| 【発明の名称】 |
エアーセル |
| 【発明者】 |
【氏名】二瓶 秀規
【氏名】海老沼 利光
【氏名】佐藤 元
【氏名】真田 弘美
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| 【要約】 |
【課題】空気袋の上端側と下端側とが所定距離よりも近い位置にあることを検知することができ、しかも安価に製造することのできるエアーセルを提供する。
【構成】エアーセル10が潰れて空気袋11の上端側が弾性部材14に接触するとともに、弾性部材14に下方に向かう力が加わると、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形するとともに、薄膜部12fの下方への変形をスイッチ20によって検知することができるので、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離よりも近い位置にあることを検知することができる。また、スイッチ20は空気室ARの底面の一部を形成する薄膜部12fの下側に設けられ、スイッチ20は空気室ARの外部に配置されているので、スイッチ20と他の装置とを容易に接続することができ、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上方に向かって延びる空気袋を有するとともに、空気袋の内側に空気室が形成され、互いに略水平方向に並ぶように複数設けられて所定の支持対象物を支持するエアーセルにおいて、 前記空気室の底面の少なくとも一部を形成する上下方向に弾性変形可能な薄膜部と、 薄膜部の上面から上方に向かって延びるように設けられた延設部材と、 薄膜部の下側に設けられ、薄膜部の下方への変形量が所定量以上であることを検知可能な検知手段とを備えた ことを特徴とするエアーセル。 【請求項2】 前記延設部材を上下方向に弾性変形可能な弾性部材から形成した ことを特徴とする請求項1記載のエアーセル。 【請求項3】 上方に向かって延びる空気袋を有するとともに、空気袋の内側に空気室が形成され、互いに略水平方向に並ぶように複数設けられて所定の支持対象物を支持するエアーセルにおいて、 前記空気室の底面の少なくとも一部を形成する上下方向に弾性変形可能な薄膜部と、 薄膜部の上方に上下方向に移動可能に設けられた可動部材と、 可動部材を上方に向かって付勢する付勢部材と、 薄膜部の下側に設けられ、薄膜部の下方への変形量が所定量以上であることを検知可能な検知手段とを備えた ことを特徴とするエアーセル。 【請求項4】 前記可動部材を上下方向に弾性変形可能な弾性部材から形成した ことを特徴とする請求項3記載のエアーセル。 【請求項5】 前記検知手段に、薄膜部に上方から押されることにより下方に向かって移動する第1接点と、所定距離だけ下方に向かって移動した第1接点が上方から当接する第2接点とを設けた ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のエアーセル。 【請求項6】 前記検知手段に、薄膜部に上方から押されることにより下方に向かって移動する第1接点と、第1の所定距離だけ下方に向かって移動した第1接点が上方から当接するとともに、第1接点に上方から押されることにより下方に向かって移動する第2接点と、第2の所定距離だけ下方に向かって移動した第2接点が上方から当接する第3接点とを設けた ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のエアーセル。 【請求項7】 前記検知手段を薄膜部との距離が所定の大きさ以下であることを検知可能な近接センサから構成した ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のエアーセル。 【請求項8】 前記空気室内の空気圧を検知可能な圧力センサを備えた ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載のエアーセル。