| 【発明の名称】 |
車椅子固定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河井 義和
【氏名】香村 浩司
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、サポートバーの代わりにフックをフック収納凹部に格納保持する保持部材を設けるとともに、フックをフック収納凹部に収納する操作でそのフックと保持部材とを連結できるようにすることであることを目的とする。
【構成】本発明に係る車椅子固定装置は、サポートバーと共に、あるいはサポートバーと連結解除された状態で、フック30をフック収納凹部24から取り出して車両フロア上に搭載した車椅子に掛け、被巻取り部材15に所定張力を加えた状態で、車椅子を車両に固定する構成の車椅子固定装置であって、サポートバーの代わりにサポートバー収納凹部22に収納されて、複数のフック30と連結されることで、それらのフック30を車両フロアから突出しないようにフック収納凹部24に格納保持する保持部材40を備えており、保持部材40がサポートバー収納凹部22に収納されている状態でフック30を保持部材40と連結及び連結解除できるように、フック30と保持部材40とが構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両側に設けられた巻取り機構と、その巻取り機構に巻き取られる複数本の被巻取り部材と、各々の前記被巻取り部材の繰出端に連結されたフックと、車両フロア面に形成されており、前記フックがそれぞれ収納されるフック収納凹部と、同じく車両フロア面に形成されており、複数のフックを支持した状態で、それらのフックを車椅子に掛ける際に使用されるサポートバーが収納されるサポートバー収納凹部とを備え、前記サポートバーと前記フックとは、前記サポートバー及び前記フックを前記サポートバー収納凹部及び前記フック収納凹部から取り出した状態でのみ連結及び連結解除が可能な構成であり、前記サポートバーと共に、あるいは前記サポートバーと連結解除された状態で、前記フックを前記フック収納凹部から取り出して前記車両フロア上に搭載した車椅子に掛け、前記被巻取り部材に所定張力を加えた状態で、前記車椅子を車両に固定する構成の車椅子固定装置であって、 前記サポートバーの代わりに前記サポートバー収納凹部に収納されて、前記複数のフックと連結されることで、それらのフックを前記車両フロアから突出しないように前記フック収納凹部に格納保持する保持部材を備えており、 前記保持部材が前記サポートバー収納凹部に収納されている状態で前記フックを前記保持部材と連結及び連結解除できるように、前記フックと前記保持部材とが構成されていることを特徴とする車椅子固定装置。 【請求項2】 請求項1に記載された車椅子固定装置であって、 前記フックには、前記保持部材に連結される突起部が形成されており、 前記保持部材には、その保持部材が前記サポートバー収納凹部に収納されている状態で前記フックの突起部が通過できる開口部と、その開口部を通過した前記突起を連結部まで導くガイド溝部とが形成されており、 前記保持部材の開口部を通過した前記フックの突起部は、そのフックが前記被巻取り部材によって引っ張り力を受けることで前記保持部材のガイド溝部に沿って前記連結部まで移動し、前記保持部材に連結されることを特徴とする車椅子固定装置。 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車椅子固定装置であって、 フックは、被巻取り部材の軸心回りに回転自在な状態で、その被巻取り部材の繰出端に連結されていることを特徴とする車椅子固定装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、車両側に設けられた巻取り機構と、その巻取り機構に巻き取られる複数本の被巻取り部材と、各々の被巻取り部材の繰出端に連結されたフックと、車両フロア面に形成されており、前記フックがそれぞれ収納されるフック収納凹部とを備え、フックをフック収納凹部から取り出して車両フロア上に搭載した車椅子に掛け、前記被巻取り部材に所定張力を加えた状態で、前記車椅子を車両に固定する構成の車椅子固定装置に関する。 【背景技術】 【0002】 車椅子固定装置に関しては様々な提案がなされている。 