| 【発明の名称】 |
灌注/吸引システムの制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】ショーン エックス.ガオ
|
| 【要約】 |
【課題】改良された二重ポンプ吸引システムを提供する。
【構成】真空レベル制御ループと流量制御ループの両方を備える二重ポンプ吸引システムを提供する。このシステムは、真空優先システムまたは流量優先システムとして動作させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灌注ラインと、灌注流量センサーと、真空ポンプとを備えていて、その真空ポンプが回収チャンバーおよび吸引ラインを通じて手術部位と連通している灌注/吸引システムを制御する方法であって、 a)上記灌注ラインを灌注流体源と接続し; b)上記真空ポンプを作動させて上記回収チャンバーに真空を導入することにより、上記灌注流体源から灌注流体を、上記灌注ライン、上記手術部位、上記吸引ラインを通過させて上記回収チャンバーに引き込み; c)フローポンプおよび/または上記真空ポンプを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルを調節し; d)上記灌注流量センサーを用いて上記灌注ライン内の灌注流体の流量をモニターし; e)流体レベルセンサーを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルをモニターし; f)上記真空ポンプから上記回収チャンバー内の真空をモニターし; g)モニターした上記灌注流体の流量とモニターした上記回収チャンバー内の流体のレベルに基づいてその回収チャンバーに導入される真空を変化させることにより、選択した流量で上記吸引ラインを通じてその回収チャンバーに入る流体流を維持することを含む方法。 【請求項2】 灌注ラインと、灌注圧センサーと、真空ポンプとを備えていて、その真空ポンプが回収チャンバーおよび吸引ラインを通じて手術部位と連通している灌注/吸引システムを制御する方法であって、 a)上記灌注ラインを灌注流体源と接続し; b)上記真空ポンプを作動させて上記回収チャンバーに真空を導入することにより、上記灌注流体源から灌注流体を、上記灌注ライン、上記手術部位、上記吸引ラインを通過させて上記回収チャンバーに引き込み; c)フローポンプおよび/または上記真空ポンプを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルを調節し; d)上記灌注圧センサーを用いて上記灌注ライン内の灌注流体の圧力をモニターし; e)流体レベルセンサーを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルをモニターし; f)上記真空ポンプから上記回収チャンバー内の真空をモニターし; g)モニターした灌注流体の圧力とモニターした上記回収チャンバー内の流体のレベルに基づいてその回収チャンバーに導入される真空を変化させることにより、選択した流量で上記吸引ラインを通じてその回収チャンバーに入る流体流を維持することを含む方法。 【請求項3】 灌注ラインと、灌注流量センサーと、真空ポンプと、フローポンプとを備えていて、その真空ポンプが回収チャンバーおよび吸引ラインを通じて手術部位と連通している灌注/吸引システムを制御する方法であって、 a)上記灌注ラインを灌注流体源と接続し; b)上記真空ポンプを作動させて上記回収チャンバーに真空を導入することにより、上記灌注流体源から灌注流体を、上記灌注ライン、上記手術部位、上記吸引ラインを通過させて上記回収チャンバーに引き込み; c)上記フローポンプおよび/または上記真空ポンプを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルを調節し; d)上記灌注流量センサーを用いて上記灌注ライン内の灌注流体の流量をモニターし; e)流体レベルセンサーを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルをモニターし; f)上記真空ポンプから上記回収チャンバー内の真空をモニターし; g)モニターした上記灌注流体の流量、および/または上記フローポンプの動作、および/またはモニターした上記回収チャンバー内の流体のレベルに基づいて上記手術部位における上記灌注流体の漏れ量を求めることを含む方法。 