 この組成物は、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)、好ましくは5.0〜20パスカル秒(5,000〜20,000センチポアズ)なる範囲の粘度を有する。この組成物の粘度は重要である。というのは、この高い粘度は、この鼻腔内の組成物を、該鼻の膜又は該膜の粘膜との接触状態に維持することを容易にするからである。この粘度が約2.5パスカル秒(2,500センチポアズ)未満であった場合、該組成物は、重力作用によって該鼻腔から引き出されてしまう傾向がある。また、この粘度が40パスカル秒(40,000センチポアズ)を越える場合には、該組成物のこの濃厚性は、該組成物から該鼻の膜への、イオン性亜鉛の拡散を妨害する。 本発明の組成物の開発中に、鼻用のスプレー剤を考察したが、これを諦めた。というのは、このようなスプレー剤を構成する液状物の低い粘度が、重力による該液状物の該鼻腔からの流出を可能とし、結果として長時間に渡る、該鼻の膜と該スプレー剤との接触を阻害するからである。鼻用のスプレー剤の有効性は、通常5分以内に実質的に失われる。同様に、スワブ又は鼻栓への該組成物の適用は、あまり効果がないものと考えられる。というのは、例えば綿又はスポンジ材料で作成される、これらのスワブ又は鼻栓は、該組成物を保持してしまい、該スワブ又は鼻栓の表面上に存在し、かつ該鼻の膜と直接的な接触状態にある該組成物の散逸に伴う、該鼻の膜と接触している組成物の追加の供給量を放出するのを、阻害するからである。 【0008】 上記の如く、鼻用スプレー剤は、本発明の開発中に放棄された。亜鉛-担持鼻スプレー剤に関する技術的背景に関連して、米国特許第5,688,32号明細書は、抗−アレルギー性スプレー剤処方物に関連し、またアレルギー状態の治療法を記載しかつ特許請求しており、そこでは、スプレー溶液は該アレルギー状態を有する哺乳動物の目又は呼吸管に適用される。このスプレー溶液は、無毒の、抗−アレルギー作用を示すのに有効な量のイオン性亜鉛を、粘膜に刺激を起こす濃度以下の濃度にて含んでいる。このスプレー溶液中の該亜鉛イオンの大部分は、キレート化されていない亜鉛であり、また遊離イオン溶液状態にあり、ここで該溶液は、約0.002〜約0.12%(w/v)なる範囲の亜鉛イオン含有率を有する。このスプレー溶液によって治療される、該アレルギー状態は、枯草熱及び喘息であり得る。このスプレー溶液は、本質的に水性溶液及び本質的に塩溶液からなる群から選択することができ、亜鉛イオン含量約0.04%(w/v)をもつことができ、溶質として亜鉛の無機酸塩を含むことができ、硫酸亜鉛及び塩化亜鉛からなる群から選択される溶質を含むことができ、約0.05〜0.5ml又は0.2mlの何れかのアリコートとして分配することができ、及び/又は少なくとも一種のその他の製薬上許容される成分を含むことができる。これらその他の製薬上許容される成分は、抗−ヒスタミン剤、香味剤及び活性成分からなる群から選択することができ、あるいはアスコルビン酸塩を含むこともできる。また、米国特許第5,688,532号明細書は、アレルギー状態を示す哺乳動物に亜鉛化合物を投与することによって、該アレルギー状態を治療するための改良法をも開示しかつ特許請求している。この改良は、本質的に該アレルギー状態を示す哺乳動物の目又は呼吸管に、無毒の抗−アレルギー作用を示すのに有効な量の、イオン性亜鉛を含有する溶液を噴霧することからなっている。この溶液は、粘膜に対して刺激を与える濃度以下の濃度の、イオン性亜鉛を含む。このスプレー剤中の該イオン性亜鉛の大部分は、遊離イオン溶液状態にある。この溶液は、約0.002〜0.12%(w/v)なる範囲の亜鉛イオン含有率を有する。 【0009】 米国特許第5,622,724号明細書は、実質的にキレート化されていないイオン性亜鉛化合物の溶液を、無毒の、症状の治療にとって有効な量で含む、溶液噴霧工程を含む、感冒の症状の治療法を開示し、かつ特許請求している。この溶液は、実質的にキレート化されていない亜鉛イオンを、約0.004〜約0.12%(w/v)なる濃度で含み、これは必要に応じて、患者の外鼻孔及び呼吸管に投与される。この溶液は、水性溶液及び塩溶液からなる群から選択することができ、更に有効量の香料及び/又は香味増強剤を含むことができ、キレート化されていない亜鉛イオン含有率約0.04%(w/v)をもつことができ、あるいは本質的に、実質上キレート化されていないイオン性亜鉛化合物及び少なくとも一種の製薬上許容される担体からなることができる。該実質上キレート化されていないイオン性亜鉛化合物は、亜鉛の無機酸塩を含むことができ、硫酸亜鉛お塩化亜鉛からなる群から選択される塩を含むことができ、あるいは硫酸亜鉛を含むことができる。0.2%を越える濃度、特に0.4%を越える濃度での塩化亜鉛の使用は、好ましくない。というのは、当分野では周知の如く、該塩化亜鉛は苛性であるからである。