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【発明の名称】 足関節運動装置
【発明者】 【氏名】浦辺 幸夫

【氏名】田中 浩介

【氏名】相原 將邦

【要約】 【課題】ユーザの筋力が衰えていたり関節が硬くなっていたりしても足関節の充分な運動を行え、ユーザに対して極め細かい運動を安全に行える足関節運動装置を提供する。

【構成】基台1と、基台1に、後方に対する前方の傾斜角度を変化させる方向に揺動可能に支持された左右1組のペダル部2,3と、ペダル部2,3を揺動駆動するモータ11,12と、モータ11,12の作動を制御する制御部20と、基台1に設けられ、ユーザUが立った状態で体を支える支持柱4,5を備え、ペダル部2,3は、ユーザUの足を載せる足載せ板2a,3aと、足載せ板2a,3aの全周にわたって立設した、左右側壁32a,33a,32b,33bと前面壁32c,33cとストッパを兼ねる後面壁32d,33dを有するフレーム32,33からなる内堀構造であり、後部に設けられたヒンジ周りに揺動可能に支持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に、後方に対する前方の傾斜角度を変化させる方向に揺動可能に支持された左右1組のペダル部と、
前記ペダル部を揺動駆動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの作動を制御する制御手段と、
前記基台に設けられ、ユーザが立った状態で体を支える支持手段と、
を備える足関節運動装置であって、
前記ペダル部は、
ユーザの足を載せる足載せ板と、
前記足載せ板の全周にわたって立設した、左右側壁と、前記左右両側壁の前方に連設された前面壁と、前記左右両側壁の後方に連設された後面壁とからなり、前記後面壁は前記ユーザのかかとに当接するストッパを兼ねるフレームと、
からなる内堀構造であり、後部に設けられたヒンジ周りに揺動可能に支持されていることを特徴にする足関節運動装置。
【請求項2】
前記左側ペダル部のフレームの右側壁の外壁側及び前記右側ペダル部のフレームの左側壁の外壁側は垂直壁で、両外壁側間を、前記左右ペダル部が互いに摺接することなく揺動可能に支持される最小の隙間に設定したことを特徴にする請求項1に記載の足関節運動装置。
【請求項3】
前記フレームの左右側壁は、後方から前方にかけて壁面の高さが大きくなるように変化していることを特徴にする請求項1又は2に記載の足関節運動装置。
【請求項4】
前記フレームの左右側壁は、側面形状が後方に要が位置する同一の扇形形状であるとともに、前記前面壁の外壁側は前記扇形形状の曲面に沿った曲面形状であり、前記ペダル部を支持する前記基台の、前記フレームの前面壁に相対向する部位の形状は、前記前面壁の曲面形状に沿った曲面形状であることを特徴にする請求項3に記載の足関節運動装置。
【請求項5】
前記支持手段は、前記基台の前部から上方に延びる支柱部に手摺り部を備えることを特徴にする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の足関節運動装置。
【請求項6】
前記支持手段は、前記基台の後部から上方に延びる支柱部に前記ユーザの体の背面を支持する背面支持部を備えることを特徴にする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の足関節運動装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、足関節機能のリハビリテーションや運動能力の向上等に使用される足関節運動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このように、足関節機能のリハビリテーションや運動能力の向上等に使用される足関節運動装置としては、様々のものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】実用新案登録3030897号
【特許文献2】実用新案登録3082506号
【0003】
特許文献1に記載された発明は、脚部ストレッチ器具であり、この脚部ストレッチ器具は、上下方向に揺動可能に支持された、両足を同時に乗せるための一つの足のせ台と、その足のせ台の揺動角度の位置を規制する角度調節ピンと、手で持って体を支えるためのハンドル等を備えている。
これによれば、脚部、特に腿・大腿二頭筋・ふくらはぎの筋肉及びアキレス腱を中心とする部位の柔軟性の向上と、足の疲労を軽減するための運動を、家庭内で手軽に行うことができるというものである。
