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【発明の名称】 ミストサウナ装置
【発明者】 【氏名】安井 繁明

【氏名】山本 哲也

【氏名】佐藤 幸吉

【要約】 【課題】電解槽での電気分解でのトリハロメタン等の有機ハロゲン化合物の発生を抑制したミストサウナ装置を提供する。

【構成】ミストノズル11から噴霧される温水ミストを浴室に供給するミストサウナ装置であって、電解槽12と、電解槽で生成されるアルカリ性と酸性との一方の極性のイオン水をミストノズル11に供給するノズル水路16とを備え、ノズル水路16に水を加熱して温水にする加熱手段19を配置し、電解槽12には給水路13を介して常温水を供給することを特徴とする。これにより、温水を電気分解する場合に比し、トリハロメタン等の有機ハロゲン化合物の発生が抑制される。また、給水路13にフィルタ15を介設することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミストノズルを備え、浴室にミストノズルから噴霧される温水ミストを供給するミストサウナ装置であって、電解槽と、電解槽で生成されるアルカリ性と酸性との一方の極性のイオン水をミストノズルに供給するノズル水路とを備えるものにおいて、
電解槽には給水路を介して常温水が供給され、ノズル水路に該ノズル水路に流れる水を加熱して温水にする水加熱手段が配置されていることを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
前記給水路にフィルタが介設されていることを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ミストノズルを備え、浴室にミストノズルから噴霧される温水ミストを供給するミストサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のミストサウナ装置として、電解槽と、電解槽で生成される酸性水(次亜塩素酸水)をミストノズルに供給するノズル水路とを備え、浴室に酸性水のミストを供給して、浴室の壁面や入浴者の皮膚表面の殺菌効果を得られるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、給湯器からの温水を給湯路を介して電解槽に供給し、酸性水の温水をミストノズルから噴霧するようにしている。また、給湯路にはフィルタが介設されている。
【0003】
尚、電解槽では水の電気分解で酸性水とアルカリ水とが生成される。アルカリ水には皮膚老廃物の脂肪やタンパクなどを除去するアルカリ洗浄効果がある。従って、電解槽で生成されるアルカリ性と酸性との一方の極性のイオン水をミストノズルに選択的に供給して、アルカリ水の噴霧による洗浄効果や、酸性水の噴霧による殺菌効果を得られるようにすることも考えられる。
【0004】
ところで、上記従来例のように温水を電解槽に供給すると、トリハロメタン等の有機ハロゲン化合物が発生しやすくなることが判明した。これは、水温が高い状態で電気分解を行うと、水道水中の有機物と塩素との反応が促進されるためである。尚、水温が高くなるほど有機ハロゲン化合物の生成速度が大きくなることは知られており(非特許文献1参照)、高水温下での電気分解を行うと有機ハロゲン化合物の生成が一層促進される。
【特許文献1】特開平11−316083号公報
【非特許文献1】伊藤和廣,相沢貴子,羽布津博明,真柄康基(1984)河川水の全有機性ハロゲン(TOX)生成能と浄水処理過程におけるその挙動、水道協会雑誌53(8),14−21
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、トリハロメタン等の有機ハロゲン化合物の発生を抑制できるようにした電解槽付きのミストサウナ装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、ミストノズルを備え、浴室にミストノズルから噴霧される温水ミストを供給するミストサウナ装置であって、電解槽と、電解槽で生成されるアルカリ性と酸性との一方の極性のイオン水をミストノズルに供給するノズル水路とを備えるものにおいて、電解槽には給水路を介して常温水が供給され、ノズル水路に該ノズル水路に流れる水を加熱して温水にする水加熱手段が配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、給水路を介して供給される常温水が電解槽で電気分解される。従って、温水を電気分解する従来例のものに比し、トリハロメタン等の有機ハロゲン化合物の発生が抑制される。尚、電解槽に常温水を供給しても、電解槽からノズル水路を介してミストノズルに供給されるイオン水は水加熱手段による加熱で温水になるため、浴室は温水噴霧で高温多湿のミストサウナ状態になり、ミストサウナ装置本来の機能を損なうことはない。