本発明において使用する該担体は、0.05%〜5.0質量%のグリセリンを含むことができる。このグリセリンは重要であり、現時点においては好ましい。というのは、これは、該亜鉛が該鼻の膜及び/又はその粘膜と接触するまで、該亜鉛をイオン状態に維持することを可能とするからである。本発明の開発中に遭遇した一つの問題点は、亜鉛をイオン状態に維持する担体の同定であった。 【0010】 好ましいことに、有効物質として亜鉛を使用する本発明のゲル組成物は、該組成物により鼻上皮膜又はこの上皮膜上の粘膜へと亜鉛イオンを拡散することができる。これは、鼻上皮膜(又は膜上の粘膜)に隣接する該組成物の一部が、溶解又は分解しかつ亜鉛イオン含有組成物の新たな部分が露出されることを必要とせずに、この組成物が拡散により亜鉛を供給することを継続するので、亜鉛イオンの連続供給の利用可能性を高める。記したように約40パスカル秒(40,000センチポアズ)を超える組成物の粘度は、該組成物による亜鉛の拡散を妨害すると考えられる。本願明細書において言及された粘度測定値は、所定の回転速度で低剪断速度でのニュートン物質及び非ニュートン物質の見かけの粘度測定値に関し、ブルックフィールド・シンコ−レクトリック粘度計(Brookfield Syncho-Lectric Viscometer)によって得られる(ASTM D1824-87)。更にASTM D1084-88、 ASTM D2196-86及び粘度測定に関する他のASTMプロトコールも参照のこと。 【0011】 更に血中へ少ない有効量の金属を送達する方法も発見された。この場合の金属は有効物質である。この方法は粘性の送達組成物を提供する工程を含む。この送達組成物は、少なくとも1種の担体を90質量%〜99.995質量%及び金属を1.5質量%未満含有する。この組成物の粘度は、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の範囲である。この方法は、送達組成物を鼻膜に直接接触することにより鼻腔へ適用し、かつ送達組成物を最低10分間は鼻膜と接触するように維持する追加工程を含む。 【0012】 本発明の別の実施態様において、我々は血中へ少ない有効量の活性物質を送達する改善された方法を提供する。この方法は、少なくとも1種の担体を75質量%〜99.999質量%及び少ない有効量の活性物質を含有する粘性の送達組成物を提供する工程を含む。この組成物は、25〜40パスカル秒(25,000〜40,000センチポアズ)の範囲の粘度を有する。この方法は更に、この送達組成物を鼻腔に適用する工程も含む。鼻腔は、粘膜、繊毛及び鼻膜を含んでいる。送達組成物は、該組成物の第一の部分は少なくとも鼻膜に直接接触し、該組成物の第二の部分は少なくとも鼻腔粘膜に直接接触し、かつ少なくとも該組成物の第三の部分は少なくとも鼻腔繊毛に直接接触するように適用される。この方法は更に、該送達組成物の第一の部分が、最低10分間は鼻膜に接触するように維持される工程も含む。 【0013】 本発明の別の実施態様は、血中へ少ない有効量の活性物質を送達し、かつ該活性物質の生体への浸透能を増大することにより血中への物質の送達に必要な時間を短縮する改善された方法を提供する。この改善された方法は、少なくとも1種の担体を提供する工程;少なくとも1種の活性物質を提供する工程;並びに、活性物質の鼻腔における鼻膜を介しての通過を促進するために、少なくとも1種の浸透増強剤を提供する工程を含む。この場合の鼻腔は、粘膜及び繊毛も含んでいる。この改善された方法は更に、担体、活性物質、及び浸透増強剤を組合わせ、該担体を75質量%〜99.999質量%含有し、少ない有効量の活性物質を含有し、かつ少ない有効量の浸透増強剤を含有する粘性の送達組成物を製造する工程を含む。この組成物は、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の範囲の粘度を有する。この方法は更に、該組成物の第一の部分は少なくとも鼻膜に直接接触し、該組成物の第二の部分は少なくとも鼻腔粘膜に直接接触し、かつ少なくとも該組成物の第三の部分は少なくとも鼻腔繊毛に直接接触するように該送達組成物を鼻腔に適用され;かつ、該送達組成物の第一の部分が、最低10分間は鼻膜に接触するように維持される工程を含む。 【0014】 本発明の更に別の実施態様は、血中へ少ない有効量の活性物質を送達し、かつ活性物質が生体に接触している表面積を増大することによって、該活性物質が血中へと膜を通過するのに必要な時間を短縮する改善された方法を提供する。この改善された方法は、少なくとも1種の担体を75質量%〜99.999質量%及び少ない有効量の活性物質を含有する粘性の送達組成物を提供する工程を含んでいる。この組成物は、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の範囲の粘度を有する。この方法は更に、該送達組成物を鼻腔に適用する工程を含む。この場合の鼻腔は、鼻膜、繊毛及び粘膜を含んでいる。