| 【発明の名称】 |
カロチノイド組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】スーダン、エティエンヌ
【氏名】ベザレル、リー
【氏名】シックラー、ヘドヴァ
【氏名】パルティエル、ジュディス
【氏名】ベンーアモッツ、アミ
【氏名】シャイシュ、アヴィヴ
【氏名】ペリー、イノン
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| 【要約】 |
【課題】酸化およびUV線への曝露の結果として生じる様々な種類の損傷を予防するためのカロチノイドの組成物が提供される。その組成物は、局所性の化粧品または医薬品並びに食品における添加物として使用することができる。
【構成】フィトエンとフィトフルエンとを、200:1〜1:200の重量比で含有し、無色であり、そして、前記組成物がUV波長域の光スペクトルを吸収する特性を有している組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酸化またはUV線への曝露の結果として生じる損傷の予防に有効な組成物であって、 前記組成物の有効成分として、フィトエンとフィトフルエンとが含有され、 前記組成物中における前記フィトエンと前記フィトフルエンとの重量比が、200:1〜1:200の範囲内にあり、 前記組成物が無色であり、そして、 前記組成物がUV波長域の光スペクトルを吸収する特性を有している ことを特徴とする組成物。 【請求項2】 前記組成物が、環境上の危険から皮膚を保護するための局所性皮膚製剤であり、そして、前記フィトエンと前記フィトフルエンとを、皮膚に対し酸化保護効果およびUV保護効果を奏するのに有効な用量で組み合わせて含有する請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 前記組成物が、化粧品または医薬品である請求項2に記載の組成物。 【請求項4】 前記組成物が、食品添加物である請求項1に記載の組成物。 【請求項5】 前記組成物中のフィトエンとフィトフルエンとの重量比が、50:1〜1:50の範囲内にある請求項1に記載の組成物。 【請求項6】 前記組成物中のフィトエンとフィトフルエンとの重量比が、10:1〜1:10の範囲内にある請求項5に記載の組成物。 【請求項7】 前記組成物が、疎水性基材を含有する請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の組成物。 【請求項8】 前記組成物が、ゼータカロチンを含有する請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の組成物。 【請求項9】 前記フィトエン及び前記フィトフルエンが化学的方法によって合成されたものである請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の組成物。 【請求項10】 前記フィトエンおよび前記フィトフルエンが組換え法によって調製されたものである請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はカロチノイド組成物に関する。本発明の組成物は、食品、化粧品や、様々な医療用途等に使用することができる。 【背景技術】 【0002】 カロチノイドは、微生物類、真菌類および植物によって産生される色素であり、それらによって酸化防止剤および過度の放射線に対する保護剤として使用されている。食品、医薬品または化粧品において最も広く使用されているカロチノイドは、β−カロチンおよびリコペンである。β−カロチンおよびリコペンは光線および酸化に高感受性であるが、この特性はそれらの使用を相当大きく制限し、それらを含有する製品の保管寿命を短縮する(Carotenoids,Chemistry and Biology(カロチノイド、化学および生物学),Krinski,N.I.,Matthews−Roth,M.M.,Taylor,R.F.,(Eds),Planum Press,New York,London,1989を参照)。