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【発明の名称】 毛髪形状制御剤第1剤
【発明者】 【氏名】平野 祐司

【氏名】石井 大輔

【要約】 【課題】化学処理による損傷を受けた毛髪を処理した場合でも過収縮を起こすことなく、高いカール形状付与効果や高い縮毛抑制効果を有する毛髪形状制御剤第1剤を提供すること。

【構成】次の成分(A)、(B)及び(C)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C)
(A)ケラチン還元性物質
(B)一般式(1)で表されるα,ω‐ジカルボン酸又はその塩
【化1】


〔式中、R1は炭素数3〜8のアルキレン基を示す。〕
(C)一般式(2)で表されるカチオン界面活性剤
【化2】


〔式中、R2aは炭素数12〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、R2bは炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、A-はハロゲン化物イオンを示す。〕
を含有する毛髪形状制御剤第1剤。
【請求項2】
成分(B)における一般式(1)中のR1が、炭素数3〜6の直鎖のアルキレン基である請求項1記載の毛髪形状制御剤第1剤。
【請求項3】
成分(B)が、アジピン酸又はその塩である請求項1又は2記載の毛髪形状制御剤第1剤。
【請求項4】
ストレートパーマとしてくせ毛に用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪形状制御剤第1剤。
【請求項5】
ウェーブパーマとして毛髪に用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪形状制御剤第1剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーブパーマやストレートパーマの施術の際に毛髪を還元するために用いられる毛髪形状制御剤第1剤に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪に永続的なカールを付与したり、くせ毛を永続的に矯正したりする目的でアルカリ性パーマ液が用いられている。しかし、アルカリ性パーマ液は還元剤を用いて毛髪内部のS-S結合を切断するものであり、その後に酸化剤を用いて化学的に再結合させるという処理を行うことから、毛髪形状異常に至る損傷が発生しやすい。このような毛髪損傷にはいくつか種類があり、例えばキューティクルの過度の収れん(毛髪のひび割れ)や、コルテクスの異常な収縮に起因する毛髪のちぢれ(過収縮)などがある。その中でも過収縮は特に重大な損傷であり、ブリーチ、ヘアカラー等で化学的損傷をうけた毛髪に対してパーマ処理を行うと、特に過収縮が発生しやすいことが経験的に知られている。
【0003】
アルカリ性パーマ液による過収縮防止を目的として、これまでにpKa5.0以下の有機酸とその塩とからなるpH緩衝剤、疎水性スルホン酸及び芳香族アルコールを含有する縮毛矯正処理用酸化性組成物(特許文献1)を用いた毛髪形状制御技術が提案されている。しかしながら、この技術では過収縮を抑制する効果は十分ではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2004-182654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、化学処理による損傷を受けた毛髪を処理した場合でも過収縮を起こすことなく、高いカール形状付与効果や高い縮毛抑制効果を有する毛髪形状制御剤第1剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、毛髪形状制御剤の第1剤に、α,ω‐ジカルボン酸又はその塩、及びカチオン界面活性剤を添加することにより、上記課題が解決されることを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C)
(A)ケラチン還元性物質
(B)一般式(1)で表されるα,ω‐ジカルボン酸又はその塩
【0008】
【化1】


【0009】
〔式中、R1は炭素数3〜8のアルキレン基を示す。〕
(C)一般式(2)で表されるカチオン界面活性剤
【0010】
【化2】


【0011】
〔式中、R2aは炭素数12〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、R2bは炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、A-はハロゲン化物イオンを示す。〕
を含有する毛髪形状制御剤第1剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤は、化学処理による損傷を受けた毛髪を処理した場合でも過収縮を起こすことなく、高いカール形状付与効果や高い縮毛矯正効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
成分(A)のケラチン還元性物質としては、毛髪の構造タンパク質であるケラチンに対し還元能を有する化合物であればいずれでもよく、例えばチオグリコール酸又はその塩、チオグリコール酸誘導体又はその塩、システイン又はその塩、システイン誘導体又はその塩、システアミン又はその塩、チオ乳酸又はその塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、下記一般式(3)
【0014】
【化3】