この組成物の第一の部分は少なくとも鼻膜に直接接触し、該組成物の第二の部分は少なくとも鼻腔粘膜に直接接触し、かつ少なくとも該組成物の第三の部分は少なくとも鼻腔繊毛に直接接触している。この改善された方法は更に、鼻腔の繊毛の作用を増大する工程も含んでいる。 【0015】 本発明のこれら以外の実施態様において我々は、少ない有効量の活性物質が血中に送達される速度を制御する改善された方法も提供する。この改善された方法は、少なくとも1種の担体を75質量%〜99.999質量%及び少ない有効量の活性物質を含有する粘性の送達組成物を提供する工程を含む。この組成物は、2.5〜40パスカル秒(2,500〜40,000センチポアズ)の範囲の粘度を有する。この方法は更に、活性成分が選択された温度及び選択された圧力下において担体により拡散される担体拡散速度を決定する工程;該送達組成物が選択された温度及び圧力で鼻膜に接触された場合に活性成分が鼻膜を浸透する膜拡散速度を決定する工程;担体拡散速度及び膜拡散速度を含む少なくともひとつの拡散速度対を選択する工程;並びに、この拡散速度対のひとつの拡散速度が変更されているような修飾された粘性の送達組成物を製造するために、該粘性の送達組成物に成分を追加する工程を含む。 【0016】 下記実施例は、ここに記した好ましい本発明の実施態様の実践を詳細に説明することを目的として実施態様を説明しているが、これは本発明の範囲を限定することはない。下記実施例において、百分率は特に記さない限りは全て、重量百分率である。 【0017】 実施例1 精製水、グリセリン、カーボポール及びグルコン酸亜鉛を一緒に混合することにより、1リットルのゲル組成物を調製した。該ゲルは、下記を含む。 成分 質量% 精製水 97.0 グリセリンU.S.P. 2.0 カーボポール 940nf 0.5 グルコン酸亜鉛(イオン性亜鉛の源) 1.5(33.3ミリモル濃度)* *グルコン酸の分子量は約450g/モルで、0.0333モル/リットルのグルコン酸亜鉛をかけると、ゲル組成物の約15g/リットルを与える。 【0018】 本発明のゲル組成物中のグルコン酸亜鉛の濃度は、好ましくは0.185〜2.8質量%(約4mM〜60mM)であり、好ましくは0.9〜2.0質量%(約20mM〜44mM)グルコン酸亜鉛である。上記ゲル組成物中の担体は所望のように変化するが、必然的に好ましくは90.0〜99.0%の精製水、0.05〜5.0質量%のグリセリン(亜鉛のイオン状態を許容する機能を果たす増粘剤)、及び0.000001〜5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%の炭水化物又は他の増粘剤を含む。炭水化物増粘剤が存在することが好ましい。利用することのできる他の増粘剤は、カラギーナン、糖、グアーガム及びメチルセルロースを含む。担体中のグリセリンは、亜鉛イオンが容易に拡散することを許容するマトリックスを生産する。グリセリンは粘液中に溶解し、鼻上皮膜中に浸透し、イオン性亜鉛を輸送する能力を有するので好ましい。 【0019】 実施例2 250μLの実施例1の亜鉛ゲルを、健康な39歳の男性のカフカス地方の患者の1つの鼻管に配置した。次いで、患者の他の鼻管に、250μLの実施例1の亜鉛ゲルを配置した。結果的に、上記患者の鼻に全体で500μLのゲルが配置された。ゲルの第一の部分は少なくとも鼻の上皮膜の一部と接触した。ゲルの第二の部分は少なくとも患者の鼻中の粘液と接触した。ゲルの第三の部分は少なくとも患者の鼻の細毛と接触した。ゲルは、少なくとも鼻の上皮膜、細毛、又は膜上の粘液と接触して残存した。4時間後、上記亜鉛ゲルは完全に分散した。 【0020】 実施例3 個体が、軽い寒冷症候(cold symptoms)を1日経験している24歳の黒人であること以外は、実施例2を繰り返した。ゲルは、少なくとも鼻の上皮膜又は膜上の粘液層の少なくとも一部と接触して残存した。4時間後、亜鉛ゲルは完全に分散し、患者は彼の寒冷症候の苦しみの顕著な減少を認めた。 実施例4 24歳の黒人に本発明の亜鉛ゲルを投与しないか、他の薬物を投与した以外は実施例3を繰り返した。4時間後、彼は寒冷症候の苦しみの減少を認めなかった。 実施例5 治療した個体が、軽い寒冷症候に1日苦しんでいる、15歳の日本人女性である以外は、実施例3及び4を繰り返した。同じ結果が得られた。 【0021】 実施例6 治療した個体が、寒冷症候に2日苦しんでいる、50歳のカフカス地方の男性である以外は、実施例3及び4を繰り返した。同じ結果が得られた。 実施例7 鼻の粘膜中の亜鉛濃度を、亜鉛ゲルを挿入した直後、ゲル個体の鼻腔に挿入した後を10分、30分、1時間、2時間、3時間及び4時間に測定した以外は、実施例2を繰り返した。下記結果が得られた。 