【0004】
また、特許文献2に記載された発明は、健康器具であり、この健康器具は、ステップ運動およびアームチェストエキスパンダーの機能を兼ね備え、器座に1組のステップ装置と引張セットが設置されたものである。
これによれば、安定性が保持され、かつ1台の器具で、色々なバリエーションを持った健康トレーニングを行なうことができ、1台で多様な用途をもって効果を上げることができ、スペースを取らないだけでなく、使用する上でも非常に便利で素早く行うことができるというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明は、筋力が衰えていたり関節が硬くなっていたりすると充分に足のせ台を揺動させられないという問題や、障害があるため特に片足について慎重なリハビリが必要等、左右の足関節で曲げて良い範囲が異なる場合に対応できないという問題があった。
また、足のせ台は上方に向けて膨出湾曲した形状で、しかも両足を同時に載せるタイプのものであるので常に同じ位置で足のせ台に足を載せることはできない。よって、傾斜角度を変えることにより足に及ばされる影響は、足の位置によってバラバラとなるので、極め細かい足関節運動を実施することができないといった問題がある。
【0006】
また、上記特許文献2に記載された発明は、色々なバリエーションを持った健康トレーニングを行うことができるものの、ステップ装置には傾斜角度の調節機構がないため、特にリハビリテーションにより少しづつ筋肉を動かしていく必要がある場合等には適していない。
また、特許文献1と同様に、ステップ装置のステップ板は、片足毎ではあるが足を単に載せるタイプのものであり、常に同じ位置で足のせ台に足を載せることはできないので、傾斜角度を変えることにより足に及ばされる影響は、足の位置によってバラバラとなり、極め細かい足関節運動を実施することができないという問題がある。
さらに、特許文献2に記載されたステップ装置は、水平位置からかかと側を上げるように傾斜させるものであるため、ふくらはぎの筋肉及びアキレス腱を中心とする部位の柔軟性を向上させるには不十分である。
また、特許文献2に記載されたステップ装置は、左右のステップ板間に大きな隙間があるので、その隙間に足が挟まったりする恐れがあり危険である。
【0007】
そこで本発明の目的は、ユーザの筋力が衰えていたり関節が硬くなっていたりしても足関節の充分な運動を行え、ユーザに対して極め細かい運動を安全に行うことができる足関節運動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の足関節運動装置は、基台と、前記基台に、後方に対する前方の傾斜角度を変化させる方向に揺動可能に支持された左右1組のペダル部と、前記ペダル部を揺動駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの作動を制御する制御手段と、前記基台に設けられ、ユーザが立った状態で体を支える支持手段と、を備える足関節運動装置であって、
前記ペダル部は、ユーザの足を載せる足載せ板と、前記足載せ板の全周にわたって立設した、左右側壁と、前記左右両側壁の前方に連設された前面壁と、前記左右両側壁の後方に連設された後面壁とからなり、前記後面壁は前記ユーザのかかとに当接するストッパを兼ねるフレームと、からなる内堀構造であり、後部に設けられたヒンジ周りに揺動可能に支持されていることを特徴にする。
【0009】
また本発明は、前記左側ペダル部のフレームの右側壁の外壁側及び前記右側ペダル部のフレームの左側壁の外壁側は垂直壁で、両外壁側間を、前記左右ペダル部が互いに摺接することなく揺動可能に支持される最小の隙間に設定したことを特徴にする。
【0010】
さらに本発明は、前記フレームの左右側壁は、後方から前方にかけて壁面の高さが大きくなるように変化していることを特徴にする。
【0011】
また本発明は、前記フレームの左右側壁は、側面形状が後方に要が位置する同一の扇形形状であるとともに、前記前面壁の外壁側は前記扇形形状の曲面に沿った曲面形状であり、前記ペダル部を支持する前記基台の、前記フレームの前面壁に相対向する部位の形状は、前記前面壁の曲面形状に沿った曲面形状であることを特徴にする。
【0012】
また本発明は、前記支持手段は、前記基台の前部から上方に延びる支柱部に手摺り部を備えることを特徴にする。
【0013】