【0015】
〔式中、R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はRa−O−Rb(Raは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、Rbはメチレン基又は炭素数2〜4の直鎖若しくは分岐のアルキレン基)を示す。〕
で表されるチオグリセロール(R3が水素原子の場合)若しくはチオグリセリルアルキルエーテル又はそれらの塩、下記一般式(4)
【0016】
【化4】


【0017】
〔式中、pは0〜5の整数を示し、qは0〜3の整数を示し、rは2〜5の整数を示す。但し、pとqとが同時に0であることはない〕
で表されるメルカプトアルキルアミド又はその塩などが挙げられる。
チオグリコール酸誘導体としては、例えば、チオグリコール酸グリセリルエステルが挙げられ、またシステイン誘導体としては、例えば、N-アセチルシステイン、グルタチオン(γ-L−グルタミル-L−システニル-グリシン)が挙げられる。
【0018】
これらの還元性物質のうち、特に好ましいものの例としては、チオグリコール酸並びにそのアンモニウム塩及びモノエタノールアミン塩;L-システイン、D-システイン、DL-システイン等のシステイン類及びその塩酸塩;N-アセチルシステイン、グルタチオン等のシステイン誘導体;システアミン及びその塩酸塩;チオ乳酸並びにそのアンモニウム塩及びモノエタノールアミン塩;チオグリセロール;エトキシヒドロキシプロパンチオール、エトキシエトキシヒドロキシプロパンチオール、メトキシエトキシヒドロキシプロパンチオール、イソプロポキシエトキシヒドロキシプロパンチオール等のチオグリセリルアルキルエーテル;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩などが挙げられる。
【0019】
成分(A)のケラチン還元性物質は単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、本発明の毛髪形状制御剤第1剤中の0.1〜20質量%であるのが好ましく、特に3〜20質量%であると、充分な還元が行えるとともに、皮膚や毛髪に損傷を与えることがなく好ましい。
【0020】
成分(B)のα,ω‐ジカルボン酸は、前記一般式(1)で表されるものである。一般式(1)中、R1で表されるアルキレン基は炭素数3〜8であり、炭素数3〜6、とりわけ炭素数3〜5の直鎖のアルキレン基が好ましく、例えばトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などが挙げられる。中でも、テトラメチレン基が特に好ましい。すなわち、成分(B)としては、アジピン酸又はその塩が好ましい。
【0021】
成分(B)のα,ω‐ジカルボン酸(1)は、塩を形成してもよい。塩としては、例えば、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩(例えば、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩)、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)などが挙げられる。
【0022】
成分(B)は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その含有量は、カール形状付与及び縮毛矯正効果の観点から、本発明の毛髪形状制御剤第1剤中の0.1〜20質量%、特に1〜15質量%であるのが好ましい。
【0023】
成分(C)のカチオン界面活性剤は、前記一般式(2)で表されるものであり、一般式(2)中、R2aにおけるアルキル基の炭素数は12〜22であるが、好ましくは12〜18であり、直鎖でも分岐鎖であってもよい。このようなアルキル基としては、例えば、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等が挙げられる。また、R2aにおけるアラルキル基とはアルキル基にアリール基が結合した1価の基をいい、当該アルキル基の炭素数は好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3であり、またアラルキル基の合計炭素数は7〜12であり、好ましくは7〜9である。具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、ナフチルメチル基等が挙げられ、中でもベンジル基が好ましい。
一方、R2bにおけるアルキル基の炭素数は1〜22であるが、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜16であり、直鎖でも分岐鎖であってもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の低級アルキル基のほか、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等の長鎖アルキル基が挙げられる。
-で示されるハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオンが好ましい。
成分(C)の市販品としては、コータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、コータミン2285E、サニゾール08、サニゾール12、サニゾールC、サニゾールB-50(以上、花王社)、ゲナミンSTAC、ゲナミンKDM-N、ゲナミンKDM-P(以上、クラリアントジャパン社)などを挙げることができる。
【0024】
成分(C)は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分(C)は炭素数が異なるものの混合物であってもよい。その含有量は、縮毛矯正効果の観点から、本発明の毛髪形状制御剤第1剤中の0.1〜20質量%、特に1〜15質量%であるのが好ましい。