さらに、β−カロチンおよびリコペンは独特のオレンジ色を有しており、この色は様々な化粧品または食品における用途を重大に制限する。 【0003】 フィトエン(7、8、11、12、7'、8'、11' 、12'−オクタヒドロ−γ、γ−カロチン)およびフィトフルエン(15Z、7、8、11、12、7'、8'−ヘキサヒドロ−γ、γ−カロチン)は、β−カロチン、リコペンおよびその他のカロチノイド類の産生を導く生合成経路における前駆物質であるカロチノイド(C−40イソプレノイド鎖)である(フィトエンは第1カロチノイド特異的前駆物質であり、フィトフルエンはそれからその後の不飽和化ステップで産生される)。フィトエンは完全に無色であるが、他方フィトフルエンはかすかに黄色がかった色を呈する。一定のトランスフェクト癌細胞内へフィトエンの発現をもたらすDNA配列を導入することを開示した日本国特許出願第90−40520号は、癌細胞の増殖の阻害およびエプスタイン・バー・ウイルス(EBV)の活性化の阻害を生じさせた。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明に従うと、フィトエンおよびフィトフルエンが抗酸化特性を有しており、さらにその上にUV(紫外)線を吸収する能力があることが証明された。さらに、これらの特性を有しているにもかかわらず、フィトエンおよびフィトフルエンは、例えばβ−カロチンに比較して、酸化に対してはるかに安定性であることが発見された。これらの発見は、フィトエンおよびフィトフルエンを組み合わせると環境的に誘発される様々な種類の損傷の予防に有益であろうという認識を導いた。 【0005】 そこで、本発明に従うと、酸化およびUV線への曝露の結果として生じる損傷の予防において組み合わせると有効な、ある量のフィトエンおよびある量のフィトフルエンを含有する組成物が提供される。 【0006】 本発明に従うと、用語「損傷」は、例えば酸素自体、ヒドロキシル基、過酸化水素、その他の遊離基、オゾン等のような様々な酸化剤、または例えばUVAおよびUVB照射のようないずれかの種類の有害なUV照射の結果として生じる何らかの損傷であると理解しなければならない。損傷は製剤が使用される標的に左右されるであろう。従って、製剤が皮膚上で使用される場合は、損傷は熱傷、水疱、例えば皮膚の早期老化のような日光への慢性的曝露後に出現する損傷等のような何らかの皮膚損傷の可能性がある。製剤が食品防腐剤として使用される場合は、損傷は製品安定性の低下、例えば酸敗化、促進老化等を生じさせる化学的変化の形である可能性がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明のある好ましい実施形態に従うと、フィトエンおよびフィトフルエンを、組み合わせるとこれらのカロチノイドが皮膚に酸化保護作用およびUV保護作用を発揮するような有効量で含有する、環境危険から皮膚を保護するための局所性皮膚用組成物が提供される。 【0008】 用語「環境上の危険」は、例えばUV照射または酸化剤のような損傷を与える可能性のある何らかの環境要因に関連する。 【0009】 用語「有効な容量」は、組み合わせて投与されたときに望ましい保護作用を達成する、ある量のフィトエンおよびある量のフィトフルエンを意味すると理解されなければならない。 【0010】 本発明の組成物中のフィトエンおよびフィトフルエンは、各々がそれらのtrans形またはそれらのcis形のいずれであってもよい。 【0011】 本発明の組成物中のフィトエンおよびフィトフルエンの重量比は、200:1〜1:200(フィトエン:フィトフルエン)の範囲内、典型的には50:1〜1:50の範囲内であってよいが、好ましくは10:1〜1:10の範囲内であり、10:1(フィトエン:フィトフルエン)が特定実施例である。フィトエン対フィトフルエンの上記の比率は、望ましい比率で両方のカロチノイドを含有する抽出物を使用すること、望ましい比率が入手されるように両方のカロチノイドを含有する抽出物に追加量の一方のカロチノイドを添加すること、またはそれらの間で望ましい比率を達成するために両方の個別カロチノイド(各々は上記で言及されたまたは上記および下記で説明される方法のいずれかによって入手される)を混合することのいずれによって達成されてもよい。 