また本発明は、前記支持手段は、前記基台の後部から上方に延びる支柱部に前記ユーザの体の背面を支持する背面支持部を備えることを特徴にする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の足関節運動装置によれば、基台に対して揺動可能に支持された左右1組のペダル部は、足載せ板とフレームからなり、フレームが左右側壁と前面壁と後面壁とからなり足載せ板の全周にわたって立設された内堀構造であるので、ユーザはペダル部内に足を納めることができ、従来例のようにペダルから足が外にはみ出すようなことはない。そして、特にフレームの後面壁はユーザのかかとに当接するストッパにもなるので、ペダル部内において同じ位置に足を載せることが容易に行え、しかも足の位置が安定する。また、ストッパはペダル部と一体で揺動するので、かかとがストッパでこすれて痛くなったり皮が剥けたりすることを防止することができる。
このように、足の位置を常に安定させることができるので、傾斜角度を変えることにより極め細かい足関節運動を実施することができる。
これにより、ユーザは、たとえ筋力が衰えていたり関節が硬くなっていたりしても、ふくらはぎの筋肉及びアキレス腱を中心とする部位の柔軟性を効率的に向上させることができる。
【0015】
また本発明によれば、左側ペダル部のフレームの右側壁の外壁側及び右側ペダル部のフレームの左側壁の外壁側を垂直壁とし、両外壁側間を、左右ペダル部が互いに摺接することなく揺動可能に支持される最小の隙間に設定したので、従来例で示したような大きな隙間は左右ペダル部間には形成されない。
よって、左右ペダル部間にユーザの足が挟まるような恐れはないので安全である。
【0016】
さらに本発明によれば、フレームの左右側壁は、後方から前方にかけて壁面の高さが大きくなるように変化しているので、ユーザは後方から前方に向けて足を容易に載せることができる。
【0017】
また本発明によれば、フレームの左右側壁は同一の扇形形状であるとともに、前面壁の外壁側は扇形形状の曲面に沿った曲面形状であり、ペダル部を支持する基台の、フレームの前面壁に相対向する部位の形状も前面壁の曲面形状に沿った曲面形状であるので、基台はペダル部をコンパクトに収納する状態で支持することができ、省スペース化が図れる。
【0018】
また本発明によれば、ユーザが立った状態でその体を支持する支持手段として基台の前部から上方に延びる支柱部に手摺り部を備えるものであるので、ユーザの姿勢を安定させることができる。
また支持手段として、基台の後部から上方に延びる支柱部にユーザの体の背面を支持する背面支持部を備えるものであるので、さらにユーザの姿勢を安定させることができる。
このように、ユーザの姿勢をより安定させた状態で足関節運動を行うことによって効率のよいトレーニングを実施しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の実施形態に係る足関節運動装置を示す斜視図、図2は、その正面図、図3は、その側面図、図4は、その平面図である。また、図5は、本発明の実施形態に係る足関節運動装置に備わるペダル部の動きを示す拡大側面図である。
【0020】
この実施形態に係る足関節運動装置には、図1乃至図5に示すように、基台1と、基台1の略中央部に嵌め込まれた揺動可能に支持された左右一組(二つ)のペダル部2,3と、基台1の前部から上方に2つの脚部4a,4bが延び上部で脚部4a,4b同士が連結された略逆U字状の支柱部4と、基台1の後部から上方に2つの脚部5a,5bが延び上部で脚部5a,5b同士が連結された略逆U字状で、前記支柱部4よりは背の低い支柱部5と、支柱部4の上方内側に左右が内側に向けて突出した状態で設けられ、ペダル部2,3に載ったユーザUがつかまり、ユーザUを立った状態で支持する手摺り部6と、手摺り部6の上部に設けられた複数の操作スイッチとモニタからなる操作表示部7と、支柱部5の上部に設けられ、ユーザUの体の背面を立った状態で支持する背面支持部8と、基台1の後端に設けられた台座9等が備わっている。
なお、ユーザUが台座9からペダル部2,3に載るときには、支柱部5の脚部5aは基台1から離れるとともに支柱部5はその脚部5b回りに(図1に示す矢印方向)回転し、ユーザUが基台1の後部から真っ直にペダル部2,3に載る際に、支柱部5が障害となることはない。
【0021】
また、基台1の内部には、ペダル部2,3を揺動駆動するアクチュエータとして機能するステッピングモータ11,12が設けられ、ペダル部2,3には、ペダル部2,3にかかるユーザUの荷重を検知する圧力センサ13,14,15,16が設けられている。
