| 【発明の名称】 |
医療用複室容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉川 克行
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| 【要約】 |
【課題】フラッシング作業を効率よく実行することができる医療用複室容器を提供する。
【構成】ライン洗浄用の洗浄液11、13が収容される第一洗浄液収容部5及び第二洗浄液収容部7と、薬液12が収容される薬液収容部6とを具備する医療用複室容器1であって、前記第一洗浄液収容部5に収容される第一洗浄液11が、前記第一洗浄液収容部5に連接された排出口4より排出された後に、前記薬液12が前記排出口4より排出され、前記薬液12が排出された後に前記第二洗浄液収容部7に収容される第二洗浄液13が前記排出口4より排出される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ライン洗浄用の洗浄液が収容される第一洗浄液収容部及び第二洗浄液収容部と、薬液が収容される薬液収容部とを具備する医療用複室容器であって、 前記第一洗浄液収容部に収容される第一洗浄液が、前記第一洗浄液収容部に連接された排出口より排出された後に、前記薬液が前記排出口より排出され、前記薬液が排出された後に前記第二洗浄液収容部に収容される第二洗浄液が前記排出口より排出されることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項2】 可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部、薬液収容部及び第二洗浄液収容部が形成され、前記第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間に両者を区画する解除可能な第一シールが設けられ、前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間に両者を区画する解除可能な第二シールが設けられていることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項3】 前記第二シールのシール解除圧力は、前記第一シールのシール解除圧力より高く設定されていることを特徴とする請求項2に記載の医療用複室容器。 【請求項4】 可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部、薬液収容部及び第二洗浄液収容部が形成され、前記第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び該薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間に外力により開放可能な仕切部材が設けられていることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項5】 可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部、薬液収容部及び第二洗浄液収容部が形成され、前記第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画されており、 前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記第一洗浄液収容部と前記第二洗浄液収容部との間に、解除可能なシール若しくは開放可能な仕切部材が設けられていることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項6】 可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の内部に袋状の薬液収容部及び袋状の第二洗浄液収容部が固設され、 前記薬液収容部及び前記第二洗浄液収容部に、前記薬液収容部に収容される薬液及び前記第二洗浄液収容部に収容される第二洗浄液が前記第一洗浄液収容部に排出されるための解除可能なシール若しくは開放可能な仕切部材が設けられていることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項7】 容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、 前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、 前記第一洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第一のバイパスと、前記薬液収容部の底部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第二のバイパスとを具備し、 前記第一のバイパス内及び前記第二のバイパス内は気体が収容され、上下端が開放可能に閉塞されていることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項8】 容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、 前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、 前記第一洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第三のバイパスと、前記薬液収容部の底部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第四のバイパスとを具備し、 前記第三のバイパスの前記第一洗浄液収容部側の端部と、前記第四のバイパスの前記薬液収容部側の端部とに、洗浄液及び薬液に対する浮力を利用して前記第三のバイパス及び前記第四のバイパスの開口を閉止する閉止機構を設け、 前記第三のバイパス内及び前記第四のバイパス内は気体が収容され、上下端が開放可能に閉塞されていることを特徴とする医療用複室容器。 【請求項9】 容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、 前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、 前記第一洗浄液収容部の頂部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第五のバイパスと、前記薬液収容部の頂部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第六のバイパスとを具備し、前記第五のバイパス内及び前記第六のバイパス内は気体が収容され、上下端が開放可能に閉塞されており、 前記第五のバイパスの容積と第一洗浄液の容量とが等しく、前記第六のバイパスの容積と前記第一洗浄液及び薬液の容量の和とが等しいことを特徴とする医療用複室容器。 【請求項10】 非可撓性容器からなる第一洗浄液収容部に排出口が接続され、容器本体に薬液収容部が形成されており、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間は第一洗浄液の容量と等しい容積を有する第七のバイパスで接続され、 非可撓性容器からなる第二洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第八のバイパスと、前記第二洗浄液収容部の頂部近傍と前記薬液収容部とを接続する第九のバイパスとが設けられ、 前記第七のバイパス内は容器本体内の一端が開放可能に閉塞されており、前記第八のバイパス内及び前記第九のバイパス内は気体が収容され、両端が開放可能に閉塞されており、 前記第二洗浄液収容部の底部が前記薬液収容部の底部よりも高い位置に配されたことを特徴とする医療用複室容器。 【請求項11】 第一洗浄液収容部、薬液収容部、及び第二洗浄液収容部が設けられた医療用複室容器であって、 前記第一洗浄液収容部に第一洗浄液が収容され、前記薬液収容部に薬液が収容され、前記第二洗浄液収容部に第二洗浄液が収容されていることを特徴とする医療用複室容器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、主に静脈注射液に使用する医療用複室容器に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、医療分野においてチューブからなるラインを経由した点滴により栄養剤や注射製剤などの薬液を患者に投与することが行われている。複数の薬液などを患者に投与する場合に、血管を確保できないなどの理由により、薬液の種類の数と同じ数のラインを使用せずに、一つのラインを分岐するなどして兼用し、複数の薬液などを一つずつ順番に切り替えながら患者へ投与する方法が知られている。 【0003】 ところで、複数の薬液などのうち、ある種の薬液においては、他の薬液と混合されると、pHの変化、濃度の変化、物理的相互作用および化学反応などにより、薬効が変化したり、不溶化して微粒子となり、フィルタを目詰まりさせてしまうことや、薬液の色調変化などの外観変化を起こしてしまうことがある。 