測定時間 亜鉛濃度(質量%) 亜鉛ゲル投与直後 0.003% 亜鉛ゲル投与10分後 0.008% 亜鉛ゲル投与30分後 0.01% 亜鉛ゲル投与1時間後 0.01% 亜鉛ゲル投与2時間後 0.011% 亜鉛ゲル投与3時間後 0.012% 亜鉛ゲル投与4時間後 0.012% 実施例8 組成物中のイオン性亜鉛の濃度を33.3mMの代わりに20mMとした以外は、実施例1〜6を繰り返した。同じ結果が得られた。 【0022】 実施例9 組成物中のイオン性亜鉛の濃度を33.3mMの代わりに44mMとした以外は、実施例1〜6を繰り返した。同じ結果が得られた。 実施例10 組成物中のイオン性亜鉛の濃度を33.3mMの代わりに10mMとした以外は、実施例1〜6を繰り返した。同じ結果が得られた。 実施例11 カーボポールに代えて1.5質量%のNATROSOL(TM)(ヒドロキシメチルセルロース)、及び97質量%精製水に変えて96質量%精製水を用いた以外は実施例1を繰り返した。ゲル組成物中のグリセリン及びグルコン酸亜鉛の各質量%は変えなかった。 実施例12 実施例1の亜鉛ゲル組成物に代えて実施例11の亜鉛ゲル組成物を用いた以外は、実施例2〜7を繰り返した。同じ結果が得られた。 【0023】 実施例13 実施例1の亜鉛ゲル組成物の代わりに実施例11の亜鉛ゲル組成物を使用したこと、及び実施例11の亜鉛ゲル組成物におけるイオン性亜鉛の濃度を実施例8〜10のそれぞれで特定したように変更したことを除いて、実施例8から10を繰り返した。同様の結果が得られた。 実施例11で使用したNATROSOLをハーキュリーズ社(Hercules Corporation 1313 North Market Street, Wilimington, Delaware 19894)から入手する。ヒドロキシエチルセルロースを他の供給者から入手できる。 【0024】 本発明の目的の一つは、ホメオパシー濃度の金属、化学物質又は他の活性物質を鼻粘膜を経由して血中に送達することである。これには通常、特定の選択した滴定濃度(すなわち微小有効量)の物質を送達することが必要である。活性物質又は成分が高すぎる濃度で血流中に送達されると、このことにより身体に悪影響が生じる。本発明に従って、微小有効量の活性物質が鼻粘膜を経由して血流中に送達されることは非常に有利であると考えられており、これが選択し計量した微小有効量の金属、化学物質、組成物又は他の活性物質の血流中への急速な送達を提供するからである。ホメオパシー滴定量の化学物質又は組成物を経口で送達しようとする試みは通常実際的ではないと考えられており、これは化学物質が口腔内で分解するからである。先に述べたように、本明細書で使用する場合、本発明のゲル組成物における活性物質のホメオパシー濃度は、活性物質がゲル組成物において微小有効量で0.0000001%〜5.0%の範囲の濃度で存在する場合に生じる。 【0025】 本明細書で使用するように、金属、化学物質又は他の成分若しくは化学組成物は、該金属、化学物質等が身体に有益な生理的作用を生じる場合に、活性物質であると考えられる。活性物質が患者の体内に入った後該活性物質が身体の以下の系に有益に作用する場合に、該活性物質が身体に有益な作用を生じるのであり、その系は、骨格系、消化系、呼吸系、循環系、尿路系、内分泌系、皮膚又は神経系である。活性物質が有益な生理活性を生じることができる一つの方法は身体が疾病と闘うのを援助することによる。他の方法は身体が治癒するのを援助することによる。他の方法は身体における系の機能を改良することによる。当業者には理解できるように、活性物質は以下の物を含むがそれに制限されない化学組成物の膨大なリストを含むことができる:ビタミン類、無機質類、インシュリン及び他のポリペプチド類、ニコチン、遺伝子、遺伝子を改変し又は遺伝子の形成を促進し又は遺伝子の作用を無効にする物質、及び薬剤及びホメオパシー物質。ヒトが喫煙の習慣をやめるのを促進するためにたばこのニコチンを補償する目的でニコチンを使用する場合、ニコチンは活性物質として作用することができる。これは肺並びに身体の他の系及び器官に有益に作用する。 【0026】 本明細書で使用する場合、キャリアは、経鼻ゲルにおける活性物質以外の経鼻ゲル組成物中のすべての成分を含む。すなわち、キャリアは、ゲル組成物の液状成分(例えば水、油、アルコール等)、経鼻ゲルの増粘剤(例えばグリセリン、カラゲニン、糖、糖ゴム、メチルセルロース等)、浸透強化剤(例えばリポソーム、キトサン、シクロデキストリン等)を含み、さらに活性物質以外のあらゆる他の成分を含む。 本明細書で使用する場合、浸透強化剤は活性物質の鼻粘膜の通過を促進するように作用して、鼻粘膜を通過する際に活性物質が障害を受け又は改変されるのを防ぎ、及び/又は活性物質が鼻粘膜を通過した後身体の所望の目標に活性物質を運ぶ。浸透強化剤の例にはリポソーム、キトサン及びシクロデキストリンがある。リポソームは医薬又は他の活性物質を封入することができ、リポソームが鼻上皮膜を通過する際に医薬が障害を受け又は改変されるのを防ぐことができる。リポソームはまた、鼻粘膜の一部を構成する細胞に入り、通過しまた出ることによって鼻上皮膜の通過を促進することもできる。