さらに、基台1の内部(これにかえて、操作表示部7に設けるようにしてもよい)には、図6に示すように、操作表示部7から入力されたユーザUの指示や、後述する決定されたペダル部2,3の基準傾斜角度θ0に基づいてステッピングモータ11,12の作動をドライバ22を介して制御するCPUからなる制御部20と、圧力センサ13〜16が検知した荷重値や基準傾斜角度θ0を記憶するRAMや制御プログラムが書き込まれたROMからなる記憶部21が設けられている。制御部20は、ステッピングモータ11,12の正逆回転を別々に制御して、ペダル部2,3の揺動駆動速度を異なるように設定することでき、その揺動駆動速度を可変設定することもできるようになっている。なお、操作表示部7には足関節運動の結果を表示させたり、ユーザUの姿勢の維持とリラックスのため通常のテレビ画像やビデオ画像を表示させることもできる。
【0022】
左右のペダル部2,3は、図4及び図5に示すように、ユーザUの足を直接載せる板状の足載せ板2a,3aと、足載せ板2a,3aの全周にわたって立設したフレーム32,33とからなる内堀構造であり、足載せ板2a,3aが、後方に対する前方の傾斜角度θ、すなわち、図5に示すように、ユーザUの足のかかと側に対してつま先側を水平方向から上方に変化させる方向に揺動可能に支持されている。
このように、左右のペダル部2,3を内堀構造にすることによって、ユーザUの足の裏全体を確実に足載せ板2a,3aの上に載置することができる。よって、ユーザUの荷重を正確に測ることができ、しかも安定した足関節機能のリハビリテーション等の運動を行うことができる。
【0023】
左側のペダル部2の足載せ板2aの下部には、図5に示すように、下方に延びる支持板34が固定されている。支持板34の側面には垂直方向に回転するかさ歯車35が設けられ、そのかさ歯車35の支軸、すなわちペダル部2,3の左右方向(ペダル部2,3の前後に垂直な方向)に延びる支軸が支持板34に固定されている。かさ歯車35には、ステッピングモータ11の回転軸、すなわち、ペダル部2,3の前後方向に平行に延びる回転軸に取付けられたカップリング36の先端に取付けられた垂直方向に回転するかさ歯車37が噛み合っている。なお、かさ歯車35,37の間にトルクをかせぐために別の歯車を介在することもできる。
これによって、ペダル部2は、その後部に設けられたヒンジとなるかさ歯車35の支軸周りに揺動可能に支持され、ステッピングモータ11の正回転により、ペダル部2は、その後方に対する前方の傾斜角度を上方に変化させる方向、すなわち、図5に2点鎖線で示したように、ペダル部2にユーザUが足を載せたとき、かかと側に対してつま先側を上げるように揺動し(図5では傾斜角度θ、かかと側に対してつま先側が上がった状態を示している)、ステッピングモータ11の逆回転により、ペダル部2は、その後方に対する前方の傾斜角度を下方に変化させる方向、すなわち、ペダル部2にユーザUが足を載せたとき、かかと側に対してつま先側を下げるように揺動する。なお、本実施形態では、ユーザUが載らない通常時に、ペダル部2の足載せ板2aを水平状態にしているので、ステッピングモータ11の正回転により、ペダル部2は、その前方が水平方向よりも高くなり、傾斜角度を大きくするように揺動され、ステッピングモータ11の逆回転によりペダル部2は逆方向で傾斜角度を小さくするように揺動される。
【0024】
ここでは、左側のペダル部2についての機構を詳細に説明したが、右側のペダル部3についても同様に、支持板,ステッピングモータ12にカップリングを介して取付けられたかさ歯車に噛み合うかさ歯車が設けられ、ステッピングモータ12の正回転により、ペダル部3は、その前方が水平方向よりも高くなり、傾斜角度を大きくするように揺動され、ステッピングモータ12の逆回転によりペダル部3は逆方向で傾斜角度を小さくするように揺動されるようになっている。
【0025】
フレーム32,33は、左側壁32a,33aと右側壁32b,33bと、左右両側壁32a,33a,32b,33bの前方に連設された前面壁32c,33cと、左右両側壁32a,33a,32b,33bの後方に連設された後面壁32d,33dとからなり、足載せ板2a,3aの全周を囲っている。
そして、後面壁32d,33dはペダル部2,3の傾斜時にユーザUのかかとに当接するストッパを兼ねている。これによれば、ユーザUがかかとをストッパに当接させることで足の位置が安定して固定されるとともに、ストッパはペダル部2,3と一体で揺動するので、かかとがストッパでこすれて痛くなったり皮が剥けたりすることを防止することができる。