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば車椅子の着座面や病院のベッドに載置され、着座者や患者に発生する褥瘡を防止するために用いられるエアーセルに関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、この種のエアーセルを用いたクッションとしては、互いに着座面に沿って並ぶように配置され、それぞれ上方に向かって延びる空気袋から成る複数のエアーセルと、着座面に沿って延びるように形成され、各エアーセルの下端側を支持する可撓性のベース部材と、各エアーセル内を互いに連通させる空気通路とを備え、着座者が各エアーセル上に着座すると各エアーセル内の空気圧が互いに等しくなり、着座者の臀部に加わる圧力を分散させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 ところで、前記クッションでは、各エアーセル内に所定圧力の空気を封入するとともに着座者が着座した後、各エアーセルから徐々に空気を排出していき、各エアーセルのうち最も潰れているエアーセルの空気袋の上端側がベース部材側に接触しないように空気の量を調整することにより、着座者の臀部に加わる圧力を効果的に分散するようにしている。しかしながら、着座者が着座した状態で空気袋の潰れ具合を確認することが難しいという問題点があった。 【0004】 そこで、他のクッションとしては、上方に向かって延びる空気袋から成るエアーセルと、エアーセルの空気袋内に設けられるとともに空気袋の上端面に取付けられた第1接点と、空気袋内に設けられるとともに空気袋の下端側に取付けられた第2接点と、空気袋の外部に設けられ、各接点と接続されて各接点の接触の有無を判定する判定部とを備え、空気袋が潰れて空気袋の上端側と下端側とが所定距離よりも近づくと、第1接点と第2接点とが接触し、空気袋の上端側と下端側とが所定距離よりも近い位置にあることを検知するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。 【特許文献1】特表平6−510436号公報 【特許文献2】米国特許第6943694号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、後者のクッションでは、空気袋内に各接点を設けるとともに、空気袋の外部に判定部を備え、各接点と判定部とを電気配線によって接続する必要があるので、前記電気配線を設ける分だけ空気袋の気密を確保することが難しくなり、製造コストが高くつくという問題点があった。 【0006】 本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気袋の上端側と下端側とが所定距離よりも近い位置にあることを検知することができ、しかも安価に製造することのできるエアーセルを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は前記目的を達成するために、上方に向かって延びる空気袋を有するとともに、空気袋の内側に空気室が形成され、互いに略水平方向に並ぶように複数設けられて所定の支持対象物を支持するエアーセルにおいて、前記空気室の底面の少なくとも一部を形成する上下方向に弾性変形可能な薄膜部と、薄膜部の上面から上方に向かって延びるように設けられた延設部材と、薄膜部の下側に設けられ、薄膜部の下方への変形量が所定量以上であることを検知可能な検知手段とを備えている。 【0008】 これにより、空気室の底面の少なくとも一部が上下方向に弾性変形可能な薄膜部によって形成されるとともに、薄膜部の上面から上方に向かって延びる延設部材が設けられ、薄膜部の下側には薄膜部の下方への変形量が所定量以上であることを検知可能な検知手段が設けられていることから、空気袋が潰れて空気袋の上端側が延設部材に接触するとともに、延設部材に下方に向かう力が加わると、薄膜部が下方に向かって弾性変形し、薄膜部の下方への変形量が所定量以上になると、その変形が検知手段によって検知される。また、検知手段は空気室の底面の一部を形成する薄膜部の下側に設けられていることから、検知手段が空気室の外部に配置される。 【0009】 また、本発明は、上方に向かって延びる空気袋を有するとともに、空気袋の内側に空気室が形成され、互いに略水平方向に並ぶように複数設けられて所定の支持対象物を支持するエアーセルにおいて、前記空気室の底面の少なくとも一部を形成する上下方向に弾性変形可能な薄膜部と、薄膜部の上方に上下方向に移動可能に設けられた可動部材と、可動部材を上方に向かって付勢する付勢部材と、薄膜部の下側に設けられ、薄膜部の下方への変形量が所定量以上であることを検知可能な検知手段とを備えている。 【0010】 これにより、空気室の底面の少なくとも一部が上下方向に弾性変形可能な薄膜部によって形成されるとともに、薄膜部の上方に上下方向に移動可能な可動部材が設けられ、可動部材は付勢部材によって上方に向かって付勢されるとともに、薄膜部の下側には薄膜部の下方への変形量が所定量以上であることを検知可能な検知手段が設けられていることから、空気袋が潰れて空気袋の上端側が可動部材または付勢部材に接触するとともに、可動部材または付勢部材に下方に向かう力が加わると、可動部材が付勢部材の付勢力に抗して下方に向かって移動するとともに、可動部材の当接によって薄膜部が下方に向かって弾性変形し、薄膜部の下方への変形量が所定量以上になると、その変形が検知手段によって検知される。