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【発明の名称】 床ずれ防止用ベッド
【発明者】 【氏名】▲秦▼ 忠世

【要約】 【課題】寝たきり状態となっている各被介護者の血行を促進させて筋肉のコリをとると共に床ずれを防止し得る床ずれ防止用ベッドを提供する。

【構成】ベッド幅方向に相互に平行に配置される複数本の膨縮自在なエアー袋体1と、エアー袋体1へ所定時間毎に圧縮エアーを供給排気させてエアー袋体1を膨張・収縮させるエアー供給排気手段2と、エアー供給排気手段2の制御を行う制御手段3と、を備える。また、エアー袋体1は、膨張状態が円柱形となるように形成されると共に、被介護者Aの床ずれ発生予想部位を所定時間t毎に上昇・下降させるように構成されている。また、エアー袋体1には、被介護者Aの血行を促進させる材料を用いて形成された血行促進部4が、設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド幅方向に相互に平行に配置される複数本の膨縮自在なエアー袋体(1)と、該エアー袋体(1)へ所定時間(t)毎に圧縮エアーを供給排気させて該エアー袋体(1)を膨張・収縮させるエアー供給排気手段(2)と、該エアー供給排気手段(2)の制御を行う制御手段(3)と、を備え、
上記エアー袋体(1)は、膨張状態が円柱形となるように形成されると共に、被介護者(A)の床ずれ発生予想部位を上記所定時間(t)毎に上昇・下降させるように構成され、
さらに、上記エアー袋体(1)には、上記被介護者(A)の血行を促進させる材料を用いて形成された血行促進部(4)が、設けられていることを特徴とする床ずれ防止用ベッド。
【請求項2】
上記血行促進部(4)は、磁石,トルマリン,ゲルマニウム,トゴールウォータータイト,石英閃緑玲石,花崗斑岩,ホルンフレンドカミングトン,中国珪石,シリコン化合物,含鉛重晶石,備長炭のいずれかの粉末を、合成樹脂若しくはゴムと混合成型することにより、形成されている請求項1記載の床ずれ防止用ベッド。
【請求項3】
上記エアー袋体(1)は、膨張状態が円柱形となる袋本体(10)と、該袋本体(10)の上部に付設されると共に可撓性を有するシート状の上記血行促進部(4)と、により形成されている請求項1又は2記載の床ずれ防止用ベッド。
【請求項4】
上記エアー袋体(1)の配置部位が、上記被介護者(A)の仰臥状態での脹脛部(a),大腿部(b),腰部(c),背中部(d),後頭下部(e)から成る請求項1,2又は3記載の床ずれ防止用ベッド。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、床ずれ防止用ベッドに係り、より詳しくは、病気で寝たきり状態となった人や寝たきり老人等の被介護者のための床ずれ防止用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、健康な人は、睡眠中に数多くの体位の変換を行っている。例えば、8時間の睡眠時間が普通とすると、その間に、健康な人々は約60回体位の変換を行っている。この体位の変換は、生理的なものであって体動と呼ばれている。そして、「同じ姿勢でいるのは15分程度が限度」というのが、動物である人間の体動の原理である。
重い怪我、病気で寝たきり状態となった人や寝たきり老人等の被介護者は、この体動ができず、同じ姿勢をとりつづけることになる。こうして、被介護者の肩や腰に過剰な負担がかかると、その部分の筋肉内の血管が圧迫を受けて狭くなり、血行が悪くなる。そして、筋肉内には酸素や栄養素が十分行き渡らなくなる。その結果、筋肉で使われた老廃物は筋肉内に滞って、被介護者がコリを感じることとなる。
また、寝たきり状態の被介護者を同じ姿勢で長らく放置していると、局所の循環不全、つまり床ずれが生じ、この床ずれから感染症を招来することになる。特に、高齢の失禁被介護者では、命が短くなる虞れがある。
【0003】
ところが、現在の日本では、介護保険の適用者だけでも 400万人を越えて世界一の超高齢化大国になっているにもかかわらず、各種老人施設等の現場では 400万人の被介護者に対し、医師、看護婦(士)、またよく訓練された介護者の絶対数も不足しているのである。
【0004】