【0012】 本発明の組成物の1つの新規の特徴は、上記の特性を有していながら、フィトエンおよびフィトフルエンの組み合わせには本質的に全く色がない(フィトフルエンがほとんど目には見えないほんの僅かに黄色がかっていることを除いて)点である。この組成物が本質的に無色であるという事実は、これらのカロチノイドがそれらを含有する製剤の審美的特性に何の影響も及ぼさないことを保障する。さらに、可視範囲内における光線の吸光度が存在しない(これはそれらが本質的に無色であるという事実の現れである)ことは、それらを可視光線下での劣化に対して安定性にさせる。 【0013】 上記の好ましい実施形態に従うと、本製剤は例えばUV(UVAおよび/またはUVB)照射または様々な酸化剤によって影響を受ける可能性がある損傷を含む上記のような環境危険から皮膚を保護するための局所性化粧品または医薬品として使用することができる。本発明の局所性組成物はゲル、O/W(水中油)型またはW/O(油中水)型エマルジョン、軟膏剤等の形状であってよい。 【0014】 別の実施形態に従うと、本組成物は、例えば油もしくは脂肪のような様々な食品成分の酸化を保護するための防腐剤として役立たせるための食品添加物として使用することができる。 【0015】 ときには、本発明の組成物は組成物の基本的特徴を実質的に変更させない追加の成分を含むことができる。そうした成分の1つの例はゼータカロチン(7、8、7'、8'−テトラヒドロ−γ、γ−カロチン)である。 【0016】 本発明の組成物は明らかにその用途に依存して、さらにその他の成分、化粧品学的または製薬学的に容認可能な基材、防腐剤、その他の抗酸化剤、例えば局所性に作用する薬物のような様々な製薬学的または化粧品学的有効成分等を含むことができる。 【0017】 ある好ましい実施形態に従うと、本組成物はさらに例えば植物油、鉱油もしくは合成油のような化粧品、医薬品または食品産業において典型的に使用される油類から選択することのできる疎水性基材を含有する。 【0018】 フィトエンおよびフィトフルエンは様々な起源から入手することができる。典型的には、それらは例えば様々な植物、様々な藻類、および特に特異的例である微小藻類のDunaliella sp.のようなカロチノイドを産生する有機体から入手することができる。極めて少量のフィトエンおよびフィトフルエンはβ−カロチノイド産生有機体によって産生されてきた。たとえそうした少量であってもカロチノイドを入手するためには、有機体は薄暗い条件下で成長させられた。本発明に従うと、そうしたカロチノイド産生有機体から相当に大量のフィトエンまたはフィトフルエンの少なくとも一方を生産することを可能にする方法が提供される。用語「相当に大量」は、カロチノイド産生有機体に関連する。用語「相当に大量」は、約0.1mg/l(培地)〜約30mg/l(培地)、典型的には約1mg/l〜約20mg/lの範囲内のフィトエンの量またはフィトフルエンの量に関する。カロチノイド産生有機体が藻類Dunaliella sp.である場合は、産生させることのできるフィトエンおよびフィトフルエンの典型的な量は約1mg/l〜約15mg/lである。本発明の方法に従うと、典型的には藻類であるカロチノイド産生有機体を種々様々な条件下で成長させることができる。 【0019】 カロチノイド産生有機体は、例えばDunaliella sp.の場合には、屋外において約10℃〜約40℃の温度の海水および再生海水を含有する成長培地を含む屋外プール中で成長させられる。有機体は80%遮光から完全直射日光までの程度の直射日光下で成長させることができる。ある好ましい実施形態によると、カロチノイド産生有機体は約40%遮光から完全直射日光までの範囲内の明るい光線下で成長させられる。 【0020】 また、カロチノイド産生有機体は成長培地中で、典型的には発酵槽内および典型的には室温で成長させられるが、この場合には成長培地は典型的には種々の組み合わせで様々な塩およびミネラルを含有するであろう(例えば下記の実施例1.1を参照)。