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【発明の名称】 ミストサウナ装置
【発明者】 【氏名】木村 雅彦

【要約】 【課題】ミストノズル11に給水するミスト用給水路12に介設した液々熱交換器13を備え、熱源機7から熱媒循環路8´を介して液々熱交換器に供給される熱媒体により、ミストノズルに供給する水を加熱するようにしたミストサウナ装置において、ミストノズルに供給される水の温度(ミスト温度)を設定温度の変更に応じて応答性良く可変できるようにする。

【構成】液々熱交換器13の上流側でミスト用給水路12から分岐し、液々熱交換器13の下流側でミスト用給水路12に合流するバイパス水路18が設けられ、このバイパス水路18に流量調節弁19が介設される。そして、バイパス水路18の合流部の下流側に設けたミスト温度センサ20の検出温度が設定温度になるように流量調節弁19を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミストノズルから噴霧されるミストを浴室に供給するようにしたミストサウナ装置であって、熱源機と、ミストノズルに給水するミスト用給水路に介設した液々熱交換器とを備え、熱源機から熱媒循環路を介して液々熱交換器に供給される熱媒体により、ミストノズルに供給する水を加熱するようにしたものにおいて、
液々熱交換器の上流側でミスト用給水路から分岐し、液々熱交換器の下流側でミスト用給水路に合流するバイパス水路が設けられ、このバイパス水路に流量調節弁が介設されていることを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
前記バイパス水路の合流部より下流側の前記ミスト用給水路の部分の温度を検出するミスト温度センサを備えると共に、前記液々熱交換器への熱媒体の供給流量を一定に維持しつつ、ミスト温度センサの検出温度が設定温度になるように前記流量調節弁を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ミストノズルから噴霧されるミストを浴室に供給するようにしたミストサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のミストサウナ装置では、一般に、給湯器で加熱された温水をミストノズルに供給している(例えば、特許文献1参照)。ここで、給湯用熱源部のバーナを燃焼させるには、所定の最低作動流量(例えば、4リットル/分)以上の水を給湯器に流す必要がある。一方、ミストノズルで温水をミスト状に噴出させるのに適した流量は微少量(例えば、2リットル/分)であり、給湯器で加熱された温水を全てミストノズルから噴出させるとミスト粒径が大きくなって、使用者に不快感を与える虞がある。そこで、上記特許文献1に記載のものでは、給湯器とミストノズルとの間の経路から排水路を分岐し、給湯器で加熱された温水の一部を排水して、ミストノズルに適量の温水が供給されるようにしている。
【0003】
然し、このように温水の一部を排水したのでは、資源の無駄になりランニングコストが増大する。そこで、ミストノズルに給水するミスト用給水路に液々熱交換器を介設し、熱源機から熱媒循環路を介して液々熱交換器に供給される不凍液などの熱媒体により、ミストノズルに供給する水を加熱するようにしたミストサウナ装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。これによれば、給湯器を使用する場合のような最低作動流量による流量の制限を受けず、液々熱交換器に流す水の流量を抑えることにより、液々熱交換器で加熱された温水の全量をミストノズルから所望のミスト粒径で噴霧することができる。そのため、排水が不要になり、ランニングコストを低減できる。
【0004】
また、特許文献2に記載のものでは、熱媒循環路に流量調節弁を介設すると共に、液々熱交換器の下流側のミスト用給水路の部分の温度を検出するミスト温度センサを設け、ミスト温度センサの検出温度が設定温度になるように流量調節弁で液々熱交換器への熱媒体の供給流量を調節する温調制御を行っている。
【0005】
ところで、ミスト運転中に入浴者が設定温度を変更することは間々ある。この場合、設定温度の変更に応じて液々熱交換器への熱媒体の供給流量が変化する。然し、液々熱交換器は熱容量が大きいため、熱媒体の供給流量を変化させても、ミストノズルに供給される温水の温度が変更後の設定温度に変化するまでには時間がかかり、入浴者に不便をかける。
【特許文献1】特開2002−489号公報
【特許文献2】特開2003−334230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、液々熱交換器を用いるにも拘らず、ミストノズルに供給される水の温度を設定温度の変更に応じて応答性良く可変できるようにしたミストサウナ装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ミストノズルから噴霧されるミストを浴室に供給するようにしたミストサウナ装置であって、熱源機と、ミストノズルに給水するミスト用給水路に介設した液々熱交換器とを備え、熱源機から熱媒循環路を介して液々熱交換器に供給される熱媒体により、ミストノズルに供給する水を加熱するようにしたものにおいて、液々熱交換器の上流側でミスト用給水路から分岐し、液々熱交換器の下流側でミスト用給水路に合流するバイパス水路が設けられ、このバイパス水路に流量調節弁が介設されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、液々熱交換器で加熱された温水とバイパス水路に流れた水とが混合してミストノズルに供給されるため、バイパス水路に流れる水量を変化させることによりミストノズルに供給される温水の温度は速やかに変化する。従って、設定温度の変更に応じて流量調節弁によりバイパス水路に流れる水量を変化させることで、液々熱交換器の熱容量の影響を受けることなく、ミストノズルに供給される温水の温度を変更された設定温度に応答性良く変化させることができる。
