| 【発明の名称】 |
化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】堤 巌
|
| 【要約】 |
【課題】表情筋の緊張状態を解消することによってシワの解消効果を高めた化粧料を提供する。
【構成】アニス果実エキスとアルジルリンを含有するとともに、皮膚への塗布により皮下に浸透して皮膚神経を刺激し、この神経刺激に基づいて脳にα波を誘導させるα波誘導剤を含有した化粧料とする。また、α波誘導剤は、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの少なくともいずれか1種としたこと、またはエバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスをそれぞれを等量ずつ配合したことにも特徴を有するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アニス果実エキスとアルジルリンを含有するとともに、皮膚への塗布により皮下に浸透して皮膚神経を刺激し、この神経刺激に基づいて脳にα波を誘導させるα波誘導剤を含有した化粧料。 【請求項2】 前記α波誘導剤は、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。 【請求項3】 前記α波誘導剤は、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスであって、それぞれを等量ずつ配合したことを特徴とする請求項1記載の化粧料。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、化粧料に関するものであって、特に、顔のシワの解消効果を有するだけでなく、美肌効果も向上可能とした化粧料に関するものである。 【背景技術】 【0002】 女性の美顔に対する要求はいつの時代でも強いものがあり、特に加齢に伴って増加するシワの解消に関しては、特に強い関心が寄せられている。すなわち、顔におけるシワの数は年齢を反映していると考える人が多いからであり、できるだけシワが少ない状態を維持することにより、外見的に少しでも若く見られたいという心理が影響しているからである。 【0003】 このような顔に生じるシワは、表情ジワと呼ばれるものであって、笑い顔などにおける顔の筋肉の規則的な動きによって皮膚に形成される溝状の線であり、加齢に伴って皮膚に弛みができるだけでなく、顔面の表情筋における緊張状態が解消されにくくなることによって顕在化してくるものである。ここで、表情筋の緊張状態とは、皮膚を内側に引っ張る筋肉が収縮した状態が維持されている状態である。 【0004】 この表情ジワを低減させる方法としては、外科手術によって皮膚の弛みを除去する方法や、ボツリヌス毒素の注射によって顔面の表情筋を軽い麻痺状態として緊張を緩和させることによりシワ自体をできにくくする方法などが知られている。特に、ボツリヌス毒素を用いたシワの低減治療はボトックス治療と呼ばれており、表情筋を軽く麻痺させることにより緊張状態を緩和させてシワを低減させる効果をボトックス効果と呼んでいる。 【0005】 しかし、これらの方法は比較的高コストであって、しかも一度の処置での顔の変化具合が大きいためにこれらの方法が用いられたことがわかりやすく、これらの方法を利用するには経済的及び心理的な障害が大きかった。特に、ボトックス治療の場合には、ボツリヌス毒素の定期的な投与が必要であって、経済的負担が極めて大きくなる傾向があった。 【0006】 そこで、これらの方法を用いずに化粧料によってシワを改善することも提案されている。具体的には、アスパラサス・リネアリス抽出液を含有した化粧料(例えば、特許文献1参照。)や、アンチアロール、リオニレシノール、ロドデンドロールおよびプラティフィロノール、ならびにそれらの配糖体から選ばれる1種または2種以上を配合した化粧料(例えば、特許文献2参照。)や、キコブタケ属のキノコの子実体及び/又は菌床の抽出物の1種又は2種以上を含有した化粧料(例えば、特許文献3参照。)など、様々な組成の化粧料が提案されている。 【特許文献1】特開平06−128121号公報 【特許文献2】特開平10−236940号公報 【特許文献2】特開2003−73225号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、従来知られている化粧料では、利用者からの要求に応えられるだけの十分なシワ解消の効果を有しているとは言い難かった。 【0008】 すなわち、従来の化粧料では、加齢に伴って皮膚において不足する成分の補充や、皮膚細胞の活性化などに着目したものであって、顔面の表情筋の影響には一切着目されていなかったためである。特に、表情筋が緊張状態となっていることによってシワができやすくなった顔では、化粧料を用いて成分補給や皮膚細胞の活性化を行ってもシワ解消の効果が十分とは言えなかった。 