例えば、特許文献1に記載された車椅子固定装置100では、図7(A)(B)に示すように、前後一対のフック102がサポートバー103の先端部と基端部の近傍とに連結されている。そして、サポートバー103を利用して一対のフック102が、図7(B)に示すように、車両に搭載された車椅子Cに対してワンタッチで掛けられる。 車椅子固定装置100を使用しない場合には、サポートバー103とフック102とを連結した状態で、車両フロア面に形成されたサポートバー収納凹部105、及びフック収納凹部106に収納する。 【0003】 しかし、車椅子Cの種類によっては、サポートバー103が障害になってフック102を車椅子Cに掛けられない場合がある。この場合には、個々のフック102をサポートバー103から外した状態で車椅子Cに掛ける。このとき、サポートバー103は車両フロア面のサポートバー収納凹部105に収納しておく。 ここで、フック102をサポートバー103から外す場合には、フック102をサポートバー103に対して約90°回転させた後、そのフック102をサポートバー103の長手方向に連結解除位置までスライドさせる。また、フック102をサポートバー103に連結する場合には上記と逆の操作を行なう。このため、サポートバー103がサポートバー収納凹部105に収納されている状態では、フック102をサポートバー103に連結することはできない。 したがって、車椅子Cを降ろした後(使用後)は、サポートバー収納凹部105からサポートバー103を一旦取り出して、フック102とサポートバー103とを連結し、前記フック102とサポートバー103とを車両フロア面のフック収納凹部106、及びサポートバー収納凹部105に収納する必要がある。 【0004】 【特許文献1】特開2005−312629号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 このように、上記した車椅子固定装置100では、フック102をサポートバー103に連結する操作が面倒なため、一旦取外したフック102を使用後にサポートバー103に連結しない場合が多い。この場合、フック102がワイヤー109(被巻取り部材)に引っ張られて起立し、図6(A)(B)に示すように、フック収納凹部106に収まりきらない状態が生じる。フック102がフック収納凹部106に収まりきらずに車両フロア面から突出すると、車椅子Cの通行に支障が生じる。 【0006】 本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、簡単な手順で、フックを車両フロア面から突出しないようにフック収納凹部に格納保持できるようにすることである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。 請求項1の発明は、車両側に設けられた巻取り機構と、その巻取り機構に巻き取られる複数本の被巻取り部材と、各々の前記被巻取り部材の繰出端に連結されたフックと、車両フロア面に形成されており、前記フックがそれぞれ収納されるフック収納凹部と、同じく車両フロア面に形成されており、複数のフックを支持した状態で、それらのフックを車椅子に掛ける際に使用されるサポートバーが収納されるサポートバー収納凹部とを備え、前記サポートバーと前記フックとは、前記サポートバー及び前記フックを前記サポートバー収納凹部及び前記フック収納凹部から取り出した状態でのみ連結及び連結解除が可能な構成であり、前記サポートバーと共に、あるいは前記サポートバーと連結解除された状態で、前記フックを前記フック収納凹部から取り出して前記車両フロア上に搭載した車椅子に掛け、前記被巻取り部材に所定張力を加えた状態で、前記車椅子を車両に固定する構成の車椅子固定装置であって、前記サポートバーの代わりに前記サポートバー収納凹部に収納されて、前記複数のフックと連結されることで、それらのフックを前記車両フロアから突出しないように前記フック収納凹部に格納保持する保持部材を備えており、前記保持部材が前記サポートバー収納凹部に収納されている状態で前記フックを前記保持部材と連結及び連結解除できるように、前記フックと前記保持部材とが構成されていることを特徴とする。 【0008】 本発明によると、保持部材は、複数のフックと連結されることで、それらのフックを車両フロアから突出しないようにフック収納凹部に格納保持する。