【0026】
また、左右両側壁32a,33a,32b,33bは、側面形状が後方に要が位置する同一の扇形形状であり、後方から前方にかけて壁面の高さが大きくなるように変化している。
これによれば、ユーザUが足を足載せ板2a,3aの上にペダル部2,3の後方から容易に載せることができる。
特に、左側ペダル部2のフレーム32の右側壁32bの外壁側(右側ペダル部3側)及び右側ペダル部3のフレーム33の左側壁33aの外壁側(左側ペダル部2側)はともに垂直壁で、両外壁側間を、左右ペダル部2,3が互いに摺接することなく揺動可能に支持される最小の隙間に設定している。
【0027】
また、前面壁32c,33cの外壁側、すなわちペダル部2,3の前側は、左右両側壁32a,33a,32b,33bの扇形形状の曲面に沿った曲面形状で前側に向けて膨出している。これに対応して、基台1の、フレーム32,33の前面壁32c,33cに相対向する前側の部位38の形状は、前面壁32c,33cの曲面形状に沿った曲面形状となっている。
【0028】
また、図4に示すように、圧力センサ13は、左側のペダル部2の足載せ板2aの前方に取付けられ、ユーザUの左足のつま先側にかかる荷重を検知し、圧力センサ14は、左側のペダル部2の足載せ板2aの後方に取付けられ、ユーザUの足のかかと側にかかる荷重を検知し、圧力センサ15は、右側のペダル部3の足載せ板3aの前方に取付けられ、ユーザUの右足のつま先側にかかる荷重を検知し、圧力センサ16は、右側のペダル部3の足載せ板3aの後方に取付けられ、ユーザUの右足のかかと側にかかる荷重を検知するようになっている。
そして、圧力センサ13〜16が検知した荷重値は、記憶部21に送られる。
【0029】
このように構成された足関節運動装置は、制御部20によって図7に示すような処理が実行される。
制御部20は、電源がオンされると初期化を行う(ステップ1)。初期化では、内部タイマ,カウンタ,レジスタ等が初期値に設定される。
次に制御部20は、ユーザUからの入力の有無を検知し(ステップ2)、入力があるとはその内容を読込む(ステップ3)。なお、入力としてはユーザUを特定するID情報等が含まれる。
【0030】
そして、制御部20は、入力されたデータに基づき、自動制御が選択されたか、あるいは手動制御が選択されたかを判定し(ステップ4)、手動制御が選択されれば、対応した手動制御の処理を行い(ステップ5)、自動制御が選択されれば、以下、ステップ6〜16に示す自動制御の処理を行う。
手動制御では、ペダル部2,3の傾斜角度やトレーニング時の揺動駆動速度やトレーニング時間をユーザUが入力した値、あるいは予め指定された傾斜角度,揺動駆動速度,トレーニング時間の中からユーザUが選択した値に基づいて、ペダル部2,3の揺動が行われる。通常は、病院やトレーニングジムにおけるインストラクターがユーザUの状態や過去の記録等を参照にして入力、あるいは選択して行われるが、ユーザU自身が直接、入力、あるいは選択することもできる。
【0031】
一方、ステップ4で自動制御が選択されると、制御部20は、ユーザUに適したペダル部2,3の傾斜角度の基準値を決定する基準傾斜角度決定の処理を行う(ステップ6)。
基準傾斜角度決定の処理内容について、図8を参照にして説明する。
【0032】
この処理では、まず、制御部20は、圧力センサ13,14が検知した値を読込み、その値をレジスタS1,S2に入力する(ステップ61)。なお、ここでは、左右ペダル部2,3に設けられた圧力センサ13〜16のうち、ユーザUがペダル部2,3に載ることにより荷重を検知した側の圧力センサの値を読込むことにしている。つまり、ユーザUが両足を左右ペダル部2,3に載せた場合には、優先的に左側のペダル部2(本実施形態では左側のペダル部2を優先にしたが特に意味はなく、右側のペダル部3を優先にしてもよい)に設けられた圧力センサ13,14の値を読込み、仮に片足だけを載せた場合には、片足を載せた側のペダル部に設けられた圧力センサの値を読込むようにしている。また、左右の圧力センサ13〜16のうち最初に検知した側を優先するようにしてもよい。これによれば、例えばリハビリテーション等の必要な側の足を最初にペダル部に載せるようにすればよい。
これにより、圧力センサ13が検知したユーザUのつま先側の荷重値がレジスタS1に入力され、圧力センサ14が検知したユーザUのかかと側の荷重値がレジスタS2に入力される。
【0033】