【請求項4】 灌注ラインと、灌注流量センサーと、真空ポンプとを備えていて、その真空ポンプが回収チャンバーおよび吸引ラインを通じて手術部位と連通している灌注/吸引システムを制御する方法であって、 a)上記灌注ラインを灌注流体源と接続し; b)上記真空ポンプを作動させて上記回収チャンバーに真空を導入することにより、上記灌注流体源から灌注流体を、上記灌注ライン、上記手術部位、上記吸引ラインを通過させて上記回収チャンバーに引き込み; c)フローポンプおよび/または上記真空ポンプを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルを調節し; d)上記灌注流量センサーを用いて上記灌注ライン内の灌注流体の流量をモニターし; e)流体レベルセンサーを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルをモニターし; f)上記真空ポンプから上記回収チャンバー内の真空をモニターし; g)上記フローポンプの動作をモニターし; h)モニターした上記灌注流体の流量、および/またはモニターした上記フローポンプの動作、および/またはモニターした上記回収チャンバー内の流体のレベルに基づいて、上記灌注ラインまたは上記吸引ラインにおいて閉塞が生じた時期を求めることを含む方法。 【請求項5】 灌注ラインと、灌注流量センサーと、真空ポンプとを備えていて、その真空ポンプが回収チャンバーおよび吸引ラインを通じて手術部位と連通している灌注/吸引システムを制御する方法であって、 a)上記灌注ラインを灌注流体源と接続し; b)上記真空ポンプを作動させて上記回収チャンバーに真空を導入することにより、上記灌注流体源から灌注流体を、上記灌注ライン、上記手術部位、上記吸引ラインを通過させて上記回収チャンバーに引き込み; c)上記灌注流量センサーを用いて上記灌注ライン内の灌注流体の流量をモニターし; d)流体レベルセンサーを用いて上記回収チャンバー内の流体のレベルをモニターし; e)上記真空ポンプから上記回収チャンバー内の真空をモニターし; f)モニターした上記灌注流体の流量とモニターした上記回収チャンバー内の流体のレベルに基づき、上記吸引ラインを通して上記手術部位に拍動が導入されることなく、その手術部位における上記灌注流体の流量を制御することを含む方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、手術制御コンソールに関するものであり、より詳細には、手術制御コンソールで使用される灌注/吸引システムに関する。 【背景技術】 【0002】 小さな切開を行なう手術の間、特に眼科手術の間、小さなプローブが手術部位に挿入されて、組織の切断や除去、または組織に対する他の操作が行なわれる。こうした手術が行なわれている間、手術部位は一般に灌注溶液で洗浄され、その灌注溶液と組織が手術部位から吸引される。本発明以前に使用されているいろいろなタイプの吸引システムは、一般に、システムで使用するポンプのタイプに応じて流量制御式であるか真空制御式であるかを特徴としており、それぞれのタイプのシステムにはいくつかの利点がある。 【0003】 真空制御式吸引システム(vacuum controlled aspiration systems)は、このシステムが維持することを望む真空レベルを設定して作動させる。流量情報を直接利用することはできない。真空制御式吸引システムでは、一般に、ベンチュリポンプまたはダイアフラムポンプが使用される。真空制御式吸引システムには、応答時間が短く、低下する真空レベルを制御でき、空気を吸引しているとき(例えば空気/流体交換操作の間)に優れた流体性能を示すという利点がある。このシステムの欠点は、流量情報が欠けていることである。そのため、閉塞が検出されないことに加えて水晶体超音波液化吸引/断片化の間の流量が多くなる。真空制御式システムは、リアルタイムの非侵襲的な流量の測定という問題があるため、流量制御モードで動作させることは難しい。 【0004】 流量制御式吸引システム(flow controlled aspiration systems)は、このシステムが維持することを望む吸引流量を設定して作動させる。流量制御式吸引システムでは、一般に、蠕動ポンプ、スクロールポンプ、ベーンポンプが使用される。流量制御式吸引システムには、流量が安定していて、閉塞時に真空レベルが自動的に上昇するという利点がある。このシステムの欠点は、応答時間が比較的長く、コンプライアンスが大きな構成部品を用いるときには望ましくない閉塞消失応答(occlusion break responses)があり、先端が閉塞している間は真空を直線的に低下させられないことである。さらに、蠕動ポンプは、吸引流体流に拍動を発生させる。