したがって、同一ラインを使用して、ある種の注射製剤を投与する前に、その他の薬剤などを投与していた場合、また、この逆の順番で投与する際には、ライン中に残存する注射製剤及びその他の薬剤などを確実に取り除いた上で投与する必要がある。 そこで、医療現場では、このような薬液同士の混合による変化を避けるために、薬液の点滴を始める前に、三方活栓から生理食塩水を注射器などでライン中に供給してライン洗浄、いわゆるフラッシングを行った後に点滴をする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2000−140102号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、特許文献1では、注射器を用いてライン中をフラッシングしているが、洗浄液及び薬液を一定の速度で投与するためには、投与のための専用器具が必要となる。更に、注射器でフラッシングした後に、三方コックを切り替えて、注射器を用いて薬液を点滴し、薬液の点滴終了後に再度三方コックを切り替えて、注射器を用いてフラッシングするという手順をふむ必要があり、作業が煩雑になり、フラッシングの操作ミスや操作忘れにより、薬液の変化が発生する虞がある。 【0005】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フラッシング作業を効率よく実行することができる医療用複室容器を提供することを目的の一とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 請求項1に記載の発明は、ライン洗浄用の洗浄液が収容される第一洗浄液収容部及び第二洗浄液収容部と、薬液が収容される薬液収容部とを具備する医療用複室容器であって、前記第一洗浄液収容部に収容される第一洗浄液が、前記第一洗浄液収容部に連接された排出口より排出された後に、前記薬液が前記排出口より排出され、前記薬液が排出された後に前記第二洗浄液収容部に収容される第二洗浄液が前記排出口より排出されることを特徴とする。 このように構成することで、薬液の前後に洗浄液を点滴のラインに供給することができる。 【0007】 請求項2に記載の発明は、可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部、薬液収容部及び第二洗浄液収容部が形成され、前記第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間に両者を区画する解除可能な第一シールが設けられ、前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間に両者を区画する解除可能な第二シールが設けられていることを特徴とする。 このように構成することで、医療用複室容器の操作のみでフラッシング作業と薬液供給作業を行うことができる。 【0008】 請求項3に記載の発明は、前記第二シールのシール解除圧力は、前記第一シールのシール解除圧力より高く設定されていることを特徴とする。 このように構成することで、第一シールを第二シールよりも先により確実に解除することができる。 【0009】 請求項4に記載の発明は、可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部、薬液収容部及び第二洗浄液収容部が形成され、前記第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び該薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間に外力により開放可能な仕切部材が設けられていることを特徴とする。 このように構成することで、医療用複室容器の操作のみでフラッシング作業と薬液供給作業を行うことができる。また、仕切部材を使用することで確実に一箇所ずつ隣り合う収容部間を連通させることができる。 【0010】 請求項5に記載の発明は、可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部、薬液収容部及び第二洗浄液収容部が形成され、前記第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画されており、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記第一洗浄液収容部と前記第二洗浄液収容部との間に、解除可能なシール若しくは開放可能な仕切部材が設けられていることを特徴とする。 このように構成することで、第一洗浄液収容部と薬液収容部との間を連通させる際に、第一洗浄液収容部と第二洗浄液収容部との間に設けられたシール若しくは仕切部材に圧力がかからない。 【0011】 請求項6に記載の発明は、可撓性材料からなる容器本体に、第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の内部に袋状の薬液収容部及び袋状の第二洗浄液収容部が固設され、前記薬液収容部及び前記第二洗浄液収容部に、前記薬液収容部に収容される薬液及び前記第二洗浄液収容部に収容される第二洗浄液が前記第一洗浄液収容部に排出されるための解除可能なシール若しくは開放可能な仕切部材が設けられていることを特徴とする。 このように構成することで、第一洗浄液収容部と薬液収容部との間を連通させる際に、第一洗浄液収容部と第二洗浄液収容部との間に設けられたシール若しくは仕切部材に圧力がかからない。 【0012】 請求項7に記載の発明は、容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、前記第一洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第一のバイパスと、前記薬液収容部の底部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第二のバイパスとを具備し、前記第一のバイパス内及び前記第二のバイパス内は気体が収容され、上下端が開放可能に閉塞されていることを特徴とする。 このように構成することで、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給される。 【0013】 請求項8に記載の発明は、容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、前記第一洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第三のバイパスと、前記薬液収容部の底部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第四のバイパスとを具備し、前記第三のバイパスの前記第一洗浄液収容部側の端部と、前記第四のバイパスの前記薬液収容部側の端部とに、洗浄液及び薬液に対する浮力を利用して前記第三のバイパス及び前記第四のバイパスの開口を閉止する閉止機構を設け、前記第三のバイパス内及び前記第四のバイパス内は気体が収容され、上下端が開放可能に閉塞されていることを特徴とする。 このように構成することで、閉止機構により直上の収容部に収容されている薬液又は第二洗浄液が混合されることなく順番にラインに供給される。 【0014】 請求項9に記載の発明は、容器本体の下部に第一洗浄液収容部が形成され、該第一洗浄液収容部に排出口が接続され、前記第一洗浄液収容部の上部に薬液収容部が形成され、該薬液収容部の上部に第二洗浄液収容部が形成されており、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間、及び前記薬液収容部と前記第二洗浄液収容部との間は解除不能な仕切壁によって区画され、前記第一洗浄液収容部の頂部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第五のバイパスと、前記薬液収容部の頂部近傍と前記第二洗浄液収容部の底部近傍とを接続する第六のバイパスとを具備し、前記第五のバイパス内及び前記第六のバイパス内は気体が収容され、上下端が開放可能に閉塞されており、前記第五のバイパスの容積と第一洗浄液の容量とが等しく、前記第六のバイパスの容積と前記第一洗浄液及び薬液の容量の和とが等しいことを特徴とする。 このように構成することで、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給される。 【0015】 請求項10に記載の発明は、非可撓性容器からなる第一洗浄液収容部に排出口が接続され、容器本体に薬液収容部が形成されており、前記第一洗浄液収容部と前記薬液収容部との間は第一洗浄液の容量と等しい容積を有する第七のバイパスで接続され、非可撓性容器からなる第二洗浄液収容部の底部近傍と前記薬液収容部の底部近傍とを接続する第八のバイパスと、前記第二洗浄液収容部の頂部近傍と前記薬液収容部とを接続する第九のバイパスとが設けられ、前記第七のバイパス内、前記第八のバイパス内、及び前記第九のバイパス内は気体が収容され、両端が開放可能に閉塞されており、前記第二洗浄液収容部の底部が前記薬液収容部の底部よりも高い位置に配されたことを特徴とする。 