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【発明の名称】 車椅子のキャスター取付け構造
【発明者】 【氏名】佐藤 永佳

【要約】 【課題】車椅子に乗っている人に走行時及ぼされる震動や衝撃を緩和した車椅子のキャスター取付け構造の提供。

【構成】車椅子本体に固定されているキャスター取付筒体16内に一個または二個以上のダンパー21,22を圧入し、該ダンパー21,22の内側に少なくとも上端部にねじ溝19Aを設けたキャスター軸棒19を挿入し、該キャスター軸棒19上端からダンパー固定ナット26を螺入して該ダンパー21,22上端を該ナット26で締付けることによって該ダンパー21,22を該キャスター取付筒体16内に固定し、該キャスター軸棒19下端にはキャスター車輪38を支持するフォーク17を左右回動自在に支持した構成であって、該ダンパー21,22は内筒21A,22Aと、外筒21B,22Bと、該内筒21A,22Aと該外筒21B,22Bとの間に介在しているゴムスリーブ23,24とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子本体に固定されているキャスター取付筒体内に一個または二個以上のダンパーを圧入し、該ダンパーの内側に少なくとも上端部にねじ溝を設けたキャスター軸棒を挿入し、該キャスター軸棒上端からダンパー固定ナットを螺入して該ダンパー上端を該ナットで締付けることによって該ダンパーを該キャスター取付筒体内に固定し、該キャスター軸棒下端にはキャスター車輪を支持するフォークを左右回動自在に支持した構成であって、該ダンパーは内筒と、外筒と、該内筒と該外筒との間に介在しているゴムスリーブとからなることを特徴とする車椅子のキャスター取付け構造。
【請求項2】
該ゴムスリーブの上面および/または下面には、凹溝が周設されている請求項1に記載の車椅子のキャスター取付け構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は例えば車椅子のキャスター取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のキャスター取付け構造は図7および図8に示すように車椅子本体のパイプ状の前脚柱部5のキャスター取付筒体16の内側に六角座40から上方に延設されている軸棒41を挿入し、該軸棒41にはゴムスリーブ42A,43Aおよびワッシャ44,45,46を外側嵌合し、該軸棒41の上端螺溝部41Aにはナット47を螺着して該ゴムスリーブ42A,43Aを該ナット47と該六角座40より挟圧して該ゴムスリーブ42A,43Aを径方向に拡張させることによって該前脚柱部5のパイプ内に固定し、該六角座40から下方に延設されている軸棒41の下端螺溝部41Aにワッシャ47Aを介してナット47によりフォーク48の基端部48Aを支持させる構造である。
【0003】
この構成では六角座40を回して軸棒41を回転させると、該ゴムスリーブ42A,43Aの外周面はキャスター取付筒体16の内周面との摩擦により回転せず、さらにナット47も該ゴムスリーブ43Aとの摩擦により回転しないので、ナット47は該六角座40の回転につれて螺入していく。該ナット47が螺入していくと、該ゴムスリーブ42A,43Aはナット47と六角座40とにより挟圧され径方向に膨張して前脚柱部5の該キャスター取付筒体16の内周面と該軸棒41の外周面とに圧接する。したがって軸棒41は前脚柱部5内に固定される。
【0004】
【特許文献1】特開2003−136906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成では、該ゴムスリーブ42A,43Aが該キャスター取付筒体16の内周面と該軸棒41の外周面とに圧接しているから、軸方向および径方向の変形は殆ど抑制され、したがって該軸棒41は該キャスター取付筒体16に対して軸方向および径方向の動きを緊縛する手段が採用されているため、車椅子走行時における衝撃吸収が殆ど不可能な状態となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、車椅子本体2に固定されているキャスター取付筒体16内に一個または二個以上のダンパー21,22を圧入し、該ダンパー21,22の内側に少なくとも上端部にねじ溝19Aを設けたキャスター軸棒19を挿入し、該キャスター軸棒19上端からダンパー固定ナット26を螺入して該ダンパー21,22上端を該ナット26で締付けることによって該ダンパー21,22を該キャスター取付筒体16内に固定し、該キャスター軸棒19下端にはキャスター車輪38を支持するフォーク17を左右回動自在に支持した構成であって、該ダンパー21,22は内筒21A,22Aと、外筒21B,22Bと、該内筒21A,22Aと該外筒21B,22Bとの間に介在しているゴムスリーブ23,24とからなる車椅子1のキャスター取付け構造を提供するものである。
該ゴムスリーブ23,24の上面および/または下面には、凹溝23A,24Aが周設されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
〔作用〕
本発明にあっては、内筒21A,22Aと、外筒21B,22Bとの間にゴムスリーブ23,24を介在させているから、該キャスター軸棒19の上端から該ダンパー固定ナット26を螺入して該ダンパー21,22上端を該ダンパー固定ナット26で締付けても、該ダンパー21,22のゴムスリーブ23,24が該ナット26によって挟圧されることは、該内筒21A,22Aと、該外筒21B,22Bとによって阻止される。したがって該ゴムスリーブ23,24はキャスター取付筒体16内周面と該キャスター軸棒19外周面とに圧接していないから、該ゴムスリーブ23,24は軸方向および径方向に変形することが可能であり、該軸棒19は該キャスター取付筒体16に対して軸方向にも径方向にも動くことができる。
【0008】
〔効果〕