このポンプが手術部位と流体的に連通している場合には、このポンプの拍動が手術部位に出現する可能性がある。流量制御式システムは、真空測定に時間の遅れがあって制御ループに不安定さを生じさせる可能性があり、そのことによって動的な性能(dynamic performance)が低下するため、真空制御モードで動作させることは難しい。 【0005】 現在市販されている1つの手術システムであるストルツ・インスツルメント社(Storz Instrument Company)のミレニアム(Millennium)は、(ベンチュリポンプを用いる)真空制御式吸引システムと、(スクロールポンプを用いる)流量制御式吸引システムの両方を備えている。これら2つのポンプは同時には使用できず、それぞれのポンプが別々の吸引管とカセットを必要とする。 【0006】 現在利用可能な別のシステムであるアルコン・ラボラトリーズ社(Alcon Laboratories, Inc.)のACCURUS(登録商標)システムは、ベンチュリポンプと蠕動ポンプの両方を備えており、両者が直列で動作する。ベンチュリポンプは、手術部位から物質を吸引して小さな回収チャンバーに送る。蠕動ポンプは吸引物を小さな回収チャンバーからより大きな回収袋に送る。蠕動ポンプは手術部位に対して吸引のための真空を提供することはない。したがってこのシステムは真空制御式システムとして動作する。 【0007】 したがって、真空制御モードと流量制御モードの両方で動作する手術システムが相変わらず必要とされている。 【0008】 【特許文献1】米国特許第5,380,280号明細書 【特許文献2】米国特許第5,674,194号明細書 【特許文献3】米国特許第5,747,824号明細書 【発明の開示】 【0009】 本発明は、真空レベル制御ループと流量制御ループの両方を備える二重ポンプ吸引システム(dual pump aspiration system)を提供することにより、従来技術を改善するものである。このシステムは、真空優先システムまたは流量優先システムとして動作させることができる。 【0010】 したがって本発明の1つの目的は、二重ポンプ吸引システムを提供することである。 【0011】 本発明の別の目的は、真空レベル制御ループと流量制御ループの両方を備える吸引システムを提供することである。 【0012】 本発明のさらに別の目的は、真空優先システムまたは流量優先システムとして動作させることができる吸引制御システムと吸引制御方法を提供することである。 【0013】 本発明の他の目的、特徴、利点は、添付の図面および以下の図面に関連させた説明、並びに特許請求の範囲から明らかになろう。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 添付の図面から最もよくわかるように、本発明のシステム10は、一般に、真空ポンプ12、フローポンプ(flow pump)14、圧力トランスデューサ16、小さな回収チャンバー18、流体レベルセンサー20、廃液袋22、制御回路24、および流量センサーまたは圧力センサー等のセンサー26を備えている。真空ポンプ12としては適切な任意のポンプが可能であり、例えばダイアフラムポンプ、ベーンポンプ、スクロールポンプ、蠕動ポンプなどがあるが、ベンチュリポンプが好ましい。圧力トランスデューサ16としては、圧力または真空を直接または間接的に測定する適切な任意の装置が可能であり、例えば真空トランスデューサや絶対圧トランスデューサなどがある。真空ポンプ12の制御に適した1つのシステムが、上記特許文献2(米国特許第5,674,194号)に開示されている(その全内容はこの参照によりこの明細書に組み込まれているものとする)。フローポンプ14としては、適切な任意のポンプが可能であり、例えばベンチュリポンプ、ダイアフラムポンプ、ベーンポンプ、スクロールポンプなどがあるが、蠕動ポンプが好ましい。流体レベルセンサー20としては、小さな回収チャンバー18内の流体レベルを測定するための適切な任意の装置が可能だが、光学式流体レベルセンサーまたは音波式レベルセンサー(例えば上記特許文献3(米国特許第5,747,824号)に記載されているもの(その全内容はこの参照によりこの明細書に組み込まれているものとする))が好ましい。制御回路24は、システム10を制御するのに必要なすべてのハードウエアとソフトウエアを備えている。そのようなハードウエアとソフトウエアは、当業者にはよく知られている。 【0015】 真空制御モードでは、システム10は、真空ポンプ12が吸引ライン11を通じて小さな回収チャンバー18を所定の真空にすることによって動作する。この真空は、吸引ライン30を通じて手術部位28に伝えられる。