この実施形態に従うと、有機体は約10W/m2より上方および約10W/m2〜約200W/m2の範囲内の広帯域光線(可視光線の実質的な部分全体に及ぶ光線)下で成長させられる。 【0021】 相当に大量のフィトエンおよび/またはフィトフルエンは典型的には数日間(例、約4〜6日間)に渡る有機体の成長後に産生される。 【0022】 フィトエンおよびフィトフルエンは、典型的にはカロチノイド産生の生化学経路におけるその後の反応ステップで作用できる阻害剤であるカロチノイド生合成阻害剤の存在下でβ−カロチン産生有機体を成長させることによって、有機体の細胞内におけるフィトエンおよびフィトフルエンの蓄積に好都合な条件下で入手される。1つの例として「4−クロロインヒビター」がある。フィトエンおよびフィトフルエンの起源が微小藻類Dunaliellaである場合、4−クロロインヒビターは典型的には約0.1μMの濃度で成長培地内に含まれる(Ben−Amotz et al.,Plant Physiol.86:1286,1988)。使用できるその他の阻害剤は、例えばJ334(Ben−Amotz et al.上記参照)、Sandoz H 6706(Kuemmel,H.W.et al.,Z.Naturforsch 30c,333,1975)、ジ−フェニル−アミン(DPA)(Foppen F.H.,Ann.Ist.Super.Sanita,439,1969)およびニコチン(Shaish et al.,Plant Cell Physiolo 31:689,(1990))である。 【0023】 フィトエンまたはフィトフルエンの少なくとも一方を含む組成物は下記のステップを含む方法により調製され得る: (i)1種以上のカロチノイド合成阻害剤の存在下で、約10W/m2より上方の強度を有する広帯域光線下の成長培地中においてカロチノイド産生有機体をインキュベートするステップ; (ii)フィトエンまたはフィトフルエンの少なくとも一方の濃度が約1mg/l(培地)〜約50mg/l(培地)になるまで前記カロチノイド産生有機体を成長させるステップ;および (iii)前記有機体を培地から分離させるステップ。 【0024】 また、フィトエンまたはフィトフルエンの少なくとも一方を含む組成物は下記のステップを含む方法により調製され得る: (i)1種以上のカロチノイド合成阻害剤の存在下で、約80%遮光から全直射日光の程度の直射日光下の成長培地中においてカロチノイド産生有機体をインキュベートするステップ; (ii) フィトエンまたはフィトフルエンの少なくとも一方の濃度が約1mg/l(培地)〜約50mg/l(培地)になるまで前記カロチノイド産生有機体を成長させるステップ;および (iii)前記有機体を培地から分離させるステップ。 【0025】 本発明のこの態様に従うと、成長した有機体中で入手されるフィトエンおよびフィトフルエンは産生有機体の乾物から分離せずに使用することができる。しかし、ある好ましい実施形態に従うと、カロチノイド産生有機体の培地からの分離に引続いて、本製剤はさらにフィトエン、フィトフルエンまたは両方から調製される。典型的には、本製剤は例えばエタノール:ヘキサン抽出法のような技術において知られているいずれかの抽出方法によってカロチノイド産生有機体から調製できる抽出物である。 【0026】 本発明によれば、典型的にはフィトエンおよびフィトフルエンの両方がカロチノイド産生有機体から入手され、フィトエン対フィトフルエンの比率はその有機体がその下で成長させられる条件、および製剤が調製されるときには製剤を入手するために使用される方法のタイプに従って変動する可能性がある。しかし時には、一定の条件下で、本発明の方法に従ってカロチノイド産生有機体を成長させるステップがこれら2種のカロチノイドのほとんど1種または1種のみを入手することを生じさせる場合がある。 【0027】 本発明に従うと、さらにカロチノイドの比率がカロチノイド抽出中に活性炭を添加することによってフィトエンおよびフィトフルエンに好都合に増強される可能性があることが発見された。活性炭は阻害剤が使用されるとき並びにカロチノイド産生有機体が阻害剤なしで成長させられるときに添加することができる。