【0008】
また、従来例では、給湯路にフィルタが介設されるため、フィルタに流れる水の温度が高くなって、フィルタに一旦吸着した有害物質が水中に再放出される虞がある。これに対し、本発明では、電解槽の上流側の流路が常温水を流す給水路になる。そして、この給水路にフィルタを介設することで、フィルタに一旦吸着した有害物質が高水温の影響で再放出されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1を参照して、1は浴室の天井部に設置する浴室暖房機のハウジングを示している。浴室に面するハウジング1の下面には、吸込み口2と、可変ルーバ3a付きの吹出し口3とが設けられている。そして、ハウジング1内に吸込み口2から吹出し口3に至る通風路4を画成し、この通風路4にファン5と放熱器6とを配置している。
【0010】
放熱器6には、別置きの熱源機7に連なる熱媒循環路8が接続されている。熱媒循環路8には暖房用熱媒弁9が介設されており、熱源機7で加熱された熱媒体(水、不凍液等)が暖房用熱媒弁9の開弁で放熱器6に循環される。そして、浴室の空気がファン5の回転により吸込み口2から通風路4に吸込まれて放熱器6で加熱され、温風となって吹出し口3から浴室に送風される。
【0011】
ハウジング1の上面にはミストユニット10が搭載されている。そして、ミストユニット10に配管接続されるミストノズル11をハウジング1の下面の吹出し口3に隣接する部分に配置し、ミストノズル11から噴霧される温水ミストが吹出し口3からの温風に乗って浴室に供給されるようにしている。
【0012】
ミストユニット10には電解槽12が設けられている。電解槽12内は隔膜12aにより第1と第2の一対の極室12b,12cに仕切られており、両極室12b,12cに配置した一対の電極(図示せず)間に直流電圧を印加することにより、第1極室12bでアルカリ性のイオン水(アルカリ水)が生成され、第2極室12cで酸性のイオン水(酸性水)が生成される。
【0013】
電解槽12には、給水弁14とその下流側のフィルタ15とを介設した給水路13を介して常温水(水道水)が供給される。また、ミストノズル11に連なるノズル水路16と、家屋の下水配管に至る排水路17とを設け、電解槽12の両極室12b,12cを四方弁18を介してノズル水路16と排水路17とに接続するようにしている。四方弁18は、第1極室12bをノズル水路16に接続すると共に第2極室12cを排水路17に接続する第1接続状態と、第2極室12cをノズル水路16に接続すると共に第1極室12bを排水路17に接続する第2接続状態と、第1と第2の両極室12b,12cをノズル水路16に接続する第3接続状態とに切換え自在である。
【0014】
ノズル水路16には、液々熱交換器19と、その下流側のミスト弁20とが介設され、更に、液々熱交換器19とミスト弁20との間のノズル水路16の部分の温度を検出するミスト温度センサ21が設けられている。液々熱交換器19には、熱媒循環路8から分岐した熱媒循環路8´が接続されており、この熱媒循環路8´に流量調節弁から成るミスト用熱媒弁22が介設されている。かくして、熱源機7で加熱された熱媒体がミスト用熱媒弁22の開弁で液々熱交換器19に供給され、ノズル水路16に流れる水が液々熱交換器19で熱媒体の熱により加熱され、温水となってミストノズル11に供給される。
【0015】
上記したファン5、暖房用熱媒弁9、電解槽12、給水弁14、四方弁18、ミスト弁20及びミスト用熱媒弁22は浴室暖房機用のコントローラ23で制御される。このコントローラ23は熱源機7用のコントローラと浴室暖房機用のリモートコントローラとに通信可能に接続されている。そして、リモートコントローラに設けたミストスイッチがオンされたときに、コントローラ23によるミスト運転制御が実行される。尚、リモートコントローラにより、ミスト運転のモードとして、アルカリ水と酸性水とを順に噴霧する併用モードと、アルカリ水のみを噴霧するアルカリモードと、酸性水のみを噴霧する酸性モードと、水道水をそのまま噴霧する中性モードとを選択できるようになっている。
【0016】