また、検知手段は空気室の底面の一部を形成する薄膜部の下側に設けられていることから、検知手段が空気室の外部に配置される。 【発明の効果】 【0011】 本発明によれば、空気袋が潰れて空気袋の上端側が延設部材に接触するとともに、延設部材に下方に向かう力が加わると、薄膜部が下方に向かって弾性変形するとともに、薄膜部の下方への変形を検知手段によって検知することができるので、延設部材の形状等を適切に設定することにより、空気袋の上端側と下端側とが所定距離よりも近い位置にあることを検知することができる。また、検知手段を空気室の外部に配置することができるので、検知手段と他の装置とを容易に接続することができ、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 図1乃至図8は本発明の一実施形態を示すもので、図1はエアーセルの側面断面図、図2はエアーセルの斜視図、図3はクッションの要部側面断面図、図4乃至図6は臀部によって空気袋が潰される際のエアーセルの動作説明図、図7はスイッチの側面断面図、図8はスイッチの動作説明図である。 【0013】 本実施形態のエアーセル10は、下端が開口している空気袋11と、空気袋11を着脱自在に取付可能なベース部材12と、空気袋11をベース部材12に保持するリング状の保持部材13とを有する。 【0014】 空気袋11は軟質のゴムやプラスチック等の可撓性の材料から成り、内部に空気を封入可能である。空気袋11は、上下方向に延びる断面円形状の側面としての筒状部11aと、筒状部11aの上端を閉鎖するように形成された上端面11bとを有する。筒状部11a及び上端面11bは1mm以下の均一な厚み寸法を有する薄膜状に形成されている。筒状部11aの下端は開口しており、筒状部11aの下端の開口縁部11cは筒状部11aの他の部分よりも大きな厚み寸法を有するとともに、筒状部11aの他の部分の内周面よりも径方向内側に突出している。 【0015】 ベース部材12は空気袋11の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、円板状に形成されている。ベース部材12の上端面には上方に突出する断面円形状の上端側突出部12aが設けられ、上端側突出部12aには上下方向に延びる4つの通気穴12bが設けられている。また、上端側突出部12aの先端側の外周面には基端側の外周面よりも径方向外側に突出している径方向突出部12cが設けられている。空気袋11の開口縁部11cは上端側突出部12aの外周面に嵌合により取付けられ、開口縁部11cの内周面が上端側突出部12aの径方向突出部12cに下方から係合する。また、空気袋11の開口縁部11cを上端側突出部12aに嵌合した後に、保持部材13を開口縁部11cの外周面に取付けると、開口縁部11cが上端側突出部12a側に押付けられる。これにより、開口縁部11cと上端側突出部12aとの間が密閉され、空気袋11と上端側突出部12aの上端面によって空気室ARが形成される。 【0016】 ベース部材12の下端面には下方に突出する断面円形状の下端側突出部12dが設けられ、下端側突出部12dにはその外周面から各通気穴12bまでそれぞれ貫通する4つの空気通路12eが設けられている。また、各空気通路12eは互いに下端側突出部12dの周方向に等角度間隔をおいて配置されている。 【0017】 ベース部材12の上端側突出部12aの中央部には薄膜部12fが形成されている。薄膜部12fはベース部材12と一体に形成され、上下方向に弾性変形可能である。薄膜部12fの下方には断面矩形状の穴12gが設けられ、穴12gは上下方向に延びるように形成されるとともに下端側突出部12dの下面に開口している。薄膜部12fの上面には上方に向かって延びる突起12hが一体に設けられ、突起12hは円柱状に形成されている。突起12hには延設部材としての弾性部材14が取付けられ、弾性部材14は薄膜部12の上面から上方に向かって延びるように形成されている。弾性部材14は金属製のコイルスプリングである。 【0018】 穴12g内には検知手段としてのスイッチ20が取付けられている。スイッチ20は、中空状に形成された本体21と、本体21の上端面に上下方向に移動可能に設けられたボタン部材22と、ボタン部材22の下方に設けられた第1接点部材23と、第1接点部材23の下方に設けられた第2接点部材24とを有する。 