リポソームを“ステルス(stealth)”リポソームに構成することができ、これは肝臓によって認識されず、肝臓によって分解されない。例えば、リポソームに微小濃度でポリエチレングリコールを加えるとリポソームは“ステルス”リポソームとなり、これは肝臓で認識されず分解されない。リポソームは身体の特定の部位を目標とすることもできる。 例えば、抗原を心臓組織から除去して抗体の産生に使用することができる。抗体が活性物質を伴ってリポソームに封入される。リポソームが鼻粘膜を通過して身体に入ると、抗体は(リポソーム及びリポソームに担持した活性物質と共に)、該抗体の産生に使用した抗原の種類に対応して心臓に抗原を見いだす。プロテアーゼ阻害剤は浸透強化剤として作用する可能性があり、リポソーム又は鼻粘膜の物理特性を変化させて、活性物質が鼻粘膜を通過するのを促進する。浸透強化剤は鼻用ゲル中に0.000001%〜5.0%の範囲の濃度で存在する。 【0027】 ここで使用するマトリックスには、液体(即ち、水、油、アルコール等)及び増粘剤(カラギーナン、砂糖、グア−ルガム等)を含む。 亜鉛は、鼻腔内で、消炎剤として働き、粘液の分泌を向上し、新しい粘液の生成を抑制する。メントールも消炎剤であり、本発明の組成物に、0.000001質量%〜0.10質量%の濃度で混合され得る。メントールは、気管支拡張薬であり、肺の軌道を開き、粘液の分泌を助けるように機能する。 本発明の亜鉛ゲルが鼻腔に適用されると、亜鉛イオンが、ゲルマトリックスから鼻腔中の粘液又は粘膜に拡散する。これは、粘液又は粘膜中の該亜鉛濃度が、鼻上皮膜のウイルス感染を抑制するバリヤーを作成するからと考えられる。イオン性の亜鉛が前記ゲルから粘膜及び他の鼻上皮細胞中に吸収されるので、該ゲルマトリックスは、新しい亜鉛を鼻の膜中に拡散させる。該ゲルマトリックスは、該ゲルマトリックスを通した亜鉛の拡散を促進する、ミセル細胞類似の特性を有する。 【0028】 本発明の亜鉛ゲル中の亜鉛イオンのホメオパシー濃度は、4ミリモル(mM)〜60ミリモル、好ましくは20mM〜44mMである。44mMより多い亜鉛濃度は、酸化防止剤又は他の成分がゲル組成物中に含まれて、鼻上皮膜を亜鉛の異常な高濃度から保護しないかぎり好ましくない。酸化防止剤の例には、アスコルビン酸及びSODが含まれる。本発明のゲル組成物中の酸化防止剤の濃度は、0.000001%〜5.0%の範囲にある。 キャリア中の液体成分は、水、油、及び/又はアルコールであり得る。該液体成分は、水0%〜100%、油0%〜100%、又はアルコール0%〜100%であり得る。油の例には、ポリ不飽和油、モノ飽和油、例えばオメガ3及びオメガ6、及びDHAである。アルコールの例は、エタノールである。 【0029】 油を、単独又は水及び/又はアルコールとの組合せで使用すると、活性物質は、脂肪可溶性であることが好ましい。脂肪可溶性活性剤の例は、ビタミンAである。脂肪可溶性活性剤は、典型的に、本発明の鼻ゲル組成物中に、0.000001質量%〜4質量%の範囲の濃度で含む。 乳化剤は、特に、そのキャリアが水及び油を含むときに、本発明の鼻ゲル組成物に含まれ得る。グリセロールは、乳化剤の例である。これは、油と水との結合を助け、かつ、前記膜を加湿することによって保護するのを助けるからである。 前記鼻ゲル組成物中の乳化剤の濃度は、より好ましくは、0.000001%〜5.0%の範囲である。 【0030】 タンパク質、ポリペプチド、核酸、及びアミノ酸は、本発明の鼻ゲル組成物に対する潜在的活性物質の付加的な例である。ポリペプチドは、タンパク質ではないが、タンパク質の部分的加水分解又は合成によって得られるポリアミドである。ポリペプチドは、アミノ酸を加水分解によって生成するが、タンパク質よりも低分子である。鼻の膜は、一般に、タンパク質と類似せず、タンパク質及びポリペプチド、最小のポリペプチドでさえ、該鼻の膜中に入ること及び該膜を通過することを妨げる傾向にある。該鼻の膜は、更に、アミノ酸の通過を妨げる傾向にあるが、しかしながら、場合によっては、鼻の膜は、アミノ酸の通過を妨げない。これは、鼻の膜中に、あるアミノ酸に対する輸送体(transporter)が存在するからである。しばしば、酵素は、ポリペプチドである。ホルモン、例えば、インスリン、成長ホルモン、及びセクレチンは、ポリペプチドである。インスリンはポリペプチドである。 プロテアーゼ抑制剤のような酵素は、浸透向上剤として機能し得る。これは、該浸透向上剤が、前記活性剤の鼻の膜の通過を促進するからである。 【0031】 ヒドロキシセルロース又は他の増粘剤又は成分を、所望であれば使用して、コロイドの溶液(即ち、懸濁液)を生成し、本鼻ゲル組成物中のキャリアの粘性を向上し得る。より好ましい増粘剤の濃度は、0.000001質量%〜5.0質量%である。 浸透向上剤は、鼻の膜中の細胞間の密接した結合部を拡大又は緩めることによって、活性物質、リポソーム、又は他の浸透向上剤の、鼻の膜の通過を促進し得る。