また、行政側の思惑と悲惨な現場との認識と常識のずれにより、適切な看護介護制度が実施されず、この分野の医療教育も進んでいないという実態がある。
具体的に説明すると、行政側は、「病気をすれば寝ているべき、手術後は安静にしているべき」というような18世紀医学を未だに念頭において介護制度を設けているからである。このように行政側の思惑と現場との乖離により、要求されているものとは大幅にずれた介護制度が実施され、実効を得られないまま結局は破綻している。
【0005】
上記のように、各種老人施設では、介護者の質と数の不足が深刻となっている。そこで従来、介護者の労働をなるべく軽減することが可能な、寝たきり状態の被介護者用のベッドが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、「ベッド本体が、背もたれ部と座部と脚受け部と足載せ部に分割されると共にこれら各部を互いに回転自在に枢着したマット部材を備え、腰掛け状とベッド状とに変形する介護用のベッドに於いて、ベッド本体をマット部材と共に昇降させる昇降装置を設けたもの」が開示されている。特許文献1では、昇降装置にてベッド状から腰掛け状に変形させ、介護者が被介護者を搬送ベッドや車椅子へ移動させる際の労働を軽減するようにしている。
【特許文献1】特開2004−16370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような従来の介護用のベッドでは、腰掛け状とベッド状との2つの状態に変形できても、被介護者の筋肉のコリをとる機能,床ずれ防止機能は備わっていなかった。
また、この従来の介護用のベッドでは、昇降装置は、モータと、リンク機構と、を用いて構成されており、ベッドの昇降装置の構造が複雑であった。
そこで、本発明は、人手不足で放置されて寝たきり状態となっている被介護者の血行を促進させて筋肉のコリをとると共に床ずれを防止でき、オムツの交換も容易なベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る床ずれ防止用ベッドは、ベッド幅方向に相互に平行に配置される複数本の膨縮自在なエアー袋体と、該エアー袋体へ所定時間毎に圧縮エアーを供給排気させて該エアー袋体を膨張・収縮させるエアー供給排気手段と、該エアー供給排気手段の制御を行う制御手段と、を備え、上記エアー袋体は、膨張状態が円柱形となるように形成されると共に、被介護者の床ずれ発生予想部位を上記所定時間毎に上昇・下降させるように構成され、さらに、上記エアー袋体には、上記被介護者の血行を促進させる材料を用いて形成された血行促進部が、設けられている。また、上記血行促進部は、磁石,トルマリン,ゲルマニウム,トゴールウォータータイト,石英閃緑玲石,花崗斑岩,ホルンフレンドカミングトン,中国珪石,シリコン化合物,含鉛重晶石,備長炭のいずれかの粉末を、合成樹脂若しくはゴムと混合成型することにより、形成されている。
また、上記エアー袋体は、膨張状態が円柱形となる袋本体と、該袋本体の上部に付設されると共に可撓性を有するシート状の上記血行促進部と、により形成されている。
また、上記エアー袋体の配置部位が、上記被介護者の仰臥状態での脹脛部,大腿部,腰部,背中部,後頭下部から成る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る床ずれ防止用ベッドは、健康な人の体動をまねて所定時間毎に寝たきり状態の被介護者の体位の変換を行うことができ、筋肉のコリをとると共に床ずれの発生を防止することができる。また、床ずれ発生予想部位に血行促進部を位置させて、その部位における被介護者の筋肉のコリを効果的にとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1〜図4に於て、本発明の実施の一形態に係る床ずれ防止用ベッドを示す。本発明に係るベッドは、例えば総合病院や老人ホーム等に設置され、重病人や老人等の身体不自由で寝たきり状態となっている被介護者Aの床ずれ防止のために、主として使用される。
このベッドは、マット部21とフレーム部22とを有するベッド本体20のベッド幅方向に相互に平行に配置される複数本の膨縮自在なエアー袋体1…と、エアー袋体1…へ所定時間t毎に圧縮エアーを供給排気させてエアー袋体1を膨張・収縮させるエアー供給排気手段2と、エアー供給排気手段2の制御を行う制御手段3と、を備えている。