【0019】 本体21はプラスチック等の絶縁材料から成り、ベース部材12の穴12fの内形よりもわずかに大きい外形を有する。即ち、本体21がベース部材12の穴12g内に嵌め込まれることにより、スイッチ20がベース部材12の穴12gに着脱自在に取付けられている。また、薄膜部12fの下面とボタン部材22の上端面とが距離SGだけ離れるように、スイッチ20がベース部材12に取付けられている(図1参照)。 【0020】 ボタン部材22はプラスチック等の絶縁材料から成る。 【0021】 第1接点部材23は銅等の金属材料から成り、薄い板状に形成されている。第1接点部材23はボタン部材22の下端面と接触している。第1接点部材23の一端は絶縁材料から成る一端側支持部材21aに支持され、第1接点部材23の他端は絶縁材料から成る他端側支持部材21bに支持されている。また、第1接点部材23の一端には第1電気配線31が接続されている。ボタン部材22及び第1接点部材23によって特許請求の範囲に記載した第1接点が構成されている。 【0022】 第2接点部材24は銅等の金属材料から成り、薄い板状に形成されている。第2接点部材24は第1接点部材23の下面と所定距離Gだけ離れた位置に配置されている。第2接点部材24の一端は一端側支持部材21aに第1接点部材23と絶縁状態に支持され、第2接点部材24の他端は他端側支持部材21bに第1接点部材23と絶縁状態に支持されている。また、第2接点部材23の他端には第2電気配線32が接続されている。第2接点部材24は特許請求の範囲に記載した第2接点に相当する。 【0023】 複数のエアーセル10が互いに略水平方向に並ぶように取付板40に取付けられることによりクッション100が形成される(図3参照)。取付板40は空気袋11の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、各ベース部材12の数倍から数百倍の面積を有する矩形の板状である。取付板40にはその厚さ方向に貫通する複数の貫通孔41が設けられ、各貫通孔41はベース部材12の下端側突出部12dの外径よりもわずかに小さい内径を有する。各ベース部材12の下端側突出部12dが各貫通孔41に取付板40の上端面側から下端面側に向かってそれぞれ挿入されると、各ベース部材12の下端側突出部12dが各貫通孔41に嵌合し、各ベース部材12が取付板40に着脱自在に取付けられる。また、各ベース部材12の下端面が取付板40の上端面に当接する。これにより、複数のエアーセル10が取付板40上に互いに略水平方向に並ぶように配置される。 【0024】 各ベース部材12が取付板40に取付けられると、各ベース部材12の下端側突出部12dが取付板40の下端面側に突出する。また、下端側突出部12dに設けられた各空気通路12eも取付板40の下端面側に配置される。ここで、各ベース部材12の間にそれぞれ連結パイプ50を設け、各連結パイプ50を各ベース部材12の空気通路12eにそれぞれ挿入する。これにより、各ベース部材12の空気通路12eが各連結パイプ50を介して連通し、取付板40に取付けられた各エアーセル10内が互いに連通する。また、連結パイプ50が挿入されない空気通路はゴム栓51によって閉鎖する。尚、本実施形態では、連結パイプ50が挿入されない空気通路12eをゴム栓51によって閉鎖するようにしたものを示したが、各ベース部材12に連結パイプ50を挿入する分だけ空気通路12eを形成し、ゴム栓51によって空気通路12eを閉鎖する手間を省くことも可能である。 【0025】 以上のように構成されたクッション100は、例えば車椅子の着座面に載置されて使用され、車椅子の着座面に応じた面積を有する。また、着座者がクッション100上に着座すると、各エアーセル10内の空気が各連結パイプ50を介して移動し、各エアーセル10内の空気圧が同等になる。 【0026】 ここで、臀部Hの下面側のより大きい面積が各エアーセル10によって支持される方が、着座者の臀部Hに加わる圧力が分散される。一方、各エアーセル10のうち最も潰れているエアーセル10の空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離L(図6参照)よりも近い位置にあると、その空気袋11は臀部11を軟らかく支持することができなくなる。即ち、各エアーセル10のうち最も潰れているエアーセル10の空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離Lよりもわずかに離れるように各エアーセル10内の空気量を調整すると、着座者の臀部Hに加わる圧力を効果的に分散することができる。 【0027】 そこで、着座者がクッション100に着座する際は、先ず、図示しない電動ポンプによって各エアーセル10内に所定量の空気を充填する。