【0009】 本発明者らはこのような現状に鑑み、表情筋の緊張状態を解消することによってシワの解消効果を高めた化粧料を提供すべく研究開発を行って、本発明を成すに至ったものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明の化粧料では、アニス果実エキスとアルジルリンを含有するとともに、皮膚への塗布により皮下に浸透して皮膚神経を刺激し、この神経刺激に基づいて脳にα波を誘導させるα波誘導剤を含有した化粧料とした。 【0011】 また、α波誘導剤は、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの少なくともいずれか1種あること、あるいは、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスをそれぞれ等量ずつ配合したことにも特徴を有するものである。 【発明の効果】 【0012】 請求項1記載の発明によれば、アニス果実エキスとアルジルリンを含有するとともに、皮膚への塗布により皮下に浸透して皮膚神経を刺激し、この神経刺激に基づいて脳にα波を誘導させるα波誘導剤を含有した化粧料としたことによって、ボトックス治療におけるボツリヌス毒素と同様に表情筋を弛緩させる作用を有したアニス果実エキス及びアルジルリンを用いて表情筋を弛緩させてリラックスさせることができるとともに、α波誘導剤によって脳内にα波を誘導することによって神経系からの緊張緩和を促して、表情筋を効果的に弛緩させることができ、シワ解消の効果を向上させることができる。 【0013】 請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の化粧料において、α波誘導剤を、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの少なくともいずれか1種としたことによって、確実なα波の誘導を行うことができ、シワ解消の効果を向上させることができる。 【0014】 請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の化粧料において、α波誘導剤として、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスであって、それぞれを等量ずつ配合したことによって、α波の誘導効果を高めることができ、シワ解消の効果を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明の化粧料では、アニス果実エキスとアルジルリンを含有するとともに、皮膚への塗布により皮下に浸透して皮膚神経を刺激し、この神経刺激に基づいて脳にα波を誘導させるα波誘導剤を含有した化粧料としているものである。 【0016】 化粧料としては、ローション、クリーム、乳液、エッセンス、クレンジング、洗顔料、シャンプー、コンディショナー、育毛剤などである。 【実施例】 【0017】 本実施例では、アニス果実エキスとアルジルリンを含有したローションに、さらに、α波誘導剤としてエバーラスティングエキス、アツケシソウエキス、ロックローズエキス、フレンチラベンダーエキスを配合したローションを作成した。 【0018】 具体的な処方は、以下の通りである。 ・エバーラスティングエキス 0.5% ・アツケシソウエキス 0.5% ・ロックローズエキス 0.5% ・フレンチラベンダーエキス 0.5% ・アルジルリン 0.001% ・アニス果実エキス 0.001% ・多価アルコール 5% ・精製水 残余 【0019】 なお、後述するように、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの4つのエキスを全て配合するのではなく、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスからいずれかを選択して添加した場合には、選択されたエキス以外のエキスの代わりに、そのエキスの配合量と等量の精製水を添加した。 【0020】 エバーラスティングエキスは、花の一種であるエバーラスティングの花部分を天日乾燥あるいは機械乾燥により乾燥させて粉末化し、エタノールなどを添加した水溶液に粉末化したエバーラスティングを加えて混合液を生成し、この混合液を暗所に所定期間静置した後にエバーラスティングの粉末を濾別して、成分調整を行って生成した液体である。なお、エバーラスティングエキスは、この方法で生成したものに限定するものではなく、混合液を蒸留して所望の成分の抽出を促進させたり、混合液を煮詰めたりしてもよい。 【0021】 アツケシソウエキスは、摘み取ったアツケシソウ(厚岸草)を天日乾燥あるいは機械乾燥により乾燥させて粉末化し、エタノールなどを添加した水溶液に粉末化したアツケシソウを加えて混合液を生成し、この混合液を暗所に所定期間静置した後にアツケシソウの粉末を濾別して、成分調整を行って生成した液体である。