さらに、フックと保持部材とは、保持部材がサポートバーの代わりにサポートバー収納凹部に収納されている状態で、フックを保持部材に連結、あるいは連結解除できるように構成されている。即ち、フックを保持部材に連結する際にいちいち保持部材をサポートバー収納凹部から取り出す必要がない。このため、簡単な手順で、フックを車両フロア面から突出しないようにフック収納凹部に格納保持できるようになる。 なお、保持部材は1つである必要はなく、例えば保持部材は各フックに対応して別々に設けられていてもよい。 さらに、車両フロア面に形成されたサポートバー収納凹部を保持部材の収納用の凹部として使用できるため、前記保持部材の収納用凹部を形成するために車両フロア面を変更する必要がない。 【0009】 請求項2の発明によると、フックには、保持部材に連結される突起部が形成されており、前記保持部材には、その保持部材がサポートバー収納凹部に収納されている状態で前記フックの突起部が通過できる開口部と、その開口部を通過した前記突起を連結部まで導くガイド溝部とが形成されており、前記保持部材の開口部を通過した前記フックの突起部は、そのフックが前記被巻取り部材によって引っ張り力を受けることで前記保持部材のガイド溝部に沿って前記連結部まで移動し、前記保持部材に連結されることを特徴とする。 請求項3の発明によると、フックは、被巻取り部材の軸心回りに回転自在な状態で、その被巻取り部材の繰出端に連結されていることを特徴とする。 このため、被巻取り部材の捩じれを防止できるようになり、巻取り不良が発生しなくなる。 【発明の効果】 【0010】 本発明によると、フックを保持部材に連結することによって車両フロアから突出しないようにフック収納凹部内に保持することができ、かつ前記フックを保持部材に連結する際にいちいち保持部材をサポートバー収納凹部から取り出す必要がないため、フックをフック収納凹部内に保持するための作業が容易である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 [実施形態1] 以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係る車椅子固定装置について説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る車椅子固定装置の格納状態を表す平面図、図2は車椅子固定装置の使用状態を表す斜視図(A図)、及び側面図(B図)であり、図3は車椅子固定装置の左側の保持部材を表す平面図等である。また、図4は車椅子固定装置のフックと保持部材との連結構造を表す平面図等、図5はフックと巻取り機構のワイヤーとの連結構造を表す平断面図である。 ここで、図中の前後左右は、車両の前後左右と一致している。 【0012】 <車椅子固定装置の概要について> 車椅子固定装置10は、車両に車椅子Cを乗車させたときに、その車椅子Cを車両フロア上に固定する装置である。車椅子固定装置10は、車両フロア面を構成する角形の上面板20と、その上面板20によって塞がれた空間内に設置された巻取り機構(図示省略)とを備えている。前記巻取り機構は、四本のワイヤー15を巻取り可能なように構成されており、それらのワイヤー15の繰出端に車椅子C用のフック30が連結されている。前記巻取り機構は、モータ(図示省略)により各々のワイヤー15を巻取り可能な構成であり、さらに各々のワイヤー15には巻取り方向にバネ力(予張力)が加わるように構成されている。このため、前記モータが停止状態(オフ状態)では、前記バネ力に抗して各々のワイヤー15を引き出すことが可能である。また、フック30が車椅子Cに掛けられた状態で前記モータによりワイヤー15が巻き取られ、各々のワイヤー15に所定張力が加わると、前記モータが停止し、巻取り機構はワイヤー15の繰り出しが不能となるようにロックされる。 車椅子固定装置10は、前後一対のフック30を先端部と基端部の近傍とに連結した状態で、それらのフック30を車椅子Cに掛けるためのサポートバー103(図7参照)を備えている。サポートバー103は、左右対称に形成されており、図7(A)に示すように、直線状の本体部103mと、その本体部103mの基端部から若干傾斜した状態で突出した握り部103hとから構成されている。サポートバー103の本体部103mには、先端部と基端部とにフック30との連結部103cが形成されている。フック30とサポートバー103とを連結させるには、先ず、フック30の突起部38(後記する)をサポートバー103の連結部103cの開孔(図示省略)に嵌合させる。