次に、着座者がクッション100上に着座するとともに、各エアーセル10内の空気を図示しない排出弁から排出していく。これにより、各エアーセル10が着座者の臀部Hの形状に応じてそれぞれ潰れていく。 【0028】 ここで、各エアーセル10の空気室ARの底面の一部が上下方向に弾性変形可能な薄膜部12fによって形成され、薄膜部12fの上面から上方に向かって延びる弾性部材14が設けられているので、各エアーセル10のうち最も潰れているエアーセル10の空気袋11の上端側が弾性部材14に接触すると、弾性部材14に下方に向かう力が加わる(図4及び図5参照)。これにより、弾性部材14が上下方向に圧縮変形し始め、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形し始める。さらに、空気袋11の上端側が下方に向かって移動すると、さらに弾性部材14が上下方向に圧縮変形するとともに、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形し、薄膜部12fの下面がスイッチ20のボタン部材22の上端面に当接するとともに、ボタン部材22が薄膜部12fに押されて所定距離Gだけ下方に向かって移動する(図6及び図7参照)。これにより、ボタン部材22によって第1接点部材23の中央部が所定距離Gだけ下方に向かって移動し、第1接点部材23と第2接点部材24とが接触する(図8参照)。即ち、第1電気配線31と第2電気配線32とが通電し、薄膜部12fの変形量が距離SG以上になったことがスイッチ20によって検知される。また、この時にエアーセル10の空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離Lになっている。 【0029】 このように、本実施形態によれば、エアーセル10が潰れて空気袋11の上端側が弾性部材14に接触するとともに、弾性部材14に下方に向かう力が加わると、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形するとともに、薄膜部12fの下方への変形をスイッチ20によって検知することができるので、弾性部材14の上下方向の寸法、弾性部材14の弾性率、薄膜部12fの弾性率、薄膜部12fの下面とスイッチ20のボタン部材22の上端面との距離SGなどを適切に設定することにより、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離Lよりも近い位置にあることを検知することができる。このため、各エアーセル10のうち何れか1つのエアーセル10のスイッチ20によって薄膜部12fの下方への変形が検知されるまで、各エアーセル10内の空気を図示しない排出弁から排出した後、各エアーセル10内に所定量の空気を充填することにより、各エアーセル10のうち最も潰れているエアーセル10の空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離Lよりもわずかに離れるように、各エアーセル10内の空気量を調整することができる。 【0030】 また、スイッチ20は空気室ARの底面の一部を形成する薄膜部12fの下側に設けられ、スイッチ20は空気室ARの外部に配置されているので、スイッチ20と他の装置とを容易に接続することができ、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。 【0031】 また、薄膜部12fの上面から上方に向かって延びる弾性部材14を設け、弾性部材14を上下方向に弾性変形可能に形成したので、薄膜部12fによってボタン部材22が下方に移動した後にさらに空気袋11の上端側が下方に向かって移動した場合でも、弾性部材14が圧縮方向に弾性変形して空気袋の上端側の移動を許容するので、臀部Hに大きな力が加わることがなく、臀部Hを軟らかく支持する上で極めて有利である。 【0032】 また、スイッチ20に、薄膜部12fに上方から押されることにより下方に向かって移動するボタン部材22及び第1接点部材23と、所定距離Gだけ下方に向かって移動した第1接点部材23の中央部が当接する第2接点部材24とを設けたので、薄膜部12fが距離SGだけ下方に向かって変形すると、薄膜部12fがボタン部材22の上端面に当接するとともに、ボタン部材22及び第1接点部材23が下方に向かって所定距離Gだけ移動し、各接点部材23,24が接触する。即ち、簡単な構造によって薄膜部12fの変形を確実に検知することができ、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。 