【0025】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤は、成分(D)としてアルカリ剤を用いてpH8.0〜12.0、特にpH8.0〜9.5のアルカリ性とするのが好ましい。アルカリ剤としては、アンモニア;モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等のアルカノールアミン;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸;1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられ、中でもアンモニア、アルカノールアミンが好ましく、アルカノールアミンの中ではモノエタノールアミンが好ましい。
【0026】
これらのアルカリ剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。その含有量は、pHの必要性を満たす範囲内で適宜選択できるが、十分な還元の観点、及び毛髪損傷や頭皮刺激の低減の観点から、本発明の毛髪形状制御剤第1剤中の0.05〜10質量%、特に0.1〜5質量%であるのが好ましい。
【0027】
また、本発明の毛髪形状制御剤第1剤は、成分(C)以外にも、成分(E)として他の界面活性剤を併用することができる。そのような界面活性剤としては、成分(C)以外のカチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用することができる。
【0028】
成分(C)以外のカチオン界面活性剤としては、ジアルキルジモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリド等を挙げることができ、より具体的には、ジステアリルジモニウムクロリド、クオタニウム-16、クオタニウム-24、クオタニウム-45、クオタニウム-52、ラウリルピリジニウムクロリド等が挙げられる。
【0029】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20 P.O.)、ポリオキシエチレン(30)ソルビトール等が挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、ココハアンホ酢酸Na〔例えば、オバゾリン662-N(東邦化学社)、アノンGLM(日本油脂社)、ソフタゾリンCL(川研ファインケミカル社)など〕、コカミドプロピルベタイン〔例えば、レボン2000(三洋化成社)、アノンBDF(日本油脂社)など〕、コカミドプロピルヒドロキシスタイン〔例えば、ロンザイン-CS(ロンザ社)など〕、ステアラミンオキシド等を挙げることができる。
【0031】
これら成分(E)の界面活性剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その含有量は、本発明の毛髪形状制御剤第1剤中の0.1〜20質量%、特に0.5〜15質量%であるのが好ましい。
【0032】
また、成分(C)と成分(E)との混合比率は、過収縮の抑制の観点から、成分(C)に対して成分(E)が0.1〜10質量倍、特に0.5〜5質量倍であるのが好ましい。
【0033】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤は、成分(F)として天然高分子又は合成高分子を用いてジェル系とすることも好ましい。この際用いることができる天然高分子及び合成高分子としては、ポリクオタニウム-7〔例えば、マーコート100、マーコート550(以上、Nalco社)など〕、ポリクオタニウム-10〔例えば、Ucare Polymer JR-125、同JR-30M、同JR-400(以上、Amerchol社)、レオガードG(ライオン社)など〕、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド〔例えば、ラボールガムCG-M、ラボールガムCG-6L、ラボールガムCG-M7、ラボールガムCG-M8M(以上、大日本住友製薬社)、ジャグアーC-13S、ジャグアーC-14S、ジャグアーC-17、ジャグアーC-210、ジャグアーC-162、HI-CARE1000(以上、Rhodia社)など〕、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔例えば、メトローズSM(信越化学社)など〕、ヒドロキシエチルセルロース〔例えば、セロサイズQP4400H、同QP52000H(以上、Amerchol社)、SE-600(ダイセル社)など〕、ヒドロキシプロピルセルロース〔例えば、HPC-H、HPC-M(以上、日本曹達社)など〕、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔例えば、メトローズ60SHシリーズ、メトローズ65SHシリーズ、メトローズ90SHシリーズ(以上、信越化学社)など〕、プルラン〔例えば、プルランPF-20、プルランPI-20(以上、林原商事社)など〕、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム〔例えば、ラボールガムEX(大日本住友製薬社)など〕等が挙げられる。
【0034】
これら天然高分子及び合成高分子は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その含有量は、本発明の毛髪形状制御剤第1剤中の0.1〜20質量%、特に0.5〜15質量%であるのが好ましい。
【0035】