次に、つま先側の荷重値が入力されたレジスタM1の値をレジスタN1にシフトするとともに、かかと側の荷重値が入力されたレジスタM2の値をレジスタN2にシフトし(ステップ62)、その後、レジスタS1の値をレジスタM1に入力するとともに、レジスタS2の値をレジスタM2に入力する(ステップ63)。
これにより、今回、ステップ61で読込まれたユーザUのつま先側とかかと側の荷重値がレジスタM1,M2にそれぞれ入力されるとともに、前回、ステップ61で読込まれたユーザUのつま先側とかかと側の荷重値はシフトされ、レジスタN1,N2にそれぞれ入力される。なお、最初は初期化(ステップ1)により、レジスタM1,M2には0がセットされ、シフトされたレジスタN1,N2の値にも0がセットされるようにしている。
【0034】
次に、制御部20は、レジスタM1,M2,N1,N2の値を比較する(ステップ64)。ここでは、レジスタN1の値がレジスタN2の値未満(N1〈N2)で、かつ、レジスタM1の値がレジスタM2の値以上(M1≧M2)になったという条件を満足するか否かを判定する。
そして、条件を満たさない場合には、制御部20は、ペダル部2の傾斜角度を増加する処理を条件を満たすまで行う(ステップ65)。なお、このとき、ペダル部3についてはペダル部2と同じように傾斜させてもよく、傾斜させないようにしてもよい。
その後、条件を満たすと、その時のペダル部2の傾斜角度を基準傾斜角度θ0に決定して(ステップ65)、リターンする。
すなわち、図9に示すグラフのように、ペダル部2にユーザUが載ると最初はつま先側(圧力センサ13の値)とかかと側(圧力センサ14の値)では同じように荷重がかかるが、ペダル部2の傾斜角度を上げてつま先側を高くしていくと、かかと側の荷重値がつま先側の荷重値よりも大きくなるが、さらに傾斜角度を上げていくと、ある傾斜角度(グラフの場合には、15度)でつま先側とかかと側の荷重値が逆転し、つま先側の荷重値がかかと側の荷重値よりも大きくなり、いずれはつま先側の荷重値が最大となり、かかと側の荷重値が0となり、かかとがペダル部2の足載せ板2aから浮いてしまう状態になることが知られている。そこで、本実施形態では、つま先側の荷重値とかかと側の荷重値が逆転するときの傾斜角度を基準傾斜角度θ0とするものである。
【0035】
基準傾斜角度θ0が決定されると、図7に戻り、制御部20は、基準傾斜角度θ0に基づいて準備運動用揺動の処理(ステップ7)とトレーニング用揺動の処理(ステップ8)を行う。すなわち、ユーザUの体調にあった基準傾斜角度θ0に基づき、ペダル部2,3を、例えば、図10に示す第1回のトレーニングのように、準備運動として傾斜角度θ1〜θ0(θ1〈θ0)の範囲内で数回揺動させ、その後、トレーニングとして傾斜角度θ0〜θ2(θ2〉θ0)の範囲内で揺動させる。傾斜角度θ1や傾斜角度θ2は、制御部20が基準傾斜角度θ0に基づき自動的に算出されるようになっている。
【0036】
そして、トレーニング用揺動処理の間に、ユーザUの荷重が単位時間当たりに大きく変動すると、制御部20は、ユーザUに異常が生じたものと判断して、ペダル部2,3の揺動を停止するようになっている。
すなわち、制御部20は上述したステップ61〜63の処理と同様に、圧力センサ13,14が検知した値を読込み、その値をレジスタS1,S2に入力する(ステップ9)。
次に、つま先側の荷重値が入力されたレジスタM1の値をレジスタN1にシフトするとともに、かかと側の荷重値が入力されたレジスタM2の値をレジスタN2にシフトし(ステップ10)、その後、レジスタS1の値をレジスタM1に入力するとともに、レジスタS2の値をレジスタM2に入力する(ステップ11)。
これにより、今回、ステップ9で読込まれたユーザUのつま先側とかかと側の荷重値がレジスタX1,X2にそれぞれ入力されるとともに、前回、ステップ9で読込まれたユーザUのつま先側とかかと側の荷重値はシフトされ、レジスタY1,Y2にそれぞれ入力される。なお、最初は初期化(ステップ1)により、レジスタX1,X2には0がセットされ、シフトされたレジスタY1,Y2の値も0にセットされるようにしている。
【0037】
次に、制御部20は、レジスタX1,X2,Y1,Y2の値を比較する(ステップ12)。ここでは、レジスタY1の値とレジスタX1の値の差の絶対値が限界値α以上であるか、あるいは、レジスタY2の値とレジスタX2の値の差の絶対値が限界値β以上であるかという条件を満足するか否かを判定する。