このように構成することで、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給される。 【0016】 請求項11に記載の発明は、第一洗浄液収容部、薬液収容部、及び第二洗浄液収容部が設けられた医療用複室容器であって、前記第一洗浄液収容部に第一洗浄液が収容され、前記薬液収容部に薬液が収容され、前記第二洗浄液収容部に第二洗浄液が収容されていることを特徴とする。 このように構成することで、注射器などを用いず、通常の点滴を行うような手順で、点滴のライン洗浄を行った後に、薬液の供給を行い、薬液の供給が終了した後に再度ライン洗浄を行うことができる。 【発明の効果】 【0017】 請求項1に記載の発明によれば、薬液の前後に洗浄液を点滴のラインに供給することができるため、ラインを確実にフラッシングし、点滴することができる効果がある。 【0018】 請求項2に記載の発明によれば、医療用複室容器の操作のみでフラッシング作業と薬液供給作業を行うことができるため、三方活栓などを多用する場合より作業が煩雑になることがなく、効率よくフラッシング作業を伴う点滴を行うことができる効果がある。 【0019】 請求項3に記載の発明によれば、第一シールを第二シールよりも先に解除することができるため、順番通り洗浄液及び薬液をラインへ供給することができる効果がある。 【0020】 請求項4に記載の発明によれば、医療用複室容器の操作のみでフラッシング作業と薬液供給作業を行うことができるため、三方活栓などを多用する場合より作業が煩雑になることがなく、効率よくフラッシング作業を行うことができる効果がある。また、仕切部材を使用することで確実に一箇所ずつ隣り合う収容部間を連通させることができるため、確実に順番通り洗浄液及び薬液をラインへ供給することができる効果がある。 【0021】 請求項5及び請求項6に記載の発明によれば、第一洗浄液収容部と薬液収容部との間を連通させる際に、第一洗浄液収容部と第二洗浄液収容部との間に設けられたシール若しくは仕切部材に圧力がかからないため、確実に順番通り洗浄液及び薬液をラインへ供給することができる効果がある。 【0022】 請求項7に記載の発明によれば、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給されるため、効率よくフラッシング作業を伴う点滴を行うことができる効果がある。 【0023】 請求項8に記載の発明によれば、閉止機構により直上の収容部に収容されている薬液又は第二洗浄液が混合されることなく順番にラインに供給されるため、確実にフラッシング作業と点滴を行うことができる効果がある。 【0024】 請求項9及び請求項10に記載の発明によれば、第一洗浄液の排出を開始すると、人為的な作業をせずに薬液及び第二洗浄液が順番にラインに供給されるため、効率よくフラッシング作業を伴う点滴を行うことができる効果がある。 【0025】 請求項11に記載の発明によれば、注射器などを用いず、通常の点滴を行うような手順で、点滴のライン洗浄を行った後に、薬液の供給を行い、薬液の供給が終了した後に再度ライン洗浄を行うことができるため、効率よくフラッシング作業を伴う点滴を行うことができる効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0026】 (第一実施形態) 本発明の第一実施形態を図1、図2に基づいて説明する。 図1に示すように、医療用複室容器1は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される矩形状の合成樹脂フィルムからなる容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に各フィルムに狭持された樹脂製で中空形状の排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が長手方向に並べて配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。 【0027】 第一洗浄液収容部5と薬液収容部6との間には、剥離して開通することができる直線状の第一弱シール部9が形成されており、薬液収容部6と第二洗浄液収容部7との間には、剥離して開通することができる直線状の第二弱シール部10が形成されている。 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。 【0028】 また、排出口4と第一洗浄液収容部5とは連通された構成となっており、排出口4により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、円形の掛吊孔14が形成されている。また、排出口4には、刺栓針が刺入できる面を覆う図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 【0029】 ここで、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、軟質塩化ビニル樹脂、スチレン系エラストマー、ナイロン、エチレン−ビニルアルコールコポリマーなどが挙げられる。これらの素材は、混合して使用されてもよいし、また単層でも多層でもよい。 【0030】 第一弱シール部9及び第二弱シール部10の形成方法としては、例えば、容器本体3の内面側をポリエチレンとポリプロピレンの混合物などの融点や相溶性の異なる樹脂組成物からなる層を形成させた合成樹脂フィルムを用いて、高融点の樹脂の溶融温度以下でシールする方法が挙げられる。或いは、ヒートシールを低温で行い、半溶着状態で弱接着させる方法、また、弱シール部の形成部分に予め電子線等で架橋した可撓性材料を用いたり、強融着部分を特定の面積割合で発生させるシールバーを用いたり、或いは、2枚の可撓性材料の間に易剥離性の樹脂テープを挟む方法等も挙げられる。 また、シール温度やシール時間などの熱シール条件を特定の条件とすることで剥離可能なシールとしてもよい。シールの表面形状をローレットなどの特殊な形状にすることで剥離可能なシールとしてもよい。 【0031】 ここで、第二弱シール部10を剥離する圧力は、第一弱シール部9を剥離する圧力よりも高く設定されていると第一弱シール部9を剥離する際に、第二弱シール部10が剥離することを確実に防止することができるため、好ましい。なお、第二弱シール部10を剥離する圧力が、第一弱シール部9を剥離する圧力よりも高く設定されているとは、薬液収容部6を外部から押圧し、薬液収容部6内の圧力を徐々に高めていった際に、第二弱シール部10が剥離するよりも先に第一弱シール部9の剥離が始まることを意味する。 【0032】 図2に示すように、医療用複室容器1の掛吊孔14が点滴スタンド16のフック17に引っ掛けて吊り下げられるように構成されている。フック17は二つ設けられており、もう一方には輸液18が収容されている輸液容器19が吊り下げられている。 輸液容器19には点滴のライン20が接続されており、患者の腕などに繋がっている。また、ライン20の途中には、三方活栓21が設けられており、医療用複室容器1と三方活栓21との間には、分岐ライン22が設けられている。 【0033】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器1の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器1を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0034】 ライン20に接続された医療用複室容器1からは、まず排出口4に連通している第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、薬液収容部6を押圧することで、第一弱シール部9を剥離する。 【0035】 薬液収容部6には、治療用の薬液12が収容されており、薬液12が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。この際、既にライン20内は第一洗浄液11でフラッシングされているため、輸液18と混合させずに、薬液12を患者へ投与することができる。 【0036】 薬液12の投与が完了した後に、第二洗浄液収容部7を押圧することで、第二弱シール部10を剥離する。第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が納められており、第二洗浄液13が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。