【0033】 尚、本実施形態では、薄膜部12fの下方にスイッチ20を設け、スイッチ20によって薄膜部12fの変形を検知するようにしたものを示したが、薄膜部12fの下方に周知の近接センサを設け、近接センサと薄膜部との距離が所定の大きさ以下であることを検知することにより、薄膜部12fの変形を検知することも可能である。また、薄膜部12fの変形を周知の光電センサによって検知することも可能である。 【0034】 また、エアーセル10に空気室AR内の空気圧を測定可能な圧力センサを設け、クッション100を構成する各エアーセル100内の空気圧をそれぞれ測定することも可能である。この場合、圧力センサはベース部材12を挿通して空気室AR内に突出するように設けられる。これにより、クッション100を構成する各エアーセル10内に所定量の空気が充填された状態で、クッション100上に着座者が着座すると、各エアーセル10内の空気圧がそれぞれ変化し、その空気圧の変化がそれぞれ測定される。即ち、着座者の体重や臀部Hの形状に応じた空気圧分布を得ることができる。 【0035】 尚、本実施形態では、空気袋11の上端側が単純に下方に向かって移動した場合について示したが、空気袋11の上端側が斜め下方に向かって移動した場合でも、空気袋11の筒状部11aが弾性部材14に接触するとともに、弾性部材14に下方に向かう力が加わり、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形するとともに、薄膜部12fの下方への変形がスイッチ20によって検知される(図9参照)。即ち、着座者の姿勢によって空気袋11の上端側が斜め下方に向かって移動する場合があるが、この場合でも空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが近付き過ぎることがなく、臀部Hを軟らかく支持する上で極めて有利である。 【0036】 また、本実施形態では、薄膜部12fの下方にスイッチ20を設けたものを示したが、図10乃至図14に示すように、スイッチ20の代わりにスイッチ60を設けることも可能である。この場合、スイッチ60は、スイッチ20と同様の本体61及びボタン部材62と、ボタン部材62の下方に設けられた第1接点部材63と、第1接点部材63の下方に設けられた第2接点部材64と、第2接点部材64の下方に設けられた第3接点部材65とを有する。 【0037】 第1接点部材63は銅等の金属材料から成り、薄い板状に形成されている。第1接点部材63はボタン部材62の下端面と接触している。第1接点部材63の一端は絶縁材料から成る一端側支持部材61aに支持され、第1接点部材63の他端は絶縁材料から成る他端側支持部材61bに支持されている。また、第1接点部材63の一端には第1電気配線71が接続されている。第1接点部材63及びボタン部材62によって特許請求の範囲に記載した第1接点が構成されている。 【0038】 第2接点部材64は銅等の金属材料から成り、薄い板状に形成されている。第2接点部材64は第1接点部材63の下面と第1所定距離G1だけ離れた位置に配置されている(図10参照)。第2接点部材64の一端は一端側支持部材61aに第1接点部材63と絶縁状態に支持され、第2接点部材64の他端は他端側支持部材61bに第1接点部材63と絶縁状態に支持されている。また、第2接点部材64の他端には第2電気配線72が接続されている。第2接点部材64は特許請求の範囲に記載した第2接点に相当する。 【0039】 第3接点部材65は銅等の金属材料から成り、薄い板状に形成されている。第3接点部材65は第2接点部材64の下面と第2所定距離G2だけ離れた位置に配置されている。第3接点部材65の一端は一端側支持部材61aに第1接点部材63及び第2接点部材64と絶縁状態で支持され、第3接点部材65の他端は他端側支持部材61bに第1接点部材63及び第2接点部材64と絶縁状態で支持されている。また、第3接点部材65の一端には第3電気配線73が接続されている。第3接点部材65は特許請求の範囲に記載した第3接点に相当する。 【0040】 このように構成されたエアーセル10において、空気袋11の上端側が弾性部材14に接触すると、弾性部材14が下方に向かって弾性変形し始め、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形し始める。