次に、フック30を突起部38の軸回りに約90°回転させて、前記突起部38を連結部103cの係合溝に沿って連結位置までスライドさせる。これにより、前記フック30とサポートバー103とが連結される。また、フック30とサポートバー103との連結を解除する場合には、上記と逆の操作を行なう。 サポートバー103は、車椅子固定装置10が使用されていない状態では、フック30と連結された状態で前記上面板20に形成されたサポートバー収納凹部22(後記する)に収納されている。なお、この状態で、フック30は同じく上面板20に形成されたフック収納凹部24(後記する)に収納されている。また、車椅子Cを車両フロアに固定する場合には、上記したようにフック30とサポートバー103とが連結されている状態で、サポートバー103及びフック30をサポートバー収納凹部22及びフック収納凹部24から取り出し、前記サポートバー103を利用してフック102を、図7(B)に示すように、車椅子Cに掛けるようにする。 また、車椅子固定装置10は、サポートバー103が使用できない車椅子Cがある場合を想定して、各々のフック30を上面板20上のフック収納凹部24内に格納保持するためだけに使用される保持部材40を備えている。この場合、サポートバー103とフック30との連結が解除されて、前記サポートバー103の代わりに前記保持部材40がサポートバー収納凹部22に収納される。 即ち、前記ワイヤー15が本発明の被巻取り部材に相当する。 【0013】 <上面板20について> 上面板20の四隅には、図1等に示すように、それぞれワイヤー用開口21が形成されており、各々のワイヤー用開口21の位置にプーリ18が回転自在に取付けられている。そして、各々のプーリ18に各々のワイヤー15が掛けられている。また、上面板20の表面には、各々のワイヤー用開口21から上面板20の中央方向に入り込んだ位置に、各々のフック30を収納するフック収納凹部24がそれらのフック30と略等しい平面形状で左右対称に形成されている。さらに、上面板20の表面には、一対のサポートバー収納凹部22が前後のフック収納凹部24を繋ぐように左右対称に形成されている。サポートバー収納凹部22は、サポートバー103(図7参照)、あるいは前記保持部材40(後記する)を車両フロア面から突出しないように収納するための凹部である。 【0014】 <フック30について> フック30は、図5に示すように、フック本体35と、そのフック本体35の基端部をワイヤー15の繰出端に連結させる連結部材36とを備えている。フック本体35は、略U字形に湾曲した湾曲部33と、その湾曲部33の一端から直線状に延びる直線部34とから構成されており、その直線部34の端部(フック本体35の基端部)に雄ネジ34mが形成されている。また、フック本体35の湾曲部33と直線部34との境界部分には、固定具35rを介して突起部38がフック30の外周側に突出するように固定されている。突起部38は、後記するように、フック30を保持部材40に連結するための部材であり、軸状部38jと、その軸状部38jの先端で拡径する頭部38hとから構成されている。 【0015】 フック30の連結部材36は、ソケット36sとピン37とから構成されている。 ピン37は、ピン本体部37pと、そのピン本体部37pの端部に形成されたフランジ部37fとを備えている。また、ピン37のピン本体部37pには、先端側(フランジ部37fと反対側)から軸方向に深孔37hが形成されており、その深孔37hにワイヤー15の端部が挿入され、圧着固定できるように構成されている。 ソケット36sは、雌ネジが形成されている拡径部36wと、その拡径部36wより先端側(図5において右側)に位置する円筒部36tとを備えており、その円筒部36tの先端に内フランジ36fが形成されている。そして、ソケット36sの円筒部36tの内径寸法がピン37のフランジ部37fの外径寸法よりも若干大きな値に設定されている。また、ソケット36sの内フランジ36fの内径寸法がピン37のピン本体部37pの外径寸法よりも若干大きな値に設定されている。これにより、ピン37のピン本体部37pがソケット36sの内側から内フランジ36fに挿通されることで、ピン37のフランジ部37fが内フランジ36fに掛けられ、ピン37とソケット36sとが相対回転可能な状態で連結される。 