これによりライン20内は、直前まで供給していた薬液12が第二洗浄液13に置換される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0037】 本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、弱シール部の剥離開通作業をすることでフラッシングを行うこととしたために、作業を簡便にすることができる。 また、弱シール部の剥離強度に差をつけることで、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。 【0038】 (第二実施形態) 本発明の第二実施形態を図2〜図5に基づいて説明する。 なお、第一実施形態と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図3に示すように、医療用複室容器23は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常はゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。 【0039】 第一洗浄液収容部5と薬液収容部6との間には、外力により開放して開通することができる直線状の第一仕切部材24が形成されており、薬液収容部6と第二洗浄液収容部7との間には、同じく外力により開放して開通することができる直線状の第二仕切部材25が形成されている。 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。 【0040】 また、排出口4と第一洗浄液収容部5とは連通された構成となっており、排出口4により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、掛吊孔14が形成されている。排出口4には、図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。 【0041】 図4、5に示すように、第一仕切部材24及び第二仕切部材25は、容器本体3の幅方向に長尺で、容器本体3の厚さ方向に扁平な中空体である。この仕切部材24、25には、上面から底面に連通する中空部26と、この中空部26の底面側を封止する帯状の蓋体27が形成され、蓋体27と仕切部材本体28との連結部には、薄肉部29と厚肉部30が形成され、仕切部材24、25の中空部26には、支持体31が挿入されている。支持体31は、中空部26の幅方向に沿った複数のリブ31aと、このリブ31aの中心部を連結するように中空部26の長手方向に延びる連結部材31bとを有している。また、仕切部材24、25の幅方向端部は、舟形状であり、仕切部材24、25の両表面側から傾斜する二面の傾斜面32が形成されている。 【0042】 仕切部材24、25の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロンなどが挙げられる。 【0043】 蓋体27と仕切部材本体28との連結部に形成される薄肉部29は、仕切部材24、25に対する外部からの変形操作によって破断可能とされた部分であり、厚肉部30は、外部からの変形操作によっても破断せずに蓋体27と仕切部材本体28とを連結するためのものである。薄肉部29の厚さは、材質にもよるが、例えばポリエチレンの場合は0.1〜0.2mmであることが好ましい。薄肉部29の厚さが0.1mm未満では、薬液12の自重や殺菌時の内圧により破断してしまう虞があり、0.2mmを超えると、仕切部材24、25の変形操作時に不必要に強い力が必要となるため適切ではない。 【0044】 支持体31は、中空部26の幅方向に延び、仕切部材24、25の両端を連結する部材であり、ヒートシールする際、中空部26の形状を保持してヒートシール圧力による仕切部材24、25の歪みを防止し、ヒートシール面に隙間ができないようにするためのものである。 仕切部材24、25の幅方向端部に形成された傾斜面32は、仕切部材24、25と容器本体3を形成している二枚の合成樹脂フィルムとを隙間無く溶着させるためのものである。 【0045】 実際に点滴を行う構成は、図2において、医療用複室容器1が医療用複室容器23に代わる以外は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。 【0046】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器23の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器23を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0047】 ライン20に接続された医療用複室容器23からは、まず排出口4に連通している第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、第一仕切部材24に力を加えて蓋体27を破断する。 【0048】 薬液収容部6には、治療用の薬液12が収容されており、薬液12が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。この際、既にライン20内は第一洗浄液11でフラッシングされているため、輸液18と混合させずに、薬液12を患者へ投与することができる。 【0049】 薬液12の投与が完了した後に、第二仕切部材25に力を加え蓋体27を破断する。第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が納められており、第二洗浄液13が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。これによりライン20内は、直前まで供給していた薬液12が第二洗浄液13に置換される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0050】 本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、仕切部材の破断作業をすることでフラッシングを行うこととしたために、作業を簡便にすることができる。 また、仕切部材を設けたことで、第一仕切部材及び第二仕切部材を一つずつ破断しやすくなり、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。 【0051】 (第三実施形態) 本発明の第三実施形態を図2、図6に基づいて説明する。 なお、第一実施形態と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図6に示すように、医療用複室容器35は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3は、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6と第二洗浄液収容部7とが、並んで配されるように構成されている。また、薬液収容部6と第二洗浄液収容部7との間は、周縁部2と同様に剥離不能に融着された仕切壁36が形成されている。 【0052】 第一洗浄液収容部5と薬液収容部6との間には、剥離して開通することができる直線状の第三弱シール部37が形成されており、第一洗浄液収容部5と第二洗浄液収容部7との間には、剥離して開通することができる直線状の第四弱シール部38が形成されている。 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。 【0053】 また、排出口4と第一洗浄液収容部5とは連通された構成となっており、排出口4により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、掛吊孔14が形成されている。排出口4には、図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。 【0054】 第三弱シール部37及び第四弱シール部38の形成方法は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。ここで、第三弱シール部37を剥離する圧力と、第四弱シール部38を剥離する圧力とは、同じ圧力で剥離するように設定しても良いし、差を設けるように設定しても良い。差を設ける場合には、第四弱シール部38を剥離する圧力を、第三弱シール部37を剥離する圧力よりも高く設定することが望ましい。また、本実施形態では、第三弱シール部37及び第四弱シール部38に代わって第二実施形態で説明した仕切部材を採用しても良い。 【0055】 実際に点滴を行う構成は、図2において、医療用複室容器1が医療用複室容器35に代わる以外は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。 