ミスト運転制御では、先ず、熱源機7に作動指令を送ると共に、暖房用熱媒弁9とミスト用熱媒弁22とを開弁させて、熱源機7で加熱された熱媒体を放熱器6と液々熱交換器19とに供給する。そして、放熱器6と液々熱交換器19の予熱が完了したとき、ファン5を作動させると共に、給水弁14とミスト弁20とを開弁させる。これにより、吹出し口3から温風が吹出すと共に、ミストノズル11に液々熱交換器19で加熱された温水が供給され、ミストノズル11から噴霧される温水ミストが温風に乗って浴室に供給されて、浴室が高温多湿のミストサウナ状態になる。ミスト運転中はミスト温度センサ21の検出温度が設定温度に維持されるように、ミスト用熱媒弁22で液々熱交換器19に供給する熱媒体の流量を調節する温調制御を行う。
【0017】
ここで、ミスト運転のモードとして併用モードを選択したときは、先ず、四方弁18が第1接続状態に切換えられると共に電解槽12に通電される。これによれば、電解槽12の第1極室12bで生成されるアルカリ水がノズル水路16に供給され、アルカリ水の温水ミストが浴室に供給されて、皮膚老廃物の脂肪やタンパクなどを除去する洗浄効果が得られる。そして、所定時間経過後に四方弁18が第2接続状態に切換えられる。これによれば、電解槽12の第2極室12cで生成される酸性水がノズル水路16に供給され、酸性水の温水ミストが浴室に供給されて、皮膚表面の殺菌効果が得られる。
【0018】
アルカリモードを選択すると、四方弁18は第1接続状態に維持され、また、酸性モードを選択すると、四方弁18は第2接続状態に維持される。中性モードを選択したときは、電解槽12に通電せずに四方弁18が第3接続状態に切換えられ、水道水がそのままノズル水路16に供給される。尚、電解槽12で生成されるアルカリ性と酸性との一方の極性のイオン水がノズル水路16に供給されるとき、他方の極性のイオン水は排水路17に排水される。
【0019】
ところで、給湯器等で加熱された温水を電解槽12に供給し、ノズル水路16に介設した液々熱交換器19を省略することも考えられる。然し、これでは、高水温下で電解槽12での電気分解が行われることになって、水道水中の有機物と塩素との反応が促進され、トリハロメタン等の有機ハロゲン化合物が発生しやすくなる。これに対し、本実施形態では、電解槽12に常温水が供給されるため、トリハロメタン等の有機ハロゲン化合物の発生が抑制される。
【0020】
また、温水を電解槽12に供給する場合、電解槽12の上流側の流路に介設するフィルタに流れる水の温度が高くなるため、フィルタに一旦吸着した有害物質が再放出される虞がある。これに対し、本実施形態では、電解槽12の上流側の常温水を流す給水路13にフィルタ15が介設されるため、フィルタ15に一旦吸着した有害物質が高水温の影響で再放出されることを防止できる。
【0021】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、ノズル水路16に流れる水を加熱する水加熱手段を液々熱交換器19で構成したが、電気ヒータで水加熱手段を構成することも可能である。また、上記実施形態では、電解槽12で生成されるアルカリ水と酸性水とを四方弁18を用いてノズル水路16に選択的に供給できるようにしたが、四方弁18を省略し、電解槽12で生成されるアルカリ水と酸性水との一方のみをノズル水路16に供給することも可能である。
【0022】
更に、上記実施形態では、浴室暖房機にミストサウナ装置が組み込まれているが、浴室暖房機から分離独立した設けられるミストサウナ装置にも同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態のミストサウナ装置を具備する浴室暖房機の説明的断面図。
【符号の説明】
【0024】
11…ミストノズル、12…電解槽、13…給水路、15…フィルタ、16…ノズル水路、19…液々熱交換器(水加熱手段)。
【出願人】 【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100077805
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦

【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志

【識別番号】100109232
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 賢一

【識別番号】100125210
【弁理士】
【氏名又は名称】加賀谷 剛


【公開番号】 特開2008−12003(P2008−12003A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185098(P2006−185098)