| 【発明の名称】 |
シリンジ製剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 淳一
【氏名】加藤 泰己
【氏名】中倉 政司
【氏名】伊藤 邦雄
【氏名】山本 浩
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| 【要約】 |
【課題】通常の注射剤におけるアンプルカット作業から注射器に充填するまでの作業を省き、薬剤投与に至るまでの時間を短縮できる新規な注射剤を提供するとともに、シリンジ製剤の薬液の安定性を向上させること。
【構成】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 包装された、薬液を封入してなるシリンジ製剤であって、 薬液を封入してなるシリンジ製剤を、脱酸素剤とともに材質が0.1×10-11cm3 (STP)cm-1s-1cmHg-1未満の酸素透過係数をもつ樹脂の袋である容器に入れる工程、および 該容器を密閉する工程からなる包装方法で包装されたシリンジ製剤。 【請求項2】 包装された、薬液を封入してなるシリンジ製剤であって、 薬液を封入してなるシリンジ製剤を、脱酸素剤入りで、かつ材質が0.1×10-11cm3 (STP)cm-1s-1cmHg-1未満の酸素透過係数をもつ樹脂の袋である容器に入れる工程、および 該容器を密閉する工程からなる包装方法で包装されたシリンジ製剤。 【請求項3】 包装方法が、窒素ガス雰囲気で容器を密閉することを特徴とする包装方法である請求項1または2記載のシリンジ製剤。 【請求項4】 シリンジの材質が0.1×10-11 cm3 (STP)cm-1s-1cmHg-1未満の酸素透過係数をもつ樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のシリンジ製剤。 【請求項5】 薬液がドパミン又はその薬理学的に許容される塩を含む水溶液である請求項1〜4のいずれかに記載のシリンジ製剤。 【請求項6】 ドパミン又はその薬理学的に許容される塩が塩酸ドパミンである請求項5記載のシリンジ製剤。 【請求項7】 水溶液がさらに塩化ナトリウム、クエン酸一水和物及びピロ亜硫酸ナトリウムを含む水溶液である請求項5又は6記載のシリンジ製剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、医療分野で用いられる薬液を封入してなるシリンジ製剤を密閉した容器及びドパミン又はその薬理学的に許容される塩を含む溶液をシリンジに封入してなるシリンジ製剤に関する。 【背景技術】 【0002】 ドパミンは急性循環不全改善剤であり、心収縮力増強作用、腎血流増加作用、血圧上昇作用を示す。臨床的には心原性ショック、出血性ショック等の急性循環不全状態の改善に有用性が認められており主にアンプルに封入された溶液として供給されている。 【0003】 一般に、アンプルに封入した薬剤を用いる場合には、アンプルカット作業、注射器への薬剤溶液の吸引作業等が必要であり、アンプルカット時のガラス片の薬剤溶液の混入や外気からの汚染物質の混入が問題となっている。また、一部の薬液でシリンジ製剤が知られているが、シリンジはアンプル等の容器に比べて気密性が低く、シリンジ製剤の安定性を低下させている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、シリンジ製剤中の薬液の安定性を向上することを目的とする。また本発明は、通常の注射剤におけるアンプルカット作業から注射器に充填するまでの作業を省き、薬剤投与に至るまでの時間を短縮できる新規な注射剤を提供することも目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は、薬液を封入してなるシリンジ製剤を密閉した容器及びドパミン又はその薬理学的に許容される塩を含む水溶液をシリンジに封入してなるシリンジ製剤に関する。 【発明の効果】 【0006】 本発明のシリンジ製剤は、アンプルカット作業、注射器への薬剤溶液の吸引作業などの手間が省け、アンプルカット時のガラス片の薬剤溶液への混入又は外気からの汚染物質の薬剤溶液への混入を防止することができる。さらに、シリンジ製剤を密閉容器で封入することにより不安定な薬液を安定化に保存することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明の薬液は、シリンジを用いて投与できる薬剤であればいかなる薬剤でもよいが、ドパミン又はその薬理学的に許容される塩を含む水溶液が好ましい。薬理学的に許容される塩としては、酸付加塩等があげられる。酸付加塩としては塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩等の有機酸塩があげられる。 【0008】 水溶液としては、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖液、アミノ酸液等があげられる。上記溶液は、所望により、注射剤に使用しうる成分、例えば緩衝剤、抗酸化剤、等張化剤等を含有していてもよい。緩衝剤としては、例えばクエン酸、乳酸、リン酸二水素カリウム、酢酸、酒石酸等があげられる。抗酸化剤としては、例えばピロ亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸、トコフェロール、ジクロルイソシアヌール酸カリウム等があげられる。等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、ブドウ糖、D-マンニトール等があげられる。 【0009】 本発明に使用するシリンジとしては、特に制限はなく、いかなる形状及び材質のシリンジでもよい。材質としては、例えばガラス製、樹脂製、ゴム製、金属製等があげられる。該樹脂としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、6-ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等も用いうるが、酸素透過係数の低い樹脂が薬液の安定性の観点から好ましい。