また、本発明の毛髪形状制御剤第1剤には、成分(G)として、有機溶剤を含有させることもできる。有機溶剤としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノールなどの1価又は多価の脂肪族アルコール; 2-フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、2-ベンジルオキシエタノールなどの1価又は多価の芳香族アルコール;トリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類; エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドンなどのN-アルキルピロリドン;炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの炭酸アルキレン;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトンなどのラクトン類が挙げられる。
【0036】
これら有機溶剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その含有量は、本発明の毛髪形状制御剤第1剤中の0.1〜20質量%、特に0.5〜15質量%であるのが好ましい。
【0037】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤には、上記成分以外に、通常のパーマ液に用いられている成分や化粧品分野で用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。このような任意成分としては、無機アルカリ、脂肪酸、炭化水素、シリコーン類、アミノ酸類、ペプチド類、タンパク質類、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、植物抽出物、ビタミン類、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料などが挙げられる。
【0038】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤は、特にブリーチ、ヘアカラー等で化学的損傷を受けた毛髪に対して好適に用いられる。これらの化学的損傷を受けた毛髪は、パーマ処理により過収縮が起こりやすいが、本発明の毛髪形状制御剤第1剤を用いれば、過収縮の発生を抑制することができる。また、化学的損傷を受けた毛髪は、十分なカール形状付与効果や縮毛矯正効果が得られにくいが、本発明の毛髪形状制御剤第1剤は、このような毛髪に対しても、優れたカール形状効果又は縮毛矯正効果を有する。
【0039】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤を用いたカール形状付与や縮毛矯正は、本発明の毛髪形状制御剤第1剤を第1剤として用い、ウェーブパーマ、ストレートパーマ、アイロンパーマなどの従来のパーマと同様にして行うことができる。
【0040】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤を用いたカール形状付与や縮毛矯正において使用する第2剤は、酸化剤を含有する。酸化剤としては、臭素酸塩、過ホウ素酸塩、過酸化水素などが挙げられ、その含有量は第2剤中の0.1〜20質量%であるのが好ましい。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、この第2剤には、通常の第2剤に用いられている成分や化粧品分野で用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。
【0041】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤による毛髪の処理時間は、処理する毛髪のくせの強さ、太さ、痛み具合に応じて、1〜120分の範囲で適宜調節される。この際、必要であれば、加温してもよく、30〜55℃、特に35〜50℃になるようにするのが好ましい。
【0042】
第2剤処理時の放置時間は、1〜30分の範囲で適宜調整される。更に、本発明の毛髪形状制御剤第1剤以外に、別途毛髪保護成分などを含有する処理剤を併用することもできる。
【0043】
本発明の毛髪形状制御剤第1剤及び第2剤の塗布量は、処理する毛髪に対してそれぞれ0.1〜4質量倍、特に0.5〜2.5質量倍であるのが好ましい。
【0044】
ウェーブパーマの場合にはカーラーやロッドに毛髪を巻き付け、第1剤を毛髪に含浸させて所定時間放置する(第1剤処理工程)。次いで、水洗又は酸性処理液によるすすぎを行う(中間処理工程)のが好ましい。その後、第2剤を毛髪に含浸させて所定時間放置し(第2剤処理工程)、毛髪をカーラーやロッドから外して水洗、乾燥させる。
【0045】
くせ毛を矯正して直毛状にするストレートパーマの場合には、第1剤処理工程において、くしやブラシを使って第1剤をくせ毛に塗付しつつ直毛形状に整えて所定時間放置する。次にくしやブラシを使って第2剤を毛髪に塗付する第2剤処理工程を行う。第1剤処理工程と第2剤処理工程の間に水洗又は酸性処理液によるすすぎを行う中間処理工程を経ることが望ましい。所定時間の第2剤処理工程の後、毛髪を水洗、乾燥させる。
【0046】
くせ毛を矯正して直毛状にするストレートパーマの場合には、フラットアイロンを使用してより高い矯正効果を得ることも可能である。フラットアイロンを用いる場合、第1剤処理工程の後、第2剤処理工程の前に、毛髪から第1剤を洗い流し、ドライヤー等で乾燥させた上で、アイロン処理する。アイロンの温度は120〜180℃、特に140〜180℃に設定することが好ましい。
【実施例】
【0047】
表1に示すパーマ第1剤及び表2に示すパーマ第2剤を調製し、以下に示すカール付与試験及び縮毛矯正試験を行った。
【0048】
【表1】