なお、アツケシソウエキスも、この方法で生成したものに限定するものではなく、混合液を蒸留して所望の成分の抽出を促進させたり、混合液を煮詰めたりしてもよい。 【0022】 ロックローズエキスは、花の一種であるロックローズの花部分を天日乾燥あるいは機械乾燥により乾燥させて粉末化し、エタノールなどを添加した水溶液に粉末化したロックローズを加えて混合液を生成し、この混合液を暗所に所定期間静置した後にロックローズの粉末を濾別して、成分調整を行って生成した液体である。なお、ロックローズエキスは、この方法で生成したものに限定するものではなく、混合液を蒸留して所望の成分の抽出を促進させたり、混合液を煮詰めたりしてもよい。 【0023】 フレンチラベンダーエキスは、花の一種であるフレンチラベンダーの花部分を天日乾燥あるいは機械乾燥により乾燥させて粉末化し、エタノールなどを添加した水溶液に粉末化したフレンチラベンダーを加えて混合液を生成し、この混合液を暗所に所定期間静置した後にフレンチラベンダーの粉末を濾別して、成分調整を行って生成した液体である。なお、フレンチラベンダーエキスは、この方法で生成したものに限定するものではなく、混合液を蒸留して所望の成分の抽出を促進させたり、混合液を煮詰めたりしてもよい。 【0024】 上記のように処方したローションを、25〜58歳の健常男女を被験者として各被験者の顔に塗布して、塗布前の脳波と、塗布して1時間後の脳波とを測定して、α波の発現挙動を観察した結果を下表の表1に示す。表1は、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの中からいずれか1つのα波誘導剤をローションに添加して使用した場合の結果である。 【0025】 【表1】
【0026】 エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの中からいずれか2つのα波誘導剤をローションに添加して使用した場合の結果を下表の表2に示す。 【0027】 【表2】
【0028】 エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの中からいずれか3つ、及び全てのα波誘導剤をローションに添加して使用した場合の結果を下表の表3に示す。 【0029】 【表3】
【0030】 表1〜3において、各条件でのα波の発現状態及びその活性度を示した各図では、濃い領域ほどα波の活性度が高いことを示しており、濃い領域の広がりが大きければ大きいほど、脳全体でα波が発現していることを示している。 【0031】 表1〜3に示すように、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの少なくともいずれか1つのα波誘導剤をローションに添加して使用することにより、ローションの使用にともなって脳波においてα波が誘導されることが確認された。 【0032】 特に、α波誘導剤は、1種を配合した場合のα波の発現率の平均値が72.2%、2種を配合した場合のα波の発現率の平均値が83.3%、3種を配合した場合のα波の発現率の平均値が88.8%であることからわかるように、配合するα波誘導剤の種類は多ければ多いほどよく、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの全てを添加した場合には100.0%の発現率を示すことが確認でき、4種類のα波誘導剤を配合することにより個人差の影響をほとんど受けることなくα波を発現させることができることが確認された。 【0033】 なお、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの全てを添加した場合における他の脳波、すなわちβ波、δ波、θ波の発現挙動を下表の表4に示す。ここで、被験者数は18人である。 【0034】 【表4】
【0035】 表4より、増加以上の発現状態となった被験者の発現率は、α波が100.0%、β波が5.6%、δ波が44.4%、θ波が50.0%であった。α波以外では減少方向の発現率が比較的高く、脳波においてα波の影響が相対的に大きくなって、身体的によりリラックスした状態に誘導できることがわかる。 【0036】 次に、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスの4つのエキスを全て配合したローション(以下、「試験品」という)の保湿効果を、エバーラスティングエキス、アツケシソウエキス、ロックローズエキス、フレンチラベンダーエキスを含有しない市販のローション(以下、「対照品」という)と比較した。 【0037】 比較結果を図1のグラフに示す。この保湿試験では、試験品及び対象品の塗布前の皮膚水分量を計測し、試験品及び対象品の塗布直後、及び所定の時間の経過後における皮膚水分量を計測した。