活性炭は後になっていずれかの知られている遠心分離法または濾過法を使用して培地または製剤から濾して除去される。 【0028】 上記に加えて、本発明に従うと本発明の組成物中のカロチノイドはさらにまたいずれかの知られている化学的もしくは生化学的方法または組換え法によって合成することもできる。化学的には、例えばフィトエンはフィトエンシンターゼによって媒介される反応において2種のゲラニルゲラニルピロリン酸(C−20)から合成することができる。ゲラニルゲラニルピロリン酸は、メバロン酸の変換またはピルビン酸塩とグリセルアルデヒド−3−リン酸の縮合によって直接に入手することができる。フィトフルエンはフィトエンデサチュラーゼによって媒介される反応であるフィトエンの不飽和化によって合成することができる。組換え法には、例えばフィトフルエンに向かって活性である酵素の突然変異が含まれる。そうした合成フィトエンおよびフィトフルエンは、上記で説明されたようなカロチノイドを産生する有機体から入手されたフィトエンおよびフィトフルエンの活性と実質的に類似である活性を有するであろう。 【0029】 本発明の組成物中のカロチノイドの安定性は、カロチノイド組成物に光線を照射することおよび/または組成物を酸化剤に曝露させることによって試験することができる。そうした処置が本発明の組成物中のカロチノイドに及ぼす作用は、例えばβ−カロチンのような他のカロチノイドへそうした処置が及ぼす作用より小さい。有効量のカロチノイドを含有する先行技術組成物においては、そうした処置は典型的には例えば吸光度の変化、すなわち色によって発現するカロチノイドの劣化を生じさせる。本発明の組成物の抗酸化作用は、例えばDNAへの抗酸化保護作用を測定することによって測定することができる(Salles et al.,Anal.Biochem.,232:37,1995)。 【0030】 今度は比限定的な特定実施例についての下記の説明で本発明をさらに具体的に説明する。 【実施例】 【0031】 I.材料および方法 1.成長培地 下記の成長培地が使用された: 1.1下記を含有する成長培地: MgSO4、5mM;CaCl2、0.2mM;KH2PO4、0.2mM;FeCl3+Na2EDTA、2μM+5μM;MnCl2、7μM;CuCl2、1μM;ZnCl2、1μM;CoCl2、1μM;(NH4)6MO7O24、1μM;NaCl、1M;NaHCO3、50mM;KCl、5mM. この成長培地は、典型的には人工条件下の屋内でカロチノイド産生有機体を成長させるために使用される。 1.2 2Mの塩分濃度を生じさせる量で海水および再生海水を含有する成長培地。そうした培地は、典型的には屋外の直射日光下でカロチノイド産生有機体を成長させるときに使用される。成長培地の最終pHは7.0〜8.0である。 【0032】 2.化学薬品 β−カロチン生合成阻害剤4−クロロ−5(メチルアミノ)−2−(3−(トリフルオ ロメチル)フェニル)−3(2H)−ピリダジノン。4−クロロインヒビターは、フィト エンおよびフィトフルエン産生のために使用された。4−クロロインヒビターの濃度範囲 は約0.07μM〜約0.5μMであった。未処理活性炭は他のカロチノイドに対するフィトエンおよびフィトフルエンの比率を増加させるために使用された。活性炭は抽出物調製の最終ステップで抽出物から濾して除去された。様々な市販で使用される油がフィトエンおよびフィトフルエンを溶解させるために使用された。 【0033】 3.Dunaliella sp.の成長 藻類Dunaliella sp.は下記のうちの1つの条件下で成長させられた: 3.1 薄暗い光線(約1W/m2)から明るい光線(約10W/m2より上)の範囲内で変化させられた人工照明下で、典型的には10W/m2〜200W/m2の範囲内の10W/m2より上方の光線下で、室温の発酵槽内に入れられた上記の1.1に記載された成長培地中において。 3.2 80%遮光から完全直射日光まで、典型的には約40%遮光から完全直射日光までの範囲内の光線条件下で、約10℃〜約40℃の温度の屋外プールにおいて。 【0034】 4.カロチノイド抽出法 フィトエンおよびフィトフルエンは、0.07μM〜1.0μMの濃度の4−クロロインヒビターによって藻類Dunaliella sp.