【0016】 このようにして、ピン37とソケット36sとが連結された状態で、ソケット36sの拡径部36wの雌ネジに対してフック本体35の基端部の雄ネジ34mが螺合し、締付けられる。これにより、連結部材36はフック本体35の基端部に固定される。また、ピン37の深孔37hにワイヤー15の端部が挿入されて圧着されることで、ワイヤー15は連結部材36(ソケット36sとピン37)を介してフック30に連結される。前述のように、連結部材36のソケット36sとピン37とは相対回転が可能なため、フック30はワイヤー15の軸心回りに回転可能となる。このため、フック30を車椅子Cに掛ける際にワイヤー15が捩じれても、その捩じれは連結部材36のピン37とソケット36sとが相対回転することで除去される。 【0017】 <保持部材40について> 保持部材40は、前記サポートバー103と近似する形状の部材であり、図3等に示すように、直線状の本体部42と、その本体部42の基端部から若干傾斜した状態で突出した握り部43とから構成されている。ここで、図3は左側の保持部材40を表している。なお、左右の保持部材40の構造は等しいため、代表して左側の保持部材40について説明する。 保持部材40には、握り部43が設けられているため、図1に示すように、前記保持部材40をサポートバー収納凹部22に収納する操作が容易になる。 保持部材40は、サポートバー収納凹部22に収納された状態で、車両フロア面から突出することなく、前後のフック収納凹部24に対して一定の位置関係に保持される。 保持部材40の本体部42は、図3(B)(C)に示すように、横断面形状が角形の棒状に形成されている。そして、本体部42の先端部と基端部とに、その本体部42を横方向に貫通するとともに、前後に長く形成された横長孔45が設けられている。本体部42の先端部の横長孔45と基端部の横長孔45とは、前側のフック収納凹部24と後側のフック収納凹部24とに対応する位置に形成されている。 【0018】 本体部42の先端部と基端部とに形成された横長孔45は、等しい形状及びサイズであり、図3(B)(C)の横断面図に示すように、貫通方向に幅狭部45sと幅広部45wとがほぼ同心状に形成されている。横長孔45の幅狭部45sは、フック収納凹部24側に形成されており、フック30の突起部38の軸状部38jが挿通可能な寸法に設定されている。また、横長孔45の幅広部45wは、フック30の突起部38の頭部38hを収納可能な寸法に設定されている。さらに、横長孔45の幅狭部45sと幅広部45wとの境界部分45dは、図4(C)に示すように、フック30の突起部38の軸状部38jと頭部38hとの境界部分38dの形状に合わせて成形されている。このため、後記するように、前記横長孔45に収納されたフック30の突起部38は、軸方向に変位することなく、その横長孔45の幅狭部45sと境界部分45d、及び幅広部45wに沿って前後方向に移動できるようになる。 【0019】 保持部材40の本体部42の上面42uには、図3(A)に示すように、先端部と基端部との横長孔45の位置に、フック収納凹部24側に開く切欠き状の角形開口部42hが形成されている。角形開口部42hは、保持部材40がサポートバー収納凹部22に収納されている状態で、フック30をフック収納凹部24に収納するときに、そのフック30の突起部38が通過できる位置に形成されている。 保持部材40の先端部の角形開口部42hは、横長孔45の上壁を切欠いた状態で、その横長孔45の後端位置に形成されている。このため、前記角形開口部42hを通過した前側のフック30の突起部38が横長孔45の幅狭部45sと境界部分45d、及び幅広部45wに沿って前方に移動することにより、前記フック30の突起部38は前記角形開口部42hと前後方向にずれた状態になる。そして、前側のフック30の突起部38が横長孔45の前端位置Fまで到達して、突起部38が角形開口部42hと完全にずれた状態で、前記フック30が保持部材40の先端部に連結される。 また、基端側の角形開口部42hは、横長孔45の上壁を切欠いた状態で、その横長孔45の前端位置に形成されている。このため、前記角形開口部42hを通過した後側のフック30の突起部38が横長孔45の幅狭部45sと境界部分45d、及び幅広部45wに沿って後方に移動することで、前記フック30の突起部38は前記角形開口部42hと前後方向にずれた状態になる。