【0010】
エアー袋体1…は、膨張状態が円柱形となるように形成され、主として、被介護者Aの床ずれ発生予想部位を所定時間t毎に上昇・下降させて床ずれを防止するために使用するものである。
各エアー袋体1には、被介護者Aの血行を促進させる材料を用いて形成された血行促進部4が、設けられている。具体的には、エアー袋体1は、膨張状態が円柱形となる袋本体10と、袋本体10の上部に付設されると共に可撓性を有するシート状の血行促進部4と、により形成されている。
袋本体10は、ゴム等の変形容易な材質にて形成されており、筒部8と、筒部8の左右の開口端を塞ぐ端壁部9,9と、を有している。袋本体10の一方側の端壁部9には、エアー供給排気手段2につながる空圧ライン39の端部が接続されている。
【0011】
血行促進部4は、磁石,トルマリン,ゲルマニウム,トゴールウォータータイト,石英閃緑玲石,花崗斑岩,ホルンフレンドカミングトン,中国珪石,シリコン化合物,含鉛重晶石,備長炭のいずれかの粉末を、合成樹脂若しくはゴムと混合成型することにより、形成されている。
合成樹脂は、例えばナイロン樹脂である。
トゴールウォータータイトとは、通称トゴール鉱石と呼ばれている溶解性風化鉱石のことを示す。また、石英閃緑玲石とは、通称医王石と呼ばれている海底体積鉱石のことを示す。また、花崗斑岩とは、通称麦飯石と呼ばれ、石英と長石の混合石である。また、ホルンフレンドカミングトンは、オーラ石と呼ばれる石である。また、中国珪石は、ブラックシリカ,ホワイトシリカのように呼ばれることもある石である。また、含鉛重晶石とは、北投石と呼ばれる石である。
トゴールウォータータイト,石英閃緑玲石,花崗斑岩,ホルンフレンドカミングトン,中国珪石,シリコン化合物,含鉛重晶石は、人体によい影響を与える良質のミネラルを含んでいる。そして、これら及び備長炭には、遠赤外線の放出やイオンの放出等による、血行促進作用がある。
【0012】
ここで、磁石による磁気が筋肉のコリに効くメカニズムを説明しておく。
コリの大半は、血管が圧迫を受けて狭くなって血行が悪化することによる、虚血性筋肉痛である。
血管自体は常に収縮しようとする性質を持つが、神経の末端からアセチルコリンという血管を拡張する物質を定期に放出することで、血管は一定のリズムを刻んで拡張と収縮を繰り返している。コリを感じる部分に磁気を当てると、このアセチルコリンの分解を遅らせる作用をもたらす。血管拡張物質であるアセチルコリンが血管内に一時的に増えれば、血管は大きく拡張する。これにより、血液循環がスムーズになり、溜まっていた乳酸等の老廃物がきれいに流される。磁気が筋肉のコリに効果的なのは、このような血行の改善作用によるものである。
【0013】
また、トルマリンは、外圧によって、マイナスイオンを発生する。このマイナスイオンの働きによって、被介護者Aを精神的,肉体的にリラックスさせると共に、体質を改善させたり免疫力を向上させたりする。さらに、トルマリンは、遠赤外線を放出することによって、被介護者Aの血行を促進させる。
また、ゲルマニウムは、マイナスイオンを発生し、このマイナスイオンの働きによって、被介護者Aの血行をよくし、筋肉のコリや疲れをとる。
【0014】
各エアー袋体1は、(例えば)低反発素材にて形成されたマット部21の上面に着脱自在に取着されている。具体的には、各エアー袋体1は、マット部21に、面状ファスナ5にて取着されるようになっている。面状ファスナ5の掛止部5aは、エアー袋体1(より詳しくは袋本体10)に付設されており、面状ファスナ5の被掛止部5bは、マット部21に付設されている。面状ファスナ5の被掛止部5bは、マット部21の長手方向へ縦断するように設けられており、マット部21の長手方向の好きな位置に各エアー袋体1を取着することを可能としている。
【0015】
本実施形態では、エアー袋体1…の配置部位は、被介護者Aの仰臥状態での脹脛部a,大腿部b,腰部c,背中部d,後頭下部eの五箇所から成っている(夫々のエアー袋体1を、1a,1b,1c,1d,1eとする)。後頭下部eのエアー袋体1eは、被介護者Aの上半身起こし用に兼用され、大腿部b及び腰部cのエアー袋体1b,1cは、被介護者Aのオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されるようになっている。