におけるβ−カロチン合成の阻害によって産生させられた。藻類は上記の通りに屋外または屋内のいずれかでの藻類の4〜6日間の成長後に収集され、細胞小球がエタノール:ヘキサン(1:2)v/vを用いて抽出された。エタノールは少なくとも1:10の藻類:エタノール比で細胞小球に最初に添加された。この段階では、エステル結合の基礎加水分解は少なくとも30分間攪拌しながら0.5M NaOHを添加することによって実施される。エタノール:ヘキサン相分離は適切な量のNaClの添加によって達成される。ヘキサンフラクションは分光光度法によって分析された。ヘキサンは真空下で乾燥させられ、カロチノイドはヘキサンまたは油中に再溶解させられた。 【0035】 5.分光光度法による分析 フィトエンおよびフィトフルエン抽出物の吸収スペクトルはHewlettPackard社製8452Aダイオード・アレー分光光度計を使用して測定された。 【0036】 6.UV線および種々のインキュベーション温度での好気性条件下におけるフィトエンおよびフィトフルエンの安定性 様々な温度におけるカロチノイドの安全性は、4℃、23℃、30℃および60℃での種々のタイプの油および溶媒中におけるフィトエンおよびフィトフルエンの長時間インキュベーションによって測定された。残ったフィトエンおよびフィトフルエンの量は分光光度法によって測定された。フィトエンおよびフィトフルエンの残留率は次のように計算された: {処置後のフィトエンおよびフィトフルエン(mg/ml)/処置前のフィトエンおよびフィトフルエン(mg/ml)}*100=PHおよびPFの残留率(%) 300/310μw/cm2でUV線(254nm、365nm、254+365nm)に30分間曝露させられた場合の安定性が測定された。 【0037】 7.可視光線における好気性条件下でのフィトエンおよびフィトフルエンの安定性 可視光線下のフィトエンおよびフィトフルエンの安定性は、「ホット・ミラー(hot mirror)」(Andover Corporation社製、サーレム、ニューハンプシャー州、透過度400〜650nm)フィルターを通して濾過された直射日光(イスラエルのレホボトにおける盛夏の正午に)下で測定された。サンプルはエタノール中に溶解させられ、日光に30〜150分間曝露させられ、その後基礎加水分解後にヘキサン中で抽出された(上記の抽出法の通りに)。フィトエン、フィトフルエンおよびβ−カロチンの量は分光光度法によって測定され、残留百分率が上記の5.に記載された通りに計算された。 【0038】 8.抗遊離基活性 8.a ヒドロキシル基のクエンチング 化合物がヒドロキシル基(0OH)の活性をクエンチする能力は、電子常磁性共鳴(EPR)法によって化合物を用いた場合と用いない場合の信号強度を比較することによって測定された。ヒドロキシル基は、鉄による過酸化水素の分解[(FeSO4)フェントン反応]によって生成された。0OHは、DMPOによって捕獲されて、EPRにおいて特徴的な信号を発するDMPO−OH付加物を生成する。各々6.66:1の比でフィトエンおよびフィトフルエンから構成される化合物は、3種の1/20、1/50および1/200の最終希釈率でこの系に添加された。0OHの捕獲によってだけではなくDMPO−OH付加物への添加によっても様々な物質が信号を減少させる可能性があるので、フェントン反応後に生成物が添加された(後添加)ときにも信号を評価する必要がある。ヒドロキシル基の捕獲能力は理論的には生成物の前添加に対応するEPR信号の数値と後添加の結果として生じる信号の数値の相違によって評価される。 8.b 抗酸化作用によるDNA保護 化合物の抗酸化作用によるDNA保護はSallesら(上記参照)の方法に基づいて試験された。この試験では、反応性酸素種(ROS)を生成する酸化DNA損傷に対する化合物の保護作用が、プラスミドDNA標的を使用してDNAの損傷形成の阻害を定量化することによって測定された。 【0039】 II.結果 実施例1.フィトエンおよびフィトフルエンの産生 フィトエンおよびフィトフルエンは、上記の通りに0.1〜0.5μgのβ−カロチン生合成4−クロロインヒビターの存在下で藻類Dunaliella sp.