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【発明の名称】 クッション
【発明者】 【氏名】佐藤 元

【氏名】真田 弘美

【要約】 【課題】着座者の臀部に加わる圧力を常に効率的に分散させ、しかも製造コストの低減を図ることのできるクッションを提供する。

【構成】着座者の座骨及び尾骨の近傍を支持するための複数の第1エアーセル10が設けられ、各第1エアーセル10内の空気量は調整可能であることから、着座者の座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力が分散され、各第1エアーセル群の幅方向の両側にそれぞれ設けられた各第2エアーセル20,30内の空気量も調整可能であることから、臀部Hの側面側が第1エアーセル群よりも幅方向外側に位置する場合に、臀部Hの側面側が各第2エアーセル20,30によって軟らかく支持される。また、各第2エアーセル20,30は平面視で第1エアーセル10の3倍以上の面積を有するので、支持部材60の幅方向の両側まで第1エアーセル10を設ける場合と比較し、エアーセルの数量を少なくすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の着座面に載置されて着座者の臀部を支持するクッションにおいて、
前記着座面の前後方向及び幅方向に互いに並ぶように設けられるとともに、それぞれ上方に向かって延びる空気袋から成り、着座者の座骨及び尾骨の近傍を支持する複数の第1エアーセルと、
各第1エアーセルから成る第1エアーセル群に対して着座面の幅方向の両側にそれぞれ設けられるとともに、それぞれ上方に向かって延びる空気袋から成り、それぞれ平面視で第1エアーセルの1.5倍以上の面積を有するとともに、それぞれ着座面の前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きい複数の第2エアーセルと、
各第1エアーセル内及び各第2エアーセル内の空気量を調整する空気量調整手段とを備えた
ことを特徴とするクッション。
【請求項2】
前記第1エアーセル群に対して着座面の前端側に設けられ、第1エアーセルよりも着座面の幅方向に高い剛性を有する前端側支持部材を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のクッション。
【請求項3】
前記第1エアーセル群に対して着座面の前端側の幅方向中央に設けられ、第1エアーセルよりも着座面の前後方向に高い剛性を有する中央支持部材を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載のクッション。
【請求項4】
前記各第2エアーセルから成る第2エアーセル群のうち第1エアーセル群に対して幅方向一方に設けられた一方の第2エアーセル群と幅方向他方に設けられた他方の第2エアーセル群との着座面の後端側における間隔が後方に向かって徐々に小さくなるように形成した
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のクッション。
【請求項5】
前記各第2エアーセルから成る第2エアーセル群を着座面の前端側及び後端側から前後方向中央に向かって徐々に高さ寸法が小さくなるように形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のクッション。
【請求項6】
前記中央支持部材を着座面の前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きい空気袋から構成した
ことを特徴とする請求項3記載のクッション。
【請求項7】
前記各第1エアーセル及び各第2エアーセルの下端側を支持する平板状の支持部材を備え、
支持部材を着座面の後端側の幅寸法が後方に向かって徐々に小さくなるように形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のクッション。
【請求項8】
前記第1エアーセルの上端面の略中央部に上方に向かって突出する凸部を設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載のクッション。
【請求項9】
前記各第1エアーセル及び各第2エアーセルのうち少なくとも一部のエアーセル内に緩衝部材を設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のクッション。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車椅子の着座面に載置され、着座者に発生する褥瘡を防止するために着座者の臀部を軟らかく支持するクッションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のクッションとしては、それぞれ上方に向かって延びる略円筒形状の空気袋から成り、互いに略水平方向に並ぶように配置された複数のエアーセルと、着座面と略等しい面積を有する平板状に形成され、各エアーセルの下端側をそれぞれ支持する支持部材と、各エアーセル内を互いに連通させる空気通路とを備え、着座者が各エアーセル上に着座すると各エアーセル内の空気圧が互いに等しくなり、着座者の臀部に加わる圧力を分散させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、他のクッションとしては、それぞれ上方に向かって延びる空気袋から成り、互いに略水平方向に並ぶように配置された複数のエアーセルと、各エアーセルから成るエアーセル群の周縁を囲むように設けられた発泡ウレタン等の海綿状部材と、着座面と略等しい面積を有する平板状に形成され、各エアーセル及び海綿状部材の下端側をそれぞれ支持する支持部材と、各エアーセル内を互いに連通させる空気通路とを備え、着座者が各エアーセル上に着座すると各エアーセル内の空気圧が互いに等しくなり、着座者の臀部に加わる圧力を分散させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特表平6−510436号公報
