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【発明の名称】 保護フード及び保護フード付車椅子
【発明者】 【氏名】南 豊

【氏名】黒木 靖夫

【氏名】水野 渡

【要約】 【課題】雨、風雪、陽射し等から簡易防護でき、上部からの落下物に対して使用者の保護性が高く、車椅子を押す補助者の前方視界性に優れた車椅子用保護フード及び保護フード付車椅子の提供を目的とする。

【構成】耐衝撃性の天板21と支柱22a、22b22c、22dとを備え、支柱は車椅子本体10から立設し、当該支柱の上部に天板を取り付けてあることを特徴とする。天板は、車椅子を押す人が車椅子の前方を確認できる透明部分を有しているとよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐衝撃性の天板と支柱とを備え、
支柱は車椅子本体から立設し、当該支柱の上部に天板を取り付けてあることを特徴とする車椅子用保護フード。
【請求項2】
天板は、車椅子を押す人が車椅子の前方を確認できる透明部分を有していることを特徴とする請求項1記載の車椅子用保護フード。
【請求項3】
支柱は、着脱自在な側方部材を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の車椅子用保護フード。
【請求項4】
支柱は、車椅子本体に着脱自在な取付手段を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車椅子用保護フード。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の車椅子用保護フードを車椅子本体に一体的に設けてあるか又は着脱自在に取り付けてあることを特徴とする保護フード付車椅子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子を使用する搭乗者を雨、風雪、陽射し等から簡易防護でき、落下物に対する防護性が高い保護フードに関する。
【背景技術】
【0002】
病気、障害、高齢者等によって車椅子が広く使用されている。
しかし、従来の車椅子は座面の上方がオープンになっていて、雨、風雪、陽射し等から使用者を保護できないものであり、地震等の災害時に避難する場合に、上部からの落下物が車椅子の使用者(搭乗者)に当たる危険性が高かった。
そこで、社会福祉施設や病院等において、災害時の避難の際には、車椅子に歩行困難者を乗せるとともに車椅子を後から押す補助者の他に搭乗者に落下物が当たらないようにする別の補助者が必要であり、2人がかりで避難誘導しているのが現状である。
これでは避難が迅速に行えず、大きな課題となっていた。
【0003】
これまでに、雨、風雪、寒さ、陽射し、排気ガス等から車椅子使用者を保護する保護カバーとして特開2004−321535号公報が公知である。
しかし、上記に開示の保護カバーは車椅子への取り付け性に劣り、耐衝撃性は無く、落下物に対しては全く用をなさない、問題もある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−321535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、雨、風雪、陽射し等から簡易防護でき、上部からの落下物に対して使用者の保護性が高く、車椅子を押す補助者の前方視界性に優れた車椅子用保護フード及び保護フード付車椅子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的要旨は、耐衝撃性の天板と支柱とを備え、支柱は車椅子本体から立設し、当該支柱の上部に天板を取り付けてあることを特徴とする車椅子用保護フードとした点にある。
これにより、雨、風雪、陽射し等から使用者を簡易防護でき、耐衝撃性の天板を用いたので、上部からの落下物に対しても使用者を保護できる。
ここで、耐衝撃性の天板とは、地震等の災害時に上部からの落下物により割れたり、破けたりしない程度に靭性や強度を有する部材をいう。
従って天板は、鉄板、アルミ板等の金属板でもよく、強靭な布でもよいが軽量かつ透明で耐衝撃性に優れた例えばポリカーボネートのような樹脂板が好ましい。
【0007】
天板が透明な樹脂板であれば、車椅子を後から押す補助者が天板の上から車椅子の前方を確認できる。
よって、天板が金属板のような不透明であれば、補助者が前方を確認しやすいように透明部分を有しているのが良い。
【0008】
また、支柱は着脱自在な側方部材を有していると、側方部材をカバーとして支柱に取り付けることで、小雨や強い陽射しに対する使用者の保護性が向上する。
【0009】
保護フードは車椅子本体に一体的に設けてもよいが、支柱に車椅子本体に着脱自在な取付手段を有しているのが好ましい。
車椅子の多くは使用しない時に大きなスペースを取らないように折りたたみ式になっていて、これらの既存の車椅子にも取り付けられるのが更に好ましい。
そのような保護フードの取り付け固定手段としては各種方法が考えられる。
例えば、天板の四隅からそれぞれ支柱を垂下し、前後の支柱を下部フレームで連結し、車椅子の肘掛け部を利用して支柱の下部フレームとこの肘掛け部とをマジックテープ(登録商標)で巻くように固定し、後部側支柱はブラケット等で車椅子の背もたれフレームに密着させる方法がある。
また、車椅子の座面に敷く座面部から支柱を立設することで使用者の重量で固定する方法でもよい。
さらには車椅子本体にパイプ状の連結部を設けて差し込み固定できるようにしてもよい。
なお、保護フードの後部側支柱と車椅子の背もたれ部とをシートベルトにて取り付ければ使用者のシートベルトと兼用することも可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、車椅子の使用者座面の上方に保護フードを車椅子本体に対して一体的又は着脱自在に設けたので、雨、風雪、陽射し等から使用者を簡易防護できる。
また、災害時等の避難の際には使用者(搭乗者)を落下物から保護しつつ補助者1人で車椅子を押し避難できる。