小さな回収チャンバー18に流体32が満たされ始めると、真空レベルの変化が圧力トランスデューサ16によって感知され、圧力トランスデューサ16はインターフェイス33を通じて信号を制御回路24に送る。制御回路24は、真空ポンプ12によって提供される真空を必要に応じて調節するため、インターフェイス34を通じて真空ポンプ12に制御信号を送る。小さな回収チャンバー18内の流体32のレベルが所定のレベルに到達すると、流体レベルセンサー20はインターフェイス36を通じて信号を制御回路24に送る。制御回路24はフローポンプ制御信号を発生させ、その信号をインターフェイス38を通じてフローポンプ14に送り、小さな回収チャンバー18からライン40を通じて流体32を排出させて廃液袋22に入れ始めるようフローポンプに指示する。制御回路24の指示の下でシステム10が動作することにより、吸引ライン30の中の圧力レベルが安定的に維持される。 【0016】 流量制御モードでは、システム10は、真空ポンプ12が吸引ライン11を通じて小さな回収チャンバー18を真空にすることによって動作する。この真空は、吸引ライン30を通じて手術部位28に伝えられる。灌注流体源29の上昇または加圧によって注入流体が加圧されるにつれて、手術部位28における真空により、灌注流体32が灌注ライン31を通じて手術部位28へと流れる。灌注ライン31の中の流量または圧力は、センサー26によって測定でき、インターフェイス27によって制御回路24に伝えられる。灌注流体32は手術部位28へと流れ続け、吸引ライン30を通じて手術部位28から小さな回収チャンバー18へと移動する。小さな回収チャンバー18が流体32で満たされ始めると、真空レベルの変化が圧力トランスデューサ16によって感知され、圧力トランスデューサ16は、インターフェイス33を通じて信号を制御回路24に送る。流体レベルの変化が流体レベルセンサー20によって検出されると、流体レベルセンサー20は、インターフェイス36を通じて信号を制御回路24に送る。流体レベルセンサー20、フローポンプ14、センサー26からの情報をもとに、制御回路24は、吸引ライン30における吸引流体の流量を推定することができる。したがって制御回路24は、吸引圧ではなく吸引流量の計算値をもとにしてシステム10を制御することができる。当業者であれば、回収チャンバー18内の真空を変化させることによって吸引ライン30を通過する流量を制御できることが理解できよう。さらに、制御回路は、吸引流体の流量の計算値と灌注流の流量の測定値を比較することにより、多数の事象(例えば手術部位28における傷からの漏れ量、灌注ライン31中の障害物、吸引ライン30中の障害物または閉塞)を検出することができる。 【0017】 当業者であれば、ハイブリッド制御モードも利用できることがわかるであろう。その場合、システム10は流量制御モードで動作していて、ある条件になると真空制御モードで動作し始めるか、それとは逆のことが起こる。 【0018】 本発明のいくつかの実施態様を上に記述してきたが、この記述は例示と説明を目的としたものである。本発明の範囲または精神から逸脱することなく、上に開示したシステムと方法からの変形例、変化例、変更例、発展例を採用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0019】 【図1】図1は、本発明の二重モード・システムの概略図である。 【符号の説明】 【0020】 12 真空ポンプ 14 フローポンプ 16 圧力センサー 20 流体レベルセンサー 22 廃液袋 24 制御回路
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500319044 【氏名又は名称】アルコン,インコーポレイティド
|
| 【出願日】 |
平成19年9月4日(2007.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099759 【弁理士】 【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100092624 【弁理士】 【氏名又は名称】鶴田 準一
【識別番号】100102819 【弁理士】 【氏名又は名称】島田 哲郎
【識別番号】100123582 【弁理士】 【氏名又は名称】三橋 真二
|
| 【公開番号】 |
特開2008−68081(P2008−68081A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2007−228920(P2007−228920) |
|