実施例として、限定されないが、EDTAは、カルシウムをキレートし得る。細胞結合からカルシウムを取るために、EDTAは、該結合部を緩めて、活性物質、リポソーム等の該結合部の通過を促進する。液体浸透向上剤には、アスコルビン酸水、グリセロール水、キトサン水、及びリゾホスホチジルクロリン油を含む。該浸透向上剤の本鼻ゲル中の濃度は、0.000001%〜5.0%の範囲である。 本発明のゲルに利用可能な他の酸化防止剤としては、緑茶カテキン、エピガレート及びセレンが挙げられる。ゲル組成物中の酸化防止剤の好ましい濃度は、0.000001〜5.0%である。 キャリヤー、鼻上皮粘膜中の又は鼻の粘液中の活性物質の拡散速度の変動が、本発明のプラクティスにおいて重要である。 鼻膜中の活性物質の拡散速度を高めるために、ビタミンC又はリポソームのような透過性エンハンサーの濃度を高めることができる。ビタミンC又はリポソームのような透過性増強剤は、経鼻ゲル中に0.000001〜5.0質量%の濃度で含ませることができる。経鼻ゲルの粘度を低下させることは、鼻膜中の活性物質の拡散速度を高める別の方法である。通常、活性物質又は活性物質を運搬する透過性増強剤は、ゲルの粘度がより低い時により自由に経鼻ゲルを移動し得る。 【0032】 同様に、経鼻ゲル自体中における活性物質の拡散速度は、経鼻ゲルの粘度を低減することにより、又は、活性物質を運搬することによるあるいは経鼻ゲルと相互作用して経鼻ゲル中の活性物質の通過及び拡散を促進することによる経鼻ゲル中の活性物質の拡散を促進するリポソームあるいは他の化学成分を利用することにより高めることができる。経鼻ゲル自体中における活性物質の拡散速度は、ゲル中の活性物質の濃度が、ゲル−鼻膜境界面で又はその付近で低下するときに重要である。ゲル−鼻膜境界面で又はその付近での活性物質のゲル中濃度が、ゲルの残部における活性物質濃度より低くなる時に、活性物質が、ゲル中に容易に拡散して、ゲル−鼻膜境界面で又はその付近での活性物質の濃度が補充されることが望ましい。ゲル−鼻膜境界面で又はその付近での活性物質の濃度は、活性物質がゲルから鼻膜へと吸収されたときに低下する。リポソーム又は他の化学成分は、経鼻ゲル中に、0.000001〜5.0質量%の範囲の濃度で含まれていてもよい。 【0033】 鼻の管(nasal passage)における粘液中の活性物質の拡散速度は、鼻粘液の分散(breakup)及び乾燥を促進する亜鉛又は塩のような薬剤をゲル組成物中に用いることにより、又は、粘液中の活性物質の移動を実際に促進する成分をゲル組成物中に用いることにより高めることができる。粘液は、タンパクであり、鼻上皮膜とはことなる特性を有する。亜鉛又は塩のような薬剤は、0.000001〜5.0質量%の範囲の濃度で経鼻ゲル中に含ませることができる。 活性物質の鼻膜中への拡散を促進する他の方法は、経鼻ゲルを鼻膜の広い表面積に広げることである。これを促進する1つの方法は、鼻中の粘液又は外来物質をのどの背部(back)へビート(beat)する又は運搬する傾向にある繊毛 (cilia)の作用を強化することによるものである。リゾチームのような化学成分は、0.00001〜5.0質量%の範囲の濃度で経鼻ゲル中に含ませることができ、これにより、細毛の作用を高めることができ、従って、ゲル組成物が、患者の鼻に挿入された後、鼻から鼻の管を通して該患者ののどの背部へと後方に運搬される速度を高めることができる。細毛の作用を高めることは、経鼻ゲルが鼻の管のより広い表面をコートする速度を高めるように機能する。本件明細書に記載したように、鼻の管は、鼻の内側で、各鼻孔(nostril)の開口部から約4分の1〜2分の1のポイントから始まり、患者ののどの背部へと広がる。鼻の管は、患者の鼻の各鼻孔部分を含む。 【0034】 肺又は鼻膜における本発明のゲル中の活性物質の吸収は、昇華により促進することができる。例えば、カンフル又はヨードを、本発明の経鼻ゲルを患者の鼻に挿入する前のある段階で、該ゲル中に混合することができる。昇華活性物質濃度は、望ましいように変動し得るが、典型的には、0.00001〜5.0質量%の範囲である。 経鼻ゲルにおいては、ある場合には、亜鉛のような活性物質をそのイオン化状態に維持することが重要である。活性物質がそのイオン化状態で保たれるであろう可能性を高める1つの方法は、経鼻ゲルの粘度を高めることによるものである。活性物質がそのイオン化状態で保たれるであろう可能性を高める更に別の方法は、イオン化状態にある活性物質を結合しない増粘剤を用いることによるものである。例えば、カルボポール(carbopol)は、亜鉛と結合し、従って、通常、亜鉛をそのイオン化状態に維持するのが望ましいゲル組成物における好ましい増粘剤ではない。最も好ましい増粘剤は、亜鉛イオンと結合しない。また、アスコルビン酸は亜鉛と結合する。従って、通常は、アスコルビン酸は、活性物質としてイオン性亜鉛を含むゲル組成物と組み合せて使用しない。