皮膚水分量の計測は、スカラ株式会社製のモイスチャーチェッカーを用いた。試験品及び対象品の塗布は、皮膚水分量の差が比較的少ない腕に対して行い、試験品の塗布領域と対象品の塗布領域との間に試験品及び対象品が塗布されないブランク領域を設けて、それぞれの領域での皮膚水分量を計測した。ここで、被験者数は18人である。 【0038】 図1では、塗布前の皮膚水分量を1.0として試験品及び対象品の塗布後の相対値の推移を示している。図1は、全被験者での平均値を表示している。 【0039】 図1に示すように、試験品は対象品と比較して総じて水分量が高く、特に、5分を越えた際の水分量は、対象品の塗布領域におけるローション塗布によって増加した水分量の倍以上であって、より高い保湿性を示すことがわかる。 【0040】 このように、試験品では、アニス果実エキス及びアルジルリンによるボトックス効果だけでなく、α波誘導剤によるリラックス効果によって肌の保湿性を向上させて、艶やかでしっとりとした肌質して効果的に皺を解消することができる。 【0041】 また、試験品のローションを全身ローションとして全身に塗布した際には血流量の増加傾向が見られ、これを血流量の測定によって確かめた。 【0042】 図2は、血流量の測定試験結果を示したグラフであり、塗布前の血流量を計測した後、全身に試験品のローションを塗布して所定時間後の血流量を計測し、塗布前の血流量を1.0とした場合の相対値を示したグラフである。ここで、被験者数は24人である。血流量の計測は、皮膚表面下の血管における血流を、レーザードップラー血流計を用いて計測した。 【0043】 図2に示すように、塗布後、時間が経過すればするほど血流量が増大していることがわかる。この血流量の増大は、代謝促進や美容等に有効であり、化粧品の有効性の観点から極めて重要な効果である。 【0044】 また、加速度脈波計を用いて血管年齢を測定した結果を図3に示す。塗布前後の血管年齢の推移においては、塗布後は有意に血管年齢が低下していた。血管年齢が低下するということは、血管が柔らかくなっていることを示しており、血管が柔らかくなっているということは、リラックスした状態が増大したことが示唆される。したがって、脳波とは別に血管年齢という方面からの評価によっても、リラクゼーション効果があることが認められ、これはエバーラスティングエキス、アツケシソウエキス、ロックローズエキス、フレンチラベンダーエキスの効果によるものであると考えられた。 【0045】 このように、試験品のローションを使用することにより肌の保湿性を向上させることができるだけでなく、血行の向上を図ることができ、皺を解消して肌年齢の向上を図ることができ、若々しく見せることができる。 【0046】 本実施例では、エバーラスティングエキス、アツケシソウエキス、ロックローズエキス、フレンチラベンダーエキスの配合量をそれぞれ0.5%としているが、0.001〜5.0%であればよく、好ましくは0.01〜2.0%である。 【0047】 配合量を0.001%よりも少なくした場合には、α波の発現性が低下するおそれがあり、5.0%より多くした場合には、各エキスの香りを強く感じることにより、場合によっては不快感を覚えることによりストレスの原因となるおそれがある。 【0048】 さらに、エバーラスティングエキスと、アツケシソウエキスと、ロックローズエキスと、フレンチラベンダーエキスをそれぞれ等量ずつ配合することによって、お互いの香りを調和させることができ、アロマセラピー的な効果からも身心をリラックスさせてα波を発現させやすくしているものと思われる。 【0049】 前述した保湿試験や血流量の測定試験では、試験品を皮膚に直接的に塗布しただけであるが、超音波振動する振動面や振動体を備えた美顔器や、低周波で皮膚を刺激する機能を備えた美顔器等で、試験品が塗布された皮膚を刺激することによって、皮膚による試験品の吸収を向上させることが可能であり、さらなる保湿性の向上や血流量の増大などによる皮膚のアンチエイジング効果の増大を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】保湿試験の結果を示したグラフである。 【図2】血流量の測定結果を示したグラフである。 【図3】血管年齢の測定結果を示したグラフである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】502087116 【氏名又は名称】株式会社ツツミプランニング
|
| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080160 【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2008−13437(P2008−13437A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−182756(P2006−182756) |
|