【0049】
【表2】


【0050】
[カール付与試験]
1.トレス:パーマ、ヘアカラー等の化学処理を施していない、カール半径φが200mm以上の直毛でトレス(毛髪束)を作製した。
2.ブリーチ処理:作製したトレスに対し、表3に示すブリーチ第1剤と表4に示すブリーチ第2剤とを質量比1:1.5で混合したブリーチ剤を、トレスと等質量塗布し、20分放置した後、すすぎ、乾燥した。
3.ダメージ毛:ブリーチ処理を8回繰り返し、ダメージ毛を作製した。
4.カール処理:このダメージ毛をφ10mmのロッドに巻きつけ、パーマ第1剤をトレスと等質量塗布して1時間放置した後、水洗した。これにパーマ第2剤をトレスと等質量塗布して20分放置した後、水洗し、ロッドをはずし、乾燥した。
5.判定:乾燥したトレスのカール半径を測定し、カール付与効果を下記のカール付与効果判定基準に従って判定した。判定結果を表5及び表6に示す。また、ロッドの半径である10mmよりも小さいカール半径φの湾曲が確認された場合、過収縮が発生したとみなし、その程度を下記の過収縮目視判定基準に従って判定した。
【0051】
<カール付与効果判定基準>
3:高い付与効果(φ10mm以上20mm未満)
2:低い付与効果(φ20mm以上50mm未満)
1:カールが殆ど付与されない(φ50mm以上)
【0052】
<過収縮目視判定基準>
a:毛先に過収縮が確認される
b:トレス全体に亘って過収縮が確認される
【0053】
【表3】


【0054】
【表4】


【0055】
【表5】


【0056】
【表6】


【0057】
本発明品を用いた実施例1〜3は、比較例1〜9に比べ、優れたカール付与効果を示すと共に、過収縮を発生させることがなかった。
【0058】
[縮毛矯正試験]
1.トレス:パーマ、ヘアカラー等の化学処理を施していない、カール半径φが約5〜8mmのくせ毛でトレス(毛髪束)を作製した。
2.ブリーチ処理:作製したトレスに対し、カール付与効果試験と同じ表3及び表4に示したブリーチ剤による処理を行った。
3.ダメージ毛:ブリーチ処理を8回繰り返し、ダメージ毛を作製した。
4.縮毛矯正処理:このダメージ毛に対して、パーマ第1剤をトレスと等質量塗布して1時間放置した後、水洗した。これにパーマ第2剤をトレスと等質量塗布して20分放置した後、水洗・乾燥した。
5.判定:乾燥したトレスのカール半径を測定し、縮毛矯正効果を下記の縮毛矯正効果判定基準に従って判定した。判定結果を表7及び表8に示す。また、縮毛矯正処理前のカール半径φよりも小さいφの湾曲が確認された場合、過収縮が発生したとみなし、その程度を下記の過収縮目視判定基準に従って判定した。
【0059】
<縮毛矯正効果判定基準>
3:高い矯正効果(φ25mm以上)
2:低い矯正効果(φ15mm以上25mm未満)
1:くせが殆ど取れない(φ15mm未満)
【0060】
<過収縮目視判定基準>
a:毛先に過収縮が確認される
b:トレス全体に亘って過収縮が確認される
【0061】
【表7】