グリセリンは、亜鉛及び他の成分をそれらのイオン状態に維持するのを助長するように機能する。 【0035】 経鼻ゲル(nasal gel)が亜鉛イオンを含み、及びライノウイルスを治療するために用いられる場合には、患者の鼻の両方の鼻孔中でゲルを使用することが重要である。例えばビタミンを患者の血流中に到達させるような他の場合には、ゲルを両鼻孔中に置く必要はない。一つの鼻孔の使用のみで十分であろう。 【0036】 患者の鼻孔中に置くと濃くなる経鼻ゲル組成物を使用することが好ましい場合もある。温度感受性であり、患者の鼻中の上昇した温度により濃くなる成分を使用することは、経鼻ゲルを患者の鼻に適用する場合に上昇した粘度を与えるための一つの手段である。他の手段は患者の鼻に経鼻ゲルを適用する直前に二種類以上の成分を混合することである。二種類の成分は各成分単独よりもより高い粘度を有する組成物を生成する。 本発明の経鼻ゲルは鼻に挿入されると溶解するカプセル又は他の容器中に包装することができる。容器が溶解すると、ゲルは鼻膜に接触する。カプセルはゼラチン、柔らかく柔軟な紙状水溶性物質、又は鼻腔中に置いた場合に溶解、崩壊又は分解する他の好ましい物質から製造することができる。 【0037】 実施例14 1リットルのゲル組成物を、精製水、グリセリン、カルボポール(carbopol)、リポソーム、及びインシュリンを混合することにより製造した。ゲルは以下を含む。 成分 質量百分率 精製水 96.5 グリセリンU.S.P. 2.0 カルボポール 940 nf 0.5 インシュリン 0.5 リポソーム(インシュリンの担体) 0.5 【0038】 実施例15 200μlの実施例14のゲルを、健康な39歳のカフカス人(Caucasian)男性患者の一方の鼻管へ置いた。次に200μlの実施例1の亜鉛ゲルをその患者の他方の鼻管へ置いた。結局、合計400μlのゲルが患者の鼻中に置かれる。ゲルの第一の部分は少なくとも鼻の上皮膜の一部分へ接触する。ゲルの第二の部分は患者の鼻中の粘液(mucous)の一部分に接触する。ゲルの第三の部分は少なくとも患者の鼻の繊毛に接触する。ゲルは、少なくとも鼻の上皮膜、繊毛、又は膜上の粘液の一部分に接触したまま残存する。4時間後亜鉛ゲルは完全に放散した。 【0039】 実施例16 1リットルのゲル組成物を精製水、油、グリセリン、カルボポール、リポソーム、及びビタミンAを混合することにより製造した。ゲルは以下を含む。 成分 質量百分率 精製水 86.5 オメガ 6(一不飽和化油) 10.0 グリセリンU.S.P. 2.0 カルボポール 940 nf 0.5 ビタミンA 0.5 リポソーム(ビタミンAの担体) 0.5 【0040】 実施例17 300μlの実施例16のゲルを、健康な28歳の女性中国人患者の一方の鼻管へ置いた。結局全部で300μlのゲルをその患者の鼻中へ置いた。ゲルの第一の部分は少なくとも鼻の上皮膜の一部分へ接触する。ゲルの第二の部分は患者の鼻中の粘液の一部分に接触する。ゲルの第三の部分は少なくとも患者の鼻の繊毛に接触する。ゲルは、少なくとも鼻の上皮膜、繊毛、又は膜上の粘液の一部分に接触したまま残存する。4時間後亜鉛ゲルは完全に放散した。 【0041】 実施例18 1リットルのゲル組成物を精製水、アルコール、グリセリン、カルボポール、及びニコチンを混合することにより製造した。ゲルは以下を含む。 成分 質量百分率 精製水 87.25 アルコール 10.0 グリセリンU.S.P. 2.0 カルボポール 940 nf 0.5 ニコチン 0.25 【0042】 実施例19 実施例18のゲル150μLを一人の健康な50歳のアフリカ系アメリカ人女性患者の鼻管に入れた。従って、全部で150μLのゲルを患者の鼻に入れた。 ゲルの第一部分を少なくとも鼻の上皮膜部分に接触させた。ゲルの第二部分を少なくとも患者の鼻の粘液部分に接触させた。ゲルの第三部分を少なくとも患者の鼻の繊毛に接触させた。ゲルは少なくとも鼻の上皮膜、繊毛又は膜上の粘液部分に接触させたままにした。3時間後、亜鉛ゲルを完全に散逸させた。 【0043】 実施例20 ゲル組成物1Lを、精製水、グリセリン、カルボポール(carbopol)、亜鉛グルコネート及びSODと一緒に混合することにより調製した。該ゲル組成物は以下のものを含む: 成分 質量% 精製水 94.75 グリセリンU.S.P. 2.0 カルボポール940nf 0.5 亜鉛グルコネート(亜鉛イオン源) 2.25(50 ミリモル濃度)* SOD(酸化防止剤) 0.5 *亜鉛グルコネートの分子量、約450g/モルに、亜鉛グルコネート0.05モル/Lを掛けることにより約22.5g/L重量のゲル組成物を得る。 SOD酸化防止剤は、鼻のゲル中の高濃度の亜鉛イオンによるダメージから鼻の上皮膜を保護する作用をする。 【0044】 実施例21 実施例1のゲル組成物の代りに実施例20のゲル組成物を使用して実施例2〜7を繰り返した。