【0009】
そして、バイパス水路の合流部より下流側のミスト用給水路の部分の温度を検出するミスト温度センサを備えると共に、液々熱交換器への熱媒体の供給流量を一定に維持しつつ、ミスト温度センサの検出温度が設定温度になるように流量調節弁を制御する制御手段を備えれば、ミストノズルに供給される水の正確な温調制御を行うことができる。
【0010】
ここで、上記従来例の如く熱媒循環路に流量調節弁を介設する場合、流量調節弁として開度可変幅が比較的狭い小型安価なものを用いると、流量調節弁の圧力損失が大きくなって液々熱交換器への熱媒体の最大供給量が比較的低く制限されてしまい、ミストノズルに供給する温水の温度を左程高くできなくなる。これに対し、液々熱交換器への熱媒体の供給流量を一定に維持する場合には、熱媒循環路に単純な開閉弁を介設するだけで済み、弁の圧力損失は小さくなる。そのため、弁の圧力損失で液々熱交換器への熱媒体の供給流量が制限されて、液々熱交換器での水の加熱が不足するといった不具合は生じない。また、バイパス水路に介設する流量調節弁として開度可変幅が比較的狭い小型安価なものを用いることで、流量調節弁の圧力損失が大きくなっても、ミストノズルへの供給水量はミスト状の噴霧に適した比較的少量に抑えるべきであるため、特に不具合は生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の実施形態のミストサウナ装置を具備する浴室暖房機を示している。この浴室暖房機は、浴室の天井部に設置される箱形のハウジング1を備えている。ハウジング1の下面には、吸込み口2と、可変ルーバ3a付きの吹出し口3とが設けられている。ハウジング1内には、吸込み口2から吹出し口3に至る通風路4と、通風路4を介して浴室の空気を循環させる循環ファン5と、通風路4に流れる空気を加熱する放熱器6とが配置されている。
【0012】
放熱器6には、別置きの熱源機7に連なる熱媒循環路8が接続されている。熱媒循環路8には開閉弁から成る暖房用熱媒弁9が介設されており、熱源機7で加熱された熱媒体(水、不凍液等)が暖房用熱媒弁9の開弁で放熱器6に循環される。そして、浴室の空気が循環ファン5の回転により吸込み口2から通風路4に吸込まれて放熱器6で加熱され、温風となって吹出し口3から浴室に送風される。
【0013】
ハウジング1の上面にはミストユニット10が搭載されている。そして、ミストユニット10に配管接続されるミストノズル11をハウジング1の下面の吹出し口3に隣接する部分に配置し、ミストノズル11から噴霧されるミストが吹出し口3からの温風に乗って浴室に供給されるようにしている。
【0014】
ミストユニット10には、ミストノズル11に給水するミスト用給水路12に介設した液々熱交換器13が設けられている。液々熱交換器13には、熱媒循環路8から分岐した熱媒循環路8´が接続されており、この熱媒循環路8´に開閉弁から成るミスト用熱媒弁14が介設されている。かくして、熱源機7で加熱された熱媒体がミスト用熱媒弁14の開弁で液々熱交換器13に供給され、ミスト用給水路12に流れる水が液々熱交換器13で熱媒体の熱により加熱される。
【0015】
ミスト用給水路12は、その上流端において減圧弁15を介して家屋の水道配管に接続されており、減圧弁15によりミストノズル11への給水量がミスト状の噴霧に適した比較的少量に制限されるようにしている。また、ミスト用給水路12には、液々熱交換器13の上流側に位置させて開閉弁から成る給水弁16が介設されると共に、液々熱交換器13の下流側に位置させて開閉弁から成るミスト弁17が介設されている。更に、液々熱交換器13とその上流側の給水弁16との間の部分でミスト用給水路12から分岐し、液々熱交換器13とその下流側のミスト弁17との間でミスト用給水路12に合流するバイパス水路18が設けられ、このバイパス水路18に流量調節弁19が介設されている。
【0016】
また、バイパス水路18の合流部とその下流側のミスト弁17との間のミスト用給水路12の部分の温度を検出するミスト温度センサ20を設けると共に、ミスト温度センサ20とミスト弁17との間のミスト用給水路12の部分から排水路21を分岐して、この排水路21に開閉弁から成る排水弁22を介設している。
【0017】
上記した循環ファン5、暖房用熱媒弁9、ミスト用熱媒弁14、給水弁16、ミスト弁17、流量調節弁19及び排水弁22は制御手段たる浴室暖房機用のコントローラ23で制御される。このコントローラ23は熱源機7用のコントローラと浴室に設置する浴室暖房機用のリモートコントローラとに通信可能に接続されている。そして、リモートコントローラに設けられているミストスイッチがオンされたときに、コントローラ23によるミスト運転制御が実行される。
【0018】
以下、図2を参照して、ミスト運転制御について詳述する。ミスト運転制御では、先ず、S1のステップで熱源機7に作動指令を送ると共にミスト用熱媒弁14を開弁させる。これにより、熱源機7で加熱された熱媒体が液々熱交換器13に供給されて、液々熱交換器13の予熱が開始される。尚、図示しないが、暖房用熱媒弁9も開弁させて放熱器6に熱媒体を供給し、放熱器6の予熱完了後に循環ファン5を作動させて、吹出し口3から浴室に温風を送風する。