【特許文献2】特開2005−118130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、着座者の体重は臀部における座骨及び尾骨の近傍に集中するとともに、座骨及び尾骨の近傍が臀部の他の部分よりも下方に突出する傾向がある。このため、前者のクッションでは、着座者の座骨及び尾骨の近傍が複数のエアーセルによって支持されるようになっており、また、各エアーセルの空気袋は軟らかいゴム材料から形成されるとともに、各エアーセルの空気袋はその上端部が支持部材側に接触しないように十分な高さ寸法を有する。しかしながら、前述のように構成されたエアーセルが座骨及び尾骨の近傍を支持することのない周縁部にも設けられているので、エアーセルを周縁部に無用に設ける分だけ製造コストが高くつくという問題点があった。
【0005】
一方、後者のクッションでは、周縁部が海綿状部材によって形成されているので、製造コストの低減を図ることができるが、例えば着座者の臀部が大きく、臀部の側面側がエアーセル群よりも幅方向外側に位置する場合は、臀部の側面側が海綿状部材によって支持される。ここで、海綿状部材は着座者の体重や臀部の形状に応じて硬さや形状を調整することができないので、海綿状部材によって臀部の側面側を支持する力が大きくなる場合は、臀部の側面側に加わる圧力が大きくなり、海綿状部材によって臀部の側面側を支持する力が小さい場合は、エアーセル群によって支持される部分の圧力が大きくなり、着座者の臀部に加わる圧力を効率的に分散させることができないという問題点があった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、着座者の臀部に加わる圧力を常に効率的に分散させることができ、しかも製造コストの低減を図ることのできるクッションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、所定の着座面に載置されて着座者の臀部を支持するクッションにおいて、前記着座面の前後方向及び幅方向に互いに並ぶように設けられるとともに、それぞれ上方に向かって延びる空気袋から成り、着座者の座骨及び尾骨の近傍を支持する複数の第1エアーセルと、各第1エアーセルから成る第1エアーセル群に対して着座面の幅方向の両側にそれぞれ設けられるとともに、それぞれ上方に向かって延びる空気袋から成り、それぞれ平面視で第1エアーセルの1.5倍以上の面積を有するとともに、それぞれ着座面の前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きい複数の第2エアーセルと、各第1エアーセル内及び各第2エアーセル内の空気量を調整する空気量調整手段とを備えている。
【0008】
これにより、着座者の座骨及び尾骨の近傍を支持するための複数の第1エアーセルが設けられ、各第1エアーセル内の空気量を調整する空気量調整手段が設けられていることから、着座者が着座した後に各第1エアーセル内の空気量を調整することにより、着座者の座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力が分散される。また、各第2エアーセルが各第1エアーセルから成る第1エアーセル群の幅方向の両側にそれぞれ設けられ、各第2エアーセルはそれぞれ上方に向かって延びる空気袋から成るとともに、各第2エアーセル内の空気量を調整する空気量調整手段が設けられていることから、例えば着座者の臀部が大きく、臀部の側面側が第1エアーセル群よりも幅方向外側に位置する場合でも、臀部の側面側が各第2エアーセルによって軟らかく支持され、各第2エアーセル内の空気量を調整することにより、臀部の側面側を支持する力が調整される。さらに、各第2エアーセルは各第1エアーセルから成る第1エアーセル群の幅方向の両側にそれぞれ設けられ、各第2エアーセルは平面視で第1エアーセルの1.5倍以上の面積を有するとともに、着座面の前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きいので、着座面の幅方向の両側まで第1エアーセルを設ける場合と比較し、エアーセルの数量が少なくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各第1エアーセル内の空気量を調整することにより、着座者の座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力を分散することができ、臀部の側面側が第1エアーセル群よりも幅方向外側に位置する場合でも、臀部の側面側が各第2エアーセルによって軟らかく支持され、各第2エアーセル内の空気量を調整することにより、臀部の側面側を支持する力を調整することができるので、着座者の臀部に加わる圧力を常に効率的に分散させることができる。また、着座面の幅方向の両側まで第1エアーセルを設ける場合と比較し、エアーセルの数量を少なくすることができるので、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1乃至図15は本発明の一実施形態を示すもので、図1は第1エアーセルの側面断面図、図2は第1エアーセルの斜視図、図3はベース部材の斜視図、図4はクッションの要部側面断面図、図5乃至図7は第1エアーセルの動作説明図、図8はクッションの平面図、図9はクッションの底面図、図10は図8におけるP−P線断面図、図11は図8におけるQ−Q線断面図、図12は図8におけるR−R線断面図、図13は図8におけるS−S線断面図、図14は空気通路の構成を示すクッションの底面図、図15はクッションの動作説明図である。
【0011】