【0056】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器35の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器35を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0057】 ライン20に接続された医療用複室容器35からは、まず排出口4に連通している第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、薬液収容部6を押圧することで、第三弱シール部37を剥離する。 【0058】 薬液収容部6には、治療用の薬液12が収容されており、薬液12が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。この際、既にライン20内は第一洗浄液11でフラッシングされているため、輸液18と混合させずに、薬液12を患者へ投与することができる。 【0059】 薬液12の投与が完了した後に、第二洗浄液収容部7を押圧することで、第四弱シール部38を剥離する。第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が納められており、第二洗浄液13が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。これによりライン20内は、直前まで供給していた薬液12が第二洗浄液13に置換される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0060】 本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、弱シール部の剥離開通作業をすることでフラッシングを行うこととしたために、作業を簡便にすることができる。 また、第三弱シール部を剥離開通させるために薬液収容部を押圧する際に、第四弱シール部には押圧することによる圧力がかからない配置にすることで、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。 【0061】 (第四実施形態) 本発明の第四実施形態を図2、図7に基づいて説明する。 なお、第一実施形態と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図7に示すように、医療用複室容器40は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液11が収容された第一洗浄液収容部5として構成されており、第一洗浄液収容部5の内部に薬液12が収容された袋状の薬液収容部41及び第二洗浄液13が収容された袋状の第二洗浄液収容部42が容器本体3の合成樹脂フィルムに熱シールによる融着などの方法により固設されている。 【0062】 袋状の薬液収容部41には、剥離して開通することができる直線状の第五弱シール部43が形成されており、袋状の第二洗浄液収容部42には、剥離して開通することができる直線状の第六弱シール部44が形成されている。第五弱シール部43及び第六弱シール部44は、第一洗浄液収容部5と連通可能な位置であればよい。 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、袋状の薬液収容部41には薬液12が、袋状の第二洗浄液収容部42には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。 【0063】 また、排出口4と第一洗浄液収容部5とは連通された構成となっており、排出口4により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、掛吊孔14が形成されている。排出口4には、図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。 【0064】 第五弱シール部43及び第六弱シール部44の形成方法は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。ここで、第五弱シール部43を剥離する圧力と、第六弱シール部44を剥離する圧力とは、同じ圧力で剥離するように設定しても良いし、差を設けるように設定しても良い。差を設ける場合には、第六弱シール部44を剥離する圧力を、第五弱シール部43を剥離する圧力よりも高く設定することが望ましい。また、本実施形態では、第五弱シール部43及び第六弱シール部44に代わって第二実施形態で説明した仕切部材を採用しても良い。 【0065】 実際に点滴を行う構成は、図2において、医療用複室容器1が医療用複室容器40に代わる以外は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。 【0066】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器40の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器40を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0067】 ライン20に接続された医療用複室容器40からは、まず排出口4に連通している第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、袋状の薬液収容部41を押圧することで、第五弱シール部43を剥離する。 【0068】 袋状の薬液収容部41には、治療用の薬液12が収容されており、薬液12が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。この際、既にライン20内は第一洗浄液11でフラッシングされているため、輸液18と混合させずに、薬液12を患者へ投与することができる。 【0069】 薬液12の投与が完了した後に、袋状の第二洗浄液収容部42を押圧することで、第六弱シール部44を剥離する。袋状の第二洗浄液収容部42には第二洗浄液13が納められており、第二洗浄液13が第一洗浄液収容部5へ流出し、排出口4を通過してライン20内へ供給される。これによりライン20内は、直前まで供給していた薬液12が第二洗浄液13に置換される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0070】 本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、弱シール部の剥離開通作業をすることでフラッシングを行うこととしたために、作業を簡便にすることができる。 また、第五弱シール部を剥離開通させるために薬液収容部を押圧する際に、第六弱シール部には押圧することによる圧力がかからない配置にすることで、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。更に、薬液収容部及び第二洗浄液収容部を袋状にして、第一洗浄液収容部内に固設することで、合成樹脂フィルムが二重に構成され、強度を増すことができる。 【0071】 (第五実施形態) 本発明の第五実施形態を図2、図8に基づいて説明する。 なお、第一実施形態と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図8に示すように、医療用複室容器50は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。 【0072】 第一洗浄液収容部5と薬液収容部6との間、及び薬液収容部6と第二洗浄液収容部7との間には、剥離不能に融着された仕切壁51が形成されている。 また、第一洗浄液収容部5の底部近傍と薬液収容部6の底部近傍との間を接続する第一バイパス管52が設けられている。更に、薬液収容部6の底部近傍と第二洗浄液収容部7の底部近傍との間を接続する第二バイパス管53が設けられている。第一バイパス管52及び第二バイパス管53は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる直線的なストロー形状のものであり、使用開始前は内部に気体が収容された状態で上下端(両端)が開放可能なストッパー54で閉塞されている。第一バイパス管52及び第二バイパス管53は、内径が0.5〜5mm程度が望ましい。 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。 【0073】 また、排出口4と第一洗浄液収容部5とは連通された構成となっており、排出口4により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、掛吊孔14が形成されている。排出口4には、図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。 【0074】 本実施形態の医療用複室容器50の製造方法は、二枚の合成樹脂フィルムを剥離不能に融着して第一洗浄液収容部5、薬液収容部6、及び第二洗浄液収容部7を形成するが、その際に、第一バイパス管52及び第二バイパス管53を所定の位置に配した上で、第一バイパス管52及び第二バイパス管53を挟み込むように二枚の合成樹脂フィルムを融着する。 