また、複数本のエアー袋体1…のうち、後頭下部eのエアー袋体1は大径(例えば直径50cm)、大腿部b,腰部c,背中部dのエアー袋体1は中径(例えば直径40cm)、脹脛部aのエアー袋体1は小径(例えば直径30cm)となっている。
ところで、一般的に、被介護者Aの床ずれ発生予想部位(床ずれの好発部位)としては、両踵部f,骨盤部g,肩甲骨部h,後頭上部iが挙げられる。特に、床ずれの初発部位は両踵部fとされている。本実施形態では、被介護者Aの脹脛部a,大腿部b,腰部c,後頭下部eに配置されたエアー袋体1が、夫々、被介護者Aの両踵部f,骨盤部g,肩甲骨部h,後頭上部iを所定時間t毎に上昇・下降させるようになっている。
【0016】
エアー供給排気手段2は、ベッド本体20の脇に一つのユニットとして設置されている。このエアー供給排気手段2は、エアコンプレッサ35,エアタンク36,レギュレータ37,電磁弁38等で構成されている。エアー供給排気手段2と各エアー袋体1とは、上述の空圧ライン39にて接続されている。
制御手段3は、ベッド本体20の脇に設置される所謂パソコンとなっている(この制御手段3についての詳細は後述する)。
【0017】
上述のように、エアー袋体1…は、主に床ずれ防止のために使用されるものであるが、本実施形態に係るベッドでは、後頭下部eのエアー袋体1eは、被介護者Aの上半身起こし用に兼用され、大腿部b及び腰部cのエアー袋体1b,1cは、被介護者Aのオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されるようになっている。
【0018】
次に、ベッド本体20の脇に設置される制御手段3について詳説する。
この制御手段3は、被介護者Aのリハビリの指導を行ったり治療を行ったりする専門のインストラクタ,マッサージ師,医師等の有資格者Bによって、操作される。制御手段3は、エアー袋体1…にエアーを供給するエアー供給排気手段2と電気的に接続され、エアー供給排気手段2の制御を行っている。
具体的に述べると、エアー供給排気手段2については、作動させるエアー袋体1の選択,エアー圧力の強弱(例えば、微弱,弱,中,強),所定時間t(エアー袋体1…へ圧縮エアーを送る時間間隔)等の制御を行っている。本実施形態では、所定時間tが、15分〜30分の範囲に設定されている。これにより、人間の体動の原理に基づいて適切に被介護者Aの体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を効果的に防止し得るようになっている。
また、制御手段3の表示部3aでは、図5に示すように、有資格者Bがエアー供給排気手段2の作動状況や設定状況を確認するようになっている。
【0019】
ここで、本実施形態に係るベッドは、各々の被介護者Aに合わせて予め有資格者Bにより入力されて作成された治療データを記録する記録片6と、記録片6が接近又は挿入されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7と、を備えている。
治療データは、上述したエアー供給排気手段2の設定条件と、患者情報と、から成っている。患者情報としては、例えば会員番号,氏名,年齢,性別,生年月日,血液型,職業,住所,電話番号,現在患っている病気等の情報が挙げられる。
記録片6は、例えばICメモリチップ,ICメモリカード,磁気カード,光磁気カード等から成る。
また、データ読取部7は、制御手段3と電気的に接続されており、記録片6の治療データを制御手段3に送るようになっている。そして、制御手段3が、データ読取部7にて読み取った記録片6の治療データに基いて、(エアー供給排気手段2を介して)エアー袋体1…の作動制御を行うように、構成されている。こうして、医療機具として、被介護者の好みに合い、かつ、専門的に判断しても適切な条件でエアー袋体を作動させることができ、被介護者の床ずれの発生を確実に防止するようになっている。
【0020】
次に、図2、及び、図6〜図9を参照して、本実施形態に係るベッドの動作について説明する。