このクッションは、着座者の座骨及び尾骨の近傍を支持するための複数の第1エアーセル10と、各第1エアーセル10から成る第1エアーセル群に対して着座面の幅方向の両側にそれぞれ設けられた一対の前端側第2エアーセル20と、第1エアーセル群に対して着座面の幅方向の両側にそれぞれ設けられた一対の後端側第2エアーセル30と、第1エアーセル群に対して着座面の前端側に設けられた一対の前端側支持部材40と、第1エアーセル群に対して着座面の前端側の幅方向中央に設けられた中央支持部材50と、各第1エアーセル10、各第2エアーセル20,30、各前端側支持部材40及び中央支持部材50の下端側をそれぞれ支持する平板状の支持部材60とを備えている。前記着座面は例えば車椅子の着座面であり、このクッションは着座者の臀部Hを軟らかく支持するために着座面に載置されて使用される。尚、以下の文章中における方向の説明は図8、図9、図10及び図11に示した前後方向、左右方向及び上下方向に準ずる。また、左右方向と幅方向は一致する。
【0012】
各第1エアーセル10は、下端が開口している空気袋11と、空気袋11を着脱自在に取付可能なベース部材12と、空気袋11をベース部材12に保持するリング状の保持部材13とを有する。
【0013】
空気袋11は軟質のゴムやプラスチック等の可撓性の材料から成り、内部に空気を封入可能である。空気袋11は、上下方向に延びる断面円形状の筒状部11aと、筒状部11aの上端を閉鎖するように形成された上端面11bとを有する。筒状部11a及び上端面11bは1mm以下の均一な厚み寸法を有する薄膜状に形成されている。筒状部11aの下端は開口しており、筒状部11aの下端の開口縁部11cは筒状部11aの他の部分よりも大きな厚み寸法を有するとともに、筒状部11aの他の部分の内周面よりも径方向内側に突出している。
【0014】
上端面11bは半球状に形成され、上端面11bの上端の中央部には凸部11dが形成されている。凸部11dは上端面11bを形成している薄膜を上端面11bの他の部分よりも上方に突出させることにより形成され、上端面11bの外周面の直径に対して略1/3の直径の外周面を有する半球状に形成されている。上端面11bと凸部11dとの間は滑らかな曲面11eによって形成されている。
【0015】
ベース部材12は空気袋11の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、円板状に形成されている。ベース部材12の上端面には上方に突出する断面円形状の上端側突出部12aが設けられ、上端側突出部12aには上下方向に延びる4つの通気穴12bが設けられている。また、上端側突出部12aの先端側の外周面には基端側の外周面よりも径方向外側に突出している径方向突出部12cが設けられている。空気袋11の開口縁部11cは上端側突出部12aの外周面に嵌合により取付けられ、開口縁部11cの内周面が上端側突出部12aの径方向突出部12cに下方から係合する。また、空気袋11の開口縁部11cを上端側突出部12aに嵌合した後に、保持部材13を開口縁部11cの外周面に取付けると、開口縁部11cが上端側突出部12a側に押付けられる。これにより、開口縁部11cと上端側突出部12aとの間が密閉される。
【0016】
ベース部材12の下端面には下方に突出する断面円形状の下端側突出部12dが設けられている。下端側突出部12dには必要に応じてその外周面から各通気穴12bまで貫通する空気通路12eが設けられ、各空気通路12eに連結パイプPが挿入されることにより、各ベース部材12の通気穴12bが互いに連通する(図4参照)。
【0017】
各前端側第2エアーセル20は、下端が開口するように形成されるとともに上方に向かって延びるように形成された空気袋21と、空気袋21の下端を閉鎖するベース部材22とを有する。
【0018】
空気袋21は軟質のゴムやプラスチック等の可撓性の材料から成り、内部に空気を封入可能である。空気袋21は着座面の前後方向の寸法L1が幅方向の寸法L2よりも大きく、着座面の後端側から前端側に向かって幅寸法が徐々に大きくなっている。また、空気袋21の高さ寸法は着座面の後端側から前端側に向かって徐々に大きくなっており、空気袋21は平面視で第1エアーセル10の空気袋11の3倍以上の面積を有する(図8参照)。さらに、着座面の前端側が後端側よりも着座面の幅方向の内側に位置するように、空気袋21は着座面の前後方向に対して所定の角度αだけ傾斜して配置されている。空気袋21は空気袋11よりも少し厚い薄膜状に形成され、空気袋11よりも着座面の幅方向に大きな寸法を有する。即ち、空気袋21内の空気圧が空気袋11内の空気圧と略等しくなった場合、空気袋21は空気袋11よりも着座面の前後方向及び幅方向に高い剛性を有する。
【0019】
ベース部材22は空気袋21の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、ベース部材22の下面には下方に突出する複数の突出部22aが設けられている。各突出部22aには下端側突出部11dと同様に通気穴が設けられている。ベース部材22の上面には空気袋21の下端面が接着等により固定されている。突出部22aには必要に応じて外周面から通気穴まで貫通する空気通路12eと同様の図示しない空気通路が設けられるようになっている。この空気通路は後述する各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6を挿入可能である。
【0020】
各後端側第2エアーセル30は、下端が開口するように形成されるとともに上方に向かって延びるように形成された空気袋31と、空気袋31の下端を閉鎖するベース部材32とを有する。
【0021】