【0019】
次に、S2のステップで前回のミスト運転から所定時間(例えば60分)経過したか否かを判別し、所定時間経過しているときは、S3のステップで排水制御を実行する。排水制御は、給水弁16と排水弁22とを所定の設定時間(例えば10秒)だけ開弁させることで行う。これによれば、液々熱交換器13の残留水が排水路21を介して排水される。排水制御を行った後や前回のミスト運転から所定時間経過していないときはS4のステップに進み、液々熱交換器13の予熱が完了したか否かを判別する。この判別は、ミスト温度センサ20の検出温度に基づいて行い、この検出温度が例えば初期温度から7℃上昇したとき又は検出温度が例えば40℃以上になったときに予熱完了と判別する。
【0020】
予熱完了と判別したときは、S5のステップで給水弁16とミスト弁17とを開弁させる。これにより、液々熱交換器13で加熱された温水がミストノズル11に供給されて、浴室にミストノズル11から噴霧された温水ミストが供給される。噴霧開始後は、S6のステップで温調制御を実行する。この温調制御は、ミスト温度センサ20の検出温度がリモートコントローラで設定される設定温度になるようにバイパス水路18の流量調節弁19を制御することで行う。
【0021】
温調制御開始後はS7のステップでミスト運転の停止指令が出されたか否かを判別する。停止指令は、ミストスイッチがオフされたときや、ミスト運転の開始から所定の運転設定時間が経過したときに出される。そして、停止指令が出されるまではS6のステップに戻って温調制御を継続する。停止指令が出されたときはS8のステップに進み、熱源機7に作動停止指令を送ると共に流量調節弁19を全閉にし、更に、ミスト用熱媒弁14、給水弁16及びミスト弁17を閉弁させて、一連のミスト運転制御を完了する。
【0022】
ここで、本実施形態では、ミスト運転中、液々熱交換器13で加熱された温水とバイパス水路18に流れた水とが混合してミストノズル11に供給される。そのため、バイパス水路18に流れる水量を変化させることによりミストノズル11に供給される水の温度(ミスト温度)は速やかに変化する。そして、温調制御において、ミスト温度センサ20の検出温度が設定温度になるように流量調節弁19を制御するため、設定温度を変更したときに流量調節弁19の制御でバイパス水路18に流れる水量が変化する。従って、ミスト温度を、液々熱交換器13の熱容量の影響を受けることなく、変更された設定温度に応答性良く変化させることができる。
【0023】
また、本実施形態では、液々熱交換器13用の熱媒循環路8´に介設するミスト用熱媒弁14が開閉弁で構成されているため、開度可変幅が比較的狭い小型安価な流量調節弁でミスト用熱媒弁を構成するものに比し、ミスト用熱媒弁14の圧力損失は小さくなる。従って、ミスト運転中、液々熱交換器13への熱媒体の供給流量は水を高温に加熱するのに十分な一定量に維持され、液々熱交換器13での水の加熱不足は生じない。
【0024】
また、バイパス水路18に介設する流量調節弁19を開度可変幅が比較的狭い小型安価なものとしても、特に不具合は生じない。即ち、流量調節弁19の全開状態での圧力損失が大きくなっても、ミストノズル11への供給水量が減圧弁15によりミスト状の噴霧に適した比較的少量に制限されているため、バイパス水路18に流れる水量が流量調節弁19により制限されることはない。更に、液々熱交換器13内の水通路は図示しないが蛇行形状に形成されていて、液々熱交換器13での圧力損失の方が流量調節弁19の全開状態での圧力損失より大きくなる。そのため、流量調節弁19を全開にすることで、ミストノズル11への供給水量のうちバイパス水路18に流れる水量の割合を十分に大きくして、ミスト温度を十分に低くすることができる。従って、ミスト温度を高温から低温まで広範囲に変化させることができる。
【0025】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、排水弁22を介設した排水路21が設けられているが、排水路21は省略しても良い。この場合、ミスト弁17も省略できる。また、上記実施形態では、浴室暖房機にミストサウナ装置が組み込まれているが、浴室暖房機から分離独立して設けられるミストサウナ装置にも同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態のミストサウナ装置を具備する浴室暖房機の説明的断面図。
【図2】実施形態のミストサウナ装置で実行するミスト運転制御の内容を示すフロー図。
【符号の説明】
【0027】
7…熱源機、8,8´…熱媒循環路、11…ミストノズル、12…ミスト用給水路、13…液々熱交換器、18…バイパス水路、19…流量調節弁、23…コントローラ(制御手段)。
【出願人】 【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100077805
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦

【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志

【識別番号】100109232
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 賢一

【識別番号】100125210
【弁理士】
【氏名又は名称】加賀谷 剛


【公開番号】 特開2008−18159(P2008−18159A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194263(P2006−194263)