まず、図2及び図6に示すように、被介護者Aがマット部21に仰臥した状態に於て、エアー袋体1…の配置部位が、被介護者Aの脹脛部a,大腿部b,腰部c,背中部d,後頭下部eの五箇所となるように、エアー袋体1…の位置調整をする。この位置調整は、各エアー袋体1がマット部21に面状ファスナ5にて取着されているので、容易に行い得る。即ち、体型や身長が相違する多くの被介護者Aに容易に対応できる。なお、エアー袋体1…は、変形容易な材質にて形成されているので、エアーが入っていない状態では、被介護者Aの身体のラインに沿って変形する。これにより、被介護者Aの身体を部分的に強く圧迫しないようになっている。
この状態では、各エアー袋体1に設けられた血行促進部4が、被介護者Aの脹脛部a,大腿部b,腰部c,背中部d,後頭下部eの血行を促進させ、被介護者Aを精神的,肉体的にリラックスさせ、筋肉のコリをとる。
【0021】
次に、制御手段3と接続されたデータ読取部7に、記録片6の(予め記録された)被介護者A専用の治療データを読み取らせる。
すると、治療データに基いて、被介護者Aに合った条件が設定される。
そして、被介護者Aに合った条件に従って各エアー袋体1にエアーが供給され、被介護者Aの床ずれ発生予想部位(両踵部f,骨盤部g,肩甲骨部h,後頭上部i)を所定時間t毎に上昇・下降させる。なお、床ずれ防止のために各エアー袋体1へエアーが供給される際には、エアー袋体1は最大まで膨張することはなく、わずかに膨張して、被介護者Aの身体を緩やかに持ち上げるようにしている(図6の2点鎖線参照)。これにより、エアー袋体1の動作によって被介護者Aの身体に大きな負担をかけないようになっている。
【0022】
次に、図2及び図7に示すように、被介護者Aが食事をしたり、TV観賞や読書をする際には、制御手段3にてモードを切換え、背中部dと後頭下部eのエアー袋体1d,1eのみを膨張させる。特に、後頭下部eのエアー袋体1eを大きく膨張させるようにする。後頭下部eのエアー袋体1eは、全てのエアー袋体1…の中で最も大きく形成されているので、被介護者Aの上半身は大きく起き上がる。この際、被介護者Aは、腹筋や背筋に力を入れる必要もなく楽に起き上がることができる。そして、楽な姿勢で、食事をしたりTV観賞や読書をすることができる。このように、後頭下部eのエアー袋体1は、被介護者Aの上半身起こし用に兼用される。また、被介護者の身体を持ち上げる際に、モータやリンク機構を必要とせず、構造が簡単なものとなっている。
【0023】
次に、図2及び図8に示すように、被介護者Aのオムツ交換をする際には、制御手段3にてモードを切換え、大腿部bと腰部cのエアー袋体1b,1cのみを大きく膨張させる。すると、被介護者Aの腰部(骨盤部g)は大きく持ち上がり、大腿部bのエアー袋体1bと腰部cのエアー袋体1cとの間に大きな隙間40が生じる。そして、この隙間40に手を入れて被介護者Aのオムツ交換をする。このように、大腿部b及び腰部cのエアー袋体1は、被介護者Aのオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用される。
【0024】
なお、被介護者Aが食事をしたり、TV観賞や読書をする際には、背中部dと後頭下部eのエアー袋体1d,1eのみを大きく膨張させ、被介護者Aのオムツ交換をする際には、大腿部bと腰部cのエアー袋体1b,1cのみを大きく膨張させていたが、脹脛部aのエアー袋体1aのみを大きく膨張させた場合には、図9に示すように、被介護者Aの床ずれの初発部位である両踵部fを大きく持ち上げることができる。
【0025】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、本実施形態では、エアー袋体1の配置部位が、被介護者Aの仰臥状態での脹脛部a,大腿部b,腰部c,背中部d,後頭下部eから成る場合を例示したが、本発明はこれに限らず、エアー袋体1…の配置部位を、これらの内から2箇所以上の組合せを選択して成るようにするのも好ましい。
【0026】
また、本実施形態のベッドは、マッサージ機能を有していなかったが、本発明はこれに限らず、マッサージ機能を付加することによって、被介護者Aの床ずれを防止するだけでなく、被介護者Aにマッサージによるリラックス効果を与えるようにしてもよい。このように構成すれば、熱と揉み,振動等で複合的に被介護者Aを癒すことができ、より被介護者Aのストレスを和らげることができる。
【0027】