空気袋31は軟質のゴムやプラスチック等の可撓性の材料から成り、内部に空気を封入可能である。空気袋31は着座面の前後方向の寸法L3が幅方向の寸法L4よりも大きく、着座面の前端側から後端側に向かって幅寸法が徐々に大きくなっている。また、空気袋31の高さ寸法は着座面の前端側から後端側に向かって徐々に大きくなっており、空気袋31は平面視で第1エアーセル10の空気袋11の3倍以上の面積を有する(図8参照)。さらに、着座面の後端側が前端側よりも着座面の幅方向の内側に位置するように、空気袋31は着座面の前後方向に対して所定の角度βだけ傾斜して配置されている。角度βは10度以上45度以下であることが好ましい。空気袋31は空気袋11よりも少し厚い薄膜状に形成され、空気袋11よりも着座面の幅方向に大きな寸法を有する。即ち、空気袋31内の空気圧が空気袋11内の空気圧と略等しくなった場合、空気袋31は空気袋11よりも着座面の前後方向及び幅方向に高い剛性を有する。
【0022】
ベース部材32は空気袋31の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、ベース部材32の下面には下方に突出する複数の突出部32aが設けられている。各突出部32aには下端側突出部11dと同様に通気穴が設けられている。ベース部材32の上面には空気袋31の下端面が接着等により固定されている。突出部32aには必要に応じてその外周面から通気穴まで貫通する空気通路12eと同様の図示しない空気通路が設けられるようになっている。この空気通路は後述する各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6を挿入可能である。
【0023】
このように、各第2エアーセル20,30から成る第2エアーセル群のうち幅方向一方に設けられた一方の第2エアーセル群と幅方向他方に設けられた他方の第2エアーセル群との後端側における間隔が後方に向って徐々に小さくなるように形成されている。尚、前記間隔は一方の第2エアーセル群の幅方向内側の面と他方の第2エアーセル群の幅方向内側の面との間隔をいう。また、第2エアーセル群は着座面の前端側及び後端側から前後方向中央に向かって徐々に高さ寸法が小さくなるように形成されている。
【0024】
各前端側支持部材40は発泡ウレタン等の海綿状部材から成り、前端側に傾斜面40aが形成されている。各前端側支持部材40は互いに着座面の幅方向に間隔をおいて配置され、それぞれ着座者の大腿部を支持するようになっている。前端側支持部材40はそれぞれ着座面の幅方向の寸法が前後方向の寸法よりも大きく、第1エアーセル10よりも着座面の幅方向に大きな寸法を有する。即ち、前端側支持部材40は第1エアーセル10よりも着座面の幅方向に高い剛性を有する。
【0025】
中央支持部材50は、下端が開口するように形成されるとともに上方に向かって延びるように形成された空気袋51と、空気袋の下端を閉鎖するベース部材52とを有する。
【0026】
空気袋51は軟質のゴムやプラスチック等の可撓性の材料から成り、内部に空気を封入可能である。空気袋51は着座面の前後方向の寸法L5が幅方向の寸法L6よりも大きく、着座面の後端側から前端側に向かって幅寸法が徐々に大きくなっている。また、空気袋51の高さ寸法は着座面の後端側から前端側に向かって徐々に大きくなっている。空気袋51は空気袋11よりも少し厚い薄膜状に形成され、空気袋11よりも着座面の前後方向に大きな寸法を有する。即ち、空気袋51は空気袋11よりも着座面の前後方向に高い剛性を有する。
【0027】
ベース部材52は空気袋51の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、ベース部材52の下面には下方に突出する複数の突出部52aが設けられている。各突出部52aには下端側突出部11dと同様に通気穴が設けられている。ベース部材52の上面には空気袋51の下端面が接着等により固定されている。突出部52aには必要に応じてその外周面から通気穴まで貫通する空気通路12eと同様の図示しない空気通路が設けられるようになっている。この空気通路は下記する各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6を挿入可能である。
【0028】
支持部材60は空気袋11の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、着座面と略等しい面積を有する。また、支持部材60の着座面の後端側は各後端側第2エアーセル30に沿って徐々に幅寸法が小さくなるように形成されている。支持部材60には複数の貫通孔61が設けられ、第1エアーセル10の下端側突出部12dや第2エアーセル20,30及び中央支持部材50の突出部22a,32a,52aがそれぞれ貫通孔61に支持部材60の上端面側から挿入されると、下端側突出部12dや突出部22a,32a,52aが貫通孔61に嵌合し、各エアーセル10,20,30及び中央支持部材50の下端側が支持部材60に着脱自在に支持されるようになっている。各前端側支持部材40は下端面が支持部材60の上面に接着等により固定されている。また、下端側突出部12dや突出部22a,32a,52aが貫通孔61に嵌合すると、下端側突出部12dや突出部22a,32a,52aが支持部材60の下端面側に突出するとともに、空気通路12eや突出部22a,32a,52aに設けられた空気通路も支持部材60の下端面側に配置される。
【0029】
支持部材60の下端面には、圧縮空気を供給可能な周知の電動ポンプ70と、周知の第1乃至第7電磁弁81,82,83,84,85,86,87と、可撓性の第1乃至第6連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6と、電動ポンプ70及び各電磁弁81,82,83,84,85,86,87を制御するための制御装置90と、周知の第1及び第2圧力センサ91,92と、図示しない電気配線が設けられている。電動ポンプ70、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87及び各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6は特許請求の範囲に記載した空気量調整手段に相当する。
【0030】