したがって本発明にあっては、車椅子走行時における震動や衝撃の吸収が可能となり、車椅子を円滑に走行させることが出来、車椅子に乗っている人に対しても震動や衝撃が大巾に緩和されるから、車椅子の使用感が格段に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を図1〜図6に示す一実施例によって説明すれば、車椅子1の本体2は左右一対の側枠3,3からなり該側枠3,3は座梁部4、前後脚柱部5,6、アームレスト部7、背柱部8、フットレスト支持梁9、および下梁10からなり、該側枠3,3は前後一対のX枠11,12によって結合されており、該背柱部8の上端は後方に弯曲されてグリップ14が取付けられている。
【0010】
該側枠3の後脚柱部6には図1および図2に示す角筒状の車輪取付部13が溶接されており、該車輪取付部13には主車輪15が回転自在に取付けられている。
【0011】
該側枠3前脚柱部5には図3に示すキャスター取付筒体16が溶接されている。該取付筒体16内には下端からはフォーク17の基端部17Aから六角座18を介して立設されている軸棒19が挿入され、該軸棒19にはワッシャ20、上下一対のダンパー21,22が外側嵌合されている。
【0012】
該ダンパー21,22は内筒21A,22Aと、外筒21B,22Bと、その間に介在しているゴムスリーブ23,24とからなり、該ゴムスリーブ23,24は該内筒21A,22Aの外周および該外筒21B,22B内周とに接着剤によって接着されることによって、該内筒21A,22Aおよび外筒21B,22Bと一体化されている。更に該ゴムスリーブ23,24の上下面には凹溝23A,24Aが周設されている。そして該ダンパー21,22は該キャスター取付筒体16の内側に密接嵌合挿入されており、該上下のダンパー21,22は該内筒21A,22Aを相互当接した状態とされている。該下側のダンパー21は下端をワッシャー20に当接し、上端は上下ゴムスリーブ23,24の外筒21B,22Bの間隙にキャスター取付筒体16の外側から螺着されているスペーサーねじ25を挿入することによって上下ダンパー21,22は上下方向の動きを規制され、また該上側のダンパー22は該軸棒19の上端部に形成されているねじ溝19Aにダンパー固定ナット26を螺着し、該ナット26を該ダンパー22の内筒22Aの上端に当接して締付けることによって固定される。
【0013】
この場合、前記したように該下側のダンパー21の内筒21Aの上端は該上側のダンパー22の内筒22A下端に当接しているから、該上側のダンパー22をナット26で締付け固定すれば、該上側のダンパー22を介して該下側のダンパー21も固定される。
【0014】
該キャスター取付筒体16の上端にはスリーブ27Aを有するキャップ27が嵌着されて、該キャップ27は該スリーブ27Aを該キャスター取付筒体16の外側から螺入されるキャップ取付ねじ28を締付けることによって該キャスター取付筒体16上端に固定される。この状態で該キャップ27のスリーブ27Aの下端が上側のダンパー22の外筒22Bに当接する。
【0015】
該軸棒19の6角座18の下面からは図5に示すように下側軸棒29が延設されており、該下側軸棒29はフォーク17の基端部17Aに内接されている上側ベアリング30、中間リング32、下側ベアリング31を貫通し、下端螺溝部29Aにはナット33が螺着締付され、このようにして該フォーク17は該下側軸棒29に左右回動可能に取り付けられている。
【0016】
該フォーク17には図6に示すようにキャスター車輪取付け用の軸孔34A,34B,34Cの複数個(3個)が縦方向に設けられており、該軸孔34A,34B,34Cの一つを選び、主車輪15と同様なカムレバー36付き車軸35およびプレス座金39と、該車軸35の先端螺溝部35Aに螺着されるナット37によってキャスター車輪38を上下取付け位置調節可能に取り付ける。
【0017】
上記構成においては、ナット26の締付け力はダンパー21,22の内筒21A,22Aによってゴムスリーブ23,24に及ぶのを阻止され、したがって該ゴムスリーブ23,24は該ナット26によって挟圧されないので、図4矢印イ、ロに示すように軸方向および径方向に変形可能である。かくして車椅子走行時の震動や衝撃は該ゴムスリーブ23,24によって吸収されてしまうので、車椅子に乗っている人に対しても、このような震動や衝撃は大巾に緩和される。
【0018】
本実施例ではゴムスリーブ23,24の上下面に凹溝23A,24Aを形成したから、ゴムスリーブ23,24の軸方向および径方向の変形は更に容易になるが、該凹溝は省略してもよい。
またダンパーは一個のみ使用してもよく、更に二個以上使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の車椅子は乗っている人に対する走行時の震動や衝撃が大巾に緩和され、優れた乗り心地を与えるから、産業上利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1〜図6は本発明の実施例を示すものである。
【図1】車椅子側面図
【図2】車椅子正面図
【図3】キャスター取付け部分説明分解斜視図
【図4】キャスター取付筒体の側断面図
【図5】フォーク基端部部分断面図
【図6】キャスター車輪取付け状態正面図
【図7】従来例のキャスター取付け構造分解斜視図
【図8】従来例のキャスター取付け構造説明断面図
【符号の説明】
【0021】
1 車椅子
2 本体
16 キャスター取付筒体
17 フォーク
17A 基端部
19 (キャスター)軸棒
19A ねじ溝
21,22 ダンパー
21A,22A 内筒
21B,22B 外筒
23,24 ゴムスリーブ
23A,24A 凹溝
25 スペーサー
26 ダンパー固定ナット
【出願人】 【識別番号】502327953
【氏名又は名称】株式会社三貴工業所
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100075476
【弁理士】
【氏名又は名称】宇佐見 忠男


【公開番号】 特開2008−6190(P2008−6190A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181637(P2006−181637)