同様の結果が得られた。 実施例22 患者が、鼻の粘膜を覆う約1/16インチの厚さの粘液層を有することを除き、実施例7を繰り返した。同様の結果が得られた。 実施例23 実施例1のゲル組成物がNaCl 1.0質量%もまた含み、ゲル組成物中の精製水の質量%が97%ではなく96%であることを除き実施例22を繰り返した。実施例1のゲル組成物中のグリセリン、カルボポール及び亜鉛グルコネートの質量%はそのままにした。粘液層を亜鉛が容易に拡散するよう、ゲル組成物中に塩を含ませた。 本実施例23において得られた結果は、塩により粘液層の乾燥及び散逸が促進されたため、鼻の粘膜における亜鉛濃度が実施例23においてより急速に増大したことを除いて実施例22のものと同様であった。 【0045】 実施例24 実施例1のゲル組成物を鼻管に挿入したことを除き実施例7を繰り返し、亜鉛ゲルの投与直前、亜鉛ゲルを投与して10分後、亜鉛ゲルを投与して30分後等に鼻の粘膜における亜鉛濃度を測定する代りに、鼻腔中で繊毛により亜鉛ゲルが鼻腔に戻された距離を10分後、30分後等に測定した。 実施例25 実施例1のゲル組成物が0.5質量%のリソチームもまた含み、精製水の質量%が97%ではなく96%であることを除き実施例24を繰り返した。実施例1のゲル組成物中のグリセリン、カルボポール及び亜鉛グルコネートの質量%はそのままにした。ゲル組成物中に含まれるリソチームにより鼻の中の繊毛の動きは活発になり、その結果、繊毛が鼻の内側から鼻腔を通って患者の喉の裏側に亜鉛ゲルを戻す速度が大きくなった。実施例25において得られた結果は、実施例25において繊毛がより迅速に患者の喉の裏側へ亜鉛ゲルを運んだことを除き、実施例24において得られたものと同様であった。 実施例26 実施例1のゲル組成物を、ゲル−表面界面においてゲルから亜鉛を所定割合で除いた表面に対して置いた。所定のポイント(該ポイントは界面から所定の距離にある)から界面までの亜鉛の拡散速度を測定した。 【0046】 実施例27 カルボポールの濃度を0.25質量%に下げ、逆に精製水の濃度を97.25%に増加させることにより、実施例1のゲル組成物の粘度を小さくしたことを除いて、実施例26を繰り返した。グリセリン及び亜鉛グルコネートの濃度はそのままにした。ゲル組成物の粘度を小さくしたため、本実施例27における亜鉛イオンの拡散速度が実施例26の拡散速度よりも大きかったことを除いて、得られた結果は同様であった。 実施例28 鼻の膜のインシュリン濃度を10、20及び30分において測定したことを除いて実施例15を繰り返した。 実施例29 実施例14のゲル組成物からリポソームを除き、逆に精製水の濃度を97質量%に増加させたことを除き、実施例28を繰り返した。リポソームは、インシュリンが鼻の上皮膜を透過する能力を増強するために添加される透過エンハンサーである。実施例14のゲル組成物中のグリセリン、カルボポール及びインシュリン濃度はそのままにした。本実施例29において得られた結果は、リポソーム透過エンハンサーがゲル組成物にもはや存在しないために鼻の粘膜におけるインシュリン濃度がよりゆっくりと上昇したため、実施例28において得られた結果と異なった。 当業者が本発明を理解し、実施できるように本発明について記載し、本発明の好ましい態様について記載した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502384277 【氏名又は名称】ザイカム エルエルシー
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| 【出願日】 |
平成19年8月20日(2007.8.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔
【識別番号】100067013 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 文昭
【識別番号】100082005 【弁理士】 【氏名又は名称】熊倉 禎男
【識別番号】100065189 【弁理士】 【氏名又は名称】宍戸 嘉一
【識別番号】100084009 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信夫
【識別番号】100086771 【弁理士】 【氏名又は名称】西島 孝喜
【識別番号】100084663 【弁理士】 【氏名又は名称】箱田 篤
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| 【公開番号】 |
特開2008−13572(P2008−13572A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2007−213993(P2007−213993) |
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