支持部材60の着座面の前端側の下端面には中空部62が形成され、中空部62内に電動ポンプ70、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87、制御装置90及び各圧力センサ91,92が配置されている。また、支持部材60の中空状62内には複数のゴムブロック63が設けられ、電動ポンプ70、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87及び各圧力センサ91,92が各ゴムブロック63の間に嵌め込まれて支持部材60の下端面に着脱自在に取付けられている。制御装置90は金属製の補強部材90aの下面に固定され、補強部材90aは支持部材60の中空部62内に嵌め込まれている。制御装置90は周知のCPU及び制御基板から成る。
【0031】
制御装置90は図示しない電気配線によって電動モータ70、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87及び各圧力センサ91,92と接続されている。また、各第1エアーセル10、各第2エアーセル20,30、中央支持部材50、電動モータ70、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87及び各圧力センサ91,92は互いに各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6によって接続されている(図14参照)。
【0032】
詳しくは、第1連結パイプP1は電動モータ70、第1電磁弁81、第2電磁弁82及び中央支持部材50を接続し、中央支持部材50と第1圧力センサ91とを接続している。また、中央支持部材50と4個の第1エアーセル10とを接続している。この4個の第1エアーセル10は第1エアーセル群の後端を形成している。
【0033】
第2連結パイプP2は第1電磁弁81、第3電磁弁83、第5電磁弁85及び各第1エアーセル10のうち9個の第1エアーセル10を接続している。この9個の第1エアーセル10をAグループとする。
【0034】
第3連結パイプP3は第2電磁弁82、第4電磁弁84、第6電磁弁86及び各第1エアーセル10のうち10個の第1エアーセル10を接続している。この10個の第1エアーセル10をBグループとする。Aグループ及びBグループの第1エアーセル10は着座面の後端側から2列目乃至5列目の第1エアーセル10から成る。
【0035】
第4連結パイプP4は第3電磁弁83、第4電磁弁84、第7電磁弁87、各後端側第2エアーセル30及び第2圧力センサ92を接続している。
【0036】
第5連結パイプP5は第5電磁弁85、各第1エアーセル10のうち4個の第1エアーセル10及び左側の前端側第2エアーセル20を接続している。この4個の第1エアーセル10は第1エアーセル群の左側且つ前端側を形成している。
【0037】
第6連結パイプP6は第6電磁弁86、各第1エアーセル10のうち4個の第1エアーセル10及び右側の前端側第2エアーセル20を接続している。この4個の第1エアーセル10は第1エアーセル群の右側且つ前端側を形成している。
【0038】
制御装置90は各圧力センサ91,92や作動時間に基づき電動モータ70及び各電磁弁81,82,83,84,85,86,87を制御するようになっている。また、着座者が着座した後、Aグループ内の空気圧とBグループ内の空気圧を所定時間ごとに変化させ、着座者の臀部Hに生ずる鬱血を防止するようにしている。
【0039】
以上のように構成されたクッションは、例えば車椅子の着座面に載置されて使用される。電動ポンプ70によって各エアーセル10,20,30内及び中央支持部材50内に所定の空気圧が充填されている状態で、着座者が車椅子に着座し、各電磁弁81,82,83,84,85,86が解放されると、各エアーセル10,20,30内及び中央支持部材50内の空気が各連通パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6を介して移動する。これにより、各エアーセル10,20,30内及び中央支持部材50内の空気圧が互いに略等しくなり、着座者の臀部Hに加わる圧力が分散される。
【0040】
ここで、着座者の臀部Hの側面側が第1エアーセル群の幅方向内側に位置する場合は、着座者の臀部Hは各第1エアーセル10によって支持される。即ち、各電磁弁81,82,83,84,85,86が解放されることにより、各第1エアーセル10内の空気圧が互いに略等しくなり、着座者の臀部Hにおける座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力が分散される。
【0041】
また、着座者の臀部Hが大きく、着座者の臀部Hの側面側が第1エアーセル群の幅方向外側に位置する場合は、着座者の臀部Hの側面側が各第2エアーセル20,30によって支持される(図15参照)。ここで、各第2エアーセル20,30は空気袋21,31から成り、各電磁弁81,82,83,84,85,86が解放されることにより、各エアーセル10,20,30内の空気圧が互いに略等しくなり、着座者の臀部Hにおける座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力が分散されるとともに、臀部Hの側面側に加わる圧力も分散される。ここで、各第2エアーセル20,30内の空気圧が各第1エアーセル内の空気圧と略等しくなった場合、空気袋21,31は空気袋11よりも着座面の前後方向及び幅方向に高い剛性を有するので、臀部Hの下端側よりも傾斜の大きい側面側を下方から支持する上で第1エアーセル10よりも優れている。また、着座者の着座位置が着座面の幅方向の一方にずれることにより、臀部Hの側面側が第1エアーセル群の幅方向外側に位置する場合もある。
【0042】