そして、後側のフック30の突起部38が横長孔45の後端位置Bまで到達して、突起部38が角形開口部42hと完全にずれた状態で、前記フック30が保持部材40の基端部に連結される。 即ち、保持部材40の横長孔45の前端位置F、あるいは後端位置Bが本発明の連結部に相当し、横長孔45が本発明のガイド溝部に相当する。また、保持部材40の角形開口部42hが本発明の開口部に相当する。 【0020】 <車椅子固定装置10の取扱について> 次に、車椅子固定装置10の取扱について説明する。 車椅子Cを車両フロアに固定するためには、先ず、車椅子Cを車椅子固定装置10の上面板20の真上位置に配置する。次に、フック30をフック収納凹部24内で前記巻取り機構のワイヤー15の予張力(バネによる巻取り力)に抗して水平移動させ、フック30と保持部材40との連結を解除する。例えば、上面板20の左後部に位置するフック30の場合、そのフック30を図4(B)に示す連結状態からワイヤー15の予張力に抗して水平前方に移動させる。これにより、フック30の突起部38が保持部材40の横長孔45の幅狭部45s、境界部分45d、及び幅広部45wに沿ってその横長孔45の前端位置まで移動し、図4(A)に示すように、角形開口部42hの真下位置に保持される。この状態で、フック30の突起部38を保持部材40の角形開口部42hを通して横長孔45から取り出せるようになり、左後部のフック30と左側の保持部材40との連結が解除される。 上面板20の右後部に位置するフック30の場合も同様にして、右側の保持部材40との連結を解除できる。 【0021】 上面板20の左前部、右前部に位置するフック30の場合、連結状態のフック30をワイヤー15の予張力に抗して水平後方に移動させる。これにより、フック30の突起部38が保持部材40の横長孔45の幅狭部45s、境界部分45d、及び幅広部45wに沿ってその横長孔45の後端位置まで移動し、角形開口部42hの真下位置に保持される。この状態で、フック30と保持部材40との連結が解除される。 このようにして、左右の保持部材40と前後左右のフック30との連結が解除されると、各々のワイヤー15が予張力に抗して引き出され、図2(A)(B)に示すように、各々のフック30が車椅子Cのフレームの所定部位に掛けられる。このように、前後左右のフック30を個々に車椅子Cのフレームに掛けることができるため、サポートバー103を使用できない車椅子Cに対してもフック30を良好に掛けられる。 前後左右のフック30が車椅子Cのフレームに掛けられると、前記巻取り機構によってモータが駆動され、ワイヤ15が巻き取られる。そして、ワイヤー15に所定張力が加わると、前記モータが停止し、巻取り機構はワイヤー15の繰り出しが不能となるようにロックされる。この状態で、車椅子Cは車両フロアに固定される。 【0022】 車椅子Cの固定を解除する場合には、前記巻取り機構のロック動作を解除して各々のワイヤー15に予張力のみが加わるようにする。この状態で、各々のワイヤーを予張力に抗して引き出すことが可能になり、フック30を車椅子Cのフレームから外せるようになる。 車椅子Cから外された前後左右のフック30は、上面板20に形成された前後左右のフック収納凹部24にそれぞれ収納される。前述のように、左右のサポートバー収納凹部22には左右の保持部材40が収納されて、それらの保持部材40が前後左右のフック収納凹部24に対して一定の位置関係に保持されている。このため、例えば、左後部のフック30を左後部のフック収納凹部24に収納する操作により、そのフック30の突起部38が、図4(A)に示すように、左側の保持部材40の基端部における角形開口部42hに通される。前述のように、フック30にはワイヤー15の予張力が加わっているため、左後部のフック30は水平後方に引っ張られる。これにより、保持部材40の角形開口部42hに通されたフック30の突起部38は、図4(B)に示すように、保持部材40の横長孔45の幅狭部45s、境界部分45d、及び幅広部45wに沿ってその横長孔45の後端位置Bまで移動する。この結果、フック30と保持部材40とが連結され、フック30は車両フロア面から突出しないように、フック収納凹部24に格納される。 また、右後部、及び左右前部のフック30の場合も左後部のフック30と同様に、フック収納凹部24に収納する操作により、それらのフック30の突起部38が保持部材40の対応する角形開口部42hに通される。