を成長させることによってこの藻類から生産された。その後、培地が抽出され、抽出物は蒸発によって乾燥させられ、ヘキサンまたは油中に再溶解させられた。抽出されたカロチノイド中において4−クロロインヒビターの残留物は検出されなかった。図1から明らかなように、フィトエンの主要吸光度ピーク値は286nm(UVB)であることが発見され、さらに図2から明らかなように、フィトフルエンの主要吸光度ピーク値は348nm(UVA)であることが発見された。予想された通りに、β−カロチンの主要吸光度ピーク値は450nmであった。β−カロチンは合成阻害のために減少したが、他方フィトエンおよびフィトフルエンは増加した。 【0040】 実施例2.抽出されたフィトエンおよびフィトフルエンのUV線下での安定性についての実施例 上記の実施例1で説明された通りに入手されたフィトエンおよびフィトフルエンの安定性が分光測光分析法によって測定された。フィトエンおよびフィトフルエンは、ヘキサンまたは油中に溶解させられた。製剤の吸光度は220〜600nmで測定され、抽出物の照射後に測定されたカロチノイドの量を放射線曝露前に抽出物中で測定された同一カロチノイドの量で割った百分率を決定するために各サンプル中の上記のカロチノイド各々の量が計算される(上記の材料および方法の5.を参照)。フィトエンおよびフィトフルエンの安定性は、UVA線(365nm)およびUVB線(254nm)の両方並びにUVAおよびUVB照射の組み合わせに抽出物を曝露させることによって測定された。下記の表1から明らかなように、油またはヘキサン中に溶解させたフィトエンおよびフィトフルエンはUVA、UVBまたはUVA+B照射に曝露させた後に極めて安定性であった。 【0041】 【表1】
【0042】 ヘキサン中または他の種々の市販の油中における種々の温度条件(4℃、23℃、30℃および60℃)下でのフィトエンおよびフィトフルエンの安定性もまた測定された。測定は4ヶ月間に渡って実行された。フィトエンおよびフィトフルエンは、カロチノイドが溶解させられた油の種類から実質的な影響を受けることなく、測定された全温度範囲において安定性であることが発見された。 【0043】 実施例3.抽出されたフィトエンおよびフィトフルエンの可視光線下での安定性 フィトエンおよびフィトフルエンの安定性が(材料および方法の項で説明された通りに)可視光線下でβ−カロチンの安定性と比較された。製剤の吸光度は220〜600nmの波長で測定され、各サンプル中の上記のカロチノイド各々の量が計算され、照射前の測定値に比較した抽出物の照射後に測定されたカロチノイドの百分率が測定される(上記の実施例2参照)。表2に示されているように、高強度の可視光線への曝露はフィトエンおよびフィトフルエンと比較してβ−カロチンの統計的有意に高い劣化を惹起する。 【0044】 【表2】
【0045】 実施例4.抗遊離基活性 4.a ヒドロキシル基のクエンチング: ヒドロキシル基のクエンチングは、材料および方法の項で説明された通りにEPRによって測定された。入手された結果(表3)は、生成物によるヒドロキシル基の用量依存性の捕獲活性を示している。 【0046】 【表3】
【0047】 生成物は、フィトエン0.02mg/mlおよびフィトフルエン0.003mg/mlの初期濃度で、各々6.66:1の比率のフィトエンおよびフィトフルエンから構成された。 各結果の平均値は3回の測定値から引き出されたものである。 4.b 抗酸化作用: フィトエンおよびフィトフルエン抽出物の抗酸化作用によるDNA保護は、上記の材料および方法の7.bで説明された通りにSalles法(上記参照)に基づいて測定された。 下記の表4から明らかなように、上記の通りに入手されたフィトエンおよびフィトフルエンはヒドロキシル基から保護することができた。 【0048】 【表4】