さらに、着座者の臀部Hの形状によっては、単に各エアーセル10,20,30内の空気圧が互いに略等しくなるだけでは、臀部Hの側面側を支持する力が適切でない場合がある。この場合、着座者が着座した後に各電磁弁81,82,83,84,85,86を解放することにより、各エアーセル10,20,30及び中央支持部材50内の空気圧が互いに略等しくなるようにした後、第5電磁弁85及び第6電磁弁86を閉鎖するとともに、第7電磁弁87を開放し、各第1エアーセル10及び各後端側第2エアーセル30内の空気量を少し減少させ、各前端側第2エアーセル20によって臀部Hの側面側を支持する力を調整することも可能である。逆に、各エアーセル10,20,30及び中央支持部材50内の空気圧が互いに略等しくなるようにした後、第5電磁弁85及び第6電磁弁86を閉鎖するとともに、電動ポンプ70によって各第1エアーセル10及び各後端側第2エアーセル30内の空気量を少し増加させ、各前端側第2エアーセル20によって臀部Hの側面側を支持する力を調整することも可能である。
【0043】
また、前述では各前端側第2エアーセル20によって臀部Hの側面側を支持する力を調整するようにしたものを示したが、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87及び各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6の構成を変更することにより、各後端側第2エアーセル30によって臀部Hの側面側を支持する力を調整することも可能である。さらに、前述では、着座者が着座すると各エアーセル10,20,30内及び中央支持部材50内の空気圧が互いに略等しくなるようにしたものを示したが、着座者が着座すると各第1エアーセル10内の空気圧が互いに略等しくなるとともに、各第2エアーセル20,30内の空気量が電動ポンプ70によって調整されるようにすることも可能である。また、各エアーセル10,20,30内及び中央支持部材50内の空気圧を各圧力センサ91,92によって検知し、電動ポンプ70及び各電磁弁81,82,83,84,85,86,87によって各エアーセル10,20,30内及び中央支持部材50内の空気圧を調整することも可能である。
【0044】
一方、着座者の座骨及び尾骨の近傍を支持するために複数の第1エアーセル10が設けられるとともに、第1エアーセル群に対して着座面の幅方向の両側にそれぞれ各第2エアーセル20,30が設けられ、各第2エアーセル20,30内の空気圧が各第1エアーセル内の空気圧と略等しくなった場合、空気袋21,31は空気袋11よりも着座面の前後方向及び幅方向に高い剛性を有する。このため、臀部Hの側面側が第1エアーセル群の幅方向内側に位置する場合は、各第1エアーセル10の着座面の幅方向への変形が各第2エアーセル20,30によって規制される。即ち、各第1エアーセル10は座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力を低減するために十分な高さ寸法を有する柔軟な構造に形成されているが、各第1エアーセル10が着座面の幅方向に無用に倒れることがない。従って、着座者の座骨及び尾骨の近傍を軟らかく支持することができ、各第2エアーセル20,30の代わりに各第1エアーセル10が支持部材60の幅方向端部側まで設けられた場合と比較し、着座者の姿勢を安定させることができる。また、着座者の臀部Hが大きく、着座者の臀部Hの側面側が第1エアーセル群の幅方向外側に位置する場合は、各第1エアーセル10の着座面の幅方向への変形が各第2エアーセル20,30によって規制されるか、臀部Hの幅方向及び前後方向への移動が各第2エアーセル20,30によって抑制されることにより、着座者の姿勢が安定する(図15参照)。ここで、各第2エアーセル20,30は着座面の前後方向の寸法L1,L3が幅方向の寸法L2,L4よりも大きいので、各第2エアーセル20,30の前後方向の剛性が確実に高くなり、各第2エアーセル20,30によって臀部Hの前後方向の移動を抑制する上で有利である。
【0045】
このように、本実施形態によれば、着座者の座骨及び尾骨の近傍を支持するための複数の第1エアーセル10が設けられ、各第1エアーセル10内の空気量を調整する電動ポンプ70、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87及び各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6が設けられていることから、着座者が着座した後に各第1エアーセル10内の空気量を調整することにより、着座者の座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力が分散される。また、各第2エアーセル20,30が第1エアーセル群の幅方向の両側にそれぞれ設けられ、各第2エアーセル20,30はそれぞれ上方に向かって延びる空気袋21,31から成るとともに、各第2エアーセル20,30内の空気量を調整する電動ポンプ70、各電磁弁81,82,83,84,85,86,87及び各連結パイプP1,P2,P3,P4,P5,P6が設けられていることから、例えば着座者の臀部Hが大きく、臀部Hの側面側が第1エアーセル群よりも幅方向外側に位置する場合でも、臀部Hの側面側が各第2エアーセル20,30によって軟らかく支持され、各第2エアーセル20,30内の空気量を調整することにより、臀部Hの側面側を支持する力が調整される。従って、着座者の臀部Hに加わる圧力を常に効率的に分散させることができる。
【0046】