さらに空気袋11の上端側が下方に向かって移動すると、さらに弾性部材14が上下方向に圧縮変形するとともに、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形し、薄膜部12fの下面がスイッチ60のボタン部材62の上端面に当接するとともに、薄膜部12fに押されることによりボタン部材62及び第1接点部材63が第1所定距離G1だけ下方に向かって移動する(図11参照)。これにより、第1接点部材63と第2接点部材64とが接触する(図13参照)。即ち、第1電気配線71と第2電気配線72とが通電し、薄膜部12fの下方への変形量が距離SG以上であることがスイッチ60によって検知される。即ち、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが第1所定距離L1よりも近づいたことがスイッチ60によって検知される。 【0041】 さらに、空気袋11の上端側が下方に向かって移動すると、さらに弾性部材14が上下方向に圧縮変形し、ボタン部材62、第1接点部材63及び第2接点部材64に下方に向かう力が加わる。ボタン部材62及び第1接点部材63に上方から押されることにより第2接点部材64の中央部が第2所定距離G2だけ下方に向かって移動すると、第2接点部材64と第3接点部材65とが接触し、第2電気配線72と第3電気配線73とが通電する。即ち、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが第2所定距離L2よりも近づいたことがスイッチ60によって検知される。 【0042】 ここで、第2所定距離L2を臀部Hが軟らかく支持される限界の距離に設定すると、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが第1所定距離L1と第2所定距離L2の間にあることをスイッチ60によって検知することができる。ここで、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが第1所定距離L1と第2所定距離L2の間にあれば、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが第2所定距離L2よりもわずかに離れた位置に配置される。即ち、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが第2所定距離L2よりも近づくことを防止することができ、しかも空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが第2所定距離L2よりもわずかに離れるように、各エアーセル10内の空気量を容易に調整することができる。 【0043】 尚、本実施形態では、薄膜部12fの上面から上方に向かって延びるように形成された弾性部材14を設けたものを示したが、弾性部材14及び突起12hの代わりに延設部材12kを設けることも可能である。この場合、延設部材12kは薄膜部12fと一体に形成され、薄膜部14の上端面から上方に向かって延びるように形成されている。空気袋11の上端側が延設部材12kに接触するとともに、延設部材12kに下方に向かう力が加わると、薄膜部12fが下方に向かって変形し、薄膜部12fの変形がスイッチ20によって検知される。即ち、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離よりも近い位置にあることを検知することができる。 【0044】 また、本実施形態では、薄膜部12fの上面から上方に向かって延びるように形成された弾性部材14を設けたものを示したが、弾性部材14の代わりに第1弾性部材15及び第2弾性部材16を設けることも可能である。この場合、第1弾性部材15は金属製のコイルスプリングであり、上下方向に弾性変形可能に形成されるとともに、下端側から上端側に向って徐々に巻き径が小さくなるように形成されている。また、第1弾性部材15はベース部材12の上端側突出部12aの上端面に載置されている。第2弾性部材16は金属製のコイルスプリングから成り、上下方向に弾性変形可能に形成されるとともに、上端側から下端側に向って徐々に巻き径が小さくなるように形成されている。第2弾性部材16の上端側は第1弾性部材15の上端側に取付けられ、第2弾性部材16は薄膜部12fの上方に配置されている。第2弾性部材16と薄膜部12fとの間には所定の隙間が設けられている。即ち、第2弾性部材16は第1弾性部材15によって薄膜部12の上方に上下方向に移動可能に支持され、第1弾性部材15は第2弾性部材16を上方に向かって付勢可能である。また、薄膜部12fの上面の突起12hは不要となる。第1弾性部材15は特許請求の範囲に記載した付勢部材に相当し、第2弾性部材16は特許請求の範囲に記載した可動部材に相当する。 