【0075】 実際に点滴を行う構成は、図2において、医療用複室容器1が医療用複室容器50に代わる以外は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。 【0076】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器50の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。 【0077】 次に、第一バイパス管52及び第二バイパス管53の両端にあるストッパー54を折曲して、破断する。このとき、第一バイパス管52及び第二バイパス管53には気体が収容されているため、第一バイパス管52の上端と接している薬液12及び第二バイパス管53の上端と接している第二洗浄液13は、各バイパス管52、53に流入されないで保持される。 その後、排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器50を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0078】 ライン20に接続された医療用複室容器50からは、まず排出口4に連通している第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11の残りの液面が、第一バイパス管52の下端部よりも低くなったときに、薬液12が第一バイパス管52に流入し、第一洗浄液収容部5に流出する。その結果、ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、引き続いて薬液12が供給される。 【0079】 同様に、薬液収容部6に収容されている薬液12の残りの液面が、第二バイパス管53の下端部よりも低くなったときに、第二洗浄液13が第二バイパス管53に流入し、薬液収容部6に流出する。その後、第二洗浄液13は第一バイパス管52を通過して、第一洗浄液収容部5へ流出し、ライン20内へ第二洗浄液13が供給される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0080】 本実施形態において、バイパス管52,53の両端を開放可能に閉塞する手段として、折り曲げて破断するストッパー54のみに限定されるものではなく、例えば、外部から挟持具でバイパス管を挟持することにより閉塞し、使用直前に挟持具を取り外す手段を用いてもよい。 また、本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、各バイパス管を開放するだけで、その後は人手を借りずに洗浄液及び薬液の供給を行うこととしたために、作業を簡便にすることができ、確実にフラッシングをすることができる。 また、本実施形態の医療用複室容器は、バイパス管を二本追加挿入するだけでよいため、製造方法を複雑化させることなく実現することができる。 【0081】 (第六実施形態) 本発明の第六実施形態を図2、図9に基づいて説明する。 なお、第一実施形態と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図9に示すように、医療用複室容器60は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。 【0082】 第一洗浄液収容部5と薬液収容部6との間、及び薬液収容部6と第二洗浄液収容部7との間には、剥離不能に融着された仕切壁51が形成されている。 また、第一洗浄液収容部5の底部近傍と薬液収容部6の底部近傍との間を接続する第三バイパス管61が設けられている。更に、薬液収容部6の底部近傍と第二洗浄液収容部7の底部近傍との間を接続する第四バイパス管62が設けられている。第三バイパス管61及び第四バイパス管62は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる直線的なストロー形状のものであり、使用開始前は内部に気体が収容された状態で上端が開放可能なストッパー54で閉塞されており、下端は浮玉63を固定部材64で固定した状態で閉塞されている。第三バイパス管61及び第四バイパス管62は、内径が0.5〜5mm程度が望ましい。 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。 【0083】 また、排出口4と第一洗浄液収容部5とは連通された構成となっており、排出口4により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、掛吊孔14が形成されている。排出口4には、図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムや各バイパス管、浮玉63に用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。 【0084】 本実施形態の医療用複室容器60の製造方法は、二枚の合成樹脂フィルムを剥離不能に融着して第一洗浄液収容部5、薬液収容部6、及び第二洗浄液収容部7を形成するが、その際に、第三バイパス管61及び第四バイパス管62を所定の位置に配した上で、第三バイパス管61及び第四バイパス管62を挟み込むように二枚の合成樹脂フィルムを融着する。 【0085】 実際に点滴を行う構成は、図2において、医療用複室容器1が医療用複室容器60に代わる以外は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。 【0086】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器60の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。 【0087】 次に、第三バイパス管61及び第四バイパス管62の上端にあるストッパー54を折曲して、破断する。更に、各バイパス管61、62の下端にある固定部材64の中央部分を折曲して、固定部材64を固定状態から解放する。そうすると、浮玉63が周囲の液体に対して浮力を有するため、各バイパス管61、62の下端を閉塞する。固定部材64は、各バイパス管61、62から外れないように両端部が拡幅されている。 【0088】 このとき、第三バイパス管61及び第四バイパス管62には気体が収容されているため、第三バイパス管61の上端と接している薬液12及び第四バイパス管62の上端と接している第二洗浄液13は、各バイパス管61、62に流入されないで保持される。 その後、排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器60を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0089】 ライン20に接続された医療用複室容器60からは、まず排出口4に連通している第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11の残りの液面が、第三バイパス管61の下端部よりも低くなり、浮玉63と第三バイパス管61との間に隙間が生じたときに、薬液12が第三バイパス管61に流入し、第一洗浄液収容部5に流出する。薬液12は、若干量流出すると再度浮玉63が第三バイパス管61の下端部を閉塞する。この動作を繰り返すことで、薬液12は若干量ずつ第一洗浄液収容部5に供給されることとなる。その結果、ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、引き続いて薬液12が供給される。 【0090】 同様に、薬液収容部6に収容されている薬液12の残りの液面が、第四バイパス管62の下端部よりも低くなり、浮玉63と第四バイパス管62との間に隙間が生じたときに、第二洗浄液13が第四バイパス管62に流入し、薬液収容部6へ流出する。その後、第二洗浄液13は第三バイパス管61を通過して、第一洗浄液収容部5へ流出する。第二洗浄液13は、若干量流出すると再度浮玉63が第四バイパス管62の下端部を閉塞する。この動作を繰り返すことで、第二洗浄液13は若干量ずつ薬液収容部6から第一洗浄液収容部5へと供給されることとなる。そして、ライン20内へ第二洗浄液13が供給される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0091】 本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、各バイパス管を開放するだけで、その後は人手を借りずに洗浄液及び薬液の供給を行うこととしたために、作業を簡便にすることができ、確実にフラッシングをすることができる。 また、本実施形態の医療用複室容器は、バイパス管を二本追加挿入するだけでよいため、製造方法を複雑化させることなく実現することができる。更に、各バイパス管の下端に浮玉を設けて下部に薬液などがある程度残存している間は、その上部の洗浄液などが早期に流出して薬液と洗浄液とが混合されないようにすることができる。 【0092】 (第七実施形態) 本発明の第七実施形態を図2、図10に基づいて説明する。 