また、各第2エアーセル20,30は第1エアーセル群の幅方向の両側にそれぞれ設けられ、各第2エアーセル20,30は平面視で第1エアーセル10の3倍以上の面積を有するとともに、着座面の前後方向の寸法L1,L3が幅方向の寸法L2,L4よりも大きいので、支持部材60の幅方向の両側まで第1エアーセル10を設ける場合と比較し、エアーセルの数量を少なくすることができる。即ち、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。尚、本実施形態では、各第2エアーセル20,30の空気袋21,31を第1エアーセル10の空気袋11に対して平面視で3倍以上の面積を有するように形成したものを示したが、各空気袋21,31が空気袋11に対して平面視で1.5倍以上の面積を有する場合は、製造コストの低減を図る上で有効である。また、各空気袋21,31が空気袋11に対して平面視で1.5倍以上の面積を有する場合は、各第2エアーセル20,30内の空気圧が第1エアーセル10内の空気圧と略等しくなった場合に、各空気袋21,31の水平方向の剛性が空気袋11の水平方向の剛性よりも高くなり易い。
【0047】
また、第1エアーセル群に対して着座面の前端側に各前端側支持部材40を設け、各前端側支持部材40を第1エアーセル10よりも着座面の幅方向に高い剛性を有するように形成したことから、着座者の大腿部が各前端側支持部材40によって支持され、着座者の大腿部の幅方向への移動量を抑制することができ、着座者の姿勢を安定させる上で極めて有利である。ここで、大腿部に加わる体重は座骨及び尾骨の近傍に加わる体重に比べて小さいので、海綿状部材から成る各前端側支持部材40によって大腿部に加わる圧力の分散を十分に行うことができる。
【0048】
また、第1エアーセル群に対して着座面の前端側の幅方向中央に中央支持部材50を設け、中央支持部材50は第1エアーセル10よりも着座面の前後方向に高い剛性を有することから、着座者が第1エアーセル群上に着座すると、着座者の両大腿部の付け根の間に中央支持部材50が配置され、中央支持部材50によって着座者の臀部Hの前方への移動を規制することができる。即ち、着座者の姿勢を安定させる上で極めて有利である。ここで、中央支持部材50の幅寸法は着座面の後端側から前端側に向かって徐々に大きくなっており、高さ寸法も着座面の後端側から前端側に向かって徐々に大きくなっているので、着座者の臀部Hの前方への移動が規制される際に、中央支持部材50と臀部Hとの接触圧が急激に高くなることがなく、着座者の臀部Hを軟らかく支持する上で極めて有利である。
【0049】
また、各第2エアーセル20,30から成る第2エアーセル群のうち第1エアーセル群に対して幅方向一方に設けられた一方の第2エアーセル群と幅方向他方に設けられた他方の第2エアーセル群との着座面の後端側における間隔が後方に向って徐々に小さくなるように形成したので、第1エアーセル群上の着座者の臀部Hの側面側に第2エアーセル群が沿うこととなり、各第2エアーセル20,30によって臀部Hの前後方向及び幅方向への移動を抑制する場合に有利であり、各第2エアーセル20,30によって着座者の臀部Hの側面側を下方から支持する場合にも有利である。
【0050】
また、第2エアーセル群を着座面の前端側及び後端側から前後方向中央に向かって徐々に高さ寸法が小さくなるように形成したので、第1エアーセル群上の着座者の臀部Hの側面側に第2エアーセル群が沿うこととなり、各第2エアーセル20,30によって臀部Hの前後方向及び幅方向への移動を抑制する場合に有利であり、各第2エアーセル20,30によって着座者の臀部Hの側面側を下方から支持する場合にも有利である。
【0051】
また、中央支持部材50を着座面の前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きい空気袋51から構成したので、中央支持部材50の前後方向の剛性が確実に高くなり、中央支持部材50によって着座者の前方への移動を規制する上で有利である。
【0052】
また、支持部材50の着座面の後端側の幅寸法が徐々に小さくなるように形成されているので、クッションを着座面に載置する際に、クッションの方向を確認し易くなる。
【0053】
また、各第1エアーセル10の空気袋11における上端面11bの中央部に上方に向かって突出する凸部11dが設けられているので、第1エアーセル群上に着座者が着座した際に着座者の臀部Hによって凸部11dが押し下げられ(図5参照)、上端面11bに凸部が設けられていない場合と比較して空気袋11の上端面11bの中央部近傍が下方に向かって変形する変形量Lが大きくなる(図6参照)。これにより、空気袋11の筒状部11aの上端側11fに空気袋11の内側に向かって大きな曲げ応力が加わり、空気袋11の上端側11fが変形し易くなる(図7参照)。このため、各第2エアーセル20,30によって各第1エアーセル10の幅方向への移動が規制される場合でも、各第1エアーセル10の上端側が着座者の動きや臀部Hの形状に応じて容易に変形し、第1エアーセル群上に着座した着座者の臀部Hと各第1エアーセル10との間に生ずる力を低減することができる。また、臀部Hによって凸部11dが押し下げられると、上端面11bと臀部Hとの間に隙間Gが生ずるので、凸部11dを設けない場合と比較して臀部Hの通気性の向上を図ることができる。
【0054】
尚、本実施形態では、各第2エアーセル20,30の幅寸法を第1エアーセル10の幅寸法よりも大きく形成するとともに、各空気袋21,31を空気袋11よりも少し厚い薄膜状に形成し、各第2エアーセル20,30の幅方向の剛性が第1エアーセル10の幅方向の剛性よりも高くなるようにしたものを示したが、各空気袋21,31の幅寸法を第1エアーセル10の幅寸法よりも小さく形成するとともに、各空気袋21,31を空気袋11よりも少し薄い薄膜状に形成した場合でも、各第2エアーセル20,30内の空気圧を第1エアーセル10内の空気圧よりも高くすることにより、各第2エアーセル20,30の幅方向の剛性が第1エアーセル10の幅方向の剛性よりも高くなる。
【0055】
また、本実施形態では、筒状部11aを円筒形状に形成した第1エアーセル10を示したが、筒状部11aを四角柱形状や六角柱形状などの多角柱形状に形成することも可能であり、この場合も前述と同様の効果を奏する。
【0056】