【0062】
【表8】


【0063】
本発明品を用いた実施例4〜6は、比較例10〜18に比べ、優れた縮毛矯正効果を示すと共に、過収縮を発生させることがなかった。
【0064】
次に、成分(B)のα,ω‐ジカルボン酸と、他のカルボン酸との縮れ発生抑制効果について検討するため、表9に示す割合で各配合成分を含むパーマ第1剤、及び表10に示す割合で各配合成分を含むパーマ第2剤を調製し、以下の方法にしたがって試験を行った。なお、表9に示すカルボン酸の各配合量は、パーマ第1剤中における濃度がいずれも0.068mol/kgになるように調整したものである。また、試験結果を表9に示した。
【0065】
[縮れ発生抑制試験]
1.評価用小毛束の作製:モンゴリアン女性の毛髪に予め4回ヘアブリーチ処理を行った毛髪を用い、それぞれ全長約20cmの5本の毛髪の根元側を接着剤とテープで固定して評価用小毛束を作製した。なお、ヘアブリーチ処理は、市販の処理剤(プリティアハイブリーチ、花王社製)を使用説明書に従って第1剤と第2剤とを混合し、試験毛束と等質量を塗布後、室温で40分間放置した。次いで、水洗、シャンプー洗浄2回行った後、自然乾燥した。
2.パーマ処理:評価用小毛束をそれぞれ0.1gの非化学処理毛の毛束に埋め込み、テープで結束して全質量0.1gとし試験毛束としてパーマ処理を行った。なお、パーマ処理は、まず表9に示すパーマ第1剤0.1gを試験毛束に塗布し、試験毛束全体に均一に馴染ませ、15分間室温で放置後、40℃の流水で30秒間すすぎ洗いし、タオルで水気を拭き取った。次いで、表10に示すパーマ第2剤0.1gを塗布し、試験毛束全体に均一に馴染ませ、15分間室温で放置後、40℃の流水で30秒間すすぎ洗いし、試験毛束を自然乾燥した。
3.判定:自然乾燥後に、評価用小毛束を取り外し、毛髪の形状を以下の基準にしたがって目視で判定した。
【0066】
<縮れ発生抑制効果判定基準>
4:処理前と変化なし。
3:僅かに毛髪のうねりがある。
2:毛髪の折れ曲がりやうねりがある。
1:毛髪の折れ曲がりやうねりを伴い、激しい毛髪の縮れがある。
【0067】
【表9】


【0068】
*1:東レ・ダウコーニング社製SM8704C
*2:pHを9.3にする量
*3:一般式(1)においてR1が炭素数3のアルキレン基であるα,ω‐ジカルボン酸
*4:一般式(1)においてR1が炭素数4のアルキレン基であるα,ω‐ジカルボン酸
*5:一般式(1)においてR1が炭素数5のアルキレン基であるα,ω‐ジカルボン酸
*6:一般式(1)においてR1が炭素数6のアルキレン基であるα,ω‐ジカルボン酸
【0069】
【表10】


【0070】
表9に示した結果より、本発明品である実施例7〜10はいずれも、ダメージがより進行した毛髪においても縮れ発生抑制効果が顕著に発揮されることが確認された。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成19年6月7日(2007.6.7)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ


【公開番号】 特開2008−13549(P2008−13549A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−151567(P2007−151567)