なお、第一実施形態と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図10に示すように、医療用複室容器70は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口4が設けられた構成となっている。排出口4は、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。また、容器本体3には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6及び第二洗浄液収容部7が配置され、使用時に第一洗浄液収容部5が下部になるように構成され、第一洗浄液収容部5の上部に薬液収容部6が、薬液収容部6の上部に第二洗浄液収容部7が配されるように構成されている。 【0093】 第一洗浄液収容部5と薬液収容部6との間、及び薬液収容部6と第二洗浄液収容部7との間には、剥離不能に融着された仕切壁51が形成されている。 また、第一洗浄液収容部5の頂部近傍と薬液収容部6の底部近傍との間を接続する第五バイパス管71が設けられている。更に、薬液収容部6の頂部近傍と第二洗浄液収容部7の底部近傍との間を接続する第六バイパス管72が設けられている。第五バイパス管71及び第六バイパス管72は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる曲がったチューブ形状のものであり、使用開始前は内部に気体が収容された状態で上下端(両端)が開放可能なストッパー54で閉塞されている。第五バイパス管71及び第六バイパス管72は、内径が0.5〜5mm程度が望ましい。そして、第五バイパス管71の容積は第一洗浄液11の容量と等しく設定されており、第六バイパス管72の容積は第一洗浄液11の体積と薬液12の体積との和と等しく設定されている。 【0094】 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。容器本体3の材質に大きく依存するが、容器本体3が非常にやわらかい場合には、第一洗浄液収容部5、薬液収容部6、及び第二洗浄液収容部7の各内部には圧力がかけられており、各収容部5,6,7は、膨張した形状で保持されているとより好ましい。 【0095】 また、排出口4と第一洗浄液収容部5とは連通された構成となっており、排出口4により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、掛吊孔14が形成されている。排出口4には、図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。 【0096】 本実施形態の医療用複室容器70の製造方法は、二枚の合成樹脂フィルムを剥離不能に融着して第一洗浄液収容部5、薬液収容部6、及び第二洗浄液収容部7を形成する。このとき一方の合成樹脂フィルムには、第五バイパス管71及び第六バイパス管72の両端部を挿入するための図示しない孔が形成されている。その後、第五バイパス管71及び第六バイパス管72の両端部を第一洗浄液収容部5、薬液収容部6、及び第二洗浄液収容部7の所定の位置になるように容器本体3の図示しない孔から挿入し、各バイパス管71、72と容器本体3との隙間を閉塞するように融着する。 【0097】 実際に点滴を行う構成は、図2において、医療用複室容器1が医療用複室容器70に代わる以外は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。 【0098】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器70の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。 【0099】 次に、第五バイパス管71及び第六バイパス管72の両端にあるストッパー54を折曲して、破断する。このとき、第五バイパス管71及び第六バイパス管72には気体が収容されているため、第五バイパス管71の上端と接している薬液12及び第六バイパス管72の上端と接している第二洗浄液13は、各バイパス管71、72に流入されないで保持される。 その後、排出口4に刺栓針を刺入し、医療用複室容器70を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0100】 ライン20に接続された医療用複室容器70からは、まず排出口4に連通している第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。 ここで、第一洗浄液11がライン20へ供給されると、その供給量だけ薬液12が第五バイパス管71に流入する。したがって、第一洗浄液11が全て第一洗浄液収容部5から流出すると、薬液12が第五バイパス管71の下端部まで到達し、第一洗浄液収容部5へ流出する。その結果、ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、引き続いて薬液12が供給される。 【0101】 同様に、薬液12が第五バイパス管71に流出した量だけ第二洗浄液13が第六バイパス管72に流入する。したがって、薬液12が全て第一洗浄液収容部5に流出すると、第二洗浄液13が第六バイパス管72の下端部まで到達し、薬液収容部6へ流出する。その後、第二洗浄液13は第五バイパス管71を通過して、第一洗浄液収容部5へ流出し、ライン20内へ第二洗浄液13が供給される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0102】 本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、各バイパス管を開放するだけで、その後は人手を借りずに洗浄液及び薬液の供給を行うこととしたために、作業を簡便にすることができ、確実にフラッシングをすることができる。 また、本実施形態の医療用複室容器は、バイパス管を二本追加設置するだけでよいため、製造方法を複雑化させることなく実現することができる。更に、各バイパス管の容積とその下部に収容されている薬液又は洗浄液の体積とを等しく設定することで、その上部の洗浄液又は薬液が早期に流出して薬液と洗浄液とが混合されないようにすることができる。 【0103】 (第八実施形態) 本発明の第八実施形態を図2、図11に基づいて説明する。 なお、第一実施形態と基本的構成が同じ部位には、同一部位に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 図11に示すように、医療用複室容器80は、周縁部2が剥離不能に融着された表裏2枚で構成される容器本体3を備え、容器本体3の周縁部2の下縁に排出口81が設けられた構成となっている。排出口81は、非可撓性であり、通常は図示しないゴム栓等で閉栓されており、使用時に刺栓針が刺入できる構成となっている。 【0104】 また、排出口81には第一洗浄液11が収容されており、第一洗浄液収容部5として構成されている。更に、第一洗浄液収容部5と薬液収容部6との間には、第七バイパス管82が設けられており、第七バイパス管82の薬液収容部6に突出している側の端部は、ストッパー54で閉塞されている。第七バイパス管82は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる巻き回されたチューブ形状のものであり、内径は0.5〜5mm程度が望ましい。そして、第七バイパス管82の容積は、第一洗浄液11の容量と等しく設定されている。 【0105】 次に、容器本体3には、薬液収容部6が配置されており、薬液12が収容されている。第二洗浄液収容部7は、非可撓性の容器で形成されている。第二洗浄液収容部7の底部近傍と容器本体3の底部近傍との間には第八バイパス管83が設けられており、第二洗浄液収容部7の頂部近傍と容器本体3の頂部近傍との間には第九バイパス管84が設けられている。第八バイパス管83及び第九バイパス管84は、容器本体3と同様の合成樹脂からなる滑らかに屈曲したチューブ形状のものであり、使用開始前は各バイパス管83、84の薬液収容部6に面した端部が開放可能なストッパー54で閉塞されている。第八バイパス管83及び第九バイパス管84は、内径が0.5〜5mm程度が望ましい。 ここで、第一洗浄液収容部5には第一洗浄液11が、薬液収容部6には薬液12が、第二洗浄液収容部7には第二洗浄液13が収容されている。第一洗浄液11及び第二洗浄液13には、一般的には生理食塩水が使用される。 【0106】 また、排出口81により第一洗浄液11の流出が阻止されている。更に、容器本体3の上縁中央部には、掛吊孔14が形成されている。排出口4には、図示しない保護フィルムが剥離可能に設けられている。 そして、容器本体3を形成している合成樹脂フィルムおよび第二洗浄液収容部7の容器に用いられる樹脂としては、医療用容器の分野で用いられる樹脂であれば特に限定されない。 