尚、本実施形態では、第1エアーセル群の幅方向両側にそれぞれ後端側第2エアーセル30をそれぞれ設けたものを示したが、後端側第2エアーセル30の代わりに幅寸法の大きい後端側第2エアーセル35を設けることも可能である。
【0057】
この場合、各後端側第2エアーセル35は、下端が開口するように形成されるとともに上方に向かって延びるように形成された空気袋36と、空気袋36の下端を閉鎖するベース部材37とを有する。
【0058】
空気袋36は軟質のゴムやプラスチック等の可撓性の材料から成り、内部に空気を封入可能である。空気袋36は着座面の前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きく、高さ寸法が着座面の前端側から後端側に向かって徐々に大きくなっている。空気袋36は着座面の前端側から後端側に亘って均一な幅寸法に形成されている。また、空気袋36の高さ寸法は着座面の前端側から後端側に向かって徐々に大きくなっている。さらに、着座面の後端側が前端側よりも着座面の幅方向の内側に位置するように、着座面の前後方向に対して所定の角度λだけ傾斜して配置されている。空気袋36は空気袋11よりも少し厚い薄膜状に形成されている。
【0059】
ベース部材37は空気袋36の材料よりも硬いゴムやプラスチックから成り、ベース部材37にはベース部材32と同様に複数の突出部37a及び通気穴が設けられている。
【0060】
また、各後端側第2エアーセル35の幅寸法が大きくなった分だけ、着座面の後端側に配置される各第1エアーセル10の数量を減らしている。
【0061】
これにより、着座者の臀部Hの幅寸法が小さい場合でも、第1エアーセル群上の臀部Hの側面側に各後端側第2エアーセル35が接触し、各後端側第2エアーセル35によって臀部Hの前後方向及び幅方向への移動を抑制することができるとともに、各後端側第2エアーセル35によって着座者の臀部Hの側面側を下方から支持することができる。即ち、例えば車椅子を長期に亘って使用している着座者は臀部Hの側面側の肉が少なくなり、臀部Hの下面側の面積が小さくなるので、車椅子上での姿勢を安定させることが難しくなるが、各後端側第2エアーセル35によって臀部Hの側面側を下方から支持することができるとともに、臀部Hの前後方向及び幅方向への移動を規制することができるので、着座者の姿勢を安定させる上で極めて有利であり、座骨及び尾骨の近傍に加わる圧力の低減にも有効である。
【0062】
尚、本実施形態では、各第1エアーセル10及び各第2エアーセル20,30が空気圧によって臀部Hを支持するようにしたものを示したが、例えば各第1エアーセル10内のベース部材12の上面に発泡ウレタン等の海綿状部材から成る緩衝部材14を設け、潰れ量が小さい場合は空気圧によって臀部Hを支持し、潰れ量が大きい場合は空気圧及び緩衝部材14の弾性によって臀部Hを支持することも可能である(図19参照)。この場合、第1エアーセル10の空気袋11の上端面11bがベース部材12に直接接触しなくなり、臀部Hを軟らかく支持する上で極めて有利である。また、各第2エアーセル20,30内に緩衝部材を設けることも可能である。さらに、緩衝部材14を複数のプラスチック製のビーズ、複数のそば殻、砂などの複数の粒状部材から形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明における一実施形態を示す第1エアーセルの側面断面図
【図2】第1エアーセルの斜視図
【図3】ベース部材の斜視図
【図4】クッションの要部側面断面図
【図5】第1エアーセルの動作説明図
【図6】第1エアーセルの動作説明図
【図7】第1エアーセルの動作説明図
【図8】クッションの平面図
【図9】クッションの底面図
【図10】図8におけるP−P線断面図
【図11】図8におけるQ−Q線断面図
【図12】図8におけるR−R線断面図
【図13】図8におけるS−S線断面図
【図14】空気通路の構成を示すクッションの底面図
【図15】クッションの動作説明図
【図16】本実施形態の変形例を示すクッションの平面図
【図17】図16におけるT−T線断面図
【図18】本実施形態の変形例のクッションにおける動作説明図
【図19】本実施形態の他の変形例を示す第1エアーセルの側面断面図
【符号の説明】
【0064】
10…第1エアーセル、11…空気袋、11a…筒状部、11b…上端面、11c…開口縁部、11d…凸部、11e…曲面、11f…上端側、12…ベース部材、12a…上端側突出部、12b…通気穴、12c…径方向突出部、12d…下端側突出部、12e…空気通路、13…保持部材、14…緩衝部材、20…前端側第2エアーセル、21…空気袋、22…ベース部材、30…後端側第2エアーセル、31…空気袋、32…ベース部材、40…前端側支持部材、40a…傾斜面、50…中央支持部材、51…空気袋、52…ベース部材、60…支持部材、61…貫通孔、62…中空部、63…ゴムブロック、70…電動ポンプ、81…第1電磁弁、82…第2電磁弁、83…第3電磁弁、84…第4電磁弁、85…第5電磁弁、86…第6電磁弁、87…第7電磁弁、90…制御装置、90a…補強部材、91…第1圧力センサ、92…第2圧力センサ、P1…第1連結パイプ、P2…第2連結パイプ、P3…第3連結パイプ、P4…第4連結パイプ、P5…第5連結パイプ、P6…第6連結パイプ、H…臀部。

【出願人】 【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
【出願日】 平成18年8月30日(2006.8.30)
【代理人】 【識別番号】100069981
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 精孝

【識別番号】100087860
【弁理士】
【氏名又は名称】長内 行雄


【公開番号】 特開2008−54870(P2008−54870A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−234603(P2006−234603)