そして、条件を満たさない場合には、特に異常はないとして、トレーニングが終了するか、あるいはユーザUの指示により終了スイッチが押下されたか否かを判定し(ステップ13)、終了でないとステップ8に戻り、それ以下の処理を繰り返し、終了であると、トレーニングの成果を、例えば、図11に示すようなフォームによって、ユーザU個々に対応し、回数,日付、決定された基準傾斜角度θ0,揺動速度,揺動回数等が記録される(ステップ16)。この記録は、操作表示部7に出力される。なお、記録をプリントアウトしたり、あるいは、ユーザU個々に作成されたカードを読取り式とし、そのカードに記録を入力するようにしてもよい。
また、ステップ12で条件を満たした場合、制御部20はペダル部2,3の揺動を強制的に停止し、その旨及びそのときの状況を記録の備考に入力して処理を終える(ステップ15)。
【0038】
このようなトレーニングを行うことで、ユーザUは、図10に示すように、第2回のトレーニングを行う場合には、通常、基準傾斜角度が向上する。それにともない、トレーニング時の最大傾斜角度も第1回のトレーニングと比較して大きくなるので、トレーニングにより運動機能の向上がみられる。
【0039】
なお、ここでは、ユーザUの荷重が単位時間当たりに大きく変動した場合にユーザUに異常が生じたものと判断して、ペダル部2,3の揺動を停止するという処理(ステップ9〜12,15)をトレーニング用揺動処理(ステップ8)の間に行うようにしたが、準備運動用揺動処理(ステップ7)の間にも、ステップ9〜12,15の処理を設けることもできる。
また、左側のペダル部2に載せられたユーザUの左足にかかる荷重に基づいてペダル部2の基準傾斜角度θ0を決定したり、荷重の変動によりペダル部2,3の揺動を緊急停止するようにしたが、左側のペダル部2の制御とは独立して、右側のペダル部3に載せられたユーザUの右足にかかる荷重に基づいてペダル部3の基準傾斜角度θ0を決定したり、荷重の変動によりペダル部2,3の揺動を緊急停止するようにすることもできる。かかる場合には、図8で示した基準傾斜角度決定の処理を左側のペダル部2用と右側のペダル部3用に2つ設けるとともに、図7のステップ9〜12,15の処理も左側のペダル部2用と右側のペダル部3用に2つ設けることで容易に行うことができ、片足毎に異なる位相でペダル部2,3を揺動可能である。
【0040】
また、本実施形態では、基準傾斜角度θ0を図9で示したように、つま先側の荷重値とかかと側の荷重値が逆転するときの傾斜角度としたが、基準傾斜角度は種々の方法によって決定することができる。
例えば、ペダル部2の前方を上げるようにして傾斜角度を変化させた場合に、圧力センサ14の検知したユーザUのかかと側の荷重値が0になった場合、すなわち、傾斜角度が大きくなりすぎて、かかとが浮いた場合の傾斜角度(図9で示すθ2)、あるいは、圧力センサ13の検知したユーザUのつま先側の荷重値が一定量(図9で示す30kg)以上になった場合の傾斜角度(同じく図9で示すθ2)を基準傾斜角度に決定するようにしてもよい。なお、ここでは、基準傾斜角度θ2はペダル部2の傾斜角度の最大値となり、図10で示す傾斜角度θ2となるので、制御部20は、傾斜角度θ2から図10に示す傾斜角度θ0,θ1を算出し、傾斜角度θ0〜θ1の範囲で準備運動用の揺動を行い、その後、傾斜角度θ0〜θ2の範囲でトレーニング用の揺動を行うことになる。
また、ペダル部2の前方を上げるようにして傾斜角度を変化させた場合に、その傾斜角度の変化分に対する、圧力センサ14の検知した荷重値の変化量がかかと用所定値以上になった場合の傾斜角度を基準傾斜角度に決定したり、あるいは、同じくペダル部2の前方を上げるようにして傾斜角度を変化させた場合に、その傾斜角度の変化分に対する、圧力センサ13の検知した荷重値の変化量がつま先用所定値以上になった場合の傾斜角度を基準傾斜角度に決定することもできる。
このような基準傾斜角度の決定は、図8で示したステップ64の条件を変えることで容易に行うことができる。
【0041】
また、本実施形態では、図10で示したような周期でペダル部2,3を揺動するようにしたが、周期としては種々態様があり、例えば、図10で示したものより、短い周期でペダル部2,3を揺動させたり、さらに細かく、ペダル部2,3をバイブレーションさせながら、昇降させることもできる。特に、足くびが伸びきった角度の最大のところでペダル部2,3を細くバイブレーションさせるとトレーニング効果は向上する。
【0042】
また、本実施形態では、ペダル部2,3を駆動するアクチュエータとして、ステッピングモータ11,12を使用し、精度の高い制御を実現するようにしたが、アクチュエータとしはこれに限定されるものではなく、例えば、電動モータで作動ロッドを駆動したり、あるいは、流体圧シリンダで作動ロッドを駆動してペダル部2,3を揺動させるものであってもよい。