【0107】 本実施形態の医療用複室容器80の製造方法は、二枚の合成樹脂フィルムを剥離不能に融着するが、このとき第七バイパス管82を収容した排出口81、第八バイパス管83及び第九バイパス管84を容器本体3の周縁部2で挟み込むようにして融着する。 【0108】 実際に点滴を行う構成は、図2において、医療用複室容器1が医療用複室容器80に代わる以外は、第一実施形態と同様のため説明を省略する。 【0109】 次に作用について説明する。 第一洗浄液11、薬液12、及び第二洗浄液13が収容された医療用複室容器80の掛吊孔14を点滴スタンド16のフック17に引っ掛ける。もう一方のフック17には既に輸液容器19が吊り下げられており、輸液18が患者へ投与されている。また、本実施形態では、第二洗浄液収容部7が容器本体3内ではなく外付けされているため、図示しない別のフックなどで吊り下げられるようにしてもよい。 【0110】 次に、第七バイパス管82、第八バイパス管83及び第九バイパス管84の端部に設けられたストッパー54を折曲して、破断する。このとき、第八バイパス管83には気体が収容されているため、第八バイパス管83の上端と接している第二洗浄液13は、第八バイパス管83に流入されないで保持される。 その後、排出口81に刺栓針を刺入し、医療用複室容器80を分岐ライン22に接続する。このとき、輸液18を投与している場合には、三方活栓21のコックを切り替えて、輸液18の投与を一度停止する。 【0111】 ライン20に接続された医療用複室容器80からは、まず排出口81の第一洗浄液収容部5に収容されている第一洗浄液11が排出される。第一洗浄液11がライン20内へ供給されることで、ライン20の内部に残存している輸液18を第一洗浄液11に置換する。 ここで、第一洗浄液11がライン20へ供給されると、その供給量だけ薬液12が第七バイパス管82に流入する。したがって、第一洗浄液11が全て第一洗浄液収容部5から流出すると、薬液12が第七バイパス管82の下端部まで到達し、第一洗浄液収容部5へ流出する。その結果、ライン20内が第一洗浄液11に置換された後に、引き続いて薬液12が供給される。 【0112】 次に、薬液12がライン20内へ供給されると、薬液収容部6の薬液12の水位が下がってくる。薬液12の水位が第八バイパス管83の端部よりも低い水位になると、第二洗浄液13が第八バイパス管83に流入し、薬液収容部6へ流出される。このとき、第二洗浄液収容部7から第二洗浄液13が流出した分だけ、薬液収容部6内の空気が第九バイパス管84を通過して、第二洗浄液収容部7の頂部へと導かれる。その後、第二洗浄液13は第七バイパス管82を通過して、第一洗浄液収容部5へ流出し、ライン20内へ第二洗浄液13が供給される。ライン20内が第二洗浄液13に置換された後に、三方活栓21を操作して、輸液18の投与に戻ることができる。 【0113】 本実施形態では、フラッシングを行う際に三方活栓に注射器を接続して洗浄液を供給する方法ではなく、医療用複室容器に洗浄液を収容して、各バイパス管を開放するだけで、その後は人手を借りずに洗浄液及び薬液の供給を行うこととしたために、作業を簡便にすることができ、確実にフラッシングをすることができる。 また、本実施形態の医療用複室容器は、第一洗浄液と第二洗浄液を非可撓性容器に収容したことで、圧力バランスを確保し易くすることができ、第一洗浄液、薬液、第二洗浄液の順番で確実にライン内へ供給することができる。更に、第七バイパス管の容積と第一洗浄液の容量とを等しく設定することで、薬液が早期に流出して薬液と洗浄液とが混合されないようにすることができる。 【0114】 以上で本発明における実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような態様も採用可能である。 第一実施形態などでは、弱シール部を容器本体の幅方向に直線状に形成したもので説明をしたが、機能を満たせば弱シール部の形状は拘らない。 第二実施形態などでは、仕切部材を容器本体の幅方向に直線状に形成したもので説明をしたが、機能を満たせば仕切部材の形状は拘らない。 第四実施形態では、袋状の収容部を容器本体の合成樹脂フィルムに熱シールで融着する説明をしたが、容器本体の周縁部に袋状の収容部を挟持するようにして固設してもよい。 第五〜第七実施形態では、各収容部間を剥離不能に融着する説明をしたが、一部に剥離可能な弱シール部及び開放可能な仕切部材を設けても良い。 第五実施形態などでは、バイパスをストロー形状の管で構成する説明をしたが、容器本体の周縁部に同様の形状を有するように加工してバイパスを形成しても良い。 第六実施形態では、浮玉を用いてバイパス管の端部を閉塞する説明をしたが、浮力を利用して開閉する蓋材を用いてもよい。 第五〜第八実施形態では、各バイパス管を合成樹脂製の場合で説明をしたが、機能を満たせば材質は拘らない。 【0115】 また、各バイパスの端部を開放可能に閉塞する手段として、折曲して破断するストッパーの場合で説明したが、端部を挟持して閉塞する挟持具を用いてもよい。 第八実施形態では、第二洗浄液収容部は容器本体から離れて存在する場合で説明したが、容器本体に固定されていてもよい。また、第九のバイパス管の薬液収容部内の一端は、薬液収容部の頂部近傍にある場合で説明したが、薬液収容部の底部近傍にあってもよい。また、医療用複室容器の輸送時などの振動による第二洗浄液の第八バイパス管および第九バイパス管への流入防止が可能なストッパーを使用直前まで第二洗浄液収容部近傍のこれらバイパス管に設けることも好ましい。 【0116】 第一〜第八実施形態では、第一洗浄液収容部、薬液収容部及び第二洗浄液収容部の3つの収容部を具備する医療用複室容器について説明したが、薬液投与後ラインを外してしまう場合には、第二洗浄液収容部は不要であり、患者に最初に薬液を投与する場合など、薬液投与後にはフラッシングが必要であるが、投与前にはフラッシングが不要な場合には、第一洗浄液収容部は不要である。したがって、第一洗浄液収容部及び第二洗浄液収容部のいずれか一方を具備しない2つの収容部であっても構わない。なお、第一洗浄液収容部を具備しない場合の排出口は、薬液収容部に連通して設けられる。 【図面の簡単な説明】 【0117】 【図1】本発明の第一実施形態における医療用複室容器の斜視図である。 【図2】本発明の実施形態における点滴時の概略構成図である。 【図3】本発明の第二実施形態における医療用複室容器の斜視図である。 【図4】本発明の第二実施形態における医療用複室容器の仕切部材の上面図である。 【図5】本発明の第二実施形態における医療用複室容器の仕切部材の底面図である。 【図6】本発明の第三実施形態における医療用複室容器の斜視図である。 【図7】本発明の第四実施形態における医療用複室容器の正面概念図である。 【図8】本発明の第五実施形態における医療用複室容器の正面概念図である。 【図9】本発明の第六実施形態における医療用複室容器の正面概念図である。 【図10】本発明の第七実施形態における医療用複室容器の正面概念図である。 【図11】本発明の第八実施形態における医療用複室容器の正面概念図である。 【符号の説明】 【0118】 1、23、35、40、50、60、70、80…医療用複室容器 3…容器本体 4、81…排出口 5…第一洗浄液収容部 6…薬液収容部 7…第二洗浄液収容部 9…第一弱シール部(第一シール) 10…第二弱シール部(第二シール) 11…第一洗浄液 12…薬液 13…第二洗浄液 24…第一仕切部材(仕切部材) 25…第二仕切部材(仕切部材) 36、51…仕切壁 37…第三弱シール部(シール) 38…第四弱シール部(シール) 41…袋状の薬液収容部 42…袋状の第二洗浄液収容部 43…第五弱シール部(シール) 44…第六弱シール部(シール) 52…第一バイパス管(第一のバイパス) 53…第二バイパス管(第二のバイパス) 61…第三バイパス管(第三のバイパス) 62…第四バイパス管(第四のバイパス) 63…浮玉(閉止機構) 71…第五バイパス管(第五のバイパス) 72…第六バイパス管(第六のバイパス) 82…第七バイパス管(第七のバイパス) 83…第八バイパス管(第八のバイパス) 84…第九バイパス管(第九のバイパス)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000143880 【氏名又は名称】株式会社細川洋行
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| 【出願日】 |
平成18年9月13日(2006.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武
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| 【公開番号】 |
特開2008−67848(P2008−67848A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−248245(P2006−248245) |
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