【0049】 実施例5.フィトエンおよびフィトフルエンによるDNAへの保護作用 遺伝毒性作用 遺伝毒性はDNA修復合成活性の誘発として測定され、比率(R)によって表される:このときR≦2は毒性作用がないことを意味する。 R=サンプルの相対光度単位/溶媒単独の相対光度単位 下記の表5から明らかなように、フィトエンおよびフィトフルエンは遺伝毒性ではない。 パラメーターRは統計的有意に2より小さく(保護作用)、さらに既知の遺伝毒性化合物である陽性対照と比較してはるかに小さい。 【0050】 【表5】
【0051】 実施例6. 下記は本発明に従って使用できる組成物の例である: A−O/W型の乳化ゲル(局所性経路): −Carbopol 981(Goodrich社によって市販) 0.6g −エチルアルコール 15g −揮発性シリコーン油 3g −パーセリン油 7g −防腐剤 0.3g −香料 0.4g −トリエタノールアミン 0.2g −フィトエン 0.01g −フィトフルエン 0.001g −脱塩水、十分量 100g 【0052】 B−無水ゲル(局所性経路): −プロピレングリコール 25g −ヒドロキシエチルセルロース 0.8g −ポリエチレングリコール 12g −フィトエン 1g −フィトフルエン 1g −無水エタノール、十分量 100g 【0053】 C−O/W型エマルジョン(局所性経路): −流動パラフィン 6g −流動ラノリン 3g −Arlacel 165(Atlas社によって市販) 6g −Tween 60(Atlas社によって市販) 2g −セチルアルコール 1.2g −ステアリン酸 2.5g −揮発性シリコーン油 10g −トリエタノールアミン 0.1g −防腐剤 0.3g −酸化防止剤 0.3g −フィトエン 0.3g −フィトフルエン 0.2g −脱塩水、十分量 100g 【0054】 D−リポソーム含有クリーム剤(局所性経路): −ひまわり油 35g −セチルアルコール 4g −B−シトステロール 4g −リン酸ジセチル 0.5g −防腐剤 0.3g −香料 0.6g −Carbopol 981(Goodrich社によって市販) 0.2g −トリエタノールアミン 0.2g −スフィンゴシン 005g −フィトエン 0.00001g −フィトフルエン 0.000001g −脱塩水、十分量 100g 【0055】 E−経口用組成物: −タルク 5g −Aerosil 200 5g −亜鉛のステアリン酸塩 5g −フィトエン 0.0000015g −フィトフルエン 0.000001g−ラクトース、十分量 400g 【0056】 F−W/0型エマルジョン(局所性経路): −Protegin(Goldschmidt社によって市販) 19g −グリセリン 3g −ワセリン油 8g −フィトフルエン 0.5g −フィトエン 0.5g −マグネシウムの硫酸塩 0.5g −香料 0.8g −防腐剤 0.2g −水、十分量 100g 【図面の簡単な説明】 【0057】 【図1】4−クロロインヒビターを用いて成長させたDunaliella sp.から抽出さたフィトエンを含有する組成物のUV吸光度スペクトルである。 【図2】4−クロロインヒビターを用いて成長させたDunaliella sp.から抽出されたフィトフルエンのUV吸光度スペクトルである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501088730 【氏名又は名称】アイ・ビー・アール イスラエリ バイオテクノロジー リサーチ リミテッド
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| 【出願日】 |
平成19年9月12日(2007.9.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060690 【弁理士】 【氏名又は名称】瀧野 秀雄
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| 【公開番号】 |
特開2008−1721(P2008−1721A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2007−236262(P2007−236262) |
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