使用者が高齢や重度の身体障害者である場合に自分の意思で落下物を避けるのは困難である場合が多く、そのような状況下において1人の補助者で避難誘導できる効果は大きい。
【0011】
保護フードに着脱自在の取付手段を設けると、通常は保護フードなしで車椅子を使用したり、折りたたむことができ、必要なときに簡単に保護フードを車椅子本体に取り付けることができる。特に、避難時には保護フードを取り付けて誘導できるだけではなく、避難地に到着後に保護フードを取り外し、次の車椅子に取り付けて使用できるので限らずしも車椅子の全数に合わせて保護フードを準備する必要もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る車椅子用保護フードの実施例を以下図面に基づいて説明する。
図1は、保護フード20を車椅子本体10に取り付け固定した全体斜視図を示し、図2は分解斜視図を示す。
本明細書において車椅子本体10とは車椅子に保護フードが付いていない状態又は保護フード部分を除いた車椅子部分をいい、図5に示すように保護フードを車体フレームに一体的に固定した場合にあっては、天板21と支柱22a、22b、22c、22dを除いた部分をいう。
【0013】
図1及び図2に示すように、保護フード20は4本の支柱22a、22b、22c、22dを有し、本実施例では、4本の支柱を上フレーム23a、23b、23c、23dで連結し、この枠状の上フレームにリベット、ビス等の連結部材を用いてポリカーボネート製の透明な樹脂板からなる天板21を固定してある。
天板は、雨、風雪、陽射し、落下物等から使用者を簡易防護するものであり、落下物に耐えられるような耐衝撃性を有していればポリカーボネート樹脂製に限定されないが、天板が透明であるか、少なくとも透明部分を有していると、補助者が車椅子のハンドル部12をもって後から車椅子を押す際に視線が天板で塞がれるのを防止し、天板を透して前方の車椅子下部(使用者の足元)を確認することができ、車椅子操作性が優れる。
支柱は前側支柱22aと後側支柱22dとを下端の下フレーム24aで連結し、同様に前側支柱22b後側支柱22cとを下端の下フレーム24bで連結してある。
支柱を構成する各フレームは落下物に耐え得る強度を有していれば材質は特に限定されないが、アルミ製等の軽合金が軽くてよい。
また、形状も角パイプのみならず丸パイプやバー材でもよい。
【0014】
図2に示すように、保護フード20の下フレーム24a、24bの前よりにはマジックテープ(登録商標)の一端を固定してあり、図1に示すように両側の下フレームをそれぞれ両側の肘掛けに載せ、マジックテープ(登録商標)27a、27bで巻き付けるように固定する。
後側の支柱22c、22dには外側サイドから後方にブラケット25a、25bを取り付けてあり、保護フード20を車椅子の肘掛け15、15に載せ、両側の背もたれフレーム16、16を両方のブラケット25a、25bで外側から挟み込むようにして車椅子に密着固定する。
このような取り付け固定構造にすると、折りたたみ式の車椅子であっても、使用状態に車幅を広げ、肘掛け15、15に下フレーム24a、24bを載せ、マジックテープ(登録商標)27a、27bで巻き付けるだけで背もたれに固定できるので保護フード20を車椅子本体に簡単に取り付けることができ、且つ簡単に取り外すこともできる。
【0015】
後側支柱22c、22dとの間はシート部材28を設けてあると、図1に示すように使用者が座シート11に座った際に背の部分で車椅子の背もたれに密着し保護フード20の固定安定性が向上する。
また、使用者は自分で車椅子を走行させる場合には両手で操作輪14を廻して車輪13を回転させることになるが、車椅子を補助者が後から押す場合には両手でそれぞれ前側支柱22a、22bを握むことができるので使用者に安心感がでる。
【0016】
図1、図2に示すように後側支柱22c、22dと背もたれフレーム16、16とを巻き込むようにシートベルト30を取り付けてもよく、このシートベルトは長さ調整具31で伸縮自在になっている。
また、このシートベルトは車椅子のシートベルトを兼ねてもよい。
【0017】
図3に示すように保護フード20には側方部材41a、41bとなるようにカバー部材40を一対の取り付け部29、42で着脱自在に取り付けてもよく、保護フードの側方部にも塞ぎ部材を取り付けると小さな雨よけや、風よけにもなり、このカバー部材は陽射しよけに用いることもできるので使用者の保護性が向上する。
【0018】
図4に他の実施例を示し、支柱22a、22b、22c、22dを図1の実施例よりも肘掛けの高さ分長くして、下端に座面部材50を取り付けてもよい。
このようにすると座面部材50を車椅子の座シート11に載置するだけで使用者の重量を利用して固定することもできる。
【0019】
図5に示した実施例においては車椅子本体のフレームに直接保護フードを取り付けた例で予め保護フードを一体的に設けた保護フード付車椅子にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】保護フードを車椅子に取り付けた状態を示す。
【図2】保護フードを車椅子に取り付ける前の状態を示す。
【図3】保護フードに側方部材を取り付ける例を示す。
【図4】座シートに載置する保護フードの例を示す。
【図5】車椅子のフレームに保護フードを一体的に設けた例を示す。
【符号の説明】
【0021】
10 車椅子本体
20 保護フード
21 天板
22a、22b、22c、22d 支柱
【出願人】 【識別番号】594094870
【氏名又は名称】有限会社ナンワ
【識別番号】000236920
【氏名又は名称】富山県
【出願日】 平成18年9月5日(2006.9.5)
【代理人】 【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一


【公開番号】 特開2008−61713(P2008−61713A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−240580(P2006−240580)