以上のように本発明に係る床ずれ防止用ベッドは、ベッド幅方向に相互に平行に配置される複数本の膨縮自在なエアー袋体1と、エアー袋体1へ所定時間t毎に圧縮エアーを供給排気させてエアー袋体1を膨張・収縮させるエアー供給排気手段2と、エアー供給排気手段2の制御を行う制御手段3と、を備え、エアー袋体1は、膨張状態が円柱形となるように形成されると共に、被介護者Aの床ずれ発生予想部位を所定時間t毎に上昇・下降させるように構成され、さらに、エアー袋体1には、被介護者Aの血行を促進させる材料を用いて形成された血行促進部4が、設けられているので、健康な人の体動をまねて所定時間t毎に寝たきり状態の被介護者Aの体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を防止することができる。また、床ずれ発生予想部位に血行促進部4を位置させて、その部位における被介護者Aの血行を促進させることができるので、被介護者Aの筋肉のコリを効果的にとることができる。
【0028】
また、エアー供給排気手段2にてエアー袋体1を膨張・収縮させていない状態においても、血行促進部4にて、被介護者Aの血行を促進させる効果が得られるので、血行促進部4を設けない場合と比較してエアー袋体1を膨張・収縮させる時間を少なくでき、電気や燃料の節約が可能となる。
また、エアー袋体1…を、膨張状態が円柱形となるように形成することによって、エアー袋体1を、球形や短冊形に形成する場合と比較して、形状が単純であり、安価に製作できる。
【0029】
また、血行促進部4は、磁石,トルマリン,ゲルマニウム,トゴールウォータータイト,石英閃緑玲石,花崗斑岩,ホルンフレンドカミングトン,中国珪石,シリコン化合物,含鉛重晶石,備長炭のいずれかの粉末を、合成樹脂若しくはゴムと混合成型することにより、形成されているので、可撓性を有してエアー袋体1を容易に膨張・収縮させることができると共に、磁気やマイナスイオンの発生にて血行を促進させるようにできる。従って、被介護者Aの筋肉のコリをとると共に床ずれを防止する高い効果が得られる。
【0030】
また、エアー袋体1は、膨張状態が円柱形となる袋本体10と、袋本体10の上部に付設されると共に可撓性を有するシート状の血行促進部4と、により形成されているので、エアー袋体1のうち、収縮状態と膨張状態との両方において被介護者Aに触れる部分のみに、血行促進部4を設けることができる。これにより、袋本体10を安価な材質で形成しつつ、袋本体10の材質よりも高価な血行促進部4の範囲を小さくでき、安価でありながら筋肉のコリをとる効果が高いエアー袋体1とできる。
【0031】
また、エアー袋体1の配置部位が、被介護者Aの仰臥状態での脹脛部a,大腿部b,腰部c,背中部d,後頭下部eから成るので、被介護者Aの床ずれ好発部位に広く対応して、筋肉のコリをとる機能及び床ずれ防止機能を働かせ得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の一形態に係る床ずれ防止用ベッドを示す斜視図である。
【図2】平面図である。
【図3】要部断面側面図である。
【図4】エアー袋体及びそのエアー袋体が取着される部分を示す斜視図である。
【図5】制御手段の表示部の説明図である。
【図6】エアー袋体の動きを説明するための要部断面側面図である。
【図7】エアー袋体の動きを説明するための要部断面側面図である。
【図8】エアー袋体の動きを説明するための要部断面側面図である。
【図9】エアー袋体の動きを説明するための要部断面側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1,1a,1b,1c,1d,1e エアー袋体
2 エアー供給排気手段
3 制御手段
4 血行促進部
10 袋本体
A 被介護者
a 脹脛部
b 大腿部
c 腰部
d 背中部
e 後頭下部
t 所定時間
【出願人】 【識別番号】598103716
【氏名又は名称】有限会社 健康百二十才
【出願日】 平成18年8月3日(2006.8.3)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣


【公開番号】 特開2008−36021(P2008−36021A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−212339(P2006−212339)