酸素透過係数の低い樹脂としては、酸素透過係数が0.1×10-11cm3(STP)cm-1s-1cmHg-1未満の樹脂、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン等があげられる。 【0010】 また、シリンジのバレルとガスケットの摺動抵抗を軽減する目的で、例えばポリオレフィン等の樹脂を用いることもできる。 本発明に用いるシリンジ製剤を密閉する容器の形状は特に限定されないが、袋状が好ましい。該容器としては、酸素透過係数が0.1×10-11cm3(STP)cm-1s-1cmHg-1未満の容器である。また該容器の材質としては、酸素の透過を制限しうる材質のものであればいずれの材質のものでも使用でき、例えば金属、ガラス、アルミ、樹脂等があげられ、樹脂が好ましい。 【0011】 樹脂としては、前述の酸素透過係数の低い樹脂に加えて、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着させた樹脂も好適に用いられる。 酸素透過係数の低い袋状の容器としては、例えば塩化ビニリデン樹脂とエチレン-ビニルアルコールの共重合体フィルム、ポリアクリルにトリル系フィルム及び樹脂フィルムに酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着させたフィルムがあげられる。 【0012】 脱酸素剤としては、酸素を吸収する作用を有するものであれば特に限定されないが、例えば酸化防止剤、還元性物質、金属化合物等をあげることができる。 これら脱酸素剤のうち、アスコルビン酸もしくはその塩、イソアスコルビン酸もしくはその塩または鉄粉等の金属粉を含む脱酸素剤が好しく、鉄粉を含有する脱酸素剤が特に好ましい。 【0013】 鉄粉等の金属粉を含む脱酸素材としては、例えばエージレス(登録商標)[三菱ガス化学(株)製]、アンチモールド(登録商標)[フロイント社製]、オキシガード(登録商標)[東洋製缶(株)製]等が市販品として入手できる。本発明に用いるシリンジは、注射針又はカニューレを装着するための先端部をゴム製、プラスチック製、金属製の部品で密封しておき、一方の端部をゴム製、プラスチック製、金属製のガスケットもしくはプランジャー・ロッドで密封しておくことによりキットとして作製することができる。 【0014】 本発明のシリンジ製剤を調製する場合、上記のシリンジにおいて、注射針またはカニューレを取り付けるための先端部或いはプランジャー・ロッド部のいずれかから薬液を充填した後、充填を行った部位を密封する。 さらに、該シリンジ製剤を前述の容器で密閉する。このとき、窒素ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、該シリンジ製剤を該容器で密閉するに際し、脱酸素剤を同時に封入することが好ましい。 【0015】 本発明のシリンジ製剤を使用するときは、先端部密封用部品をはずし、先端に注射針、カニューレ等を装着し、プランジャー・ロッドを操作して、注射操作を行う。 【0016】 試験例1 イノバン注(協和発酵工業社製)のアンプルをカットし、注射針を取り付けた10mlディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)を用いてアンプル内から溶液を吸引後、50ml生理食塩水(プラスチックボトル;大塚製薬社製)にいれ攪拌後、注射針を取り付けた50mlディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)を用いてプラスチックボトル内から溶液を吸引後、注射針を翼状針(二プロ社製)に付け替え空気抜きを行った後、テルモ社製シリンジポンプSTC-525に装着した。全行程の所用時間は5分必要であった。しかし、実施例1で作製したシリンジ製剤をテルモ社製シリンジポンプSTC-525装着までに要した時間は1分であった。容器としてアンプルの代わりにそれ自体注射器となる特定構造の注射用容器を使用することにより、迅速な投与が可能となり得る。 【0017】 試験例2 テルモ社製シリンジポンプSTC-525に実施例1で作製したシリンジをセットし5.0ml/hで作動させた。 シリンジポンプの流量設定値5.0ml/hに対し流量4.97±0.04mlであり、その精度(C.V.)は0.8%であったことより、シリンジポンプに接続しても安定且つ一定速度で作動可能であった。 【0018】 本発明により、容器としてアンプルの代わりにそれ自体注射器となる特定構造の注射容器をすることにより、無菌状態で安定した投与となり得る。 【0019】 試験例3 実施例1及び実施例2で製造した製剤を、相対湿度75%の条件下、40℃と60℃の条件下で保存した。第1表に塩酸ドパミン残存率を、第2表に液体製剤の430nmでの吸光度を示す。 【0020】 【表1】
【0021】 【表2】
【0022】 酸素バリアフィルムで密閉することにより液体製剤の安定性を向上し得る。以下に本発明の実施例を示す。 【実施例1】 【0023】 50ml中に塩酸ドパミン150mg、NaCl 400mg、クエン酸一水和物10.5mg、ピロ亜硫酸ナトリウム15mgを含む溶液を作製し、無菌ろ過後テルモ社製50mlディスポーザブルシリンジに51mlを無菌的に充填し密栓し、シリンジ製剤を製造した。 【実施例2】 【0024】 実施例1と同様に作製したシリンジを真空包装機(ミューチュアル社製)を用いて窒素置換したオキシガード入り酸素バリアフィルム(東洋製缶社製)で包装しフィルム包装シリンジ製剤を製造した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001029 【氏名又は名称】協和醗酵工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年11月1日(2007.11.1) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−68122(P2008−68122A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2007−285581(P2007−285581) |
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