そして、角形開口部42hに通されたフック30の突起部38がワイヤー15の予張力により保持部材40の連結部の位置まで移動し、それらのフック30と保持部材40とが連結される。これにより、前記フック30は車両フロア面から突出しないように、フック収納凹部24に格納される。 【0023】 <本実施形態に係る車椅子固定装置10の長所> 本実施形態に係る車椅子固定装置10によると、保持部材40がサポートバー収納凹部22に収納されている状態で、フック30をフック収納凹部24に収納する操作により、そのフック30を保持部材40に連結できる。このため、フック30と保持部材40とを連結するための特別な操作、例えば、保持部材40をサポートバー収納凹部22から取り出す操作等が不要になる。したがって、フック30をフック収納凹部24に収納する際に、フック30と保持部材40とを確実に連結できるようになり、各々のフック30を車両フロアから突出しないようにフック収納凹部24に格納できる。 さらに、車両フロア面に形成されたサポートバー収納凹部22を保持部材40の収納用の凹部として使用できるため、保持部材40の収納用凹部を形成するために車両フロア面を変更する必要がない。 なお、本実施形態では、サポートバー103を使用せずに保持部材40を使用する例を示した。しかし、図7(B)に示すように、サポートバー103を使用可能な車椅子Cの場合には、保持部材40の代わりにサポートバー103を使用することも可能である。 また、フック30は、連結部材36によってワイヤー15の軸心回りに回転自在な状態で、そのワイヤー15の繰出端に連結されている。このため、ワイヤー15の捩じれを防止できるようになり、巻取り不良が発生しなくなる。 【0024】 <車椅子固定装置10の変更例> ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、フック30の突起部38を保持部材40の角形開口部42hに通した後、そのフック30をワイヤー15の予張力で前後方向に移動させ、その保持部材40と連結させる例を示した。しかし、例えば、フック30の突起部38を保持部材40の角形開口部42hに通した状態で、板バネ等により一定のバネ力で前記突起部38を角形開口部42h内に保持し、フック30を保持部材40と連結させることも可能である。また、板バネ等の代わりに磁石等を使用することも可能である。 また、サポートバー収納凹部22とフック収納凹部24との配置は適宜変更可能である。 【図面の簡単な説明】 【0025】 【図1】本発明の実施形態1に係る車椅子固定装置の格納状態を表す平面図である。 【図2】車椅子固定装置の使用状態を表す斜視図(A図)、及び側面図(B図)である。 【図3】車椅子固定装置の左側の保持部材を表す平面図(A図)、A図のB−B矢視断面図(B図)、及びA図のC−C矢視断面図(C図)である。 【図4】車椅子固定装置のフックと保持部材との連結構造を表す平面図(A図、B図)、及びB図のC−C矢視断面図(C図)である。 【図5】フックと巻取り機構のワイヤーとの連結構造を表す平断面図である。 【図6】従来の車椅子固定装置の斜視図(A図)、ワイヤーの繰出端、及びフックを表す側面図(B図)である。 【図7】従来の車椅子固定装置の平面図(A図)、車椅子固定装置の使用状態を表す斜視図(B図)である。 【符号の説明】 【0026】 C 車椅子 15 ワイヤー(被巻取り部材) 20 上面板(車両フロア面) 22 サポートバー収納凹部 24 フック収納凹部 30 フック 38 突起部 40 保持部材 42h 角形開口部(開口部) 45 横長孔(ガイド溝部) F,B 連結部 103 サポートバー
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110321 【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000394 【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2008−43407(P2008−43407A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−219668(P2006−219668) |
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