また、ユーザUの荷重を検知するセンサとして圧力センサ13〜16を使用したが、荷重を検知しうるものであればどのようなセンサであってもよい。
【0043】
以上示したような、自動制御によれば、ユーザUの体調に合ったペダル部2,3の基準傾斜角度θ0が自動的に決定され、その値に基づいて、準備運動時の揺動範囲(傾斜角度θ1〜θ0)とトレーニング時の揺動範囲(傾斜角度θ0〜θ2)が設定されるので、ユーザUにとって最適で極め細かいトレーニングを実行することができる。
これにより、ユーザUは、たとえ筋力が衰えていたり関節が硬くなっていたりしても、ふくらはぎの筋肉及びアキレス腱を中心とする部位の柔軟性を効率的に向上させることができる。
しかも、ペダル部2,3およびステッピングモータ11,12は、片足分ずつ二組設けられているので、故障があるため特に片足について慎重なリハビリテーションが必要等、左右の足関節で曲げて良い範囲が異なる場合にも対応することができる。
【0044】
さらに、制御部20は、左右各ペダル部2,3の揺動駆動範囲を可変設定できるので、ユーザUの左右の足関節で曲げて良い範囲が異なる場合に容易に対応することができる。
また、制御部20は、二つのペダル部2,3の揺動駆動速度を可変設定できるので、ユーザUの体調に合わせてペダル部2,3を揺動させ得て、ユーザUは無理なく足関節の運動を行うことができる。
【0045】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る足関節運動装置を示す全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る足関節運動装置を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る足関節運動装置を示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る足関節運動装置を示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る足関節運動装置のペダル部の動きを示す拡大側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る足関節運動装置の電気的構成の概要を示すブロック図である。
【図7】図6に示す制御部の処理内容の要部を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す基準傾斜角度決定の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】ペダル部の傾斜角度と荷重との関係を示すグラフである。
【図10】ペダル部の揺動制御の一例を経過時間とペダル部の傾斜角度との関係において示したグラフである。
【図11】個人記録の内容の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 基台
2 左側ペダル部
2a 足載せ板
3 右側ペダル部
3a 足載せ板
4 支持柱(支持手段)
4a 脚部
4b 脚部
5 支持柱(支持手段)
5a 脚部
5b 脚部
6 手摺り部
7 操作表示部
8 背面支持部
9 台座
11 ステッピングモータ(アクチュエータ)
12 ステッピングモータ(アクチュエータ)
13 圧力センサ
14 圧力センサ
15 圧力センサ
16 圧力センサ
20 制御部(制御手段)
21 記憶部
22 ドライバ
32 フレーム
32a 左側壁
32b 右側壁
32c 前面壁
32d 後面壁
33 フレーム
33a 左側壁
33b 右側壁
33c 前面壁
33d 後面壁
34 支持板
35 かさ歯車
36 カップリング
37 かさ歯車
38 前面壁に相対向する基台前側の部位
U ユーザ
【出願人】 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
【識別番号】501303208
【氏名又は名称】丸善工業株式会社
【出願日】 平成18年9月11日(2006.9.11)
【代理人】 【識別番号】110000453
【氏名又は名称】特許業務法人 山広特許事務所


【公開番号】 特開2008−61965(P2008−61965A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−246021(P2006−246021)