【0045】 このように構成されたエアーセル10において、空気袋11の上端側が第1弾性部材15または第2弾性部材16に接触すると、第1弾性部材15または第2弾性部材16に下方に向かう力が加わり、第1弾性部材15が下方に向かって弾性変形し始める。さらに空気袋11の上端側が下方に向かって移動すると、さらに第1弾性部材15が上下方向に圧縮変形するとともに、第2弾性部材16の下端が薄膜部12fに当接する。さらに空気袋11の上端側が下方に向かって移動すると、さらに第1弾性部材15が上下方向に圧縮変形するとともに、薄膜部12fが下方に向かって弾性変形し、薄膜部12fの変形量が距離SG以上になると、薄膜部12fの変形がスイッチ20によって検知される。即ち、空気袋11の上端側とベース部材12の上端面とが所定距離よりも近い位置にあることを検知することができる。 【0046】 また、第1弾性部材15によって第2弾性部材16を支持し、第2弾性部材16を上下方向に弾性変形可能に形成したので、薄膜部12fによってボタン部材22が下方に移動した後にさらに空気袋11の上端側が下方に向かって移動した場合でも、第2弾性部材16が圧縮方向に弾性変形して空気袋の上端側の移動を許容するので、臀部Hに大きな力が加わることがなく、臀部Hを軟らかく支持する上で極めて有利である。 【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】本発明における一実施形態を示すエアーセルの側面断面図 【図2】エアーセルの斜視図 【図3】クッションの要部側面断面図 【図4】臀部によって空気袋が潰される際のエアーセルの動作説明図 【図5】臀部によって空気袋が潰される際のエアーセルの動作説明図 【図6】臀部によって空気袋が潰される際のエアーセルの動作説明図 【図7】スイッチの側面断面図 【図8】スイッチの動作説明図 【図9】臀部によって空気袋が潰される際のエアーセルの動作説明図 【図10】本実施形態の第1変形例を示すスイッチの側面断面図 【図11】本実施形態の第1変形例を示すエアーセルの動作説明図 【図12】本実施形態の第1変形例を示すエアーセルの動作説明図 【図13】本実施形態の第1変形例を示すスイッチの動作説明図 【図14】本実施形態の第1変形例を示すスイッチの動作説明図 【図15】本実施形態の第2変形例を示すエアーセルの側面断面図 【図16】本実施形態の第3変形例を示すエアーセルの側面断面図 【符号の説明】 【0048】 10…エアーセル、11…空気袋、11a…筒状部、11b…上端面、11c…開口縁部、12…ベース部材、12a…上端側突出部、12b…通気穴、12c…径方向突出部、12d…下端側突出部、12e…空気通路、12f…薄膜部、12g…穴、12h…突起、12k…延設部材、13…保持部材、14…弾性部材、20…スイッチ、21…本体、22…ボタン部材、23…第1接点部材、24…第2接点部材、31…第1電気配線、32…第2電気配線、40…取付板、41…貫通孔、50…連結パイプ、51…ゴム栓、60…スイッチ、61…本体、62…ボタン部材、63…第1接点部材、64…第2接点部材、65…第3接点部材、71…第1電気配線、72…第2電気配線、73…第3電気配線、H…臀部。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006714 【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社 【識別番号】504137912 【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
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| 【出願日】 |
平成18年8月30日(2006.8.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069981 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 精孝
【識別番号】100087860 【弁理士】 【氏名又は名称】長内 行雄
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| 【公開番号】 |
特開2008−54873(P2008−54873A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−234608(P2006−234608) |
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